JP4362313B2 - スピニングリールの往復移動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、往復移動装置、特に、フェースギアの回転に連動してスプールを前後に往復移動させるスピニングリールの往復移動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
スピニングリールのトラバースカム方式のオシレーティング機構(往復移動装置の一例)は、ピニオンギアに噛み合う従動ギアと、従動ギアが先端に装着されスプール軸と平行に配置された螺軸と、螺軸に係合するスライダとを有しており、スライダにスプール軸が軸方向移動不能に装着されている。
【0003】
このようなトラバースカム方式のオシレーティング機構では、製造コストを抑え、精度を容易に確保できるように減速するために、ピニオンギアに噛み合う大径ギアと、従動ギアに噛み合う小径ギアとを有する段付ギアを備えたものが開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
このオシレーティング機構は、フェースギアの回転に連動してスプールを前後に往復移動させる装置であって、フェースギアの回転に連動して回転するピニオンギアと、段付ギアと、移動手段とを備えている。段付ギアは、ピニオンギアに噛み合う大径ギアと、大径ギアと同芯に配置され大径ギアと一体回転する小径ギアとを有するギア部である。移動手段は、小径ギアに噛み合う従動ギアを有し、従動ギアの回転によりスプールを往復移動させる手段である。また、ピニオンギアと従動ギアとは、互いに当接しない位置に配置されている。
【0004】
このようなオシレーティング機構では、単純な構造の段付ギアによって減速してスプールを往復移動させているので、特殊なギアを用いる必要がなくなり、製造コストの上昇を抑えることができる。また、段付ギアの回転軸と、駆動ギア及び従動ギアの回転軸とを平行に配置できるので、加工精度を容易に確保することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−321041号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の構成では、段付ギアを設けることにより、製造コストの上昇を抑え、加工精度を容易に確保することができる。しかし、リール全体をコンパクトにするために、リール本体の幅を小さくした場合、ピニオンギア、段付ギア及び従動ギアの各種のギアを収納する収納空間が小さくなることがある。リール本体の収納空間が小さくなると、各種のギアを配置するのが困難になる。そこで、各種のギアの大きさを小さくすることが考えられるが、それに伴って減速比が小さくなり、所望の性能が発揮されないおそれがある。
【0007】
本発明の課題は、スピニングリールの往復移動装置において、減速比を維持しながら、リール本体に各種のギアをコンパクトに配置できるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明1に係るスピニングリールの往復移動装置は、スピニングリールのリール本体に設けられたフェースギアの回転に連動してスプールをスプール軸を介して前後に往復移動させるスピニングリールの往復移動装置であって、フェースギアと食い違う軸回りにリール本体に回転自在に装着された段付ギアと、従動ギアと、スプール軸と平行に配置され従動ギアが前部に回転不能に装着され表面に螺旋状の交差する溝が形成された螺軸と、リール本体に前後移動自在に装着され溝に係合する係合部材を有しスプール軸が少なくとも前後移動不能に装着された摺動子と、ピニオンギアとを備えている。段付ギアは、大径ギアと、大径ギアと同芯に配置され大径ギアと一体回転する小径ギアとを有している。従動ギアは小径ギアに噛み合っている。ピニオンギアは、大径ギア及びフェースギアに外周部が噛み合うギア部と、ギア部より小径に形成され従動ギアの回転を許容しながら従動ギアの外周部を配置可能に周方向に切り欠かれて形成された切欠き部とを有している。切欠き部内に従動ギアの外周部が配置されている。
【0009】
この往復移動装置では、フェースギアが回転すると、それに連動してピニオンギアが回転する。ピニオンギアが回転するとその回転が段付ギアの大径ギアに伝達され、大径ギアとともに小径ギアが回転する。小径ギアが回転するとその回転が従動ギアに伝達され、螺軸及び摺動子によってスプールが往復移動する。ここでは、ピニオンギアはギア部より小径に周方向に切り欠かれて形成された切欠き部を有しており、この切欠き部に従動ギアの外周部を配置可能である。このため、リール本体の収納空間を小さくしても、この切欠き部に減速比が同等の従動ギアを配置することにより、減速比を維持しながら、リール本体に各種のギアをコンパクトに配置できる。
【0010】
発明2に係るスピニングリールの往復移動装置は、発明1に記載の装置において、切欠き部はギア部の軸方向前方に配置されている。この場合、螺軸の前部に装着される従動ギアがピニオンギアのギア部の前方に配置されるので、螺軸が全体的に前側に配置される。このため、螺軸の後端が前側に配置され、リール本体の前後長さ(スプール軸方向長さ)を短くすることができる。
【0011】
発明3に係るスピニングリールの往復移動装置は、発明1又は2に記載の装置において、切欠き部はピニオンギアの周方向に形成された溝部であり、溝部の軸方向長さは従動ギアの軸方向長さより大きい。この場合、溝部の軸方向長さは従動ギアの軸方向長さより大きいので、従動ギアの回転を阻害しなくなる。
発明4に係るスピニングリールの往復移動装置は、発明1から3に記載の装置において、小径ギアと大径ギアとは別体で形成されている。この場合、小径ギアと大径ギアとを材質の異なる別部材により形成できる。とくに、ドラグ作動時にスプール軸が回転するリアドラグ型のスピニングリールの場合、ドラグ作動時に摺動子の前後移動に大きな力が作用するため、小径ギアに大きな力が作用する。このような場合に小径ギアを比強度が強い材質にすることにより比強度を高く維持できる。
【0012】
発明5に係るスピニングリールの往復移動装置は、発明4に記載の装置において、小径ギアは係合部をさらに有し、大径ギアは係合部が回転不能に係合する被係合部をさらに有している。この場合、たとえば小径ギアに軸方向外方に突出した係合部を形成し、大径ギアにたとえば小判形状等の非円形状の凹部又は貫通孔からなる被係合部を形成し、係合部を被係合部に係合することにより、小径ギアを大径ギアを容易に回転不能に連結できる。
【0013】
発明6に係るスピニングリールの往復移動装置は、発明4又は5に記載の装置において、小径ギアはダイカスト成形により形成されている。この場合、たとえば亜鉛等の金属をダイカスト成形することにより、従動ギアに噛み合う小径ギアの比強度を高く維持できる。
発明7に係るスピニングリールの往復移動装置は、発明4から6に記載の装置において、大径ギアはプレス加工の後に歯切り加工されて形成されている。この場合、たとえば金属性部材をプレス加工し、その後に機械加工により歯切り加工することにより、ピニオンギアに噛み合わせるために形状が複雑になりやすい大径ギアの形成が容易になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
〔全体構成及びリール本体の構成〕
本発明の一実施形態を採用したスピニングリールは、図1に示すように、ハンドル1と、ハンドル1を回転自在に支持するリール本体2と、ロータ3と、スプール4とを備えている。ロータ3は、リール本体2の前部に回転自在に支持されている。スプール4は、釣り糸を外周面に巻き取るものであり、ロータ3の前部に前後移動自在に配置されている。
【0015】
リール本体2は、図1及び図2に示すように、側部に開口2cを有するリールボディ2aと、リールボディ2aの開口2cを閉塞するための蓋体2dと、蓋体2dから斜め上前方に一体で延びるT字状の竿取付脚2bとを有している。
リールボディ2aは、内部に空間を有しており、その空間内には、ロータ3をハンドル1の回転に連動して回転させるロータ駆動機構5と、スプール4を前後に移動させて釣り糸を均一に巻き取るためのオシレーティング機構6とが設けられている。
【0016】
リールボディ2aの前部には、ロータ3の後部を塞ぐ円形のフランジ部2eが蓋体2dとによって形成されている。リールボディ2a側のフランジ部2eの後部には、円形の隔壁2gが形成されており、隔壁2gの後部に円形の空間が形成されている。
〔ロータの構成〕
ロータ3は、図1に示すように、後端が開口する円筒部30と、円筒部30の側方に互いに対向してそれぞれ設けられた第1ロータアーム31及び第2ロータアーム32とを有している。円筒部30と第1ロータアーム31及び第2ロータアーム32とは一体成形されている。
【0017】
円筒部30は、リールボディ2aのフランジ部2eの外周側に配置されている。円筒部30の開口する後部は、フランジ部2eにより塞がれている。円筒部30の前部には前壁33が形成されており、前壁33の中央部にはボス33aが形成されている。このボス33aの貫通孔をピニオンギア12の雄ねじ部12e及びスプール軸15が貫通している。前壁33の前方側にはナット34が配置されており、このナット34がピニオンギア12の先端の雄ネジ部12eに螺合してロータ3をピニオンギア12に固定している。
【0018】
第1ロータアーム31及び第2ロータアーム32の先端には、釣り糸をスプール4に案内するためのベールアーム44が糸巻き取り姿勢と糸開放姿勢との間で揺動自在に装着されている。
ロータ3の円筒部30の隔壁2gの前側の空間内にはロータ3の逆転防止機構50が配置されている。逆転防止機構50は、ローラ型のワンウェイクラッチ51と、ワンウェイクラッチ51を作動状態及び非作動状態に切り換える操作機構52とを有している。ワンウェイクラッチ51は、外輪がリールボディ2aに固定され、内輪がピニオンギア12に回転不能に装着されている。操作機構52は、リールボディ2aの後部に配置された操作レバー53を有しており、操作レバー53を揺動させることでワンウェイクラッチが2つの状態に切り換られ、作動状態のときにロータ3が逆転不能になり、非作動状態のときロータ3が逆転可能になる。
【0019】
〔スプールの構成〕
スプール4は、ロータ3の第1ロータアーム31と第2ロータアーム32との間に配置されており、スプール軸15の先端にドラグ機構60を介して固定されている。スプール4は、外周に釣り糸が巻き付けられる糸巻胴部4aと、糸巻胴部4aの後部に一体成形されたスカート部4bと、糸巻胴部4aの前部に一体形成された前フランジ部4cとを有している。糸巻胴部4aはロータ3の円筒部30の外周側まで延びる円筒状の部材である。
【0020】
〔ロータ駆動機構の構成〕
ロータ駆動機構5は、図1及び図2に示すように、ハンドル1が回転不能に装着されたメインギア軸10と、メインギア軸10とともに回転するフェースギアであるメインギア11と、このメインギア11に噛み合うピニオンギア12とを有している。
【0021】
ピニオンギア12は、メインギア11と食い違う回りにリールボディ2aに回転自在に装着されている。ピニオンギア12は、図3及び図4に示すように、ハンドル1の回転に連動して回転する筒状の部材であり、前後に延びるスプール軸15が中心部を貫通している。ピニオンギア12は、メインギア11及び後述する大径ギア19に噛み合うギア部12aと、ギア部12aの先端側に形成された筒部12bと、ギア部12aの軸方向前方(図4左側)に配置されギア部12aより小径に形成された切欠き部12cとを有している。ピニオンギア12は、筒部12bとギア部12aの後部側とでリールボディ2aに軸受14a、14bを介して回転自在に支持されている。ギア部12aは、フェースギアであるメインギア11に噛み合うねじ歯車である。筒部12bの先端には、互いに平行な面取り部12dが形成されているとともに雄ねじ部12eが形成されている。この面取り部12dにロータ3が回転不能に装着され、雄ねじ部12eに螺合するナット34によりロータ3がピニオンギア12の筒部12bの先端部に固定されている。切欠き部12cは、周方向に形成された環状の溝部であり、溝部の軸方向長さは、後述する従動ギア16のギア部分の軸方向長さより長い。
【0022】
〔オシレーティング機構の構成〕
オシレーティング機構6は、ハンドル1の回転に連動してスプール軸15を介してスプール4を前後に往復移動させる機構である。オシレーティング機構6は、図2から図5に示すように、大径ギア19と小径ギア20とを有し、メインギア11と食い違う軸回りにリール本体2に回転自在に装着され段付ギア13と、小径ギア20に噛み合う従動ギア16と、従動ギア16が回転不能に装着された螺軸21と、螺軸21に係合して前後移動するスライダ22と、前述したピニオンギア12とを有している。
【0023】
段付ギア13は、ピニオンギア12の回転を大きく減速して従動ギア16に伝達するために設けられている。段付ギア13は、隔壁2gの後側(図4右側)の円形の空間内に配置されている。段付ギア13は、隔壁2gにスプール軸15と平行に装着された装着軸18に回転自在に支持されている。装着軸18は、隔壁2gと隔壁2gの後方に配置されたブラケット2hとにより両端が支持されている。段付ギア13の大径ギア19は、ピニオンギア12のギア部12aに噛み合うねじ歯車である。大径ギア19は、たとえばプレス加工後に歯切り加工して形成されたものであり、中心に長溝形状の係合孔19aを有している。小径ギア20は、大径ギア19と同芯に配置されたすぐ歯ギアである。小径ギア20は、たとえばダイカスト成形により形成されている。小径ギア20には、係合孔19aに回転不能に係合する係合凸部20aが大径ギア19に向けて突出して形成されている。小径ギア20の中心には装着軸18が貫通している。
【0024】
従動ギア16は、小径ギア20に噛み合うすぐ歯ギアであり、外周部がピニオンギア12の切欠き部12c内に配置されている。従動ギア16の外周部は環状溝で構成される切欠き部12cの底部と僅かな隙間をあけて配置されている。
このようにピニオンギア12に切欠き部12cを形成するとともに、従動ギア16の外周部を切欠き部12c内に配置することにより、従動ギア16及び螺軸21をスプール軸15に接近させることができ、減速比を維持しながら、リール本体2に各種のギアをコンパクトに配置できる、
螺軸21は、スプール軸15と平行に配置されており、リールボディ2aに回転自在に支持されている。また、螺軸21の外周部には螺旋状の交差する溝21aが形成されている。この螺軸21の先端に前述したように従動ギア16が回転不能に装着されている。
【0025】
スライダ22は、スライダ本体25と、スライダ本体25内に収納された係合部材26とを有している。スライダ本体25は、2本のガイド軸24a、24bによりスプール軸15と平行に案内される。係合部材26は、スライダ本体25内に回動自在に装着されており、係合部材26の先端は、螺軸21の溝21aに噛み合っている。
【0026】
〔リールの操作及び動作〕
このスピニングリールでは、キャスティング時には、ベールアーム44を糸巻き取り姿勢から糸開放姿勢に倒す。そして、釣竿を振って仕掛けをキャスティングする。すると、スプール4の先端から釣り糸が螺旋状に放出される。このとき、スプール4に釣り糸が密に巻き付けられているので、放出抵抗が少なくなる。
【0027】
釣り糸巻き取り時には、ベールアーム44を糸巻き取り姿勢に倒す。これは、ハンドル1を糸巻き取り方向に回転させると図示しないカムとバネの働きにより自動的に行われる。ハンドル1を糸巻き取り方向に回転させると、この回転力はメインギア軸10及びメインギア11を介してピニオンギア12に伝達される。このピニオンギア12に伝達された回転力は、ピニオンギア12の前部を介してロータ3に伝達され、ロータ3が糸巻き取り方向に回転する。
【0028】
一方、ピニオンギア12に噛み合う大径ギア19によって段付ギア13が回転し、その回転が小径ギア20を介して従動ギア16に伝達される。この結果、ピニオンギア12の回転速度、すなわちロータ3の回転速度より小さい回転速度で螺軸21が回転する。そして、螺軸21の回転により螺軸21の溝21aに噛み合うスライダ22がガイド軸24a、24bに案内されて前後方向に移動する。そして、ベールアーム44によってスプール4に案内された釣り糸はスプール4の糸巻胴部4aに巻き付けられ、スプール4に釣り糸が密に巻き付けられる。このため、スプール4に釣り糸が効率よく巻き付けられる。
【0029】
このような構成のスピニングリールでは、ピニオンギア12はギア部12aより小径に周方向に切り欠かれて形成された切欠き部12cを有しており、この切欠き部12cに従動ギア16の外周部を配置可能である。このため、リール本体2の収納空間を小さくしても、この切欠き部12cに減速比が同等の従動ギア16を配置することにより、減速比を維持しながら、リール本体2に各種のギアをコンパクトに配置できる。
【0030】
〔他の実施形態〕
(a)前記実施形態では、フロントドラグ型のスピニングリールを例に説明したが、螺軸を有するトラバースカム方式のオシレーティング機構であれば、どのようなタイプのスピニングリールにも適用できる。
リアドラグ型のスピニングリールのオシレーティング機構では、スプール軸はスライダに回転自在かつ軸方向移動不能に連結される。この場合、ドラグ作動時に摺動子の前後移動に大きな力が作用するため、小径ギアに大きな力が作用する。このような場合に小径ギアと大径ギアとを別体で形成し、小径ギアを比強度が強い材質にすることにより小径ギアの比強度を高く維持できる。
【0031】
(b)前記実施形態では、段付ギア13の加工を容易にするとともに小径ギア20の比強度を大径ギア19に比べて高めるために、両ギア19,20を別体に構成し材質を変えたが、両ギア19,20を一体形成してもよい。
(c)前記実施形態では、切欠き部をギア部の前方に配置したが、ギア部の後方に配置してもよい。この場合、小径ギアを大径ギアの前方ではなく後方に配置するのが好ましい。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、ピニオンギアはギア部より小径に周方向に切り欠かれて形成された切欠き部を有しており、この切欠き部に従動ギアの外周部を配置可能である。このため、リール本体の収納空間を小さくしても、この切欠き部に減速比が同等の従動ギアを配置することにより、減速比を維持しながら、リール本体に各種のギアをコンパクトに配置できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を採用したスピニングリールの左側面断面図。
【図2】図1のII−II断面図。
【図3】オシレーティング機構の斜視図。
【図4】前記オシレーティング機構の縦断面部分図。
【図5】図4のV−V断面図。
【符号の説明】
2 リール本体
4 スプール
6 オシレーティング機構
10 メインギア軸
11 メインギア
12 ピニオンギア
12a ギア部
12c 切欠き部
13 段付ギア
15 スプール軸
16 従動ギア
19 大径ギア
19a 係合孔
20 小径ギア
20a 係合凸部
21 螺軸
21a 溝
22 スライダ
26 係合部材

Claims (7)

  1. スピニングリールのリール本体に設けられたフェースギアの回転に連動してスプールをスプール軸を介して前後に往復移動させるスピニングリールの往復移動装置であって、
    大径ギアと、前記大径ギアと同芯に配置され前記大径ギアと一体回転する小径ギアとを有し、前記フェースギアと食い違う軸回りに前記リール本体に回転自在に装着された段付ギアと、
    前記小径ギアに噛み合う従動ギアと、
    前記スプール軸と平行に配置され、前記従動ギアが前部に回転不能に装着され表面に螺旋状の交差する溝が形成された螺軸と、
    前記リール本体に前後移動自在に装着され、前記溝に係合する係合部材を有し、前記スプール軸が少なくとも前後移動不能に装着された摺動子と、
    前記大径ギア及び前記フェースギアに外周部が噛み合うギア部と、前記ギア部より小径に形成され前記従動ギアの回転を許容しながら前記従動ギアの外周部を配置可能に周方向に切り欠かれて形成された切欠き部とを有するピニオンギアと、を備え、
    前記切欠き部内に前記従動ギアの外周部が配置されている、スピニングリールの往復移動装置。
  2. 前記切欠き部は前記ギア部の軸方向前方に配置されている、請求項1に記載のスピニングリールの往復移動装置。
  3. 前記切欠き部は前記ピニオンギアの周方向に形成された溝部であり、
    前記溝部の軸方向長さは前記従動ギアの軸方向長さより大きい、請求項1又は2に記載のスピニングリールの往復移動装置。
  4. 前記小径ギアと前記大径ギアとは別体で形成されている、請求項1から3のいずれかに記載のスピニングリールの往復移動装置。
  5. 前記小径ギアは係合部をさらに有し、前記大径ギアは前記係合部が回転不能に係合する被係合部をさらに有している、請求項4に記載のスピニングリールの往復移動装置。
  6. 前記小径ギアはダイカスト成形により形成されている、請求項4又は5に記載のスピニングリールの往復移動装置。
  7. 前記大径ギアはプレス加工の後に歯切り加工されて形成されている、請求項4から6のいずれかに記載のスピニングリールの往復移動装置。
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