JP2003224056A - ウエハ加熱装置 - Google Patents
ウエハ加熱装置Info
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Abstract
使用する測温素子を均熱板に挿入しただけの取付構造で
は、測定温度がばらついたり、均熱を良くするために熱
容量を大きくすると測温の応答速度が遅くなるくという
問題があった。 【解決手段】セラミックスからなる均熱板の一方の主面
をウエハの載置面とし、他方の主面もしくは内部に発熱
抵抗体を有するとともに、該発熱抵抗体と電気的に接続
される給電部を前記他方の主面に具備してなるウエハ加
熱装置において、前記均熱板の他方の主面に断面積、深
さ、を規定した凹部を設け、素線径を規定した測温素子
を挿入し、充填材で接着固定する。
Description
するのに用いるウエハ加熱装置に関するものであり、例
えば、半導体ウエハや液晶基板あるいは回路基板等のウ
エハ上に半導体薄膜を生成したり、前記ウエハ上に塗布
されたレジスト液を乾燥焼き付けしてレジスト膜を形成
するのに好適なものである。
ける、半導体薄膜の成膜処理、エッチング処理、レジス
ト膜の焼き付け処理等においては、半導体ウエハ(以
下、ウエハと略す)を加熱するためにウエハ加熱装置が
用いられている。
ウエハを成膜処理するバッチ式のものが使用されていた
が、ウエハの大きさが8インチから12インチと大型化
するにつれ、処理精度を高めるために、一枚づつ処理す
る枚葉式と呼ばれる手法が近年実施されている。しかし
ながら、枚葉式にすると1回当たりの処理数が減少する
ため、ウエハの処理時間の短縮が必要とされている。こ
のため、ウエハ支持部材に対して、ウエハの加熱時間の
短縮、ウエハの吸着・脱着の迅速化と同時に加熱温度精
度の向上が要求されていた。
あたっては、図4に示すような、窒化アルミニウムやア
ルミナ等のセラミックスからなる均熱板32の一方の主
面を、ウエハWを載せる載置面33とし、他方の主面に
は絶縁層34を介して発熱抵抗体35および給電部36
が設置され、さらに弾性体38により導通端子37が給
電部36に押圧固定された構造のウエハ加熱装置31が
用いられていた。そして、前記均熱板32は支持体41
にボルト47により固定され、さらに均熱板32の内部
には測温素子40が挿入され、これにより均熱板32の
温度を所定の温度に保つように、導通端子37から発熱
抵抗体35に供給される電力を調節するシステムとなっ
ていた。また、導通端子37は、板状構造部43に絶縁
層39を介して固定されていた。
には、凹部45に挿入された支持ピン44が設置されて
おり、ウエハWを載置面33に載せた際にウエハWが載
置面33から非接触となるようにしている。そして、該
支持ピン44上にレジスト液が塗布されたウエハWを載
せたあと、発熱抵抗体35を発熱させることにより、均
熱板32を介して載置面33上のウエハWを加熱し、レ
ジスト液を乾燥焼付けしてウエハW上にレジスト膜を形
成するようになっていた。
料としては、窒化物セラミックスまたは炭化物セラミッ
クスが用いられていた。
開平9−45752号公報に示されている。図5を用い
て構造を説明すると、金属製の均熱板62のウエハ載置
面63近傍に測温素子64が挿入されている。この測温
素子64は、Ptからなる測温抵抗体66が保護管65
の中に前記載置面63に対し平行となるように設置され
リード線67が結線されている。さらに保護管65内の
空所には充填材として伝熱セメント68が充填されてい
る。特に、発熱抵抗体を分割制御する場合は、測定の正
確さと同時に測定バラツキを管理しないと均熱板62の
正確な温度制御ができなくなるので、このような取付構
造とすることが好ましいとされていた。
ようなウエハ加熱装置において、図5に示すような測温
素子64の取付構造では、測温素子64を均熱板62に
挿入しただけであるため、長期な熱サイクルを加える
と、均熱板62を成すセラミックスと充填材との熱膨張
差によるひずみが生じ、熱膨張率が大きな樹脂に固定さ
れた測温素子64が凹部45から抜けやすくなり、これ
により測定温度がばらついたり、均熱を良くするために
熱容量を大きくすると測温の応答速度が遅くなるくとい
う問題があった。特に、発熱抵抗体を複数のブロックに
分割して温度制御する場合、ブロック毎の測温素子64
の測定温度がばらつくとブロック毎の制御が不均一とな
り、均熱板62の温度が一定になるまでに時間が掛かる
という問題があった。
られるようになってきた化学増幅型レジストの熱処理に
於いては、ウエハWを均熱板62上に差し替えした際に
温度が安定するまでの過渡特性、ウエハ面内の温度バラ
ツキが、露光後のレジストの化学増幅処理に極めて重要
であり、従来に増して、緻密かつ応答性の良い温度制御
が必要となってきている。しかしながら、図5に示され
るような構造では、測温素子64の測温体部に保護管や
充填材など付帯し熱容量が大きくなる上に均熱板62の
凹部69に挿入しただけの構造であるために空隙の存在
による応答性の低下は避けられず、上記ウエハ加熱時の
過渡的な温度バラツキや温度安定までにかかる時間など
に問題があった。
窒化アルミニウムは脆いため、均熱板62の凹部69を
生加工時に形成して焼成したり、焼成後に凹部69を形
成する場合は、加工時の応力で均熱板62が破壊しない
ように滑らかな表面になるように加工していた。すなわ
ち、前記凹部69の側面の表面粗さをRmaxで0.2
5μm程度としていた。前記凹部69の表面粗さをこの
ようなレベルに加工した場合、初期はウエハ加熱時の過
渡的な温度バラツキや温度安定までにかかる時間は問題
ないが、熱サイクルを加えて行くと熱膨張率の大きな充
填材68が前記凹部69から徐々に抜け出し、応答性の
良い温度制御ができなくなるという問題が生じていた。
題について鋭意検討した結果、セラミックスからなる均
熱板の一方の主面をウェハ載置面とし、他方の主面また
は内部に発熱抵抗体を形成してなるウエハ加熱装置にお
いて、上記他方の主面からウェハ載置面に向けて凹部を
設けると共に、少なくとも該凹部の側面の表面粗さRm
axを0.3〜200μmとすることが有効であること
を見出した。
て略垂直な方向のスジを形成することにより更に改善す
ることを見いだした。
面取部を形成し、該面取部は凹部の深さ方向に対して略
垂直な方向のスジを形成することも有効である。
の1/2〜3/4ことも有効である。以上のようなこと
により、上記課題を更に改善できることを見出した。
説明する。
例を示す断面図で、炭化珪素、炭化硼素、窒化硼素、窒
化珪素または窒化アルミニウムを主成分とするセラミッ
クスからなる均熱板2の一方の主面を、ウエハWを載せ
る載置面3とするとともに、他方の主面にガラス又は樹
脂等からなる絶縁層4を介して発熱抵抗体5を形成した
ものである。
弧状の電極部と直線状の電極部とからなる略同心円状を
したものや渦巻き状をしたものなど、載置面3を均一に
加熱できるパターン形状であれば良い。均熱性を改善す
るため、発熱抵抗体5を複数のパターンに分割すること
も可能である。
ウム、白金等の材質からなる給電部6が形成され、該給
電部6に導通端子7を弾性体8を介して押圧固定するこ
とにより、導通が確保されている。
ルト17を貫通させ、均熱板2側より弾性体8、座金1
8を介在させてナット19を螺着することにより支持体
11に弾性的に固定している。これにより、均熱板2の
温度を変更したり載置面3にウエハを載せ均熱板2の温
度が変動した場合に支持体11変形が発生しても、上記
弾性体8によってこれを吸収し、これにより均熱板2の
反りを防止し、ウエハW加熱におけるウエハW表面に温
度分布が発生することを防止できる。
た板状構造体13と側壁部からなり、該板状構造体13
には発熱抵抗体5に電力を供給するための導通端子7が
絶縁材9を介して設置され、不図示の空気噴射口や測温
素子保持部が形成されている。
態を詳細に説明する。図2は、均熱板2を発熱抵抗体5
側から見た平面図であり、均熱板2には各発熱抵抗体5
ブロックの内部に測温素子10を保持する部分に凹部2
1を形成されている。そして、該凹部21には、図3に
示すように測温素子10の測温接点10aを配置し、充
填材22等により充填保持する。また、測温接点10a
は、凹部21の底に接するように設置するか、もしくは
前記底からの熱をすぐに検知できるように、Au、A
g、Al等の高熱伝導性の金属箔を介して前記凹部21
の底に設置する。
ついては、Pt/Rh−Pt/Rh系、Pt/Rh−P
t系、Ni/Cr/Si−Ni/Si/Mg系、Ni/
Cr−Al/Mn系、Ni/Cr−Cu/Ni系、Cu
−Cu/Ni系、W−Re系等が使用可能であり、使用
雰囲気や温度に対して適切なものを選定すればよい。例
えば、大気中300℃以下で用いるような場合には、N
i/Cr−Al/Mn系やPt/Rh−Pt系やNi/
Cr−Cu/Ni系等が望ましく、還元性雰囲気下にお
いては、Fe−Cu/Ni系等が望ましい。
先端部には、測温接点10aが形成されている。測温接
点10aは、測温検知のバラツキを小さくするために、
レーザー溶接等により溶融接合し、均一な形状で形成す
ることが望ましい。また、測温接点10a以降について
は、素線同士の接触による測温障害を防止するために適
当な角度で引き出されているが、測温接点以外からの受
熱を避けるため凹部21に接触しない程度の角度にする
ことが望ましい。
る測温障害を防ぐ為、測温接点以降は適当な角度をつけ
て、素線同士が接触しないように設置することも重要で
ある。また、測温素子10の素線自体に樹脂コート・ガ
ラスコート・セラミックコート等の絶縁材料をコーティ
ングしたものを用いることも有効である。また、必要に
応じて、充填保持部以降に絶縁スリーブ等を用いても良
い。
ついては、絶縁性のスリーブ23等で保護することが望
ましい。また、素線自体にもガラスコートやセラミック
コート等の絶縁被覆を施したものを使用することも可能
である。
は、0.3〜200μmとする。さらに好ましくは1〜
20μmとすることが望ましい。該凹部21の表面粗さ
Rmaxが0.3μmより小さいと測温素子10の設置
及び充填材22の接着力が低下し測温素子10の抜けが
生じ易く測温がばらついてしまう。また、前記表面粗さ
Rmaxが200μmより大きいと、加工スジが欠陥と
なり凹部21が割れてしまう恐れが大きくなるので好ま
しくない。
21の側面が穴深さ方向に対して略垂直なスジを有する
ように加工することが望ましい。従来の窒化アルミニウ
ムからなるセラミック基板は、ドクターブレード法によ
って、厚さ0.5mmのグリーンシートを得、パンチン
グにより凹部21を設けた為、凹部21の加工スジの方
向は、凹部21の側面が穴深さ方向に対して略平行のス
ジを有していた。前記穴深さ方向に対して略水平なスジ
方向であると凹部21と樹脂との接着力が小さくなるた
め昇降温を繰り返すうちに隙間が発生し測温にずれが生
じ、ウエハを目的の温度に昇温させられない。
の厚みtの1/2〜3/4とすることが好ましい。前記
深さdが均熱板2の厚みtの1/2未満であると、測温
素子10の測温接点10aが発熱抵抗体5の近くにある
ので、測温接点10aが発熱抵抗体5から直接加熱され
るようになるので、載置面3側の温度が十分上がらない
うちに発熱抵抗体5に印加される電力に制動がかかり、
均熱板2の温度がなかなか均一にならなくなるので好ま
しくない。また、前記凹部21の深さdが3/4より大
きいと、凹部21の底から載置面3までの距離Lが薄く
なるので、測温接点10aへの熱伝導が遅くなり、均熱
板2の温度がオーバーシュートしてしまい好ましくな
い。
2としては、耐熱性樹脂もしくはセラミックセメントを
用いることが好ましい。
分21bにC面もしくはR面の面取り加工を施し、さら
にこの面取り部にも、凹部21の深さ方向に対して垂直
なスジを加工することが好ましい。
加工方法および測温素子10の固定方法について説明す
る。
加工速度を落として、加工する穴径の80〜95%程度
の穴を加工し、その後、狙いの穴径となるように凹部2
1を形成する。さらに、仕上げ加工として、220番程
度の粗いダイヤモンドドリルで凹部21の内面を仕上げ
加工して内面の表面粗さを目標のレベルに加工する。こ
の際に形成した凹凸が、測温素子10固定用に凹部21
に充填した樹脂を固定するアンカーの役目を果たしてく
れる。
0の素線径は、0.05mm〜1.0mm、さらに好ま
しくは0.1〜0.5mmとすることが望ましい。素線
径が0.05mmより細いと、強度がなく取り扱いが安
定しない為、該凹部21への組み付けの際に位置ずれを
起こし易く安定した設置が行えず好ましくない。また、
1.0mmより太いと、測温素子10自体の熱容量が大
きくなりすぎる為、素線を通しての熱引きが大きくなり
温度検知に遅れが生じ、オーバーシュートが大きくなり
過ぎるため好ましくない。
以下の外径のシース型熱電対を上記のような方法で固定
することも可能である。
ために用いる充填材22は、主成分がアルミナ系、窒化
アルミ系、グラファイト系、ジルコニア系等、窒化硼素
系の無機系接着剤や主成分がポリイミド系等の有機系接
着剤のいずれを用いてもよいが、使用温度や環境に応じ
て適切なものを選択して使用する。選択基準としては均
熱板2との濡れ性、熱膨張率が重要であり、熱膨張率に
ついては、均熱板2の熱膨張係数に対して50%〜20
0%の範囲のものがより望ましい。また、充填について
は、充填後常温でしばらく放置し脱泡を行うなどして、
気泡の巻き込みが生じないように充填することが望まし
い。
合、粉末を分散したタイプの充填材22に較べ流動性が
いいので、充填時の作業性がよくなる。また、高熱伝導
性かつ電気絶縁性のフィラーを分散させると、熱伝導性
も改善できる。樹脂の種類としては、ポリイミド、ポリ
イミドアミド、ポリアミドイミド等の耐熱温度が300
℃以上の樹脂を用いることが好ましい。これに対し、耐
熱温度が200℃以下のエポキシ樹脂、シリコン樹脂等
を用いた場合、固着強度は高いが使用中に樹脂が炭化し
て脆くなり、測温素子10が剥離して正確な温度が測定
できなくなる。
して温度制御する場合は、ゾーンの数に応じて、測温素
子10の数を増やすことが好ましい。これにより、ウエ
ハWの温度をより実温に近い値に制御することが可能と
なる。また、この場合は特に、測温素子10の個々の設
置条件を均一にする必要がある。これは、個々の測温素
子10間の温度検知がばらつくと、個々の発熱抵抗体5
ブロックの制御がばらつき、昇温過渡時のウエハの温度
分布に悪影響を与えるためである。
1は、側壁部と板状構造体13を有し、該板状構造体1
3には、その面積の5〜50%にあたる開口部が形成さ
れている。また、該板状構造体13には、必要に応じて
他に、均熱板2の発熱抵抗体5に給電するための給電部
6と導通するための導通端子7、均熱板2を冷却するた
めのガス噴出口、均熱板2の温度を測定するための測温
素子10を設置する。
に昇降自在に設置され、ウエハWを載置面3上に載せた
り、載置面3より持ち上げるために使用される。そし
て、このウエハ加熱装置1により半導体ウエハWを加熱
するには、不図示の搬送アームにて載置面3の上方まで
運ばれたウエハWをリフトピンにより支持したあと、リ
フトピンを降下させてウエハWを載置面3上に載せる。
次に、給電部6に通電して発熱抵抗体5を発熱させ、絶
縁層4及び均熱板2を介して載置面3上のウエハWを加
熱する。
化珪素質焼結体、炭化硼素質焼結体、窒化硼素質焼結
体、窒化珪素質焼結体、もしくは窒化アルミニウム質焼
結体により形成してあることから、熱を加えても変形が
小さく、板厚を薄くできるため、所定の処理温度に加熱
するまでの昇温時間及び所定の処理温度から室温付近に
冷却するまでの冷却時間を短くすることができ、生産性
を高めることができるとともに、60W/m・K以上の
熱伝導率を有することから、薄い板厚でも発熱抵抗体5
のジュール熱を素早く伝達し、載置面3の温度ばらつき
を極めて小さくすることができる。しかも、大気中の水
分等と反応してガスを発生させることもないため、半導
体ウエハW上へのレジスト膜の貼付に用いたとしても、
レジスト膜の組織に悪影響を与えることがなく、微細な
配線を高密度に形成することが可能である。
は、均熱板2の板厚を1mm〜7mmとすることが良
い。これは、板厚が1mm未満であると、板厚が薄すぎ
るために温度ばらつきを平準化するという均熱板2とし
ての効果が小さく、発熱抵抗体5におけるジュール熱の
ばらつきがそのまま載置面3の温度ばらつきとして現れ
るため、載置面3の均熱化が難しいからであり、逆に板
厚が7mmを越えると、均熱板2の熱容量が大きくなり
過ぎ、所定の処理温度に加熱するまでの昇温時間や温度
変更時の冷却時間が長くなり、生産性を向上させること
ができないからである。
置1において、図1に示すように、均熱板2の表面に、
絶縁層4を介して発熱抵抗体5を形成し、発熱抵抗体5
を露出させてあることから、使用条件等に合わせて載置
面3の温度分布が均一となるように、発熱抵抗体5にト
リミングを施して抵抗値を調整することもできる。
しては、炭化珪素、炭化硼素、窒化硼素、窒化珪素、窒
化アルミニウムのいずれか1種以上を主成分とするもの
を使用することができる。炭化珪素質焼結体としては、
主成分の炭化珪素に対し、焼結助剤として硼素(B)と
炭素(C)を含有した焼結体や、主成分の炭化珪素に対
し、焼結助剤としてアルミナ(Al2O3)とイットリア
(Y2O3)を含有し1900〜2200℃で焼成した焼
結体を用いることができ、また、炭化珪素はα型を主体
とするもの、あるいはβ型を主体とするもののいずれで
あっても構わない。
の炭化硼素に対し、焼結助剤として炭素を3〜10重量
%混合し、2000〜2200℃でホットプレス焼成す
ることにより焼結体を得ることができる。
分の窒化硼素に対し、焼結助剤として30〜45重量%
の窒化アルミニウムと5〜10重量%の希土類元素酸化
物を混合し、1900〜2100℃でホットプレス焼成
することにより焼結体を得ることができる。窒化硼素の
焼結体を得る方法としては、他に硼珪酸ガラスを混合し
て焼結させる方法があるが、この場合熱伝導率が著しく
低下するので好ましくない。
の窒化珪素に対し、焼結助剤として3〜12重量%の希
土類元素酸化物と0.5〜3重量%のAl2O3、さらに
焼結体に含まれるSiO2量として1.5〜5重量%と
なるようにSiO2を混合し、1650〜1750℃で
ホットプレス焼成することにより焼結体を得ることがで
きる。ここで示すSiO2量とは、窒化珪素原料中に含
まれる不純物酸素から生成するSiO2と、他の添加物
に含まれる不純物としてのSiO2と、意図的に添加し
たSiO2の総和である。
は、主成分の窒化アルミニウムに対し、焼結助剤として
Y2O3やYb2O3等の希土類元素酸化物と必要に応じて
CaO等のアルカリ土類金属酸化物を添加して十分混合
し、平板状に加工した後、窒素ガス中1900〜210
0℃で焼成することにより得られる。
選択して使用する。例えば、レジスト膜の乾燥に使用す
る場合は、窒化物は水分と反応してアンモニアガスを発
生し、これがレジスト膜に悪影響を及ぼすので使用でき
ない。また、800℃程度の高温で使用する可能性のあ
るCVD用のウエハ加熱装置の場合は、ガラスを多く含
む窒化硼素系の材料は、均熱板2が使用中に変形してし
まい均熱性が損なわれてしまう可能性がある。
面は、ガラスや樹脂からなる絶縁層4との密着性を高め
る観点から、平面度20μm以下、面粗さを中心線平均
粗さ(Ra)で0.1μm〜0.5μmに研磨しておく
ことが好ましい。
使用する場合、多少導電性を有する均熱板2と発熱抵抗
体5との間の絶縁を保つ絶縁層4としては、ガラス又は
樹脂を用いることが可能であり、ガラスを用いる場合、
その厚みが100μm未満では耐電圧が1.5kVを下
回り絶縁性が保てず、逆に厚みが500μmを越える
と、均熱板2を形成する炭化珪素質焼結体や窒化アルミ
ニウム質焼結体との熱膨張差が大きくなり過ぎるため
に、クラックが発生して絶縁層4として機能しなくな
る。その為、絶縁層4としてガラスを用いる場合、絶縁
層4の厚みは100μm〜500μmの範囲で形成する
ことが好ましく、望ましくは150μm〜400μmの
範囲で形成することが良い。
に絶縁層4を形成する場合、予め表面を酸化処理するこ
とにより、0.01〜2μm厚みのSiO2からなる酸
化膜12を形成したのち、さらにその表面に絶縁層4を
形成する。
成分とするセラミック焼結体で形成する場合は、均熱板
2に対する発熱抵抗体5の密着性を向上させるために、
ガラスからなる絶縁層4を形成する。ただし、発熱抵抗
体5の中に十分なガラスを添加し、これにより十分な密
着強度が得られる場合は、省略することが可能である。
厚みが30μm未満では、耐電圧が1.5kVを下回
り、絶縁性が保てなくなるとともに、発熱抵抗体5にレ
ーザー加工等によってトリミングを施した際に絶縁層4
を傷付け、絶縁層4として機能しなくなり、逆に厚みが
400μmを越えると、樹脂の焼付け時に発生する溶剤
や水分の蒸発量が多くなり、均熱板2との間にフクレと
呼ばれる泡状の剥離部ができ、この剥離部の存在により
熱伝達が悪くなるため、載置面3の均熱化が阻害され
る。その為、絶縁層4として樹脂を用いる場合、絶縁層
4の厚みは30μm〜400μmの範囲で形成すること
が好ましく、望ましくは60μm〜200μmの範囲で
形成することが良い。
200℃以上の耐熱性と、発熱抵抗体5との密着性を考
慮すると、ポリイミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、ポ
リアミド樹脂等が好ましい。
熱板2上に被着する手段としては、前記ガラスペースト
又は樹脂ペーストを均熱板2の中心部に適量落とし、ス
ピンコーティング法にて伸ばして均一に塗布するか、あ
るいはスクリーン印刷法、ディッピング法、スプレーコ
ーティング法等にて均一に塗布したあと、ガラスペース
トにあっては、600℃の温度で、樹脂ペーストにあっ
ては、300℃以上の温度で焼き付ければ良い。また、
絶縁層4としてガラスを用いる場合、予め炭化珪素質焼
結体又は炭化硼素質焼結体から成る均熱板2を1200
℃程度の温度に加熱し、絶縁層4を被着する表面を酸化
処理しておくことで、ガラスから成る絶縁層4との密着
性を高めることができる。
5としては、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、パ
ラジウム(Pd)等の金属単体を、蒸着法やメッキ法に
て直接被着するか、あるいは前記金属単体や酸化レニウ
ム(Re2O3)、ランタンマンガネート(LaMn
O3)等の酸化物を導電材として含む樹脂ペーストやガ
ラスペーストを用意し、所定のパターン形状にスクリー
ン印刷法等にて印刷したあと焼付けて前記導電材を樹脂
やガラスから成るマトリックスで結合すれば良い。マト
リックスとしてガラスを用いる場合、結晶化ガラス、非
晶質ガラスのいずれでも良いが、熱サイクルによる抵抗
値の変化を抑えるために結晶化ガラスを用いることが好
ましい。
場合、マイグレーションが発生する恐れがあるため、こ
のような場合には、発熱抵抗体5を覆うように絶縁層4
と同一の材質もしくは発熱抵抗体5のマトリックス成分
と同等の材質から成る保護膜を30μm程度の厚みで被
覆しておけば良い。
熱板2に関しては、熱伝導率が高く電気絶縁性が高い窒
化アルミニウム質焼結体を用いることが好ましい。この
場合、窒化アルミニウムを主成分とし焼結助剤を適宜含
有する原料を十分混合したのち円盤状に成形し、その表
面にWもしくはWCからなるペーストを発熱抵抗体5の
パターン形状にプリントし、その上に別の窒化アルミニ
ウム成形体を重ねて密着した後、窒素ガス中1900〜
2100℃の温度で焼成することにより発熱抵抗体5を
内蔵した均熱板2得ることが出来る。また、発熱抵抗体
5からの導通は、窒化アルミニウム質基材にスルーホー
ル19を形成し、WもしくはWCからなるペーストを埋
め込んだ後焼成するようにして表面に電極を引き出すよ
うにすれば良い。また、給電部6は、ウエハWの加熱温
度が高い場合、Au、Ag等の貴金属を主成分とするペ
ーストを前記スルーホール19の上に塗布し900〜1
000℃で焼き付けることにより、内部の発熱抵抗体5
の酸化を防止することができる。
ては、結晶質又は非晶質のいずれでも良く、例えばレジ
スト乾燥用に使用する場合、耐熱温度が200℃以上で
かつ20℃〜200℃の温度域における熱膨張係数が均
熱板2を構成するセラミックスの熱膨張係数に対し−5
〜+5×10-7/℃の範囲にあるものを適宜選択して用
いることが好ましい。即ち、熱膨張係数が前記範囲を外
れたガラスを用いると、均熱板2を形成するセラミック
スとの熱膨張差が大きくなりすぎるため、ガラスの焼付
け後の冷却時において、均熱板2に反りが発生したり、
クラックや剥離等の欠陥が生じ易いからである。
工を施し、板厚4mm、外径230mmの円盤状をした
均熱板2を複数製作し、各均熱板2の一方の主面に絶縁
層4を被着するため、ガラス粉末に対してバインダーと
してのエチルセルロースと有機溶剤としてのテルピネオ
ールを混練して作製したガラスペーストをスクリーン印
刷法にて敷設し、150℃に加熱して有機溶剤を乾燥さ
せたあと、550℃で30分間脱脂処理を施し、さらに
700〜900℃の温度で焼き付けを行うことにより、
ガラスからなる厚み200μmの絶縁層4を形成した。
次いで絶縁層4上に発熱抵抗体5を被着するため、導電
材としてAu粉末とPt粉末を添加したガラスペースト
を、スクリーン印刷法にて所定のパターン形状に印刷し
たあと、150℃に加熱して有機溶剤を乾燥させ、さら
に550℃で30分間脱脂処理を施したあと、700〜
900℃の温度で焼き付けを行うことにより、厚みが5
0μmの発熱抵抗体5を形成した。発熱抵抗体5は中心
部と外周部を周方向に4分割した5パターン構成とし
た。しかるのち発熱抵抗体5に給電部6を導電性接着剤
にて固着させることにより、均熱板2を製作した。
部を形成した厚み2.5mmのステンレスからなる2枚
の板状構造体13を準備し、この内の1枚に、10本の
導通端子7を所定の位置に形成し、同じくステンレスか
らなる側壁部とネジ締めにて固定して支持体11を準備
した。
ーン形成部の略中央部に該凹部21を形成し、測温素子
10を設置し、無機系の充填材で保持固定した均熱板2
を重ね、その外周部を弾性体8を介してネジ締めするこ
とにより図1に示した本発明のウエハ加熱装置1とし
た。
結助剤として5重量%のY2O3を含有する1mmのグリ
ーンシートを5枚積層して5mmにしたグリーンシート
上に、WCからなる発熱抵抗体5を所望の形状に形成
し、その上に電極引出部となるWCからなるペーストを
充填したビアホールを形成した別のグリーンシートを5
mm分重ねて密着したものから円盤状の生成形体を切り
出し、これを窒素ガス中800℃で脱脂したのち、19
00〜2100℃で焼成して円盤状の窒化アルミニウム
からなる均熱板2を得た。
給電部6を形成し、900℃で焼き付け処理した。その
後、発熱パターンの略中央部に該凹部21を形成し、測
温素子10を設置し、無機系充填材で保持固定した均熱
板2をバネを有する導通端子7を装着した支持体11に
その外周部を弾性体8を介してネジ締めした。
凹部21を形成方法を述べる。
200の範囲で、凹部21の側面を加工穴方向に対して
略垂直にマシニングにて加工し、本発明のウエハ加熱装
置1を作製した。種々の表面粗さはダイヤの番定、加工
条件(切り込み量)を変えて作製した。該凹部21の深
さdを均熱板2の厚みtに対して、d=2t/3、測温
素子10である熱電対素線径を0.2mm、更に該凹部
21の底面から熱電対の測温接点との距離Lを0.3m
mとし、凹部21の側面を加工穴に対して略垂直にマシ
ニングにて加工し、本発明のウエハ加熱装置1を作製し
た。種々の表面粗さはダイヤの番定、加工条件(切り込
み量)を変えて作製した。
て成形した厚さ1mmのグリーンシートを5枚重ね、凹
部21は焼成前にパンチングにより作製し、加工スジの
方向は、凹部21の側面が穴深さ方向に対して略水平の
スジをドリルのダイヤモンドの番定を変更することによ
り作製した。
施例及び比較例の10種類のウエハ加熱装置1の導電端
子7に通電して250℃で保持し、載置面3の上に載せ
たウエハ表面の温度分布を中心とウエハ半径の1/2の
周上の6分割点6点の合計7点の温度バラツキが1℃以
内となるように温度コントローラーの設定温度を各発熱
パターンの制御チャンネル毎に補正し、その設定バラツ
キを確認した。また、150℃でも同様の設定温度の補
正を行い、ウエハを外し加熱装置のみで60分以上保持
した後、常温に維持されたウエハWを、加熱装置に投
入、載置面3に載せた瞬間から150℃に安定するまで
のウエハWのオーバーシュート、および150±0.5
℃に安定するまでの昇温安定時間を過渡性能評価とし
て、各サンプル5回づつ計測し、その最大値を測定値と
した。
し3000サイクル経過後に、250℃に保持した場合
の均熱板2面内温度バラツキ、150℃オーバーシュー
ト、昇温安定性を評価した。
を基準として、昇温サイクル後の結果が、50%以上変
化しているものをNG、50%以内であるものをOKと
した。
ジの方向が水平のため、昇温サイクル時に均熱板2と充
填材22の熱膨張率の差により充填材22が抜ける方向
に変化し、測温素子10の設置に変化が生じた。また、
No.2は、該凹部21の開口部の表面粗さが0.3μ
mより小さいため、昇温サイクルを掛けた際に均熱板2
と充填材22の熱膨張率の差により充填材22が抜ける
ように移動し、このため250℃までの昇温3000サ
イクルテスト後のウエハ面内の温度バラツキ、オーバー
シュートが悪くなった。
開口部の表面粗さが大きくなりすぎて、加工の際、該凹
部21の開口部に亀裂が生じてしまった。
れたウエハ加熱装置1であるNo.3〜7、9について
は、いずれも目標値をクリアーできた。
ックスからなる均熱板の一方の主面をウエハの載置面と
し、他方の主面もしくは内部に発熱抵抗体を有するとと
もに、該発熱抵抗体と電気的に接続される給電部を前記
他方の主面に具備してなるウエハ加熱装置において、前
記均熱板の他方の主面に開口部表面粗さRmax0.1
〜200μm、加工スジの方向が穴深さ方向に対して略
垂直、深さdが均熱板厚みtに対し t/4≦d≦3t
/4 となる凹部を具備し、素線径0.05〜1.0m
mで、先端部に測温接点を備えた測温素子を上記凹部に
挿入し、かつ充填材により接着固定することにより、良
好なウエハの温度調整ができるようになった。
である。
す断面図である。
断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】セラミックスからなる均熱板の一方の主面
をウェハ載置面とし、他方の主面または内部に発熱抵抗
体を形成してなるウエハ加熱装置において、上記他方の
主面からウェハ載置面に向けて凹部を設けると共に、該
凹部の少なくとも側面の表面粗さRmaxを0.3〜2
00μmとしたことを特徴とするウエハ加熱装置。 - 【請求項2】前記凹部の側面に、深さ方向に対して略垂
直な方向のスジを有することを特徴とする請求項1記載
のウエハ加熱装置。 - 【請求項3】前記凹部の角部の少なくとも一部に面取部
を形成し、該面取部は凹部の深さ方向に対して略垂直な
方向のスジを有することを特徴とする請求項1又は2に
記載のウエハ加熱装置。 - 【請求項4】前記凹部の深さは前記均熱板の厚みの1/
2〜3/4であることを特徴とする請求項1〜3のいず
れかに記載のウエハ加熱装置。 - 【請求項5】前記凹部に測温素子を配置して充填材を充
填したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
のウエハ加熱装置。
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