JP2003223970A - ウエハ加熱装置 - Google Patents

ウエハ加熱装置

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JP2003223970A
JP2003223970A JP2002020783A JP2002020783A JP2003223970A JP 2003223970 A JP2003223970 A JP 2003223970A JP 2002020783 A JP2002020783 A JP 2002020783A JP 2002020783 A JP2002020783 A JP 2002020783A JP 2003223970 A JP2003223970 A JP 2003223970A
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JP
Japan
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temperature
ceramic plate
wafer
temperature measuring
measuring element
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JP2002020783A
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English (en)
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Kyoji Uchiyama
京治 内山
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Kyocera Corp
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Kyocera Corp
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Publication date
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  • Measuring Temperature Or Quantity Of Heat (AREA)
  • Surface Heating Bodies (AREA)
  • Control Of Resistance Heating (AREA)
  • Resistance Heating (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ウエハ加熱装置におけるセラミックス板の温度
調整用に使用する測温素子をセラミックス板に挿入した
だけの取付構造では、測定温度がばらついたり、均熱を
良くするために熱容量を大きくすると測温の応答速度が
遅くなるくという問題があった。 【解決手段】セラミックス板の表面または内部に発熱抵
抗体を形成し、該セラミックス板に有底孔を設けると共
に該有底孔に測温素子を備えたウエハ加熱装置におい
て、セラミックス板の熱伝導率に対し8.3〜150%
の熱伝導率を有する充填剤で前記測温素子を固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主にウエハを加熱
するのに用いるセラミックヒーターに関するものであ
り、例えば、半導体ウエハや液晶基板あるいは回路基板
等のウエハ上に半導体薄膜を生成したり、前記ウエハ上
に塗布されたレジスト液を乾燥焼き付けしてレジスト膜
を形成するのに好適なものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、半導体製造装置の製造工程にお
ける、半導体薄膜の成膜処理、エッチング処理、レジス
ト膜の焼き付け処理等においては、半導体ウエハ(以
下、ウエハと略す)を加熱するためにウエハ加熱装置が
用いられている。
【0003】従来の半導体製造装置は、まとめて複数の
ウエハを成膜処理するバッチ式のものが使用されていた
が、ウエハの大きさが8インチから12インチと大型化
するにつれ、処理精度を高めるために、一枚づつ処理す
る枚葉式と呼ばれる手法が近年実施されている。しかし
ながら、枚葉式にすると1回当たりの処理数が減少する
ため、ウエハの処理時間の短縮が必要とされている。こ
のため、ウエハ支持部材に対して、ウエハの加熱時間の
短縮、ウエハの吸着・脱着の迅速化と同時に加熱温度精
度の向上が要求されていた。
【0004】このうちウエハ上へのレジスト膜の形成に
あたっては、図4に示すような、窒化アルミニウムや炭
化珪素等のセラミックスからなるセラミックス板32の
一方の主面を、ウエハWを載せる載置面33とし、他方
の主面には絶縁層34を介して発熱抵抗体35および給
電部36が設置され、さらに弾性体38により導通端子
37が給電部36に押圧固定された構造のセラミックヒ
ーター31が用いられていた。そして、前記セラミック
ス板32は支持体41にボルト47により固定され、さ
らにセラミックス板32の内部には測温素子40が挿入
され、これによりセラミックス板32の温度を所定の温
度に保つように、導通端子37から発熱抵抗体35に供
給される電力を調節するシステムとなっていた。また、
導通端子37は、板状構造部43に絶縁材39を介して
固定されていた。
【0005】そして、セラミックヒーター31の載置面
33には、凹部45に挿入された支持ピン44が設置さ
れており、ウエハWを載置面33に載せた際にウエハW
が載置面33から非接触となるようにしている。そし
て、該支持ピン44上にレジスト液が塗布されたウエハ
Wを載せたあと、発熱抵抗体35を発熱させることによ
り、セラミックス板32を介して載置面33上のウエハ
Wを加熱し、レジスト液を乾燥焼付けしてウエハW上に
レジスト膜を形成するようになっていた。
【0006】また、セラミックス板32を構成するセラ
ミック材料としては、窒化物セラミックスまたは炭化物
セラミックスが用いられていた。
【0007】また、測温素子64の取付構造について
は、特開平9−45752号公報に示されている。図5
を用いて構造を説明すると、金属製のセラミックス板6
2のウエハ載置面63近傍に測温素子64が挿入されて
いる。この測温素子64は、Ptからなる測温抵抗体6
6が保護管65の中に前記載置面63に対し平行となる
ように設置されリード線67が結線されている。さらに
保護管65内の空所には伝熱セメント68が充填されて
いる。特に、発熱抵抗体を分割制御する場合は、測定の
正確さと同時に測定バラツキを管理しないとセラミック
ス板62の正確な温度制御ができなくなるので、このよ
うな取付構造とすることが好ましいとされていた。
【0008】また、特開2001−85144号公報に
は、図6に示すように、測温素子147を設置する穴1
44の径は、0.3〜0.5mmとすることが好ましい
ということが示されており、測温素子147を固定する
方法については、金ロウ、銀ロウなどを使用して、穴1
44の底に接着しても良いし、エポキシ樹脂、ポリイミ
ド樹脂、ビスマレイド−トリアジン樹脂、シリコン樹脂
等の耐熱性樹脂やアルミナゾル、シリカゾルを用いて封
止しても構わないことが示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなセラミックヒーターにおいて、図5に示すような
測温素子64の取付構造では、測温素子64をセラミッ
クス板62に挿入しただけであるため、測定温度がばら
ついたり、均熱を良くするために熱容量を大きくすると
測温の応答速度が遅くなるくという問題があった。特
に、発熱抵抗体を複数のブロックに分割して温度制御す
る場合、ブロック毎の測温素子64の測定温度がばらつ
くとブロック毎の制御が不均一となり、セラミックス板
62の温度が一定になるまでに時間が掛かるという問題
があった。
【0010】特に、近年半導体配線の微細化の為に用い
られるようになってきた化学増幅型レジストの熱処理に
於いては、ウエハWをセラミックス板62上に差し替え
した際に温度が安定するまでの過渡特性、ウエハ面内の
温度バラツキが、露光後のレジストの化学増幅処理に極
めて重要であり、従来に増して、緻密かつ応答性の良い
温度制御が必要となってきている。しかしながら、図5
に示されるような構造では、測温素子の測温体部に保護
管や充填材など付帯し熱容量が大きくなる上にセラミッ
クス板62の凹部に挿入しただけの構造であるために空
隙の存在による応答性の低下は避けられず、上記ウエハ
加熱時の過渡的な温度バラツキや温度安定までにかかる
時間などに問題があった。
【0011】また、図6に示されるように耐熱性樹脂や
ゾルを用いて測温素子147を封止した場合は、これら
の熱伝導率がセラミックス板141の材料である窒化ア
ルミニウムや炭化珪素の熱伝導率に較べて1/100以
下と小さいため、測温素子の周囲のセラミックス板14
1の温度が上昇しても測温素子147の指示温度の上昇
が遅れて、なかなかセラミックス板141の温度が設定
値通りにならないという問題があった。
【0012】一方、Au−Niロウ材を用いて測温素子
147を固定した場合、ロウ材の熱伝導率がセラミック
スのそれに対して、150%を越えて大きいため、測温
素子147に早く熱が伝わるようになるので、発熱抵抗
体への電力供給に早く制動が掛かるようになり、なかな
か所定の温度に安定しないという問題があった。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、セラミックス
板の表面または内部に発熱抵抗体を形成し、該セラミッ
クス板に有底孔を設けると共に該有底孔に測温素子を備
えたウエハ加熱装置において、セラミックス板の熱伝導
率に対し8.3〜150%の熱伝導率を有する充填剤で
前記測温素子を固定したことを特徴とする。
【0014】また、前記充填剤の気孔率が0.1%〜5
0%であることを特徴とする。
【0015】また、前記充填剤の熱膨張係数を前記セラ
ミックス板の熱膨張係数に対し43〜214%としたこ
とを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0017】図1は本発明に係るセラミックヒーター1
の一例を示す断面図で、炭化珪素、炭化硼素、窒化硼
素、窒化珪素または窒化アルミニウムを主成分とするセ
ラミックスからなるセラミックス板2の一方の主面を、
ウエハWを載せる載置面3とするとともに、他方の主面
にガラス又は樹脂等からなる絶縁層4を介して発熱抵抗
体5を形成したものである。
【0018】発熱抵抗体5のパターン形状としては、略
円弧状の抵抗体と直線状抵抗体とからなる略同心円状を
したものや渦巻き状をしたものなど、載置面3を均一に
加熱できるパターン形状であれば良い。均熱性を改善す
るため、発熱抵抗体5を複数のパターンに分割すること
も可能である。
【0019】また、発熱抵抗体5には、金や銀、パラジ
ウム、白金等の材質からなる給電部6が形成され、該給
電部6に導通端子7を弾性体8を介して押圧固定するこ
とにより、導通が確保されている。
【0020】さらに、セラミックス板2と支持体11の
外周にボルト17を貫通させ、セラミックス板2側より
弾性体8、座金18を介在させてナット19を螺着する
ことにより支持体11に弾性的に固定している。これに
より、セラミックス板2の温度を変更したり載置面3に
ウエハを載せセラミックス板2の温度が変動した場合に
支持体11変形が発生しても、上記弾性体8によってこ
れを吸収し、これによりセラミックス板2の反りを防止
し、ウエハW加熱におけるウエハW表面に温度分布が発
生することを防止できる。
【0021】また、支持体11は複数の層から構成され
た板状構造体13と側壁部からなり、該板状構造体13
には発熱抵抗体5に電力を供給するための導通端子7が
絶縁材9を介して設置され、不図示の空気噴射口が形成
されている。
【0022】さらに、図2〜3を用いて本発明の実施形
態を詳細に説明する。図2は、セラミックス板2を発熱
抵抗体5側から見た平面図であり、セラミックス板2に
は各発熱抵抗体5ブロックの内部に測温素子10を保持
する部分に凹部21が形成されている。そして、該凹部
21には、図3に示すように測温素子10の測温部を配
置し、充填材22等により充填保持されている。
【0023】測温素子10としては、測温素子、測温抵
抗体等を用いることが可能である。材質については、熱
電対であれば、Pt/Rh−Pt/Rh系、Pt/Rh
−Pt系、Ni/Cr/Si−Ni/Si/Mg系、N
i/Cr−Al/Mn系、Ni/Cr−Cu/Ni系、
Cu−Cu/Ni系、W−Re系等が、また測温抵抗体
であれば、Pt抵抗素子が使用可能であり、使用雰囲気
や温度に対して適切なものを選定すればよい。例えば、
大気中300℃以下で用いるような場合には、Ni/C
r−Al/Mn系やPt/Rh−Pt系やNi/Cr−
Cu/Ni系等が望ましく、還元性雰囲気下において
は、Fe−Cu/Ni系等が望ましい。
【0024】また、図3に示すように、測温素子10の
先端部には、測温接点10bが形成されている。測温接
点10bは、測温検知のバラツキを小さくするために、
レーザー溶接等により溶融接合し均一な形状で形成する
ことが望ましい。測温接点以降については、素線同士の
接触による測温障害を防止するために適当な角度で引き
出されているが、測温接点10b以外からの受熱を避け
るため凹部21に接触しない程度の角度にすることが望
ましい。また、素線自体に樹脂コート・ガラスコート・
セラミックコート等の絶縁材料をコーティングしたもの
を用いることも有効である。また、必要に応じて、充填
保持部以降に絶縁スリーブ等を用いても良い。
【0025】また、凹部21の開口部の面積は、1mm
2〜30mm2とすることが望ましい。該凹部21の開口
部の面積が1mm2より小さいと測温素子10の設置及
び充填材22の充填にムラが生じ易く測温がばらついて
しまう。また、30mm2より大きいと、発熱抵抗体5
間のギャップが大きくなり、ウエハW表面の温度分布が
大きくなるので好ましくない。
【0026】また、凹部21の深さdは、セラミックス
板2の厚みtに対し1/4t≦d≦3/4tとすること
が望ましい。該深さdが1/4tより小さいとウエハ載
置面との距離が大きくなるため測温にずれが生じ、ウエ
ハを目的の温度に昇温させられない。また、3/4tよ
り大きくなると逆に温度のオーバーシュートが大きくな
りすぎるため望ましくない。
【0027】また、凹部21の底面と測温素子10の測
温接点10bとの距離Lが、0≦L≦1.0mmである
ことがより望ましい。距離Lが1mmをこえると温度検
知の応答性が遅れオーバーシュートが大きめになるが、
1.0以下とすることで、オーバーシュートがより小さ
くなる。
【0028】更に、凹部21に挿入設置する測温素子1
0の素線径は、0.05mm〜1.0mm、さらに好ま
しくは0.1〜0.5mmとすることが望ましい。素線
径が0.05mmより細いと、強度がなく取り扱いが安
定しない為、該凹部21への組み付けの際に位置ずれを
起こし易く安定した設置が行えず好ましくない。また、
1.0mmより太いと、測温素子10自体の熱容量が大
きくなりすぎる為、素線を通しての熱引きが大きくなり
温度検知に遅れが生じ、オーバーシュートが大きくなり
過ぎるため好ましくない。
【0029】更に、凹部21に測温素子10を保持する
ために用いる充填材22は、セラミックス板2の熱伝導
率に対し8.3〜150%の熱伝導率のものを用いる。
熱伝導率の比率が8.3%未満になると、発熱抵抗体5
より発生したジュール熱が、セラミックス板2を介して
載置面3に伝わる速度に対し、充填材22を介して測温
素子10に伝わる速度が遅すぎる為、温度検知に遅れが
生じ、オーバーシュートが大きくなり過ぎるため好まし
くない。また、150%を越えると、ジュール熱がセラ
ミックス板2を介して載置面3に伝わる速度に対し、充
填材22を介して測温素子10に伝わる速度が速過ぎる
為、載置面3が所定の温度に到達する前に、測温素子1
0が温度検知をし、発熱抵抗体5への電力供給を早く止
めてしまい、その結果、昇温が遅くなる為、好ましくな
い。さらに好ましくは、セラミックス板2の熱伝導率に
対して25〜100%の充填材を用いる方が良い。
【0030】更に、気孔率については、0.1%〜50
%の範囲にすることが好ましい。気孔率が0.1%未満
になると、充填剤22の柔軟性が損なわれ、セラミック
ヒーターに温度サイクルを加えた際、セラミックス板2
と充填剤22との間に発生する熱応力を緩和出来なくな
り、長期間、使用すると充填剤22がセラミックス板2
より剥離してしまい、正確な温度制御が出来なくなる
為、好ましくない。また50%を越えると気孔が断熱材
として作用し、測定温度がなかなか安定しなくなるので
好ましくない。さらに好ましくは、気孔率を0.5〜2
5%とする方が、耐久性とオーバーシュート量ともに良
好なものになる。
【0031】気孔率の調整は、充填後常温でしばらく放
置し脱泡を行うなどして、巻き込んだ気泡を除去するこ
とにより調整することが好ましい。また、気孔率を増加
させる手法としては、樹脂にカーボンや金属粉末のよう
なフィラーを混合する際の回転数や時間を調整すること
により、増加させることができる。
【0032】更に充填材22の熱膨張率については、セ
ラミックス板2の熱膨張係数に対して50%〜200%
の範囲のものが望ましい。充填材22の熱膨張率が上記
の範囲外となると、加熱冷却の繰り返しの際に、熱膨張
率差による応力により測温素子10が凹部21からはみ
出してくるようになるので好ましくない。また、セラミ
ックス板2との濡れ性も重要である。測温素子10と凹
部21との間に隙間が発生するようであると、隙間が断
熱層として作用し正確な温度が測定できず、所定の温度
になるまでの時間が長くなるので好ましくない。さらに
好ましくは、セラミックス板2の熱膨張率に対して70
〜140%の熱膨張率を有する充填材22を用いると良
い。
【0033】また、本発明に使用する充填材22として
は、耐熱性樹脂にカーボンや窒化アルミニウム、ボロン
ナイトライド、金属粉末のように高熱伝導性を有する粉
末を分散させたものを使用することができる。このよう
に樹脂に、高熱伝導性粉末を分散させたタイプの充填材
22は流動性がいいので、充填時の作業性がよくなる。
樹脂の種類としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリイ
ミドアミド等の耐熱温度が300℃以上の樹脂を用いる
ことが好ましい。これに対し、耐熱温度が200℃以下
のエポキシ樹脂、シリコン樹脂等を用いた場合、固着強
度は高いが使用中に樹脂が炭化して脆くなり、測温素子
10が剥離して正確な温度が測定できなくなる。また、
熱伝導率を損なわないように充填すれば、充填材22と
してアルミナセメント等のセメント類を使用することも
可能である。
【0034】上記のように充填材22として導電性のあ
る高熱伝導性の粉末を使用する場合、測温素子10の素
線同士が短絡しないように、素線および測温部の表面を
シリカで被覆してやれば良い。
【0035】なお、発熱抵抗体5を複数のゾーンに分割
して温度制御する場合は、ゾーンの数に応じて、測温素
子10の数を増やすことが好ましい。これにより、ウエ
ハWの温度をより実温に近い値に制御することが可能と
なる。また、この場合は特に、測温素子10の個々の設
置条件を均一にする必要がある。これは、個々の測温素
子10間の温度検知がばらつくと、個々の発熱抵抗体5
ブロックの制御がばらつき、昇温過渡時のウエハの温度
分布に悪影響を与えるためである。
【0036】さらに、図1において、金属製の支持体1
1は、側壁部と板状構造体13を有し、該板状構造体1
3には、その面積の5〜50%にあたる開口部が形成さ
れている。また、該板状構造体13には、必要に応じて
他に、セラミックス板2の発熱抵抗体5に給電するため
の給電部6と導通するための導通端子7、セラミックス
板2を冷却するためのガス噴出口、セラミックス板2の
温度を測定するための測温素子1010を設置する。
【0037】また、不図示のリフトピンは支持体11内
に昇降自在に設置され、ウエハWを載置面3上に載せた
り、載置面3より持ち上げるために使用される。そし
て、このウエハ加熱装置1により半導体ウエハWを加熱
するには、不図示の搬送アームにて載置面3の上方まで
運ばれたウエハWをリフトピンにより支持したあと、リ
フトピンを降下させてウエハWを載置面3上に載せる。
次に、給電部6に通電して発熱抵抗体5を発熱させ、絶
縁層4及びセラミックス板2を介して載置面3上のウエ
ハWを加熱する。
【0038】このとき、本発明によれば、セラミックス
板2を炭化珪素質焼結体、炭化硼素質焼結体、窒化硼素
質焼結体、窒化珪素質焼結体、もしくは窒化アルミニウ
ム質焼結体により形成してあることから、熱を加えても
変形が小さく、板厚を薄くできるため、所定の処理温度
に加熱するまでの昇温時間及び所定の処理温度から室温
付近に冷却するまでの冷却時間を短くすることができ、
生産性を高めることができるとともに、60W/m・K
以上の熱伝導率を有することから、薄い板厚でも発熱抵
抗体5のジュール熱を素早く伝達し、載置面3の温度ば
らつきを極めて小さくすることができる。しかも、大気
中の水分等と反応してガスを発生させることもないた
め、半導体ウエハW上へのレジスト膜の貼付に用いたと
しても、レジスト膜の組織に悪影響を与えることがな
く、微細な配線を高密度に形成することが可能である。
【0039】ところで、このような特性を満足するに
は、セラミックス板2の板厚を1mm〜7mmとするこ
とが良い。これは、板厚が1mm未満であると、板厚が
薄すぎるために温度ばらつきを平準化するというセラミ
ックス板2としての効果が小さく、発熱抵抗体5におけ
るジュール熱のばらつきがそのまま載置面3の温度ばら
つきとして現れるため、載置面3の均熱化が難しいから
であり、逆に板厚が7mmを越えると、セラミックス板
2の熱容量が大きくなり過ぎ、所定の処理温度に加熱す
るまでの昇温時間や温度変更時の冷却時間が長くなり、
生産性を向上させることができないからである。
【0040】また、以上詳述した本発明のウエハ加熱装
置1において、図1に示すように、セラミックス板2の
表面に、絶縁層4を介して発熱抵抗体5を形成し、発熱
抵抗体5を露出させてあることから、使用条件等に合わ
せて載置面3の温度分布が均一となるように、発熱抵抗
体5にトリミングを施して抵抗値を調整することもでき
る。
【0041】また、セラミックス板2を形成するセラミ
ックスとしては、炭化珪素、炭化硼素、窒化硼素、窒化
珪素、窒化アルミニウムのいずれか1種以上を主成分と
するものを使用することができる。炭化珪素質焼結体と
しては、主成分の炭化珪素に対し、焼結助剤として硼素
(B)と炭素(C)を含有した焼結体や、主成分の炭化
珪素に対し、焼結助剤としてアルミナ(Al23)とイ
ットリア(Y23)を含有し1900〜2200℃で焼
成した焼結体を用いることができ、また、炭化珪素はα
型を主体とするもの、あるいはβ型を主体とするものの
いずれであっても構わない。
【0042】また、炭化硼素質焼結体としては、主成分
の炭化硼素に対し、焼結助剤として炭素を3〜10重量
%混合し、2000〜2200℃でホットプレス焼成す
ることにより焼結体を得ることができる。
【0043】そして、窒化硼素質焼結体としては、主成
分の窒化硼素に対し、焼結助剤として30〜45重量%
の窒化アルミニウムと5〜10重量%の希土類元素酸化
物を混合し、1900〜2100℃でホットプレス焼成
することにより焼結体を得ることができる。窒化硼素の
焼結体を得る方法としては、他に硼珪酸ガラスを混合し
て焼結させる方法があるが、この場合熱伝導率が著しく
低下するので好ましくない。
【0044】また、窒化珪素質焼結体としては、主成分
の窒化珪素に対し、焼結助剤として3〜12重量%の希
土類元素酸化物と0.5〜3重量%のAl23、さらに
焼結体に含まれるSiO2量として1.5〜5重量%と
なるようにSiO2を混合し、1650〜1750℃で
ホットプレス焼成することにより焼結体を得ることがで
きる。ここで示すSiO2量とは、窒化珪素原料中に含
まれる不純物酸素から生成するSiO2と、他の添加物
に含まれる不純物としてのSiO2と、意図的に添加し
たSiO2の総和である。
【0045】また、窒化アルミニウム質焼結体として
は、主成分の窒化アルミニウムに対し、焼結助剤として
23やYb23等の希土類元素酸化物と必要に応じて
CaO等のアルカリ土類金属酸化物を添加して十分混合
し、平板状に加工した後、窒素ガス中1900〜210
0℃で焼成することにより得られる。
【0046】これらの焼結体は、その用途により材質を
選択して使用する。例えば、レジスト膜の乾燥に使用す
る場合は、窒化物は水分と反応してアンモニアガスを発
生し、これがレジスト膜に悪影響を及ぼすので使用でき
ない。また、800℃程度の高温で使用する可能性のあ
るCVD用のウエハ加熱装置の場合は、ガラスを多く含
む窒化硼素系の材料は、セラミックス板2が使用中に変
形してしまい均熱性が損なわれてしまう可能性がある。
【0047】さらに、セラミックス板2の載置面3と反
対側の主面は、ガラスや樹脂からなる絶縁層4との密着
性を高める観点から、平面度20μm以下、面粗さを中
心線平均粗さ(Ra)で0.1μm〜0.5μmに研磨
しておくことが好ましい。
【0048】一方、炭化珪素質焼結体をセラミックス板
2として使用する場合、多少導電性を有するセラミック
ス板2と発熱抵抗体5との間の絶縁を保つ絶縁層4とし
ては、ガラス又は樹脂を用いることが可能であり、ガラ
スを用いる場合、その厚みが100μm未満では耐電圧
が1.5kVを下回り絶縁性が保てず、逆に厚みが50
0μmを越えると、セラミックス板2を形成する炭化珪
素質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体との熱膨張差が
大きくなり過ぎるために、クラックが発生して絶縁層4
として機能しなくなる。その為、絶縁層4としてガラス
を用いる場合、絶縁層4の厚みは100μm〜500μ
mの範囲で形成することが好ましく、望ましくは150
μm〜400μmの範囲で形成することが良い。
【0049】炭化珪素質焼結体からなるセラミックス板
2の表面に絶縁層4を形成する場合、予め表面を酸化処
理することにより、0.01〜2μm厚みのSiO2
らなる酸化膜12を形成したのち、さらにその表面に絶
縁層4を形成するまた、セラミックス板2を、窒化アル
ミニウムを主成分とするセラミック焼結体で形成する場
合は、セラミックス板2に対する発熱抵抗体5の密着性
を向上させるために、ガラスからなる絶縁層4を形成す
る。ただし、発熱抵抗体5の中に十分なガラスを添加
し、これにより十分な密着強度が得られる場合は、省略
することが可能である。
【0050】次に、絶縁層4に樹脂を用いる場合、その
厚みが30μm未満では、耐電圧が1.5kVを下回
り、絶縁性が保てなくなるとともに、発熱抵抗体5にレ
ーザー加工等によってトリミングを施した際に絶縁層4
を傷付け、絶縁層4として機能しなくなり、逆に厚みが
400μmを越えると、樹脂の焼付け時に発生する溶剤
や水分の蒸発量が多くなり、セラミックス板2との間に
フクレと呼ばれる泡状の剥離部ができ、この剥離部の存
在により熱伝達が悪くなるため、載置面3の均熱化が阻
害される。その為、絶縁層4として樹脂を用いる場合、
絶縁層4の厚みは30μm〜400μmの範囲で形成す
ることが好ましく、望ましくは60μm〜200μmの
範囲で形成することが良い。
【0051】また、絶縁層4を形成する樹脂としては、
200℃以上の耐熱性と、発熱抵抗体5との密着性を考
慮すると、ポリイミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、ポ
リアミド樹脂等が好ましい。
【0052】なお、ガラスや樹脂から成る絶縁層4をセ
ラミックス板2上に被着する手段としては、前記ガラス
ペースト又は樹脂ペーストをセラミックス板2の中心部
に適量落とし、スピンコーティング法にて伸ばして均一
に塗布するか、あるいはスクリーン印刷法、ディッピン
グ法、スプレーコーティング法等にて均一に塗布したあ
と、ガラスペーストにあっては、600℃の温度で、樹
脂ペーストにあっては、300℃以上の温度で焼き付け
れば良い。また、絶縁層4としてガラスを用いる場合、
予め炭化珪素質焼結体又は炭化硼素質焼結体から成るセ
ラミックス板2を1200℃程度の温度に加熱し、絶縁
層4を被着する表面を酸化処理しておくことで、ガラス
から成る絶縁層4との密着性を高めることができる。
【0053】さらに、絶縁層4上に被着する発熱抵抗体
5としては、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、パ
ラジウム(Pd)等の金属単体を、蒸着法やメッキ法に
て直接被着するか、あるいは前記金属単体や酸化レニウ
ム(Re23)、ランタンマンガネート(LaMn
3)等の酸化物を導電材として含む樹脂ペーストやガ
ラスペーストを用意し、所定のパターン形状にスクリー
ン印刷法等にて印刷したあと焼付けて前記導電材を樹脂
やガラスから成るマトリックスで結合すれば良い。マト
リックスとしてガラスを用いる場合、結晶化ガラス、非
晶質ガラスのいずれでも良いが、熱サイクルによる抵抗
値の変化を抑えるために結晶化ガラスを用いることが好
ましい。
【0054】ただし、発熱抵抗体5に銀又は銅を用いる
場合、マイグレーションが発生する恐れがあるため、こ
のような場合には、発熱抵抗体5を覆うように絶縁層4
と同一の材質もしくは発熱抵抗体5のマトリックス成分
と同等の材質から成る保護膜を30μm程度の厚みで被
覆しておけば良い。
【0055】また、発熱抵抗体5を内蔵するタイプのセ
ラミックス板2に関しては、熱伝導率が高く電気絶縁性
が高い窒化アルミニウム質焼結体を用いることが好まし
い。この場合、窒化アルミニウムを主成分とし焼結助剤
を適宜含有する原料を十分混合したのち円盤状に成形
し、その表面にWもしくはWCからなるペーストを発熱
抵抗体5のパターン形状にプリントし、その上に別の窒
化アルミニウム成形体を重ねて密着した後、窒素ガス中
1900〜2100℃の温度で焼成することにより発熱
抵抗体5を内蔵したセラミックス板2得ることが出来
る。また、発熱抵抗体5からの導通は、窒化アルミニウ
ム質基材にスルーホール19を形成し、WもしくはWC
からなるペーストを埋め込んだ後焼成するようにして表
面に電極を引き出すようにすれば良い。また、給電部6
は、ウエハWの加熱温度が高い場合、Au、Ag等の貴
金属を主成分とするペーストを前記スルーホール19の
上に塗布し900〜1000℃で焼き付けることによ
り、内部の発熱抵抗体5の酸化を防止することができ
る。
【0056】上記絶縁層4を形成するガラスの特性とし
ては、結晶質又は非晶質のいずれでも良く、例えばレジ
スト乾燥用に使用する場合、耐熱温度が200℃以上で
かつ20℃〜200℃の温度域における熱膨張係数がセ
ラミックス板2を構成するセラミックスの熱膨張係数に
対し−5〜+5×10-7/℃の範囲にあるものを適宜選
択して用いることが好ましい。即ち、熱膨張係数が前記
範囲を外れたガラスを用いると、セラミックス板2を形
成するセラミックスとの熱膨張差が大きくなりすぎるた
め、ガラスの焼付け後の冷却時において、セラミックス
板2に反りが発生したり、クラックや剥離等の欠陥が生
じ易いからである。
【0057】
【実施例】実施例 1 熱伝導率が100W/m・Kの炭化珪素質焼結体および
熱伝導率が180W/m・Kの窒化アルミニウム室焼結
体に研削加工を施し、板厚4mm、外径230mmの円
盤状をしたセラミックス板2を複数製作し、発熱抵抗体
5のブロック毎の温度を測定するための測温素子10設
置用の深さ2.3mm×1mmφの凹部21を加工す
る。その後、1000℃×2時間の酸化処理により表面
に酸化皮膜を形成し、各セラミックス板2の一方の主面
に絶縁層4を被着するため、ガラス粉末に対してバイン
ダーとしてのエチルセルロースと有機溶剤としてのテル
ピネオールを混練して作製したガラスペーストをスクリ
ーン印刷法にて敷設し、150℃に加熱して有機溶剤を
乾燥させたあと、550℃で30分間脱脂処理を施し、
さらに700〜900℃の温度で焼き付けを行うことに
より、ガラスからなる厚み200μmの絶縁層4を形成
した。次いで絶縁層4上に発熱抵抗体5を被着するた
め、導電材としてAu粉末とPt粉末を添加したガラス
ペーストを、スクリーン印刷法にて所定のパターン形状
に印刷したあと、150℃に加熱して有機溶剤を乾燥さ
せ、さらに550℃で30分間脱脂処理を施したあと、
700〜900℃の温度で焼き付けを行うことにより、
厚みが50μmの発熱抵抗体5を形成した。発熱抵抗体
5は中心部と外周部を周方向に4分割した5パターン構
成とした。しかるのち発熱抵抗体5に給電部6を導電性
接着剤にて固着させることにより、セラミックス板2を
製作した。
【0058】その後、分割されたそれぞれの発熱抵抗体
5パターンの測温部の凹部21に線径0.1mmの素線
からなる測温素子10を、先端測温部が前記凹部21の
底部に接するように埋め込み、間に充填材22を充填し
た。この充填材22としては、熱伝導率が1〜200W
/m・Kとなるように、熱伝導率が230〜420W/
m・KであるAl、Cu、Ni等の粉末を適宜分散させ
た樹脂(ポリイミド)、セラミックスセメント(アルミ
ナセメント)、ロウ材(Au−Cuロウ、Ag−Cuロ
ウ)を流し込んで固定した。
【0059】また、支持体11は、主面の30%に開口
部を形成した厚み2.5mmのステンレスからなる2枚
の板状構造体13を準備し、この内の1枚に、10本の
導通端子7を所定の位置に形成し、同じくステンレスか
らなる側壁部とネジ締めにて固定して支持体11を準備
した。
【0060】その後、前記支持体11の上に、発熱パタ
ーン形成部の略中央部に該凹部21を形成し、測温素子
10を設置し、無機系の充填材で保持固定したセラミッ
クス板2を重ね、その外周部を弾性体8を介してネジ締
めすることにより図1に示した本発明のウエハ加熱装置
1とした。
【0061】そして、転写法により金ペーストからなる
給電部6を形成し、900℃で焼き付け処理した。
【0062】そして、このようにして得られた本発明実
施例及び比較例の20種類のウエハ加熱装置1の導電端
子7に通電して250℃で保持し、載置面3の上に載せ
たウエハ表面の温度分布を中心とウエハ半径の1/2の
周上の6分割点6点の合計7点の温度バラツキが1℃以
内となるように温度コントローラーの設定温度を各発熱
パターンの制御チャンネル毎に補正し、その設定バラツ
キを確認した。また、150℃でも同様の設定温度の補
正を行い、ウエハを外し加熱装置のみで60分以上保持
した後、常温に維持されたウエハWを、加熱装置に投
入、載置面3に載せた瞬間から150℃に安定するまで
のウエハWのオーバーシュート、および150±0.5
℃に安定するまでの昇温安定時間を過渡性能評価とし
て、各サンプル5回づつ計測し、その最大値を測定値と
した。
【0063】評価基準としては、ウエハ温度250℃時
の設定温度バラツキが5℃以下のものをOKとし、それ
以上となるものはNGとした。また、過渡性能評価につ
いては、オーバーシュートは2.0℃以下をOKとし、
それ以上をNGとした。更に、昇温安定時間について
は、30〜50秒で150±0.5℃に安定するものを
OKとし、安定後の温度が149.5℃未満となった
り、150.5℃を越えてしまうもの、および150±
0.5℃に安定するものの50秒以上かかってしまうも
のをNGとした。
【0064】それぞれの結果は表1に示す通りである。
【0065】
【表1】
【0066】表1から判るように、No.1、2、1
1、12、13に示す比較例のウエハ加熱装置1は、測
温素子間の温度バラツキ、オーバーシュートも大きく、
昇温は150±0.5℃を越えて安定しなかった。これ
は、充填材22の熱伝導率が小さいため発熱抵抗体5の
発熱による熱が、うまく測温素子10に伝わらなかった
ためと考えられる。
【0067】また、No.9、10、20、21につい
ては、充填材22の熱伝導率が大き過ぎるため発熱抵抗
体5の発熱による熱が早く測温素子10に伝わり過ぎる
ため、発熱抵抗体5の発熱に早く制動が掛かるようにな
り、温度が安定するまでの口部断面積が大きくなりすぎ
ては発熱パターンのギャプが大きくなりすぎて、ウエハ
Wの均熱性がくずれやすく、設定値のバラツキが大きく
なり、オーバーシュートも大きくなった。
【0068】これに対し、セラミックス板2の熱伝導率
に対する充填材22の熱伝導率が8.3〜150%であ
るNo.3〜8、14〜19は、オーバーシュート温度
が2度以下、昇温安定時間が50秒以下と小さく良好な
昇温特性を示した。
【0069】実施例 2 ここでは、測温素子10を固定するための充填材22の
気孔率の影響について調査した。充填材22は、平均粒
径1.0μmのカーボンを分散させたポリイミド樹脂を
用い、混合時の攪拌速度と真空脱泡の程度を調整するこ
とにより、充填材22の気孔率を0〜50%の間で調整
した。なお、気孔率は、同時に調整した樹脂を別途固化
させて、その嵩比重を測定し、混合比から得られる理論
密度との差を換算して気孔率とした。このようにして調
整した充填材22を用いて、それぞれのセラミックス板
2の凹部21に測温素子10を固定し、実施例1と同様
な手法でオーバーシュート温度を測定し、さらに、40
℃以下から250℃まで2分で昇温し、3分で40℃以
下に強制空冷する熱サイクルを掛けた際の測温素子10
の抜けの有無を確認した。抜けは、初期の測温素子10
の高さを基準として、測温素子10が10000サイク
ル以内に0.3mm以上移動したものを抜けNGとし、
このような抜けが発生しないものをOKとした。
【0070】結果を表2に示した。
【0071】
【表2】
【0072】表2から判るように、気孔率がゼロのN
o.1は、5000サイクルで抜けが発生した。昇温サ
イクル時にセラミックス板2と充填材22の熱膨張率の
差により充填材22が抜ける方向に変化し、測温素子1
0の位置に変化が生じたものと判断した。これに対し
て、No.2〜9は変化量が小さく安定していた。これ
は、気孔が充填材22の弾性を向上させ、充填材22と
セラミック基板2の熱膨張差による応力を吸収している
ものと判断した。
【0073】実施例 3 ここでは、セラミックス板2の材質を窒化アルミニウム
とし、充填材22の熱膨張率を2〜20×10-6/℃と
変化させて、熱サイクルテスト後の測温素子10の抜け
の発生の有無を判断した。具体的には、充填材22とし
て熱伝導率が1W/m・Kであるポリイミド樹脂にカー
ボン、Al、Cu等の金属を分散させたものを用いて評
価した。評価方法、評価基準は実施例2と同様にした。
【0074】結果を、表3に示した。
【0075】
【表3】
【0076】表3から判るように、充填材22の熱膨張
率がセラミックス板2の熱膨張率に対して43%未満の
No.1および熱膨張率の比率が214%を越えるN
o.9は、測温素子10が移動してしまい好ましくなか
った。これに対し、前記熱膨張率の比率が43〜214
%であるNo.2〜8は、測温素子10の移動が発生せ
ず良好な耐久性を示した。
【0077】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、セラミ
ックス板の表面または内部に発熱抵抗体を形成し、該セ
ラミックス板に有底孔を設けると共に該有底孔に測温素
子を備えたウエハ加熱装置において、セラミックス板の
熱伝導率に対し8.3〜150%の熱伝導率を有する充
填剤で前記測温素子を固定することにより、温度変更に
伴う温度の安定の早い、耐久性良好なウエハ加熱装置を
得ることができるようになる。
【0078】また、前記充填剤の気孔率は0.1%〜5
0%とすることが好ましい。
【0079】また、前記充填剤の熱膨張係数を前記セラ
ミックス板の熱膨張係数に対し43〜214%とするこ
とが好ましい事が判った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のウエハ加熱装置を示す断面図である。
【図2】本発明のウエハ加熱装置のセラミックス板を示
す平面図である。
【図3】本発明のウエハ加熱装置の測温素子設置部を示
す断面図である。
【図4】従来のウエハ加熱装置を示す断面図である。
【図5】従来のウエハ加熱装置の測温素子設置部を示す
要部拡大断面図である。
【図6】比較例のウエハ加熱装置を示す部分断面図であ
る。
【符号の説明】
1:ウエハ加熱装置 2:セラミックス板 3:載置面 4:絶縁層 5:発熱抵抗体 6:給電部 7:支持体 8:弾性体 10:測温素子 11:充填材 21:凹部 22:充填材 23:凹部 W:半導体ウエハ t:厚み
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 3/00 365 H05B 3/20 393 3/20 393 3/74 3/74 H01L 21/30 567 Fターム(参考) 2F056 CA02 CA15 KA03 KA12 NA08 3K034 AA02 AA04 AA08 AA10 AA15 AA16 AA19 AA31 AA33 AA34 AA35 AA37 BB06 BB13 BC04 BC29 CA02 CA17 CA22 CA24 CA29 CA32 DA04 DA05 DA08 HA01 HA10 JA01 JA10 3K058 AA04 AA45 AA72 BA00 CA23 CA61 CA69 CA92 CE02 CE13 CE19 CE21 3K092 PP20 QA05 QB02 QB31 QB43 QB47 QB74 QB75 QB76 QB78 QC02 QC20 QC25 QC38 QC44 QC59 RF03 RF11 RF12 RF17 RF22 TT16 UA01 UA17 UA18 VV36 5F046 KA04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミックス板の表面または内部に発熱抵
    抗体を形成し、該セラミックス板に設けた有底孔に測温
    素子を備えたウエハ加熱装置において、上記セラミック
    ス板の熱伝導率に対して8.3〜150%の熱伝導率を
    有する充填剤で前記測温素子を固定したことを特徴とす
    るウエハ加熱装置。
  2. 【請求項2】前記充填剤の気孔率が0.1%〜50%で
    あることを特徴とする請求項1記載のウエハ加熱装置。
  3. 【請求項3】前記充填剤の熱膨張係数が、前記セラミッ
    クス板の熱膨張係数に対して43〜214%であること
    を特徴とする請求項1又は2記載のウエハ加熱装置。
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