JP2003221485A - ポリ塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents
ポリ塩化ビニル系樹脂組成物Info
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Abstract
耐衝撃性を有する塩化ビニル系樹脂組成物及びその成形
体の提供。 【解決手段】 平均粒子径が0.15μm未満のエラス
トマー成分(a)1〜30重量%に塩化ビニルを主成分
とするビニルモノマー70〜99重量%をグラフト共重
合して得られる塩化ビニル系グラフト共重合体、平均粒
子径が0.2μm以上である衝撃改質剤(b)、針状あ
るいは板状の無機物を含有し、塩化ビニル系グラフト共
重合体/無機物=100/10〜100/60(重量
比)、且つ、(a)/(b)=30/70〜95/5
(重量比)であることを特徴とする塩化ビニル系グラフ
ト共重合体組成物。
Description
成物及び該組成物よりなる塩化ビニル系樹脂成形体に関
する。
度、耐薬品性に優れた特性を有する材料として多くの用
途に使われている。さらに、雨樋や窓枠部材に使用する
際には、熱収縮性、線膨張率を小さくするために針状あ
るいは板状の無機物を添加した塩化ビニル系樹脂組成物
が提案されているが、無機物を添加すると耐衝撃性が悪
くなるという問題点があった。この無機物充填塩化ビニ
ル系樹脂組成物に種々の衝撃改良剤を添加させることに
より耐衝撃性を改善させた塩化ビニル系樹脂組成物が提
案されている。例えば、特開2000―355646号
公報には、塩化ビニル樹脂、衝撃改良剤、針状あるいは
板状の無機充填材、樹脂繊維からなる塩化ビニル系樹脂
組成物が開示されているが、上記塩化ビニル系樹脂組成
物の如き衝撃改良剤を添加した成型品では、耐衝撃性は
向上するけれども線膨張率が大きくなってしまうという
傾向があり本来の無機充填剤の効果が十分に得られなく
なる。そこで、さらに低線膨張率を保持しながら耐衝撃
性に優れる塩化ビニル系樹脂組成物が要望されている。
従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、従来品に
比べて低線膨張率で、且つ、優れた耐衝撃性を有する塩
化ビニル系樹脂組成物及びその成形体を提供することで
ある。
題について検討を重ねた結果、平均粒子径が0.15μ
m未満のエラストマー成分(a)1〜30重量%に塩化
ビニルを主成分とするビニルモノマー70〜99重量%
をグラフト共重合して得られる塩化ビニル系グラフト共
重合体、平均粒子径が0.2μm以上である衝撃改質剤
(b)、針状あるいは板状の無機物を含有し、塩化ビニ
ル系グラフト共重合体/無機物=100/10〜100
/60(重量比)、且つ、(a)/(b)=30/70
〜95/5(重量比)である塩化ビニル系樹脂組成物が
従来品に比べて低線膨張率で、耐衝撃性に優れているこ
とを見いだした。
径の3倍以上の針状、紡錘状、円柱状等の粒子形状を有
する無機物を意味し、例えば、ワラストナイト、チタン
酸カリウム、塩基性硫酸マグネシウム、セピオライト、
ゾノトライト、ホウ酸アルミニウム等が挙げられる。本
発明でいう板状の無機物とは、いわゆる板状だけでな
く、鱗片状、薄片状の形状の無機物を意味し、例えば、
タルク、マイカ、合成ハイドロサルタイト等が挙げられ
る。これらの針状又は板状の無機物の添加量は塩化ビニ
ル系グラフト共重合体100重量部に対して、10〜6
0重量部が望ましい。添加量が10重量部未満では、線
膨張率の改善効果が不十分であり、また60重量部を越
えると耐衝撃性、成形加工性が低下する。
る塩化ビニル系樹脂の耐衝撃性を向上させるために配合
するものであり、平均粒子径は0.15μm未満であ
る。平均粒子径が0.15μmを超えると後述する衝撃
改質剤(b)の粒子径との差異が明瞭にならず、ゴム成
分の二様分布化による耐衝撃性向上効果が十分に得られ
ず、塩化ビニル系樹脂組成物に十分な耐衝撃性が得られ
ない。また、平均粒子径が小さすぎても微粒子を多数含
むことになり成形時の金型付着、外観不良等の原因とな
るため、好ましい平均粒子径の範囲は0.05〜0.15
μmである。
は、単独重合体のガラス転移温度が−140℃以上0℃
未満である少なくとも1種類の(メタ)アクリレートを
主成分とするラジカル重合性モノマー(以下、アクリル
系モノマーと称する)100重量部と、多官能性モノマ
ー0.1〜10重量部とからなるアクリル系共重合体で
あることが好ましい。尚、(メタ)アクリレートを主成
分とするラジカル重合性モノマーとは、(メタ)アクリ
レート、又は、(メタ)アクリレートと共重合可能な他
のラジカル重合性モノマーと(メタ)アクリレート(5
0重量%以上)との混合モノマーである。本発明におい
ては、(メタ)アクリレートであることがより好まし
い。上記の(メタ)アクリレートの単独重合体のガラス
転移温度は0℃未満であれば特に種類は限定はされず、
工業的に一般に使用されるポリマーのガラス転移温度を
鑑みて−140℃以上が適当である。
0℃以上0℃未満の(メタ)アクリレートとしては、例
えば、エチルアクリレート(Tg=−24℃、以下かっ
こ内に温度のみを示す)、n−プロピルアクリレート
(−37℃)、 n−ブチルアクリレート(−54
℃)、イソブチルアクリレート(−24℃)、sec−
ブチルアクリレート(−21℃)、n−ヘキシルアクリ
レート(−57℃)、2−エチルヘキシルアクリレート
(−85℃)、n−オクチルアクリレート(−85
℃)、イソオクチルアクリレート(−45℃)、イソノ
ニルアクリレート(−85℃)、n−デシルアクリレー
ト(−70℃)、n−オクチルメタクリレート(−25
℃)、n−ノニルメタクリレート(−35℃)、n−デ
シルメタクリレート(−45℃)、ラウリルメタアクリ
レート(−65℃)等が挙げられる。なお、上記単独重
合体のガラス転移温度が−140℃以上−60℃未満で
あるラジカル重合性モノマーの単独重合体のガラス転移
温度は、高分子学会編「高分子データ・ハンドブック
(基礎編)」(1986年、培風館社)によった
好ましくは、単独共重合体のガラス転移温度が−140
℃以上−60℃未満であるアクリル系モノマー100重
量部及び多官能性モノマー0.1〜1重量部からなる共
重合体(コア部)40〜90重量%に、単独共重合体の
ガラス転移温度が−55℃以上0℃未満であるアクリル
系モノマー100重量部及び多官能性モノマー1.5〜
10重量部からなる混合モノマー10〜60重量%をグ
ラフト共重合せしめたコアーシェル構造からなるアクリ
ル系共重合体である。アクリル系共重合体にコア−シェ
ル構造を持たせることにより、アクリル系共重合体の耐
衝撃性向上効果をより高めることが可能となる。即ち、
コア部を、単独共重合体のガラス転移温度が−140℃
以上−60℃未満であるアクリル系モノマーで形成せし
めることにより、コア部がより柔軟になり、高速の歪み
に対しても十分な柔軟性を示すことによりより耐衝撃性
が向上する。一方、シェル部を、単独重合体のガラス転
移温度が−55℃以上で0℃未満であるアクリル系モノ
マーで形成せしめることにより、柔軟性を保ちながら、
コア部の合着を防止することができ、効果的に耐衝撃性
を向上させることが可能となる。
ラジカルモノマーとしては、(メタ)アクリレートと共
重合可能であれば特に限定されるものではない。
共重合体を製造する際、及び、製造後の上記アクリル系
共重合体の粒子の合着を抑制するために使用され、多官
能性モノマーによりアクリル系共重合体を架橋すること
により上記作用が発揮され、結果的に上記塩化ビニル系
樹脂の耐衝撃性を向上させる。
ジ(メタ)アクリレートとしては、エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、1.6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレー
ト等が挙げられ、トリ(メタ)アクリレートとしては、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エ
チレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリストールトリ(メタ)ア
クリレート等が挙げられる。また、その他の多官能性モ
ノマーとしては、ペンタエリストールテトラ(メタ)ア
クリレート、ジペンタエリストールヘキサ(メタ)アク
リレート、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジ
アリルフマレート、ジアリルサクシネート、トリアリル
イソシアヌレート等のジもしくはトリアリル化合物、ジ
ビニルベンゼン、ブタジエン等のジビニル化合物等が挙
げられ、これらは単独または2種類以上を組み合わせて
用いることができる。
官能性モノマーの量は、アクリル系共重合体を形成す
る、単独重合体のガラス転移温度が−140以上0℃未
満であるアクリル系モノマー100重量部に対して、
0.1〜10重量部である。上記多官能性モノマーの配
合量が、0.1重量部未満では、アクリル系共重合体が
塩化ビニル系樹脂中で独立した粒子形状を保ち難くな
り、アクリル系共重合体による塩化ビニル系樹脂の耐衝
撃性の向上効果が低下してしまう。一方、10重量部を
越えると、アクリル系共重合体の架橋密度が高くなり、
アクリル系共重合体による塩化ビニル系樹脂の耐衝撃性
の向上効果が低下してしまう。
と上記多官能性モノマーとを共重合させてアクリル系共
重合体をえる方法としては、特に限定されず、例えば、
乳化重合法、懸濁重合法等が挙げられる。これらの中で
は、アクリル系共重合体の粒子径の制御が行い易いく、
耐衝撃性の発現性がよい点から乳化重合法が好ましい。
なお、上記共重合とは、ランダム共重合、ブロック共重
合、グラフト共重合等すべての共重合をいう。上記乳化
重合は、従来公知の方法で行うことができ、例えば、必
要に応じて、乳化分散剤、重合開始剤、pH調整剤、酸
化防止剤等を添加してもよい。
多官能性モノマーとの混合物(以下、混合モノマーとも
いう)の乳化液中での分散安定性を向上させ、重合を効
率的に行うために用いるものである。上記乳化分散剤と
しては特に限定されず、例えば、アニオン系界面活性
剤、ノニオン系界面活性剤、部分ケン化ポリ酢酸ビニ
ル、セルロース系分散剤、ゼラチン等が挙げられる。こ
れらの中では、アニオン系界面活性剤が好ましく、上記
アニオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、ポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテルサルフェート
(ハイテノールN−08、第一工業製薬社製)等が挙げ
られる。
例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化
水素水等の水溶性重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイ
ド、ラウロイルパーオキサイド等の有機系過酸化物、ア
ゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤等が挙げら
れる。
例えば、一括重合法、モノマー滴下法、エマルジョン滴
下法等が挙げられる。
器内に純水、乳化分散剤、及び、混合モノマーを一括し
て添加し、窒素気流加圧下で撹拌して混合モノマーを充
分乳化させた後、反応器内をジャケットで所定の温度に
昇温し、その後重合させる方法である。
反応器内に純水、乳化分散剤、及び、重合開始剤を入
れ、窒素気流下による酸素除去及び加圧を行い、反応器
内をジャケットにより所定の温度に昇温した後、混合モ
ノマーを一定量ずつ滴下して重合させる方法である。
ー、乳化分散剤、及び、純水を撹拌して乳化モノマー液
を予め調製し、次いで、ジャケット付重合反応器内に純
水、及び、重合開始剤を入れ、窒素気流下による酸素除
去及び加圧を行い、反応器内をジャケットにより所定の
温度に昇温した後、上記乳化モノマー液を一定量ずつ滴
下して重合させる方法である。
造をしている場合においては、その形成方法は特に限定
されず、コア部を形成せしめた後に、コア部を形成する
粒子の存在化において、シェル部を形成するモノマーを
グラフト重合せしめてシェル部を形成せしめればよい。
この際、シェル部のグラフト共重合は、上記コア部の重
合と同一の重合行程で連続して行ってもよい。
重合法において、コア部を形成する混合モノマーとシェ
ル部を形成する混合モノマーとの割合を調整することに
よって調節可能であり、コア部とシェル部の割合は必要
に応じて適宜決定されて良い。このようにして得られた
コアシェル構造を有するアクリル系共重合体は、上記コ
ア部の表面を上記シェル部が三次元的に覆い、上記シェ
ル部を構成する共重合体と上記コア部を構成する共重合
体とが部分的に共有結合し、上記シェル部が三次元的な
架橋構造を形成している。
了後に得られるアクリル系共重合体の固形分比率は、ア
クリル系共重合体の生産性、重合反応の安定性の点から
10〜60重量%が好ましい。
は、上記アクリル系共重合体1〜30重量%と塩化ビニ
ルを主成分とするビニルモノマー(以下、塩化ビニル系
モノマーと称す。)70〜99重量%とをグラフト重合
させて得られる。上記アクリル系共重合体の配合量が1
重量%未満では、製造される塩化ビニル系グラフト共重
合体が充分な耐衝撃性を得ることができず、30重量%
を越えると、製造される塩化ビニル系グラフト共重合体
の曲げ強度や引張強度等の機械的強度が低くなるため上
記範囲に限定される。好ましいアクリル系共重合体の好
ましい配合量は、4〜20重量%である。尚、塩化ビニ
ルを主成分とするビニルモノマーとは、塩化ビニル、又
は、塩化ビニルと共重合可能な他のビニルモノマーと塩
化ビニル(50重量%以上)との混合モノマーである。
リ塩化ビニルの重合度は、小さすぎても大きすぎても充
分な成形品の成形性が得られにくくなるため、300〜
4000が適当であり、好ましくは400〜1600で
ある。
グラフト共重合させて塩化ビニル系グラフト共重合体を
得る方法としては、特に限定されず、例えば、懸濁重合
法、乳化重合法、溶液重合法、塊状重合法等が挙げら
れ、これらの中では、懸濁重合法が好適に用いられ、上
記懸濁重合法により重合を行う際には、分散剤、重合開
始剤等が用いられてよい。
が、上記アクリル系共重合体の分散安定性を向上させ、
塩化ビニルのグラフト重合を効率的に行う目的で添加さ
れる。例えば、ポリ(メタ)アクリル酸塩、(メタ)ア
クリル酸塩−アルキルアクリレート共重合体、メチルセ
ルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリ酢酸ビニ
ル及びその部分ケン化物、ゼラチン、ポリビニルピロリ
ドン、デンプン、無水マレイン酸−スチレン共重合体等
が挙げられ、これらは単独または2種類以上組み合わせ
て用いることができる。
いが、ラジカル重合開始剤がグラフト共重合に有利であ
るという理由から好適に用いられる。例えば、ラウロイ
ルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、
ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジオクチル
パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオ
デカノエート、α−クミルパーオキシネオデカノエート
等の有機パーオキサイド類、2、2’−アゾビスイソブ
チロニトリル、2、2’−アゾビス−2、4−ジメチル
バレロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。
重合中に重合槽内に付着するスケールを減少させる目的
で、上記アクリル系共重合体の分散溶液に、凝集剤を添
加しても良く、更に、必要に応じて、pH調整剤、酸化
防止剤等が添加されてもよい。
方法を用いることができる。すなわち、温度調整機、及
び、撹拌機を備えた反応容器に、純水、上記アクリル系
共重合体分散溶液、分散剤、重合開始剤、及び、必要に
応じて水溶性増粘剤、重合度調節剤を投入する。その
後、真空ポンプで重合器内の空気を排出し、更に撹拌条
件下で塩化ビニル、また必要に応じて他のビニルモノマ
ーも投入した後、反応容器内をジャケットにより加熱
し、塩化ビニルのグラフト共重合を行う。このとき、重
合温度は30〜90℃、重合時間2〜20時間が好まし
い。
を変えることにより反応容器内の温度、つまり重合温度
を制御することが可能である。反応終了後は、未反応の
塩化ビニル等を除去しスラリー状にし、更に脱水、乾燥
することにより塩化ビニル系グラフト共重合体が製造さ
れる。
ラフト共重合体は、アクリル系共重合体にポリ塩化ビニ
ルの一部が直接結合しているので、耐衝撃性に優れると
ともに機械的強度にも優れる。
は、上記特性を有しているため、耐衝撃性、機械的強度
を要する成形品に好適に用いられる。上記塩化ビニル系
グラフト共重合体を用いた成形品もまた本発明の1つで
ある。
以上の衝撃改質剤(b)は、本発明の塩化ビニル系樹脂
組成物中において、ゴム成分(エラストマー成分(a)
及び衝撃改質剤(b))の粒子径分布を二様分布化して
最終的に得られる成形体の耐衝撃性を向上させる目的で
配合される。上記衝撃改質剤(b)としては、ゴム成分
を構成するものであれば特に限定されないが、ゴム成分
の粒子径の二様分布化を保持することのできる架橋ゴム
粒子を主成分としたものが望ましい。例えば、MBS
(メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合
体)、アクリルゴム、シリコンゴム等を主成分としたも
のが挙げられる。
20μm以上に制限される。平均粒子径が0.20μm
未満であると、上記アクリル系共重合体(a)との粒子
径との差異が明瞭にならず、ゴム成分の二様分布化によ
る耐衝撃性向上効果が発揮されがたいためである。ま
た、平均粒子径が大きすぎると引張強度などの機械的強
度が著しく低下するために、粒子径の好ましい範囲は
0.20〜1μmである。
剤(b)の重量比は30/70〜95/5に限定され
る。アクリル系共重合体(a)の含有量が上記ゴム成分
全体中の30重量%未満であると、アクリル系共重合体
の粒子間距離が大きくなってしまい、最終的に得られる
成形体の耐衝撃性が発現しにくくなり、含有量が95%
を越えると、ゴム成分の二様分布化による耐衝撃性向上
効果が発揮されがたくなる。好ましくは、50/50〜
90/10である。
とにより、本発明の成形品を得る場合には、必要に応じ
て熱安定剤、安定化助剤、滑剤、加工助剤、酸化防止
剤、光安定剤、顔料、充填剤等を添加してもよい。
例えば、ジメチル錫メルカプト、ジブチル錫メルカプ
ト、ジオクチル錫メルカプト、ジブチル錫マレート、ジ
ブチル錫マレートポリマー、ジオクチル錫マレート、ジ
オクチル錫マレートポリマー、ジブチル錫ラウレート、
ジブチル錫ラウレートポリマー等の有機錫安定剤、ステ
アリン酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、三塩基性硫酸鉛等の
鉛系安定剤、カルシウム−亜鉛系安定剤、バリウム−亜
鉛系安定剤、バリウム−カドミウム系安定剤等が挙げら
れる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用し
てもよい。
ず、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ豆油
エポキシ化テトラヒドロフタレート、エポキシ化ポリブ
タジエン、リン酸エステル等が挙げられる。これらは単
独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ば、モンタン酸ワックス、パラフィンワックス、ポリエ
チレンワックス、ステアリン酸、ステアリルアルコー
ル、ステアリン酸ブチル等が挙げられる。これらは単独
で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
例えば、重量平均分子量10万〜200万のアルキルア
クリレート/アルキルメタクリレート共重合体であるア
クリル系加工助剤が挙げられ、具体例としては、n−ブ
チルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体、2
−エチルヘキシルアクリレート/メチルメタクリレート
/ブチルメタクリレート共重合体等が挙げられる。これ
らは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ず、例えば、フェノール系抗酸化剤等が挙げられる。こ
れらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。上記光安定剤としては、特に限定されず、例えば、
サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリ
アゾール系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤、
あるいはヒンダードアミン系の光安定剤等が挙げられ
る。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用して
もよい。
ば、アゾ系、フタロシアニン系、スレン系、染料レーキ
系等の有機顔料、酸化物系、クロム酸モリブデン系、硫
化物・セレン化物系、フェロシアン化物系等の無機顔料
等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。上記充填剤としては特に限定され
ず、例えば、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。
の加工性を向上させる目的で、上記塩化ビニル系グラフ
ト共重合体に可塑剤を添加してもよい。上記可塑剤とし
ては特に限定されず、例えば、ジブチルフタレート、ジ
−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−2−エチルヘキ
シルアジペート等が挙げられる。これらは単独で用いて
もよく、2種以上を併用してもよい。
添加剤を混合する方法としては、特に限定されず、例え
ば、ホットブレンドによる方法、コールドブレンドによ
る方法等が挙げられる。また、上記塩化ビニル系樹脂組
成物の成形方法としては、特に限定されず、例えば、押
出成形法、射出成形法、カレンダー成形法、プレス成形
法等が挙げられる。
き、コア層、及びシェル層を形成するためのモノマー
(以下、それぞれをコア層形成用モノマー、シェル層形
成用モノマーという)をそれぞれ、所定量の純水(モノ
マー100重量部に対し60重量部)、多官能性モノマ
ー、及びポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルア
ンモニウムサルフェート(全モノマー100重量部に対
して1.0重量部)と混合、撹拌し、それぞれの乳化モ
ノマー液を調製した。次に撹拌機及び還流冷却器を備え
た反応器に、純水(全モノマー100重量部に対し16
0重量部)を入れ、容器内の酸素を窒素により置換した
後、撹拌下で反応温度を70℃まで昇温した。昇温終了
後、反応器に過硫酸アンモニウム(全モノマー100重
量部に対し0.5重量部)、及び、コア層形成用モノマ
ー液の50%を一括して投入し、重合を開始した。続い
て、コア層形成用モノマーの残りを滴下した。更に、コ
ア層形成用モノマーの滴下が終了次第、シェル層形成用
モノマーを順次滴下した。乳化モノマー液の滴下を3時
間(B3については8時間)で終了し、その後、1時間
の熟成期間をおいた後、重合を終了して固形分濃度約3
0重量%アクリル系共重合体ラテックス(以下ラテック
スとする)を得た。得られたアクリル系共重合体の粒子
の平均粒子径は、光散乱粒度計(DLS−7000、大
塚電子(株)製)にて測定し、結果を表1に示した。
ついで、撹拌機及びジャケットを備えた重合器に、純水
170重量部、上記ラテックス9重量部、部分けん化ポ
リビニルアルコール(クラレポバールL−8、クラレ社
製)の3%水溶液5重量部、ヒドロキシプロピルメチル
セルロース(メトローズ60SH50、信越化学社製)
の3%水溶液2.5重量部、t−ブチルパーオキシピバ
レート0.03重量部、硫酸アルミをアクリル系共重合
体固形分9重量部に対してアルミニウムイオンが300
0ppmとなるように一括投入し、その後、真空ポンプ
で重合器内の空気を排出し、更に攪拌条件下で塩化ビニ
ル100重量部を投入した。その後、ジャケット温度の
制御により重合温度57.5℃にてグラフト重合を開始
した。
で低下したところで塩化ビニルモノマーの重合率が80
%になるので反応終了を確認し、消泡剤(東レシリコン
SH5510、東レ社製)を加圧添加した後に反応を停
止した。その後、未反応の塩化ビニルモノマーを除去
し、更に脱水乾燥することにより塩化ビニル系グラフト
共重合体を得た。塩化ビニル系グラフト共重合体中のポ
リ塩化ビニルの重合度は約1000であった。
系樹脂100重量部に対して、表2、3の組成に従い、
ウォラストナイト(商品名:SH600、キンセイマテ
ィック社製)、マイカ(商品名:A300、大塚化学社
製)、有機錫系安定剤(商品名:ONZ−7F、三共有
機合成社製)を1.0部、滑剤(商品名:WAX−O
P、クラリアントジャパン)0.5部、衝撃改質剤(ア
クリル系、MBS)をスーパーミキサー(100L、カ
ワタ社製)にて攪拌混合して塩化ビニル系樹脂組成物を
得た。 (比較例7)重合度1000のストレート塩化ビニル樹
脂(TS1000R、徳山積水社製)にMBS(M51
1、鐘淵化学社製)を添加し上記と同様に攪拌混合して
塩化ビニル系樹脂組成物を得た。
組成物を190℃で3分間ロール混練した後、200℃
で3分間プレスした厚さ3mmの塩化ビニル系樹脂平板
を成形した。
ついて、下記の評価を行った。結果を表2、3に示す。 (線膨張率)プラスチックの線膨張試験方法(JIS
K 7197)に則り、線膨張率を測定した。測定温度
は23℃〜70℃であり、昇温速度は5℃/minであ
る。 (耐衝撃性)硬質プラスチックのシャルピー衝撃試験方
法(JIS K 7111)に準拠し、エッジワイズ衝
撃試験片でシャルピー衝撃強度を測定した。測定温度は
23℃である。
は、平均粒子径が0.15μm未満のエラストマー成分
(a)1〜30重量%に塩化ビニルを主成分とするビニ
ルモノマー70〜99重量%をグラフト共重合して得ら
れる塩化ビニル系グラフト共重合体、平均粒子径が0.
2μm以上である衝撃改質剤(b)、針状あるいは板状
の無機物を含有し、塩化ビニル系グラフト共重合体/無
機物=100/10〜100/60(重量比)、且つ、
(a)/(b)=30/70〜95/5(重量比)であ
るので、従来の無機物充填ポリ塩化ビニル樹脂に衝撃改
良剤を添加する系と比較して低線膨張率を保持しつつ耐
衝撃性をより向上させることができ、雨樋、窓枠部材等
の住宅資材、硬質塩化ビニル管、継手などの管工機材等
で特に低線膨張率、耐衝撃性を必要とする用途に好適に
用いられる。
Claims (5)
- 【請求項1】 平均粒子径が0.15μm未満のエラス
トマー成分(a)1〜30重量%に塩化ビニルを主成分
とするビニルモノマー70〜99重量%をグラフト共重
合して得られる塩化ビニル系グラフト共重合体、平均粒
子径が0.2μm以上である衝撃改質剤(b)、針状あ
るいは板状の無機物を含有し、塩化ビニル系グラフト共
重合体/無機物=100/10〜100/60(重量
比)、且つ、(a)/(b)=30/70〜95/5
(重量比)であることを特徴とする塩化ビニル系グラフ
ト共重合体組成物。 - 【請求項2】 上記エラストマー成分(a)が、単独重
合体のガラス転移温度が−140℃以上0℃未満である
少なくとも1種類の(メタ)アクリレートを主成分とす
るラジカル重合性モノマー100重量部と、多官能性モ
ノマー0.1〜10重量部とからなるアクリル系共重合
体であることを特徴とする請求項1記載の塩化ビニル系
樹脂組成物。 - 【請求項3】 上記エラストマー成分(a)が、単独共
重合体のガラス転移温度が−140℃以上−60℃未満
である少なくとも1種類の(メタ)アクリレートを主成
分とするラジカル重合性モノマー100重量部及び多官
能性モノマー0.1〜1重量部からなる共重合体(コア
部)40〜90重量%に、単独共重合体のガラス転移温
度が−55℃以上0℃未満である(メタ)アクリレート
を主成分とするラジカル重合性モノマー100重量部及
び多官能性モノマー1.5〜10重量部からなる混合モ
ノマー10〜60重量%をグラフト共重合せしめたコア
ーシェル構造からなることを特徴とする請求項2記載の
塩化ビニル系樹脂組成物。 - 【請求項4】 針状無機物がワラストナイトであること
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塩化ビニ
ル系樹脂組成物。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の塩化ビ
ニル系樹脂組成物からなる成形体。
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---|---|---|---|
JP2002025768A JP2003221485A (ja) | 2002-02-01 | 2002-02-01 | ポリ塩化ビニル系樹脂組成物 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2014188971A1 (ja) * | 2013-05-22 | 2014-11-27 | 積水化学工業株式会社 | 塩化ビニル系共重合体、塩化ビニル系樹脂組成物及び成形体 |
-
2002
- 2002-02-01 JP JP2002025768A patent/JP2003221485A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2014188971A1 (ja) * | 2013-05-22 | 2014-11-27 | 積水化学工業株式会社 | 塩化ビニル系共重合体、塩化ビニル系樹脂組成物及び成形体 |
CN105263977A (zh) * | 2013-05-22 | 2016-01-20 | 积水化学工业株式会社 | 氯乙烯类共聚物、氯乙烯类树脂组合物及成形体 |
JPWO2014188971A1 (ja) * | 2013-05-22 | 2017-02-23 | 積水化学工業株式会社 | 塩化ビニル系共重合体、塩化ビニル系樹脂組成物及び成形体 |
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