JP2003221358A - メチルテレフタル酸の製造法 - Google Patents

メチルテレフタル酸の製造法

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JP2003221358A
JP2003221358A JP2002020045A JP2002020045A JP2003221358A JP 2003221358 A JP2003221358 A JP 2003221358A JP 2002020045 A JP2002020045 A JP 2002020045A JP 2002020045 A JP2002020045 A JP 2002020045A JP 2003221358 A JP2003221358 A JP 2003221358A
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terephthalic acid
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Ikutaro Kuzuhara
幾多郎 葛原
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】メチルテレフタル酸を高選択率、高収率で工業
的に有利に製造する方法を提供する。 【解決手段】コバルトを含有する触媒と、パラアルデヒ
ド及び/又はアセトアルデヒドの存在下、含酢酸溶媒中
で、2,4−ジメチルベンズアルデヒド及び/又はその
酸化誘導体を分子状酸素含有ガスにより酸化することを
特徴とするメチルテレフタル酸の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メチルテレフタル
酸を選択的に製造する方法に関する。メチルテレフタル
酸は、テレフタル酸と比べてメチル基を1つ多く有して
いる。このため、メチルテレフタル酸を原料に添加して
得られるポリエステル等は、置換メチル基を有しないテ
レフタル酸のみを使用して得られるものとは異なり、風
合いが良くなる等の有用な性質を有している。
【0002】
【従来の技術】従来、芳香族ポリカルボン酸はポリアル
キルベンゼンの酸化によって製造されており、パラキシ
レンからのテレフタル酸、メタキシレンからのイソフタ
ル酸、プソイドクメンからのトリメリット酸等が工業的
に実施されている。これらについては、分子状酸素を用
いてポリアルキルベンゼンを酸化し芳香族カルボン酸を
製造する方法が従来から数多く提案されている。その殆
どは、芳香環に置換しているメチル基を全てカルボキシ
ル基に変換することに関するものであるが、プソイドク
メンが有している3箇所のメチル基のうち2箇所だけを
酸化して、メチル基が1箇所だけ置換した芳香族ジカル
ボン酸を製造する方法も知られている。特開昭47−3
9047公報には、メチレン基を有するケトンを副原料
として、プソイドクメンを酢酸溶媒中でコバルト触媒を
用いて液相酸化する反応が、また、特開昭48−182
47公報には、アルデヒド類を副原料として、プソイド
クメンを酢酸溶媒中でコバルト触媒を用いて液相酸化す
る反応が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前述のよ
うにプソイドクメンを原料とした場合、固体として単離
される主反応生成物は、必ずメチルテレフタル酸及び4
−メチルイソフタル酸の混合物になり、4−メチルイソ
フタル酸が生成した量だけ原料のプソイドクメンが消費
され、メチルテレフタル酸の選択率が低下する。更に、
メチルテレフタル酸及び4−メチルイソフタル酸の双方
が通常の溶媒に溶解し難く、かつ融点が非常に高く蒸留
が不可能な化合物である為に、目的化合物である純粋な
メチルテレフタル酸を得るためには、非常に複雑な操作
を必要とする。従って、プソイドクメンを液相酸化する
方法は、工業的に純粋なメチルテレフタル酸を得るには
極めて不利な方法である。本発明の目的は、メチルテレ
フタル酸を高選択率、高収率で工業的に有利に製造する
方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の如き
課題を有するメチルテレフタル酸の製造方法について鋭
意検討した結果、メタキシレンのホルミル化で工業的に
容易に得られる2,4−ジメチルベンズアルデヒド及び
/又はその酸化誘導体を出発原料として、コバルトを含
有する触媒、及び共酸化剤としてはたらくパラアルデヒ
ド及び/又はアセトアルデヒドの存在下、含酢酸溶媒中
で、分子状酸素含有ガスを用いて酸化反応を行うことに
より、メチルテレフタル酸が高選択率、高収率で得ら
れ、工業的に有利な方法となることを見出し、本発明に
到達した。即ち本発明は、コバルトを含有する触媒と、
パラアルデヒド及び/又はアセトアルデヒドの存在下、
含酢酸溶媒中で、2,4−ジメチルベンズアルデヒド及
び/又はその酸化誘導体を分子状酸素含有ガスにより酸
化することを特徴とするメチルテレフタル酸の製造方法
に関するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で液相酸化の原料として使
用する2,4−ジメチルベンズアルデヒド及び/又はそ
の酸化誘導体は、メタキシレンのホルミル化により工業
的に容易に得ることができる。該酸化誘導体としては、
2,4−ジメチル安息香酸、2−メチル−4−ホルミル
安息香酸、メチルテレフタルアルデヒド等が挙げられ
る。
【0006】本発明で使用されるコバルトを含有する触
媒には、種々のコバルト化合物が使用できる。例えば、
酢酸塩等の炭素数2〜4の低級脂肪酸カルボン酸塩、ナ
フテン酸塩等の脂環族カルボン酸塩、安息香酸塩や2,
4−ジメチル安息香酸塩の置換芳香族カルボン酸塩、炭
酸塩、水酸化物、酸化物等の無機化合物等が挙げられ
る。なかでも酢酸塩、安息香酸塩、2,4−ジメチル安
息香酸塩が好ましい。これらコバルト化合物の使用量
は、反応液中の濃度が金属コバルトとして0.05〜5
重量%の範囲が好ましく、0.2〜2重量%の範囲がよ
り好ましい。この範囲より多い使用量では、増量したこ
とによる酸化速度の上昇がさほど見られず、かえってト
リメリット酸等、副生物の生成量が多くなり、また、生
成した結晶中へのコバルトの混入量が増加する。一方、
この範囲より少ない使用量では、反応の進行が極めて遅
くなる。
【0007】本発明において、パラアルデヒド及び/又
はアセトアルデヒドは、酸化促進剤として使用される。
その使用量は、原料(2,4−ジメチルベンズアルデヒ
ド及び/又はその酸化誘導体)1重量部に対して0.1
〜1重量部の範囲が好ましく、より好ましくは0.15
〜0.8重量部の範囲の割合で使用される。かかる範囲
よりも多い量使用すると、パラアルデヒド及び/又はア
セトアルデヒドの回収工程の負担を増すばかりでなく、
トリメリット酸の生成が増加する。この範囲より少ない
使用量では、反応の進行が極めて遅くなる。
【0008】本発明では、溶媒として飽和脂肪酸を使用
することができ、特に酢酸を含有する溶媒が好ましい。
溶媒の使用量は、原料1重量部に対し1〜10重量部の
範囲が好ましく、より好ましくは1.5〜5重量部の範
囲である。この範囲よりも多い量の溶媒を使用した場合
には、トリメリット酸等の生成量が多くなり、目的物で
あるメチルテレフタル酸の収率の低下する傾向を示す。
この範囲より少ない溶媒使用量では、得られた反応混合
物の流動性が良くなく、このためメチルテレフタル酸を
濾過等で分離する時に困難を生じ、作業性が劣る。
【0009】本発明における分子状酸素は、純酸素とし
て、あるいは窒素、アルゴン、炭酸ガスなどの不活性ガ
スで希釈して用いられる。空気は最も入手しやすい分子
状酸素含有ガスであり、操作上も空気を用いるのが最も
好ましい。反応系内の全圧力は、当然、原料の2,4−
ジメチルベンズアルデヒド等が液相を保つ圧力は必要で
あり、酸素分圧としては15kPa以上が好ましい。1
5kPaより低い酸素分圧では、反応速度が十分でな
く、2,4−ジメチル安息香酸等の中間体が多く残存し
やすい。酸素分圧を高くして反応を行っても反応に特段
の悪影響は見られないが、酸素量をより多く必要となる
ため、15〜2000kPaの範囲が好ましく、より好
ましくは30〜500kPaの範囲の酸素分圧で反応す
るのがよい。酸化反応では、酸素含有ガスを反応器に連
続的に供給することが好ましい。反応後のガスは、空気
を供給した場合には圧力が好ましくは0.5〜3MP
a、より好ましくは1〜2MPaの範囲となるように連続
的に反応器から抜き出される。また、反応器には還流冷
却器を設け、排ガスに同伴される溶媒及び酸化反応で生
成する水を凝縮させることが好ましい。凝縮した溶媒及
び水は通常反応器に還流されるが、反応器内の水分濃度
を調整するために、その一部を反応系外へ抜き出しても
よい。
【0010】反応は70〜160℃の範囲の温度で行う
ことが好ましく、より好ましくは90〜140℃の範囲
の温度で行われる。この範囲より高い温度ではアセトア
ルデヒド及び/又はパラアルデヒドの消費量が多くなる
だけでなく、トリメリット酸等の生成量が多くなる。こ
の範囲よりも低い温度では誘導期が長く、反応速度も緩
慢になる。
【0011】酸化反応器としては撹拌槽や気泡塔等が用
いられるが、反応器内の撹拌を十分に行なうためには撹
拌槽が好適である。本発明方法は、連続式、半連続式或
は回分式のいずれの方法においても実施することが出来
る。酸化反応混合物は冷却されて約10℃〜110℃、
好ましくは約20℃〜50℃の範囲とし、得られた固体
状酸化生成物は、反応混合物から濾過又は遠心分離によ
り分離することができる。分離されたメチルテレフタル
酸粗生成物は、水あるいは含水酢酸でリスラリー洗浄又
はリンスされ、結晶に含有する有機不純物、金属等が除
去される。
【0012】本発明方法に因れば、トリメリット酸等の
副生量が少なく、高収率でメチルテレフタル酸を容易に
製造することができる。
【0013】
【実施例】次に実施例によって本発明を具体的に説明す
る。但し本発明はこれらの実施例により制限されるもの
ではない。
【0014】実施例1 還流冷却器付きのガス排出管、ガス吹き込み管及び撹拌
器を有する500mLのチタン製オートクレーブを装置とし
て使用した。2,4−ジメチルベンズアルデヒド50重
量部、酢酸コバルト四水和物6.4重量部、パラアルデ
ヒド25重量部、酢酸150重量部を仕込み、窒素雰囲
気下、圧力2MPa、温度105℃に昇圧、昇温した。
その後、空気を導入して反応を開始し、反応温度を10
5℃に保った。反応排ガス中の酸素分圧は最低でも80
kPaを保ち、排ガス流量は毎時160重量部とした。
反応開始後70分して、排ガス中の酸素濃度が15容量
%となった後、排ガス流量を毎時80重量部とし、更に
排ガス中の酸素濃度が20容量%となるまで40分間空
気の吹き込みを継続した。反応装置を40℃まで冷却
後、反応生成物を抜き出して分析したところ、2,4−
ジメチルベンズアルデヒドの転化率は100%、メチル
テレフタル酸の選択率は60.5モル%であり、4−メ
チルイソフタル酸は含まれていなかった。
【0015】実施例2 反応温度を110℃とし、反応排ガス中の酸素分圧の最
低値を36kPaとし、排ガス流量を毎時210重量部と
した以外は、実施例1と同様に反応を行った。反応生成
物を抜き出して分析したところ、2,4−ジメチルベン
ズアルデヒドの転化率は100%、メチルテレフタル酸
の選択率は57.7モル%であり、4−メチルイソフタ
ル酸は含まれていなかった。
【0016】比較例1 2,4−ジメチルベンズアルデヒド50重量部に換えて
プソイドクメン50重量部を用いた以外は、実施例1と
同様に反応を行なった。反応生成物を抜き出して分析し
たところ、プソイドクメンの転化率100%、メチルテ
レフタル酸の選択率30.7モル%、4−メチルイソフ
タル酸の選択率32.0モル%であった。2,4−ジメ
チルベンズアルデヒドに代えてプソイドクメンを原料と
した場合には、メチルテレフタル酸の選択率が低いだけ
でなく、4−メチルイソフタル酸が多量に副生すること
が分かる。
【0017】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、本
発明により、2,4−ジメチルベンズアルデヒドやその
酸化誘導体から、メチルテレフタル酸を高収率で得るこ
とができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コバルトを含有する触媒と、パラアルデヒ
    ド及び/又はアセトアルデヒドの存在下、含酢酸溶媒中
    で、2,4−ジメチルベンズアルデヒド及び/又はその
    酸化誘導体を分子状酸素含有ガスにより酸化することを
    特徴とするメチルテレフタル酸の製造方法。
  2. 【請求項2】反応液中のコバルト濃度が、金属コバルト
    として0.05〜5重量%の範囲である請求項1に記載
    のメチルテレフタル酸の製造法。
  3. 【請求項3】パラアルデヒド及び/又はアセトアルデヒ
    ドの使用量が、2,4−ジメチルベンズアルデヒド及び
    /又はその酸化誘導体1重量部に対し、0.1〜1重量
    部の範囲である請求項1に記載のメチルテレフタル酸の
    製造法。
  4. 【請求項4】溶媒の使用量が、2,4−ジメチルベンズ
    アルデヒド及び/又はその酸化誘導体1重量部に対し、
    1〜10重量部の範囲である請求項1に記載のメチルテ
    レフタル酸の製造法。
  5. 【請求項5】反応時の温度が70〜160℃の範囲であ
    り、反応時の酸素分圧が15kPa〜2000kPaの
    範囲である請求項1に記載のメチルテレフタル酸の製造
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007119391A (ja) * 2005-10-27 2007-05-17 Hoya Corp ポリチオールオリゴマーの製造方法
WO2023145758A1 (ja) * 2022-01-27 2023-08-03 ダイキン工業株式会社 含フッ素フタル酸誘導体の製造方法及び組成物

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