JP2003342227A - ビフェニルテトラカルボン酸の製造法 - Google Patents

ビフェニルテトラカルボン酸の製造法

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Tatsuyuki Kumano
達之 熊野
Atsushi Ogoshi
篤 大越
Hiroshi Ogawa
博史 小川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ビフェニルテトラカルボン酸を安価且つ効率的
に製造する方法を提供する。 【解決手段】重金属および臭素を含有する触媒、および
反応溶媒の存在下、テトラアルキルビフェニルを、酸素
含有ガスにより酸化してビフェニルテトラカルボン酸を
製造する方法であって、反応温度が80〜165℃の範
囲内で行う第一段階および反応温度が170〜250℃
の範囲内で行う第二段階の二段階からなることを特徴と
するビフェニルテトラカルボン酸の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビフェニルテトラ
カルボン酸(以下、BPTAと略)を製造する方法に関す
る。BPTAは、これから得られる無水物を原料とする従来
にない有用な機能を持つポリイミド樹脂としての用途、
あるいはポリエステル樹脂改質剤、エポキシ樹脂硬化
剤、特殊可塑剤原料、医・農薬原料、潤滑油の原料等、
広範な用途を有する。
【0002】
【従来の技術】従来、BPTAは核ハロゲン化フタル酸類の
脱ハロゲン2量化によって得られることが知られてい
る。例えば、特公平05-3857公報には、核ハロゲン化フ
タル酸類をパラジウム触媒と水酸化アルカリ化合物と多
価アルコール等の還元剤により脱ハロゲン2量化を行
い、BPTAが得られることが記載されている。またテトラ
メチルビフェニルを酸化することでBPTAを得る方法が特
開昭48-54048公報および特開昭61-22045公報に記載され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
BPTA製法は十分に満足できるものではない。例えば、特
公平05-3857公報に記載された製法は、脱ハロゲン化2
量化によって生成物の2倍当量の塩が発生し、この排出
される塩が環境に対して大きな問題となるため、その処
理に対し多大な経済的負担がかかる。特開昭48-54048公
報に記載されている製法は酢酸を溶媒とし反応温度20
0℃で空気により酸化反応を行っているが収率は不十分
である。同特許記載されている硝酸を酸化剤として用い
る方法は、収率は高いものの副生物として有毒である多
量の窒素酸化物が生成し、この窒素酸化物の処理に多大
な負担がかかる。本発明の目的は、ビフェニルテトラカ
ルボン酸を安価且つ効率的に製造する方法を提供するこ
とである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するため、テトラアルキルビフェニルの酸化によ
るBPTAの製造法について鋭意検討を行った。その結果、
酸化反応の反応温度を調節することによって、BPTAの収
率が向上することを見出し、本発明に達した。すなわち
本発明は、重金属および臭素を含有する触媒、および反
応溶媒の存在下、テトラアルキルビフェニルを、酸素含
有ガスにより酸化してビフェニルテトラカルボン酸を製
造する方法であって、反応温度が80〜165℃の範囲
内で行う第一段階および反応温度が170〜250℃の
範囲内で行う第二段階の二段階からなることを特徴とす
るビフェニルテトラカルボン酸の製造法である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で使用される酸化原料であ
るテトラアルキルビフェニルとしては、3,4,3',4'-テト
ラメチルビフェニル、2,3,3',4'-テトラメチルビフェニ
ル、2,3,2',3'-テトラメチルビフェニル、3,4,3',4'-テ
トラエチルビフェニル、3,4-ジメチル,3',4'-ジエチル
ビフェニル等があげられるが、3,4,3',4'-テトラメチル
ビフェニル、2,3,3',4'-テトラメチルビフェニルおよび
2,3,2',3'-テトラメチルビフェニルが好ましい。これら
の原料は、例えば、Pdを触媒とした酸化カップリングで
ジアルキルベンゼンよりつくることができる。また、ハ
ロゲン化ジアルキルベンゼンの脱ハロゲン2量化でも製
造可能である。これらの製法でつくったテトラアルキル
ビフェニルは数種類の異性体が混合しているが、それぞ
れ蒸留や晶析によって容易に分離することができる。こ
れらの原料のアルキル基を一部酸化してから、本発明の
原料に使用することも可能である。
【0006】本発明では溶媒を用いて液相条件で酸化反
応を行う。溶媒としては、低級脂肪族カルボン酸が好ま
しく、炭素数1〜5個の脂肪族モノカルボン酸がより好
ましい。具体的には、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸
等が挙げられ、これらは単独または混合物として使用で
きる。中でも、酢酸およびプロピオン酸が好ましく、特
に酢酸が好ましい。使用する溶媒の水分含量は1〜70
重量%であり、好ましくは5〜50重量%である。水分
濃度が低すぎる場合、BPTA中の金属含量が増加する。水
分濃度が高すぎる場合は反応速度が小さくなるため収率
が低下する。溶媒の使用量は、原料のテトラアルキルビ
フェニルに対して、通常1〜20重量倍、好ましくは2
〜12重量倍である。
【0007】本発明で使用される触媒は重金属および臭
素を含有するものであり、コバルト、マンガン、ニッケ
ル、セリウム、鉄およびジルコニウムからなる群より選
ばれる1種以上の金属と臭素化合物とを組み合わせたも
のである。好ましくはコバルト、マンガン、ニッケル、
ジルコニウムからなる群より選ばれる2種以上の金属と
臭素化合物とを組み合わせたもの、さらに好ましくはコ
バルト、マンガン、ニッケルからなる群から選ばれる1
つ以上の金属およびジルコニウムと臭素化合物を組み合
わせたものである。コバルト源、マンガン源、ニッケル
源、セリウム源、鉄源およびジルコニウム源としては有
機酸塩、ハロゲン化物、炭酸塩などの金属化合物が例示
され、特に酢酸塩および臭化物が好ましい。臭素化合物
としては反応系で溶解し、臭素イオンを発生するもので
あれば如何なるものでも良く、臭化水素、臭化ナトリウ
ム、臭化コバルトおよび臭化マンガンなどの無機臭化
物、テトラブロモエタンなどの有機臭化物などが例示さ
れるが、特に臭化水素、臭化コバルトおよび臭化マンガ
ンが好ましい。
【0008】本発明における触媒金属の使用量は、溶媒
中の全金属濃度として、0.03〜2重量%、好ましく
は0.05〜1重量%の範囲である。全金属濃度が低す
ぎると反応が十分に進行せず、反応中間体の生成が主と
なる。全金属濃度が高すぎると、触媒費が悪化するとと
もにBPTA中への金属混入量が増大する。溶媒中の臭素イ
オン濃度は、0.01〜2重量%、好ましくは0.03〜
1重量%の範囲である。臭素イオン濃度が低すぎると反
応が進行せず、臭素イオン濃度が高すぎると生成したBP
TAの臭素含有量が高くなり、装置の腐食も激しくなる。
臭素イオン濃度に対する全触媒重金属濃度の比(重量
比)は0.1〜10、好ましくは0.2〜5の範囲であ
る。触媒金属および臭素化合物は、使用量を反応開始時
にすべて供給してもかまわないが、好ましくは使用量を
2回以上分割して反応に供給する。反応開始時に全臭素
量の0〜60%、全金属の20〜95%供給し、残りを
反応途中に供給することがより好ましく、第二段階に供
給するのが更に好ましい。このように触媒を分割して供
給することにより収率が向上する。
【0009】本発明の液相酸化には酸素含有ガスを用い
る。酸素含有ガスとしては酸素ガスや空気、およびこれ
らを窒素、アルゴン等の不活性ガスと混合したガスが挙
げられるが、空気が工業的に有利である。酸化反応器と
しては攪拌槽や気泡塔などが用いられるが、反応器内の
攪拌を十分に行うためには攪拌槽が好適である。反応の
形式としては回分式、半回分式または連続式のいずれの
方法も好適に用いられる。回分式、半回分式では酸化反
応を完結させるために、原料の供給を停止した後5〜9
0分間、酸素含有ガスの供給を継続することが好まし
い。連続式では反応収率を高めるために複数の反応器を
直列に設けることが好ましい。
【0010】テトラアルキルビフェニル酸化を高収率で
行うことは非常に困難である。反応温度が低すぎると酸
化反応が完結せず中間体が多く残り収率が低下する。反
応温度が高すぎると高沸物が大量に生成しBPDAの収率が
低下する。本発明において、酸化反応は、反応の開始時
から反応温度を80〜165℃の範囲内で行う第一段階
を行った後、反応温度が170〜250℃の範囲、好ま
しくは170〜230℃の範囲で行われる第二段階を行
う。第一段階を低温で行うことで高沸化することなくテ
トラアルキルビフェニルのアルキル基の1つまたは2つ
を酸化させより安定な化合物とした後、高温の第二段階
で反応を完結させることができる。上記の温度範囲内で
あれば、反応の第一段階中、第二段階中で反応温度を変
えてもかまわない。回分式または半回分式の場合は、昇
温することで第一段階から第二段階への移行ができる。
一方、複数の反応器で連続式により行う場合には、第一
反応器は、80〜165℃の範囲内のいずれかの温度で
反応し、第二反応器以降は170〜250℃の範囲、好
ましくは170〜230℃の範囲で任意に選ばれる反応
温度で反応が行われる。本発明の方法により、高沸物の
生成量が減少しBPTAの収率が著しく向上する。酸化反応
では酸素含有ガスを反応器に連続的に供給し、反応後の
ガスは圧力が0.2〜4MPaG、好ましくは0.3〜3
MPaGとなるように連続的に反応器から抜き出され
る。反応器からの排ガス中の酸素濃度は0.1〜8容量
%、好ましくは1〜5容量%である。
【0011】反応器には還流冷却器を設け、排ガスに同
伴される多量の溶媒および酸化反応で生成する水を凝縮
させる。凝縮した溶媒および水は通常反応器に還流され
るが、反応器内の水濃度を調整するために、その一部を
反応系外に抜き出すことも行われる。反応液の反応器で
の滞留時間は通常0.3〜5時間の範囲である。複数の
反応器を直列に設けた場合は通算滞留時間がこの範囲と
なる。
【0012】酸化反応混合物は10〜120℃、好まし
くは20〜50℃の温度範囲内に冷却され、BPTA粗結晶
を析出させる。晶析は、回分式、半回分式あるいは連続
式で行うことができる。連続式の場合、多段の晶析槽で
行うことで、結晶粒径が大きくなり母液との分離が容易
になる。得られた結晶を反応混合物からろ過または遠心
分離によって分離する。分離されたBPTA粗結晶は水また
は含水酢酸でリスラリー洗浄あるいはリンスされ、反応
母液が除去される。
【0013】本発明において、液相酸化反応生成物を固
液分離して得られた反応母液の少なくとも一部を液相酸
化反応に再利用することが可能である。反応母液は高沸
副生物等を含んでいるが、これらが蓄積して反応に悪影
響を及ぼさないようにするため、酸化反応に再利用する
割合は、反応母液の90重量%以下とすることが好まし
く、より好ましくは60重量%以下である。反応を好適
に行うため、酸化反応に再利用する前に反応母液の一部
を、反応生成水を除くために蒸留することが好ましい。
この際、塔頂から水を抜き出して水分含量を1〜70重
量%、好ましくは5〜50重量%に下げるとよい。
【0014】本発明において、液相酸化反応は、1〜7
0重量%の水分を含む低級脂肪族カルボン酸溶媒と重金
属および臭素からなる触媒液を使用するため、酸化反応
を行う製造装置においては、SUS304、316等の通常の耐
蝕材料では孔食等の腐食が発生する場合がある。かかる
問題を解決するために、本発明においては、酸化反応の
反応器材の表面を酸化被膜で被膜したTiまたはZrにする
ことが好ましい。表面を酸化被膜で被膜したTiまたはZr
を装置の主要部分に使用することで孔食等の腐食を発生
することなく酸化反応を行うことができる。表面に酸化
被膜で被膜したTiまたはZrを必要とする機器としては、
反応器、攪拌機等の触媒液および反応液が高温で接触す
る可能性がある機器、および酸化反応オフガスライン、
冷却熱交換器、スクラバー等があげられる。
【0015】本発明において製造されるBPTAは、公知の
方法により無水化し、無水物をつくることができる。無
水化の方法としては、BPTAをSR1〜20の範囲で無水
酢酸または酢酸と無水酢酸の混合物に溶解またはスラリ
ー化し、70〜230℃、好ましくは80〜130℃の
温度範囲で0.2〜10hr.加熱する方法や窒素雰囲気下
240℃以上の温度で加熱する方法、キシレンなどの実
質的に水に不溶の有機溶媒中で必要に応じて脱水を行い
ながら、200℃以上の温度で0.2〜10hr.加熱する
方法等があげられる。
【0016】
【実施例】次に以下の実施例によって本発明を具体的に
説明する。但し、本発明はこれらの実施例により制限さ
れるものではない。尚、各例における目的物の収率は、
反応生成物のガスクロマトグラフィー分析結果より算出
した。
【0017】実施例1 還流冷却器付きのガス排出管、ガス導入管、攪拌機を備
えた500 mLのチタン製オートクレーブを装置として使用
した。この装置に3,4,3',4'-テトラメチルビフェニル4
0g、47重量%臭化水素水溶液1.5g、酢酸マンガ
ン四水和物0.86g、酢酸コバルト四水和物1.6g、
酢酸228gおよび水10gを仕込み、窒素雰囲気下、
攪拌しながら圧力0.4MPaG 、温度140℃に昇圧、昇
温した。反応温度を140〜145℃に維持しながら酸
素濃度が1〜6%となるように導入空気量を調節した。
空気を導入し始めてから25分間反応させた後、圧力
2.0MPaG、反応温度を210℃に昇温し、この条件下
で20分間反応させ反応を完結させた。表1に分析結果
を示す。
【0018】実施例2 実施例1と同様の手法で、3,4,3',4'-テトラメチルビフ
ェニル40g、47重量%臭化水素水溶液2.5g、酢
酸マンガン四水和物0.86g、酢酸ニッケル四水和物
2.4g、酢酸228gおよび水10gを仕込み、反応
させた。表1に分析結果を示す。
【0019】実施例3 実施例1と同様の装置に、3,4,3',4'-テトラメチルビフ
ェニル40g、47重量%臭化水素水溶液0.75g、
酢酸マンガン四水和物0.86g、酢酸コバルト四水和
物1.6g、酢酸228gおよび水10gを仕込み、窒
素雰囲気下、攪拌しながら圧力0.3MPaG、温度120
℃に昇圧、昇温した。反応温度を120℃で20分間反
応し、圧力を0.5MPaG、温度150℃に昇圧、昇温
し、47重量%臭化水素水溶液0.75g、15重量%
酢酸ジルコニウム酢酸溶液0.1gを反応器に供給し15
分間反応した。反応圧力を2.0MPaG、反応温度を21
0℃まで10分かけて昇圧、昇温しながら反応を行い、
さらに210℃で5分間反応させた。表1に分析結果を
示す。
【0020】実施例4 実施例1と同様の装置に、2,3,3',4'-テトラメチルビフ
ェニル40g、47重量%臭化水素水溶液0.75g、
酢酸マンガン四水和物0.86g、酢酸コバルト四水和
物1.6g、酢酸228gおよび水10gを仕込み、窒
素雰囲気下、攪拌しながら圧力0.4MPaG、温度140
℃に昇圧、昇温した。反応温度を140℃で20分間反
応し、圧力を0.6MPaG、温度160℃に昇圧、昇温し
て15分間反応した。47重量%臭化水素水溶液0.7
5g、15重量%酢酸ジルコニウム酢酸溶液0.1gを反
応器に供給し、反応圧力を2.0MPaGまで徐々に昇圧
し、同時に反応温度を210℃まで10分かけて昇温し
ながら反応を行い、さらに210℃で5分間反応させ
た。表1に分析結果を示す。
【0021】実施例5 実施例1と同様の装置に、3,4,3',4'-テトラメチルビフ
ェニル40g、47重量%臭化水素水溶液0.38g、
酢酸マンガン四水和物0.43g、酢酸コバルト四水和
物0.8g、酢酸114gおよび水5gを仕込み、窒素
雰囲気下、攪拌しながら圧力0.4MPaG、温度140℃
に昇圧、昇温した。反応温度を140℃で20分間反応
し、圧力を0.6MPaG、温度160℃に昇圧、昇温して
15分間反応した。47重量%臭化水素水溶液0.37
g、15重量%酢酸ジルコニウム酢酸溶液0.1gを反応
器に供給し、反応圧力を2.0MPaGまで徐々に昇圧し、
同時に反応温度を210℃まで10分かけて昇温しなが
ら反応を行い、さらに210℃で5分間反応させた。表
1に分析結果を示す。
【0022】実施例6 実施例1と同様の装置に、47重量%臭化水素水溶液
1.5g、酢酸マンガン四水和物0.86g、酢酸コバル
ト四水和物1.6g、酢酸228gおよび水10gを仕
込み、窒素雰囲気下、攪拌しながら圧力1.9 MPaG、
温度140℃に昇圧、昇温した。反応温度を140〜1
45℃に維持し、3,4,3',4'-テトラメチルビフェニル4
0gを30分連続的に反応器に供給しながら、酸素濃度
が1〜6%となるように導入空気量を調節した。3,4,
3',4'-テトラメチルビフェニル供給終了後、反応温度を
210℃に昇温し、この条件下で20分間反応させ反応
を完結させた。表1に分析結果を示す。
【0023】比較例1 実施例1と同様の装置に3,4,3',4'-テトラメチルビフェ
ニル40g、47重量%臭化水素水溶液1.5g、酢酸
マンガン四水和物0.86g、酢酸コバルト四水和物1.
6g、酢酸228gおよび水10gを仕込み、窒素雰囲
気下、攪拌しながら圧力1.9 MPaG、温度200℃に
昇圧、昇温した。酸素濃度が1〜6%となるように導入
空気量を調節しながら、空気を導入し始めてから60分
間反応させた。表1に分析結果を示す。
【0024】比較例2 比較例1と同様の手法で、47重量%臭化水素水溶液
2.5g、酢酸マンガン四水和物0.86g、酢酸ニッケ
ル四水和物2.4g、酢酸228gおよび水10gを仕
込んで反応させた。結果を表1に示す。
【0025】比較例3 実施例1と同様の条件で反応を開始し、反応温度を14
0〜145℃に維持しながら酸素濃度が1〜6%となる
ように導入空気量を調節した。空気を導入し始めてから
25分間反応させた後、反応圧力0.6MPaGに昇圧、反
応温度を160℃に昇温し、この条件下で25分間反応
させた。表1に分析結果を示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、本
発明によりビフェニルテトラカルボン酸を安価に効率良
く製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 博史 岡山県倉敷市水島海岸通3丁目10番地 三 菱瓦斯化学株式会社水島工場内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC46 AD15 AD17 BA08 BA10 BA16 BA19 BA20 BA21 BA37 BA82 BB17 BC35 BD32 BD52 BE30 BJ50 BS30 4H039 CA65 CC30

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重金属および臭素を含有する触媒、および
    反応溶媒の存在下、テトラアルキルビフェニルを、酸素
    含有ガスにより酸化してビフェニルテトラカルボン酸を
    製造する方法であって、反応温度が80〜165℃の範
    囲内で行う第一段階および反応温度が170〜250℃
    の範囲内で行う第二段階の二段階からなることを特徴と
    するビフェニルテトラカルボン酸の製造法。
  2. 【請求項2】テトラアルキルビフェニルが、3,4,3',4'-
    テトラメチルビフェニル、2,3,3',4'-テトラメチルビフ
    ェニルおよび2,3,2',3'-テトラメチルビフェニルから選
    ばれた一種以上の化合物である請求項1に記載のビフェ
    ニルテトラカルボン酸の製造法。
  3. 【請求項3】重金属がコバルト、マンガン、ニッケル、
    セリウム、鉄およびジルコニウムからなる群より選ばれ
    る1種以上の金属である請求項1に記載のビフェニルテ
    トラカルボン酸の製造法。
  4. 【請求項4】溶媒中の臭素イオン濃度が0.01〜2重
    量%、および溶媒中の全触媒重金属濃度が0.03〜2
    重量%であり、且つ臭素イオン濃度に対する全触媒重金
    属濃度の比(重量比)が0.1〜10の範囲である請求
    項1に記載のビフェニルテトラカルボン酸の製造法。
  5. 【請求項5】前記触媒を、2回以上分割して反応液に供
    給する請求項1に記載のビフェニルテトラカルボン酸の
    製造法。
  6. 【請求項6】反応溶媒が、1〜70重量%の水分を含む
    低級脂肪族カルボン酸溶媒である請求項1に記載のビフ
    ェニルテトラカルボン酸の製造法。
  7. 【請求項7】反応溶媒の使用量が、テトラアルキルビフ
    ェニルに対して、1〜20重量倍である請求項1に記載
    のビフェニルテトラカルボン酸の製造法。
  8. 【請求項8】酸化反応液から反応生成物を晶析させ固液
    分離する請求項1に記載のビフェニルテトラカルボン酸
    の製造法。
  9. 【請求項9】反応生成物を固液分離して得られた反応母
    液の少なくとも一部を酸化反応に再利用する請求項8に
    記載のビフェニルテトラカルボン酸の製造法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005239598A (ja) * 2004-02-25 2005-09-08 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 1,3−ナフタレンジカルボン酸の製造法
JP2010513497A (ja) * 2006-12-21 2010-04-30 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー ハロゲン化芳香族二酸の合成方法

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