JP2005239598A - 1,3−ナフタレンジカルボン酸の製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】1,3−ナフタレンジカルボン酸を安価且つ効率的に製造する方法を提供する。
【解決手段】1,3−ジアルキルナフタレンを、炭素数が2〜6の低級脂肪族カルボン酸溶媒と重金属および臭素化合物からなる触媒の存在下、酸素含有ガスを用いて液相酸化して1,3−ナフタレンジカルボン酸を製造する方法であって、反応中に供給した全1,3−ジアルキルナフタレン分子に対する供給した全臭素原子の比が特定範囲であることを特徴とする1,3−ナフタレンジカルボン酸の製造法。
【選択図】 無

Description

本発明は、1,3−ナフタレンジカルボン酸(以下、ナフタレンジカルボン酸をNDCAと略す)を製造する方法に関する。1,3−NDCAはこれから得られるエステルと共に、従来にない有用な機能を持つポリエステル樹脂および繊維の原料として、あるいは液晶ポリマー原料、ポリエステル改質剤、エポキシ樹脂硬化剤、医・農薬原料、潤滑油の原料等、広範な用途を有する。
1,3−NDCAは、1,3−ジメチルナフタレンをNaCrなどの酸化剤を用いて酸化することによって得られることが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。また、1,3−NDCAの異性体である2,6−NDCAは、2,6−ジメチルナフタレンを、酢酸等の溶媒中、Co、Mnおよび臭素等の触媒を利用して分子状酸素で酸化することで得られることが知られている(例えば特許文献1〜3参照。)。
特許第3390169号公報 特開平10-316615号公報 特表2002−510287号公報 Bull.Chem.Soc.Jpn.; 62; 3; 1989; 786-790
しかしながら、従来の製法は工業的に十分満足するものとはいえない。例えばNaCrなどを酸化剤として使用した場合、1,3−ジメチルナフタレンと当量以上の酸化剤が必要となるため経済的に不利である。また反応後、使用した酸化剤から重金属が副生し、この副生される重金属が環境に対して大きな問題となるため、その処理に対し多大な経済的負担がかかる。
一方、1,3−位にアルキル基をもつナフタレンを、酢酸等の溶媒中、Co、Mnおよび臭素等の触媒を利用して分子状酸素で酸化すると、酸化反応中ナフタレン環が開環して燃焼したり、フタル酸等になりやすく、高収率で目的物である1,3−NDCAを得ることが非常に困難である。
このため安価で且つ高効率な製造法の確立が工業的観点から望まれている。
本発明の目的は、1,3−NDCAを安価且つ効率的に製造する方法を提供することである。
本発明者らは上記の課題を解決するため、1,3−ジアルキルナフタレンの酸化による1,3−NDCAの製造法について鋭意検討を行った。その結果、安価な酸素含有ガスを酸化剤として使用し、触媒量の重金属および臭素の存在下、反応に供給する1,3−ジアルキルナフタレンと臭素の原子比を特定の範囲に調節することによって、ナフタレン環の開環が減少し、1,3−NDCAの収率が向上することを見出し、本発明に達した。
即ち本発明は、1,3−ジアルキルナフタレンを、炭素数が2〜6の低級脂肪族カルボン酸溶媒と重金属および臭素化合物からなる触媒の存在下、酸素含有ガスを用いて液相酸化して1,3−ナフタレンジカルボン酸を製造する方法であって、反応中に供給した全1,3−ジアルキルナフタレン分子に対する供給した全臭素原子の比(臭素/ジアルキルナフタレン)が、0.015〜0.30であることを特徴とする1,3−ナフタレンジカルボン酸の製造法である。
また、本発明は、前記製造法により得られた1,3−ナフタレンジカルボン酸、および該ジカルボン酸をエステル化して得られた1,3−ナフタレンジカルボン酸ジエステルに関する。
本発明により1,3−NDCAを安価に効率良く製造することができる。
本発明で使用される酸化原料である1,3−ジアルキルナフタレンとしては、1,3−ジメチルナフタレン、1,3−ジエチルナフタレン、1,3−イソプロピルナフタレン、1−メチル−3−エチルナフタレン、1−メチル−3−イソプロピルナフタレン、1−エチル−3−メチルナフタレン、1−イソプロピル−3−メチルナフタレン等が挙げられる。アルキル基の一部が酸化された、例えば1−メチル−3−アセチルナフタレン、1−メチル−3−ホルミルナフタレン、3-メチルナフトエ酸、1−アセチル−3−メチルナフタレン、1−ホルミル−3−メチルナフタレン等も好適に用いられる。工業的には、1,3−ジメチルナフタレンが最も好適に用いられる。本発明は、HF・BF3等により異性化した1,3−体の純度が97重量%以上のジメチルナフタレンを原料とすることにより、純度99重量%以上の高純度1,3−NDCAを製造することも可能である。
本発明で溶媒に用いられる低級脂肪族カルボン酸は炭素数2〜6個の脂肪族モノカルボン酸であり、酢酸、プロピオン酸、酪酸等あるいはこれらの混合物が使用されるが、酢酸およびプロピオン酸が好ましく、特に酢酸が好ましい。
使用する溶媒の含水率は2〜50重量%であり、好ましくは5〜30重量%である。含水率が低すぎる場合、反応生成水を含む反応母液を液相酸化反応に再利用する際、母液中の水分濃度を下げるために煩雑な脱水工程が必要となり、工業的に著しく不利になる。含水率が高すぎる場合は反応速度が低下するため収率が低下する。
溶媒の使用量は、1,3−ジアルキルナフタレンに対して、通常2〜30重量倍、好ましくは3〜25重量倍である。
本発明で使用される触媒は重金属としてコバルト、マンガン、ニッケル、セリウム、鉄およびジルコニウムからなる群より選ばれる1種以上の金属と臭素化合物とを組み合わせたものである。好ましくは、コバルト、マンガンおよびジルコニウムから選ばれる1種以上と臭素化合物の組み合わせが用いられ、さらに好ましくは、コバルトおよびマンガンから選ばれる1種以上と臭素化合物の組み合わせが用いられる。
コバルト源、マンガン源、ニッケル源、セリウム源、鉄源およびジルコニウム源としては有機酸塩、ハロゲン化物、炭酸塩などの金属化合物が例示され、特に酢酸塩および臭化物が好ましい。
臭素化合物としては反応系で、臭素イオンを発生するものであれば如何なるものでも良く、臭化水素、臭化ナトリウムおよび臭化マンガンなどの無機臭化物、テトラブロモエタンなどの有機臭化物などが例示されるが、特に臭化水素、臭化コバルトおよび臭化マンガンが好ましい。
本発明における原料に対する臭素の原子比は、反応中に供給したすべての1,3−ジアルキルナフタレン分子に対する供給したすべての臭素原子の比(臭素/ジアルキルナフタレン)が、0.015〜0.30であり、さらに好ましくは0.015〜0.15である。これ以上臭素の比率が小さくなるとナフタレン環が開環する反応が優先的に起こり、収率が著しく低下する。臭素の比率が高すぎても、反応器の腐食等の問題が起きるとともに、1,3−ジアルキルナフタレンの燃焼が増加し収率が低下する。
触媒金属の使用量は、反応領域に供給する溶媒の重量を基準とした全金属濃度として、0.03〜2重量%、好ましくは0.05〜1重量%の範囲である。全金属濃度が低すぎると反応が十分に進行せず、反応中間体の生成が主となる。全金属濃度が高すぎると、1,3−ジアルキルナフタレンの燃焼が増加する。臭素化合物の使用量は、反応領域に供給する溶媒の重量を基準とした全臭素濃度として、0.01〜2重量%、好ましくは0.03〜1重量%の範囲であり、供給される1,3−ジアルキルナフタレンの量に応じて選ばれる。ここで、全臭素原子に対する重金属原子の比は、0.2〜10、好ましくは0.5〜5の範囲である。触媒として用いる金属および臭素化合物は、使用量を反応開始時にすべて供給してもかまわないが、使用量を分割して、例えば反応初期に一部を供給し、反応中に残りを連続的に供給することがより好ましい。
本発明において液相酸化をするには酸素含有ガスを用いる。酸素含有ガスとしては酸素ガスや空気、およびこれらを窒素、アルゴン等の不活性ガスと混合したガスが挙げられるが、空気が最も一般的である。酸化反応器としては攪拌槽や気泡塔などが用いられるが、反応器内の攪拌を十分に行うためには攪拌槽が好適である。反応の形式としては回分式、半回分式または連続式のいずれの方法も好適に用いられるが、半回分式または連続式がより好ましい。半回分式では酸化反応を完結させるために、原料の供給を停止した後5〜90分間、酸素含有ガスの供給を継続することが望ましい。連続式では反応収率を高めるために複数の反応器を直列に設けることが望ましい。
液相酸化の反応温度は通常100〜230℃の範囲で行われるが、より好ましくは130〜210℃の範囲で行われる。回分式および半回分式の場合、酸化反応中反応温度が一定でもかまわないし、反応開始時の温度を低くし、酸化反応が進行するに従って反応温度を上げて反応を行ってもかまわない。連続式を多段で行う場合、各反応器中の温度は任意に変更できる。酸化反応では酸素含有ガスを反応器に連続的に供給し、反応後のガスは圧力が0.5〜4MPaG、好ましくは0.7〜3MPaGとなるように連続的に反応器から抜き出される。反応器からの排ガス中の酸素濃度は0.1〜8容量%、好ましくは0.5〜5容量%である。燃焼が多い場合は0.5〜2容量%にすることも効果がある。
酸化反応器には還流冷却器を設け、排ガスに同伴される多量の溶媒および酸化反応で生成する水を凝縮させる。凝縮した溶媒および水は通常反応器に還流されるが、反応器内の水濃度を調整するために、その一部を反応系外に抜き出すことも行われる。
反応液の反応器での滞留時間は通常0.5〜5時間の範囲である。複数の反応器を直列に設けた場合は通算滞留時間となる。
液相酸化反応液は冷却されて約10℃から約120℃、好ましくは約20℃から約50℃の範囲とし、1,3−NDCA粗結晶を析出させる。晶析は、回分式、半回分式および連続式で行うことができる。得られた結晶を液相酸化反応液からろ過または遠心分離によって分離する。必要であれば分離された1,3−NDCA粗結晶は、水または含水酢酸でリスラリー洗浄あるいはリンスされ、結晶に含有する有機不純物、金属等が除去される。
本発明において、液相酸化反応液を固液分離して得られた反応母液を液相酸化反応に再利用することが可能である。反応母液は高沸などの反応阻害物を含んでいるが、この蓄積を防ぐため、酸化反応に再利用する割合は、反応母液の0〜90重量%の範囲、好ましくは0〜60%の範囲で行われる。酸化反応に再利用する前に反応を好適に行うため、反応母液の一部は、反応生成水を除くために蒸留される。塔頂から水を抜き出して水分含量を2〜50重量%、好ましくは5〜30重量%に下げる必要がある。反応溶媒の水分濃度を0に近づけるためには、蒸留塔の段数を著しく増加させるか、塔頂から溶媒を水とともに廃棄する必要があり、低すぎる水分濃度の設定は工業的に非常に不利になる。
本発明において、液相酸化反応は、2〜50重量%の水分を含む低級脂肪族カルボン酸溶媒と重金属および臭素化合物からなる触媒液を使用するため、酸化反応を行う製造装置においては、SUS304、316等の通常の耐蝕材料では孔食等の腐食が発生する場合がある。かかる問題を解決するために、本発明では、酸化反応の反応器材の表面を酸化被膜で被膜したTiまたはZrにすることが好ましい。表面を酸化被膜で被膜したTiまたはZrを反応器材として使用することで孔食等の腐食を発生することなく酸化反応を行うことができる。表面に酸化被膜で被膜したTiまたはZrを必要とする機器としては、反応器、攪拌機等の80℃以上の温度で触媒液および反応液が接触する可能性がある機器、および酸化反応オフガスライン、冷却熱交換機、スクラバー等があげられる。
本発明において得られた1,3−NDCAは、公知の方法によってエステル化され、晶析および/または蒸留によって、精製された1,3−ナフタレンジカルボン酸ジエステルにすることができる。使用されるアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等任意のアルコールが選ばれる。エステル化は、硫酸、リン酸、硝酸などの酸を触媒として加熱する方法、NDCAのジエステルを溶媒としてMoなどの重金属を触媒にする方法など公知の技術が使用可能である。ジエステルは、アルコール類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素などの溶媒で晶析した後、蒸留して精製する方法が好適に用いられるが、晶析なしに蒸留する方法も用いられる。得られたジエステルを加水分解して1,3−NDCAにすることも可能である。1,3−NDCAおよび/またはそのジエステルは、従来にない有用な機能を持つポリエステル樹脂および繊維の原料として、あるいは液晶ポリマー原料、ポリエステル改質剤、エポキシ樹脂硬化剤、医・農薬原料、潤滑油の原料等、広範な用途を有する。
次に以下の実施例によって本発明を具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例により制限されるものではない。
尚、1,3−ジメチルナフタレンとしては、公知の方法でエチルベンゼンとブタジエンをアルケニル化し、環化、脱水素して得られた1,4−ジメチルナフタレンを、HF・BF3触媒存在下で異性化して得られたもの(1,3−体の純度99.0重量%)を使用した。また、各例における目的物の収率は、反応生成物のガスクロマトグラフィー分析結果より算出した。
<実施例1>
還流冷却器付きのガス排出管、ガス導入管、攪拌機を備えた2Lのチタン製オートクレーブを装置として使用した。オートクレーブはあらかじめ水を張り込み、200℃に加熱しながら空気を供給し内壁に酸化皮膜を形成した。この装置に、47重量%臭化水素水溶液0.85g、酢酸マンガン四水和物1.8g、酢酸コバルト四水和物1.7g、酢酸760gおよび水40gを仕込み、窒素雰囲気下、攪拌しながら圧力1.6MPaG、温度180℃に昇圧、昇温した。昇温、昇圧後、1,3−ジメチルナフタレンを50g/hr、47重量%臭化水素水溶液0.21g/hr、酢酸マンガン四水和物0.45g/hr、酢酸コバルト四水和物0.42g/hr、酢酸190g/hrおよび水10g/hrを供給しながら、同時に空気を導入し始め、反応温度190℃においてオフガス中の酸素濃度が1〜4%となるように導入空気量を調節した。この条件下で1時間反応させた後、原料、触媒、溶媒の供給を止め、導入空気速度を1/2にして5分間反応器に導入し反応を終了した。表1に分析結果を示す。40℃まで冷却し、析出した結晶をろ過し、得られたウェットケーキと同重量の酢酸でリンスした。得られたケーキを130℃で3時間、窒素下で加熱乾燥した。得られた1,3−NDCAの純度は99.6重量%であった。
<実施例2>
実施例1と同様の手法で、47重量%臭化水素水溶液0.85g、酢酸マンガン四水和物0.9g、酢酸コバルト四水和物0.85g、酢酸380gおよび水20gを仕込み、窒素雰囲気下、攪拌しながら圧力1.6MPaG、温度180℃に昇圧、昇温した。昇温、昇圧後、1,3−ジメチルナフタレンを50g/hr、47重量%臭化水素水溶液0.21g/hr、酢酸マンガン四水和物0.23g/hr、酢酸コバルト四水和物0.21g/hr、酢酸95g/hrおよび水5g/hrを供給しながら、同時に空気を導入し始め、反応温度190℃においてオフガス中の酸素濃度が1〜4%となるように導入空気量を調節した。この条件下で1時間反応させた後、原料、触媒、溶媒の供給を止め、導入空気速度を1/2にして5分間反応器に導入し反応を終了した。表1に分析結果を示す。
<実施例3>
実施例1と同様の手法で、47重量%臭化水素水溶液1.7g、酢酸マンガン四水和物1.8g、酢酸コバルト四水和物1.7g、酢酸760gおよび水40gを仕込み、窒素雰囲気下、攪拌しながら圧力1.6MPaG、温度180℃に昇圧、昇温した。昇温、昇圧後、1,3−ジメチルナフタレンを50g/hr、47重量%臭化水素水溶液0.42g/hr、酢酸マンガン四水和物0.45g/hr、酢酸コバルト四水和物0.42g/hr、酢酸190g/hrおよび水10g/hrを供給しながら、同時に空気を導入し始め、反応温度190℃においてオフガス中の酸素濃度が1〜4%となるように導入空気量を調節した。この条件下で1時間反応させた後、原料、触媒、溶媒の供給を止め、導入空気速度を1/2にして5分間反応器に導入し反応を終了した。表1に分析結果を示す。
<比較例1>
実施例1と同様の手法で、47重量%臭化水素水溶液0.51g、酢酸マンガン四水和物1.8g、酢酸コバルト四水和物1.7g、酢酸760gおよび水40gを仕込み、窒素雰囲気下、攪拌しながら圧力1.6MPaG、温度180℃に昇圧、昇温した。昇温、昇圧後、1,3−ジメチルナフタレンを50g/hr、47重量%臭化水素水溶液0.13g/hr、酢酸マンガン四水和物0.45g/hr、酢酸コバルト四水和物0.42g/hr、酢酸190g/hrおよび水10g/hrを供給しながら、同時に空気を導入し始め、反応温度190℃においてオフガス中の酸素濃度が1〜4%となるように導入空気量を調節した。この条件下で1時間反応させた後、原料、触媒、溶媒の供給を止め、導入空気速度を1/2にして5分間反応器に導入し反応を終了した。表1に分析結果を示す。
<比較例2>
供給する1,3−ジメチルナフタレンの速度を100g/hrとして、1時間供給した以外は、実施例1と同様に行った。表1に分析結果を示す。
表1において、触媒金属濃度*1は溶媒中の各金属濃度(重量比)を表し、SR*2は原料に対する溶媒の重量比(溶媒/原料)を表し、Br/原料*3は供給した原料に対する供給した臭素(初期の張り込みも含む)の原子比を表す。
Figure 2005239598
<比較例3>
実施例1と同様の手法で、47重量%臭化水素水溶液11.3g、酢酸マンガン四水和物6.48g、酢酸コバルト四水和物0.68g、酢酸760gおよび水40gを仕込み、窒素雰囲気下、攪拌しながら圧力1.6MPaG、温度180℃に昇圧、昇温した。昇温、昇圧後、1,3−ジメチルナフタレンを50g/hr、47重量%臭化水素水溶液10g/hr、酢酸マンガン四水和物1.62g/hr、酢酸コバルト四水和物0.17g/hr、酢酸190g/hrおよび水10g/hrを供給しながら、同時に空気を導入し始め、反応温度190℃においてオフガス中の酸素濃度が0〜4%となるように導入空気量を調節した。この条件下で1時間反応させた後、原料、触媒、溶媒の供給を止め、導入空気速度を1/2にして5分間反応器に導入し反応を終了した。表2に分析結果を示す。
<比較例4>
原料を純度99.0重量%の2,6−ジメチルナフタレンに替えた以外は比較例3と同様の手法で反応を行い、2,6−NDCAを得た。表2に分析結果を示す。
Figure 2005239598
本発明により得られる1,3−NDCAは、これから得られるエステルと共に、従来にない有用な機能を持つポリエステル樹脂および繊維の原料として、あるいは液晶ポリマー原料、ポリエステル改質剤、エポキシ樹脂硬化剤、医・農薬原料、潤滑油の原料等、広範な用途を有する。

Claims (10)

  1. 1,3−ジアルキルナフタレンを、炭素数が2〜6の低級脂肪族カルボン酸溶媒と重金属および臭素化合物からなる触媒の存在下、酸素含有ガスを用いて液相酸化して1,3−ナフタレンジカルボン酸を製造する方法であって、反応中に供給した全1,3−ジアルキルナフタレン分子に対する供給した全臭素原子の比(臭素/ジアルキルナフタレン)が、0.015〜0.30であることを特徴とする1,3−ナフタレンジカルボン酸の製造法。
  2. 1,3−アルキルナフタレンが1,3−ジメチルナフタレンである請求項1に記載の1,3−ナフタレンジカルボン酸の製造法。
  3. 純度が97重量%以上である1,3−ジメチルナフタレンを原料とすることを特徴とする請求項2に記載の1,3−ナフタレンジカルボン酸の製造法。
  4. 溶媒中の臭素原子濃度が0.01〜2重量%、溶媒中の重金属濃度が0.03〜2重量%、臭素原子に対する重金属原子比が0.2〜10の範囲である請求項1に記載の1,3−ナフタレンジカルボン酸の製造法。
  5. 低級脂肪族カルボン酸溶媒の含水率が2〜50重量%であることを特徴とする請求項1に記載の1,3−ナフタレンジカルボン酸の製造法。
  6. 液相酸化反応液から液相酸化反応生成物を晶析させ固液分離する請求項1に記載の1,3−ナフタレンジカルボン酸の製造法。
  7. 液相酸化反応生成物を固液分離して得られた反応母液を液相酸化反応に再利用する請求項1に記載の1,3−ナフタレンジカルボン酸の製造法。
  8. 酸化反応の反応器材が、表面を酸化被膜で被膜したTiまたはZrである請求項1に記載の1,3−ナフタレンジカルボン酸の製造法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の製造法により得られた1,3−ナフタレンジカルボン酸。
  10. 請求項9記載の1,3−ナフタレンジカルボン酸をエステル化して得られた1,3−ナフタレンジカルボン酸ジエステル。
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