JP2007119391A - ポリチオールオリゴマーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高屈折率を有するポリチオールオリゴマーを安全かつ大量に製造することが可能なポリチオールオリゴマーの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、塩基性触媒存在下、ポリチオール化合物、例えばビス(2−メルカプトエチル)スルフィドと過酸化水素とを反応させてポリチオールオリゴマーを製造する際に、溶媒として、水と、20℃における水100mlに対する溶解度が1g以上である有機溶媒とを用いるポリチオールオリゴマーの製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリチオールオリゴマーの製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、高屈折率を有するポリチオールオリゴマーを安全かつ大量に製造する方法に関するものである。
プラスチックは、ガラスに比較して軽量で割れにくく染色が容易であるため、近年、レンズ等の各種光学用途に使用されている。光学用プラスチック材料としては、ポリ(ジエチレングリコールビスアリルカーボネート)(CR−39)やポリ(メチルメタクリレート)が、一般的に用いられている。しかしながら、これらのプラスチックは1.50以下の屈折率を有するため、それらを例えばレンズ材料に用いた場合、度数が強くなるほどレンズが厚くなり、軽量を長所とするプラスチックの優位性が損なわれてしまう。特に強度の凹レンズは、レンズ周辺が肉厚となり、複屈折や色収差が生じることから好ましくない。さらに眼鏡用途において肉厚のレンズは、審美性を悪くする傾向にある。肉薄のレンズを得るためには、材料の屈折率を高めることが効果的である。従って、高い屈折率を備えたプラスチック材料が望まれている。
このような性能を有するプラスチック材料として、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン(DMMD)からなるポリチオールをポリイソシアネートと反応させて得たポリチオウレタンレンズの製造に用いた原料モノマーであるDMMDは、その屈折率が1.646と高屈折率であるため、それから得られるポリチオウレタンレンズも高屈折率を有するプラスチックレンズの開発が望まれていた。
そこでDMMDと硫黄とをアミン触媒存在下で反応させ、ジスルフィド結合を有するポリチオールオリゴマーを製造する方法が特許文献1により開示されている。
しかしながら、特許文献1の製造過程においては硫化水素が発生するので、硫化水素の処理装置もしくは施設が必要となる。
また、硫化水素を発生させない方法として、DMMDをジメチルスルホキサイド、塩化第二鉄等の触媒存在下、空気で酸化して、DMMDオリゴマー混合物を得た後、DMMDオリゴマー混合物をポリイソシアネートと反応させてポリチオウレタンレンズを製造する方法が特許文献2及び3に提案されている。
しかしながら、特許文献2及び3に開示されている方法で得られるDMMDオリゴマー混合物は、反応条件(例えば、温度、湿度等)が微妙に変化しただけでも屈折率が1.665〜1.680と変化し、不安定であり、このような原料を用いて、一定の屈折率を有するポリチオウレタン材料を得ることは困難であり、上記公報において提案されているDMMDオリゴマー混合物は、光学材料用原料として、必ずしも実用的とはいえない。
また、過酸化水素を用いてポリチオールオリゴマー混合物を得る方法が非特許文献1に記載されているが、ポリチオール化合物を出発原料としてポリチオールオリゴマーを製造する方法を提案するものではない。
特開平10-120676号公報 特開平7−118263号公報 特開平7−118390号公報 オーガニックシンセシス、Vol.3、p86
本発明は、前記の課題を解決するためになされたものであり、製造過程において硫化水素が発生せずに、ポリチオール化合物と硫黄を反応させて得られるオリゴマーと同程度の屈折率を有し、収率が良好なポリチオールオリゴマーの製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、塩基性触媒存在下、水溶液に難溶のポリチオール化合物と過酸化水素水溶液を均一に混合し、反応効率を向上するために反応溶媒として水と20℃における水100gに対する溶解度が1g以上である有機溶媒を用いる方法により、塩基性触媒存在下にポリチオール化合物と硫黄とを反応させて得られるポリチオールオリゴマーの屈折率及び分子量分布と大きな違いがないことを明らかにし、かつ硫化水素を発生させない製造方法を提供できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、塩基性触媒存在下、ポリチオール化合物と過酸化水素とを反応させてポリチオールオリゴマーを製造する際に、溶媒として、水と、20℃における水100mlに対する溶解度が1g以上である有機溶媒とを用いるポリチオールオリゴマーの製造方法を提供するものである。
本発明によれば、高屈折率を有するポリチオールオリゴマーを安全かつ大量に製造することが可能である。
本発明のポリチオールオリゴマーの製造方法は、塩基性触媒存在下、ポリチオール化合物と過酸化水素とを反応させてポリチオールオリゴマーを製造する際に、溶媒として、水と、20℃における水100mlに対する溶解度が1g以上である有機溶媒とを用いる方法である。
本発明で用いるポリチオール化合物としては、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよく、メルカプト基を二つ以上有していれば、他の官能基、例えば、アミン基やヒドロキシル基などの活性水素を持つ官能基を有していてもよい。このようなポリチオール化合物の例としては、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン(DMMD)、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトアセテート(PETMA)、ペンタエリストールテトラキスメルカプトプロピオネート(PETMP)、トリメチロールプロパントリスメルカプトアセテート、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、1,2−ジメルカプトエチルチオ−3−メルカプトプロパン、1,2−ビス−2−メルカプトエチルチオ−3−メルカプトプロパン、ビス(メルカプトメチル)スルフィド、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、ビス(メルカプトメチルチオ)メタン、1,2−エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、ブタンジチオール、ヘキサンジチオール、テトラキスメルカプトメチルメタン、ジメルカプトメタン、トリメルカプトメタン、1,2−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール、1,3,5−ベンゼントリチオール、1,2−ジメルカプトメチルベンゼン、1,3−ジメルカプトメチルベンゼン、1,4−ジメルカプトメチルベンゼン、1,3,5−トリメルカプトメチルベンゼン、トルエン−3,4−ジチオール、キシレンジチオール、トリレンジチオール、1,2,3−トリメルカプトプロパン、1,2,3,4−テトラメルカプトブタン、ジメルカプトメタン、1,1−ジメルカプトエタン、1,2−ジメルカプトエタン、1,1−ジメルカプトプロパン、1,2−ジメルカプトプロパン、1,3−ジメルカプトプロパン、2,2−ジメルカプトプロパン、1,1−ジメルカプトブタン、1,2−ジメルカプトブタン、1,3−ジメルカプトブタン、1,4−ジメルカプトブタン、2,2−ジメルカプトブタン、2,3−ジメルカプトブタン、1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,2−ジメルカプトキシレン、1,3−ジメルカプトキシレン、1,4−ジメルカプトキシレン、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、4,5−ジメルカプトメチル−1,3−ジチアン等が挙げられる。これらは単独で又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これら例示化合物のみに限定されるものではない。
本発明で用いる過酸化水素は、過酸化水素水溶液として用いると好ましく、その濃度は通常3重量%以上であり、好ましくは30〜35重量%である。
また、前記過酸化水素の量は、原料のポリチオール化合物1モルに対して、通常0.1〜0.95モルであり、好ましくは0.2〜0.7モルである。
本発明で用いる溶媒としての水は、純水であると好ましい。その使用量は原料のポリチオール化合物1モルに対し、通常20〜5000mlであり、好ましくは100〜2000mlである。
本発明で用いる有機溶媒としては、20℃における水100mlに対する溶解度が1g以上であれば特に制限されないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等のアルコール、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル等のエーテル、酢酸エチル等のエステル、アセトン、2−ブタノン等のケトンなどが挙げられ、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、テトラヒドロフラン、アセトンが好ましく、メタノール、エタノールがさらに好ましい。これらは単独で又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
この有機溶媒の使用量は、原料のポリチオール化合物1モルに対し、通常10〜5000mlであり、好ましくは50〜1000mlである。
また、溶媒としての水と前記有機溶媒の比は、容量比で通常20:1〜1:20であり、好ましくは10:1〜1:5である。
また、前記有機溶媒とポリチオール化合物との溶解性が良くない場合には、さらに他の有機溶媒を加えても良い。そのような他の有機溶媒としては、前記有機溶媒とポリチオール化合物との溶解性を高めるものであれば特に限定されないが、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、トルエン等の芳香族炭化水素などが挙げられる。これらは単独又は二種類以上を組み合わせて使用しても良く、さらに前記アルコール、ケトン、エーテルなどと組み合わせて使用してもよい。また、そのような他の有機溶媒の量は特に限定されない。
本発明で用いる塩基性触媒としては、特に限定されないが、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラ−n−ブチルアンモニウム、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム、塩化テトラフェニルアンモニウム、臭化テトラフェニルアンモニウム、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルメチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、s−ブチルアミン、t−ブチルアミン、モルホリン、ピペリジン、置換モルホリン、置換ピペリジン、アニリン等が挙げられ、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウムが好ましい。これらは単独で又は二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いる塩基性触媒の反応溶液全量に対する濃度は、通常0.001〜20重量%であり、好ましくは1〜15重量%である。
また、前記塩基性触媒の使用量は、原料のポリチオール化合物1モルに対して、通常0.001〜10.0モル%、好ましくは0.01〜1.0モル%である。
本発明の製造方法において、反応温度は特に限定されないが、通常室温〜80℃、好ましくは30〜60℃である。
なお、過酸化水素を添加すると発熱が著しく、得られるポリチオールオリゴマーの分子量分布に影響を与えるため、添加開始から終了までの温度上昇を5℃以内に抑えることが好ましい。
また、過酸化水素の添加終了後、反応温度を2〜20℃上げた方が反応は速やかに完了する。メタノール等の水溶解度の高い有機溶媒を使用した場合は水層と有機層の分離が良くない場合には、濃縮により殆どの有機溶媒を除くと好ましい。
次に、本発明を実施例により、さらに具体的に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例で得られた化合物の物性は、以下に示す方法にしたがって測定した。
(a)屈折率(nD):京都電子MFG(株)製Refractometer RA-500Nを用いて、温度60℃で測定した。
(b)外観:肉眼により得られたポリチオールオリゴマーの透明性を観察した。
(c)分子量分布:GPC(東ソー(株)製TSK-GEL SUPER H1000、H2000、H3000、溶媒にクロロホルム、温度40℃、流速0.6ml/分、RI検出器)を用いてチャートのピーク面積により求めた。
実施例1
200ml三つ口フラスコに炭酸水素ナトリウム1.6gをとり、純水21mlに溶解させ、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド27.3gとメタノール21mlとトルエン10mlを加えた。45℃に加熱し、50℃を超えないように発熱に注意しながら35重量%過酸化水素7.0gを滴下した。滴下終了後、55℃で1時間加熱撹拌した。反応終了後、トルエン20mlを加え、15分撹拌した後、水洗した。無水硫酸マグネシウム乾燥した後、濃縮するとビス(2−メルカプトエチル)スルフィドオリゴマー26.9gが得られた。屈折率は1.6094(60℃)であった。得られたオリゴマーの分子量分布を表1に示す。
実施例2
200ml三つ口フラスコに炭酸水素ナトリウム1.6gをとり、純水15mlに溶解させ、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド27.3gとメタノール10mlを加えた。45℃に加熱し、50℃を超えないように発熱に注意しながら35重量%過酸化水素5.3gを滴下した。滴下終了後、55℃で1時間加熱撹拌した。反応終了後、トルエン20mlを加え、15分撹拌した後、水洗した。無水硫酸マグネシウム乾燥した後、濃縮するとビス(2−メルカプトエチル)スルフィドオリゴマー25.2gが得られた。屈折率は1.6012(60℃)であった。得られたオリゴマーの分子量分布を表1に示す。
実施例3
200ml三つ口フラスコに炭酸水素ナトリウム1.6gをとり、純水20mlに溶解させ、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド27.2gとメタノール15mlを加えた。45℃に加熱し、50℃を超えないように発熱に注意しながら35重量%過酸化水素5.5gを滴下した。滴下終了後、55℃で1時間加熱撹拌した。反応終了後、70℃に加熱し、この温度で静置し、下方を回収、水洗した。無水硫酸マグネシウムで乾燥するとビス(2−メルカプトエチル)スルフィドオリゴマー25.6gが得られた。屈折率は1.6024(60℃)であった。得られたオリゴマーの分子量分布を表1に示す。
実施例4
300ml三つ口フラスコに炭酸水素ナトリウム3.2gをとり、純水40mlに溶解させ、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド54.5gとメタノール30mlを加えた。45℃に加熱し、50℃を超えないように発熱に注意しながら35重量%過酸化水素11.1gを滴下した。滴下終了後、55℃で1時間加熱撹拌した。反応終了後、70℃に加熱し、この温度で静置し、下方を回収、水洗した。無水硫酸マグネシウムで乾燥するとビス(2−メルカプトエチル)スルフィドオリゴマー52.1gが得られた。屈折率は1.6028(60℃)であった。得られたオリゴマーの分子量分布を表1に示す。
実施例5
500ml三つ口フラスコに炭酸水素ナトリウム16.0gをとり、純水200mlに溶解させ、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド272.4gとメタノール150mlを加えた。45℃に加熱し、50℃を超えないように発熱に注意しながら35重量%過酸化水素55.1gを滴下した。滴下終了後、55℃で1時間加熱撹拌した。反応終了後、70℃に加熱し、この温度で静置し、下方を回収、水洗した。無水硫酸マグネシウムで乾燥するとビス(2−メルカプトエチル)スルフィドオリゴマー263.3gが得られた。屈折率は1.6030(60℃)であった。得られたオリゴマーの分子量分布を表1に示す。
比較例1
200ml三つ口フラスコに炭酸水素ナトリウム1.6gをとり、純水43mlに溶解させ、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド27.25gを加えた。45℃に加熱し、50℃を超えないように発熱に注意しながら35重量%過酸化水素7.0gを滴下した。滴下終了後、55℃で1時間加熱撹拌した。反応終了後、トルエン20mlを加え、15分撹拌した後、水洗した。無水硫酸マグネシウム乾燥した後、濃縮するとビス(2−メルカプトエチル)スルフィドオリゴマー27.0gが得られた。屈折率は1.5966(60℃)であった。分子量分布は表1に示す。表1に示すように、高分子量のオリゴマーの割合は少なかった。
比較例2
200ml三つ口フラスコに純水43mlをいれ、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド27.25gを加えた。45℃に加熱し、50℃を超えないように発熱に注意しながら35%過酸化水素7.0gを滴下した。滴下終了後、55℃で1時間加熱撹拌した。反応終了後、トルエン20mlを加え、15分撹拌した後、水洗した。無水硫酸マグネシウム乾燥した後、濃縮するとビス(2−メルカプトエチル)スルフィドオリゴマー27.0gが得られた。屈折率は1.5908(60℃)であった。得られたオリゴマーの分子量分布を表1に示す。表1に示すように、得られたオリゴマーは単量体の割合が多く、屈折率が実施例1〜5と比べ低いものであった。
参考例(出発原料として硫黄を用いた例)
1Lフラスコに硫黄粉末16.035g、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド231.50gをとり、テトラヒドロフラン300mlに溶解させた。トリエチルアミン0.04gを滴下すると瞬時に黄変し、気泡が発生した。60℃で30分加熱した後、さらに窒素雰囲気下で30分加熱した。80℃で2時間加熱した後、100℃で2時間さらに加熱した。80℃で3時間真空脱気するとビス(2−メルカプトエチル)スルフィドオリゴマー227.05gが得られた。屈折率は1.6050(60℃)であった。得られたオリゴマーの分子量分布を表1に示す。
Figure 2007119391
表1に示すように、実施例1〜5に対し、比較例1及び2のように有機溶媒を使用しない場合や、塩基性化合物を使用しない場合は3量体以上のポリチオールオリゴマーが生成しにくい。また、実施例1〜5では、参考例のように硫黄を使用した場合とほぼ同様の分子量分布を持つオリゴマーが生成している。
実施例3〜5においてポリチオール化合物、過酸化水素、塩基性触媒濃度等の比率を同じ条件において繰り返し実験を行ったが、最終的なオリゴマーの屈折率、分子量分布に大きな差がなかった。
本発明によれば、高屈折率を有するポリチオールオリゴマーを安全かつ大量に製造することが可能であり、このポリチオールオリゴマーを用いることにより、高屈折率を有する光学部材用重合体を提供することができる。

Claims (7)

  1. 塩基性触媒存在下、ポリチオール化合物と過酸化水素とを反応させてポリチオールオリゴマーを製造する際に、溶媒として、水と、20℃における水100mlに対する溶解度が1g以上である有機溶媒とを用いるポリチオールオリゴマーの製造方法。
  2. 前記有機溶媒が、メタノール、エタノール、イソプロパノール及びエチレングリコールから選ばれる少なくとも1種のアルコール化合物である請求項1記載の製造方法。
  3. 前記有機溶媒が、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン及びビス(2−メトキシエチル)エーテルから選ばれる少なくとも1種のエーテル化合物である請求項1記載の製造方法。
  4. 前記有機溶媒が酢酸エチルである請求項1記載の製造方法。
  5. 前記有機溶媒が、アセトン及び2−ブタノンから選ばれる少なくとも1種のケトン化合物である請求項1記載の製造方法。
  6. さらに、溶媒としてジクロロメタン、クロロホルム、n−ヘキサン、シクロヘキサン及びトルエンから選ばれる少なくとも1種の他の有機溶媒を用いる請求項1記載の製造方法。
  7. 前記ポリチオール化合物がビス(2−メルカプトエチル)スルフィドである請求項1記載の製造方法。

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