JPH08502473A - アジピン酸および他の脂肪族二塩基酸を製造するための再循環法 - Google Patents

アジピン酸および他の脂肪族二塩基酸を製造するための再循環法

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JPH08502473A JP6508626A JP50862694A JPH08502473A JP H08502473 A JPH08502473 A JP H08502473A JP 6508626 A JP6508626 A JP 6508626A JP 50862694 A JP50862694 A JP 50862694A JP H08502473 A JPH08502473 A JP H08502473A
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Abstract

(57)【要約】 本発明はC5〜C8脂肪族二塩基酸の酸化製造法に関し、この方法は:(1)(a)液相における5〜8個の環炭素原子を有する少なくとも1種の飽和脂環式炭化水素と、(b)過剰の酸素含有ガスとを、(c)第一および/または第二水素原子のみを有する有機酸からなる溶剤および(d)反応混合物の1000g当り少なくとも約0.002モルの多価重金属触媒の存在下に反応させ;(2)脂肪族二塩基酸を除去し;(3)脂肪族二塩基酸の除去後に残留する中間体、後酸化成分およびその誘導体を酸化反応に再循環することからなっている。

Description

【発明の詳細な説明】 アジピン酸および他の脂肪族二塩基酸を 製造するための再循環法 本出願は、1992年9月25日付け出願の米国特許出願第07/951,6 36号の部分継続出願である。 発明の背景 本発明は、有機酸溶剤および金属触媒の存在下に飽和脂環式炭化水素を酸化し 、次いで部分酸化された中間体を酸化混合物中に再循環してさらに酸化させるこ とによる、対応のC5〜C8脂肪族二塩基酸の製造方法に関するものである。 アジピン酸は主たる市販商品であり、したがってその製造は多くの注目を集め ている。その結果、アジピン酸の多くの製造方法が提案されている。たとえば1 つの方法はシクロヘキサノール、シクロヘキサノンまたはその混合物(これらは シクロヘキサンの空気酸化もしくはフェノールの水素化によって得ることができ る)の硝酸酸化を含む。これら公知方法の幾種かは工業的に実施されるが、全て 多工程操作および硝酸の使用に伴う高コストの欠点、並びに硝酸酸化の際に発生 するオゾン消耗性酸化窒素副産物の放出によって生ずる重大な環境汚染問題の欠 点を有する。 硝酸を使用することなく二塩基酸を製造すべく提案された方法は、飽和環式炭 化水素および/または対応する環式ケトンおよび/またはアルコールの空気酸化 を包含する。たとえば米国特許第3,390,174号および英国特許第1,3 04,855号は、これら成分の2種もしくはそれ以上の混合物を必要とする方 法を開示している。しかしながら、この種の空気酸化法の多くは多工程法であっ て貧弱な選択性を有すると共に困難な高コスト回収法を必要とする。 接触空気酸化法は遊離基酸化を含むと思われる。この種の酸化は複雑なシステ ムであって、酸化以外の多くの種類の反応も生じうる。遊離基はC−H結合を、 その形態には無関係に、特定C−H結合の結合強度および相対的濃度により決定 される程度まで攻撃する。酸化が進行するにつれ、たとえばアルコール、アルデ ヒド、ケトンおよび酸(これら官能性を有する二官能性化合物を包含する)並び に他の低分子量の炭素化合物など各種の酸素化された化合物が生成する。これら 化合物は全てさらに酸触媒作用または熱イオン性メカニズムを介し反応して各種 の縮合生成物を生成し、主たるものはエステルである。一般に、縮合生成物の量 はエステル生成に対する酸化の割合が減少するにつれて増加する。エステル生成 に対する酸化の比を増大させる工程改変は、より多量の容易に回収しうる二酸を 生成すると思われる。さらに、エステル化の割合を低下させる改変は、容易に回 収しうる二酸の量を向上させると予想される。 しかしながら現在まで、魅力的と思われる直接的酸化経路は実施可能な工業法 として与えられていない。何故なら、これは恐らく各種の中間体、酸化生成物お よび後酸化生成物から生ずる特に多くの異なる簡単なエステルを含有する反応残 渣(「ボトムス」)の複雑性のためである。この種の複雑性は、飽和環式アルカ ン酸化に特有のものではない。たとえばキシレンのような芳香族化合物の酸化に ついても複雑な反応が存在する。主たる相違点はメチル置換芳香族酸化からのボ トムス(すなわち中間体、誘導体など)が極めて厳しい酸化条件にかけられて酸 化安定性の芳香族酸までさらに酸化しうることである。たとえば芳香族酸生成物 はその後の酸化に対し極めて安定であり、著量の不活性と思われる酢酸がCO2 および水まで酸化されるような極端な条件を受けることができる。したがって、 これら芳香族酸生成物は実質的に酸化ボトムス、中間体、誘導体などを含まずに 95%もしくはそれ以上の極めて高い変換率にて生成されうる。 他方、アジピン酸のような脂肪族二酸は、これら酸におけるメチレン基のC− H結合が一層容易に遊離基攻撃および酸化を受けうるため、その後の酸化を受け る。より高い変換率にて強制的な酸化条件を受けると各種のボトムス、中間体お よび誘導体も酸化する(芳香族化合物と同様である)。しかしながら、脂肪族酸 (たとえばアジピン酸、グルタル酸およびコハク酸、並びに厳しい条件下での酢 酸)の酸化に対する相対的な不安定性のため、これら酸生成物およびその誘導体 は順次にCO2および水まで分解が増大し、より低い選択性を与える。 二塩基酸を製造するための単一工程による直接的空気酸化法が提案されている 。しかしながら、従来知られた1−工程法は低選択性と低生成産速度と多工程操 作と面倒かつコスト高の分離工程と飽和環式炭化水素からの二塩基酸の最終的な 低収率とを伴う。たとえば米国特許第2,223,493号はアジピン酸を生成 させるためのシクロヘキサンの直接的酸化方法を開示しており、報告された生産 速度は酸化流出液における12.4重量%の濃度にて毎時3.1重量%であると 共に全選択率は46〜49モル%である。この酸化は、酢酸溶剤における比較的 高濃度のシクロヘキサン(約61〜63重量%)を用いて空気および各種の触媒 の存在下に95〜120℃の温度で約23〜24%の変換レベルが得られるまで 行われた。 米国特許第2,589,648号は、溶剤として酢酸の代りにアセトンを用い る単一工程の酸化法を開示している。 米国特許第3,231,608号は、二塩基性脂肪族酸を製造するための他の 単一工程による直接酸化法を開示している。この引例は、飽和環式炭化水素に対 する溶剤および触媒の或る種の臨界的比が一般に毎時3.5〜4.0重量%のア ジピン酸の生成速度および一般に約73〜76重量%の効率にて緩和な反応条件 下で二塩基性脂肪酸を生成しうることを教示している[アジピン酸は恐らく最高 の分子量を有するシクロヘキサン酸化の主たる生成物であるため、単位「重量% 」は通常の選択率を示す単位「モル%」よりも高いことに注目しうる。したがっ て一般に、報告された効率はモル%基準にて約2.8〜約5%程度低いものであ る]。特にこの引例は、溶剤と飽和環式炭化水素とのモル比が1.5:1〜7: 1(もしくはそれ以上)の範囲であることが好ましく、この範囲より低い或いは 高いモル比は不満足な結果を与えることを教示している。 他の引例は、米国特許第3,231,608号の方法の改善に関する試みを記 載している。これら引例の一般的な目的はより高いシクロヘキサンの変換率を達 成することであり、これは一般にシクロヘキサンの出発濃度を減少させることに より或いは延長した反応時間を用いることにより或いは他のこの種の変化を行う ことによって達成され、その結果は極めて低い反応速度と減少した選択率と高価 な回収および下流処理とをもたらす。たとえば米国特許第4,032,569号 および第4,263,453号はより多い相対量のコバルト(III)触媒を必 要とするが(さらに米国特許第4,263,453号も少量の水を必要とする) 、本質的には米国特許第3,231,608号とほぼ同じ溶剤とシクロアルカン のモル比を特定している。G.N.クルスレスタ等はジャーナル・ケミカル・テ クニカル・バイオテクノロジー、第50巻、第57〜65頁(1991)にて、 同様に比較的大過剰の酢酸と比較的多量のコバルト(III)触媒とを用いる酸 化法を開示している。米国特許第4,158,739号はシクロペンタンからの グルタル酸の同様な製造を開示しており、この場合は溶剤とシクロペンタンとの モル比を少なくとも1.5:1にせねばならず、触媒の量は米国特許第3,23 1,608号に開示された方法の場合よりも比較的高い。一般に、従来技術に開 示された高モル比における過剰の酢酸溶剤の使用はアジピン酸生成物の割合を減 少させると思われる。 シクロヘキサンからアジピン酸を製造するための公知の単一工程酸化法に関す る詳細はK.タナカによりケムテクノロジー、第555〜559頁(1974) およびハイドロカーボン・プロセシング、第53巻、第114〜120頁(19 74)に検討されている。 アジピン酸の回収に伴う複雑性は上記引例からも明かである。それ自身が酸化 性かつ循環可能である或る種の酸化中間体(たとえばシクロヘキサノールおよび シクロヘキサノン)の生成も知られているが、ボトムスの生成の制御に関しても 或いはその処分に関してもシクロアルカン酸化からの「ボトムス」(または残渣 )の組成複雑性に伴う困難性は公知方法により解決されていない。 たとえば英国特許第1,304,855号はシクロヘキサノール、シクロヘキ サノンおよびシクロヘキサンの直接的酸化を開示しており、これは再循環された シクロヘキサノールおよびシクロヘキサノンの存在下にシクロヘキサンを酸化す るのと若干類似した意味を有する。しかしながら、これら引例は全酸化環式C6 化合物に対し僅か54モル%というアジピン酸に対する選択率を開示している。 米国特許第3,390,174号は平衡濃度の対応環式アルコールおよびケト ンの存在下における飽和C5〜C8環式炭化水素の酸化につき開示している。たと えばシクロヘキサンの酸化につき、引例は酸化平衡レベルがシクロヘキサンの量 に対し約14〜24%のシクロヘキサノールおよび約30〜40%のシクロヘキ サノンであることを示している。しかしながら、報告されたアジピン酸に対す るシクロヘキサンの選択率はこの場合も僅か約45〜52モル%である。 シクロヘキサノールおよびシクロヘキサノンは一層容易に酸化されて、ボトム スの主たる成分であるシクロヘキサノールエステルよりも低い酸化平衡レベルを もたらす。一般に、たとえばアルコールは同一アルコールのエステルよりも相対 的モル比基準にて4〜5倍早く酸化されて、対応アルコールの平衡レベルよりも 4〜5倍高い酸化平衡におけるエステルのモル濃度をもたらす。したがって、シ クロヘキサノールおよびシクロヘクサノンの存在に依存する方法を用いると、ボ トムスにおけるエステルの蓄積はアジピン酸生成の効率に悪影響を及ぼすと予想 される。 上記の劣った結果は一般に、シクロヘキサンの直接酸化による良好なモル選択 率を得るための困難性に起因しうる。80モル%範囲におけるアジピン酸へのモ ル選択率は、たとえばシクロヘキサノンおよび/またはシクロヘキサノールのよ うな酸素化された環式化合物の空気酸化を用いる場合のみ達成されている(たと えば英国特許第1,237,479号)。しかしながら、これら方法は多工程操 作の欠点を有し、典型的には極めて低い変換率および約80〜92モル%の選択 率におけるシクロヘキサンの酸化により酸素化シクロヘキサノールおよび/また はシクロヘキサノンの一般に高コストの生成を伴う。したがって、操作工程の複 雑性および多重性を考慮に入れてアジピン酸に対する全行程選択率は最良でも僅 か約70〜79モル%である。 しかしながら今回、極めて望ましい工業的特徴を有する方法により飽和シクロ アルカンの酸化で二塩基酸を製造しうることが見出された。特に今回、飽和シク ロアルカンの酸化により作成された二塩基酸の最終的に得られる選択率および全 回収率は、ボトムスの生成を最小化させると共に必要に応じさらに部分処理した 後に中間体および誘導体(複雑なボトムスを包含する)を酸化環境まで戻して酸 化の後に仕上処理することにより改善しうることも判明した。事実、シクロヘキ サンの直接的空気酸化は、容易に酸化されるシクロヘキサノンおよびシクロヘキ サノールの最良の空気酸化とほぼ同じモル選択率にて達成することができる。さ らに、本発明の方法によるシクロヘキサンの酸化は、C6構造の分解量を反映す るCOおよびCO2の低い生成をもたらす。 発明の要点 したがって本発明はC5〜C8脂肪族二塩基酸の酸化製造法に関し、この方法は (1)(a)液相における5〜8個の環炭素原子を有する少なくとも1種の飽 和脂環式炭化水素と、 (b)脂環式炭化水素(a)に対し過剰の酸素ガスもしくは酸素含有ガ ス混合物とを、 (c)脂環式炭化水素(a)の1モル当り0.15〜15モル(好まし くは0.25〜3.0モル、より好ましくは0.25〜1.5モル )の溶剤(この溶剤は第一および/または第二水素原子のみを有す る有機酸からなる)および (d)反応混合物の1000g当り少なくとも0.002モル(好まし くは0.015〜約0.3モル)の多価重金属触媒(好ましくは有 機酸のコバルト塩) の存在下に反応させ; (2)脂肪族二塩基酸を除去し(好ましくは濾過もしくは遠心分離より回収され た沈殿物として); (3)脂肪族二塩基酸の除去後に残留する中間体、後酸化成分およびその誘導体 (必要に応じ残留溶剤の存在下、必要に応じ追加脂肪族二塩基酸の加水分解およ び単離の後、かつ必要に応じ追加量の飽和脂環式炭化水素(a)の添加後)を反 応工程(1)まで再循環して溶剤(c)および触媒(d)の存在下に酸素ガスも しくは酸素ガス含有ガス混合物と反応させ、次いで脂肪族二塩基酸を単離し、必 要に応じさらに再循環することを特徴とする。 発明の詳細な説明 本発明の方法は飽和シクロアルカンと再循環されたボトムスとを緩和な酸化条 件にかける単一段階の酸化を含み、重要な特徴の1つはシクロアルカンの変換程 度を故意に限定することである。たとえば供給環式アルカンがシクロヘキサンで ある場合、主たる生成物はアジピン酸である。 本発明の方法に使用するのに適した環式炭化水素は、5〜8個の環炭素原子を 有すると共に第一および第二水素原子のみを有する飽和環式炭化水素を包含する 。適する飽和環式炭化水素の例はシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプ タン、シクロオクタンまたは第一および第二水素原子のみを有するその炭化水素 同族体を包含する。特に好適な環式炭化水素はシクロヘキサンであって、容易に 入手しうる市販製品である。 さらに環式炭化水素成分は実質的に不活性な任意の希釈剤、たとえば第一およ び第二水素のみを有する他の炭化水素をも含有することができる。しかしながら 一般に、この種の希釈剤は特に多量で存在する場合は好ましくは除去される。何 故なら、これらは必ず反応器の空間を占めるからである。特に有利な不活性希釈 剤はベンゼン、すなわち工業生産されるシクロヘキサンの最終的原料である。ベ ンゼンの存在は、酸化速度を増大させると共にベンゼンを除去する必要がない低 品質のシクロヘキサンの使用を可能にすることにより、アジピン酸の製造につき 経済的に有利である。 特に本発明によりシクロヘキサンからアジピン酸を製造する場合、シクロヘキ サンは酸化工程に悪影響を及ぼすことなく著量のベンゼンを含有することができ る。事実、ベンゼンにより溶剤(c)(たとえば酢酸)の1部を置換すれば、酸 化速度が一層向上する。たとえば、シクロヘキサンに対し約60重量%までのベ ンゼンの存在は酸化速度を向上させうる。 さらに、シクロヘキサンはベンゼンの水素化により工業的に生産される。水素 化の条件は一般に、変換率を最適化すると共にシクロヘキサン生成物からのベン ゼンの困難な分離に伴うコストを最小化させるよう一般に苛酷である。たとえば 0.1重量%(もしくはそれ以下)〜5もしくは10重量%のベンゼンを含有す るシクロヘキサンの使用は原料コストを軽減させうる。その結果、一層好適な酸 化速度と低い蒸留要件の必要性とが、現存するシクロヘキサン施設でのシクロヘ キサンの相当高い生産を可能にする。 本発明の方法で使用する酸化剤は、遊離の分子状酸素および必要に応じ実質的 に不活性なガス状希釈剤を含有する実質的に任意の気体とすることができる。適 する酸素含有ガスの例は空気および酸素リッチな空気(すなわち、たとえば85 モル%もしくはそれ以上の追加酸素含有量を有する空気)、並びに純粋なガス状 酸素である。たとえば50重量%の酸素と50重量%の窒素との混合物が満足な 結果を与える。酸素消耗した空気も用いうるが、大して好適でない。反応条件下 で実質的に不活性な任意のガスが適するガス状希釈剤である。この種のガス状希 釈剤の例は窒素、二酸化炭素、ヘリウム、ネオンおよびアルゴン、並びに一般に ガス状のパラフィン系炭化水素(たとえばメタン、エタンおよびプロパン)を包 含する。勿論、希釈剤の混合物も使用することができる。使用する酸素含有ガス とは無関係に、酸素のモル量は脂環式炭化水素から対応する二塩基酸への完全酸 化を与えるのに少なくとも充分とすべきである(すなわち脂環式炭化水素の各1 モルにつき少なくとも2.5モルのO2)。 反応混合物に対する酸素の分圧は少なくとも0.10気圧(絶対)とすべきで あり、100気圧(絶対)またはそれ以上の高さとすることもできる。反応混合 物に対する酸素の好適分圧は少なくとも約0.10〜約0.30気圧(絶対)と すべきである。全圧力は、少なくとも各反応体を液相に保つのに充分とすべきで ある。用いられる全反応圧力は主として、使用される特定の酸素含有ガス、反応 混合物の組成および温度に依存し、これらは一緒になって液体反応混合物の蒸気 圧を決定する。 本発明の成分(c)として使用するのに適する溶剤は第一および/または第二 水素原子のみを有する実質的に任意の弱有機酸とすることができる(すなわち、 COOH基以外の水素原子が第一および/または第二水素原子にのみ結合した有 機酸)。好適溶剤は2〜約6個の炭素原子を有する低級脂肪族モノカルボン酸、 より好ましくは酢酸を包含する。混合溶剤(溶剤と、たとえばベンゼンのような 不活性希釈剤との混合物を包含する)も使用しうることは勿論である。溶剤の使 用量は、約0.15〜約15モル(好ましくは約0.25〜約3モル、より好ま しくは0.25〜1.5モル)の溶剤が脂環式炭化水素の各1モルにつき酸化帯 域に存在するよう選択される。たとえば酢酸溶剤中でシクロヘキサンを酸化する 場合、このモル比範囲は約8.5重量%〜約91重量%のシクロヘキサンおよび 約91.5重量%〜約9重量%の酢酸の濃度に対応し、好適な相対量は約30〜 85重量%のシクロヘキサンおよび15〜70重量%の酢酸に対応し、より好ま しくは50〜85重量%のシクロヘキサンおよび15〜50重量%の酢酸に対応 する。シクロヘキサンよりも高い分子量を有するシクロヘプタンもしくはシクロ オクタンにつきシクロアルカンの対応する重量比率がより大であることは勿諭で あり、シクロペンタンについては対応の重量比率がより低い。 適する酸化触媒は性質的に慣用のものであって多価重金属触媒、特に23〜2 9の原子番号を有するもの並びにセリウムを包含する。特に好適な触媒はコバル ト、マンガン、バナジウムおよびセリウム並びにその組合せ物を含有するもので ある。これら重金属触媒は、可溶性であるか或いは酸化反応の条件下で少なくと も部分的に溶解状態となる化合物として酸化帯域に供給される。適するこの種の 化合物は金属の酸化物、水酸化物、好ましくは無機および有機塩を包含する。触 媒金属をその酢酸塩、ナフテン酸塩およびトルエン酸塩として、並びにたとえば ステアリン酸塩、オレイン酸塩など各種の脂肪酸塩として使用するのが特に好適 である。 好適触媒は実質的に任意の有機酸のコバルト塩を包含する。適するこの種の触 媒の例は酢酸コバルト、プロピオン酸コバルトおよびナフテン酸コバルトを包含 する。この種のコバルト塩をその場で生成する材料も用いることができる。たと えば酸化コバルトと酢酸とが、酢酸コバルトをその場で生成するため適している 。コバルト塩を、反応溶剤として使用される酸の塩に対応させるのが特に好適で ある。酢酸が好適溶剤であるため、酢酸コバルト(II)が最も好適な触媒であ る。 酸化帯域内で必要とされる触媒の濃度は、所望の酸化速度に若干依存する。し たがって触媒の好適量は反応混合物の1000g当り約0.005〜約0.6モ ルの範囲(より好ましくは1000g当り約0.015〜約0.3モルの範囲、 特に好ましくは1000g当り約0.03〜約0.20モルの範囲)で変化する 。勿論、相当多量の触媒(たとえば1000g当り1モルまで、もしくはそれ以 上)も用いうるが、このような多量の使用は殆ど利点を与えず、実際にこのよう な多量の使用は再循環および再使用のための触媒の回収に問題を生じうる。 余計な促進剤、開始剤などを本発明の方法に使用する必要はない。この種の余 計な材料は僅かに改善される速度および/または変換率および/または選択率を 与えうるが、その使用は一般にコストを増大させると共に副産物の生成をもたら す。したがって、この種の添加剤は一般に使用されない。しかしながら、特殊な 環境がその使用を保証すれば、たとえばアセトアルデヒド、メチルエチルケトン 、シクロヘキサノール、シクロヘキサノンなどの余計な促進剤をも使用すること ができる。 従来技術の予想に反し、低変換レベルにおけるシクロアルカンの高濃度の酸化 は有利な化学的および経済的結果をもたらす。ここで用いる「変換率」という用 語は如何なる方法でも反応するシクロアルカンの量と供給原料におけるシクロア ルカンの量との比(一般に%として現す)を意味する。酸化生成物および副生物 に関し、換言すれば、「変換率」という用語は、生成される全二塩基酸(たとえ ばシクロヘキサンを酸化して作成されるアジピン酸、グルタル酸およびコハク酸 の合計)および各種の副生物の全モル数と供給原料におけるシクロアルカンのモ ル数との比を意味する。たとえばシクロヘキサンを酸化する場合、制限された変 換レベルにて高シクロヘキサン濃度を緩和な反応条件およびたとえばコバルト( II)もしくはコバルト(III)イオン(これは有機酸および/または混合溶 剤にて遊離基を発生する)のような触媒と共に使用すれば、C6化合物の最小の 構造ロスを伴って急速なアジピン酸生成が得られる(すなわち、炭素含有副生成 物のC5、C4もしくはそれ以下への低い変換率を有する)。 本発明により使用される反応条件は、本発明の好適な分離および再循環法に特 に適している。特に、この種の条件下における酸化法の実施は、冷却に際し酸化 流出液が明瞭に各相に分離するという強力な傾向を有するため、アジピン酸の驚 異的に容易な回収を可能にする。その結果、非極性の上相をコスト高の処理なし に酸化まで直接に再循環することができる(酸化まで再循環する前に非極性相を 濃縮または他の方法で処理しうることは勿論である)。極性の下相は極端にアジ ピン酸リッチであって、濾過もしくは遠心分離により高収率で回収しうると共に 、それぞれ濾液もしくは上澄液をコスト高の再処理なしに酸化工程まで充分に直 接戻すことができる(液相を分離する前にアジピン酸生成物を除去しうることも 勿論である)。コハク酸およびグルタル酸を回収すべくさらに処理される濾液の 小部分に含有されるボトムスを加水分解(好ましくは熱加水分解)にかけて、さ らに二塩基酸を除去すると共に、一層容易に酸化しうるアルコールが豊富な酸化 用の再循環流を与えることもできる。 反応変換率は反応時間と共に増大して、より高い二塩基酸の濃度を与える。し かしながら、変換率の程度を制限することが好ましい。たとえばシクロヘキサン を酸化する場合、アジピン酸への選択率はシクロヘキサンの変換率が増加するに つれて減少する。二塩基酸生成物がさらに酸化を受けて選択率の低下をもたらす 。したがって、二塩基酸の平均濃度を回収コストに適する最低の実用レベルに保 つことが好ましい。さらに遊離基酸化は反応性および濃度の両者に比例して全酸 化性物質を攻撃するので、高濃度のシクロアルカンの存在は酸化を二塩基酸およ びその誘導体からシクロアルカンの方向へ再指向させ、これにより所望の二塩基 酸に対する後酸化攻撃を最小化させる。酸化帯域における二塩基酸の低濃度およ びシクロアルカンの高濃度(或いは低変換率とも称する)は選択率を最大化させ る。低変換工程の使用はしばしば経済的な悪結果をもたらしうるが、このような 経済的な悪作用は本発明の高シクロアルカン系を用いれば生じない。何故なら、 所望の二塩基酸生成物が容易かつ経済的に沈澱して系から固体として除去される からである。本発明によりボトムスを再循環して全ゆるこの種の飽和環式アルカ ンの酸化を向上させうるが、或る種の反応パラメータの適する選択は最適な化学 的および経済的結果を与える。たとえすばシクロヘキサンを酸化する場合、シク ロヘキサンの1回の通過当り変換率を約75%以下に制限することが望ましい。 より高いシクロヘキサンの変換率も達成しうるが、典型的にはアジピン酸の選択 率が悪化する。一般にアジピン酸の最適生成は約7〜約30%(好ましくは10 〜30%、より好ましくは15〜25%)に変換率を保つ場合に達成される。 本発明による酸化を行う場合、酸化の反応温度は約60〜約175℃の範囲で 変化することができ、好適温度は90〜125℃である。約75℃以下の温度は 望ましくない低い二塩基酸の生成速度をもたらすのに対し、約150℃より高い 温度は脱カルボキシル化反応(CO2の放出を伴う)を増大させる傾向を有する 。したがって、酸化帯域における温度は好ましくは75〜150℃、特に好まし くは90〜125℃である。 これら比較的正確な温度要件に反し、酸化の全圧力は一般に液相を維持するの に充分である限り臨界的でない。しかしながら、酸化装置の設計および構造に関 連する経済的考慮は一般に約1〜約100気圧(絶対)、好ましくは1〜70気 圧(絶対)、より好ましくは5〜40気圧(絶対)の圧力の使用を支配する。他 方、酸素の分圧(酸化帯域からの排気ガスで測定)は少なくとも約0.10気圧 (絶対)、好ましくは少なくとも0.3気圧(絶対)とすべきである。最大酸素 分圧は、ほぼ全体的に可燃性の配慮により支配される。 好ましくは酸化混合物を充分撹拌して、各反応体の良好な接触を確保する。撹 拌は、液体反応混合物への酸素含有ガスの導入によって生ずる沸騰により適宜促 進される機械的撹拌装置によって与えることができる。 酸化の反応時間は約10分間〜約6時間(もしくは、それ以上)の範囲で変化 することができ、好適反応時間は約0.25〜2時間である。 本発明の重要な特徴は、ボトムス成分の複雑性に関係なく中間体および誘導体 を酸化反応に再循環しうる予想外の有利な能力である。ボトムスの存在に関連す る工程複雑性は、酸化および後酸化におけるボトムス生成の割合、特定酸化条件 下での平衡速度および極めて多くの化合物の存在などの因子に関連する。ボトム スを取扱う困難性はさらに、二塩基酸生成の低速度および触媒の考慮によってさ らに複雑化する。これら困難性は、より迅速な二塩基酸の生成を促進するがボト ムス生成に関し一層緩和である酸化条件を用いることにより;より高温度、高濃 度および反応時間に対する反応流出液の後酸化の露出を最小化させるため酸化へ の直接的再循環の量を最大化させることにより;さらに必要に応じボトムスを加 水分解すると共にさらに処理して二塩基酸を回収しかつ一層容易に酸化されて一 層低い平衡レベルのアルコール成分が豊富な新たな流れを酸化まで再循環するこ とにより抑制される。 ボトムスを構成する多数の酸素化成分は主として2種類の化合物に分類するこ とができる。第1群の化合物は、さらに酸化して所望の生成物(またはその誘導 体)を生成しうると共に中間体と考えうる化合物である。しかしながら、二塩基 酸生成物およびその誘導体を包含する第2群の化合物は、後酸化攻撃を受けて所 望生成物の損失をもたらす。たとえばシクロヘキサンの酸化に際し、ボトムスは さらにアジピン酸まで変化しうるので中間体として作用する多数の成分を含有す ることがある。これらボトムスの各成分は中間体および生成物の両者と考えるこ とができる。一般に他の大して重要でないボトムスは、二塩基酸の酸化により生 成される後酸化成分および誘導体である。この群の後酸化成分は大して望ましく ない(ただしまだ有価である)グルタル酸およびコハク酸まで変換することがで きる。一般に、中間成分および後酸化成分を再循環することが極めて望ましいが 、誘導化生成物を再循環することは望ましくない。 低変換率の条件下で、酸化中間体の濃度は酸素化された全物質の合計に対し相 対的に高く、さらに望ましくない後酸化生成物の濃度は低い。しかしながら高変 換率の条件下で、酸化はより低レベルの酸化中間体を与えると共に高レベルの望 ましくない後酸化生成物および炭素鎖の短い二塩基酸生成物をもたらす(すなわ ち低い二塩基酸選択率)。全体的な二塩基酸選択率は高い変換率にて高く保ちう るが、所望の長鎖の二塩基酸(たとえばシクロヘキサンからのアジピン酸)への 選択率は低下する。変換率および酸化条件を一層厳密にすれば、全体的および特 定の二塩基酸選択率の両者が低下する。 典型的には、エステルがボトムスの主成分である。多数のエステルは実質的に 全ての可能なアルコールおよび酸成分を包含し(二官能性および三官能性化合物 を包含する)、これらはシクロヘキサノール、環式ジオール、環式ヒドロキシケ トン、ヒドロキシ酸、ヒドロキシ二酸、酢酸および各種の二酸、並びに他の線状 多官能性化合物から生ずる。一般に、最も多量に存在するエステルはアルコール および酸の成分が反応環境中に最大濃度で存在するものであるのに対し、最も少 ないエステルはアルコールおよび酸の成分が反応環境中に最小濃度で存在するも のである。 ボトムスにおけるエステルの量は、酸化過程に直接関係する因子だけでなく仕 上処理に関係する因子にも依存する。たとえば時間、温度および濃度の作用が酸 化の際よりも酸化の後に大であれば、より多量のエステルが仕上処理に際し生成 しうる。 ボトムスにおける各種のエステルはその異なる成分部分のため全酸化工程に異 なる作用を与え、或る作用は陽性であり、他の作用は陰性である。所望の生成物 を生成するまで酸化しうる成分部分を有するエステルは中間体と考えうるのに対 し、たとえば所望の最終的な二塩基酸生成物から得られるような他のエステルは 後酸化攻撃を受けて所望生成物の損失をもたらしうる。 再循環に適合するよう反応混合物から脂肪族二塩基酸を除去するには、当業界 で知られた各種の分離および単離法で行うことができる。しかしながら、本発明 の好適具体例において、二塩基酸は(i)反応混合物を冷却して脂肪族二塩基酸 の沈澱を誘発させると共に反応混合物の液体部分を極性液相と非極性液相とに分 離し、(ii)得られる沈澱した脂肪族二塩基酸と極性液相と非極性液相とを互 いに分離する(好ましくは相分離に続く濾過もしくは遠心分離による或いは濾過 もしくは遠心分離に続く相分離によることにより除去される。次いで(i)非極 性液相(これは残留溶剤を含有すると共に、非極性相に対し或る程度の溶解性も しくは混和性を有する或る種の他の成分を含有する)を必要に応じ追加量の飽和 脂環式炭化水素(a)を添加した後に反応工程(1)に移してさらに酸化すると 共に脂肪族二塩基酸を単離し、さらに必要に応じ再循環し、(ii)極性液相の 少なくとも1部を必要に応じ追加脂肪族二塩基酸の加水分解および単離の後かつ 必要に応じ追加量の飽和脂環式炭化水素(a)を添加した後に反応工程(1)に 移してさらに酸化すると共に脂肪族二塩基酸を単離し、必要に応じさらに再循環 することによって行われる。極性相の再循環に関し、一般に極性相の約10〜約 98重量%(好ましくは50〜95重量%、より好ましくは60〜90重量%) を必要に応じ上記の中間処理の後に反応工程(I)に移すことが適している。 特に好適な具体例においては、酸化まで直接に再循環されない極性の下相母液 の部分(すなわち、グルタル酸およびコハク酸を除去せねばならない部分)を加 水分解および遊離二酸の回収にかけて、再循環流がより多量の一層容易に酸化し うるアルコール成分とより少量の二酸とを有するようにする。 この加水分解工程は酸化に際し平衡状態でボトムスの効果的調節を可能にする と共に、アジピン酸精製を容易化させうる。 酸化反応の際に生ずる水、並びに適宜の加水分解工程の際に添加される水は、 本発明の全過程における数種の箇所にて除去することができる。たとえば水は、 当業界で知られた方法により反応の際に反応混合物から、或いは極性相を再循環 する前に極性相から(好ましくは蒸留により)除去することができる。 勿論、本発明の再循環工程は当業界で知られた方法を用いてバッチ式(実施例 に示す)または連続式に行うことができる。しかしながら、特定の再循環法を用 いる場合、溶剤(c)とシクロアルカン(a)とのモル比は特定範囲内に維持す べきである。 本発明によりボトムス生成を制御すると共に平衡以下の操作濃度で再循環する ことにより達成しうる利点は若干変化する。全ゆる飽和シクロアルカン酸化が本 発明の実施により有利となるが、本発明は或る種の操作条件の選択により最もよ く例示される。たとえば、本発明の利点は低変換率にて極めて高いが、極めて高 い変換率にて意義が低下する。さらに、これら利点は高い(低くない)シクロア ルカンの濃度を用いる場合、急速な(遅くない)二塩基酸生成の速度をもたらす 酸化条件を用いる場合、ボトムス生成を大して生ぜしめない緩和な酸化条件を用 いる場合、並びにボトムス生成の傾向が低い一層緩和かつ一層短い後酸化条件を 用いる場合に最大となる。工程条件の適切な選択は、所望の二塩基酸の高い回収 率および酸化への最大再循環を可能にすると共に、仕上処理に際し最小のエステ ル生成をもたらす。たとえば好適な相分離法を用いる場合、母液の直接的再循環 を最大化させることができる。シクロヘキサンを酸化する場合、エステル平衡を 達成するための全再循環はシクロヘキサンに対し約40〜約50重量%の比較的 高い全エステル濃度を必要とする。しかしながら、この高レベルの極性酸素化「 ボトムス不純物」はアジピン酸の第1結晶化をより困難にすると共に、より高比 率のアジピン酸誘導体を後酸化攻撃に露出してより短い炭素鎖の分解生成物をも たらす。事実、シクロヘキサンの酸化におけるボトムスの量は、18〜25%の 変換レベルにてシクロヘキサンに対し約4〜8%の取扱い易い定常状態レベルに 保つことができる。酸化に際しこのボトムスのレベルは、50重量%程度の自然 の酸化平衡と比較し、アジピン酸エステルおよび他の二塩基酸エステルに対する 後酸化攻撃の程度を減少させる。 ボトムス蓄積および再循環の適切な制御を、各種の理論的および実験的考慮に 基づき、高い全体的選択率および一層完全かつ容易な二酸生成物の回収を与える べく使用することができる。二塩基酸生成物の選択率および回収を向上させるベ く調整しうる因子は、より高濃度のシクロアルカン酸化物の低い変換率を用いて 高い酸化速度を与えるが低速度のボトムス生成をもたらすことを含み、これに対 し高い変換レベル(特に約65%より高い)および低濃度のシクロアルカン酸化 物を低酸化速度および高いボトムス生成速度を用いれば二塩基酸に対するモル選 択率の低下をもたらし;酸化工程へのボトムス再循環の程度を最小化させてシク ロヘキサンに対し50〜65%程度に高い相当な平衡酸化レベルを達成するが約 4〜8%に保つことができ;平衡ボトムスの量に影響を及ぼす温度、時間および 濃度の作用に対する酸化流出液の露出を最小化させ(たとえばより高温度、長い 反応時間および高濃度を必要とする増大ボトムス生成をもたらす下流回収工程の 使用を最小化することによる);並びにボトムスの1部を適宜加水分解(好まし くは熱加水分解)すると共に次いで追加量の所望の二塩基酸および他の二塩基酸 生成物(たとえばグルタル酸およびコハク酸)を除去回収して酸化における平衡 ボトムスの量を制御することを含む。 以下、実施例により本発明の有利な方法につき詳細に説明する。これら実施例 はアジピン酸生成の速度および得られる選択率、資本および原料コストに影響を 及ぼす2種の臨界的な重要因子につき説明する。しかしながら、上記の説明で示 した本発明はこれら実施例によりその思想もしくは範囲のいずれにおいても限定 されない。以下の工程条件を公知のように改変して用いうることも当業者には容 易に了解されよう。特記しない限り、温度は全て℃として示す。 実施例 実施例の全体にわたり、次の用語は以下に示す意味を有する:変換率 :二塩基酸の全モル数(すなわちアジピン酸、グルタル酸およびコハク酸 の合計)および最終的損失と、供給原料におけるシクロヘキサンのモル数との比 (%として現す)。反応速度 :1時間当りに生成されるアジピン酸の重量%(全液相反応媒体に対す る)(各実施例に記載した時間で生成される実際の量の外挿に基づく)。アジピン酸に対する選択率 :生成されるアジピン酸のモル数と、反応して回収お よび循環しえないシクロヘキサンのモル数との比(%として現す)。この用語は 、非生成物を回収および再循環しえない場合の最終収率を示す。二塩基酸に対する選択率 :生成される全二塩基酸のモル数と反応して回収および 循環しえないシクロヘキサンのモル数との比(%として現す)。この用語は最終 的 収率を示す。 以下の気−液クロマトグラフィー(GLC)法を分析測定につき使用した。G LC分析は直径0.125インチ(約3.2mm)および変化する長さを有する カラムを用いて行い、PEG20M(すなわち約20,000の分子量を有する ポリエチレングリコール)を液体基質として充填すると共に、80〜100メッ シュのクロモソルブW支持体(スペルコ・インコーポレーション社から入手しう る;クロモソルブはジョーンス・マンビル・コーポレーション社の登録商標であ る)をも充填し、伝導率の検出器をも装着した。カルボン酸をメチルエステルま で変換することにより、GLC分析用の試料を作成した。これらメチルエステル は、試料を一定量の過剰のメタノールおよび約5〜10重量%の予備乾燥された アンバリスト15スルホン酸樹脂(ローム・アンド・ハース・カンパニー社から 入手しうる)と混合し、次いで水蒸気浴で約1時間加熱して作成した。アジピン 酸、グルタル酸およびコハク酸、酢酸(さらに定量を望む他の成分)の分析標準 は、既知量の純粋化合物の混合物を試験試料とほぼ同じ比で用いて同一技術によ り作成した。たとえば40%酢酸媒体を用いる酸化については、酢酸と水とアジ ピン酸とグルタル酸とコハク酸との混合物を5:1.25:1:0.1:0.0 5の重量比で用いると共に混合物の各1部につき6部のメタノールを用いて作成 した。不純物につき単離された二塩基酸(たとえばアジピン酸分離物におけるグ ルタル酸およびコハク酸の量)を分析する場合または濃縮ボトムスを分析する場 合は、12部のメタノールを各1部の試料につき用いて試料を作成した。濃縮ボ トムス(これは、存在する場合は少量のシクロヘキサン、水および酢酸を含有す る)の標準は、たとえばアジピン酸とグルタル酸とコハク酸との混合物を1:1 :0.5の比で用いると共に混合物の各1部につき12部のメタノールを用いて 作成することができる。ジエステルはこれら条件下で遊離酸およびモノエステル の少量と平衡するが、この方法は正確かつ再現しうる結果を与えた。 酸化は、縦軸(すなわちy軸)に沿って酸化速度をプロットすると共に横軸( すなわちx軸)に沿って時間をプロットした典型的な「S曲線」のグラフにより 特性化される。S曲線の下側部分は化学的特性と物理的特性との組合せであって 、化学的誘導時間と反応温度までの加熱との組合せである。S曲線の傾斜部分は 一般に酸化の大部分につきほぼ一定であり、酸化の速度を示す良好なインジケー タとして作用する。曲線の傾斜はS曲線の頂部となるよう下方向に湾曲し、各反 応体の実質的減少が生じかつ/または他の酸化制限因子(たとえば相分離)が発 生すると共に酸化速度の低下を伴う。 測定の目的で、各実施例に記載した酸化における出発時間をx−時間軸に対す るS曲線の傾斜の交点とした。さらに、S曲線の頂部に達する前に酸化を停止さ せることが好ましい。相分離が生じ始める領域にて、触媒リッチな極性相の不均 化量の酸化が生ずると思われる。この相はアジピン酸リッチであると共にシクロ ヘキサンが少なく、アジピン酸の後酸化と選択率の低下とをもたらす条件である 。さらに、この酸化の相は反応水の除去による制御可能な反応の特徴である。 特記しない限り、実施例における実験操作につき次の手順を用いた。触媒を溶 剤に溶解させ、充填原料(これは全実施例にてシクロヘキサンとした)および開 始剤を回転磁気攪拌機が装着された500mLの316ステンレス鋼反応器に添 加して反応混合物を作成した。次いで反応器を密封し、50%の酸素ガスと50 %の窒素ガスとの混合物により14気圧(絶対)まで加圧した。この反応混合物 を反応温度まで加熱すると共に、酸化の過程を酸素消費に基づく圧力低下により 測定した。酸素の約70〜80%が消費された際、この系を酸素により出発圧力 まで再加圧した。所望の変換レベルにて反応を急速に約20〜30℃だけ冷却し て停止させ、次いで仕上処理した。 反応流出物を冷却して結晶化を誘発させた後、得られた3−相流出液を濾過し てアジピン酸を回収した。結晶アジピン酸を冷酢酸−シクロヘキサンで洗浄する と共に乾燥させた。2−相母液と洗液とを連続操作をシミュレートするよう設計 された方法で処理し、非極性の全上相と大部分の極性下相とを直接に再循環して 追加ボトムス(すなわち反応残渣)を形成する条件にはかけなかった。シミュレ ーションは、反応水と追加アジピン酸とを除去し、最小のエステル生成が生ずる 条件を用い、すなわちシクロヘキサンと水と大部分の酢酸とを減圧下で60℃未 満(一般に50℃)の温度で除去することにより行った。冷却の後、追加アジピ ン酸を得られた濃縮物から回収し、冷シクロヘキサン−酢酸で洗浄した。ボトム スと未回収アジピン酸とグルタル酸とコハク酸とを含有する母液は濃暗緑色であ り、これはコバルト(III)イオン(すなわち触媒の活性遊離基発生型)を示 す色であった。母液をボトムス含有量につき分析し、次いで追加シクロヘキサン 、酢酸および少量の触媒で再構成した。特に、シクロヘキサン含有量を初期濃度 にした。追加の酢酸を再循環されたボトムスおよび未回収の二塩基酸の量だけ少 ない初期出発量に等しくし、さらに追加触媒で試料採取の際に除去された量を補 充した。 再循環ボトムスを含有する再構成された反応混合物を初期反応に使用したと同 じ条件下で酸化させたが、一般に約80%の酸素吸収の後に停止させた。反応混 合物を約20〜30℃だけ冷却することにより酸化を停止させた後、反応混合物 をアジピン酸の回収および追加再循環の準備につき上記した最初の順序と同様に 行った。 このシミュレーション手順を複数サイクルにわたり反復して、増加量であるが 制御量のボトムスの存在下に酸化を有利に行いうると共に優秀な速度および選択 率の結果を達成しうることを確認した。速度の僅かな低下がボトムスの各濃度と して観察され、さらに二塩基酸を蓄積させた。しかしながら、この速度低下は維 持しうる制御レベルにて重大でなかった。 第2の実験装置は、タービン攪拌機が装着された1リットルのガラス反応器を 用いた。この酸化装置にて500gの液体充填物(約600〜620mLの容積 )を室温にて用いた。酸素を、5〜15psiaの分圧にて最小流量の過剰酸素 を用い酸化剤として使用した。その後の各酸化充填物の仕上処理および再構成は 、上記した小さい75g規模の再循環試験と同一にした。実施例1 500mLの316ステンレス鋼反応器に45g(535ミリモル)のシクロ ヘキサンと30g(500ミリモル)の酢酸溶剤と0.951g(3.82ミリ モル)の酢酸コバルト(II)四水塩とを添加し、さらに誘導時間を回避すべく 0.1gのアセトアルデヒドを開始剤として添加した。反応器を密封すると共に 、50%のO2と50%のN2との混合物により14気圧の圧力まで加圧した。次 いで反応を95℃にて1.5時間行った。この系を、系圧力が酸素の70〜80 %の消費を示した際に酸素で2回再加圧した。冷却により反応を停止させた後 、反応混合物を上記のように仕上処理して、アジピン酸を回収すると共に再循環 用のボトムス(触媒を含有する)を作成した。蓄積するボトムスおよび触媒を全 部で4回の試験につき3回再循環して次の結果を得た。実際の回収および分析の 組合せにより、4回の試験につきアジピン酸の平均生成速度は反応混合物の量に 対し12.8重量%/hrであると判明した。シクロヘキサンの平均変換率は2 1.2%であった。アジピン酸に対する選択率は87.2モル%であり、グルタ ル酸に対しては6.7モル%であり、コハク酸については3.7モル%であった 。全アジピン酸の約69%が冷却酸化流出液の直接濾過により回収された。全上 相および下相の75%を再循環する均等な処理に基づき、酸化平衡におけるボト ムスの量はシクロヘキサンに対し4.3重量%であった。再循環しうるアジピン 酸は、生成されたアジピン酸の約24.1%またはシクロヘキサンに対し約7. 7重量%であった。 4回の試験にわたり、アジピン酸生成割合は約24%だけ低下した。酸化速度 はアジピン酸、ボトムスおよび他の二塩基酸の再循環量により悪影響を受けた。 アジピン酸に対する選択率は、アジピン酸を誘導化型で含有する各成分の後酸化 のため、再循環アジピン酸およびボトムスの量により悪影響を受けた。この観察 は、最大量のアジピン酸を除去すると共にボトムスを最小化させる利点を示す。 この実施例および他の実施例では高減圧蒸留を行う際に少量を定量処理する際の 固有の困難性のため、速度抑制性の二塩基酸を除去しなかった。しかしながら、 フラッシュ蒸留により75%のボトムス再循環を伴ってコハク酸およびグルタル 酸を除去することができる。 実施例1は、従来公知の方法と比較し、ずっと高い酸化速度と顕著に高いアジ ピン酸選択率と極めて容易なアジピン酸回収とを与えた。実施例2 500mLの316ステンレス鋼反応器に22.5g(267ミリモル)のシ クロヘキサンと52.5g(874ミリモル)の酢酸溶剤と0.951g(3. 82ミリモル)の酢酸コバルト(II)四水塩とを添加すると共に、誘導時間を 回避するため開始剤として0.1gのアセトアルデヒドを添加した。反応器を密 封し、50%のO2と50%のN2との混合物により14気圧の圧力まで加圧し た。次いで反応を95℃にて6時間行った。系を、系圧力が酸素の70〜80% の消費を示した際に酸素で2回再加圧した。反応を冷却により停止させた後、反 応混合物を上記のように仕上処理して、アジピン酸を回収すると共に再循環する ためのボトムス(これは触媒を含有する)を作成した。蓄積するボトムスと触媒 とを全部で4回の試験につき3回再循環して次の結果を得た。実際の回収および 分析の組合せにより、4回の試験につきアジピン酸生成の平均速度は反応混合物 の量に対し3.7重量%/hrであった。シクロヘキサンの平均変換率は54. 5%であった。アジピン酸に対する選択率は78.2モル%であり、グルタル酸 については11.1モル%であり、コハク酸については5.9モル%であった。 全アジピン酸の約46%が冷却酸化流出液の直接濾過により回収された。全上相 と下相の75%とを再循環する均等な処理に基づき、酸化平衡におけるボトムス の量はシクロヘキサンに対し27.2重量%であった。再循環しうるアジピン酸 は生成したアジピン酸の約40.5%またはシクロヘキサンに対し約30.0重 量%であった。4回の試験にわたり、アジピン酸生成速度は約34%低下した。実施例3 500mLの316ステンレス鋼反応器に22.5g(267ミリモル)のシ クロヘキサンと52.5g(874ミリモル)の酢酸溶剤と0.951g(3. 82ミリモル)の酢酸コバルト(II)四水塩とを添加すると共に、誘導時間を 回避するため開始剤として0.1gのアセトアルデヒドを添加した。反応器を密 封すると共に、50%のO2と50%のN2との混合物により14気圧の圧力まで 加圧した。次いで反応を95℃にて3.5時間行った。この系を、系圧力が酸素 の70〜80%の消費を示した際に酸素で2回再加圧した。反応を冷却により停 止させた後、反応混合物を上記のように仕上処理して、アジピン酸を回収すると 共に再循環するためのボトムス(これは触媒を含有する)を作成した。蓄積する ボトムスと触媒とを全部で4回の試験につき3回再循環して次の結果を得た。実 際の回収および分析の組合せにより、4回の試験につきアジピン酸生成の平均速 度は反応混合物の量に対し4.2重量%/hrであると判明した。シクロヘキサ ンの平均変換率は34.5%であった。アジピン酸に対する選択率は82.3モ ル%であった。全アジピン酸の約21%が冷却酸化流出液の直接濾過により回 収された。全上相と下相の75%とを再循環する均等な処理に基づき、酸化平衡 におけるボトムスの量はシクロヘキサンに対し22.3重量%であった。再循環 しうるアジピン酸は生成したアジピン酸の約59.3%またはシクロヘキサンに 対し約29.3重量%であった。4回の試験にわたり、アジピン酸生成速度は約 33%低下した。実施例4 500mLの316ステンレス鋼反応器に15.0g(178ミリモル)のシ クロヘキサンと60.0g(999ミリモル)の酢酸溶剤と0.951g(3. 82ミリモル)の酢酸コバルト(II)四水塩とを添加すると共に、誘導時間を 回避するため開始剤として0.1gのアセトアルデヒドを添加した。反応器を密 封すると共に、50%のO2と50%のN2との混合物により14気圧の圧力まで 加圧した。次いで反応を95℃にて3.5時間行った。系を酸素により、系圧力 が酸素の70〜80%の消費を示した際に2回再加圧した。反応を冷却により停 止させた後、反応混合物を上記のように仕上処理して、アジピン酸を回収すると 共に再循環用にボトムス(これは触媒を含有する)を作成した。蓄積するボトム スと触媒とを全部で4回の試験につき3回再循環して次の結果を得た。実際の回 収および分析の組合せにより、4回の試験につきアジピン酸生成の平均速度は反 応混合物の量に対し3.0重量%/hrであると判明した。シクロヘキサンの平 均変換率は36.9%であった。アジピン酸に対する選択率は83.1モル%で あり、グルタル酸に対する選択率は9.1モル%、コハク酸については4.6モ ル%であった。全アジピン酸は、冷却酸化流出液の直接濾過によりほぼ全く回収 されなかった。全上相と下相の75%とを再循環する均等な処理に基づき、酸化 平衡におけるボトムスの量はシクロヘキサンに対し43.9重量%であった。再 循環しうるアジピン酸は生成したアジピン酸の約75.0%またはシクロヘキサ ンに対し約40.0重量%であった。4回の試験にわたり、アジピン酸生成速度 は約43%低下した。 実施例2〜4は、実施例1と対比して、酸化工程における相当低いシクロヘキ サン濃度がずっと低い反応速度(公開された方法に近似する)を与えるが、一般 に一層高いアジピン酸に対する選択率と良好な直接的回収とをもたらすことを示 す。しかしながら、実施例4で用いた低シクロヘクサン濃度はアジピン酸の沈澱 をもたらさない。実施例3および4で用いた低い変換条件は、実施例2の高い変 換条件よりも高い選択率を示したが、アジピン酸の直接的回収を低下させた。実施例5 500mLの316ステンレス鋼反応器に51.0g(606ミリモル)のシ クロヘキサンと24.0g(400ミリモル)の酢酸溶剤と0.238g(0. 955ミリモル)の酢酸コバルト(II)四水塩とを添加し、さらに誘導時間を 回避するため開始剤として0.1gのアセトアルデヒドを添加した。反応器を密 封すると共に、50%のO2と50%のN2との混合物により14気圧の圧力まで 加圧した。次いで反応を115℃にて0.75時間行った。系を、系圧力が酸素 の70〜80%の消費を示した際に酸素で2回再加圧した。反応を冷却により停 止させた後、反応混合物を上記のように仕上処理して、アジピン酸を回収すると 共に再循環のためボトムス(これは触媒を含有する)を作成した。蓄積するボト ムスと触媒とを全部で4回の試験につき3回再循環して次の結果を得た。実際の 回収および分析の組合せにより、4回の試験につきアジピン酸生成の平均速度は 反応混合物の量に対し29.1重量%/hrであると判明した。シクロヘキサン の平均変換率は22%であった。アジピン酸に対する選択率は84.0モル%で あった。全アジピン酸の約80%が冷却酸化流出液の直接濾過により回収された 。全上相と下相の75%とを再循環する均等な処理に基づき、酸化平衡における ボトムスの量はシクロヘキサンに対し6.2重量%であった。再循環しうるアジ ピン酸は生成したアジピン酸の約15.0%またはシクロヘキサンに対し約4. 8重量%であった。4回の試験にわたり、アジピン酸生成速度は約26%低下し た。実施例6 500mLの316ステンレス鋼反応器に56.25g(668ミリモル)の シクロヘキサンと18.75g(312ミリモル)の酢酸溶剤と0.476g( 1.91ミリモル)の酢酸コバルト(II)四水塩とを添加し、さらに誘導時間 を回避するため開始剤として0.1gのアセトアルデヒドを添加した。反応器を 密封すると共に、50%のO2と50%のN2との混合物により14気圧の圧力 まで加圧した。次いで反応を105℃にて1.25時間行った。系を酸素により 、系圧力が酸素の70〜80%の消費を示した際に2回再加圧した。反応を冷却 により停止させた後、反応混合物を上記のように仕上処理して、アジピン酸を回 収すると共に再循環用にボトムス(これは触媒を含有する)を作成した。蓄積す るボトムスと触媒とを全部で4回の試験につき3回再循環して次の結果を得た。 実際の回収および分析の組合せにより、4回の試験につきアジピン酸生成の平均 速度は反応混合物の量に対し21.1重量%/hrであると判明した。シクロヘ キサンの平均変換率は23.4%であった。アジピン酸に対する選択率は86. 5モル%であった。全アジピン酸の約85%が冷却酸化流出液の直接濾過により 回収された。全上相と下相の75%とを再循環する均等な処理に基づき、酸化平 衡におけるボトムスの量はシクロヘキサンに対し6.4重量%であった。再循環 しうるアジピン酸は生成したアジピン酸の約15.0%またはシクロヘキサンに 対し約5.3重量%であった。4回の試験にわたり、アジピン酸生成速度は約2 6%低下した。実施例7 500mLの316ステンレス鋼反応器に45.0g(535ミリモル)のシ クロヘキサンと30.0g(500ミリモル)の酢酸溶剤と0.048g(0. 191ミリモル)の酢酸コバルト(II)四水塩とを添加し、さらに誘導時間を 回避するため開始剤として0.1gのアセトアルデヒドを添加した。反応器を密 封すると共に、50%のO2と50%のN2との混合物により14気圧の圧力まで 加圧した。次いで反応を110℃にて4時間行った。系を酸素により、酸素の7 0〜80%の消費を示した際に2回再加圧した。反応を冷却により停止させた後 、反応混合物を上記のように仕上処理して、アジピン酸を回収すると共に再循環 のためボトムス(これは触媒を含有する)を作成した。蓄積するボトムスと触媒 とを全部で4回の試験につき3回再循環して次の結果を得た。実際の回収および 分析の組合せにより、4回の試験につきアジピン酸生成の平均速度は反応混合物 の量に対し4.5重量%/hrであると判明した。シクロヘキサンの平均変換率 は23.5モル%であった。アジピン酸に対する選択率は74.2モル%であっ た。全アジピン酸の約61%が冷却酸化流出液の直接濾過により回収された。 全上相と下相の75%とを再循環する均等な処理に基づき、酸化平衡におけるボ トムスの量はシクロヘキサンに対し29.0重量%であった。再循環しうるアジ ピン酸は生成したアジピン酸の約29.3%またはシクロヘキサンに対し約8. 8重量%であった。4回の試験にわたり、アジピン酸生成速度は約38%低下し た。 実施例5および6は改善されたアジピン酸回収と優秀な選択率とを示すと共に 、低い触媒濃度を用いた際にも速度に対する高いシクロヘキサン濃度と高い温度 との利点を示す。実施例7は、極めて低い触媒濃度を用いる際にも良好な結果が 得られることを示す。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1994年7月20日 【補正内容】 補正請求の範囲 1.C5〜C8脂肪族二塩基酸を酸化製造するに際し: (1)(a)液相における5〜8個の環炭素原子を有する少なくとも1種の飽 和脂環式炭化水素と、 (b)脂環式炭化水素(a)に対し過剰の酸素ガスもしくは酸素含有ガ ス混合物とを、 (c)脂環式炭化水素(a)の1モル当り0.15〜15モルの溶剤( この溶剤は第一および/または第二水素原子のみを有する有機酸からなる)およ び (d)反応混合物の1000g当り少なくとも0.002モルの多価重 金属触媒 の存在下に反応させ; (2)(i)反応混合物を冷却して脂肪族二塩基酸の沈殿を誘発させると共に 反応混合物の液体部分を極性液相と非極性液相とに分離し、 (ii)得られる沈澱した脂肪族二塩基酸と極性液相と非極性液相とを 互いに分離する ことにより脂肪族二塩基酸を除去し; (3)(i)必要に応じ追加量の飽和脂環式炭化水素(a)を添加した後に、 非極性液相を反応工程(1)に移して溶剤(c)および触媒(d)の存在下に酸 素ガスもしくは酸素含有ガス混合物と反応させ、次いで脂肪族二塩基酸を単離し 、 (ii)必要に応じ追加脂肪族二塩基酸を加水分解すると共に単離しか つ必要に応じ追加量の脂環式炭化水素(a)を添加した後に、極性液相の10〜 98重量%を反応工程(1)に移して溶剤(c)および触媒(d)の存在下に酸 素ガスもしくは酸素含有ガス混合物と反応させ、次いで脂肪族二塩基酸を単離す る ことにより脂肪族二塩基酸の除去後に残留する中間体、後酸化成分およびその誘 導体を再循環する ことを特徴とするC5〜C8脂肪族二塩基酸の酸化製造法。 2.シクロヘキサンからアジピン酸を製造するための請求の範囲第1項に記載の 方法。 3.工程(1)の反応混合物に対する酸素の分圧が0.10〜100気圧(絶対 )である請求の範囲第1項に記載の方法。 4.脂環式炭化水素(1)(a)の1モル当り0.25〜1.5モルの酢酸を溶 剤(1)(c)として使用する請求の範囲第1項に記載の方法。 5.反応混合物の1000g当り0.005〜0.6モルの有機酸のコバルト塩 を触媒(d)として使用する請求の範囲第1項に記載の方法。 6.反応工程(1)を60〜175℃の温度にて行う請求の範囲第1項に記載の 方法。 7.アジピン酸を酸化製造するに際し: (1)7〜30%のシクロヘキサン変換レベルにて (a)シクロヘキサンと、 (b)シクロヘキサン(a)に対し過剰の酸素ガスもしくは酸素含有ガス 混合物とを、 (c)シクロヘキサン(a)の1モル当り0.15〜1.5モルの溶剤( この溶剤は第一および/または第二水素原子のみを有する有機酸からなる)およ び (d)反応混合物のl000g当り少なくとも0.002モルの多価重金 属触媒 の存在下に反応させ; (2)(i)反応混合物を冷却してアジピン酸の沈殿を誘発させると共に反応 混合物の液体部分を極性液相と非極性液相とに分離し、 (ii)得られる沈澱したアジピン酸と極性液相と非極性液相とを互い に分離する ことによりアジピン酸を除去し; (3)(i)必要に応じ追加量のシクロヘキサン(a)を添加した後に、非極 性液相を反応工程(1)に移して溶剤(c)および触媒(d) の存在下に酸素ガスもしくは酸素含有ガス混合物と反応させ、次いでアジピン酸 を単離し、 (ii)必要に応じ追加アジピン酸を加水分解すると共に単離しかつ必 要に応じ追加量のシクロヘキサン(a)を添加した後に、極性液相の60〜90 重量%を反応工程(1)に移して溶剤(c)および触媒(d)の存在下に酸素ガ スもしくは酸素含有ガス混合物と反応させ、次いでアジピン酸を単離する ことにより、脂肪族二塩基酸の除去後に残留する中間体、後酸化成分およびその 誘導体を再循環する ことを特徴とするアジピン酸を酸化製造するための請求の範囲第1項に記載の方 法。 8.シクロヘキサン(1)(a)の1モル当り0.25〜1.5モルの酢酸を溶 剤(1)(c)として使用すると共に、反応混合物の1000g当り0.005 〜0.6モルの有機酸のコバルト塩を触媒(d)として使用する請求の範囲第7 項に記載の方法。 9.反応工程(1)を60〜175℃の温度にて行う請求の範囲第7項に記載の 方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C07C 51/12 9450−4H (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),AU,BR,CA,CZ,H U,JP,KR,RU,UA

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.C5〜C8脂肪族二塩基酸を酸化製造するに際し: (1)(a)液相における5〜8個の環炭素原子を有する少なくとも1種の飽 和脂環式炭化水素と、 (b)脂環式炭化水素(a)に対し過剰の酸素ガスもしくは酸素含有ガ ス混合物とを、 (c)脂環式炭化水素(a)の1モル当り0.15〜15モルの溶剤( この溶剤は第一および/または第二水素原子のみを有する有機酸からなる)およ び (d)反応混合物の1000g当り少なくとも0.002モルの多価重 金属触媒 の存在下に反応させ; (2)脂肪族二塩基酸を除去し; (3)脂肪族二塩基酸の除去後に残留する中間体、後酸化成分およびその誘導 体を反応工程(1)に再循環して溶剤(c)および触媒(d)の存在下に酸素ガ スもしくは酸素ガス含有ガス混合物と反応させ、次いで脂肪族二塩基酸を単離す る ことを特徴とするC5〜C8脂肪族二塩基酸の酸化製造法。 2.シクロヘキサンからアジピン酸を製造するための請求の範囲第1項に記載の 方法。 3.工程(1)の反応混合物に対する酸素の分圧が0.10〜100気圧(絶対 )である請求の範囲第1項に記載の方法。 4.脂環式炭化水素(1)(a)の1モル当り0.25〜1.5モルの酢酸を溶 剤(1)(c)として使用する請求の範囲第1項に記載の方法。 5.反応混合物の1000g当り0.005〜0.6モルの有機酸のコバルト塩 を触媒(d)として使用する請求の範囲第1項に記載の方法。 6.反応工程(1)を60〜175℃の温度にて行う請求の範囲第1項に記載の 方法。 7.C5〜C8脂肪族二塩基酸を酸化製造するに際し: (1)(a)液相における5〜8個の環炭素原子を有する少なくとも1種の飽 和脂環式炭化水素と、 (b)脂環式炭化水素(a)に対し過剰の酸素ガスもしくは酸素含有ガ ス混合物とを、 (c)脂環式炭化水素(a)の1モル当り0.15〜15モルの溶剤( この溶剤は第一および/または第二水素原子のみを有する有機酸からなる)およ び (d)反応混合物の1000g当り少なくとも0.002モルの多価重 金属触媒 の存在下に反応させ; (2)(i)反応混合物を冷却して脂肪族二塩基酸の沈殿を誘発させると共に 反応混合物の液体部分を極性液相と非極性液相とに分離し; (ii)得られる沈澱した脂肪族二塩基酸と極性液相と非極性液相とを 互いに分離する ことにより脂肪族二塩基酸を除去し; (3)(i)必要に応じ追加量の飽和脂環式炭化水素(a)を添加した後に、 非極性液相を反応工程(1)に移して溶剤(c)および触媒(d)の存在下に酸 素ガスもしくは酸素含有ガス混合物と反応させ、次いで脂肪族二塩基酸を単離し 、 (ii)必要に応じ追加脂肪族二塩基酸を加水分解すると共に単離しか つ必要に応じ追加量の飽和脂環式炭化水素(a)を添加した後に、極性液相の少 なくとも一部を反応工程(1)に移して溶剤(c)および触媒(d)の存在下に 酸素ガスもしくは酸素含有ガス混合物と反応させ、次いで脂肪族二塩基酸を単離 する ことにより脂肪族二塩基酸の除去後に残留する中間体、後酸化成分および誘導体 を再循環する ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の方法。 8.シクロヘキサンからアジビン酸を製造するための請求の範囲第7項に記載 の方法。 9.脂環式炭化水素(1)(a)の1モル当り0.25〜1.5モルの酢酸を溶 剤(1)(c)として使用すると共に、反応混合物の1000g当り0.005 〜0.6モルの有機酸のコバルト塩を触媒(d)として使用する請求の範囲第7 項に記載の方法。 10.反応工程(1)を60〜175℃の温度にて行う請求の範囲第7項に記載 の方法。
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