JP2003219900A - セルロース含有材から加水分解生成物を製造する方法 - Google Patents

セルロース含有材から加水分解生成物を製造する方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率よくかつ経済的にセルロース含有材から
加水分解生成物を製造する方法を提供する。 【解決手段】 高温高圧状態の水を用いてセルロース含
有材を加水分解した後、得られた分解反応液を固液分離
に付し、分離された液の温度/圧力が逆浸透膜の耐久温
度以下でかつ耐久圧力以下となった段階以降に、逆浸透
を行って濃縮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木材等のセルロー
ス含有材から、グルコース等の糖類をはじめとする有用
成分を得るための方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】産業・家庭廃棄物には、多量のバイオポ
リマーや合成ポリマーが含まれているが、そのほとんど
は再利用されずに廃棄されているのが実情である。これ
らのポリマーは貴重な化学原料やエネルギー資源となり
得るものであり、これらを大量に処理して有効に利用す
ることのできる技術の開発が望まれている。
【0003】ポリマー資源のうち最も期待されているも
のの1つとしては、紙,木材,わら等の農林生産物中に
含まれている大量のセルロースが挙げられる。セルロー
スからグルコース等の糖類をはじめとする有用成分を得
る技術として、従来より熱分解法、酸触媒を用いた
高温加水分解法、酵素による加水分解法等、様々な方
法が知られているが、上記の方法では、反応制御が不
可能でグルコースの生成率が低いという欠点があり、
の方法では、添加する酸による装置腐食や生成物からの
酸除去等の問題があり、またこの様な不都合を回避する
為に酸の濃度を抑制するとグルコースの生成率が低くな
るという欠点がある。更にの方法では、反応速度が遅
く工業的な生産技術としては利用できない。
【0004】そこで、酸や酵素を用いずに加水分解を行
った技術として、例えば特開2000−186102号
には、セルロース粉末を240〜340℃の加圧熱水と
接触させて加水分解を行うこと、特に該加水分解を固定
床型反応器を用いて行い、加圧熱水の滞留時間を制御す
ることによって、非水溶性多糖類が高収率で得られるこ
とが開示されている。また特開2001−95594号
には、セルロースを含有する材料を超臨界水または亜臨
界水に可溶化した後、セルラーゼ溶剤を添加して加水分
解を行い、グルコース及び/又はセロオリゴ糖を得る方
法が開示されている。特許第3041380号には、セ
ルロース粉末を240〜280℃に加熱された加圧熱水
と接触させて加水分解した後、急冷することによって、
水溶性オリゴ糖及び単糖類を製造する方法が提案されて
いる。更に、特許第3042076号には、高温高圧状
態の水が良好なイオン的反応領域を形成することを利用
して、ポリマー類を構成単位もしくはそれらのオリゴマ
ー程度の結合体まで効率よく分解する方法が提案されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
如くセルロースの加水分解を行った後、有用成分を含む
溶液を高温高圧下に放置すると、更に分解が進んで該有
用成分が不要物に転化してしまうといった問題が生じ
る。従って、更なる分解の進行を防止するには、セルロ
ースの分解で生じた有用成分を直ちに系外へ送り出し、
冷却器で冷却する必要がある。
【0006】有用成分は水に溶解しているので、多量の
水を供給して迅速に冷却器へ送り出すことが有効であ
る。しかしながら、得られた有用成分は多量の水で希釈
された状態にあることから、取り扱い容易な製品として
得るには濃縮する必要がある。希釈溶液の濃縮方法とし
ては、一般的に、水分を気化させて除去する蒸発法が挙
げられるが、該方法では、多大な潜熱相当のエネルギー
を要するため非効率かつ非経済的であり実用的でない。
【0007】本発明はこの様な事情に鑑みてなされたも
のであって、その目的は、加水分解後の有用成分の濃縮
をエネルギーコストを極力抑制して行うことによって、
セルロース含有材から有用成分を効率よくかつ経済的に
製造する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るセルロース
含有材から加水分解生成物を製造する方法とは、高温高
圧状態の水を用いて該セルロース含有材を加水分解した
後、得られた分解反応液を固液分離に付し、分離された
液(分離液)の温度/圧力が逆浸透膜の耐久温度以下で
かつ耐久圧力以下となった段階以降に逆浸透を行って濃
縮するところに特徴を有する。
【0009】前記分解反応液は、その温度を逆浸透膜の
耐久温度以下に低下させてから前記固液分離に付し、そ
れから逆浸透膜の耐久圧力以下に圧力を低下させて逆浸
透に付してもよい。
【0010】また、前記加水分解に用いる前記高温高圧
状態の水は、 温度:200〜450℃、 圧力:前記温度における水の蒸気圧以上にして得るのが
よい。
【0011】前記逆浸透は、前記分離液中の有用成分の
濃度が極めて希薄である場合には、複数回行って濃縮度
を高めるのがよい。また前記セルロース含有材として、
予め水と混合させてスラリー状にしたものを用いれば、
加水分解反応毎に原料(セルロース含有材)を反応器に
装入する必要がなく、連続して効率よく製造を行えるの
で好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態および実施例】本発明者らは前述し
た様な状況の下で、セルロース含有材を高温高圧状態の
水に接触させて加水分解を行った後に、エネルギーを無
駄にすることなく効率よく有用成分を濃縮する方法につ
いて様々な角度から検討を行った。その結果、本発明で
規定する様にして逆浸透法を前記加水分解と組み合わせ
ればよいことを見出し、上記本発明に想到した。以下、
本発明の方法について詳述する。
【0013】本発明では、セルロース含有材中のセルロ
ースの加水分解を高温高圧状態の水を用いて行う。高温
高圧状態の水は良好なイオン的反応領域を形成し、セル
ロースを有用な構成単位もしくはそれらのオリゴマー程
度の結合体にまで効率よく分解するからである。
【0014】高温高圧状態の水は、温度を200〜45
0℃とするのがよい。セルロースを効率よく分解するに
は、少なくとも200℃に加熱するのがよいからであ
り、より好ましくは230℃以上にまで加熱する。一
方、前記温度が450℃を超えると、木材の熱分解が起
こり始めて加水分解が支配的でなくなり、有用成分の回
収率が低下してしまうので好ましくない。より好ましく
は350℃以下である。
【0015】また、高温高圧状態の水を得るに当たって
は、圧力を、前記温度における水の蒸気圧以上とする必
要があり、例えば前記温度を230℃とした場合には該
圧力を3MPa程度とし、前記温度を350℃とした場
合には該圧力を17MPa程度とする。水の臨界温度
(374℃)以上では水の飽和蒸気圧は存在しないが、
前記温度を水の臨界温度(374℃)以上とする場合に
は、少なくとも3MPaを加圧すれば良好に加水分解を
行うことができる。木材から有用成分としてグルコース
を得る場合には、前記温度を230〜350℃、圧力を
3〜17MPaとするのがよい。
【0016】尚、本発明は、高温高圧状態の水を用いて
行う加水分解のその他の条件まで規定するものではな
い。
【0017】セルロース含有材を加水分解した後の分解
反応液は、逆浸透を行うに際して固液分離に付し、未反
応の原料等の固形残留物を除去しておく。適用できる固
液分離法としては、ろ過、遠心沈降機、遠心脱水機、連
続シックナー等によるものが挙げられる。
【0018】本発明では、前記固液分離後の分離液中の
有用成分の濃縮を逆浸透法で行うこととした。逆浸透法
は、溶媒は通すが溶質は通さない半透膜に溶液を通過さ
せることで、純度の極めて高い水分(透過水)と濃縮水
に分離する方法として一般に知られている。特開200
0−333692号には、リグノセルロース材料を原料
とするパルプ製造工程におけるパルプのヘミセルラーゼ
処理分解反応液からキシロオリゴ糖を製造する方法とし
て、パルプのヘミセルラーゼ処理工程から得られる反応
ろ液を半透膜に透過させ、透過液中のキシロオリゴ糖を
キシロオリゴ糖複合体と分離し回収する方法が開示され
ている。
【0019】しかしながら、実用可能な分離効率を得る
には、水溶液の浸透圧以上の高圧を水溶液側に加える必
要があり、また、より効率よく分離するには水溶液を加
熱する必要があるなど煩雑でコストもかかることから、
実用的な濃縮法としては用いられていない。
【0020】本発明では、前記加水分解直後の分解反応
液が高温高圧であることを利用し、余分なエネルギーを
実質的に付与することなく、逆浸透法で濃縮を行うこと
ができることを見出した。
【0021】即ち、加水分解直後の分解反応液は、上述
の如く、200〜450℃程度の高温で、得られた有用
成分が不要な化合物に転化してしまう前に冷却する必要
があるが、このときに室温まで冷却せず、逆浸透膜の耐
久温度以下で逆浸透に好適な温度、例えば50℃程度に
まで冷却すれば、あらためて分解反応液を加熱すること
なく逆浸透を良好に行うことができ、エネルギーの無駄
な損失を防止することができるのである。
【0022】圧力についても同様に、加水分解直後の分
解反応液は、3〜17MPaもの高圧状態にあるが、常
圧まで減圧せずに逆浸透膜の耐久圧力以下で逆浸透に好
適な圧力、例えば2〜6MPa程度にまで減圧すれば、
あらためて分解反応液を加圧することなく逆浸透を良好
に行うことができ、エネルギーの無駄な損失を防止する
ことができる。
【0023】尚、本発明は、上記逆浸透のその他の条件
まで規定するものではなく、用いる逆浸透膜は、必要と
する有用成分に応じて適宜選択することができ、例え
ば、海水淡水化用の逆浸透膜を用いること等が挙げられ
る。
【0024】本発明で用いることのできるセルロース含
有材は、特に限定されるものではなく、パルプ,木材
粉,木綿,とうもろこし芯,おがくず,麦わら等の様々
なセルロース含有材を用いることができ、木材として
は、不要となった建築解体廃棄物や森林における間伐材
等を用いることができる。またこれらのセルロース含有
材は、粉砕等の前処理が施されることがあり、反応器に
直接、または後述する図4および図5に示すようにスラ
リー状態で供給されることがある。
【0025】以下、本発明に係るセルロース含有材から
加水分解生成物を製造する方法に関して、図面を参照し
つつ具体的に説明するが、本発明はもとより図示例に限
定される訳ではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲
で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それ
らはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0026】図1は、本発明の実施に用いる装置の一例
を示したもので、まず反応器1に予め原料2としてセル
ロース含有材を装入する。このとき、前記原料は、高温
高圧状態の水との接触面積を確保して効率よく反応させ
るため、相当直径が20μm〜数mm程度になるまで細
かく粉砕されていることが望ましい。反応器1内に固液
フィルター3を設け、未反応の原料が水に溶解せず固形
分のまま流出することを防止する。反応器1は予めヒー
ター4により加温しておいてもよい。また、反応時に原
料の酸化分解反応が生じてしまうなど悪影響を及ぼし易
い酸素を除去するため、図1には示していないが、水タ
ンク5から保圧弁10までを窒素やアルゴン等の不活性
ガス雰囲気としてもよい。
【0027】次いで、水タンク5からの水をポンプ6で
加圧して所定の流量にし、予熱器7で反応器温度程度と
なるまで加熱した後、反応器1に供給する。
【0028】原料に木材を用いる場合には、反応器1に
設置したヒーター4で水の温度を200〜450℃に加
熱して加水分解を行うのがよい。圧力は保圧弁9で調節
する。
【0029】この様にして得られた高温高圧状態の水を
用いて原料(セルロース含有材)2の加水分解を行う。
その後、得られた高温高圧状態の分解反応液を冷却器8
に通して冷却する。ここで、逆浸透膜入り口での液温度
が逆浸透膜の耐久温度以下であって逆浸透を行うのに好
適な10〜60℃程度となるよう冷却する。冷却後に固
液分離フィルター15に通過させて未反応の原料等の残
渣を除去する。そして得られた分離液の圧力を、保圧弁
9を通過させることで、保圧弁10で設定する逆浸透膜
の耐久圧力以下であって逆浸透を行うのに好適な圧力に
まで減圧する。減圧後の圧力はほぼ2〜6MPaであ
る。減圧後に反応液回収用タンク11を設け、次工程の
逆浸透を行うにあたって分離液の濃度を調整してもよ
い。その後、分離液を逆浸透膜12に透過させる。
【0030】逆浸透により濃縮された濃縮液は、保圧弁
10を通過させて大気開放(常圧)する。逆浸透膜の透
過水側(排水側)は大気開放状態とする。逆浸透で生じ
た透過水は水タンク5へ回収して再利用してもよい。
【0031】尚、逆浸透膜12へは全ての分離液を供給
する必要はなく、目的成分を含まないことが判明した場
合には、ドレインバルブ13から分離液を系外に除去し
てもよい。
【0032】前記加水分解反応の所要時間は、用いる原
料の形状にもよるが、約30分以内であり、前記高温高
圧状態の水の温度が高いほど所要時間は短くなる。
【0033】この図1に示す様な装置を用いて行った実
施例について以下に示す。
【0034】まず、反応器1に原料2として木粉1kg
を装入する。水タンク5からの水をポンプ6で加圧し、
10kg/minの流量で供給する。保圧弁9を10MP
aに設定する。水タンク5からの水は予熱器7の出口で
300℃となるようにする。反応器1の内部が300℃
となるようヒーター4で加熱する。この様に設定して木
粉中のセルロースの加水分解を行う。加水分解後の分解
反応液は、冷却器8での出口温度が40℃となるよう冷
却器8で冷却する。冷却後は固液分離フィルター15
(細孔径が0.5μmのステンレス製焼結金属フィルタ
ー)に通過させて分離液を得る。保圧弁10は5.5M
Pa(逆浸透膜の耐圧上限値に近い値)となるよう設定
する。逆浸透膜12(三酢酸セルロース製)を用いて冷
却および減圧された分離液の逆浸透を行い、分離液中の
水分を平均9.5kg/minの流量で透過水として除去
し、グルコース等の分解生成物を含有する濃縮液(20
倍濃縮)を平均0.5kg/minの割合で得る。
【0035】前記加水分解反応および逆浸透による濃縮
を連続して行い、セルロース含有材から効率よく加水分
解生成物を製造するには、前記反応器を複数個設けるの
がよい。図2は、反応器1および反応器1´の2個を並
列に設けて本発明を実施する場合の装置を例示してい
る。以下、図2〜5では、図1と同じ構成部分について
は同一の符号を付して重複説明を避ける。
【0036】図2に示す様に反応器を並列に設け、2個
の反応器の稼動時期(加水分解処理時期)をずらす、具
体的には反応器1および反応器1´のうち、一方の反応
器で一定時間連続して加水分解反応を行う間に、加水分
解反応の終了した他方の反応器を開放、残渣の取り出
し、および新しい原料の装入を行うことによって、逆浸
透工程での濃縮を連続して安定的に行うことができるの
である。この場合、一方の反応器に水を流して加水分解
を行う時間は、反応器温度に依存するが、例えば反応器
の設定温度を300℃とした場合には、約20分毎に水
の供給経路を切り換えるなどして運転を行えばよい。
【0037】尚、図2では、反応器1および反応器1´
の夫々について冷却器8および冷却器8´を設けている
が、該冷却器を1個とし共通で使用することも可能であ
る。
【0038】加水分解処理後の分解反応液が非常に希薄
である場合、1回の逆浸透では濃縮が不十分な場合があ
る。この様な場合には、濃縮度を高めるべく逆浸透を複
数回行うのがよい。図3は、1段目で2個の逆浸透膜を
並列に設け、得られる濃縮水を合流させて2段目の1個
の逆浸透膜で更に濃縮を行う場合の装置を例示したもの
である。図3にて1段目で2個の逆浸透膜を並列に設け
ているのは、1段目と2段目の逆浸透膜に供給される液
量を調整するためである。
【0039】尚、図3は、逆浸透を複数回行う装置の一
例であって、分解反応液の濃度に応じて、1段目に設け
る逆浸透膜を更に増加させたり、逆浸透工程を更に複数
段とすることもできる。
【0040】セルロース含有材は、予め水と混合させて
スラリー状にしておけば、反応終了毎に原料を装入する
ことなく連続して加水分解処理を行うことができ、効率
がよいので望ましい。
【0041】図4は、原料として予め水と混合させたス
ラリー状のセルロース含有材を用いた場合の装置の一例
である。図4にて、水と約180μm以下にまで粉砕し
た原料(例えば木粉)をスラリー生成器21に装入し、
撹拌機で撹拌してスラリーを得る。ポンプ22で所定の
流量にしたスラリーを予熱器23に供給し、予熱器の出
口で反応温度直前の温度となるまでスラリーを加熱す
る。所定の温度に設定された反応器24でスラリー中の
セルロースの加水分解を行う。分解生成物の溶解した水
と未反応原料等の残渣が混合したスラリー状態の分解反
応液を冷却器26で冷却し、その後、固液分離器27で
スラリー状態の分解反応液中の固形分を沈殿分離させ
る。分離後の水溶液(分離液)は図4に示すように固液
分離器の水面(または水相中央部分の固形分の少ない位
置)から回収し、フィルター30で微粒子状の固形分を
除去する。固液分離器27中の固形分は、蓄積の程度に
応じて適宜、固液分離器27の下部バルブから除去す
る。
【0042】図5は、図4に示す装置の変形例であっ
て、固液分離器を2つ設けることによってスラリー状の
分解反応液の固液分離をより徹底して行う場合の装置を
例示している。図5にて、固液分離器27および27´
を直列に設け、固液分離で生じた残渣が、木粉の様な浮
遊物である場合には下部バルブ29から分離液を取り出
し、沈殿物である場合には上部バルブ28から分離液を
回収する等、状況に応じて適宜操作を行い、更に次の固
液分離器27´で同様の固液分離操作を行うようにす
る。
【0043】また、前記図1〜図5に例示していない
が、予熱器(7,23)と冷却器(8,8´,26)と
の間で熱交換を行うことによって、更にエネルギー効率
を高めてセルロース含有材から加水分解生成物を製造す
ることができる。
【0044】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されており、
本来、溶液の濃縮法としてあまり実用化されていなかっ
た逆浸透法を、本発明で行う高温高圧状態の水を用いた
加水分解処理後の濃縮法として適用することで、逆浸透
のための余分なエネルギーを使用することなく、効率よ
くかつ経済的にセルロース含有材から加水分解生成物を
製造できるようになった。
【0045】そして、この様にして得られた糖類等の加
水分解生成物を、公知のアルコール醗酵法の原料として
用い、各種用途に用いられるエタノール等を製造できる
こととなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する為に構成される装置例を示す
概略説明図である。
【図2】本発明を実施する為に構成される装置の他の例
を示す概略説明図である。
【図3】本発明を実施する為に構成される装置の他の例
を示す概略説明図である。
【図4】本発明を実施する為に構成される装置の他の例
を示す概略説明図である。
【図5】本発明を実施する為に構成される装置の他の例
を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1,1´ 反応器 2,2´ 原料 3,3´ 固液フィルター 4,4´,25 ヒーター 5 水タンク 6 ポンプ 7,23 予熱器 8,8´,26 冷却器 9,10 保圧弁 11 反応液回収用タンク 12,12a,12a´,12b 逆浸透膜 13 ドレインバルブ 14 気液分離器 15 固液分離器(固液分離フィルター) 21 スラリー生成器 22 スラリーポンプ 24 反応器(円筒状) 27,27´ 固液分離器 28,28´ 上部バルブ 29,29´ 下部バルブ 30 フィルター

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温高圧状態の水を用いてセルロース含
    有材を加水分解した後、得られた分解反応液を固液分離
    に付し、分離された液の温度/圧力が逆浸透膜の耐久温
    度以下でかつ耐久圧力以下となった段階以降に、逆浸透
    を行って濃縮することを特徴とする加水分解生成物の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記分解反応液の温度を低下させてから
    固液分離に付し、更に圧力を低下させてから逆浸透に付
    す請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 温度:200〜450℃、 圧力:前記温度における水の蒸気圧以上にして得られた
    前記高温高圧状態の水を用いて加水分解を行う請求項1
    または2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記逆浸透を複数回行って濃縮度を高め
    る請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記セルロース含有材は、予め水と混合
    させてスラリー状にしたものである請求項1〜4のいず
    れかに記載の製造方法。
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