JPWO2008050740A1 - セルロース系バイオマスの糖化分解方法及び糖化分解装置 - Google Patents

セルロース系バイオマスの糖化分解方法及び糖化分解装置 Download PDF

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Abstract

亜臨界状態の高温高圧水によって、セルロース系バイオマス中のセルロース及び/又はヘミセルロースを、単糖やオリゴ糖まで分解するための方法及び装置であって、熱効率と糖類の収率に優れた方法及び装置を提供する。亜臨界状態の高温高圧水を用いてセルロース又はヘミセルロースを糖類に分解する際、高温高圧状態にある圧力容器内のスラリーを、セルロース系バイオマスのスラリーを充填した加熱途上の圧力容器内へとフラッシュ蒸発さることにより、大量のスラリーを亜臨界状態未満にまで急冷し、糖類が有機酸等にまで過分解することを防止し、かつ、熱エネルギーの回収により省エネ化が図れる。また、セルロース系バイオマスを通水性容器に充填し、該通水性容器を水と共に圧力容器に封入してもよい。

Description

本発明は、バイオマス、特にセルロース系バイオマスを原料として効率よく糖類を製造するための分解方法及び装置に関する。
バイオマスエネルギー利用の一環として、植物の主成分であるセルロース又はヘミセルロースを分解し、エタノール(バイオエタノール)を得ようとする試みがある。そこでは、得られたエタノールは、燃料用として主として自動車燃料に一部混入させたり、ガソリンの代替燃料として利用されることが計画されている。
植物の主な成分は、セルロース(炭素6個から構成されるC6単糖であるグルコースの重合物)、ヘミセルロース(炭素5個から構成されるC5単糖とC6単糖の重合物)、リグニン、デンプン等であるが、エタノールはC5単糖、C6単糖、それらの複合体であるオリゴ糖等の糖類を原料として、酵母菌等の醗酵作用によって生成される。
セルロースやヘミセルロース等のセルロース系バイオマスを糖類に分解するには、1)硫酸など強酸の酸化力により加水分解する方法、2)酵素により分解する方法、3)超臨界水又は亜臨界水等の酸化力を利用する方法、の3種類が工業的に利用されようとしている。しかし、1)の酸分解法は、添加した酸が酵母菌等の醗酵に対して阻害物質となることから、セルロースやヘミセルロースを糖類に分解した後、糖類をエタノール発酵させる前に添加した酸の中和処理が必須であり、その処理費用で経済的に実用化困難な面がある。
また、2)の酵素分解法は、常温定圧処理が可能ではあるが、有効な酵素が見出されておらず、発見されたとしても酵素の生産コストが高くなることが予想されており、経済性の面で未だ工業規模で実現の目処が立っていない。
ここで、3)の超臨界水又は亜臨界水によってセルロース等を加水分解して糖類とする方法として、セルロース粉末を240〜340℃の加圧熱水と接触させて加水分解することを特徴とする非水溶性多糖類の製造方法が、特許文献1に開示されている。また、細片されたバイオマスを140〜230℃で飽和水蒸気圧以上に加圧した熱水で所定時間加水分解してヘミセルロースを分解抽出し、その後セルロースの分解温度以上に加熱した加圧熱水で加水分解してセルロースを分解抽出する方法が、特許文献2に開示されている。また、平均重合度1 00以上のセルロースを、温度250℃以上450℃以下、圧力15MPa以上450MPa以下の超臨界水又は亜臨界水と0.01秒以上5秒以下接触反応させ、その後冷却して温度250℃以上350℃以下、圧力15MPa以上450MPa以下の亜臨界水と1秒以上10分以下接触させて加水分解することを特徴とするグルコース及び/又は水溶性セロオリゴ糖の製造方法が、特許文献3に開示されている。
一方、低分子量アルコールを主成分とする溶媒と、バイオマス系廃棄物とを含有する被処理物を密閉容器に収容し、密閉容器内を低分子量アルコールの超臨界状態に加圧加熱処理するバイオマス系廃棄物処理方法が、特許文献4に開示されている。また、セルロース系バイオマス等をC1〜C8の脂肪族アルコールに5〜20体積%の水を加えた混合溶媒を用いて、アルコールの超臨界条件又は亜臨界条件にて処理するバイオマスの分解・液化方法が、特許文献5に開示されている。
特開2000−186102号公報 特開2002−59118号公報 特開2003−212888号公報 特開2001−170601号公報 特開2005−296906号公報

バイオマスの主な構成成分のセルロース及びヘミセルロースを、高温高圧の超臨界水又は亜臨界水で糖化分解する方法は、強酸を用いる加水分解法に比べ、酸の中和処理が不要なため処理コストも安く、環境にも優しい処理方法である。しかし、超臨界水又は亜臨界水を用いると、その強力な酸化力のため数秒〜数分でセルロース及びヘミセルロースの分解が完了してしまうため、分解終了後直ちに冷却しなければ、せっかく生成した糖類が有機酸等にまで過分解してしまう欠点がある。
実験室レベルの小規模分解装置では、加熱容器内の超臨界水又は亜臨界水を急冷し、過分解を防止することも可能と思われるが、工業的規模の分解装置においては、短時間で大量の超臨界水又は亜臨界水を急冷することは非常に困難である。このため、高温高圧の超臨界水又は亜臨界水を用いるセルロース系バイオマスの分解方法は、プラント規模においては糖類の収率が低く、そのことが実用化を妨げる要因の一つとなっている。
また、大量の超臨界水又は亜臨界水を使用するためには、スラリーの加熱に大きなエネルギーが必要であり、処理コストが上昇する要因ともなっている。アルコール等を溶媒とするスラリーを超臨界又は亜臨界状態で行なうセルロース系バイオマスの分解方法では、蒸気圧が非常に高くなるため、さらに大きなエネルギーが必要となり、使用する装置の耐圧性も要求される。
本発明は、亜臨界状態の高温高圧水によって、セルロース系バイオマス中のセルロース及び/又はヘミセルロースを、単糖類やオリゴ糖(以下、糖類と呼ぶ)まで分解するための方法及び装置であって、熱効率と糖類の収率に優れた方法及び装置の提供を目的とする。
本発明者は、亜臨界状態の高温高圧水を用いてセルロース又はヘミセルロースを糖類に分解する際、高温高圧状態にある圧力容器内のスラリーを、セルロース系バイオマスのスラリーを充填した加熱途上の圧力容器内へフラッシュ蒸発させれば、大量のスラリーをセルロース分解温度以下にまで急冷し、糖類が有機酸等にまで過分解することを防止し、かつ、熱エネルギーの回収により省エネ化が図れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
具体的に、本発明は、
複数の圧力容器を使用するセルロース系バイオマスの糖化分解方法であって、
各圧力容器において充填工程、昇温工程、分解工程、降温工程及び排出工程が順次実行され、
充填工程が、セルロース系バイオマスを粉砕し水と混合したスラリー(以下、「スラリー」と呼称する)を圧力容器に充填する工程であり、
昇温工程が、圧力容器を密閉して昇温する工程であり、
分解工程が、セルロース系バイオマス中のセルロース及び/又はヘミセルロースを高温高圧水の酸化力によって糖類に分解する工程であり、
降温工程が、圧力容器内の高温高圧のスラリーをフラッシュ蒸発させることにより、降温する工程であり、
排出工程が、圧力容器内のスラリーを圧力容器外に取り出す工程であり、
複数の圧力容器のうち、いずれかの圧力容器において充填工程が実行されているとき、他のいずれかの圧力容器において排出工程が実行されており、充填工程実行中の圧力容器に充填されるスラリーと排出工程実行中の圧力容器から排出されるスラリーとの間で熱交換し、
複数の圧力容器のうち、いずれかの圧力容器において昇温工程が実行されているとき、他のいずれかの圧力容器において降温工程が実行されており、降温工程実行中の圧力容器から排出されるフラッシュ蒸気を昇温工程実行中の圧力容器に供給することにより熱回収する、ことを特徴とするセルロース系バイオマスの糖化分解方法に関する(請求項1)。
また、本発明は、
複数の圧力容器を備えるセルロース系バイオマスの糖化分解装置であって、
セルロース系バイオマスを粉砕し水と混合したスラリーを圧力容器に充填する充填工程と、
圧力容器を密閉して昇温する昇温工程と、
セルロース系バイオマス中のセルロース及び/又はヘミセルロースを高温高圧水の酸化力によって糖類に分解する分解工程と、
圧力容器内の高温高圧のスラリーをフラッシュ蒸発させることにより、降温する降温工程と、
圧力容器内のスラリーを取り出す排出工程とが各圧力容器において順次実行され、
複数の圧力容器のうち、いずれかの圧力容器において充填工程が実行されているとき、他のいずれかの圧力容器において排出工程が実行されており、充填工程実行中の圧力容器に充填されるスラリーと排出工程実行中の圧力容器から排出されるスラリーとの間で熱交換し、
複数の圧力容器のうち、いずれかの圧力容器において昇温工程が実行されているとき、他のいずれかの圧力容器において降温工程が実行されており、降温工程実行中の圧力容器から排出されるフラッシュ蒸気を昇温工程実行中の圧力容器に供給することにより熱回収 する、ことを特徴とするセルロース系バイオマスの糖化分解装置に関する(請求項23)。
本発明のセルロース系バイオマスの糖化分解方法及び糖化分解装置では、複数の圧力容器内で5つの工程を順次行う。そして、降温工程にある圧力容器と昇温工程にある別の圧力容器とを接続することにより、降温工程にある圧力容器内のスラリーをフラッシュ蒸発により急冷することができる。同時に、高温のフラッシュ蒸気によって、昇温工程を行う圧力容器内のスラリーを加熱することができるため、スラリーの加熱に要するエネルギーを節約することが可能である。
また、高圧容器の気相部分より減圧することで、スラリー中の溶解成分又は固形物が移動することもなく、フラッシュ蒸気を導通させるためのノズルや配管の閉塞の危険がない。さらに、特別な温度制御装置等も必要ない。なお、予熱される側(昇温工程にある圧力容器)へのフラッシュ蒸気の供給は、スラリー液中に供給するようにすると、さらに効果的である。
また、本発明のセルロース系バイオマスの糖化分解方法及び糖化分解装置では、排出工程にある圧力容器から排出(排水)スラリーと、充填工程にある別の圧力容器に充填するスラリーとを熱交換するため、スラリーの加熱に要するエネルギーをさらに節約することが可能である。
さらに、本発明は、

複数の圧力容器を使用するセルロース系バイオマスの糖化分解方法であって、
各圧力容器において充填工程、昇温工程、分解工程、降温工程及び排出工程が順次実行され、
充填工程が、セルロース系バイオマスを通水性容器に充填した後、該通水性容器及び水を圧力容器に封入する工程であり、
昇温工程が、圧力容器を密閉して昇温する工程であり、
分解工程が、セルロース系バイオマス中のセルロース及び/又はヘミセルロースを高温高圧水の酸化力によって糖類に分解する工程であり、
降温工程が、圧力容器内の高温高圧水をフラッシュ蒸発させることにより、降温する工程であり、
排出工程が、通水性容器内のセルロース系バイオマスの残渣を取り出す工程であり、
複数の圧力容器のうち、いずれかの圧力容器において充填工程が実行されているとき、他のいずれかの圧力容器において排出工程が実行されており、充填工程実行中の圧力容器に充填される水と排出工程実行中の圧力容器から排出される高温水との間で熱交換し、
複数の圧力容器のうち、いずれかの圧力容器において昇温工程が実行されているとき、他のいずれかの圧力容器において降温工程が実行されており、降温工程実行中の圧力容器から排出されるフラッシュ蒸気を昇温工程実行中の圧力容器に供給することにより熱回収する、ことを特徴とするセルロース系バイオマスの糖化分解方法に関する(請求項2)。
さらに、本発明は、
複数の圧力容器を備えるセルロース系バイオマスの糖化分解装置であって、
セルロース系バイオマスを充填した通水性容器及び水を圧力容器に封入する充填工程と、
圧力容器を密閉して昇温する昇温工程と、
セルロース系バイオマス中のセルロース及び/又はヘミセルロースを高温高圧水の酸化力によって糖類に分解する分解工程と、
圧力容器内の高温高圧水をフラッシュ蒸発させることにより、降温する降温工程と、
圧力容器内のセルロース系バイオマス中の残渣を取り出す排出工程とが各圧力容器において順次実行され、
複数の圧力容器のうち、いずれかの圧力容器において充填工程が実行されているとき、他のいずれかの圧力容器において排出工程が実行されており、充填工程実行中の圧力容器に充填される水と排出工程実行中の圧力容器から排出される高温水との間で熱交換し、
複数の圧力容器のうち、いずれかの圧力容器において昇温工程が実行されているとき、他のいずれかの圧力容器において降温工程が実行されており、降温工程実行中の圧力容器から排出されるフラッシュ蒸気を昇温工程実行中の圧力容器に供給することにより熱回収 する、ことを特徴とするセルロース系バイオマスの糖化分解装置に関する(請求項24)。

亜臨界状態の高温高圧水を用いてセルロース又はヘミセルロースを糖類に分解する際、開孔部又は隙間等を有し、水が容器の内外を移動しうるような通水性容器にセルロース系バイオマスを充填し、該通水性容器及び水を圧力容器に封入(圧密封入)するようにすれば、セルロース系バイオマスをスラリー化して高温高圧処理する場合と比較して、微細なスラリー残留物による配管又は容器の汚染を防止しうる。
前記5工程がすべて同じ所要時間である場合には、使用する圧力容器の数が5の倍数であることが好ましい(請求項3,25)。2つの熱回収を行いつつ、一連の処理工程をスムースに行うためである。
前記分解工程以外の4工程がすべて同じ所要時間であり、かつ、前記分解工程の所要時間がそれ以外の4工程の所要時間のn倍(nは自然数)である場合には、使用する圧力容器の数が(4+n)の倍数台であることが好ましい(請求項4,26)。分解工程が他の工程よりもn倍長い場合、分解工程を行う圧力容器の台数を、他工程をおこなう圧力容器のn倍とすれば、2つの熱回収を行いつつ、一連の処理工程をスムースに行うことができる。
前記分解工程の温度が140℃以上180℃以下であれば、ヘミセルロースを糖類(主にC5単糖)に分解することができる(請求項5,6)。ヘミセルロース含量の多いバイオマスの場合には、高温で処理するとC5単糖等が有機酸等にまで過分解してしまうため、比較的温和な条件で分解処理を行うことが好ましい。
その後、前記排出工程で生じたスラリーを固液分離し、ヘミセルロースが分解され
溶媒側に溶出した後の固体分を分離して、新たに原料スラリーとし、前記充填工程に再び供すると共に、前記分解工程の温度を240℃以上280℃以下とすれば、セルロースを糖類(主にC6単糖)に分解することができる(請求項7)。
同様に、前記排出工程後の通水性容器を、前記充填工程に再び供すると共に、前記分解工程の温度を240℃以上280℃以下とすることにより、セルロースを糖類に分解することができる(請求項8)。
まず、バイオマス中のヘミセルロースを140℃以上180℃以下の温度範囲で糖類に分解した後、固液分離すればセルロースを固体として分離することができる。このセルロースをスラリーとして充填工程に供し、分解工程を240℃以上280℃以下の温度範囲で行えば、セルロースを糖類に分解することができる。セルロース及びヘミセルロースの含量が同程度のバイオマスに効果的である。
前記分解工程の温度が240℃以上280℃以下であれば、セルロースを糖類(主にC6単糖)に分解することができる(請求項9)。セルロースの含量が多いバイオマスの場合には、ヘミセルロースの過分解を考慮する必要性が低いため、比較的高温でセルロースのみを糖類に分解する方が効果的である。
前記充填工程において、原料スラリー又は圧力容器に封入する水にエタノールを2mol%以上10mol%以下添加することが好ましい(請求項10,11)。少量のエタノールを原料スラリーに添加することにより、亜臨界水によるセルロース及び/又はヘミセルロースの糖類への分解反応速度が遅くなる。これにより、分解工程におけるセルロース及び/又はヘミセルロースの分解時間を調整し、有機酸等に過分解することを防止しやすくなることで、収率を上げることができる。
さらに本発明は、
複数の圧力容器を使用するセルロース系バイオマスの糖化分解方法であって、
各圧力容器において排出充填工程、昇温工程、分解工程及び降温工程が順次実行され、
排出充填工程が、降温工程実施後に圧力容器内のスラリーを取り出し、同じ圧力容器にセルロース系バイオマスを粉砕し水と混合したスラリーを充填する工程であり、
昇温工程が、圧力容器を密閉して昇温する工程であり、
分解工程が、セルロース系バイオマス中のセルロース及び/又はヘミセルロースを高温高圧水の酸化力によって糖類に分解する工程であり、
降温工程が、圧力容器内の高温高圧のスラリーをフラッシュ蒸発させることにより、降温する工程であり、
複数の圧力容器のうち、いずれかの圧力容器において昇温工程が実行されているとき、他のいずれかの圧力容器において降温工程が実行されており、降温工程実行中の圧力容器から排出されるフラッシュ蒸気を昇温工程実行中の圧力容器に供給することにより熱回収する、ことを特徴とするセルロース系バイオマスの糖化分解方法に関する(請求項12)。
さらに本発明は、
複数の圧力容器を備えるセルロース系バイオマスの糖化分解装置であって、
降温工程実施後の高温スラリーを圧力容器から取り出し、同じ圧力容器にセルロース系バイオマスを粉砕し水と混合したスラリーを充填する排出充填工程と、
圧力容器を密閉して昇温する昇温工程と、
セルロース系バイオマス中のセルロース及び/又はヘミセルロースを高温高圧水の酸化力によって糖類に分解する分解工程と、
圧力容器内の高温高圧のスラリーをフラッシュ蒸発させることにより、降温する降温工程とが各圧力容器において順次実行され、
複数の圧力容器のうち、いずれかの圧力容器において昇温工程が実行されているとき、他のいずれかの圧力容器において降温工程が実行されており、降温工程実行中の圧力容器から排出されるフラッシュ蒸気を昇温工程実行中の圧力容器に供給することにより熱回収 する、ことを特徴とするセルロース系バイオマスの糖化分解装置に関する(請求項27)。
さらにまた、本発明は、

複数の圧力容器を使用するセルロース系バイオマスの糖化分解方法であって、
各圧力容器において排出充填工程、昇温工程、分解工程及び降温工程が順次実行され、
排出充填工程が、降温工程実施後に圧力容器内のセルロース系バイオマスの残渣を取り出し、同じ圧力容器にセルロース系バイオマスを充填した通水性容器及び水を封入する工程であり、
昇温工程が、圧力容器を密閉して昇温する工程であり、
分解工程が、セルロース系バイオマス中のセルロース及び/又はヘミセルロースを高温高圧水の酸化力によって糖類に分解する工程であり、
降温工程が、圧力容器内の高温高圧水をフラッシュ蒸発させることにより、降温する工程であり、
複数の圧力容器のうち、いずれかの圧力容器において昇温工程が実行されているとき、他のいずれかの圧力容器において降温工程が実行されており、降温工程実行中の圧力容器から排出されるフラッシュ蒸気を昇温工程実行中の圧力容器に供給することにより熱回収する、ことを特徴とするセルロース系バイオマスの糖化分解方法に関する(請求項13)。
さらにまた、本発明は、
複数の圧力容器を備えるセルロース系バイオマスの糖化分解装置であって、
降温工程実施後のセルロース系バイオマスの残渣を圧力容器から取り出し、同じ圧力容器にセルロース系バイオマスを充填した通水性容器及び水を封入する排出充填工程と、
圧力容器を密閉して昇温する昇温工程と、
セルロース系バイオマス中のセルロース及び/又はヘミセルロースを高温高圧水の酸化力によって糖類に分解する分解工程と、
圧力容器内の高温高圧水をフラッシュ蒸発させることにより、降温する降温工程とが各圧力容器において順次実行され、
複数の圧力容器のうち、いずれかの圧力容器において昇温工程が実行されているとき、他のいずれかの圧力容器において降温工程が実行されており、降温工程実行中の圧力容器から排出されるフラッシュ蒸気を昇温工程実行中の圧力容器に供給することにより熱回収 する、ことを特徴とするセルロース系バイオマスの糖化分解装置に関する(請求項28)。

このように、排出工程と充填工程とを1台の圧力容器内で行うことにより、全4工程となって、構成する圧力容器も4(あるいは4の倍数)基で済み、処理時間も短縮されるので、生産能力が向上する利点がある。なお、全工程数が4である本発明の糖化分解方法及び糖化分解装置では、排出充填工程において、排出する高温スラリーと、同じ圧力容器に充填するスラリー(原料スラリー)との間で熱交換することも可能である。
同様に、全工程数が4である本発明の糖化分解方法及び糖化分解装置では、排出充填工程において、排出する高温水と、同じ圧力容器に充填する水との間で熱交換することも可能である。
前記4工程がすべて同じ所要時間である場合には、使用する圧力容器の数が4の倍数であることが好ましい(請求項14,29)。2つの熱回収を行いつつ、一連の処理工程をスムースに行うためである。
前記分解工程以外の3工程がすべて同じ所要時間で、かつ、前記分解工程の所要時間がそれ以外の3工程の所要時間のn倍(nは自然数)である場合には、使用する圧力容器の数が(3+n)の倍数台であることが好ましい(請求項15,30)。分解工程が他の工程よりもn倍長い場合、分解工程を行う圧力容器の台数を、他工程をおこなう圧力容器のn倍とすれば、2つの熱回収を行いつつ、一連の処理工程をスムースに行うことができる。
全4工程の糖化分解方法においても、前記分解工程の温度が140℃以上180℃以下であれば、ヘミセルロースを糖類(主にC5単糖)に分解することができる(請求項16,17)。
また、前記排出充填工程で生じたスラリーを固液分離し、ヘミセルロースが分解され溶媒側に溶出した後の固体分を分離して、新たに原料スラリーとし、前記排出充填工程として再び同様の圧力容器へと供すると共に、前記分解工程の温度を240℃以上280℃以下とすれば、セルロースを糖類(主にC6単糖)に分解することができる(請求項18)。
同様に、前記排出工程後の通水性容器を、前記充填工程に再び供すると共に、前記分解工程の温度を240℃以上280℃以下とすることにより、セルロースを糖類に分解することができる(請求項19)。
さらに、前記分解工程の温度が2 40℃以上280℃以下であれば、セルロースを糖類(主にC6単糖)に分解することができる(請求項20)。
また、前記排出充填工程において、原料スラリー又は圧力容器に封入する水にエタノールを2mol%以上10mol%以下添加することが好ましい(請求項21,22)。これら温度条件及びエタノール添加が好ましい理由については、全5工程の糖化分解方法の充填工程について説明した通りである。
ここで、原料スラリーに添加されたエタノールは、降温工程においてフラッシュ蒸気に大部分移行し、昇温工程にある別の圧力容器内のスラリーへと回収される。排出工程で取り出された糖類を含む水溶液は、エタノール発酵に供されてバイオエタノールへと変換されるが、エタノール発酵の当初にエタノールが残存していると、酵母による発酵が阻害される。請求項10,11,21及び22に係る発明では、分解工程におけるエタノール濃度を維持しつつ、排出工程後のセルロース及び/又はヘミセルロースを含むスラリーにはエタノールが減少するため、エタノール発酵が阻害されにくいという特徴がある。
なお、特許文献4又は特許文献5に開示されているように、アルコール等を主成分とする媒体を亜臨界状態とすると、例えば280℃で圧力容器内が12MPa以上の高圧となる。しかし、請求項7に係る発明では、同じ280℃で7.5〜9.7MPa程度の圧力にしかならず、加圧エネルギーを節約できると共に圧力容器の耐圧度を軽減でき経済的である。

本発明の上記目的、他の目的、特徴及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
本発明によれば、複数台の圧力容器を用いて、低コスト、かつ、高い収率でセルロース系バイオマス中のセルロース及び/又はヘミセルロースを糖類に分解することができる。また、本発明によれば、糖化分解反応に適した温度まで予熱するのに、他工程にある圧力容器の廃熱を容易に回収できるため、必要熱量の約60%を節約でき、経済的に非常に優れている。
また、セルロース系バイオマスを通水性容器に充填し、水と共に圧力容器に封入すれば、配管等の汚れも防止でき、作業効率をさらに向上させることが可能である。
図1は、実施の形態1の糖化分解装置の操作手順を示す図である。 図2は、実施の形態1の糖化分解装置を、連続バッチシステムとして運転する場合のタイムスケジュールを表す図である。 図3は、実施の形態2の糖化分解装置を、連続バッチシステムとして運転する場合のタイムスケジュールを表す図である。 図4は、バイオマスの糖化分解反応における反応時間と糖類の収率(%)との関係を表すグラフである。 図5は、実施の形態3の糖化分解装置を、連続バッチシステムとして運転する場合のタイムスケジュールを表す図である。 図6は、実施の形態4において、通水性容器に乾燥バガスを圧密充填する一例を表す図である。
以下に、本発明の実施の形態について、適宜図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、以下に限定されない。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1として、全工程数が5であり、5台の圧力容器を用いる糖化分解装置の操作手順を、図1を参照しながら説明する。
まず、セルロース系バイオマス(例えば、バガスや甜菜かす、わら等の草木系バイオマス)を、数mm以下に粉砕し、水又は希エタノール水溶液(2〜10mol%)を用いて固形物濃度30%程度のスラリーとする。そして、図1(a)に示すように、そのスラリー(原料スラリー)をNo.1の圧力容器内に充填する(充填工程)。糖化分解装置を始動させたときには、他の圧力容器から排出される熱エネルギーがないので、原料スラリーは熱交換によって予熱されない。
No.1〜No.5の圧力容器は、充填工程→昇温工程→分解工程→降温工程→排出工程を順次繰り返しており、No.2〜No.5の4台の圧力容器は、それぞれ1工程ずつ時間差をおいて運転している。すなわち、図1(a)〜図1(e)においては、No.1が充填工程のときには、No.2が排出工程、No.3が降温工程、No.4が分解工程、N o.5が昇温工程となっている。
なお、図1(a)〜図1(e)においては、「予熱充填」は充填工程、「予熱昇温」は昇温工程、「加熱昇温」は分解工程、「フラッシュ」は降温工程、「排水」は排出工程を、それぞれ表している。
既に糖化分解装置を作動させており、No.1の圧力容器で2回目以降の充填工程を行う場合には、排出工程にあるNo.2の圧力容器から排出(排水)されるスラリー(糖類を含む)と、No.1の圧力容器に充填する原料スラリーとの間で熱交換を行い、原料スラリーを予熱する。
次に、No.1の圧力容器を密閉する(昇温工程)。このとき、図1(b)に示すように、No.4の圧力容器が降温工程となっているため、No.4の圧力容器上部の高温ガスをフラッシュ蒸気としてNo.1の圧力容器へと供給し、熱回収する(上述したように、フラッシュ蒸気は圧力容器内の水溶液へと供給することが好ましい)。その結果、No.1の圧力容器内のスラリーの温度がさらに上昇し、スラリーを亜臨界状態とするためのエネルギーが節約される。
次に、図1(c)に示すように、高温スチーム等の熱源を用いてNo.1の圧力容器内部を加熱し、スラリーを亜臨界状態とする(分解工程)。このとき、原料スラリーにエタノールを2mol%以上10mol%以下の濃度範囲で添加しておけば、分解反応速度を低下させることができるので、セルロース又はヘミセルロースの分解反応を制御しやすくなる。
ここで、本願でいう分解工程とは、スラリーが亜臨界状態となっている時間だけではなく、昇温工程で温度上昇したスラリーを、亜臨界状態にまで加熱するための時間も含んでいる。
なお、原料スラリーに対して10mol%を越える濃度までエタノールを添加すると、必要以上に分解時間が長引くと共に、容器の耐圧度も上がる。また、排出工程で排出(排水)スラリーにもエタノールが高濃度で残存することになるため、実用的価値が損なわれる。
次に、図1(d)に示すように、適切な分解時間を経過したNo.1の圧力容器と、予熱工程にあるNo.3の圧力容器とを接続し、No.1の圧力容器下部の高温スラリーをフラッシュ蒸気としてNo.3の圧力容器内へと供給する。これにより、No.1の圧力容器内部が糖化分解温度以下まで急冷され、糖類の有機酸等への過分解反応を停止することができる。同時に、No.3の圧力容器内のスラリーの温度が上昇する。
ここで、分解工程においてバイオマス中のヘミセルロースを糖化分解する場合には、セルロースが糖化分解する温度範囲(240℃〜280℃)までは昇温せず、ヘミセルロースのみが糖化分解する140℃〜180℃の温度範囲に調整する。一方、バイオマス中のセルロースを糖化分解する場合には、セルロースが糖化分解する温度範囲(240℃〜280℃)まで昇温する。
次に、図1(e)に示すように、温度が低下し、常圧あるいは常圧近くまで圧力が低下したNo.1の圧力容器を開き、糖類が含まれたスラリーを排出(排水)する(排出工程)。このとき、スラリーは分解過程の温度が240〜280℃の場合、110〜150℃程度であるため、充填工程にあるNo.5の圧力容器に充填するスラリーとの間で熱交換を行う。これにより、No.5のスラリーが予熱されると共に、No.1から取り出すスラリーを冷却することができる。
図1(a)〜図1(e)では、主にNo.1の圧力容器の操作について説明したが、No.2〜No.5の圧力容器についてもNo.1と同様の操作を行う。また、図1(a)〜図1(e)では、No.1以外の圧力容器については、フラッシュ蒸気及び高温スラリーによる排熱回収(熱交換)が一部省略されているが、これらについてもNo.1の圧力容器と同様の排熱回収(熱交換)が行われることはいうまでもない。
排出工程で排出され(排水され)、さらに熱交換によって冷却されたスラリーには、糖類と残存固形分が共存する。分解工程が140℃〜180℃の温度範囲である場合には、残存固形分は主にセルロースとリグニンであり、分解工程が240℃〜280℃の温度範囲である場合には、残存固形分は主にリグニンである。
このスラリーは、固液分離によって残存固形分を除去した後、エタノール発酵に供され、酵母の発酵作用等によりバイオエタノールが製造される。このようなエタノール発酵技術は周知技術であるため、ここではその説明を省略するが、本発明によって得られた糖類は、酵母発酵以外の公知の発酵処理によってもバイオエタノールに変換することもできる。
次に、図1(a)〜図1(e)に示した5台の圧力容器を用いる分解装置を、連続バッチシステムとして運転する場合のタイムスケジュールについて、図2を参照しながら説明する。なお、図2では、各工程の所要時間は、5分間としている。
まず、No.1の圧力容器から充填工程を行い、5分間ずつ時間差をとってNo.2〜No.5の圧力容器で充填工程を行う。各圧力容器は「C」→「PH」→「GL」→「F」→「DC」という5工程を順次繰り返すので、セルロース系バイオマスの糖化分解処理は、5分×5工程=25分が1サイクルとなる。そして、No.1〜No.5の圧力容器は、このサイクルを5分ずつの時間差で連続して行う。
降温工程にあるNo.1の圧力容器のフラッシング蒸気は、昇温工程にあるNo.2の圧力容器に供給され、熱回収が図れる。同様に、降温工程にあるNo.2、No.3、No.4及びNo.5圧力容器のフラッシング蒸気は、昇温工程にあるNo.3、No.4、No.5及びNo.1の圧力容器にそれぞれ供給され、熱回収が図られる。
また、排出工程にあるNo.1の圧力容器から排出(排水)スラリーは、充填工程にあるNo.5の圧力容器に充填されるスラリーと熱交換される。同様に、排出工程にあるNo.2、No.3、No.4及びNo.5の圧力容器の高温スラリーは、充填工程にあるNo.1、No.2、No.3及びNo.4の圧力容器に充填されるスラリーとそれぞれ熱交換される。
こうした連続バッチシステムによれば、セルロース系バイオマスを短時間、かつ、省エネルギーで連続糖化分解することができる。
(実施の形態2)
次に、全工程数が4であり、定常運転時に排出工程及び充填工程を排出充填工程として平行して行う4台の圧力容器を用いる分解装置を、連続バッチシステムとして運転する場合のタイムスケジュールについて、図3を参照しながら説明する。なお、図3では、各工程の所要時間は、5分間としている。
まず、No.1の圧力容器について最初の充填工程C0を行い、5分間ずつ時間差をとってNo.2〜No.4の圧力容器で最初の充填工程C0を行う。運転開始時には、図1に示した糖化分解装置の充填工程と同じ工程を行うことになるため、図3では最初に行う排出充填工程を、最初の充填工程C0と表示している。定常運転時には、各圧力容器は「C」→「PH」→「GL」→「F」という4工程を順次繰り返すので、セルロース系バイオマスの糖化分解処理は、5分×4工程=20分が1サイクルとなる。そして、No.1〜No.4の圧力容器は、このサイクルを5分ずつの時間差で連続して行う。
降温工程にあるNo.1の圧力容器のフラッシング蒸気は、昇温工程にあるNo.2の圧力容器に供給され、熱回収が図れる。同様に、降温工程にあるNo.2、No.3及びNo.4圧力容器のフラッシング蒸気は、昇温工程にあるNo.3、No.4及びNo.5の圧力容器にそれぞれ供給され、熱回収が図られる。
ここで、降温工程を実行後、排出充填工程にあるNo.1の圧力容器からスラリーを取り出し、その後、同じ圧力容器に原料スラリーを充填する。すなわち、降温工程終了後のNo.1の圧力容器において、排出工程と充填工程とが排出充填工程として平行して実施される。このとき、排出されるスラリーが十分高温ならば、充填する原料スラリーとの間で、熱交換を行ってもよい。
運転を終了する場合、最後の降温工程を実施したNo.1の圧力容器は、最後の排出工程CXを行い、5分間ずつ時間差をとってNo.2〜No.4の圧力容器で最後の排出工程CXを行う。運転終了時には、図1に示した糖化分解装置の排出工程と同じ工程を行うことになるため、図3では最後に行う排出充填工程を、最後の排出工程CXと表示している。
この連続バッチシステムによれば、図1及び図2に示した糖化分解装置よりも少ない圧力容器で、より短時間に連続糖化分解を実施することができる。
[分解工程におけるエタノール添加の影響]
ここで、セルロース系バイオマスとして、試薬セルロースを亜臨界状態で糖化分解させる場合におけるエタノール添加の影響について検討した。上記セルロースに、純水と5重量%(2mol%)のエタノール水溶液をそれぞれ同じ280℃で通水した実験結果を図4に示す
図4は反応時間と糖類の収率(%)との関係を示したものである。糖類の最高収率そのものにはエタノールの添加による影響は、ほとんど認められなかった。しかし、糖類の生成速度及び分解速度は、エタノールを添加した場合の方が明らかに低く、例えば、最高収率に到達する時間は、エタノール添加によって約3倍(0.7分→2.0分)に拡大した。
亜臨界状態である反応時間を工業規模において秒単位で制御することは困難であるため、原料スラリーへのエタノール添加は、糖類の収率を上げる点で、有効であることが確認された。
(実施の形態3)
次に、セルロース系バイオマスが亜臨界状態で糖化分解されにくく、分解工程を他の4工程よりも長時間にせざるを得ない場合であって、8台の圧力容器を用いる全工程数5の分解装置を、連続バッチシステムとして運転する場合のタイムスケジュールについて、図5を参照しながら説明する。なお、図5では、分解工程の所要時間を20分間、その他の工程の所要時間を5分間としている。
まず、No.1の圧力容器から充填工程を行い、5分間ずつ時間差をとってNo.2〜No.8の圧力容器で充填工程を行う。各圧力容器は「C」→「PH」→「GL」→「F」→「DC」という5工程を順次繰り返すが、ここではセルロース系バイオマスの糖化分解処理が20分であるため、(5分×4工程)+(20分×1工程)=40分が1サイクルとなる。そして、No.1〜No.8の圧力容器は、このサイクルを5分ずつの時間差で連続して行う。
ここで、図5に示す連続バッチシステムでは、分解工程が他工程の4倍長い。このため、工程数と同じ5台の圧力容器を用いたのでは、分解工程以外の工程も20分としなければフラッシュ蒸気及び高温スラリーの熱エネルギーを回収することができないため、処理時間が非常に長くなる。そのため、本実施の形態の糖化分解装置では、8台の圧力容器を使用し、分解工程を20分としても他工程は5分のままで効果的な熱回収ができるようにしている。
すなわち、No.1の圧力容器が降温工程にあるとき、昇温工程にあるNo.6の圧力容器にフラッシング蒸気を供給する。同様に、降温工程にあるNo.2、No.3、No.4、No.5、No.6、No.7及びNo.8の圧力容器は、昇温工程にあるNo.7、No.8、No.1、No.2、No.3、No.4及びNo.5の圧力容器にそれぞれ供給され、熱回収が図られる。
また、排出工程にあるNo.1の圧力容器から排出(排水)高温スラリーは、充填工程にあるNo.8の圧力容器に充填されるスラリーと熱交換される。同様に、排出工程にあるNo.2、No.3、No.4、No.5、No.6、No.7及びNo.8の圧力容器の高温スラリーは、充填工程にあるNo.1、No.2、No.3、No.4、No.5、No.6及びNo.7の圧力容器に充填されるスラリーとそれぞれ熱交換される。
分解工程以外の4工程がすべて同じ所要時間であり、かつ、分解工程の所要時間がそれ以外の4工程の所要時間のn倍(nは自然数であり、ここでは4)である場合には、使用する圧力容器の数が(4+n)の倍数台(ここでは8台)であれば、実施の形態1と同様、連続バッチシステムとして、セルロース系バイオマスを短時間、かつ、省エネルギーで連続糖化分解することができる。
実施の形態3においては、圧力容器を8台としたが、一連のバッチシステムを2系統とするならば、全部で16台の圧力容器を使用すればよい。また、全工程数4の糖化分解装置についても、同様の操作を行うことが可能である。
(実施の形態4)
上記実施の形態1〜3においては、充填工程又は排出充填工程として、セルロース系バイオマスを粉砕し、水と混合してスラリーとした後、圧力容器に充填する場合について説明した。しかし、本発明の充填工程又は排出充填工程では、セルロース系バイオマスを必ずしもスラリー化する必要はなく、バガス等のセルロース系バイオマスを開孔部又は隙間等を有し、水が容器の内外を移動しうるような通水性容器にセルロース系バイオマスを充填し、該通水性容器及び水を圧力容器に封入(圧密封入)することによっても、セルロース系バイオマスを糖化分解することが可能である。
通水性容器は、圧力容器内の高温に耐えうるものであれば、その素材は問わないが、耐久性の高いステンレス鋼等が好ましい。また、形状については特に制限はなく、直方体、円筒等、適宜選択することができるが、圧力容器形状と同じ形状(円筒)とすることが、容積効率が上がる点では好ましい。また、通水性を確保する手段としては、通水性容器の一部又は全部を網目状としてもよく、スリットや円形の開孔部を設けてもよく、上面を開放してもよく、水が容器内外を移動しうるのであれば、特に制限はない。
通水性容器にセルロース系バイオマスとして乾燥バガスを充填する一例を、図6に示す。この図では、底面及び側面に多数の開孔部を有する円筒状の通水性容器(上面は開放)にバガスを充填する。このとき、乾燥バガスは粉砕する必要はなく、そのままの長さでもよいが、適当な長さに切断してもよい。
充填後、プレス機等を用いて上から圧縮し、乾燥バガスを通水性容器内で圧縮(圧密充填)することが好ましいが、予め圧縮した乾燥バガスを通水性容器に充填してもよい。乾燥バガスは、圧縮前のかさ比重が5〜10kg/m3程度であるが、圧縮することにより50kg/m3以上のかさ比重にまで圧縮できる。この圧縮された状態で圧力容器内に封入し注水して満水とすれば、圧力容器内の固形物濃度は数%程度となり、スラリーと同レベルの固形分濃度となり、乾燥バガスをスラリー化するのと同程度の容積効率が得られる。
図6に示したように、通水性容器内で乾燥バガスを圧縮する場合には、通水性容器内への乾燥バガスの投入及びプレス処理を繰り返し、通水性容器内になるべく多くの乾燥バガスを圧密充填することが好ましいが、充分量の乾燥バガスを圧密充填できるのであれば、1回のプレス処理としてもよい。
なお、乾燥バガス等のセルロース系バイオマスは、圧力容器に封入する前に、かさ比重を50kg/m3以上300kg/m3以下に調整することが好ましく、100kg/m3以上200kg/m3以下に調整することがより好ましい。かさ比重が低いとスラリー化する場合と比較して固形分濃度が低くなるために容積効率が低くなるためである。一方、かさ比重をあまり大きくすると、セルロース系バイオマスの内部に水が浸透しにくくなり、分解反応が起こりにくくなるためである。
乾燥バガス等のセルロース系バイオマスをスラリー化するためには、原料1kg当たり0.5〜2kW程度、微粉砕のためのエネルギーが必要であるが、本実施の形態では微粉砕作業は不要であり、仮に粉砕する場合でも微粉砕までする必要がないため、セルロース系バイオマスの前処理に必要な仕事量は1/10〜1/2となる。
セルロース系バイオマスをスラリーとして圧力容器に充填する場合には、配管の詰まり防止のため、固形物濃度を低くするか、微粉砕する必要がある。セルロース系バイオマスは含有水分が多く、スラリーの固形分濃度はセルロース系バイオマス内の水分も含めれば、10%程度でも流動性が低い。しかし、通水性容器にセルロース系バイオマスを充填し、水と共に圧力容器に封入すれば、圧力容器内の固形分濃度は、上述したようにスラリーと同等とすることができる。
また、セルロース系バイオマスをスラリー化した場合、配管及び圧力容器の内壁に固形物が付着し、残存固形物として残ることがある。この残存固形物は、配管及び圧力容器の容積効率を下げるだけでなく、反応後の微粉末が未反応のスラリーに混入するために、洗浄頻度を増加させることとなる。しかし、通水性容器にセルロース系バイオマスを充填し、水と共に圧力容器内に封入して加熱すれば、セルロース系バイオマスは通水性容器内に静置されたままであり、配管を移送するのは水のみであるため、このような問題が起こらない。

さらに、セルロース系バイオマスを140℃以上180℃以下で加熱してヘミセルロースを糖類に分解した後、残りの固形分を240℃以上280℃以下で加熱してセルロースを糖類に分解する場合、充填工程又は排出充填工程でスラリー化したセルロース系バイオマスを充填した場合、ヘミセルロース分解後の固形分を固液分離し、新たに水を加えてスラリー化する必要があるが、通水性容器にセルロース系バイオマスを充填し、水と共に圧力容器内に封入して加熱すれば、圧力容器から糖類を含む水を排水するだけで足り、通水性容器が固液分離の役目も果たすという利点がある。なお、通水性容器内にバイオマス残渣と共に残留する糖類を含む水も、バイオマス残渣の洗浄操作によって回収すれば、糖類をさらに効率よく回収することが可能である。

充填工程又は排出充填工程において、通水性容器にセルロース系バイオマスを充填し、水と共に圧力容器内に封入すれば、排出工程又は排出充填工程においては、圧力容器から糖類を含む高温水を排出し、圧力容器内からは通水性容器を取り出し、通水性容器から固形の残渣(セルロース系バイオマスに含まれるセルロース及び/又はヘミセルロースが糖類に分解された後に残った固形分であり、主にリグニン及び灰分である)を取り出して廃棄する。
なお、この残渣は圧力容器内を加熱するための燃料として利用可能であるため、圧力容器内の固形分濃度を高くすることができる本実施の形態では、圧力容器から取り出される残渣量も多く、石油等の燃料の使用を抑制することが可能である。
降温工程においては圧力容器内の高温水をフラッシュ蒸発させ、充填工程実行中の圧力容器に充填される水との間で熱交換を行う。それ以外は、充填工程又は排出充填工程でスラリー化したセルロース系バイオマスを充填する場合と同様である。
例えば、充填工程において、通水性容器にセルロース系バイオマスを充填し、水と共に圧力容器内に封入する場合、実施の形態1の糖化分解装置の操作手順を示す図1において、「原料スラリー」とあるのは「セルロース系バイオマスを充填した通水性容器及び水」となる。

上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施の形態が明らかである。従って、上記説明は例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
本発明は、セルロース系バイオマスを分解し、糖類を製造する方法及び装置として、バイオ、エネルギー等の分野において有用である。

Claims (30)

  1. 複数の圧力容器を使用するセルロース系バイオマスの糖化分解方法であって、
    各圧力容器において充填工程、昇温工程、分解工程、降温工程及び排出工程が順次実行され、
    充填工程が、セルロース系バイオマスを粉砕し水と混合したスラリーを圧力容器に充填する工程であり、
    昇温工程が、圧力容器を密閉して昇温する工程であり、
    分解工程が、セルロース系バイオマス中のセルロース及び/又はヘミセルロースを高温高圧水の酸化力によって糖類に分解する工程であり、
    降温工程が、圧力容器内の高温高圧スラリーをフラッシュ蒸発させることにより、降温する工程であり、
    排出工程が、圧力容器内のスラリーを取り出す工程であり、
    複数の圧力容器のうち、いずれかの圧力容器において充填工程が実行されているとき、他のいずれかの圧力容器において排出工程が実行されており、充填工程実行中の圧力容器に充填されるスラリーと排出工程実行中の圧力容器から排出されるスラリーとの間で熱交換し、
    複数の圧力容器のうち、いずれかの圧力容器において昇温工程が実行されているとき、他のいずれかの圧力容器において降温工程が実行されており、降温工程実行中の圧力容器から排出されるフラッシュ蒸気を昇温工程実行中の圧力容器に供給することにより熱回収する、ことを特徴とするセルロース系バイオマスの糖化分解方法。

  2. 複数の圧力容器を使用するセルロース系バイオマスの糖化分解方法であって、
    各圧力容器において充填工程、昇温工程、分解工程、降温工程及び排出工程が順次実行され、
    充填工程が、セルロース系バイオマスを通水性容器に充填した後、該通水性容器及び水を圧力容器に封入する工程であり、
    昇温工程が、圧力容器を密閉して昇温する工程であり、
    分解工程が、セルロース系バイオマス中のセルロース及び/又はヘミセルロースを高温高圧水の酸化力によって糖類に分解する工程であり、
    降温工程が、圧力容器内の高温高圧水をフラッシュ蒸発させることにより、降温する工程であり、
    排出工程が、通水性容器内のセルロース系バイオマスの残渣を取り出す工程であり、

    複数の圧力容器のうち、いずれかの圧力容器において充填工程が実行されているとき、他のいずれかの圧力容器において排出工程が実行されており、充填工程実行中の圧力容器に充填される水と排出工程実行中の圧力容器から排出される高温水との間で熱交換し、
    複数の圧力容器のうち、いずれかの圧力容器において昇温工程が実行されているとき、他のいずれかの圧力容器において降温工程が実行されており、降温工程実行中の圧力容器から排出されるフラッシュ蒸気を昇温工程実行中の圧力容器に供給することにより熱回収する、ことを特徴とするセルロース系バイオマスの糖化分解方法。

  3. 前記5工程がすべて同じ所要時間であり、使用する圧力容器の数が5の倍数である請求項1又は2に記載のセルロース系バイオマスの糖化分解方法。
  4. 前記分解工程以外の4工程がすべて同じ所要時間で、かつ、前記分解工程の所要時間がそれ以外の4工程の所要時間のn倍(nは自然数)であり、使用する圧力容器の数が(4+n)の倍数台である請求項1又は2に記載のセルロース系バイオマスの糖化分解方法。
  5. 前記分解工程の温度が140℃以上180℃以下であり、ヘミセルロースを糖類に分解する請求項1に記載のセルロース系バイオマスの糖化分解方法。

  6. 前記分解工程の温度が140℃以上180℃以下であり、ヘミセルロースを糖類に分解する請求項2に記載のセルロース系バイオマスの糖化分解方法。
  7. 前記排出工程で生じたスラリーを固液分離し、ヘミセルロースが分解し水に溶解した後の固体分をスラリーとし、固液分離後のスラリーを前記充填工程に再び供すると共に、前記分解工程の温度を240℃以上280℃以下とすることにより、セルロースを糖類に分解する請求項5に記載のセルロース系バイオマスの糖化分解方法。
  8. 前記排出工程後の通水性容器を前記充填工程に再び供すると共に、前記分解工程の温度を240℃以上280℃以下とすることにより、セルロースを糖類に分解する請求項6に記載のセルロース系バイオマスの糖化分解方法。
  9. 前記分解工程の温度が240℃以上280℃以下であり、セルロースを糖類に分解する請求項1又は2に記載のセルロース系バイオマスの糖化分解方法。
  10. 前記充填工程において、原料スラリーにエタノールを2mol%以上10mol%以下添加する請求項1に記載のセルロース系バイオマスの糖化分解方法。

  11. 前記充填工程において、圧力容器に封入する水にエタノールを2mol%以上10mol%以下添加する請求項2に記載のセルロース系バイオマスの糖化分解方法。
  12. 複数の圧力容器を使用するセルロース系バイオマスの糖化分解方法であって、
    各圧力容器において排出充填工程、昇温工程、分解工程及び降温工程が順次実行され、
    排出充填工程が、降温工程実施後に圧力容器内のスラリーを取り出し、同じ圧力容器にセルロース系バイオマスを粉砕し水と混合したスラリーを充填する工程であり、
    昇温工程が、圧力容器を密閉して昇温する工程であり、
    分解工程が、セルロース系バイオマス中のセルロース及び/又はヘミセルロースを高温高圧水の酸化力によって糖類に分解する工程であり、
    降温工程が、圧力容器内の高温高圧のスラリーをフラッシュ蒸発させることにより、降温する工程であり、
    複数の圧力容器のうち、いずれかの圧力容器において昇温工程が実行されているとき、他のいずれかの圧力容器において降温工程が実行されており、降温工程実行中の圧力容器から排出されるフラッシュ蒸気を昇温工程実行中の圧力容器に供給することにより熱回収する、ことを特徴とするセルロース系バイオマスの糖化分解方法。

  13. 複数の圧力容器を使用するセルロース系バイオマスの糖化分解方法であって、
    各圧力容器において排出充填工程、昇温工程、分解工程及び降温工程が順次実行され、
    排出充填工程が、降温工程実施後に圧力容器内のセルロース系バイオマスの残渣を取り出し、同じ圧力容器にセルロース系バイオマスを充填した通水性容器及び水を封入する工程であり、
    昇温工程が、圧力容器を密閉して昇温する工程であり、
    分解工程が、セルロース系バイオマス中のセルロース及び/又はヘミセルロースを高温高圧水の酸化力によって糖類に分解する工程であり、
    降温工程が、圧力容器内の高温高圧水をフラッシュ蒸発させることにより、降温する工程であり、
    複数の圧力容器のうち、いずれかの圧力容器において昇温工程が実行されているとき、他のいずれかの圧力容器において降温工程が実行されており、降温工程実行中の圧力容器から排出されるフラッシュ蒸気を昇温工程実行中の圧力容器に供給することにより熱回収する、ことを特徴とするセルロース系バイオマスの糖化分解方法。

  14. 前記4工程がすべて同じ所要時間であり、使用する圧力容器の数が4の倍数である請求項12又は13に記載のセルロース系バイオマスの糖化分解方法。
  15. 前記分解工程以外の3工程がすべて同じ所要時間で、かつ、前記分解工程の所要時間がそれ以外の3工程の所要時間のn倍(nは自然数)であり、使用する圧力容器の数が(3+n)の倍数台である請求項12又は13に記載のセルロース系バイオマスの糖化分解方法。
  16. 前記分解工程の温度が140℃以上180℃以下であり、ヘミセルロースを糖類に分解する請求項12に記載のセルロース系バイオマスの糖化分解方法。
  17. 前記分解工程の温度が140℃以上180℃以下であり、ヘミセルロースを糖類に分解する請求項13に記載のセルロース系バイオマスの糖化分解方法。
  18. 前記排出充填工程で生じたスラリーを固液分離し、ヘミセルロースが分解し水に溶解した後の固体分をスラリーとし、固液分離後のスラリーを前記排出充填工程に再び供すると共に、前記分解工程の温度を240℃以上280℃以下とすることにより、セルロースを糖類に分解する請求項16に記載のセルロース系バイオマスの糖化分解方法。
  19. 前記排出工程後の通水性容器を前記充填工程に供すると共に、前記分解工程の温度を240℃以上280℃以下とすることにより、セルロースを糖類に分解する請求項17に記載のセルロース系バイオマスの糖化分解方法。
  20. 前記分解工程の温度が240℃以上280℃以下であり、セルロースを糖類に分解する請求項12又は13に記載のセルロース系バイオマスの糖化分解方法。
  21. 前記排出充填工程において、原料スラリーにエタノールを2mol%以上10mol%以下添加する請求項12に記載のセルロース系バイオマスの糖化分解方法。
  22. 前記排出充填工程において、圧力容器に封入する水にエタノールを2mol%以上10mol%以下添加する請求項13に記載のセルロース系バイオマスの糖化分解方法。
  23. 複数の圧力容器を備えるセルロース系バイオマスの糖化分解装置であって、
    セルロース系バイオマスを粉砕し水と混合したスラリーを圧力容器に充填する充填工程と、
    圧力容器を密閉して昇温する昇温工程と、
    セルロース系バイオマス中のセルロース及び/又はヘミセルロースを高温高圧水の酸化力によって糖類に分解する分解工程と、
    圧力容器内の高温高圧スラリーをフラッシュ蒸発させることにより、降温する降温工程と、
    圧力容器内のスラリーを取り出す排出工程とが各圧力容器において順次実行され、
    複数の圧力容器のうち、いずれかの圧力容器において充填工程が実行されているとき、他のいずれかの圧力容器において排出工程が実行されており、充填工程実行中の圧力容器に充填されるスラリーと排出工程実行中の圧力容器から排出されるスラリーとの間で熱交換し、
    複数の圧力容器のうち、いずれかの圧力容器において昇温工程が実行されているとき、他のいずれかの圧力容器において降温工程が実行されており、降温工程実行中の圧力容器から排出されるフラッシュ蒸気を昇温工程実行中の圧力容器に供給することにより熱回収 する、ことを特徴とするセルロース系バイオマスの糖化分解装置。

  24. 複数の圧力容器を備えるセルロース系バイオマスの糖化分解装置であって、
    セルロース系バイオマスを充填した通水性容器及び水を圧力容器に封入する充填工程と、
    圧力容器を密閉して昇温する昇温工程と、
    セルロース系バイオマス中のセルロース及び/又はヘミセルロースを高温高圧水の酸化力によって糖類に分解する分解工程と、
    圧力容器内の高温高圧水をフラッシュ蒸発させることにより、降温する降温工程と、
    圧力容器内のセルロース系バイオマスの残渣を取り出す排出工程とが各圧力容器において順次実行され、
    複数の圧力容器のうち、いずれかの圧力容器において充填工程が実行されているとき、他のいずれかの圧力容器において排出工程が実行されており、充填工程実行中の圧力容器に充填される水と排出工程実行中の圧力容器から排出される高温水との間で熱交換し、
    複数の圧力容器のうち、いずれかの圧力容器において昇温工程が実行されているとき、他のいずれかの圧力容器において降温工程が実行されており、降温工程実行中の圧力容器から排出されるフラッシュ蒸気を昇温工程実行中の圧力容器に供給することにより熱回収 する、ことを特徴とするセルロース系バイオマスの糖化分解装置。
  25. 前記5工程がすべて同じ所要時間であり、使用する圧力容器の数が5の倍数である請求項23又は24に記載のセルロース系バイオマスの糖化分解装置。
  26. 前記分解工程以外の4工程がすべて同じ所要時間で、かつ、前記分解工程の所要時間がそれ以外の4工程の所要時間のn倍(nは自然数)であり、使用する圧力容器の数が(4+n)の倍数台である請求項23又は24に記載のセルロース系バイオマスの糖化分解装置。
  27. 複数の圧力容器を備えるセルロース系バイオマスの糖化分解装置であって、
    降温工程実施後のスラリーを圧力容器から取り出し、同じ圧力容器にセルロース系バイオマスを粉砕し水と混合したスラリーを充填する排出充填工程と、
    圧力容器を密閉して昇温する昇温工程と、
    セルロース系バイオマス中のセルロース及び/又はヘミセルロースを高温高圧水の酸化力によって糖類に分解する分解工程と、
    圧力容器内の高温高圧スラリーをフラッシュ蒸発させることにより、降温する降温工程とが各圧力容器において順次実行され、
    複数の圧力容器のうち、いずれかの圧力容器において昇温工程が実行されているとき、他のいずれかの圧力容器において降温工程が実行されており、降温工程実行中の圧力容器から排出されるフラッシュ蒸気を昇温工程実行中の圧力容器に供給することにより熱回収 する、ことを特徴とするセルロース系バイオマスの糖化分解装置。
  28. 複数の圧力容器を備えるセルロース系バイオマスの糖化分解装置であって、
    降温工程実施後のセルロース系バイオマスの残渣を圧力容器から取り出し、同じ圧力容器にセルロース系バイオマスを充填した通水性容器及び水を封入する排出充填工程と、
    圧力容器を密閉して昇温する昇温工程と、
    セルロース系バイオマス中のセルロース及び/又はヘミセルロースを高温高圧水の酸化力によって糖類に分解する分解工程と、
    圧力容器内の高温高圧水をフラッシュ蒸発させることにより、降温する降温工程とが各圧力容器において順次実行され、
    複数の圧力容器のうち、いずれかの圧力容器において昇温工程が実行されているとき、他のいずれかの圧力容器において降温工程が実行されており、降温工程実行中の圧力容器から排出されるフラッシュ蒸気を昇温工程実行中の圧力容器に供給することにより熱回収 する、ことを特徴とするセルロース系バイオマスの糖化分解装置。
  29. 前記4工程がすべて同じ所要時間であり、使用する圧力容器の数が4の倍数である請求項27又は28に記載のセルロース系バイオマスの糖化分解装置。
  30. 前記分解工程以外の3工程がすべて同じ所要時間で、かつ、前記分解工程の所要時間がそれ以外の3工程の所要時間のn倍(nは自然数)であり、使用する圧力容器の数が(3+n)の倍数台である請求項27又は28に記載のセルロース系バイオマスの糖化分解装置。
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