JP4726035B2 - バイオマスを原料とする糖類および固形燃料の製造方法 - Google Patents

バイオマスを原料とする糖類および固形燃料の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、バイオマスを原料として、糖類および固形燃料を製造する方法に関するものである。
林地残材、建築廃材、稲わら、籾殻、家畜屎尿、厨芥、下水汚泥などの廃棄物系バイオマスを原料としてエネルギー転換利用する技術は、処分場不足対策、循環型社会構築の観点から多数提案されている。
上記バイオマスを利用したエネルギー転換技術の一つに、植物由来のバイオマスを原料として糖類や燃料を取り出す技術があり、例えば、(1)酸加水分解法、(2)酵素糖化法、(3)亜臨界水および超臨界水処理法などが提案されている。
上記(1)酸加水分解法は、硫酸、塩酸、有機酸、亜硫酸などを用いて、バイオマスを可溶化および加水分解し糖類を得る方法である。この酸加水分解法は、150〜200℃と比較的低温度で反応が進行し、また反応装置も単純であるというメリットを有しているが、酸を用いる反応であるため装置の腐食が著しく、反応後、酸の回収が困難であるといった問題が存在する。
また、(2)酵素糖化法は、酵素によってバイオマスを加水分解して糖類を得る方法である。かかる方法は薬品を使用しないため環境に対する負荷が小さく有用であるが、反応が完了するまでに長時間を要するといった問題がある。
上記(3)亜臨界水および超臨界水処理法は、バイオマスを、亜臨界あるいは超臨界状態の水に接触させることにより加水分解を行い、糖類などを得る方法である。例えば特許文献1には、セルロース粉末を亜臨界状態の水と接触させて加水分解して水溶性オリゴ糖類を得た後、さらにこのオリゴ糖を酵素分解することにより単糖類を得る方法が開示されている。このように、亜臨界水および超臨界水処理法は、溶媒に水を使用するため環境に対する負荷が小さく、また、短時間で糖類を得ることが可能な優れた方法である。
特開平10−327900号
しかしながら、亜臨界水および超臨界状態の水の性質を利用するには、まず、水にバイオマスを懸濁させスラリー化する必要がある。このとき、使用するバイオマスの種類によっては多量の水が必要となることがあり、この水を亜臨界あるいは超臨界状態とするために多大なエネルギーを投入しなければならなくなって、バイオマス処理コストが上昇するといった問題があった。
本発明は、上記事情に着目してなされたものであり、その目的は、高効率且つ低エネルギーでバイオマスから糖類および固形燃料を製造するための方法を提供することにある。
本発明の木質系バイオマスを原料とする、グルコース、セロビオース及びセロトリオースから選ばれる一種以上の糖類の製造方法とは、
大気圧下、100℃未満で、水にバイオマスを加え、1質量%以上5.6質量%以下の濃度に懸濁させて低濃度スラリーとし、この低濃度スラリーを加圧下、攪拌しながら温度100〜250℃に加熱した後、さらにバイオマスを加え、10質量%以上の濃度に懸濁させて前記スラリーを高濃度化するスラリーの高濃度化工程、
前記高濃度スラリーを250〜350℃に加熱し、且つ、圧力を前記温度における水の蒸気圧以上にしてバイオマスを分解し糖類を生成する加水分解工程、
前記加水分解工程を経た高濃度スラリーを冷却する冷却工程、
前記冷却工程で冷却した高濃度スラリーから水溶液を回収する回収工程、および、
前記水溶液から糖類を分離する分離工程、
を設けたところを特徴とするものである。
また、本発明の木質系バイオマスを原料とする固形燃料の製造方法とは、
大気圧下、100℃未満で、水にバイオマスを加え、1質量%以上5.6質量%以下の濃度に懸濁させて低濃度スラリーとし、この低濃度スラリーを加圧下、攪拌しながら温度100〜250℃に加熱した後、さらにバイオマスを加え、10質量%以上の濃度に懸濁させて前記スラリーを高濃度化するスラリーの高濃度化工程、
前記高濃度スラリーを250〜350℃に加熱し、且つ、圧力を前記温度における水の蒸気圧以上にしてバイオマスの加水分解を行う加水分解工程、
前記加水分解工程を経た高濃度スラリーを冷却する冷却工程、
前記冷却工程で冷却した高濃度スラリーから水不溶成分を回収する回収工程、および、
前記水不溶成分を脱水し、固形燃料とする工程を、
設けたところを特徴とするものである。
本発明の方法によれば、従来レベル以上の多量の木質系バイオマスを懸濁させた高濃度スラリーを調製することが可能となったため、これを原料としてエネルギー転換利用する際の投入エネルギー量を顕著に低下させることが可能となった。
また、これまでその大部分が廃棄物として扱われていた木質系バイオマスを原料として、効率良く糖類および固形燃料を得ることが可能となった。
本発明者等は、高温・高圧水を利用してバイオマスを分解しエネルギー等へ転換するに当たって、所定の条件下において、多段階でバイオマスを添加・混合すれば、多量のバイオマスを含む高濃度スラリーを調製することが可能となり、その結果、従来のバイオマスの処理技術に比べて、少ないエネルギー投入量で有用物を生成し得ることを見出し、本発明を完成した。以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に係る糖類の製造方法とは、木質系バイオマスを原料とする、グルコース、セロビオース及びセロトリオースから選ばれる一種以上の糖類の製造方法であって、大気圧下、100℃未満で、水にバイオマスを加え、1質量%以上5.6質量%以下の濃度に懸濁させて低濃度スラリーとし、この低濃度スラリーを加圧下、攪拌しながら温度100〜250℃に加熱した後、さらにバイオマスを加え、10質量%以上の濃度に懸濁させてスラリーを高濃度化するスラリーの高濃度化工程、前記高濃度スラリーを250〜350℃に加熱し、且つ、圧力を前記温度における水の蒸気圧以上にしてバイオマスを分解し糖類を生成する加水分解工程、前記加水分解工程を経た高濃度スラリーを冷却する冷却工程、前記冷却工程で冷却した高濃度スラリーから水溶液を回収する回収工程、および、前記水溶液から糖類を分離する分離工程を含むところに最大の特徴を有するものである。
このようにバイオマスを加水分解するに当たって、バイオマス含量の多い高濃度スラリーを予め調製しておくことで、多量のバイオマスを一時に処理することが可能となるのに加えて、スラリーの媒体である水を亜臨界または超臨界状態へ加熱加圧する際に必要なエネルギー量を顕著に低減することが可能となったのである。
本発明に係る方法で、原料として使用できる木質系バイオマスは木材粉、木材片、チップダスト、のこくず、おがくずなどを使用するのが好ましい。なお、上記木材片としては、例えば建築解体廃棄物や森林伐採時に生じる間伐材、あるいは、公園や街路樹などの剪定枝などが挙げられる。このように本発明によれば、通常であれば廃棄処分される木質系バイオマスを有効活用できるため、処理場等の問題を解決すると共に、エネルギー問題の解決にもつながる
上記バイオマスは、粉砕して用いるのが好ましい。大きさは、タイラー社の標準篩で5メッシュ(4000μm:JIS Z8801の規定)と200メッシュ(74μm)の範囲のものが好ましく、より好ましくは10メッシュ(1680μm)と150メッシュ(105μm)の範囲のもの、さらに好ましくは20メッシュ(840μm)と100メッシュ(149μm)の範囲のものである。本発明者らの知見によれば、バイオマスの大きさが上記に下限として示した篩を通過してしまう程小さい場合には、機械的な粉砕が困難になる傾向があり、一方上記上限よりも大きい場合には、バイオマスと水との接触面積が小さくなり、結果として糖類の収率が低下する傾向がある。
本発明法では、まず、上記バイオマスと水とを混合して低濃度スラリーを調製する。このときに用いる木材の使用量は、木材の種類、また使用する水の量など、処理時の条件によって適宜決定すればよい。しかし、上述したように一時に多量の木材をスラリー化することは困難であるため、スラリーの状態を見ながら、攪拌可能な範囲で添加するのが好ましく、一応の目安としては、使用する水の量に対して1質量%以上、より好ましくは5質量%以上である。
低濃度スラリーを調製する際に用いる水は、後述するような高温・高圧状態であってもよく、また、常温・常圧状態であってもよい。バイオマスの添加作業が簡便であり、省エネの点からは、100℃未満の常圧下で低濃度スラリーを調製するのが好ましい。
次いで、上記低濃度スラリーにさらにバイオマスを添加して高濃度スラリーを調製する(高濃度化工程)。バイオマスの添加は、低濃度スラリーを昇温・昇圧した後に行うのが好ましい。この際、前記低濃度スラリーの温度は、100℃以上、250℃以下とするのが好ましい。より好ましくは、150℃以上、200℃以下である。上記温度未満では、バイオマスと水との反応が有効に生じず、スラリーの高濃度化が進行し難いからである。一方、上記温度より高い場合には、原料であるバイオマスの分解が進みすぎて、最終的に糖類の回収率が低下する傾向がある。
スラリーを高濃度化する際の圧力は、処理温度における水の蒸気圧以上とするのが好ましい。圧力が蒸気圧未満では液相部が形成されず、バイオマスの分散および可溶化が進まないからである。例えば、前記スラリーの温度を100℃とする場合であれば、圧力は0.11MPa以上とするのが好ましく,150℃であれば0.5MPa以上,200℃であれば1.6MPa以上,250℃であれば4.0MPa以上とするのが好ましい。尚、圧力の上限は特に限定されず、使用する設備等を考慮して適宜設定すればよい。なお、ポンプなどの装置に対する負荷を低減する観点からは、上記それぞれの温度における下限値に近い圧力を採用するのが好ましい。
このとき添加するバイオマスの量は、使用する水の量に対して1質量%以上、より好ましくは5質量%以上である。
上述のようにして高濃度化された高濃度スラリー中のバイオマス含有量は、10質量%以上であるのが好ましく、より好ましくは13質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上、さらに20質量%以上であるのが望ましい。バイオマス含有量が上記下限より少ない場合には、従来の方法での処理が可能であり、また、高効率且つ低コストで糖を得るといった本発明を適用する意義が見出せないからである。なお、バイオマスの含有量の上限は、スラリー状態を保てる程度であれば特に限定されない。
なお、上記説明では、2段階でバイオマスを添加しスラリーを高濃度化する方法について述べたが、本発明は上記記載には限定されず、3段階以上の多段階でバイオマスを増量し、高濃度スラリーとする場合にも適用することができる。
ついで、上述のようにして調製した高濃度スラリーを高温・高圧状態とし、バイオマスの加水分解を行う(加水分解工程)。加水分解処理は、加圧下、250℃以上、350℃以下で行うのが好ましい。温度が上記上限値よりも高い場合には、バイオマスの分解よりも、加水分解反応により生成した糖類などの熱分解が主となり、目的物である糖類の収量が低減するからである。一方、温度が前記下限値よりも低い場合には、加水分解反応が進行し難い傾向がある。
加水分解時の圧力は、反応時の温度における蒸気圧以上とするのが好ましい。圧力が、当該温度における上記蒸気圧に満たない場合には、液相を保持することが困難だからである。例えば、反応時の水の温度が250℃であれば、圧力を4.0MPa以上とすればよく、また350℃であれば、圧力を16.6MPa以上とすればよい。
上記加水分解反応は、30分未満で行うのが好ましい。
前記高濃度スラリーは加水分解反応の終了後、100℃以下(好ましくは30〜70℃)に急冷するのが好ましい(冷却工程)。高温状態のスラリーを急冷することによって、前記加水分解工程で生成した糖類が、予熱でさらに分解されるのを防ぐことができる。
次いで、冷却された高濃度スラリーから水溶液を回収する(回収工程)。回収された水溶液には、前記加水分解工程で生成された糖などの成分が含まれている。ここで回収された水溶液は、さらに固体成分と液体成分とに分離され、液体成分から糖類が得られる。
以上、本発明に係る糖類を製造する方法について述べたが、本発明は、糖類を得ると同時に、固形燃料を得ることも目的としている。すなわち、本発明に係る固形燃料の製造方法とは、上記糖類の製造方法の場合と同様、木質系バイオマスを原料とする固形燃料の製造方法であって、大気圧下、100℃未満で、水にバイオマスを加え、1質量%以上5.6質量%以下の濃度に懸濁させて低濃度スラリーとし、この低濃度スラリーを加圧下、攪拌しながら温度100〜250℃に加熱した後、さらにバイオマスを加え、10質量%以上の濃度に懸濁させて前記スラリーを高濃度化するスラリーの高濃度化工程、前記高濃度スラリーを250〜350℃に加熱し、且つ、圧力を前記温度における水の蒸気圧以上にしてバイオマスの加水分解を行う加水分解工程、前記加水分解工程を経た高濃度スラリーを冷却する冷却工程、前記冷却工程で冷却した高濃度スラリーから水不溶成分を回収する回収工程、および、前記水不溶成分を脱水し、固形燃料とする工程を、
設けたところを特徴とするものである。バイオマスを原料とし、これを水に懸濁させた高濃度スラリーを調製した後に、加水分解反応を行う。そして、加水分解工程を経た高濃度スラリーから水不溶成分を回収し、これを固形燃料とするものである。この水不溶成分は、その後、脱水工程へと送られ、含水量を十分に低減した後に、固形燃料として用いることができる。このとき得られる水不溶成分は、原料であるバイオマスに比べて含水量が低下されており、高い発熱量を有するため、石炭代替材料としても使用可能なものであり、高炉への吹き込み用の固形燃料や、発電などに使用する水蒸気ボイラー用の固形燃料としても有用である。
次に、本発明の方法を実施する装置について説明する。図1に、本発明に係る糖類または固形燃料の製造方法を実施する装置の一例を示す装置図を示す。
まず、図1中、スラリー製造器11において、上記バイオマスと水とを混合し、低濃度スラリーを調製した後、さらにバイオマスを添加して高濃度スラリーを調製する。得られた高濃度スラリーは、スラリー製造器11から排出され、高圧ポンプ12により加熱反応器13へと供給される。このとき、高濃度スラリーは、高濃度化工程における温度・圧力を保持したまま、加熱反応器13へと供給してもよく、また、一度冷却した後、加熱反応器13へと供給してもよい。しかしながら、より少ないエネルギー投入量で糖類などを得る観点からは、高濃度化工程における温度を保持したまま、加水分解を行う加熱反応器へと供給するのが好ましい。
加熱反応器13はスラリーの導入および排出が可能に構成されており、また、加水分解処理に適した温度にまで高めるためのヒーター14が備えられている。この加熱反応器13に供給された高濃度スラリーは、加熱反応器13内で所定の温度・圧力にまで高められ、バイオマスの加水分解反応が行われる。なお、反応時の温度制御は、前記ヒーター14により行い、圧力の制御は、前記スラリー製造器11と加熱反応器13との間に設けられた高圧ポンプ12と、後述する固液分離フィルター18と気液分離器20との間に設けられた圧力保持バルブ19により行う。すなわち、加水分解反応を行う場合には、圧力保持バルブ19で反応圧力を設定すると共に、高圧ポンプ12によって加熱反応器13内を昇圧し、高濃度スラリーをヒーター14で加熱し、加熱反応器13内が、上記温度における水の蒸気圧以上となるように制御すればよい。
反応終了後、高濃度スラリーは加熱反応器13から排出され、冷却ユニット17が取り付けられた熱交換器16へと送られ、100℃以下にまで冷却される。加水分解処理直後に急冷することにより、加水分解生成物(オリゴ糖や単糖)が予熱によってさらに分解されるのを抑制することができる。またこのとき回収された熱は、前記加熱反応器13や、スラリー製造器11における昇温過程で再利用することができる。
次いで、冷却された前記高濃度スラリーを、熱交換器16の下流側に設けられた固液分離フィルター18で、水溶液と水不溶成分とに分離する。このとき使用するフィルターは、複数個、並列して配置してもよい。複数個のフィルターを使用する場合、一方のフィルターには生成液を流して水不溶成分を分離すると共に、他方のフィルターでは分離した水不溶成分を回収するようにすれば、連続的に処理を行うことができる。
尚、上述のフィルターは、本発明の方法を実施する上で必須のものではなく、上記フィルターに代えて、圧力保持バルブ19の下流側にタンク(図示せず)を備え、ここで、加水分解工程を経た高濃度スラリーを脱水機(例えば、ろ過機、フィルタープレス、ベルトプレス、遠心脱水機など)などを使って、液体成分と脱水された水不溶成分とに分離することもできる。
水不溶成分と分離された水溶液は、圧力保持バルブ19を通過して、気液分離器20へと送られる。上記水溶液は、圧力保持バルブ19を通過する際、大気圧にまで急激に減圧されるため、それまで水溶液中に溶存していた低沸点成分が気化しガスとして表れる。これらの水溶液とガス成分とは、気液分離器20において、分離され、ガスはガスバッグ22に、液体成分は液回収部21にそれぞれ回収される。
尚、液回収部21に回収された液体成分は、加水分解生成物が水で希釈された状態であるので、逆浸透膜などにより、有用成分を濃縮するのが好ましい。
一方、上記固液分離フィルター18で分離された水不溶成分は、脱水された後、固体燃料として使用することができる。この固体燃料は、原料であるバイオマスに比べて、含水率が低く、また、発熱量が高くなっているため、石炭のように発電などの水蒸気ボイラーや高炉吹込み用の燃料として利用することができる。
以下、実験例によって本発明をさらに詳述するが、下記実験例は本発明を制限するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することはすべて本発明の技術範囲に包含される。以下、「部」とあるのは、質量部を意味する。
〔実験例1〕
温度25℃の条件下、図1に示した装置のスラリー製造器11に、水:100部、バイオマスとして木粉:6部(60〜80メッシュの範囲、種類:スギ)を混合し低濃度スラリーを調製した(バイオマス濃度:5.6質量%)。この低濃度スラリーを、加圧下(2MPa)、温度200℃まで昇温し10分間加熱処理した。その後、さらに木粉6部をスラリー製造器11へ加え、スラリーを高濃度化した(バイオマス濃度:10.7質量%)。
次いで、上記高濃度スラリーを加圧下(圧力:10MPa)、温度300℃に保持した管型反応器13に連続的に供給し、木粉の加水分解を行った(平均滞留時間:10分)。
次いで、上記糖類を含有するスラリーを熱交換器16により60℃まで冷却した後、該スラリーを固液分離フィルター18によって、糖類を溶解した水溶液と水不溶成分に分離した。得られた水溶液を少量採取し、高速液体クロマトグラフィーによって分析したところ、木材の構成成分であるセルロースおよび/またはヘミセルロースが加水分解され、グルコースやセロビオースなどの糖類が生成していることが確認できた。
グルコース 1.1部
セロビオース 0.5部
セロトリオース 0.4部
また、得られた水不溶成分を脱水し、成型して固形燃料とした。得られた固形燃料の発熱量を以下の方法で測定した。
熱量測定装置を使用した。酸素を圧入した耐圧製の密閉容器の中で、秤量した固形燃料を燃焼させ、その際に発生する熱量を一定量の水に伝え、その水の温度上昇を測定し、固形燃料1kg当たりの発熱量(J)を求めた。
(処理温度:300℃、固形燃料発熱量:2.80×107J/kg)。
〔実験例2〕
上記実施例1と同様にして調製した高濃度スラリー(バイオマス濃度:10.7質量%)を、加圧下(圧力:17MPa)、温度350℃に保持した管型反応器13に連続的に供給し、木粉の加水分解を行った(平均滞留時間3分間)。
反応終了後、得られた反応液を熱交換器16により60℃まで冷却した後、該スラリーを固液分離フィルター18によって、糖類を溶解した水溶液と水不溶成分に分離した。得られた水溶液を少量採取し上記実験例1と同様の方法で分析した。結果を以下に示す。
グルコース 1.3部
セロビオース 0.4部
セロトリオース 0.2部
また、得られた水不溶成分を、脱水し、成型して固形燃料とし、この固形燃料の発熱量を測定した(処理温度:350℃、固形燃料発熱量:2.92×107J/kg)。
実験例1および2の結果より、本発明に係る方法によれば、スラリーを高濃度化でき、極めて効率よく糖類と固形燃料が製造できることがわかる。
本発明の方法を実施する装置の一例を示す装置図である。
符号の説明
11 スラリー製造器
12 高圧ポンプ
13 反応器
14 ヒーター
16 熱交換器
17 冷却ユニット
18 固液分離フィルター
19 圧力保持バルブ
20 気液分離器
21 液回収部
22 ガスバッグ

Claims (2)

  1. 木質系バイオマスを原料とする、グルコース、セロビオース及びセロトリオースから選ばれる一種以上の糖類の製造方法であって、
    大気圧下、100℃未満で、水にバイオマスを加え、1質量%以上5.6質量%以下の濃度に懸濁させて低濃度スラリーとし、この低濃度スラリーを加圧下、攪拌しながら温度100〜250℃に加熱した後、さらにバイオマスを加え、10質量%以上の濃度に懸濁させて前記スラリーを高濃度化するスラリーの高濃度化工程、
    前記高濃度スラリーを250〜350℃に加熱し、且つ、圧力を前記温度における水の蒸気圧以上にしてバイオマスを分解し糖類を生成する加水分解工程、
    前記加水分解工程を経た高濃度スラリーを冷却する冷却工程、
    前記冷却工程で冷却した高濃度スラリーから水溶液を回収する回収工程、および、
    前記水溶液から糖類を分離する分離工程を含むことを特徴とする糖類の製造方法。
  2. 木質系バイオマスを原料とする固形燃料の製造方法であって、
    大気圧下、100℃未満で、水にバイオマスを加え、1質量%以上5.6質量%以下の濃度に懸濁させて低濃度スラリーとし、この低濃度スラリーを加圧下、攪拌しながら温度100〜250℃に加熱した後、さらにバイオマスを加え、10質量%以上の濃度に懸濁させて前記スラリーを高濃度化するスラリーの高濃度化工程、
    前記高濃度スラリーを250〜350℃に加熱し、且つ、圧力を前記温度における水の蒸気圧以上にしてバイオマスの加水分解を行う加水分解工程、
    前記加水分解工程を経た高濃度スラリーを冷却する冷却工程、
    前記冷却工程で冷却した高濃度スラリーから水不溶成分を回収する回収工程、および、
    前記水不溶成分を脱水し、固形燃料とする工程を含むことを特徴とする固形燃料の製造方法。
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