JP2003218431A - 磁気トンネル接合素子の製法 - Google Patents

磁気トンネル接合素子の製法

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JP2003218431A JP2002011281A JP2002011281A JP2003218431A JP 2003218431 A JP2003218431 A JP 2003218431A JP 2002011281 A JP2002011281 A JP 2002011281A JP 2002011281 A JP2002011281 A JP 2002011281A JP 2003218431 A JP2003218431 A JP 2003218431A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気トンネル接合素子(TMR素子)の製法
において、製造歩留りを向上させる。 【解決手段】 基板20の絶縁膜22上に下から順に第
1の導電材層、反強磁性層、第1の強磁性層、トンネル
バリア層、第2の強磁性層及び第2の導電材層を形成し
た後、第1の強磁性層(又は反強磁性層)から第2の導
電材層までの積層に選択エッチング処理を施して分離溝
38を形成する。溝38の側壁から堆積物を除去した
後、溝38で分離された磁気トンネル接合部を覆って保
護用絶縁膜を形成し、この絶縁膜と第1の導電材層及び
反強磁性層の積層(又は第1の導電材層の単層)とにレ
ジスト層42a,42bを選択マスクとする選択エッチ
ング処理を施して分離溝44を形成し、磁気トンネル接
合部に対応したTMR素子Ta〜Tcを得る。各TMR
素子において、トンネルバリア層の端部が40a等の絶
縁材で覆われるため、電気的な短絡やリーク等を防止で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、磁気センサ等に
用いられる磁気トンネル接合素子の製法に関するもので
ある。この後の説明では、磁気トンネル接合素子をTM
R素子と略記する。
【0002】
【従来の技術】従来、複数のTMR素子を備えた磁気セ
ンサの製法としては、図18〜23に示すものが提案さ
れている(例えば、本願と同一出願人の出願に係る特願
平11−368776号参照)。
【0003】図18の工程では、シリコン基板1の表面
を覆う酸化シリコン膜2の上に下電極層としてのCr層
3と、反強磁性層としてのRh−Mn合金層4と、下強
磁性層としてのNi−Fe合金層5とを順次に重ねてス
パッタ法で形成した後、Ni−Fe合金層5の上にAl
層を形成して酸化することによりトンネルバリア層とし
てのアルミナ層6を形成し、アルミナ層6の上に上強磁
性層としてのNi−Fe合金/Co積層(Coが下層)
7と、上電極層としてのMo層8とを順次に重ねてスパ
ッタ法で形成する。Mo層8の上には、それぞれ図13
の26a,26bに示すような四辺形状のパターンを有
するレジスト層9a,9bを周知のホトリソグラフィ処
理により形成する。
【0004】次に、図19の工程では、レジスト層9
a,9bをマスクとする選択的イオンミリング処理によ
り層3〜8の積層に分離溝10を酸化シリコン膜2に達
するように形成することにより該積層を層3〜8の部分
3a〜8aからなる第1の積層部分と層3〜8の部分3
b〜8bからなる第2の積層部分とに分離する。この
後、レジスト層9a,9bを除去する。
【0005】図19のイオンミリング工程では、図24
に示したように分離溝10の側壁に側壁堆積膜DP
形成される。側壁堆積膜DPは、レジスト層9a,9
bがイオンミリングにより削られて生ずるレジスト変性
成分(有機物)を多量に含むもので、その他にも層3a
〜5a,7a,8aの金属成分や酸化シリコン膜2の構
成成分等を含んでいる。
【0006】図19のレジスト除去工程では、レジスト
層9a,9bに対してOプラズマによるアッシング処
理を施した後、有機剥離液を用いて剥離処理を施す。し
かし、このような処理を施しても、側壁堆積膜DP
完全に除去するのは困難であり、しかもレジスト残渣R
,Rが残留する。レジスト残渣R,Rは、レジ
スト層9a,9bに由来するレジスト変性成分の他に、
金属成分やSiO等の成分を含んでいるため、有機溶
媒等を用いるレジスト除去処理によって完全に除去する
のが困難である。
【0007】図20の工程では、図19の工程で得られ
た第1及び第2の積層部分の上にそれぞれレジスト層9
c,9d及びレジスト層9eをホトリソグラフィ処理に
より形成する。レジスト層9c,9d,9eのパターン
は、図13のTa,Tb,Tcに示すような四辺形状の
パターンとする。
【0008】図21の工程では、レジスト層9c〜9e
をマスクとする選択的イオンミリング処理(又は選択的
ウエットエッチング処理)により第1及び第2の積層部
分に分離溝12を層部分4a,4bに達するように形成
することによりTMR素子Ta,Tb,Tcを得る。T
MR素子Taは、分離溝10で囲まれた層3,4の部分
3a,4aと分離溝12で囲まれた層5〜8の部分5a
〜8aとの積層からなり、TMR素子Tbは、分離
溝10で囲まれた層3,4の部分3a,4aと分離溝1
2で囲まれた層5〜8の部分5a〜8aとの積層か
らなる。層部分3a,4aの積層は、TMR素子Ta,
Tbに共通の電極層であり、TMR素子Ta,Tbを相
互接続している。TMR素子Tcは、分離溝10で層部
分3a、4aから分離された層3,4の部分3b,4b
と分離溝12で囲まれた層5〜8の部分5b〜8bとの
積層からなる。イオンミリング処理の後、レジスト層9
c〜9eを除去する。
【0009】図21のイオンミリング工程では、図19
の工程に関して前述したと同様にして図25に示すよう
に分離溝10,12の側壁に側壁堆積膜DP,DP
が形成される。そして、図21のレジスト除去工程で
は、図19の工程に関して前述したと同様にしてアッシ
ング処理及び有機剥離液処理を行なうが、このようにし
ても、側壁堆積膜DP,DPを完全に除去するのが
困難であり、しかもレジスト残渣R〜Rが残留す
る。側壁堆積膜DP,DPは、レジスト層9c〜9
eがイオンミリングにより削られて生ずるレジスト変性
成分(有機物)を多量に含むもので、その他にも層3a
〜5a,7a、8aの金属成分及び酸化シリコン膜2の
構成成分等を含んでおり、特に酸化シリコン膜2の構成
成分を含むことでレジスト除去工程での除去が困難にな
っている。レジスト残渣R〜Rは、レジスト層9c
〜9eに由来するレジスト変性成分を主体とするもので
ある。なお、図21のレジスト除去工程では、分離溝1
2の側壁において側壁堆積膜DPがない個所にレジス
ト残渣が残留することもある。
【0010】図22の工程では、TMR素子Ta〜Tc
及び分離溝10,12を覆って基板上面にスパッタ法に
より層間絶縁膜としての酸化シリコン膜13を形成す
る。そして、選択的イオンミリング処理によりTMR素
子Ta〜TcのMo層8a,8a,8bにそれぞれ
対応する接続孔13a〜13cを酸化シリコン膜13に
形成する。
【0011】図23の工程では、酸化シリコン膜13の
上に接続孔13a〜13cを覆ってAlをスパッタ法で
被着した後、その被着層を選択的イオンミリング処理に
よりパターニングして配線層としてのAl層14a,1
4bを形成する。Al層14aは、接続孔13aを介し
てTMR素子TaのMo層8aに接続され、Al層1
4bは、接続孔13b,13cを介してTMR素子T
b,TcのMo層8a,8bを相互接続する。この結
果、TMR素子Ta〜Tcは、直列接続されたことにな
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来技術によ
ると、次の(a),(b)のような問題点がある。
【0013】(a)分離溝12の側壁に側壁堆積膜DP
やレジスト残渣が残留すると、トンネルバリア層6a
の上下の金属層間で電気的な短絡やリークが生ずる原因
となり、歩留りの低下や素子特性の劣化を招く。また、
図24,25に示したようにレジスト残渣R〜R
残留すると、パーティクル発生の原因となり、歩留りの
低下を招く。
【0014】(b)図21のイオンミリング工程で分離
溝12を形成する際に分離溝10の底部で酸化シリコン
膜がエッチングされるため、分離溝10の深さDがエッ
チング分だけ増大し、分離溝10の段差が急峻となる。
このため、図22の工程でスパッタ法により酸化シリコ
ン膜13を形成すると、分離溝10の開口端近傍で膜欠
陥が生じやすく、図23の工程でAl層14bを形成す
ると、Al層14bと層部分4aとが膜欠陥を介して短
絡する不良を生ずることがある。なお、スパッタ法に比
べて段差被覆性が良好なCVD(ケミカル・ベーパー・
デポジション)法は、膜欠陥は生じないものの、400
℃程度の処理となり、TMR素子が高温に弱いため、酸
化シリコン膜13の形成に適していない。
【0015】上記(a)の問題点に対処する方法として
は、酸又はアルカリ等の溶液により側壁堆積膜やレジス
ト残渣を除去する処理が考えられる。しかし、このよう
な処理は、極めて薄いトンネルバリア層にダメージを与
えたり、トンネルバリア層の上下の金属層をエッチング
して形状悪化を招いたりするので、得策でない。また、
レジスト変性成分を含む側壁堆積膜を有機溶媒等を用い
て除去する処理では、人体や環境に有害な物質を使用し
なければならず、有機廃液の処理のためにコスト上昇を
招く。
【0016】上記(a)の問題点に関してTMR素子の
リーク電流を低減する方法としては、磁気トンネル接合
積層を選択的イオンミリング処理によりパターニングし
てTMR素子を形成する際に酸化性又は窒化性雰囲気中
でイオンミリングを行なうことによりTMR素子の側壁
に酸化物又は窒化物からなる絶縁層を形成するものが知
られている(例えば、特開2001−52316号公報
参照)。このようなイオンミリング処理を図21の工程
で採用した場合、エッチング終点の検出に困難を伴うと
いう問題点がある。すなわち、図21のイオンミリング
処理では、エッチング終点検出法としてプラズマ発光測
定法を用いることが多い。この方法を用いた場合、反強
磁性層としてのRh−Mn合金層4a,4bの構成原子
に基づく発光を検出してイオンミリングを停止する。酸
化性又は窒化性雰囲気中でイオンミリングを行なう場
合、酸素又は窒素を含まない雰囲気中でイオンミリング
を行なう場合に比べてエッチレートが低下するため、単
位時間当りの励起原子の発生量が減少し、発光検出に必
要な信号強度が低下する。このため、エッチング終点の
検出精度が低下し、アンダーエッチングによりTMR素
子Tb,Tc間の短絡を招いたり、オーバーエッチング
によりTMR素子Ta,Tb間で接続抵抗の増大(更に
は断線)を招いたりする。その上、図21の工程の前に
分離溝10を形成しておくと、図21の工程においてR
h−Mn合金層4a,4bの露出面積が分離溝10に相
当する分だけ減少するため、発光検出に必要な信号強度
は更に低下することになる。従って、エッチング終点の
検出が一層困難となり、アンダーエッチング又はオーバ
ーエッチングが一層発生しやすくなる。
【0017】上記(b)の問題点に対処する方法として
は、図21対応のイオンミリング工程の後、図19対応
のイオンミリング工程を実施する方法が提案されている
(例えば、本願と同一出願人の出願に係る特願2001
−288809号参照)。この方法によれば、分離溝1
2を形成した後、分離溝10を形成することになるの
で、分離溝10の段差を低くすることができ、層間絶縁
膜(酸化シリコン膜13に対応)の膜欠陥に基づく配線
の短絡不良を防止することができる。また、図21対応
のイオンミリング工程において分離溝10がない分だけ
発光検出に必要な信号強度を増大させることができる。
【0018】しかしながら、イオンミリングの選択マス
クとしてレジスト層(レジスト層9a〜9eに対応)を
用いるので、上記(a)と同様の問題点を免れない。例
えば、図21対応のイオンミリング工程では、図25に
示すように分離溝12の側壁に側壁堆積膜DPが形成
されたり、図21対応のレジスト除去工程では、側壁堆
積膜DPやレジスト残渣R〜Rが残留したりす
る。また、図19対応のイオンミリング工程に先立って
選択マスクとしてのレジスト層を形成する工程では、分
離溝12の側壁にレジスト等が付着して汚染を招くこと
がある。さらに、図19対応のイオンミリング工程で
は、図25に示すように分離溝10の側壁に側壁堆積膜
DPが形成されたり、図19対応のレジスト除去工程
では、側壁堆積膜DPやレジスト残渣Rが残留した
り、分離溝12の側壁において側壁堆積膜DPがない
個所にレジスト残渣が残留したりする。従って、トンネ
ルバリア層6aの上下の金属層間で電気的な短絡やリー
クが起こりやすい。
【0019】この発明の目的は、上記のような問題点を
解決し、高い製造歩留りを得ることができる新規なTM
R素子の製法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】この発明に係るTMR素
子の製法は、基板の絶縁性の一主面に導電材層を介して
磁気トンネル接合積層を形成する工程であって、前記導
電材層の上に下から順に反強磁性層、第1の磁性層、ト
ンネルバリア層及び第2の磁性層を重ねて前記磁気トン
ネル接合積層を形成するものと、前記磁気トンネル接合
積層に所望の素子パターンに従って第1の選択エッチン
グ処理を施して前記磁気トンネル接合積層を前記反強磁
性層に達するまでエッチングすることにより前記第1の
磁性層、前記トンネルバリア層及び前記第2の磁性層の
各々の残存部分からなる磁気トンネル接合部を形成する
工程と、前記磁気トンネル接合部において前記トンネル
バリア層の端部に前記第1の選択エッチング処理の際に
堆積した堆積物を除去する工程と、前記堆積物を除去し
た後、前記磁気トンネル接合部と前記反強磁性層の露呈
部とを覆って保護用絶縁膜を形成する工程と、前記磁気
トンネル接合部と前記反強磁性層の露呈部とを所望の電
極パターンに従って覆うように前記保護用絶縁膜の上に
レジスト層を形成する工程と、前記レジスト層を選択マ
スクとする第2の選択エッチング処理を前記保護用絶縁
膜と前記導電材層及び前記反強磁性層の積層とに施すこ
とにより該積層の残存部分からなる電極層を前記磁気ト
ンネル接合部の下に形成する工程と、前記電極層を形成
した後、前記レジスト層を除去する工程とを含むもので
ある。
【0021】この発明のTMR素子の製法によれば、第
1の磁性層、トンネルバリア層及び第2の磁性層を含む
積層に第1の選択エッチング処理を施して磁気トンネル
接合部を形成した後、トンネルバリア層の端部に第1の
選択エッチング処理の際に堆積した堆積物を除去してか
ら磁気トンネル接合部と反強磁性層の露呈部とを覆って
保護用絶縁膜を形成するので、磁気トンネル接合部の側
壁(特にトンネルバリア層の端部)において保護用絶縁
膜の下にエッチング生成物等が残留するのを防ぐことが
出来る。また、保護用絶縁膜の上にレジスト層を形成す
る際には、磁気トンネル接合部が保護用絶縁膜で覆われ
るため、磁気トンネル接合部の側壁(特にトンネルバリ
ア層の端部)にレジスト等が付着するのを防ぐことがで
きる。さらに、レジスト層を選択マスクとする第2のエ
ッチング処理により電極層を形成する際には、磁気トン
ネル接合部が保護用絶縁膜で覆われるため、磁気トンネ
ル接合部の側壁(特にトンネルバリア層の端部)にエッ
チング生成物等が直接付着するのを防ぐことができる。
従って、磁気トンネル接合部の側壁においてトンネルバ
リア層の上下の金属層がエッチング生成物等により接続
されることがなくなり、電気的な短絡やリークを防止す
ることができる。
【0022】この発明のTMR素子の製法においては、
第1の変形例として、次のような変更を加えてもよい。
すなわち、磁気トンネル接合部を形成する工程では、磁
気トンネル接合積層に所望の素子パターンに従って第1
の選択エッチング処理を施して磁気トンネル接合積層を
導電材層に達するまでエッチングすることにより磁気ト
ンネル接合積層の残存部分からなる磁気トンネル接合部
を形成してもよい。この場合、保護用絶縁膜は、磁気ト
ンネル接合部と導電材層の露呈部とを覆うように形成
し、電極層を形成する工程では、導電材層にレジスト層
を選択マスクとする第2の選択エッチング処理を施すこ
とにより導電材層の残存部分からなる電極層を形成す
る。このようにすると、この発明のTMR素子の製法に
関して前述したと同様の作用効果が得られる。その上、
電極層が導電材層の単層で構成されるため、導電材層と
反強磁性層との積層で構成される場合に比べて電極層の
端部での段差を低くすることができる。
【0023】この発明のTMR素子の製法において第1
の変形例を採用した場合には、第2の変形例として、次
のような変更を加えてもよい。すなわち、磁気トンネル
接合積層を形成する工程では、導電材層の上に下から順
に第1の磁性層、トンネルバリア層、第2の磁性層及び
反強磁性層を重ねて磁気トンネル接合積層を形成しても
よい。この場合、他の工程は、この発明のTMR素子の
製法及び第1の変形例に関して前述したと同様に実行す
る。このようにすると、この発明のTMR素子の製法及
び第1の変形例に関して前述したと同様の作用効果が得
られる。
【0024】この発明のTMR素子の製法においては、
レジスト層を除去した後、保護用絶縁膜及び電極層から
レジスト残渣を除去するようにしてもよい。このこと
は、第1又は第2の変形例を採用した場合についても同
様である。レジスト残渣は、希フッ酸等を用いる薬液処
理で簡単に除去することができる。このようにすると、
パーティクルの発生が抑制され、歩留りの向上が可能に
なる。
【0025】
【発明の実施の形態】図1〜9は、この発明の一実施形
態に係るTMR素子を備えた磁気センサの製法を示すも
ので、各々の図に対応する工程(1)〜(9)を順次に
説明する。
【0026】(1)例えばシリコンからなる半導体基板
20の表面に熱酸化法により酸化シリコンからなる絶縁
膜22を形成する。表面に絶縁膜22を形成した半導体
基板20の代りに、ガラス又は石英等からなる絶縁性基
板を用いてもよい。次に、絶縁膜22の上には、スパッ
タ法によりCrからなる導電材層24を10〜30nm
の厚さに形成する。導電材層24としては、Tiの単層
又はTi層にCu層を重ねた積層等を用いてもよく、あ
るいはW,Ta,Au,Mo等の導電性非磁性金属材料
を用いてもよい。
【0027】次に、導電材層24の上には、スパッタ法
によりPt−Mn合金からなる反強磁性層26を30〜
50nmの厚さに形成する。反強磁性層26としては、
Rh−Mn合金、Fe−Mn合金等を用いてもよい。こ
の後、反強磁性層26の上には、スパッタ法によりNi
−Fe合金からなる強磁性層28を10nmの厚さに形
成する。強磁性層28としては、Ni,Fe,Coのう
ちのいずれかの金属、Ni,Fe,Coのうちの2つ以
上の金属の合金又は金属間化合物等を用いてもよく、あ
るいはNi−Fe合金層28の下にCo層を敷くなどし
て積層構造のものを用いてもよい。
【0028】次に、強磁性層28の上には、スパッタ法
によりAl層を1〜2nmの厚さに形成する。そして、
Al層に酸化処理を施すことによりアルミナ(酸化アル
ミニウム)からなるトンネルバリア層30を形成する。
トンネルバリア層30としては、金属又は半導体を改変
した酸化物(例えばTiOx,SiO,MgO,Al
+SiO[サイアロン])、窒化物(例えばA
lN,Si)、酸化窒化物(例えばAlN+Al
)等を用いてもよい。
【0029】次に、トンネルバリア層30の上には、ス
パッタ法によりNi−Fe合金からなる強磁性層32を
20〜100nmの厚さに形成する。強磁性層32とし
ては、強磁性層28に関して前述したと同様の強磁性層
を用いることができる。この後、強磁性層32の上に
は、スパッタ法によりMoからなる導電材層34を30
〜60nmの厚さに形成する。導電材層34としては、
Moの代りに、導電材層24に関して前述したと同様の
金属材料を用いてもよい。
【0030】次に、導電材層34の上には、それぞれ図
13のTa,Tb,Tcに示すような四辺形状の素子パ
ターンを有するレジスト層36a,36b,36cをホ
トリソグラフィ処理により形成する。このときのレジス
ト厚さは、0.3〜2.0μmとすることができる。
【0031】(2)レジスト層36a〜36cをマスク
とする選択的イオンミリング処理により層28〜34の
積層に分離溝38を反強磁性層26に達するように形成
することにより磁気トンネル接合部ATa,ATb,A
Tcを得る。磁気トンネル接合部ATaは、分離溝38
で囲まれた層28〜34の部分28a〜34aの積層か
らなり、磁気トンネル接合部ATbは、分離溝38で囲
まれた層28〜34の部分28b〜34bの積層からな
り、磁気トンネル接合部ATcは、分離溝38で囲まれ
た層28〜34の部分28c〜34cの積層からなる。
層24,26の積層は、磁気トンネル接合部ATa〜A
Tcに共通に配置されている。
【0032】イオンミリング処理における処理条件は、
一例として、 Ar流量:4sccm 圧力:2.0×10−4Torr 角度:0〜60度 パワー:500V、190mA とすることができる。エッチング終点の検出法として
は、プラズマ発光測定法を用い、反強磁性層26の構成
原子に基づく発光を検出してイオンミリングを停止す
る。反強磁性層26の露出面積が大きいため、発光検出
に十分な信号強度が得られ、エッチング終点を高精度で
検出可能である。
【0033】図2のイオンミリング工程では、図10に
示すように分離溝38の側壁にエッチング生成物として
の側壁堆積膜DP11が形成される。堆積膜DP
11は、層36a〜36cのレジスト変性成分、層2
6,28,32,34の金属成分等を含んでいる。
【0034】イオンミリング処理の後、レジスト層36
a〜36cを除去する。レジスト除去は、例えばO
ラズマによるアッシング処理を施した後、有機剥離液を
用いた薬液処理を施すことにより行なうことができる。
アッシング処理における処理条件は、一例として、 O流量:100sccm 圧力:50mTorr RFパワー:150W とすることができる。レジスト除去法の他の例として
は、アセトン超音波洗浄法等を用いてもよい。なお、独
立のレジスト除去工程を設ける代りに、イオンミリング
処理中に同時にレジスト層36a〜36cを除去するよ
うにしてもよい。
【0035】上記のようなレジスト除去工程において、
図10に示したような側壁堆積膜DP11を分離溝38
の側壁(特に30b等のトンネルバリア層の端部)から
十分に除去するのが望ましいが、より確実な除去を行な
いたいときは、クリーニングミリング処理(角度をもた
せた短時間のミリング処理)を追加してもよい。クリー
ニングミリング処理における処理条件は、一例として、 Ar流量:4sccm 圧力:2.0×10−4Torr 角度:45〜80度(好ましくは60度) パワー:500V、190mA とすることができる。このようなミリング処理を追加す
ることにより分離溝38の側壁から堆積膜DP11をき
れいに除去することができ、側壁形状は、一層テーパー
状となる。
【0036】(3)基板上面には、磁気トンネル接合部
ATa〜ATc及び分離溝38を覆って例えばSiO
からなる保護用絶縁膜40をスパッタ法又はCVD法等
により形成する。絶縁膜40の厚さは、10〜100n
m(好ましくは50nm)とすることができる。絶縁膜
40をスパッタ法で形成する場合、処理条件は、一例と
して、 処理雰囲気:Arガス 圧力:1〜10mTorr(好ましくは5mTorr) RFパワー:0.5〜2kW(好ましくは1kW) 膜厚:50nm とすることができる。また、絶縁膜40をCVD法で形
成する場合、処理条件は、一例として、 原料:SiH又はTEOS(テトラ・エチル・オルソ
・シリケート) O又はO流量:8000sccm 圧力:1〜10Torr(好ましくは2.2Torr) RFパワー:300〜1000W(好ましくは500
W) 膜厚:50nm ヒーター温度:300℃以下 とすることができる。
【0037】(4)絶縁膜40の上には、図13の26
a,26bに示すように四辺形状の電極パターンを有す
るレジスト層42a,42bをホトリソグラフィ処理に
より形成する。レジスト層42aは、磁気トンネル接合
部ATa,ATbを覆うように形成し、レジスト層42
bは、磁気トンネル接合部ATcを覆うように形成す
る。このときのレジスト厚さは、0.3〜2.0μmと
することができる。
【0038】(5)及び(6)レジスト層42a,42
bを選択マスクとするイオンミリング処理を絶縁膜40
と導電材層24及び反強磁性層26の積層とに施す。こ
のときのイオンミリング処理は、図2に関して前述した
と同様の条件で行なうことができる。図5は、イオンミ
リング処理の初期段階において、絶縁膜40がレジスト
層42a,42bにそれぞれ対応した第1,第2の部分
40a,40bに分離された状態を示す。図6は、イオ
ンミリング処理の終了時において、層24,26の積層
に分離溝44が絶縁膜22に達するように形成されるこ
とにより該積層が分離溝44により第1及び第2の接続
部分(電極層)に分離されて磁気トンネル接合部ATa
〜ATcにそれぞれ対応するTMR素子Ta〜Tcが得
られた状態を示す。第1の接続部分は、層24、26の
部分24a、26aの積層からなるもので、TMR素子
Ta,Tbを相互接続した状態で残される。第2の接続
部分は、層24、26部分24b、26bの積層からな
るもので、TMR素子Tcに接続された状態で残され
る。分離溝44の深さDは、イオンミリングによるエッ
チング深さに相当するもので、図21の場合のように増
大しない。従って、分離溝44の段差を低く抑えること
ができる。
【0039】(7)図2に関して前述したと同様の方法
によりレジスト層42a,42bを除去する。図6のイ
オンミリング工程では、図11に示すように分離溝44
の側壁にエッチング生成物としての側壁堆積膜DP12
が形成される。堆積膜DP は、層42a,42bの
レジスト変性成分を含むと共に絶縁膜40a,40b及
び絶縁膜22の絶縁材成分、層24、26の金属成分等
を含むもので、図7のレジスト除去工程では除去されず
に残留する。しかし、堆積膜DP12の残留個所が層2
4a,26a等の積層(電極層)の端部であるため、残
留しても素子特性上問題はない。
【0040】図7のレジスト除去工程では、図11に示
すように絶縁膜40a,40bの表面や層24a,26
a等の積層(電極層)の端部にレジスト残渣R11,R
12が残留することがある。これらのレジスト残渣R
11,R12は、後工程で剥離してパーティクルとな
り、歩留りを低下させる恐れがある。そこで、図12に
示すようにレジスト残渣R11,R12を除去する処理
を施してもよい。この処理では、絶縁膜40a,40b
の耐薬品性が高いため、種々の薬液を選択可能である。
例えば希フッ酸(又はBHF)処理及び純水洗浄処理を
順次に施すか又はアンモニア+過酸化水素水処理及び純
水洗浄処理を順次に施すことができる。これらの処理で
は、40a等の絶縁膜の表面が薄く溶解されるため、レ
ジスト残渣R 11,R12が浮き上がった状態で除去さ
れる。40a等の薄くなった絶縁膜は、残しておいて層
間絶縁膜の一部として利用することができる。
【0041】(8)基板上面には、絶縁膜40a,40
b及び分離溝44を覆ってスパッタ法により酸化シリコ
ンからなる層間絶縁膜46を形成する。図6に示したよ
うに分離溝44の段差が低いので、絶縁膜46は、分離
溝44の開口端の近傍部で膜欠陥が発生しにくい。この
後、選択的イオンミリング処理によりTMR素子Ta〜
Tcの導電材層34a〜34cにそれぞれ対応する接続
孔46a〜46cを絶縁膜46に形成する。
【0042】(9)絶縁膜46の上には、接続孔46a
〜46cを覆ってスパッタ法によりAl等の配線用金属
を被着すると共にその被着層を選択的イオンミリング処
理(又は選択的ウエットエッチング処理)によりパター
ニングして配線層48a,48bを形成する。配線層4
8aは、接続孔46aを介してTMR素子Taの導電材
層34aに接続され、配線層48bは、接続孔46b,
46cを介してTMR素子Tb,Tcの導電材層34
b,34cを相互接続する。この結果、TMR素子Ta
〜Tcは、直列接続されたことになる。図13は、TM
R素子Ta〜Tcの接続状況を示すもので、図9は、図
13のX−X’線断面に対応する。
【0043】図9の工程では、分離溝44の開口端の近
傍部において絶縁膜46の欠陥の発生が抑制されるた
め、配線層48bが反強磁性層26aと短絡するような
不良を低減することができる。
【0044】上記した実施形態の製法によれば、図2の
工程ではエッチング終点を高精度で検出できること、図
2〜7の工程では分離溝38の側壁(磁気トンネル接合
部の側壁)を清浄化すると共に絶縁膜40で被覆して分
離溝38の側壁をレジスト汚染から保護できること、図
12の工程ではレジスト残渣を除去してパーティクルの
発生を防止できること、図6の工程で分離溝44の段差
を低くできるため図8の工程では絶縁膜46の欠陥発生
を抑制できることなどの理由により磁気センサの製造歩
留りが向上する。
【0045】図9に示す磁気センサにおいて、TMR素
子Ta〜Tcの動作は同様であり、代表として素子Ta
の動作を説明する。反強磁性層26aは、強磁性層28
aの磁化の向きを固定すべく作用するので、強磁性層2
8aは、磁化固定層となる。一方、強磁性層32aは、
磁化の向きが自由であり、磁化自由層となる。
【0046】導電材層(電極層)24a,34a間に一
定の電流を流した状態において基板20の平面内に外部
磁界を印加すると、磁界の向きと強さに応じて強磁性層
28a,32a間で磁化の相対角度が変化し、このよう
な相対角度の変化に応じて電極層24a,34a間の電
気抵抗値が変化する。従って、このような電気抵抗値の
変化に基づいて磁界検出を行なうことができる。
【0047】図14,15は、上記した実施形態の変形
例を示すもので、図1〜9と同様の部分には同様の符号
を付して詳細な説明を省略する。
【0048】図14の工程は、図1の工程の後、レジス
ト層36a〜36cをマスクとして選択的イオンミリン
グ処理を行なう工程であり、分離溝38を導電材層24
に達するように深く形成する点で図2の工程とは異なる
ものである。この場合、TMR素子Ta,Tb,Tc
は、分離溝38で囲まれた層26の部分26a,26
,26bをそれぞれ含み、これらの層部分26
,26a,26bに共通に導電材層24が配置さ
れた状態となる。イオンミリング処理の後、図2に関し
て前述したと同様にしてレジスト層36a〜36cを除
去し、必要に応じてクリーニングミリング処理を行な
う。図14の工程では、図2に関して前述したと同様に
エッチング終点検出法としてプラズマ発光測定法を用い
ることができ、高い精度でエッチング終点を検出可能で
ある。
【0049】次に、図15の工程では、図3〜6に関し
て前述したと同様にして基板上面に保護用絶縁膜40及
びレジスト層42a,42bを形成する。そして、レジ
スト層42a,42bを選択マスクとするイオンミリン
グ処理により導電材層24に分離溝44を絶縁膜22に
達するように形成することにより層24を分離溝44に
より第1及び第2の接続部分(電極層)に分離する。第
1の接続部分は、層24の部分24aからなるもので、
反強磁性層26a,26aを相互接続した状態で残
される。第2の接続部分は、層24の部分24bからな
るもので、反強磁性層26bに接続された状態で残され
る。分離溝44の深さDは、図14の工程で反強磁性層
26をエッチングしたため、図6の場合に比べて小さく
なる。この後、図6に関して前述したと同様にしてレジ
スト層42a,42bを除去する。そして、図12に関
して前述したと同様にして絶縁膜40a,40bの表面
や層24a,24bの端部からレジスト残渣を除去して
もよい。
【0050】次に、図8に関して前述したと同様に基板
上面に層間絶縁膜46を形成する。このとき、分離溝4
4の段差が低いので、絶縁膜46には欠陥が発生しにく
い。図8に関して前述したと同様にして絶縁膜46に接
続孔46a〜46cを形成した後、図9に関して前述し
たと同様にして絶縁膜46の上に配線層48a,48b
を形成する。
【0051】図14,15の変形例に係る製法によれ
ば、前述した実施形態に係る製法と同様に磁気センサの
製造歩留りが向上する。また、得られる磁気センサは、
図9に示した磁気センサと同様に動作する。
【0052】図16,17は、図1〜9に関して前述し
た実施形態の他の変形例を示すもので、図1〜9と同様
の部分には同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0053】図16,17の変形例では、図1に対応す
る工程において、絶縁膜22の上に下から順に導電材層
24、強磁性層28、トンネルバリア層30、強磁性層
32、反強磁性層、導電材層34を形成する。ここで、
強磁性層32と導電材層34との間の反強磁性層は、前
述した反強磁性層26と同様のもので、強磁性層32を
磁化固定層とするためのものである。
【0054】図16の工程は、図1に対応する工程の
後、図14に関して前述したと同様にレジスト層36a
〜36cをマスクとする選択的イオンミリング処理によ
り分離溝38を形成してTMR素子Ta〜Tcを得る工
程であり、導電材層34a,34b,34cの下に(強
磁性層32a,32b,32cの上に)反強磁性層33
a,33b,33cがそれぞれ存在すると共に強磁性層
28a〜28cに共通に導電材層24が配置された状態
になる点で図14の工程とは異なるものである。イオン
ミリング処理の後、図2に関して前述したと同様にして
レジスト層36a〜36cを除去し、必要に応じてクリ
ーニングミリング処理を行なう。図16の工程では、図
2に関して前述したと同様にエッチング終点検出法とし
てプラズマ発光測定法を用いることができ、高い精度で
エッチング終点を検出可能である。
【0055】次に、図17の工程では、図3〜6に関し
て前述したと同様にして基板上面に保護用絶縁膜40及
びレジスト層42a,42bを形成する。そして、図1
5に関して前述したと同様にしてレジスト層42a,4
2bを選択マスクとするイオンミリング処理により導電
材層24に分離溝44を絶縁膜22に達するように形成
することにより層24を分離溝44により第1及び第2
の接続部分(電極層)に分離する。第1の接続部分は、
層24の部分24aからなるもので、強磁性層28a,
28bを相互接続した状態で残される。第2の接続部分
は、層24の部分24bからなるもので、強磁性層28
cに接続された状態で残される。分離溝44の深さD
は、導電材層24の上に(強磁性層28a〜28cの下
に)反強磁性層が存在しないため、図6の場合に比べて
小さくなる。この後、図6に関して前述したと同様にし
てレジスト層42a,42bを除去する。そして、図1
2に関して前述したと同様にして絶縁膜40a,40b
の表面や層24a,24bの端部からレジスト残渣を除
去してもよい。
【0056】次に、図8に関して前述したと同様に基板
上面に層間絶縁膜46を形成する。このとき、分離溝4
4の段差が低いので、絶縁膜46には欠陥が発生しにく
い。図8に関して前述したと同様にして絶縁膜46に接
続孔46a〜46cを形成した後、図9に関して前述し
たと同様にして絶縁膜46の上に配線層48a,48b
を形成する。
【0057】図16,17の変形例に係る製法によれ
ば、前述した実施形態に係る製法と同様に磁気センサの
製造歩留りが向上する。また、得られる磁気センサは、
図9に示した磁気センサと同様に動作する。
【0058】なお、この発明は、上記したような磁気セ
ンサに限らず、他の磁気センサ、磁気メモリ、磁気ヘッ
ド等のTMR素子応用製品の製造にも適用することがで
きる。
【0059】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、磁気
トンネル接合部においてトンネルバリア層の端部に選択
エッチング処理の際に堆積した堆積物を除去した後、磁
気トンネル接合部を保護用絶縁膜で覆った状態でレジス
ト層を選択マスクとする選択エッチング処理により磁気
トンネル接合部の下に電極層を形成するので、トンネル
バリア層の上下の金属層間に電気的な短絡やリークが発
生するのを防止でき、TMR素子の製造歩留りが向上す
ると共にTMR素子の特性劣化を防止できる効果が得ら
れる。また、この発明の製法では、酸化性又は窒化性雰
囲気中でイオンミリング処理を行なう必要がないので、
エッチング終点の検出精度が低下しない利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態に係る磁気センサの製
法における積層形成工程及びレジスト層形成工程を示す
基板断面図である。
【図2】 図1の工程に続くイオンミリング工程及びレ
ジスト除去工程を示す基板断面図である。
【図3】 図2の工程に続く絶縁膜形成工程を示す基板
断面図である。
【図4】 図3の工程に続くレジスト層形成工程を示す
基板断面図である。
【図5】 図4の工程に続くイオンミリング工程を示す
基板断面図である。
【図6】 図5の工程に続くイオンミリング工程を示す
基板断面図である。
【図7】 図6の工程に続くレジスト除去工程を示す基
板断面図である。
【図8】 図7の工程に続く絶縁膜形成工程及び接続孔
形成工程を示す基板断面図である。
【図9】 図8の工程に続く配線形成工程を示す基板断
面図である。
【図10】 図2のイオンミリング工程における側壁堆
積膜の形成状況を示す基板断面図である。
【図11】 図6のイオンミリング工程における側壁堆
積膜の形成状況を示す基板断面図である。
【図12】 図7のレジスト除去工程に続くレジスト残
渣除去工程を示す基板断面図である。
【図13】 TMR素子の接続状況を示す上面図であ
る。
【図14】 図2の工程の変形例を示す基板断面図であ
る。
【図15】 図14の変形例における分離溝形成工程を
示す基板断面図である。
【図16】 図2の工程の他の変形例を示す基板断面図
である。
【図17】 図16の変形例における分離溝形成工程を
示す基板断面図である。
【図18】 従来の磁気センサの製法における積層形成
工程及びレジスト層形成工程を示す基板断面図である。
【図19】 図18の工程に続くイオンミリング工程及
びレジスト除去工程を示す基板断面図である。
【図20】 図19の工程に続くレジスト層形成工程を
示す基板断面図である。
【図21】 図20の工程に続くイオンミリング工程及
びレジスト除去工程を示す基板断面図である。
【図22】 図21の工程に続く絶縁膜形成工程及び接
続孔形成工程を示す基板断面図である。
【図23】 図22の工程に続く配線形成工程を示す基
板断面図である。
【図24】 図19のイオンミリング工程における側壁
堆積膜の形成状況を示す基板断面図である。
【図25】 図21のイオンミリング工程における側壁
堆積膜の形成状況を示す基板断面図である。
【符号の説明】
20:半導体基板、22:絶縁膜、24,34:導電材
層、26,33a〜33c:反強磁性層、28,32:
強磁性層、30:トンネルバリア層、36a〜36c,
42a,42b:レジスト層、38,44:分離溝、4
0:保護用絶縁膜、46:層間絶縁膜、46a〜46
c:接続孔、48a,48b:配線層、ATa〜AT
c:磁気トンネル接合部、Ta〜Tc:TMR素子、D
11,DP 12:側壁堆積膜、R11,R12:レジ
スト残渣。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板の絶縁性の一主面に導電材層を介して
    磁気トンネル接合積層を形成する工程であって、前記導
    電材層の上に下から順に反強磁性層、第1の磁性層、ト
    ンネルバリア層及び第2の磁性層を重ねて前記磁気トン
    ネル接合積層を形成するものと、 前記磁気トンネル接合積層に所望の素子パターンに従っ
    て第1の選択エッチング処理を施して前記磁気トンネル
    接合積層を前記反強磁性層に達するまでエッチングする
    ことにより前記第1の磁性層、前記トンネルバリア層及
    び前記第2の磁性層の各々の残存部分からなる磁気トン
    ネル接合部を形成する工程と、 前記磁気トンネル接合部において前記トンネルバリア層
    の端部に前記第1の選択エッチング処理の際に堆積した
    堆積物を除去する工程と、 前記堆積物を除去した後、前記磁気トンネル接合部と前
    記反強磁性層の露呈部とを覆って保護用絶縁膜を形成す
    る工程と、 前記磁気トンネル接合部と前記反強磁性層の露呈部とを
    所望の電極パターンに従って覆うように前記保護用絶縁
    膜の上にレジスト層を形成する工程と、 前記レジスト層を選択マスクとする第2の選択エッチン
    グ処理を前記保護用絶縁膜と前記導電材層及び前記反強
    磁性層の積層とに施すことにより該積層の残存部分から
    なる電極層を前記磁気トンネル接合部の下に形成する工
    程と、 前記電極層を形成した後、前記レジスト層を除去する工
    程とを含む磁気トンネル接合素子の製法。
  2. 【請求項2】基板の絶縁性の一主面に導電材層を介して
    磁気トンネル接合積層を形成する工程であって、前記導
    電材層の上に下から順に反強磁性層、第1の磁性層、ト
    ンネルバリア層及び第2の磁性層を重ねるか又は前記導
    電材層の上に下から順に第1の磁性層、トンネルバリア
    層、第2の磁性層及び反強磁性層を重ねて前記磁気トン
    ネル接合積層を形成するものと、 前記磁気トンネル接合積層に所望の素子パターンに従っ
    て第1の選択エッチング処理を施して前記磁気トンネル
    接合積層を前記導電材層に達するまでエッチングするこ
    とにより前記磁気トンネル接合積層の残存部分からなる
    磁気トンネル接合部を形成する工程と、 前記磁気トンネル接合部において前記トンネルバリア層
    の端部に前記第1の選択エッチング処理の際に堆積した
    堆積物を除去する工程と、 前記堆積物を除去した後、前記磁気トンネル接合部と前
    記導電材層の露呈部とを覆って保護用絶縁膜を形成する
    工程と、 前記磁気トンネル接合部と前記導電材層の露呈部とを所
    望の電極パターンに従って覆うように前記保護用絶縁膜
    の上にレジスト層を形成する工程と、 前記レジスト層を選択マスクとする第2の選択エッチン
    グ処理を前記保護用絶縁膜と前記導電材層とに施すこと
    により前記導電材層の残存部分からなる電極層を前記磁
    気トンネル接合部の下に形成する工程と、 前記電極層を形成した後、前記レジスト層を除去する工
    程とを含む磁気トンネル接合素子の製法。
  3. 【請求項3】 前記レジスト層を除去した後、前記保護
    用絶縁膜及び前記電極層からレジスト残渣を除去する工
    程を更に含む請求項1又は2記載の磁気トンネル接合素
    子の製法。
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