JP2003198007A - トンネル接合の作製方法及びトンネル接合素子 - Google Patents

トンネル接合の作製方法及びトンネル接合素子

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JP2003198007A
JP2003198007A JP2001390991A JP2001390991A JP2003198007A JP 2003198007 A JP2003198007 A JP 2003198007A JP 2001390991 A JP2001390991 A JP 2001390991A JP 2001390991 A JP2001390991 A JP 2001390991A JP 2003198007 A JP2003198007 A JP 2003198007A
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layer
thin film
electrode layer
lower electrode
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Shinichi Morohashi
信一 諸橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トンネル接合エッジ部分の絶縁不良の発生と
コンタクトホール形成の不良の発生を解決し、歩留まり
の良いトンネル接合素子の作製方法及びその方法を用い
て作製したトンネル接合素子を提供する。 【解決手段】 基板上に下部電極層/トンネルバリア層
/上部電極層を含み積層したトンネル接合構造を有する
トンネル接合素子の作製方法であって、露出しているト
ンネル接合エッジ部分等を陽極酸化して薄い陽極酸化層
を形成するプロセスを導入し、コンタクトホール部分に
選択的に陽極酸化保護及びエッチング保護を兼用する絶
縁薄膜を形成するプロセスを設け、また、上部電極層の
上面に陽極酸化保護及びエッチング保護を兼用する絶縁
薄膜を形成するプロセスを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超伝導トンネル接
合素子及び強磁性トンネル接合素子の作製方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】超伝導トンネル接合素子及び強磁性トン
ネル接合素子は、超伝導エレクトロニクス及び磁性エレ
クトロニクスのキーデバイスであり、これを用いた集積
回路実現のために、歩留まりの良い作製技術が求められ
ている。
【0003】従来行われている代表的なトンネル接合素
子の作製方法について、超伝導薄膜Nb(ニオブ)を用い
た超伝導トンネル接合素子の作製方法を例にして、図1
に基づいて説明する。先ず、基板ウエファー(Si基板を
例として説明するが、基板の種類は問わない)全面に、
Nb下部電極/AlOx-Alバリア層/Nb上部電極の積層構造
を、真空を破らずにIn-situで作製する(図1-1)。Nb、
及びAl薄膜はスパッタ等の薄膜作製装置で堆積し、AlOx
バリア層は、Al薄膜堆積後、酸素ガス導入による熱酸化
で形成する。
【0004】次に、フォトレジストプロセスによるパタ
ーニングと、CF4+5%O2ガスを用いた反応性イオンエッ
チング(RIE)によるNb層のエッチング、Arガスを用い
たイオンビームエッチング(IBE)によるAlOx-Al層のエ
ッチングにより、トンネル接合の接合面積決定を行なう
(図1-2)。続いて、フォトレジストプロセスによるパ
ターニングとRIEにより下部電極加工を行ない(図1-
3)、引き続き、素子分離のためのSiO2層間絶縁膜堆積
(図1-4)、フォトレジストプロセスによるパターニン
グとRIEによりコンタクトホール加工を行なう(図1-
5)。最後に、Nb配線層堆積と、フォトレジストプロセ
スによるパターニングとRIEにより配線層加工を行ない
素子が完成する(図1-6)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の作製方法
は、2つの大きな問題点がある。1つは、図1-2のRIEに
よる接合面積決定において、イオンに方向性がないため
に、サイドエッチングによる回り込みによりエッチング
されたNbの再付着が発生して、元来薄い(AlOxは約1 n
m、Al層は数nm程度)側壁を介して上部電極と下部電極
のコンタクトが生じ、トンネル接合エッジ部分の絶縁不
良が生じる可能性が大きいことである。
【0006】これを防ぐために、図1-7に示すように、
接合面積決定後レジストを除去する前に、陽極酸化によ
り下部電極表面及び接合エッジ部分を薄く絶縁化する方
法がある。然しながら、この方法では、a)陽極酸化プ
ロセス中にレジストとNb接合上面に陽極酸化液がしみ込
み、Nb上部電極表面まで酸化されてしまう、b)コンタ
クトホール形成時にNb下部電極の酸化されていないNb表
面を露出させておくため、Arガスを用いるIBE でNb陽極
酸化膜を除去する必要があるが、Nb薄膜は多結晶薄膜で
あるため粒界を通して深く陽極酸化される部分が生じ、
きれいには除去できない、といった新たな問題が生じ、
上記従来技術の問題を十分に解決するものではない。
【0007】上記従来技術の2つ目の大きな問題点は、
コンタクトホール形成時の、SiO2とNbとのエッチング選
択比の問題である。即ち、コンタクトホール形成は、理
想的には、SiO2は速くエッチングされるがNbは全くエッ
チングされない条件でRIEできることが望ましいが、実
際には、このような条件でRIE をすることは不可能であ
り、Nb層までエッチングしてしまい、接合の特性を損な
う可能性が大きいという問題である。これを防ぐため
に、図1-8に示すように、接合面積決定後、レジスト除
去したのち全面にエッチングストッパー層を堆積するこ
とが考えられる。この方法によれば、コンタクトホール
形成時のNb層エッチングの問題は解決できるが、接合面
積決定のための加工による接合エッジ部分の回り込みに
よる絶縁性不良の問題は依然として残り、従来技術の問
題点を根本的に解決するものではない。
【0008】本発明は、トンネル接合素子の作製方法に
係わる前述の状況に鑑み、トンネル接合エッジ部分の絶
縁不良の発生とコンタクトホール形成の不良の発生を解
決し、歩留まりの良いトンネル接合素子の作製方法及び
その方法を用いて作製したトンネル接合素子を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、基板
上に下部電極層/トンネルバリア層/上部電極層を含み
積層したトンネル接合構造を有するトンネル接合素子の
作製方法であって、陽極酸化して薄い陽極酸化層を形成
するプロセスを有し、下部電極層の後工程で堆積する配
線層とのコンタクトホール部分に選択的に陽極酸化保護
及びエッチング保護を兼用する絶縁薄膜を設けるプロセ
スを有するトンネル接合素子の作製方法であり、請求項
2の発明は、更に、前記上部電極層の上面に陽極酸化保
護及びエッチング保護を兼用する絶縁薄膜を設けるプロ
セスを有するトンネル接合素子の作製方法である。
【0010】請求項3の発明は、前期陽極酸化層を形成
するプロセスを、前記上部電極層の上面に絶縁薄膜を設
けるプロセスと、トンネル接合の接合面積を決定するた
めの加工プロセスと、前記下部電極層に絶縁薄膜を設け
るプロセスの後に、下部電極層絶縁薄膜及び上部電極層
絶縁薄膜以外の、露出しているトンネル接合エッジ部分
及び露出している下部電極層上面を陽極酸化して薄い陽
極酸化層を形成するプロセスとしたトンネル接合素子の
作製方法である。
【0011】請求項4の発明は、前記の本発明の方法に
おいて、前記トンネル接合構造を、リフトオフ法により
基板上で面積を限定して下部電極層/トンネルバリア層
/上部電極層を含み積層されたトンネル接合構造とした
トンネル接合素子の作製方法であり、請求項5の発明
は、請求項4の発明において、前記基板上に陽極酸化の
ための導電層薄膜を設けるプロセスを有し、前記トンネ
ル接合構造を導電性薄膜上に積層するトンネル接合素子
の作製方法であり、請求項6の発明は、前記陽極酸化層
の形成が、露出しているトンネル接合エッジ部分と、露
出している下部電極層の上面及びエッジ部分に対して行
われるトンネル接合素子の作製方法であり、請求項7の
発明は、前記陽極酸化層を形成するプロセスの後に、前
記導電薄膜を除去するプロセスを有するトンネル接合素
子の作製方法である。
【0012】請求項8の発明は、更に、素子分離に必要
な層間絶縁膜上面にエッチング保護用の絶縁薄膜を堆積
するプロセスを有するトンネル接合素子の作製方法であ
る。
【0013】請求項9の発明は、本発明のトンネル接合
素子であって、前記本発明のトンネル接合素子の作製方
法を用いて作製したトンネル接合素子である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のトンネル接合素子は、基
板上に下部電極層/トンネルバリア層/上部電極層を含
み積層したトンネル接合構造を有するトンネル接合素子
であって、超伝導トンネル接合素子及び強磁性トンネル
接合素子の形態として実施することができ、超伝導トン
ネル接合素子では、トンネル接合構造の下部電極及び上
部電極を超伝導体で構成し、強磁性トンネル接合素子で
は、トンネル接合構造の下部電極及び上部電極を強磁性
体で構成する。
【0015】本発明の作製方法の最大の特徴は、トンネ
ル接合エッジ部分の絶縁不良の発生を防止するために、
露出しているトンネル接合エッジ部分等を陽極酸化して
薄い陽極酸化層を形成するプロセスを導入し、その際に
問題となる、下部電極層の配線層とのコンタクトホール
部分に粒界を通した深い陽極酸化が生じるのを避けるた
めに、コンタクトホール部分に選択的に陽極酸化保護及
びエッチング保護を兼用する絶縁薄膜を形成するプロセ
スを設け、また、上部電極表面の陽極酸化を防止するた
めに、上部電極層の上面に陽極酸化保護及びエッチング
保護を兼用する絶縁薄膜を形成するプロセスを設けたこ
とにある。
【0016】上部電極層上面への絶縁薄膜の形成は、基
板上に、下部電極層/トンネルバリア層/上部電極層を
含み積層する一連のプロセスの中で行うのが望ましく、
その堆積方法は、例えば、公知のスパッタ或いは蒸着な
どを用いることができ、本発明を限定するものではな
い。また、絶縁薄膜の材料種類、或いは厚み等は、上部
電極層やトンネルバリア層の材料種類や厚み、更には、
スパッタ方法やその条件などによって適宜決定すべきも
のである。この絶縁薄膜は、上部電極層上に配線を形成
するためのコンタクトホール形成時のエッチングストッ
パー層の役目と、陽極酸化プロセス時の上部電極表面の
陽極酸化防止の役目をする。
【0017】トンネル接合の接合面積を決定するための
加工プロセスは、従来技術と同様にして行うことがで
き、例えば、フォトレジストプロセスによるパターニン
グ、エッチング、レジスト除去といった一連のプロセス
によって行うことができる。なお、エッチングは、当然
ながら、絶縁薄膜、上部電極層、トンネルバリア層の材
料種類や厚みなどを考慮し、順次、その具体的なエッチ
ング方法やその条件を決定し、組み合わせて行う必要が
ある。
【0018】下部電極層上面への絶縁薄膜の形成は、ト
ンネル接合の接合面積を決定するための加工プロセスの
後で行うのが望ましく、その形成方法は、例えば、公知
のフォトレジストプロセスによるパターニングを行ない
リフトオフ法により、下部電極のコンタクトホール形成
部分に選択的に絶縁薄膜を堆積することができる。ま
た、絶縁薄膜の材料種類、或いは厚み等は、スパッタ方
法やその条件などによって適宜決定すべきものである。
この絶縁薄膜は、下部電極層上に配線を形成するための
コンタクトホール形成時のエッチングストッパー層の役
目と、陽極酸化プロセス時の下部電極表面コンタクトホ
ール部の陽極酸化防止の役目をする。
【0019】陽極酸化層の形成は、上部電極層の上面に
絶縁薄膜を設けるプロセスと、トンネル接合の接合面積
を決定するための加工プロセスと、下部電極層に絶縁薄
膜を設けるプロセスの後に行い、下部電極層絶縁薄膜及
び上部電極層絶縁薄膜以外の、露出しているトンネル接
合エッジ部分及び露出している下部電極層上面を陽極酸
化して薄い陽極酸化層を形成することにより行う。陽極
酸化層形成の具体的な方法やその条件は、絶縁薄膜、電
極層、トンネルバリア層の材料種類や厚みなどを考慮
し、適宜決定すべきものであり、本発明を限定するもの
ではない。
【0020】続いて、従来技術と同様にして、フォトレ
ジストプロセスによるパターニングとエッチングによる
下部電極加工、素子分離のための層間絶縁膜堆積、フォ
トレジストプロセスによるパターニングとエッチングに
よるコンタクトホール加工、配線層堆積とフォトレジス
トプロセスによるパターニングとエッチングによる配線
層加工、などの一連のプロセスによって本発明のトンネ
ル接合素子を得ることができる。この一連のプロセスに
おいて、各エッチングは、当然ながら、絶縁薄膜、上部
電極層、トンネルバリア層、下部電極層の材料種類や厚
みなどを考慮し、順次、その具体的なエッチング方法や
その条件を決定し、組み合わせて行う必要があることは
言うまでもない。
【0021】なお、本発明は、素子分離のための層間絶
縁膜堆積のプロセスに引き続き、その層間絶縁膜上面に
エッチング保護用の絶縁薄膜を堆積するプロセスを行う
ことにより、更に好適に実施できる。この絶縁薄膜は、
配線層加工時のエッチングストッパー層の役目をする。
【0022】本発明は又、トンネル接合構造を、リフト
オフ法により基板上で面積を限定して下部電極層/トン
ネルバリア層/上部電極層を含み積層されたトンネル接
合構造とした、トンネル接合素子の作製方法として実施
することができる。この実施の形態においては、基板上
に陽極酸化のための導電層薄膜を堆積するプロセスを設
け、その導電層薄膜の上に、下部電極層/トンネルバリ
ア層/上部電極層/上部電極層絶縁薄膜を含み積層する
一連のプロセスを行うのが望ましく、その際には、前期
陽極酸化層の形成は、露出しているトンネル接合エッジ
部分と、露出している下部電極層の上面及びエッジ部分
に対して行われ、前記陽極酸化層を形成するプロセスの
後に、前記導電薄膜を除去するプロセスを設けて実施す
ることが好ましい。
【0023】以上の実施の形態により、本発明は、トン
ネル接合エッジ部分の絶縁不良の発生とコンタクトホー
ル形成の不良の発生を解決し、歩留まりの良いトンネル
接合素子の作製方法を提供でき、その歩留まりの良いト
ンネル接合素子の作製方法を用いて作製したトンネル接
合素子を提供することができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図に基づいて説明す
る。図2は、第一の実施例として説明する、ウエファー
全面に接合構造を作製する場合の作製プロセスの例を示
し、図3は、第二の実施例として説明する、リフトオフ
法により基板上で面積を限定して接合構造を作製する場
合の作製プロセスの例を示す。
【0025】先ず、第一の実施例として、ウエファー全
面に接合構造を作製する場合について、図2に従って説
明する。始めに、Si基板全面に、下からAl2O3絶縁層/Nb
下部電極層/AlOx-Alバリア層/Nb上部電極層/Al2O3絶縁
層を堆積する(図2-1)。堆積方法は、スパッタ、或い
は蒸着などで行う。Al2O3絶縁層は、RFマグネトロンス
パッタでAr圧力1.3 Pa、印加電力1 kwの条件で行い、こ
のときの堆積速度は100 nm/minであり、膜厚10 nmを堆
積する。Al2O3絶縁層は、後のプロセスのRIEによる下部
電極面積決定のときのエッチング時に、基板までエッチ
ングされるのを防ぐエッチングストッパー層としての役
目を担う。Nb薄膜は、DC マグネトロンスパッタ(Ar圧
力1.3 Pa、印加電力1 kw、堆積速度150 nm/min)で上下
電極とも膜厚100 nmを堆積する。AlOx-Alバリア層の形
成は、Al薄膜を、DC マグネトロンスパッタ(Ar圧力1.3
Pa、印加電力0.5 kw、堆積速度50 nm/min)で膜厚5 nm
を堆積し、Al薄膜堆積直後、真空装置内に酸素ガスを導
入し、Al表面を酸化してAlOx 層を形成することにより
行う。Nb上部電極層上のAl2O3絶縁層は、コンタクトホ
ール形成時のエッチングストッパー層兼陽極酸化プロセ
ス時のNb上部電極表面の陽極酸化防止の役目をする。
【0026】次に、フォトレジストプロセスで接合面積
決定のためのパターニングを行ない、続いて、レジスト
が被覆していない部分を、一番上のAl2O3絶縁層、Nb上
部電極、AlOx-Alバリア層の順にエッチングする。Al2O3
絶縁層のエッチングは、IBE(Arガス0.13 Pa、Ar イオ
ン引きだし電圧500 V、エッチング速度16 nm/min)で行
ない、Nb上部電極のエッチングは、RIE(CF4+5%O2混合
ガス圧力26 Pa、印加電力200 W、エッチング速度150 nm
/min)で行なう。このRIEによるエッチングは、AlOx-Al
バリア層で阻止されてこの層で止まるため、IBE(Arガ
ス0.13 Pa、Ar イオン引きだし電圧300 V、エッチング
速度10 nm/min)でAlOx-Alバリア層を除去する。更に、
レジストを除去した後の状態を図2-2に示す。
【0027】次に、フォトレジストプロセスによるパタ
ーニングを行ないリフトオフ法により、下部電極のコン
タクトホール形成部分に選択的にAl2O3絶縁層を堆積す
る(図2-3)。このAl2O3絶縁層は、後述の、コンタクト
ホール形成時のエッチングストッパー層であると共に、
陽極酸化プロセス時のコンタクトホール部分のNb下部電
極表面の陽極酸化防止の役目をする。堆積条件は先に述
べた条件と同じで、膜厚は10 nmである。
【0028】次に、硼酸アンモニウム+エチレングリコ
ール+水の混合溶液に浸積する陽極酸化プロセスによ
り、Al2O3絶縁層が被覆していないNb下部電極表面、接
合エッジ部分を酸化する。酸化膜厚は、印加電圧で制御
可能であり、5 nm程度酸化する(図2-4)。
【0029】続いて、フォトレジストプロセスにより下
部電極のパターニングを行ない、先に述べた条件で、CF
4+5%O2混合ガスによるRIEでエッチングする。図2-5はレ
ジスト除去後を示す。次に、ウエファー全面に、素子分
離のための層間絶縁膜堆積として、下からSiO2/Al2O3
縁層を堆積する(図2-6)。SiO2層は、RFマグネトロン
スパッタ(Ar圧力1.3 Pa、印加電力1 kw、堆積速度20 n
m/min)で300〜400 nm堆積し、Al2O3層は、先に述べた
条件で10 nm堆積する。このAl2O3層は、次のNb配線層加
工時の、エッチングストッパー層の役目をする。
【0030】次に、フォトレジストプロセスによりコン
タクトホールのパターニングを行ない、IBE(エッチン
グ条件は先に述べた条件)でSiO2層上のAl2O3層をArイ
オンエッチングし、続いて、CF4+O2混合ガスによるRIE
(CF4+O2混合ガス圧力26 Pa、印加電力200 W、エッチン
グ速度30 nm/min)でSiO2層のエッチングを行なう。こ
のRIEによるエッチングは、Al2O3層でエッチングが阻止
されて止まるため、続いて、このAl2O3層をIBE(エッチ
ング条件は先に述べた条件)でArイオンエッチングし、
清浄なNb下部電極表面とNb上部電極表面とを露出させ
る。図2-7は、レジスト除去後の断面を示す。
【0031】最後に、全面にNb配線層を500〜600 nm堆
積し、フォトレジストプロセスにより配線層のパターニ
ングを行ない、RIEでエッチングする。RIE条件は、CF4+
5%O2混合ガス圧力26 Pa、印加電力200 Wで、このときの
Nbエッチング速度は150 nm/minである。このエッチング
は、Al2O3層でエッチングが阻止されてこの層で止ま
る。図2-8はレジスト除去後の完成素子の断面を示す。
【0032】次に、本発明の第二の実施例として、リフ
トオフ法による接合構造作製の場合について、図3に従
って説明する。始めに、Si基板上全面にZr薄膜を10〜20
nm程度堆積する。このZr薄膜は、陽極酸化プロセスに
おいて、基板上に分離して配置した接合構造を陽極酸化
するための導電層の役目をする。Zr薄膜は、DC マグネ
トロンスパッタでAr圧力1.3 Pa、印加電力1 kwの条件で
行ない、このときの堆積速度100 nm/minである。
【0033】次に、フォトレジストプロセスによりパタ
ーニングを形成した後、下からNb下部電極層/AlOx-Alバ
リア層/Nb上部電極層/Al2O3絶縁層を堆積し、リフトオ
フプロセスにより接合構造の下部電極面積決定を行な
う。図3-1は、レジスト除去後の接合構造を示す。Al2O3
絶縁層は、RFマグネトロンスパッタ(Ar圧力1.3 Pa、印
加電力1 kw、堆積速度100 nm/min)で膜厚10 nmを堆積
し、Nb薄膜は、DC マグネトロンスパッタ(Ar圧力1.3 P
a、印加電力1 kw、堆積速度150 nm/min)で上下電極と
も膜厚100 nmを堆積する。AlOx-Alバリア層の形成は、A
l薄膜を、DC マグネトロンスパッタ(Ar圧力1.3 Pa、印
加電力0.5 kw、堆積速度50 nm/min)で膜厚5 nmを堆積
し、Al薄膜堆積直後、真空装置内に酸素ガスを導入し、
Al表面を酸化してAlOx 層を形成することにより行う。N
b上部電極層上のAl2O3絶縁層は、コンタクトホール形
成時のエッチングストッパー層であると共に、陽極酸化
プロセス時のNb上部電極表面の陽極酸化防止の役目をす
る。
【0034】次に、フォトレジストプロセスで接合面積
決定のためのパターニングを行なう。続いて、一番上の
Al2O3絶縁層でレジストが被覆していない部分を、Arガ
スを用いるIBE(Arガス0.13 Pa、Ar イオン引きだし電
圧500 V、エッチング速度16 nm/min)でエッチングし、
次に、Nb上部電極のエッチングを、RIE(CF4+5%O2混合
ガス圧力26 Pa、印加電力200 W、エッチング速度150 nm
/min)で行なう。このRIEエッチングは、AlOx-Alバリア
層でエッチングが阻止されこの層で止まるため、IBE(A
rガス0.13 Pa、Ar イオン引きだし電圧300 V、エッチン
グ速度10 nm/min)によりAlOx-Alバリア層を除去する。
レジストを除去した後を図3-2に示す。なお、この一連
のIBEで下地のZr薄膜もAr エッチングに曝されるが、Al
2O3絶縁層エッチング条件でのZr 薄膜のエッチング速度
は5 nm/minであり、AlOx-Alバリア層エッチング条件で
はZr 薄膜は殆どエッチングされないために、十分な膜
厚(5〜10 nm)でZr薄膜を残すことができる。次に、フ
ォトレジストプロセスによるパターニングを行ないリフ
トオフ法により、下部電極のコンタクトホール形成部分
に選択的にAl2O3絶縁層を堆積する(図3-3)。このAl2O
3絶縁層は、コンタクトホール形成時のエッチングスト
ッパー層であると共に、陽極酸化プロセス時のコンタク
トホール部分のNb下部電極表面の陽極酸化防止の役目を
する。堆積条件は、先に述べた条件と同じであり、堆積
する膜厚は10 nmである。続いて、硼酸アンモニウム+
エチレングリコール+水の混合溶液に浸積して陽極酸化
プロセスにより、Al2O3絶縁層が被覆していない、Nb下
部電極の表面とエッジ部分、及び接合エッジ部分を酸化
する。酸化膜厚は、印加電圧で制御可能であり、5 nm程
度酸化する(図3-4)。次に、接合下部電極面積のパタ
ーンと相似で且つ5μm程度各辺が大きなパターンでパタ
ーニングを行ない、素子分離のために、陽極酸化プロセ
ス時に必要だったZr導電層を、先に述べた条件でIBEに
より除去する。図3-5は、そのレジスト除去後を示す。
次に、ウエファー全面に、下からSiO2/Al2O3絶縁層を堆
積する(図3-6)。SiO2層は、RFマグネトロンスパッタ
(Ar圧力1.3 Pa、印加電力1 kw、堆積速度20 nm/min)
で300〜400 nm堆積し、Al2O3層は、先に述べた条件で10
nm堆積する。このAl2O3層は、次のNb配線層加工時のエ
ッチングストッパー層の役目をする。
【0035】次に、フォトレジストプロセスによりコン
タクトホールのパターニングを行ない、IBE(エッチン
グ条件は先に述べた条件)でSiO2層上のAl2O3層をArイ
オンエッチングし、次に、CF4+O2混合ガスによるRIE(C
F4+O2混合ガス圧力26 Pa、印加電力200 W、エッチング
速度30 nm/min)でSiO2層のエッチングを行なう。このR
IEによるエッチングは、Al2O3層でエッチングが阻止さ
れて止まるため、続いて、Al2O3層を、先に述べた条件
でArイオンエッチングし、清浄なNb下部電極表面及びNb
上部電極表面を露出させる。図3-7は、そのレジスト除
去後の断面を示す。
【0036】最後に、全面にNb配線層を500〜600 nm堆
積し、フォトレジストプロセスにより配線層のパターニ
ングを行ない、次いで、RIE(CF4+5%O2混合ガス圧力26
Pa、印加電力200 W、エッチング速度150 nm/min)でエ
ッチングする。このエッチングは、Al2O3層でエッチン
グが阻止されてこの層で止まる。図3-8は、そのレジス
ト除去後の完成素子の断面を示す。以上、本発明の実施
例を説明したが、特許請求の範囲で規定された本発明の
精神と範囲から逸脱することなく、その形態や細部に種
々の変更がなされても良いことは明らかである。
【0037】例えば、実施例では、トンネル接合構造の
下部電極及び上部電極を超伝導体で構成した超伝導トン
ネル接合素子の作製方法について説明したが、トンネル
接合構造の下部電極及び上部電極を強磁性体で構成した
強磁性トンネル接合素子の形態として実施することもで
き、本発明を限定するものではない。また、実施例で説
明した、基板、上下電極、トンネルバリア等の材料種類
は一例であって、目的とするトンネル接合素子の特性に
合わせ選定すべきものであることは言うまでもない。更
にまた、積層、或いはエッチング等のプロセスの詳細な
条件は、本実施例で好適なものであって、何ら本発明を
限定するものではない。
【0038】
【発明の効果】基板上に下部電極層/トンネルバリア層
/上部電極層を含み積層したトンネル接合構造を有する
トンネル接合素子の作製方法であって、露出しているト
ンネル接合エッジ部分等を陽極酸化して薄い陽極酸化層
を形成するプロセスを導入し、コンタクトホール部分に
選択的に陽極酸化保護及びエッチング保護を兼用する絶
縁薄膜を形成するプロセスを設け、また、上部電極層の
上面に陽極酸化保護及びエッチング保護を兼用する絶縁
薄膜を形成するプロセスを設けることにより、トンネル
接合エッジ部分の絶縁不良の発生とコンタクトホール形
成の不良の発生を解決し、歩留まりの良いトンネル接合
素子の作製方法及びその方法で作製されたトンネル接合
素子を提供できる効果がある。このトンネル接合素子
は、トンネル接合素子を用いた集積回路実現に大きく寄
与するものと期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来方法によるトンネル接合の作製方法を説明
するためのプロセス図である。
【図2】本発明のフルウエファープロセスによるトンネ
ル接合の作製方法の実施例を説明するためのプロセス図
である。
【図3】本発明のリフトオフ法によるトンネル接合の作
製方法の実施例を説明するためのプロセス図である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に下部電極層/トンネルバリア層
    /上部電極層を含み積層したトンネル接合構造を有する
    トンネル接合素子の作製方法であって、陽極酸化して薄
    い陽極酸化層を形成するプロセスを有し、該下部電極層
    の後工程で堆積する配線層とのコンタクトホール部分に
    選択的に陽極酸化保護及びエッチング保護を兼用する絶
    縁薄膜を設けるプロセスを有することを特徴とするトン
    ネル接合素子の作製方法。
  2. 【請求項2】 前記上部電極層の上面に陽極酸化保護及
    びエッチング保護を兼用する絶縁薄膜を設けるプロセス
    を有することを特徴とする請求項1記載のトンネル接合
    素子の作製方法。
  3. 【請求項3】 前期陽極酸化層を形成するプロセスは、
    前記上部電極層の上面に絶縁薄膜を設けるプロセスと、
    トンネル接合の接合面積を決定するための加工プロセス
    と、前記下部電極層に絶縁薄膜を設けるプロセスの後
    に、該下部電極層絶縁薄膜及び該上部電極層絶縁薄膜以
    外の、露出しているトンネル接合エッジ部分及び露出し
    ている下部電極層上面を陽極酸化して薄い陽極酸化層を
    形成するプロセスであることを特徴とする請求項2記載
    のトンネル接合素子の作製方法。
  4. 【請求項4】 前記トンネル接合構造は、リフトオフ法
    により基板上で面積を限定して下部電極層/トンネルバ
    リア層/上部電極層を含み積層されたトンネル接合構造
    であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれ
    かに記載のトンネル接合素子の作製方法。
  5. 【請求項5】 前記基板上に陽極酸化のための導電層薄
    膜を設けるプロセスを有し、前記トンネル接合構造を該
    導電性薄膜上に積層することを特徴とする請求項4記載
    のトンネル接合素子の作製方法。
  6. 【請求項6】 前記陽極酸化層の形成が、露出している
    トンネル接合エッジ部分と、露出している下部電極層の
    上面及びエッジ部分に対して行われることを特徴とする
    請求項4又は請求項5記載のトンネル接合素子の作製方
    法。
  7. 【請求項7】 前記陽極酸化層を形成するプロセスの後
    に、前記導電薄膜を除去するプロセスを有することを特
    徴とする請求項4乃至請求項6のいずれかに記載のトン
    ネル接合素子の作製方法。
  8. 【請求項8】 素子分離に必要な層間絶縁膜上面にエッ
    チング保護用の絶縁薄膜を堆積するプロセスを有するこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載
    のトンネル接合素子の作製方法。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載
    のトンネル接合素子の作製方法を用いて作製したことを
    特徴とするトンネル接合素子。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110635022A (zh) * 2019-09-27 2019-12-31 江苏鲁汶仪器有限公司 一种铌基约瑟夫森结刻蚀方法
WO2023045049A1 (zh) * 2021-09-27 2023-03-30 北京超弦存储器研究院 磁隧道结的刻蚀掩模方法

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