JP2007158361A - 磁気トンネル接合素子の製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気トンネル接合素子(TMR素子)の製法において、製造歩留りを向上させる。
【解決手段】基板20を覆う絶縁膜22の上に下から順に第1の導電材層、反強磁性層、第1の磁性層、トンネルバリア層、第2の磁性層及び第2の導電材層からなる積層を形成した後、第2の導電材層に選択エッチング処理を施して第1のハードマスク70a,70bを形成し、これらのマスクを選択マスクとするイオンミリング処理により絶縁膜22に達するようにエッチングして電極パターンに従って積層を残存させ、その残存部を覆って絶縁材からなる第2のハードマスク76a,76bを形成し、これらのマスクを選択マスクとするイオンミリング処理によりTMR素子Ta,Tbを形成するとともに、第1の導電材層及び反強磁性層の残存部分と第2の導電材層の残存部分とを電極層として残存させ、トンネルバリア層の端部の堆積物を除去する。
【選択図】図33

Description

この発明は、磁気センサ等に用いられる磁気トンネル接合素子の製法と、この製法により製作するに好適な磁気センサ、磁気メモリ等の磁気トンネル接合装置とに関するものである。この後の説明では、磁気トンネル接合素子をTMR素子と略記する。
従来、複数のTMR素子を備えた磁気センサの製法としては、図43〜48に示すものが提案されている(例えば、本願と同一出願人の出願に係る特許文献1参照)。
図43の工程では、シリコン基板1の表面を覆う酸化シリコン膜2の上に下電極層としてのCr層3と、反強磁性層としてのRh−Mn合金層4と、下強磁性層としてのNi−Fe合金層5とを順次に重ねてスパッタ法で形成した後、Ni−Fe合金層5の上にAl層を形成して酸化することによりトンネルバリア層としてのアルミナ層6を形成し、アルミナ層6の上に上強磁性層としてのNi−Fe合金/Co積層(Coが下層)7と、上電極層としてのMo層8とを順次に重ねてスパッタ法で形成する。Mo層8の上には、それぞれ図13の26a,26bに示すような四辺形状のパターンを有するレジスト層9a,9bを周知のホトリソグラフィ処理により形成する。
次に、図44の工程では、レジスト層9a,9bをマスクとする選択的イオンミリング処理により層3〜8の積層に分離溝10を酸化シリコン膜2に達するように形成することにより該積層を層3〜8の部分3a〜8aからなる第1の積層部分と層3〜8の部分3b〜8bからなる第2の積層部分とに分離する。この後、レジスト層9a,9bを除去する。
図44のイオンミリング工程では、図49に示したように分離溝10の側壁に側壁堆積膜DPが形成される。側壁堆積膜DPは、レジスト層9a,9bがイオンミリングにより削られて生ずるレジスト変性成分(有機物)を多量に含むもので、その他にも層3a〜5a,7a,8aの金属成分や酸化シリコン膜2の構成成分等を含んでいる。
図44のレジスト除去工程では、レジスト層9a,9bに対してOプラズマによるアッシング処理を施した後、有機剥離液を用いて剥離処理を施す。しかし、このような処理を施しても、側壁堆積膜DPを完全に除去するのは困難であり、しかもレジスト残渣R,Rが残留する。レジスト残渣R,Rは、レジスト層9a,9bに由来するレジスト変性成分の他に、金属成分やSiO等の成分を含んでいるため、有機溶媒等を用いるレジスト除去処理によって完全に除去するのが困難である。
図45の工程では、図44の工程で得られた第1及び第2の積層部分の上にそれぞれレジスト層9c,9d及びレジスト層9eをホトリソグラフィ処理により形成する。レジスト層9c,9d,9eのパターンは、図13のTa,Tb,Tcに示すような四辺形状のパターンとする。
図46の工程では、レジスト層9c〜9eをマスクとする選択的イオンミリング処理(又は選択的ウエットエッチング処理)により第1及び第2の積層部分に分離溝12を層部分4a,4bに達するように形成することによりTMR素子Ta,Tb,Tcを得る。TMR素子Taは、分離溝10で囲まれた層3,4の部分3a,4aと分離溝12で囲まれた層5〜8の部分5a〜8aとの積層からなり、TMR素子Tbは、分離溝10で囲まれた層3,4の部分3a,4aと分離溝12で囲まれた層5〜8の部分5a〜8aとの積層からなる。層部分3a,4aの積層は、TMR素子Ta,Tbに共通の電極層であり、TMR素子Ta,Tbを相互接続している。TMR素子Tcは、分離溝10で層部分3a、4aから分離された層3,4の部分3b,4bと分離溝12で囲まれた層5〜8の部分5b〜8bとの積層からなる。イオンミリング処理の後、レジスト層9c〜9eを除去する。
図46のイオンミリング工程では、図44の工程に関して前述したと同様にして図50に示すように分離溝10,12の側壁に側壁堆積膜DP,DPが形成される。そして、図46のレジスト除去工程では、図44の工程に関して前述したと同様にしてアッシング処理及び有機剥離液処理を行なうが、このようにしても、側壁堆積膜DP,DPを完全に除去するのが困難であり、しかもレジスト残渣R〜Rが残留する。側壁堆積膜DP,DPは、レジスト層9c〜9eがイオンミリングにより削られて生ずるレジスト変性成分(有機物)を多量に含むもので、その他にも層3a〜5a,7a、8aの金属成分及び酸化シリコン膜2の構成成分等を含んでいる。レジスト残渣R〜Rは、レジスト層9c〜9eに由来するレジスト変性成分を主体とするものである。なお、図46のレジスト除去工程では、分離溝12の側壁において側壁堆積膜DPがない個所にレジスト残渣が残留することもある。
図47の工程では、TMR素子Ta〜Tc及び分離溝10,12を覆って基板上面にスパッタ法により層間絶縁膜としての酸化シリコン膜13を形成する。そして、選択的イオンミリング処理によりTMR素子Ta〜TcのMo層8a,8a,8bにそれぞれ対応する接続孔13a〜13cを酸化シリコン膜13に形成する。
図48の工程では、酸化シリコン膜13の上に接続孔13a〜13cを覆ってAlをスパッタ法で被着した後、その被着層を選択的イオンミリング処理によりパターニングして配線層としてのAl層14a,14bを形成する。Al層14aは、接続孔13aを介してTMR素子TaのMo層8aに接続され、Al層14bは、接続孔13b,13cを介してTMR素子Tb,TcのMo層8a,8bを相互接続する。この結果、TMR素子Ta〜Tcは、直列接続されたことになる。
特願平11−368776号
上記した従来技術によると、次の(a)〜(c)のような問題点がある。
(a)選択マスクとしてのレジスト層は、イオンミリングにより削られやすいので、図43,45の工程では、レジスト層9a〜9eを0.6〜2.0μm程度に厚く形成する必要があり、微細加工に適していない。すなわち、厚いレジスト層では、微細パターンの形成が困難であると共にパターン倒れが起こりやすく、しかも角度ミリングでの加工時には影となる部分が生ずるため加工精度が低下する。
(b)分離溝12の側壁に側壁堆積膜DPやレジスト残渣が残留すると、トンネルバリア層6aの上下の金属層間で電気的な短絡やリークが生ずる原因となり、歩留りの低下や素子特性の劣化を招く。また、図49,50に示したようにレジスト残渣R〜Rが残留すると、パーティクル発生の原因となり、歩留りの低下を招く。
(c)図46のイオンミリング工程で分離溝12を形成する際に分離溝10の底部で酸化シリコン膜がエッチングされるため、分離溝10の深さDがエッチング分だけ増大し、分離溝10の段差が急峻となる。このため、図47の工程でスパッタ法により酸化シリコン膜13を形成すると、分離溝10の開口端近傍で酸化シリコン膜13に膜欠陥が生じやすく、図48の工程でAl層14bを形成すると、Al層14bと層部分4aとが酸化シリコン膜13の膜欠陥を介して短絡する不良を生ずることがある。なお、スパッタ法に比べて段差被覆性が良好なCVD(ケミカル・ベーパー・デポジション)法は、膜欠陥は生じないものの、400℃程度の処理となり、TMR素子が高温に弱いため、酸化シリコン膜13の形成に適していない。
上記(b)の問題点に対処する方法としては、酸又はアルカリ等の溶液により側壁堆積膜やレジスト残渣を除去する処理が考えられる。しかし、このような処理は、極めて薄いトンネルバリア層にダメージを与えたり、トンネルバリア層の上下の金属層をエッチングして形状悪化を招いたりするので、得策でない。また、レジスト変性成分を含む側壁堆積膜を有機溶媒等を用いて除去する処理では、人体や環境に有害な物質を使用しなければならず、有機廃液の処理のためにコスト上昇を招く。
上記(b)の問題点に関してTMR素子のリーク電流を低減する方法としては、磁気トンネル接合積層を選択的イオンミリング処理によりパターニングしてTMR素子を形成する際に酸化性又は窒化性雰囲気中でイオンミリングを行なうことによりTMR素子の側壁に酸化物又は窒化物からなる絶縁層を形成するものが知られている(例えば、特開2001−52316号公報参照)。このようなイオンミリング処理を図46の工程で採用した場合、エッチング終点の検出に困難を伴うという問題点がある。すなわち、図46のイオンミリング処理では、エッチング終点検出法としてプラズマ発光測定法を用いることが多い。この方法を用いた場合、反強磁性層としてのRh−Mn合金層4a,4bの構成原子に基づく発光を検出してイオンミリングを停止する。酸化性又は窒化性雰囲気中でイオンミリングを行なう場合、酸素又は窒素を含まない雰囲気中でイオンミリングを行なう場合に比べてエッチングレートが低下するため、単位時間当りの励起原子の発生量が減少し、発光検出に必要な信号強度が低下する。このため、エッチング終点の検出精度が低下し、アンダーエッチングによりTMR素子Tb,Tc間の短絡を招いたり、オーバーエッチングによりTMR素子Ta,Tb間で接続抵抗の増大(更には断線)を招いたりする。その上、図46の工程の前に分離溝10を形成しておくと、図46の工程においてRh−Mn合金層4a,4bの露出面積が分離溝10に相当する分だけ減少するため、発光検出に必要な信号強度は更に低下することになる。従って、エッチング終点の検出が一層困難となり、アンダーエッチング又はオーバーエッチングが一層発生しやすくなる。
上記(c)の問題点に対処する方法としては、図46対応のイオンミリング工程の後、図44対応のイオンミリング工程を実施する方法が提案されている(例えば、本願と同一出願人の出願に係る特願2001−288809号参照)。この方法によれば、分離溝12を形成した後、分離溝10を形成することになるので、分離溝10の段差を低くすることができ、層間絶縁膜(酸化シリコン膜13に対応)の膜欠陥に基づく配線の短絡不良を防止することができる。また、図46対応のイオンミリング工程において分離溝10がない分だけ発光検出に必要な信号強度を増大させることができる。
しかしながら、イオンミリングの選択マスクとしてレジスト層(レジスト層9a〜9eに対応)を用いるので、上記(a)及び(b)と同様の問題点を免れない。例えば、上記(b)の問題点に関しては、図46対応のイオンミリング工程では、図50に示すように分離溝12の側壁に側壁堆積膜DPが形成されたり、図46対応のレジスト除去工程では、側壁堆積膜DPやレジスト残渣R〜Rが残留したりする。また、図44対応のイオンミリング工程に先立って選択マスクとしてのレジスト層を形成する工程では、分離溝12の側壁にレジスト等が付着して汚染を招くことがある。さらに、図44対応のイオンミリング工程では、図50に示すように分離溝10の側壁に側壁堆積膜DPが形成されたり、図44対応のレジスト除去工程では、側壁堆積膜DPやレジスト残渣Rが残留したり、分離溝12の側壁において側壁堆積膜DPがない個所にレジスト残渣が残留したりする。従って、トンネルバリア層6aの上下の金属層間で電気的な短絡やリークが起こりやすい。
この発明の目的は、上記のような問題点を解決し、高い製造歩留りを得ることができる新規なTMR素子の製法を提供することにある。
この発明の他の目的は、TMR素子又は他の回路素子のための配線設計の自由度を向上させた新規な磁気トンネル接合装置を提供することにある。
この発明の更に他の目的は、TMR素子を覆う絶縁膜の平坦性又は安定性を向上させた新規な磁気トンネル接合装置を提供することにある。
この発明に係る第1のTMR素子の製法は、
基板の絶縁性の一主面に第1の導電材層を介して磁気トンネル接合積層を形成する工程であって、前記第1の導電材層の上に下から順に反強磁性層、第1の磁性層、トンネルバリア層及び第2の磁性層を重ねて前記磁気トンネル接合積層を形成するものと、
前記磁気トンネル接合積層を覆って第2の導電材層を形成する工程と、
前記磁気トンネル接合積層を所望の素子パターンに従って覆うように前記第2の導電材層を残存させるべく前記第2の導電材層に第1の選択エッチング処理を施すことにより前記第2の導電材層の残存部部分からなる第1のハードマスクを形成する工程と、
前記磁気トンネル接合積層に前記第1のハードマスクを選択マスクとする第2の選択エッチング処理を施して前記磁気トンネル接合積層を前記反強磁性層に達するまでエッチングすることにより前記第1の磁性層、前記トンネルバリア層及び前記第2の磁性層の各々の残存部分からなる磁気トンネル接合部を形成する工程と、
前記磁気トンネル接合部において前記トンネルバリア層の端部に前記第2の選択エッチング処理の際に堆積した堆積物を除去する工程と、
前記堆積物を除去した後、前記第1のハードマスクと前記磁気トンネル接合部と前記反強磁性層の露呈部とを覆って絶縁材層を形成する工程と、
前記第1のハードマスクと前記磁気トンネル接合部と前記反強磁性層の露呈部とを所望の電極パターンに従って覆うように前記絶縁材層を残存させるべく前記絶縁材層に第3の選択エッチング処理を施すことにより前記絶縁材層の残存部分からなる第2のハードマスクを形成する工程と、
前記第1の導電材層と前記反強磁性層との積層に前記第2のハードマスクを選択マスクとする第4の選択エッチング処理を施すことにより該積層の残存部分からなる第1の電極層を前記磁気トンネル接合部の下に形成すると共に前記第1のハードマスクを第2の電極層として残存させる工程と
を含むものである。
第1のTMR素子の製法によれば、第1の磁性層、トンネルバリア層及び第2の磁性層を含む積層に導電材からなる第1のハードマスクを選択マスクとする第2の選択エッチング処理を施して磁気トンネル接合部を形成した後、トンネルバリア層の端部に第2の選択エッチング処理の際に堆積した堆積物を除去してから磁気トンネル接合部と反強磁性層の露呈部とを覆って絶縁材からなる第2のハードマスクを形成するので、磁気トンネル接合部の側壁(特にトンネルバリア層の端部)において第2のハードマスクの下にエッチング生成物等が残留するのを防ぐことができる。また、第3の選択エッチング処理により第2のハードマスクを形成する際には、磁気トンネル接合部がマスク用絶縁材層で覆われるため、磁気トンネル接合部の側壁(特にトンネルバリア層の端部)にレジスト等が付着するのを防ぐことができる。さらに、第2のハードマスクを選択マスクとする第4の選択エッチング処理により第1の電極層を形成する際には、磁気トンネル接合部が第2のハードマスクで覆われるため、磁気トンネル接合部の側壁(特にトンネルバリア層の端部)にエッチング生成物等が直接付着するのを防ぐことができる。従って、磁気トンネル接合部の側壁においてトンネルバリア層の上下の金属層がエッチング生成物等により接続されることがなくなり、電気的な短絡やリークを防止することができる。
その上、第2の選択エッチング処理においては、選択マスクとして導電材からなる第1のハードマスクを用いるので、磁気トンネル接合部の側壁(特にトンネルバリア層の端部)に付着するエッチング生成物としての堆積物がレジスト変性成分等の有機物を含まない。このため、堆積物を除去する工程では、有機溶媒等を使用しなくても、堆積物を簡単に除去することができる。このように有機溶媒等を使用しなくてよいので、人体や環境に有害な物質の使用量が削減される。また、第1のハードマスクは、第2の電極層として残されるので、除去工程が不要である。従って、工程の簡素化及びコスト低減が可能となる。
さらに、第1のハードマスクを形成するための第1の選択エッチング処理では、ハードマスク用の導電材料として、第1及び第2の磁性層よりイオンミリングレート(エッチングレート)が遅いW(タングステン)等の材料を選定すると、マスク用導電材層を薄くすることができる。このため、マスク用導電材層をパターニングする際に選択マスクとして用いるレジスト層を薄くすることができる。従って、微細パターンの形成が容易であると共にパターン倒れが起こりにくく、しかも角度ミリングでの加工時に影となる部分が少ないため加工精度が向上する。また、第2のハードマスクを形成するための第3の選択エッチング処理では、マスク用の絶縁材料として、第1の導電材層及び反強磁性層よりイオンミリングレート(エッチングレート)が遅いSiO等の材料を選定すると、マスク用絶縁材層を薄くすることができる。このため、マスク用絶縁材料をパターニングする際に選択マスクとして用いるレジスト層を薄くすることができる。従って、微細パターンの形成が容易であると共にパターン倒れが起こりにくく、しかも角度ミリングでの加工時に影となる部分が少ないため加工精度が向上する。なお、第2のハードマスクは、除去しないで残しておき、層間絶縁膜の一部として利用することもできる。
第1のTMR素子の製法においては、第1の変形例として、次のような変更を加えてもよい。すなわち、磁気トンネル接合部を形成する工程では、所望の素子パターンに対応する第1のハードマスクを用いる第2の選択エッチング処理を磁気トンネル接合積層に施して磁気トンネル接合積層を第1の導電材層に達するまでエッチングすることにより磁気トンネル接合積層の残存部分からなる磁気トンネル接合部を形成してもよい。この場合、第2のハードマスクは、第1のハードマスクと磁気トンネル接合部と第1の導電材層の露呈部とを覆うように形成し、第1の電極層を形成する工程では、第1の導電材層に第2のハードマスクを選択マスクとする第4の選択エッチング処理を施すことにより第1の導電材層の残存部分からなる第1の電極層を形成する。このようにすると、第1のTMR素子の製法に関して前述したと同様の作用効果が得られる。その上、第1の電極層が第1の導電材層の単層で構成されるため、第1の導電材層と反強磁性層との積層で構成される場合に比べて第1の電極層の端部での段差を低くすることができる。
第1のTMR素子の製法において第1の変形例を採用した場合には、第2の変形例として、次のような変更を加えてもよい。すなわち、磁気トンネル接合積層を形成する工程では、第1の導電材層の上に下から順に第1の磁性層、トンネルバリア層、第2の磁性層及び反強磁性層を重ねて磁気トンネル接合積層を形成してもよい。この場合、他の工程は、第1のTMR素子の製法及び第1の変形例に関して前述したと同様に実行する。このようにすると、第1のTMR素子の製法及び第1の変形例に関して前述したと同様の作用効果が得られる。
この発明に係る第2のTMR素子の製法は、
基板の絶縁性の一主面に第1の導電材層を介して磁気トンネル接合積層を形成する工程であって、前記第1の導電材層の上に下から順に反強磁性層、第1の磁性層、トンネルバリア層及び第2の磁性層を重ねて前記磁気トンネル接合積層を形成するものと、
前記磁気トンネル接合積層の上に第2の導電材層を介して第1の絶縁材層を形成する工程と、
前記磁気トンネル接合積層を所望の素子パターンに従って覆うように前記第2の導電材層と前記第1の絶縁材層との積層膜を残存させるべく該積層膜に第1の選択エッチング処理を施すことにより該積層膜の残存部部分からなる第1のハードマスクを形成する工程と、
前記磁気トンネル接合積層に前記第1のハードマスクを選択マスクとする第2の選択エッチング処理を施して前記磁気トンネル接合積層を前記反強磁性層に達するまでエッチングすることにより前記第1の磁性層、前記トンネルバリア層及び前記第2の磁性層の各々の残存部分からなる磁気トンネル接合部を形成する工程と、
前記磁気トンネル接合部において前記トンネルバリア層の端部に前記第2の選択エッチング処理の際に堆積した堆積物を除去する工程と、
前記堆積物を除去した後、前記第1のハードマスクのうち少なくとも前記第2の導電材層の残存部分と前記磁気トンネル接合部と前記反強磁性層の露呈部とを覆って第2の絶縁材層を形成する工程と、
前記第1のハードマスクのうち少なくとも前記第2の導電材層の残存部分と前記磁気トンネル接合部と前記反強磁性層の露呈部とを所望の電極パターンに従って覆うように前記第2の絶縁材層を残存させるべく前記第2の絶縁材層に第3の選択エッチング処理を施すことにより前記第2の絶縁材層の残存部分からなる第2のハードマスクを形成する工程と、
前記第1の導電材層と前記反強磁性層との積層に前記第2のハードマスクを選択マスクとする第4の選択エッチング処理を施すことにより該積層の残存部分からなる第1の電極層を前記磁気トンネル接合部の下に形成すると共に前記第1のハードマスクとしての前記第2の導電材層の残存部分を第2の電極層として残存させる工程と
を含むものである。
第2のTMR素子の製法は、第1のハードマスクを第2の導電材層のみに基づいて形成するのではなく、第1のハードマスクを第2の導電材層に第1絶縁材層を重ねた積層膜に基づいて形成する点で第1のTMR素子の製法と異なるものである。第2のTMR素子の製法によれば、第1のTMR素子の製法に関して前述した作用効果に加えて次のような作用効果が得られる。すなわち、第1のハードマスクを第2の導電材層に第1の絶縁材層を重ねた積層膜に基づいて形成すると共に第2のハードマスクを第2の絶縁材層に基づいて形成するので、第1の絶縁材層としては、第1のハードマスクを用いる第2の選択エッチング処理に最適な材料及び厚さを設定できると共に、第2の絶縁材層としては、第2のハードマスクを用いる第4の選択エッチング処理に最適な材料及び厚さを設定できる。
第2のTMR素子の製法においては、前述した第1の変形例と同様の変更を加えてもよく、第1の変形例を採用した場合には、前述した第2の変形例と同様の変更を加えてもよい。このようにしても、第2のTMR素子の製法に関して前述したと同様の作用効果が得られる。
第1又は第2のTMR素子の製法においては、第1の電極層を形成した後、第2のハードマスク及び第1の電極層に第4の選択エッチング処理の際に堆積した堆積物を除去するようにしてもよい。このことは、第1又は第2の変形例を採用した場合についても同様である。堆積物は、レジスト変性成分等の有機物を含まないので、有機溶媒等を用いなくても、希フッ酸等を用いる薬液処理で簡単に除去することができる。このようにすると、パーティクルの発生が抑制され、歩留りの向上が可能になる。
この発明に係る第3のTMR素子の製法は、
基板の絶縁性の一主面に第1の導電材層を介して磁気トンネル接合積層を形成する工程であって、前記第1の導電材層の上に下から順に反強磁性層、第1の磁性層、トンネルバリア層及び第2の磁性層を重ねて前記磁気トンネル接合積層を形成するものと、
前記磁気トンネル接合積層を覆って第2の導電材層を形成する工程と、
前記磁気トンネル接合積層を所望の電極パターンに従って覆うように前記第2の導電材層を残存させるべく前記第2の導電材層に第1の選択エッチング処理を施すことにより前記第2の導電材層の残存部部分からなる第1のハードマスクを形成する工程と、
前記磁気トンネル接合積層に前記第1のハードマスクを選択マスクとする第2の選択エッチング処理を施すことにより前記電極パターンに従って前記磁気トンネル接合積層を残存させる工程と、
前記第1のハードマスクと前記磁気トンネル接合積層の残存部とを覆って絶縁材層を形成する工程と、
前記磁気トンネル接合積層の残存部を所望の素子パターンに従って覆うように前記第1のハードマスク及び前記絶縁材層を残存させるべく前記第1のハードマスク及び前記絶縁材層に第3の選択エッチング処理を施すことにより前記第1のハードマスク及び前記絶縁材層の各々の残存部分からなる第2のハードマスクを形成する工程と、
前記磁気トンネル接合積層の残存部に前記第2のハードマスクを選択マスクとする第4の選択エッチング処理を施して前記磁気トンネル接合積層の残存部を前記反強磁性層に達するまでエッチングすることにより前記第1の磁性層、前記トンネルバリア層及び前記第2の磁性層の各々の残存部分からなる磁気トンネル接合部を形成すると共にこの磁気トンネル接合部の下に前記第1の導電材層及び前記反強磁性層の各々の残存部分からなる第1の電極層を残存させ、しかも前記第2のハードマスクとしての前記第2の導電材層の残存部分を第2の電極層として残存させる工程と、
前記磁気トンネル接合部において前記トンネルバリア層の端部に前記第4の選択エッチング処理の際に堆積した堆積物を除去する工程と
を含むものである。
第3のTMR素子の製法によれば、第4の選択エッチング処理において選択マスクとして絶縁材からなる第2のハードマスクを用いるので、磁気トンネル接合部の側壁(特にトンネルバリア層の端部)に付着するエッチング生成物としての堆積物がレジスト変性成分等の有機物を含まない。このため、堆積物を除去する工程では、有機溶媒等を使用しなくても、堆積物を簡単に除去することができる。従って、磁気トンネル接合部の側壁においてトンネルバリア層の上下の金属層が堆積物等により接続されることがなくなり、電気的な短絡やリークを防止することができる。また、有機溶媒等を使用しなくてよいので、人体や環境に有害な物質の使用量が削減され、工程の簡素化及びコスト低減が可能となる。
その上、導電材からなる第1のハードマスク及び絶縁材からなる第2のハードマスクを用いるので、第1のTMR素子に関して前述したと同様に微細パターンの形成が容易であると共に加工精度が向上する。
第3のTMR素子の製法においては、第3の変形例として、次のような変更を加えてもよい。すなわち、磁気トンネル接合部を形成する工程では、磁気トンネル接合積層の残存部を第4の選択エッチング処理により第1の導電材層に達するまでエッチングすることにより反強磁性層、第1の磁性層、トンネルバリア層及び第2の磁性層の各々の残存部分からなる磁気トンネル接合部を形成すると共にこの磁気トンネル接合部の下に第1の導電材層の残存部分からなる第1の電極層を残存させる。このようにしても、第3のTMR素子の製法に関して前述したと同様の作用効果が得られる。
第3のTMR素子の製法において第3の変形例を採用した場合には、第4の変形例として、次のような変更を加えてもよい。すなわち、磁気トンネル接合積層を形成する工程では、第1の導電材層の上に下から順に第1の磁性層、トンネルバリア層、第2の磁性層及び反強磁性層を重ねて磁気トンネル接合積層を形成してもよい。この場合、他の工程は、第3のTMR素子の製法及び第3の変形例に関して前述したと同様に実行する。このようにすると、第3のTMR素子の製法に関して前述したと同様の作用効果が得られる。
この発明に係る第4のTMR素子の製法は、
基板の絶縁性の一主面に第1の導電材層を介して磁気トンネル接合積層を形成する工程であって、前記第1の導電材層の上に下から順に反強磁性層、第1の磁性層、トンネルバリア層及び第2の磁性層を重ねて前記磁気トンネル接合積層を形成するものと、
前記磁気トンネル接合積層の上に第2の導電材層を介して第1の絶縁材層を形成する工程と、
前記磁気トンネル接合積層を所望の電極パターンに従って覆うように前記第2の導電材層と前記第1の絶縁材層との第1の積層膜を残存させるべく該第1の積層膜に第1の選択エッチング処理を施すことにより該第1の積層膜の残存部部分からなる第1のハードマスクを形成する工程と、
前記磁気トンネル接合積層に前記第1のハードマスクを選択マスクとする第2の選択エッチング処理を施すことにより前記電極パターンに従って前記磁気トンネル接合積層を残存させる工程と、
前記第1のハードマスクのうち少なくとも前記第2の導電材層の残存部分と前記磁気トンネル接合積層の残存部とを覆って第2の絶縁材層を形成する工程と、
前記磁気トンネル接合積層の残存部を所望の素子パターンに従って覆うように前記第1のハードマスクのうち少なくとも前記第2の導電材層の残存部分と前記第2の絶縁材層との第2の積層膜を残存させるべく該第2の積層膜に第3の選択エッチング処理を施すことにより該第2の積層膜の残存部分からなる第2のハードマスクを形成する工程と、
前記磁気トンネル接合積層の残存部に前記第2のハードマスクを選択マスクとする第4の選択エッチング処理を施して前記磁気トンネル接合積層の残存部を前記反強磁性層に達するまでエッチングすることにより前記第1の磁性層、前記トンネルバリア層及び前記第2の磁性層の各々の残存部分からなる磁気トンネル接合部を形成すると共にこの磁気トンネル接合部の下に前記第1の導電材層及び前記反強磁性層の各々の残存部分からなる第1の電極層を残存させ、しかも前記第2のハードマスクとしての前記第2の導電材層の残存部分を第2の電極層として残存させる工程と、
前記磁気トンネル接合部において前記トンネルバリア層の端部に前記第4の選択エッチング処理の際に堆積した堆積物を除去する工程と
を含むものである。
第4のTMR素子の製法は、第1のハードマスクを第2の導電材層のみに基づいて形成するのではなく、第1のハードマスクを第2の導電材層に第1絶縁材層を重ねた積層膜に基づいて形成する点で第3のTMR素子の製法と異なるものである。第4のTMR素子の製法によれば、第3のTMR素子の製法に関して前述した作用効果に加えて次のような作用効果が得られる。すなわち、第1のハードマスクを第2の導電材層に第1の絶縁材層を重ねた積層膜に基づいて形成すると共に第2のハードマスクを第2の絶縁材層に基づいて形成するので、第1の絶縁材層としては、第1のハードマスクを用いる第2の選択エッチング処理に最適な材料及び厚さを設定できると共に、第2の絶縁材層としては、第2のハードマスクを用いる第4の選択エッチング処理に最適な材料及び厚さを設定できる。
第4のTMR素子の製法においては、前述した第3の変形例と同様の変更を加えてもよく、第3の変形例を採用した場合には、前述した第4の変形例と同様の変更を加えてもよい。このようにしても、第4のTMR素子の製法に関して前述したと同様の作用効果が得られる。
この発明に係る第1の磁気トンネル接合装置は、
絶縁性の一主面を有する基板と、
前記一主面に形成された磁気トンネル接合素子であって、前記一主面に下から順に第1の導電材層、反強磁性層、第1の磁性層、トンネルバリア層、第2の磁性層及び第2の導電材層を重ねるか又は前記一主面に下から順に第1の導電材層、第1の磁性層、トンネルバリア層、第2の磁性層、反強磁性層及び第2の導電材層を重ねて構成されたものと、
前記磁気トンネル接合素子の側壁を覆って形成され、絶縁材からなる第1の保護膜と、
前記一主面に形成され、前記磁気トンネル接合素子と実質的に同一の積層構成を有する配線層と、
この配線層の側壁を覆って形成され、絶縁材からなる第2の保護膜とを備え、
前記配線層を、前記磁気トンネル接合素子のための配線層又は前記基板に形成された回路素子のための配線層として用いたものである。
第1の磁気トンネル接合装置は、TMR素子と配線層とが実質的に同一の積層構成であるため、この発明の第1又は第2のTMR素子の製法(第1又は第2の変形例も含む)により簡単に製作可能である。また、配線層は、TMR素子又は他の回路素子のための配線層として使用されるので、配線設計の自由度が向上する。
この発明に係る第2の磁気トンネル接合装置は、
絶縁性の一主面を有する基板と、
前記一主面に形成された磁気トンネル接合素子であって、前記一主面に下から順に第1の導電材層、反強磁性層、第1の磁性層、トンネルバリア層、第2の磁性層及び第2の導電材層を重ねるか又は前記一主面に下から順に第1の導電材層、第1の磁性層、トンネルバリア層、第2の磁性層、反強磁性層及び第2の導電材層を重ねて構成されたものと、
前記磁気トンネル接合素子の側壁を覆って形成され、絶縁材からなる第1の保護膜と、
前記一主面に形成され、前記磁気トンネル接合素子と実質的に同一の積層構成を有する補助積層と、
この補助積層の側壁を覆って形成され、絶縁材からなる第2の保護膜と、
前記第1及び第2の保護膜をそれぞれ介して前記磁気トンネル接合素子及び前記補助積層を覆うように前記一主面に形成された絶縁膜とを備え、
前記補助積層を、前記絶縁膜を平坦化するための平坦化層又は前記絶縁膜の剥離を防止するための剥離防止層として用いたものである。
第2の磁気トンネル接合装置は、TMR素子と平坦化層又は剥離防止層とが実質的に同一の積層構成であるため、この発明の第1又は第2のTMR素子の製法(第1又は第2の変形例も含む)により簡単に製作可能である。また、平坦化層を設けると、絶縁膜の平坦化が可能にあり、絶縁膜上に形成する配線層の平坦化を達成できる。さらに、剥離防止層を設けると、絶縁膜の剥離を防止可能となり、絶縁膜の安定性が向上する。
第1又は第2の磁気トンネル接合装置においては、TMR素子の側壁と、配線層、平坦化層又は剥離防止層の側壁とが絶縁材からなる保護膜で覆われるので、ハードマスクを保護膜として残すことが可能になり、工程の簡略化及び信頼性の向上を図ることができる。
以上のように、この発明によれば、磁気トンネル接合積層に導電材(又は絶縁材/導電材)からなるハードマスクを選択マスクとする選択エッチング処理を施して磁気トンネル接合部を形成した後、磁気トンネル接合部においてトンネルバリア層の端部から堆積物(エッチング生成物)を除去してから、絶縁材からなるハードマスクを選択マスクとする選択エッチング処理により磁気トンネル接合部の下に電極層を形成したり、磁気トンネル接合積層に導電材(又は絶縁材/導電材)からなるハードマスクを選択マスクとする選択エッチング処理を施して磁気トンネル接合積層の一部を残存させた後、磁気トンネル接合積層の残存部に絶縁材からなるハードマスクを選択マスクとする選択エッチング処理を施して磁気トンネル接合部及び電極層を形成してから、磁気トンネル接合部においてトンネルバリア層の端部から堆積物(エッチング生成物)を除去したりするので、トンネルバリア層の上下の金属層間に電気的な短絡やリークが発生するのを防止でき、TMR素子の製造歩留りが向上すると共にTMR素子の特性劣化を防止できる効果が得られる。また、この発明の製法では、酸化性又は窒化性雰囲気中でイオンミリング処理を行なう必要がないので、エッチング終点の検出精度が低下しない利点もある。
その上、導電材又は絶縁材からなるハードマスクを選択マスクとする選択エッチング処理では、堆積物(エッチング生成物)がレジスト変性成分等の有機物を含まないので、磁気トンネル接合部の側壁に付着した堆積物を有機溶媒等を用いずに簡単に除去することができ、コスト低減が可能になる効果も得られる。また、微細なパターンの形成が容易であると共に加工精度が高い利点もある。
さらに、TMR素子形成処理の一部を流用してTMR素子と積層構成が実質的に同一の配線層、絶縁膜平坦化層又は絶縁膜剥離防止層を形成するので、低コストで配線設計の自由度向上、絶縁膜の平坦性又は安定性の向上等を達成できる効果が得られる。また、絶縁材からなるハードマスクを保護膜として用いるので、
工程の簡略化及び信頼性の向上が可能になる利点もある。
図1〜9は、この発明の第1の実施形態に係るTMR素子を備えた磁気センサの製法を示すもので、各々の図に対応する工程(1)〜(9)を順次に説明する。
(1)例えばシリコンからなる半導体基板20の表面に熱酸化法により酸化シリコンからなる絶縁膜22を形成する。表面に絶縁膜22を形成した半導体基板20の代りに、ガラス又は石英等からなる絶縁性基板を用いてもよい。次に、絶縁膜22の上には、スパッタ法によりCrからなる導電材層24を10〜30nmの厚さに形成する。導電材層24としては、Tiの単層又はTi層にCu層を重ねた積層等を用いてもよく、あるいはW,Ta,Au,Mo等の導電性非磁性金属材料を用いてもよい。
次に、導電材層24の上には、スパッタ法によりPt−Mn合金からなる反強磁性層26を30〜50nmの厚さに形成する。反強磁性層26としては、Rh−Mn合金、Fe−Mn合金等を用いてもよい。この後、反強磁性層26の上には、スパッタ法によりNi−Fe合金からなる強磁性層28を10〜30nmの厚さに形成する。強磁性層28としては、Ni,Fe,Coのうちのいずれかの金属、Ni,Fe,Coのうちの2つ以上の金属の合金又は金属間化合物等を用いてもよく、あるいはNi−Fe合金層28の下にCo層を敷くなどして積層構造のものを用いてもよい。
次に、強磁性層28の上には、スパッタ法によりAl層を1〜2nmの厚さに形成する。そして、Al層に酸化処理を施すことによりアルミナ(酸化アルミニウム)からなるトンネルバリア層30を形成する。トンネルバリア層30としては、金属又は半導体を改変した酸化物(例えばTiOx,SiO,MgO,Al+SiO[サイアロン])、窒化物(例えばAlN,Si)、酸化窒化物(例えばAlN+Al)等を用いてもよい。この後、トンネルバリア層30の上には、スパッタ法によりNi−Fe合金からなる強磁性層32を20〜100nmの厚さに形成する。強磁性層32としては、強磁性層28に関して前述したと同様の強磁性層を用いることができる。
次に、強磁性層32の上には、スパッタ法又はCVD法により例えばW又はTiWからなるハードマスク用導電材層34を100〜400nm(好ましくは200nm)の厚さに形成する。スパッタ法により導電材層34を形成する場合、処理条件は、一例として、
Arガス流量:15〜100sccm(好ましくは30sccm)
圧力:1〜10mTorr(好ましくは3mTorr)
RFパワー:0.5〜2kW(好ましくは1.15kW)
基板温度:80〜250℃(好ましくは150℃)
とすることができる。また、CVD法により導電材層34を形成する場合、処理条件は、一例として、
ガス流量:WF/H/Ar=40/400/2250sccm
圧力:0.5〜10×10Torr(好ましくは1×10Torr)
基板温度:250〜450℃(好ましくは300℃)
とすることができる。
次に、導電材層34の上には、それぞれ図13のTa〜Tcに示すような四辺形状の素子パターンを有するレジスト層36a〜36cをホトリソグラフィ処理により形成する。このときのレジスト厚さは、100〜700nm(好ましくは350nm)とすることができる。
(2)レジスト層36a〜36cをマスクとする選択的イオンミリング処理又は選択的ドライエッチング処理により導電材層34をパターニングしてハードマスク34a〜34cを形成する。イオンミリング処理によりパターニングを行なう場合、処理条件は、一例として、
Ar流量:4sccm
圧力:2.0×10−4Torr
角度:0〜30度
パワー:500V、190mA
ミリング時間:6.0〜6.5min程度
とすることができる。また、ドライエッチング処理によりパターニングを行なう場合、処理条件は、一例として、
ガス流量:SF/Ar=30〜140/40〜140sccm(好ましく
は110/90sccm)
圧力:250mTorr
RFパワー:450W
とすることができる。
(3)ハードマスク34a〜34cを形成した後は、レジスト層36a〜36cを除去する。レジスト除去は、例えばOプラズマによるアッシング処理を施した後、有機剥離液を用いた薬液処理を施すことにより行なうことができる。アッシング処理における処理条件は、一例として、
流量:100sccm
圧力:50mTorr
RFパワー:150W
とすることができる。レジスト除去法の他の例としては、アセトン超音波洗浄法等を用いてもよい。なお、独立のレジスト除去工程を設ける代りに、イオンミリング処理中に同時にレジスト層36a〜36cを除去するようにしてもよい。
イオンミリング処理によりパターニングを行なった場合には、ハードマスク34a及びレジスト層36aの積層の側壁とハードマスク34b及びレジスト層36bの積層の側壁とハードマスク34c及びレジスト層36cの積層の側壁とにそれぞれ側壁堆積膜DP10とDP11とDP12とがエッチング生成物として形成される。これらの堆積膜DP10〜DP12は、レジスト変性成分(有機物)、層32,34の金属成分等を含むもので、上記のようなレジスト除去処理の後もハードマスク34a〜34cの側壁に残り易い。しかし、ミリング時間が短いので、堆積物の量が少なく、堆積物除去のための追加処理を行なわなくても図3のイオンミリング工程で完全に除去することができる。なお、ドライエッチング処理によりパターニングを行なった場合には、側壁堆積膜の問題は殆どない。
次に、ハードマスク34a〜34cをマスクとする選択的イオンミリング処理により層28〜32の積層に分離溝38を反強磁性層26に達するように形成することにより磁気トンネル接合部ATa〜ATcを得る。磁気トンネル接合部ATaは、分離溝38で囲まれた層28〜32の残存部分28a〜32aの積層からなり、磁気トンネル接合部ATbは、分離溝38で囲まれた層28〜32の残存部分28b〜32bの積層からなり、磁気トンネル接合部ATcは、分離溝38で囲まれた層28〜32の残存部分28c〜32cの積層からなる。
イオンミリング処理における処理条件は、一例として、
Ar流量:4sccm
圧力:2.0×10−4Torr
角度:0〜60度
パワー:500V、190mA
とすることができる。エッチング終点の検出法としては、プラズマ発光測定法を用い、反強磁性層26の構成原子に基づく発光を検出してイオンミリングを停止する。反強磁性層26の露出面積が大きいため、発光検出に十分な信号強度が得られ、エッチング終点を高精度で検出可能である。なお、ハードマスク34a〜34cは、電極層として使用するために残存させる。34a等のハードマスクの残存厚さは、50〜300nm程度とするのが望ましい。
図3のイオンミリング工程では、分離溝38の側壁にエッチング生成物として側壁堆積膜DP13〜DP15が形成される。堆積膜DP13〜DP15は、層26,28,32,34の金属成分等を含むもので、レジスト変性成分(有機物)を含まないため、有機溶媒なしで簡単に除去可能である。
(4)イオンミリング処理の後、側壁堆積膜DP13〜DP15を除去するための薬液処理を行なう。この薬液処理としては、
(イ)希フッ酸(又はBHF)処理+純水洗浄処理、
(ロ)アンモニア及び過酸化水素水処理+純水洗浄処理、
(ハ)硫酸及び過酸化水素水処理+純水洗浄処理
の3種類の処理のうち1種類の処理又は複数種類の組合せに係る処理を行なうことができる。このような処理は、短時間の処理であるため、磁気トンネル接合部ATa〜ATcの側壁のエッチング量は極くわずかであり、トンネルバリア層に対する実質的なダメージはない。
側壁堆積膜DP13〜DP15を一層確実に除去したいときは、クリーニングミリング処理(角度をもたせた短時間のミリング処理)を追加してもよい。クリーニングミリング処理における処理条件は、一例として、
Ar流量:4sccm
圧力:2.0×10−4Torr
角度:45〜80度(好ましくは60度)
パワー:500V、190mA
とすることができる。このようなミリング処理を追加することにより分離溝38の側壁を一層清浄化することができ、側壁形状は、一層テーパー状となる。
次に、基板上面には、ハードマスク34a〜34cと磁気トンネル接合部ATa,ATbと分離溝38とを覆ってハードマスク用絶縁材層40を形成する。絶縁材層40としては、50〜300nm(好ましくは200nm)の厚さのSiO層をスパッタ法又はCVD法により形成することができる。スパッタ法によりSiO層を形成する場合、処理条件は、一例として、
使用ガス:Ar
圧力:1〜10mTorr(好ましくは5mTorr)
RFパワー:0.5〜2kW(好ましくは1kW)
膜厚:50nm
とすることができる。また、CVD法によりSiO層を形成する場合、処理条件は、一例として、
原料ガス:SiH又はTEOS(テトラ・エチル・オルソ・シリケート)
又はO流量:8000sccm
圧力:1〜10Torr(好ましくは2.2Torr)
RFパワー:300〜1000W(好ましくは500W)
ヒーター温度:300℃以下
膜厚:50nm
とすることができる。
次に、絶縁材層40の上にレジスト層42a,42bを形成する。レジスト層42a,42bは、それぞれ図13の26a,26bに示すように四辺形状の電極パターンを有するようにホトリソグラフィ処理により形成する。このときのレジスト厚さは、80〜500nm(好ましくは300nm)とすることができる。
(5)レジスト層42a,42bをマスクとする選択的イオンミリング処理又は選択的ドライエッチング処理により絶縁材層40をパターニングしてハードマスク40a,40bを形成する。ハードマスク40a,40bは、それぞれレジスト層42a,42bに対応したパターンを有する絶縁材層40の第1,第2の残存部分からなる。
イオンミリング処理によりパターニングを行なう場合、処理条件は、図2のイオンミリング処理に関して前述したのと同様にすることができる。また、ドライエッチング処理によりパターニングを行なう場合、処理条件は、一例として、
ガス流量:CHF/CF/Ar=30/5/100sccm
圧力:200mTorr
RFパワー:700W
とすることができる。
イオンミリング処理又はドライエッチング処理の後、レジスト層42a,42bを除去する。このときのレジスト除去処理は図3に関して前述したと同様にして行なうことができる。このようなレジスト除去処理に加えて、希フッ酸処理+純水洗浄処理等の堆積膜除去処理を施してもよい。
(6)ハードマスク40a,40bを選択マスクとするイオンミリング処理により層24,26の積層に分離溝44を絶縁膜22に達するように形成することにより磁気トンネル接合部ATa〜ATcにそれぞれ対応するTMR素子Ta〜Tcを得る。このときのイオンミリング処理における処理条件は、図3のイオンミリング処理について前述したと同様にすることができる。
TMR素子Taは、分離溝44で囲まれた層24a,26aと、分離溝38で囲まれた層28〜32の部分28a〜32aと、ハードマスク34aとの積層からなると共に、TMR素子Tbは、分離溝44で囲まれた層24a,26aと、分離溝38で囲まれた層28〜32の部分28b〜32bと、ハードマスク34bとの積層からなる。層24a,26aの積層は、TMR素子Taの一方の電極層として用いられると共に、ハードマスク34aは、TMR素子Taの他方の電極層として用いられる。層24a,26aの積層は、TMR素子Tbの一方の電極層として用いられると共に、ハードマスク34bは、TMR素子Tbの他方の電極層として用いられる。TMR素子Ta,Tbは、配線層(共通の電極層)としての層24a,26aの積層により相互接続される。
TMR素子Tcは、分離溝44で囲まれた層24b,26bと、分離溝38で囲まれた層28〜32の部分28c〜32cと、ハードマスク34cとの積層からなる。層24b,26bは、TMR素子Tcの一方の電極層として用いられると共に、ハードマスク34cは、TMR素子Tcの他方の電極層として用いられる。
絶縁膜22は、図6のイオンミリング処理時にのみ削られるので、電極層の端部におけるエッチング深さDは、図46の場合に比べて小さくなる。
(7)図6のイオンミリング工程では、分離溝38,44の側壁にエッチング生成物としての側壁堆積膜DP17〜DP21が形成される。側壁堆積膜DP17〜DP21は、ハードマスク40a,40bの絶縁材成分、層24,26の金属成分等を含むが、レジスト変性成分を含まない。側壁堆積膜DP17〜DP19が存在しても、分離溝38の側壁がハードマスク40a,40bで覆われているため、30a等のトンネルバリア層の上下の金属層間で電気的な短絡やリークが発生するのを防止することができる。
側壁堆積膜DP17〜DP21は、残しておいても素子特性上問題はないが、後工程で剥離してパーティクルとなり、歩留りを低下させる恐れがある。そこで、堆積膜DP17〜DP21を除去するために薬液処理を施してもよい。この薬液処理では、ハードマスク40a,40bの耐薬品性が高いため、種々の薬液を選択可能であり、しかも堆積膜DP17〜DP21がレジスト変性成分等の有機物を含まないため、除去が容易である。例えば、希フッ酸(又はBHF)処理及び純水洗浄処理を順次に施すか又はアンモニア+過酸化水素水処理及び純水洗浄処理を順次に施すことができる。これらの処理では、40a等のハードマスクの表面が薄く溶解されるため、堆積膜DP17,DP21が浮き上がった状態で除去される。このとき、層24a,26a等の積層の端部におけるエッチング量は、極くわずかである。40a等の薄くなったハードマスクは、残しておいて層間絶縁膜の一部として利用することができる。
上記のような堆積膜除去処理に加えて、図4の堆積膜除去工程に関して前述したと同様のクリーニングミリング処理を追加してもよい。このようにすると、堆積膜を十分に除去可能となり、側壁形状は、一層テーパー状となる。
(8)基板上面には、ハードマスク40a,40b及び分離溝38,44を覆ってスパッタ法により酸化シリコンからなる層間絶縁膜46を形成する。この後、選択的イオンミリング処理によりTMR素子Ta〜Tcの電極層34a〜34cにそれぞれ対応する接続孔46a〜46cを絶縁膜46に形成する。
(9)絶縁膜46の上には、接続孔46a〜46cを覆ってスパッタ法によりAl等の配線用金属を被着すると共にその被着層を選択的イオンミリング処理(又は選択的ウエットエッチング処理)によりパターニングして配線層48a,48bを形成する。配線層48aは、接続孔46aを介してTMR素子Taの電極層34aに接続され、配線層48bは、接続孔46b,46cを介してTMR素子Tb,Tcの電極層34b,34cを相互接続する。この結果、TMR素子Ta〜Tcは、直列接続されたことになる。図13は、TMR素子Ta〜Tcの接続状況を示すもので、図9は、図13のX−X’線断面に対応する。
図6に示したように電極層の端部における段差Dが低いため、絶縁膜46の欠陥発生が抑制され、配線層48bが膜欠陥を介して26a等の反強磁性層と短絡するといった事態を回避することができる。
上記した第1の実施形態の製法によれば、図2,5の工程では薄いレジスト層を用いて寸法精度よくハードマスクを形成できること、図3,6の工程ではハードマスクを用いて寸法精度よく磁気トンネル接合部及びTMR素子を形成できること、図4の工程では磁気トンネル接合部ATa,ATbの側壁が絶縁材層40で覆われているためレジスト汚染を免れること、図5,6の工程では磁気トンネル接合部ATa〜ATcの側壁がハードマスク40a,40bで覆われて側壁堆積膜の影響を受けないため30a等のトンネルバリア層の上下の金属層間で電気的な短絡やリークを防げることなどの理由により磁気センサの製造歩留りが向上する。その上、絶縁膜22が削られるのは図6のイオンミリング処理時のみであるため、電極層の端部の段差Dが低く、層間絶縁膜の欠陥に基づく配線の短絡不
良を防止できる利点もある。
図9に示す磁気センサにおいて、TMR素子Ta〜Tcの動作は同様であり、代表として素子Taの動作を説明する。反強磁性層26aは、強磁性層28aの磁化の向きを固定すべく作用するので、強磁性層28aは、磁化固定層となる。一方、強磁性層32aは、磁化の向きが自由であり、磁化自由層となる。
電極層24a,34a間に一定の電流を流した状態において基板20の平面内に外部磁界を印加すると、磁界の向きと強さに応じて強磁性層28a,32a間で磁化の相対角度が変化し、このような相対角度の変化に応じて電極層24a,34a間の電気抵抗値が変化する。従って、このような電気抵抗値の変化に基づいて磁界検出を行なうことができる。
図10〜12は、上記した第1の実施形態の製法においてTMR素子形成処理の一部を流用して配線部にて配線を形成する工程を示すもので、図1〜9と同様の部分には同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
図10の工程では、基板20の表面を覆う絶縁膜22の上に図1の積層形成工程を流用して層24〜34の積層を形成した後、所望の配線パターンに対応するレジストマスクを用いると共に図2のイオンミリング処理又はドライエッチング処理を流用して導電材層34をパターニングしてハードマスク34sを形成する。そして、図3のレジスト除去処理を流用してレジストマスクを除去した後、ハードマスク34sを用いると共に図3のイオンミリング処理を流用して層28〜32の積層をパターニングして配線用積層部ATsを形成する。積層部ATsは、層28〜32の部分28s〜32sとハードマスク34sとの積層からなるもので、積層部ATsの側壁には、前述の堆積膜DP13〜DP15と同様の側壁堆積膜DP16が形成される。なお、ハードマスク34sの残存厚さは、配線層としての使用を考慮すると、前述の34a等の電極層と同様に50〜300nm程度とするのが望ましい。
図11の工程では、必要に応じて図4の堆積膜除去処理を流用して堆積膜DP16を除去する。そして、図4の絶縁材層形成処理を流用して積層部ATsを覆うようにハードマスク用絶縁材層を反強磁性層26の上に形成する。図4のレジスト層形成処理を流用して絶縁材層の上にレジスト層を形成した後、該レジスト層をマスクとして図5のイオンミリング処理を行なうことにより絶縁材層の残存部分からなるハードマスク40sを形成する。図5のレジスト除去処理を流用してレジスト層を除去した後、必要に応じて図5の堆積膜除去処理を流用して堆積膜を除去する。
図12の工程では、ハードマスク40sをマスクとして図6のイオンミリング処理を層24,26の積層に施すことにより配線層Tsを得る。配線層Tsは、積層部ATsの下に層24,26の残存部分24s,26sの積層を配置した構成を有する。
図6のイオンミリング処理が行なわれると、配線層Tsの側壁には、前述の堆積膜DP17〜DP21と同様の側壁堆積膜が形成される。このような堆積膜を図7の堆積膜除去処理を流用して除去する。
図12に示した配線層Tsは、図9に示したTMR素子Ta〜Tcと同一レベルの配線層として利用可能であり、例えばTa等のTMR素子のための配線層又は基板20の表面に形成したトランジスタ等の回路素子のための配線層として使用することができる。
図10〜12の工程では、TMR素子形成処理の一部を流用して層24s〜34sの積層からなる配線層Tsを形成したが、パターンを適宜変更するだけで図10〜12の工程と同様の処理により層24s〜34sの積層からなる絶縁膜平坦化層又は絶縁膜剥離防止層を形成することもできる。絶縁膜平坦化層は、例えば図8の絶縁膜46の平坦性を向上させるために絶縁膜46の下に配置されるものであり、絶縁膜剥離防止層は、例えば絶縁膜46の剥離を防止するために絶縁膜46の下に配置されるものである。
図14,15は、上記した第1の実施形態の変形例を示すもので、図1〜9と同様の部分には同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
図14の工程は、図1〜3に関して前述したと同様にして導電材からなるハードマスク34a〜34cを形成すると共にハードマスク34a〜34cをマスクとして選択的イオンミリング処理を行なうことにより分離溝38を形成してTMR素子Ta〜Tcを得る工程であり、分離溝38を導電材層24に達するように深く形成する点で図3の工程とは異なるものである。この場合、TMR素子Ta,Tb,Tcは、分離溝38で囲まれた層26の部分26a,26a,26bをそれぞれ含み、これらの層部分26a,26a,26bに共通に導電材層24が配置された状態となる。TMR素子Ta〜Tcを得るためのイオンミリング処理の後、図4に関して前述したと同様にして側壁堆積膜除去処理を行ない、必要に応じてクリーニングミリング処理を行なう。図14の工程では、図3に関して前述したと同様にエッチング終点検出法としてプラズマ発光測定法を用いることができ、高い精度でエッチング終点を検出可能である。
次に、図15の工程では、図4,5に関して前述したと同様にして基板上面に絶縁材からなるハードマスク40a,40bを形成する。そして、図6に関して前述したと同様にしてハードマスク40a,40bを選択マスクとするイオンミリング処理により導電材層24に分離溝44を絶縁膜22に達するように形成することにより層24を分離溝44により第1及び第2の電極層に分離する。第1の電極層は、層24の部分24aからなるもので、反強磁性層26a,26aを相互接続した状態で残される。第2の電極層は、層24の部分24bからなるもので、反強磁性層26bに接続された状態で残される。分離溝44の深さDは、図14の工程で反強磁性層26をエッチングしたため、図6の場合に比べて小さくなる。この後、図7に関して前述したと同様にして分離溝38,44の側
壁の堆積膜(エッチング生成物)を除去してもよい。
図15の工程の後は、図8に関して前述したと同様に基板上面に層間絶縁膜46を形成する。このとき、分離溝44の段差Dが低いので、絶縁膜46には欠陥が発生しにくい。図8に関して前述したと同様にして絶縁膜46に接続孔46a〜46cを形成した後、図9に関して前述したと同様にして絶縁膜46の上に配線層48a,48bを形成する。
図14,15の変形例に係る製法によれば、前述した第1の実施形態に係る製法と同様に磁気センサの製造歩留りが向上する。また、得られる磁気センサは、図9に示した磁気センサと同様に動作する。
図16,17は、図1〜9に関して前述した第1の実施形態の他の変形例を示すもので、図1〜9と同様の部分には同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
図16,17の変形例では、図1に対応する工程において、絶縁膜22の上に下から順に導電材層24、強磁性層28、トンネルバリア層30、強磁性層32、反強磁性層、導電材層34を形成する。ここで、強磁性層32と導電材層34との間の反強磁性層は、前述した反強磁性層26と同様のもので、強磁性層32を磁化固定層とするためのものである。
図16の工程は、図1に対応する工程の後、図14に関して前述したと同様にハードマスク34a〜34cをマスクとする選択的イオンミリング処理により分離溝38を形成してTMR素子Ta〜Tcを得る工程であり、ハードマスク34a,34b,34cの下に(強磁性層32a,32b,32cの上に)反強磁性層33a,33b,33cがそれぞれ存在すると共に強磁性層28a〜28cに共通に導電材層24が配置された状態になる点で図14の工程とは異なるものである。TMR素子Ta〜Tcを得るためのイオンミリング処理の後、図4に関して前述したと同様にして側壁堆積膜除去処理を行ない、必要に応じてクリーニングミリング処理を行なう。図16の工程では、図3に関して前述したと同様にエッチング終点検出法としてプラズマ発光測定法を用いることができ、高い精度でエッチング終点を検出可能である。
次に、図17の工程では、図4,5に関して前述したと同様にして基板上面に絶縁材からなるハードマスク40a,40bを形成する。そして、図15に関して前述したと同様にしてハードマスク40a,40bを選択マスクとするイオンミリング処理により導電材層24に分離溝44を絶縁膜22に達するように形成することにより層24を分離溝44により第1及び第2の電極層に分離する。第1の電極層は、層24の部分24aからなるもので、強磁性層28a、28bを相互接続した状態で残される。第2の電極層は、層24の部分24bからなるもので、強磁性層28cに接続された状態で残される。分離溝44の深さDは、導電材層24の上に(強磁性層28a〜28cの下に)反強磁性層が存在しないため、図6の場合に比べて小さくなる。この後、図7に関して前述したと同様にして分離溝38,44の側壁の堆積膜(エッチング生成物)を除去してもよい。
図17の工程の後は、図8に関して前述したと同様に基板上面に層間絶縁膜46を形成する。そして、図8に関して前述したと同様にして絶縁膜46に接続孔46a〜46cを形成した後、図9に関して前述したと同様にして絶縁膜46の上に配線層48a,48bを形成する。
図16,17の変形例に係る製法によれば、前述した第1の実施形態に係る製法と同様に磁気センサの製造歩留りが向上する。また、得られる磁気センサは、図9に示した磁気センサと同様に動作する。
次に、図18〜24を参照してこの発明の第2の実施形態に係る磁気センサの製法を説明する。
図18の工程では、図1に関して前述したと同様に絶縁膜22で表面が覆われた基板20を用意した後、絶縁膜22の上に下から順に下磁性層50、トンネルバリア層52、上磁性層54及び導電材層56を積層状に形成する。トンネルバリア層52は、図1に関して前述したトンネルバリア層30と同様にして形成することができる。
下磁性層50は、図1に関して前述したように下から順に導電材層24、反強磁性層26及び強磁性層28を積層したものとすることができ、他の例としては、図16に関して前述したように導電材層24に強磁性層28を重ねたものとしてもよい。
上磁性層54は、図1に関して前述したように強磁性層32により構成することができ、他の例としては、図16に関して前述したように強磁性層32に反強磁性層を重ねたものとしてもよい。
上磁性層54の上には、例えばW又はTiWからなるハードマスク用導電材層56を形成する。導電材層56は、図1に関して前述した導電材層34と同様にしてスパッタ法又はCVD法等により形成することができ、膜厚は、100〜500nm(好ましくは200〜300nm)とすることができる。
導電材層56の上には、ハードマスク用絶縁材層58を形成する。絶縁材層58としては、100〜300nm(好ましくは200nm)の厚さのSiO層をスパッタ法又はCVD法により形成することができる。スパッタ法又はCVD法によりSiO層を形成する際の処理条件は、図4に関して前述したと同様に
することができる。
図19の工程では、絶縁材層58の上にそれぞれ図13のTa,Tbに示すような四辺形状の素子パターンを有するレジスト層60a,60bをホトリソグラフィ処理により形成する。このときのレジスト厚さは、100〜700nm(好ましくは350nm)とすることができる。
図20の工程では、レジスト層60a,60bを選択マスクとするイオンミリング処理又はドライエッチング処理により導電材層56及び絶縁材層58の積層をパターニングしてハードマスク56a,56b,58a,58bを形成する。ハードマスク56a,56bは、それぞれレジスト層60a,60bに対応した導電材層56の第1,第2の残存部分からなり、ハードマスク58a,58bは、それぞれレジスト層60a,60bに対応した導電材層58の第1,第2の残存部分からなる。パターニング処理をイオンミリング処理又はドライエッチング処理で行なう場合、処理条件は、図2に関して前述したと同様にすることができる。この後、図3に関して前述したと同様の方法によりレジスト層60a,60bを除去し、ハードマスク56a,56b,58a,58bを残存させる。
図21の工程では、ハードマスク56a,58aの積層とハードマスク56b,58bの積層とを選択マスクとするイオンミリング処理により層50〜54の積層に分離溝62を層50内の反強磁性層(又は導電材層)に達するように形成することにより磁気トンネル接合部ATa,ATbを得る。磁気トンネル接合部ATaは、層52,54の残存部52a,54aを含むと共に、磁気トンネル接合部ATbは、層52,54の残存部52b,54bを含み、層50は、磁気トンネル接合部ATa,ATbに共通に配置された状態となる。イオンミリング処理における処理条件は、図3に関して前述したと同様にすることができる。イオンミリング処理では、ハードマスク58a,58bがエッチングされて薄くなるが、ハードマスク56a,56bは、ハードマスク58a,58bにより保護されるため、厚さが変わらない。イオンミリング処理において、エッチング終点の検出法としては、プラズマ発光測定法を用い、下磁性層50の構成原子に基づく発光を検出してイオンミリングを停止する。下磁性層50として発光検出の対象になるのは、反強磁性層又は導電材層である。
すなわち、下磁性層50が図1に示したように下から順に導電材層24、反強磁性層26及び強磁性層28を積層した構成である場合、図21のイオンミリング処理により反強磁性層26に達するようにミリングを行なうのであれば反強磁性層26が発光検出の対象となり、図21のイオンミリング処理により導電材層24に達するようにミリングを行なうのであれば導電材層24が発光検出の対象となる。また、下磁性層50が図16に関して前述したように導電材層24に強磁性層28を重ねた構成である場合、図21のイオンミリング処理では導電材層24に達するようにミリングを行なうので、導電材層24が発光検出の対象となる。いずれの場合にも、反強磁性層26又は導電材層24の露出面積が大きいため、発光検出に十分な信号強度が得られ、エッチング終点を高精度で検出可能で
ある。
図21のイオンミリング工程では、分離溝62の側壁にエッチング生成物としての側壁堆積膜DP31,DP32が形成される。側壁堆積膜DP31,DP32は、ハードマスク58a,58bの絶縁材成分、ハードマスク56a,56bの金属成分、層50,54の金属成分等を含むが、レジスト変性成分(有機物)を含まないので、容易に除去可能である。
図22の工程では、図4に関して前述したように薬液処理を基板上面に施すことにより側壁堆積膜DP31,DP32を分離溝62の側壁(特にトンネルバリア層52a,52bの端部)から除去する。この後、必要に応じて図4に関して前述したようなクリーニングミリング処理を追加してもよい。この処理により一層の清浄化が可能になると共に側壁形状は一層テーパー状となる。側壁堆積膜等のエッチング生成物を除去したので、52a等のトンネルバリア層の上下の金属層間で電気的な短絡やリークが発生するのを防止することができる。
次に、ハードマスク58a,58bと磁気トンネル接合部ATa,ATbと分離溝62とを覆って例えばSiOからなるハードマスク用絶縁材層64をスパッタ法又はCVD法等により形成する。絶縁材層64は、図4に関して前述した絶縁材層40と同様にして形成することができ、膜厚は、50〜300nm(好ましくは200nm)とすることができる。
次に、絶縁材層64の上に図13の26aに示すように四辺形状の電極パターンを有するレジスト層66をホトリソグラフィ処理により形成する。レジスト層66は、磁気トンネル接合部ATa,ATbを覆うように形成する。このときのレジスト厚さは、80〜500nm(好ましくは300nm)とすることができる。
図23の工程では、レジスト層66を選択マスクとするイオンミリング処理又はドライエッチング処理により絶縁材層64をパターニングしてハードマスク64Aを形成する。パターニング処理は、図5に関して前述した絶縁材層40のパターニング処理と同様にして行なうことができる。
図23の工程では、図3に関して前述したと同様の方法によりレジスト層66を除去し、ハードマスク64Aを残存させる。このようなレジスト除去工程に加えて、希フッ酸処理+純水洗浄処理等の堆積膜除去処理を施してもよい。このようにすると、レジスト除去面を一層清浄化することができる。
図24の工程では、ハードマスク64Aを選択マスクとするイオンミリング処理により下磁性層50に分離溝68を絶縁膜22に達するように形成する。この結果、ハードマスク64Aの厚さが減少する。ハードマスク58a,58b,64Aは、残しておいて層間絶縁膜の一部として利用することができる。イオンミリング処理の結果、下磁性層50の一部50Aが分離溝68で取囲まれた形で残存する。残存する下磁性層50AによるTMR素子Ta,Tbの接続形態は、図18の工程での下磁性層50の構成と図21の工程での分離溝62の深さとに応じて3通りありうる。
すなわち、図18に示した下磁性層50が図1に示したように下から順に導電材層24、反強磁性層26及び強磁性層28を積層した構成である場合、図21の工程で反強磁性層26に達するように分離溝62を形成したときは、下磁性層50Aは、図6に示したように層24,26の残存部分24a,26aの積層からなり、この積層がTMR素子Ta,Tbを相互接続する形で残される。また、図21の工程で導電材層24に達するように分離溝62を形成したときは、下磁性層50Aは、図15に示したようにTMR素子Taに関しては層24,26の残存部分24a,26aの積層からなると共にTMR素子Tbに関しては層24,26の残存部分24a,26aの積層からなり、導電材層24aがTMR素子Ta,Tbを相互接続する形で残される。
図18に示した下磁性層50が図16に関して前述したように導電材層24に強磁性層28を重ねた構成である場合、図21の工程で導電材層24に達するように分離溝62を形成したときは、下磁性層50Aは、図17に示したようにTMR素子Taに関しては層24、28の残存部分24a,28aの積層からなると共にTMR素子Tbに関しては層24、28の残存部分24a,28bの積層からなり、導電材層24aがTMR素子Ta,Tbを相互接続する形で残される。
図24のイオンミリング工程では、分離溝62,68の側壁にエッチング生成物としての側壁堆積膜(図示せず)が形成される。これらの側壁堆積膜は、レジスト変性成分等の有機物を含んでいないので、簡単に除去可能であり、図7に関して前述したと同様の方法により除去することができる。
この後は、図8,9に関して前述したと同様にして層間絶縁膜の形成、接続孔の形成、配線層の形成等の処理を行なう。
上記した第2の実施形態の製法によれば、図20,23の工程では薄いレジスト層を用いて寸法精度よくハードマスクを形成できること、図21,24の工程ではハードマスクを用いて寸法精度よく磁気トンネル接合部及びTMR素子を形成できること、図22の工程では磁気トンネル接合部ATa,ATbの側壁が絶縁材層64で覆われているためレジスト汚染を免れること、図23,24の工程では磁気トンネル接合部Ta,Tbの側壁がハードマスク64Aで覆われて側壁堆積膜の影響を受けないため52a等のトンネルバリア層の上下の金属層間で電気的な短絡やリークを防げることなどの理由により磁気センサの製造歩留りが向上する。その上、絶縁膜22が削られるのは図24のイオンミリング処理時のみであるため、電極層50Aの端部の段差Dが低く、層間絶縁膜の欠陥に基づく配線の短絡不良を防止できる利点もある。
図25,26は、図21〜24の工程の変形例を示すもので、図21〜24と同様の部分には同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
図25は、図21のイオンミリング工程に続く堆積膜除去工程を示すもので、この工程では、側壁堆積膜DP31,DP32のみならず、ハードマスク58a,58bをも除去する。ハードマスク58a,58bの除去法としては、
(a)図18の工程で絶縁材層58を形成する際にハードマスクの除去が容易になるように絶縁材層58の厚さを調整しておき、クリーニングミリング等でハードマスクを除去する方法、
(b)異方性ドライエッチング処理によりハードマスクを除去する方法、
(c)ハードマスクをAlで構成した場合には、アルカリ液を用いる薬液処理によりハードマスクをエッチング(洗浄も兼ねる)して除去する方法
などを用いることができる。
図26は、図25の工程の後、図22〜24に関して前述したと同様にしてハードマスク64Aの形成処理及びイオンミリング処理を行なった状態を示す。ハードマスク64Aは、電極層56a,56bを直接的に覆う構成になっている。ハードマスク64Aを残しておいて層間絶縁膜の一部として使用する場合、ハードマスク64Aの下に58a等のハードマスクが存在しないので、層間絶縁膜に設ける接続孔の深さ増大を回避することができる。
図27〜33は、この発明の第3の実施形態に係る磁気センサの製法を示すもので、図18〜24と同様の部分には同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
図27の工程では、図18に関して前述したと同様にして基板20の絶縁膜22の上に下から順に下磁性層50、トンネルバリア層52及び上磁性層54を積層状に形成する。そして、上磁性層54の上には、例えばW又はTiWからなるハードマスク用導電材層70を形成する。導電材層70は、図1に関して前述した導電材層34と同様にしてスパッタ法又はCVD法等により形成することができ、膜厚は、100〜400nm(好ましくは200nm)とすることができる。
導電材層70の上には、図13の26aに示すような四辺形状の電極パターンを有するレジスト層72をホトリソグラフィ処理により形成する。このときのレジスト厚さは、100〜700nm(好ましくは350nm)とすることができる。
図28の工程では、レジスト層72を選択マスクとするイオンミリング処理又はドライエッチング処理により導電材層70をパターニングしてハードマスク70Aを形成する。ハードマスク70Aは、レジスト層72に対応した導電材層70の残存部分からなる。パターニング処理をイオンミリング処理又はドライエッチング処理で行なう場合、処理条件は、図2に関して前述したと同様にすることができる。この後、図3に関して前述したと同様の方法によりレジスト層72を除去し、ハードマスク70Aを残存させる。
図29の工程では、ハードマスク70Aを選択マスクとするイオンミリング処理により層50〜54の積層に分離溝74を絶縁膜22に達するように形成して積層残存部Raを得る。積層残存部Raは、分離溝74で囲まれた層50〜54の残存部分50A〜54Aからなる。イオンミリング処理では、分離溝74の側壁に側壁堆積膜DP41が形成される。堆積膜DP41は、ハードマスク70Aの金属成分、層50、54の金属成分等を含むが、レジスト変性成分(有機物)を含まない。
堆積膜DP41は、図4に関して前述した薬液処理等により簡単に除去可能である。しかし、堆積膜DP41は、図32のマスクパターニング処理や図33のイオンミリング処理で除去されるので、残しておいてもよい。
図30の工程では、ハードマスク70Aと積層残存部Raと分離溝74とを覆って例えばSiOからなる絶縁材層76をスパッタ法又はCVD法等により形成する。絶縁材層76は、図4に関して前述した絶縁材層40と同様にして形成することができ、膜厚は、100〜300nm(好ましくは200nm)とすることができる。
図31の工程では、絶縁材層76の上に図13のTa,Tbに示すような四辺形状の素子パターンを有するレジスト層78a,78bをホトリソグラフィ処理により形成する。このときのレジスト厚さは、80〜500nm(好ましくは300nm)とすることができる。
図32の工程では、レジスト層78a,78bをマスクとするイオンミリング処理又はドライエッチング処理によりハードマスク70Aと絶縁材層76との積層をパターニングしてハードマスク70a,70b,76a,76bを形成する。ハードマスク70a,70bは、それぞれレジスト層78a,78bに対応したハードマスク70Aの第1、第2の残存部分からなると共に、ハードマスク76a,76bは、それぞれレジスト層78a,78bに対応した絶縁材層76の第1,第2の残存部分からなる。ハードマスク70A及び絶縁材層76の積層のパターニング処理をイオンミリング処理又はドライエッチング処理で行なう場合、処理条件は、図2に関して前述したと同様にすることができる。
次に、図3に関して前述したと同様の方法によりレジスト層78a,78bを除去し、ハードマスク70a,76aの積層とハードマスク70b,76bの積層とを残存させる。このようなレジスト除去工程に加えて、希フッ酸処理+純水洗浄処理等の堆積膜除去処理(トンネルバリア層に対してダメージを与えない処理)を施してもよい。
図33の工程では、ハードマスク70a,76aの積層とハードマスク70b,76bの積層とを選択マスクとするイオンミリング処理により積層残存部Raに分離溝80を層50A内の反強磁性層(又は導電材層)に達するように形成することによりTMR素子Ta,Tbを得る。TMR素子Taは、層52A,54Aの残存部分52a、54aを含むと共に、TMR素子Tbは、層52A,54Aの残存部分52b、54bを含み、層50Aは、TMR素子Ta,Tbに共通に配置された状態となる。残存する下磁性層50AによるTMR素子Ta,Tbの接続形態は、図27の工程での下磁性層50の構成と図33の工程での分離溝80の深さとに応じて3通りありうるが、各々の接続形態の詳細については図24の工程に関連して図6、図15及び図17を参照して前述したと同様である。
図33のイオンミリング工程では、分離溝74,80の側壁にエッチング生成物としての側壁堆積膜(図示せず)が形成される。これらの側壁堆積膜は、レジスト変性成分等の有機物を含んでいないので、簡単に除去可能である。側壁堆積膜は、52a等のトンネルバリア層の上下の金属層間で電気的な短絡やリークが発生する原因となるものであり、除去する必要がある。そこで、図7に関して前述したと同様の方法により分離溝74,80の側壁(特にトンネルバリア層52a,52bの端部)から側壁堆積膜を除去する。ハードマスク70a,70bは、残しておいて電極層の一部として使用する。また、ハードマスク76a,76bは、残しておいて層間絶縁膜の一部として利用してもよいが、図33のイオンミリング処理の後、図25に関して前述したと同様の除去処理により除去してもよい。
図33の工程の後は、図8,9に関して前述したと同様にして層間絶縁膜の形成、接続孔の形成、配線層の形成等の処理を行なう。
上記した第3の実施形態の製法によれば、図28,32の工程では薄いレジスト層を用いて寸法精度よくハードマスクを形成できること、図29,33の工程ではハードマスクを用いて寸法精度よく積層残存部及びTMR素子を形成できること、図33の工程では側壁堆積膜を簡単に除去できるため52a等のトンネルバリア層の上下の金属層間で電気的な短絡やリークを防げることなどの理由により磁気センサの製造歩留りが向上する。その上、ハードマスク70Aは、図29のイオンミリング処理のために材料及び厚さを最適化できると共に、ハードマスク76a,76bは、図33のイオンミリング処理のために材料及び厚さを最適化できる利点もある。
図34〜41は、この発明の第4の実施形態に係る磁気センサの製法を示すもので、図27〜33と同様の部分には同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
図34の工程では、図18に関して前述したと同様にして基板20の絶縁膜22の上に下から順に下磁性層50、トンネルバリア層52及び上磁性層54を積層状に形成する。そして、上磁性層54の上には、例えばW又はTiWからなるハードマスク用導電材層90を形成する。導電材層90は、図1に関して前述した導電材層34と同様にしてスパッタ法又はCVD法等により形成することができ、膜厚は、100〜500nm(好ましくは200〜300nm)とすることができる。
導電材層90の上には、ハードマスク用絶縁材層92を形成する。絶縁材層92としては、100〜300nm(好ましくは200nm)の厚さのSiO層をスパッタ法又はCVD法により形成することができる。スパッタ法又はCVD法によりSiO層を形成する際の処理条件は、図4に関して前述したと同様にすることができる。
図35の工程では、絶縁材層92の上に図13の26aに示すような四辺形状の電極パターンを有するレジスト層94をホトリソグラフィ処理により形成する。このときのレジスト厚さは、100〜700nm(好ましくは350nm)とすることができる。
図36の工程では、レジスト層94を選択マスクとするイオンミリング処理又はドライエッチング処理により導電材層90及び絶縁材層92の積層をパターニングしてハードマスク90A,92Aを形成する。ハードマスク90Aは、レジスト層94に対応した導電材層90の残存部分からなり、ハードマスク92Aは、レジスト層94に対応した絶縁材層92の残存部分からなる。パターニング処理をイオンミリング処理又はドライエッチング処理で行なう場合、処理条件は、図2に関して前述したと同様にすることができる。この後、図3に関して前述したと同様の方法によりレジスト層94を除去し、ハードマスク90A,92Aを残存させる。
図37の工程では、ハードマスク90A,92Aの積層を選択マスクとするイオンミリング処理により層50〜54の積層に分離溝96を絶縁膜22に達するように形成して積層残存部Raを得る。積層残存部Raは、分離溝96で囲まれた層50〜54の残存部分50A〜54Aからなる。イオンミリング処理では、分離溝96の側壁に側壁堆積膜DP51が形成される。堆積膜DP51は、ハードマスク92Aの絶縁材成分、ハードマスク90Aの金属成分、層50、54の金属成分等を含むが、レジスト変性成分(有機物)を含まない。
堆積膜DP51は、図4に関して前述した薬液処理等により簡単に除去可能である。しかし、堆積膜DP51は、図40のマスクパターニング処理や図41のイオンミリング処理で除去されるので、残しておいてもよい。
図38の工程では、ハードマスク92Aと積層残存部Raと分離溝96とを覆って例えばSiOからなる絶縁材層98をスパッタ法又はCVD法等により形成する。絶縁材層98は、図4に関して前述した絶縁材層40と同様にして形成することができ、膜厚は、50〜300nm(好ましくは200nm)とすることができる。
図39の工程では、絶縁材層98の上に図13のTa,Tbに示すような四辺形状の素子パターンを有するレジスト層100a,100bをホトリソグラフィ処理により形成する。このときのレジスト厚さは、80〜500nm(好ましくは300nm)とすることができる。
図40の工程では、レジスト層100a,100bをマスクとするイオンミリング処理又はドライエッチング処理によりハードマスク90A,92Aと絶縁材層98との積層をパターニングしてハードマスク90a,90b,92a,92b,98a,98bを形成する。ハードマスク90a,90bは、それぞれレジスト層100a,100bに対応したハードマスク90Aの第1、第2の残存部分からなると共に、ハードマスク92a,92bは、それぞれレジスト層100a,100bに対応した絶縁材層92Aの第1,第2の残存部分からなり、ハードマスク98a,98bは、それぞれレジスト層100a,100bに対応した絶縁材層98の第1,第2の残存部分からなる。ハードマスク90A,92A及び絶縁材層98の積層のパターニング処理をイオンミリング処理又はドライエッチング処理で行なう場合、処理条件は、図2に関して前述したと同様にすることができる。
次に、図3に関して前述したと同様の方法によりレジスト層100a,100bを除去し、ハードマスク90a,92a,98aの積層とハードマスク90b,92b,98bの積層とを残存させる。このようなレジスト除去工程に加えて、希フッ酸処理+純水洗浄処理等の堆積膜除去処理(トンネルバリア層に対してダメージを与えない処理)を施してもよい。
図41の工程では、ハードマスク90a,92a,98aの積層とハードマスク90b,92b,98bの積層とを選択マスクとするイオンミリング処理により積層残存部Raに分離溝102を層50A内の反強磁性層(又は導電材層)に達するように形成することによりTMR素子Ta,Tbを得る。TMR素子Taは、層52A,54Aの残存部分52a、54aを含むと共に、TMR素子Tbは、層52A,54Aの残存部分52b、54bを含み、層50Aは、TMR素子Ta,Tbに共通に配置された状態となる。残存する下磁性層50AによるTMR素子Ta,Tbの接続形態は、図34の工程での下磁性層50の構成と図41の工程での分離溝102の深さとに応じて3通りありうるが、各々の接続形態の詳細については図24の工程に関連して図6、図15及び図17を参照して前述したと同様である。
図41のイオンミリング工程では、分離溝96,102の側壁にエッチング生成物としての側壁堆積膜(図示せず)が形成される。これらの側壁堆積膜は、レジスト変性成分等の有機物を含んでいないので、簡単に除去可能である。側壁堆積膜は、52a等のトンネルバリア層の上下の金属層間で電気的な短絡やリークが発生する原因となるものであり、除去する必要がある。そこで、図7に関して前述したと同様の方法により分離溝96,102の側壁(特にトンネルバリア層52a,52bの端部)から側壁堆積膜を除去する。ハードマスク90a,90bは、残しておいて電極層の一部として使用する。また、ハードマスク92a,92bは、残しておいて層間絶縁膜の一部として利用してもよいが、図37のイオンミリング処理の後、ハードマスク92Aの状態で図25に関して前述したと同様の除去処理により除去してもよい。さらに、ハードマスク98a,98bは、残しておいて層間絶縁膜の一部として利用してもよいが、図41のイオンミリング処理の後、図25に関して前述したと同様の除去処理により除去してもよい。
図41の工程の後は、図8,9に関して前述したと同様にして層間絶縁膜の形成、接続孔の形成、配線層の形成等の処理を行なう。
上記した第4の実施形態の製法によれば、図36,40の工程では薄いレジスト層を用いて寸法精度よくハードマスクを形成できること、図37,41の工程ではハードマスクを用いて寸法精度よく積層残存部及びTMR素子を形成できること、図41の工程では側壁堆積膜を簡単に除去できるため52a等のトンネルバリア層の上下の金属層間で電気的な短絡やリークを防げることなどの理由により磁気センサの製造歩留りが向上する。その上、ハードマスク92Aは、図37のイオンミリング処理のために材料及び厚さを最適化できると共に、ハードマスク98a,98bは、図41のイオンミリング処理のために材料及び厚さを最適化できる利点もある。
上記した説明では、ハードマスク用の導電材料として、W,TiWを例示したが、この他にも種々の導電材料を使用可能である。イオンミリング装置において、ミリングレートは、イオン源のガスの種類(一般にAr等の希ガスであるが、O,Cl,SF,CF等を用いることもある)、イオンエネルギー強度、イオンビームの密度、被加工物へのイオンビームの入射角度、被加工物の組成、結晶性、結晶方位、成膜方法等により大きく変化し、ミリング装置の運転状態(運転時間、メンテナンス状態、改修/改造状態)等によっても若干変化する。そこで、発明者は、ある一定条件の下で基準材料SiOのミリングレートを100としてこれに種々の導電材料のミリングレートを比較すると共に種々の導電材料の比抵抗を評価することにより使用可能な導電材料を求めて次のA〜Dグループに分類した。
Aグループは、W,WSi(x=1〜3),Ti,TiW,TiSi(x=1〜3),Vを含む。
このグループの材料は、ミリングレートが小さく、比抵抗も小さい。膜厚を薄くしてもミリングにより削られ難く、また配線としても低抵抗であるため微細化に有利である。酸化に強く、上層に層間絶縁膜を形成しても安定である。揮発性(蒸気圧の低い)化合物が形成されやすいので、ドライエッチングによるパターニングが可能であり、成膜法としてもスパッタ法に限らずCVD法が使える。なお、Aグループ中の材料の任意の組合せに係る合金も十分に利用可能と考えられる。
Bグループは、Mo,MoSi(x=1〜3),Ta,TaSi(x=1〜3),Zr,ZrSi(x=1〜3),Si,Al(結晶性・配向性やドーパントによる)を含む。このグループの材料は、ミリングレートがSiOやNi−Fe合金とほぼ同じレベルであり、比抵抗が小さい(但し、Zrの比抵抗は、40μΩcmと大きい)。ある程度ミリングにより削られ難いので、膜厚をそこそこ薄くできる。また、配線としても低抵抗であるため微細化に有利である。
酸化にも強く、上層に層間絶縁膜を形成しても安定である。揮発性(蒸気圧の低い)化合物が形成されやすく、ドライエッチングによるパターニングが可能である。
B’グループは、Fe,Cr,CrSi(x=1〜3),Co,CoSi(x=1〜3),Ni,NiSi(x=1〜3),Nb,Os,Re,Irを含む。このグループの材料は、ミリングレートがSiOやNi−Fe合金とほぼ同じレベルであり、比抵抗が小さい。ある程度ミリングにより削られ難いので、膜厚をそこそこ薄くできる。また、配線としても低抵抗であるため微細化に有利である。白金族は酸化にも強く、上層に層間絶縁膜を形成しても安定である。
単独元素又は他の磁性金属との合金で強磁性を示すものが多く、TMR素子の特性の妨げにならないよう配慮する必要がある。
Cグループは、Cu,Ru,Hf,Pt,Rh,Mnを含む。このグループの材料は、ミリングレートが大きいので、ミリングマスク性が劣るが、比抵抗が小さい(但し、Mnの比抵抗は、258μΩcmと大きい)。ミリングにより削られやすいので、膜厚を厚くする必要がある。配線としては低抵抗である。第2の実施形態で用いたハードマスク56a,56b又は第4の実施形態で用いたハードマスク90a,90bのように低抵抗層として用いるには問題がない。
Dグループは、Y,Pd,Au,Sn,Ag,Pbを含む。このグループの材料は、ミリングレートがSiOの3倍と大きいが、比抵抗が小さい(但し、Yの比抵抗は、53μΩcmと大きい)。ミリングにより削られやすいので、膜厚を厚くする必要がある。配線としては低抵抗である。Cグループの材料と同様にハードマスク56a,56b又は90a,90bとして用いるには問題がない。
上記したA〜Dグループのうちからハードマスクの導電材料として好ましい材料を選択すると、A,B,B’グループの材料及びCグループのCu,Pt,Mnを挙げることができる。Cグループ中の他の材料及びDグループの材料は、ミリングレートが大きいので、ミリングマスクとしては使い難いが、ハードマスク56a,56b又は90a,90bの材料として使用可能である。
一方、ハードマスク用の絶縁材料としては、先に例示したようにSiOが好適である。SiOは、マスク性が良好であり、成膜方法や成膜装置について選択の幅が広い。成膜が容易で、量産性がある。使用可能な他の材料としては、Al,SiN(窒化シリコン),TiO等があり、これらの材料とSiOとを含むグループ中の任意の組合せに係る材料も利用可能である。Alは、ミリングレートがSiOの約1/3と非常にミリングレートが小さく、マスク性が良好である。成膜が容易で、量産性がある。SiNは、SiOと同様であり、TiOは、絶縁性が良好で、ミリングレートが小さい。
なお、参考のため、ホトレジストのミリングレートを示すと、115〜130であり、SiOに比べてそれほど大きくはない。しかし、レジストは、ミリング粒子に叩かれることで変性し、非常に除去しにくいという性質をもっている。
レジストの再堆積物(エッチング生成物)は、特に厄介で、有機溶媒でも溶解せず、通常の方法で十分除去するのは難しい。
図42は、この発明に係る磁気センサを備えたLSIチップを示すものである。LSIチップLCは、例えばシリコンからなるP型の半導体基板110を備えており、基板110の一方の主面には、酸化シリコンからなるフィールド絶縁膜112が選択酸化法により形成されている。
基板110の一方の主面において、絶縁膜112の素子孔内には、MOS型トランジスタが形成されており、114は、該トランジスタのN型ドレイン領域である。絶縁膜112及びMOS型トランジスタを覆って層間絶縁膜116が形成されており、この絶縁膜116には、ドレイン領域114の一部に対応した第1の接続孔が形成されている。絶縁膜116の上には、第1の接続孔を介してドレイン領域114に接続されるように配線層118が形成されている。
絶縁膜116の上には、配線層118を覆って層間絶縁膜120が形成されており、この絶縁膜120には、配線層118の一部に対応した第2の接続孔が形成されている。絶縁膜120の上には、第2の接続孔を介して配線層118に接続されるように下磁性層50cが形成されている。絶縁膜120の上には、下磁性層50k,50A,50sも形成されている。下磁性層50c,50k,50A,50sは、いずれも図1に関して前述したように下から順に導電材層24、反強磁性層26及び強磁性層28を積層したもの又は図16に関して前述したように導電材層24に強磁性層28を重ねたものである。
TMR素子Ta,Tbは、図24に関して前述したように下磁性層50Aの上にトンネルバリア層52a,52bをそれぞれ介して上磁性層54a,54bを配置すると共に上磁性層54a,54bの上にそれぞれ電極層(ハードマスク)56a,56bを配置したものである。TMR素子Tcは、下磁性層50cの上にトンネルバリア層52cを介して上磁性層54cを配置すると共に上磁性層54cの上に電極層(ハードマスク)56cを配置したものである。TMR素子Tb及びTcの間に配置された絶縁膜平坦化層Tkは、下磁性層50kの上にトンネルバリア層52kを介して上磁性層54kを配置すると共に上磁性層54kの上に導電材層(ハードマスク)56kを配置したものである。配線層Tsは、下磁性層50sの上にトンネルバリア層52sを介して上磁性層54sを配置する
と共に上磁性層54sの上に導電材層(ハードマスク)56sを配置したものである。上磁性層54a,54b,54c,54k,54sは、いずれも図1に関して前述したように強磁性層32により構成されたもの又は図16に関して前述したように強磁性層32に反強磁性層を重ねたものである。
絶縁膜120の上には、絶縁膜平坦化層Tkと実質的に同一の積層構成を有する絶縁膜剥離防止層(図示せず)を、例えばMOS型トランジスタ回路配置領域又はTMR素子配置領域を取囲むように配置してもよい。TMR素子Ta〜Tc、配線層Ts、絶縁膜平坦化層Tk及び絶縁膜剥離防止層は、前述した第1及び第2の実施形態(変形例も含む)のいずれかに係る製法により製作することができる。
TMR素子Ta,Tbにおいて、頂部から側壁を経て下磁性層の上面に至る部分が、図24に示したハードマスク64Aに相当するマスク絶縁材からなる保護膜58Aにより覆われている。TMR素子Tc、配線層Ts、絶縁膜平坦化層Tkにおいても、TMR素子Ta,Tbと同様の部分が、保護膜58Aと同様の保護膜58c,58k,58sによりそれぞれ覆われており、絶縁膜剥離防止層についても同様にして保護膜が設けられている。
絶縁膜120の上には、TMR素子Ta,Tb、TMR素子Tc、配線層Ts、絶縁膜平坦化層Tk等を保護膜58A、58c、58s、58k等をそれぞれ介して覆うように層間絶縁膜122が形成されている。絶縁膜122には、電極層56c,56b,56aにそれぞれ対応した第3,第4,第5の接続孔が形成されると共に、導電材層56sの一端近傍の第1の部分及び他端近傍の第2の部分にそれぞれ対応した第6及び第7の接続孔が形成されている。第3の接続孔は、電極層56cの上方で保護膜58cを貫通するように形成され、第4,第5の接続孔は、それぞれ電極層56b,56aの上方で保護膜58Aを貫通するように形成される。第6,第7の接続孔は、それぞれ導電材層56sの第1,第2の部分の上方で保護膜58sを貫通するように形成される。
絶縁膜122の上には、第3及び第4の接続孔を介して電極層56c及び56bを相互接続するように配線層124が形成されると共に、第4及び第5の接続孔を介して電極層56a及び導電材層56sの第1の部分を相互接続するように配線層126が形成されている。絶縁膜122の上には、第7の接続孔を介して導電材層56sの第2の部分に接続されるようにボンディング電極層128が形成されており、電極層128は、その下の配線層Tsの一部と共にボンディングパッドを構成する。電極層128には、ボンディングワイヤ(図示せず)が接続される。なお、絶縁膜122の上には、配線層124,126を覆い且つ電極層128を露呈するように保護絶縁膜が形成されるが、図示を省略した。
配線層Tsは、上磁性層54sの上に導電材層(ハードマスク)56sを配置した第1の配線路と、導電材層を含む下磁性層50sからなる第2の配線路とを有し、第1及び第2の配線路は、トンネルバリア層52sにより電気的に分離されている。第1及び第2の配線路は、いずれも導電材層を含んでいるので、低抵抗配線を実現可能である。第1の配線路は、例えばTMR素子Taの電極層56aと同一のレベルの配線であるため、絶縁膜122を平坦化することにより配線層126を平坦化すると共に接続孔を浅くして接続孔の加工や埋込みを容易にすることができる。配線層Tsを設けることで集積回路における配線設計の自由度が向上する。
絶縁膜平坦化層TkをTMR素子Tb及びTcの間の空間に配置すると、絶縁膜122の平坦化が容易となり、配線層124を平坦状に延長させることができる。また、前述したように絶縁膜剥離防止層を設けると、絶縁膜122の剥離を防止することができると共にLSIチップの内部への水分浸入を抑制することができる。
図42の構成において、TMR素子Ta〜Tc、配線層Ts、絶縁膜平坦化層Tk及び絶縁膜剥離防止層は、配線層118と同じ配線レベル(絶縁膜116の上)に設けてもよく、あるいは図示した配置位置より上の任意の配線レベルに設けてもよい。
なお、この発明は、上記したような磁気センサに限らず、他の磁気センサ、磁気メモリ、磁気ヘッド等のTMR素子応用製品(磁気トンネル接合装置)の製造にも適用することができる。
この発明の第1の実施形態に係る磁気センサの製法における積層形成工程及びレジスト層形成工程を示す基板断面図である。 図1の工程に続くマスク形成工程を示す基板断面図である。 図2の工程に続くレジスト除去工程及びイオンミリング工程を示す基板断面図である。 図3の工程に続く側壁堆積膜除去工程、絶縁材層形成工程及びレジスト層形成工程を示す基板断面図である。 図4の工程に続くマスク形成工程を示す基板断面図である。 図5の工程に続くイオンミリング工程を示す基板断面図である。 図6の工程に続く側壁堆積膜除去工程を示す基板断面図である。 図7の工程に続く絶縁膜形成工程及び接続孔形成工程を示す基板断面図である。 図8の工程に続く配線形成工程を示す基板断面図である。 配線部における図1〜3対応の工程を示す基板断面図である。 配線部における図4,5対応の工程を示す基板断面図である。 配線部における図6,7対応の工程を示す基板断面図である。 TMR素子の接続状況を示す上面図である。 第1の実施形態に関する第1の変形例を示す基板断面図である。 図14の工程に続くマスク形成工程、イオンミリング工程及び側壁堆積膜除去工程を示す基板断面図である。 第1の実施形態に関する第2の変形例を示す基板断面図である。 図16の工程に続くマスク形成工程、イオンミリング工程及び側壁堆積膜除去工程を示す基板断面図である。 この発明の第2の実施形態に係る磁気センサの製法における積層形成工程を示す基板断面図である。 図18の工程に続くレジスト層形成工程を示す基板断面図である。 図19の工程に続くマスク形成工程を示す基板断面図である。 図20の工程に続くイオンミリング工程を示す基板断面図である。 図21の工程に続く側壁堆積膜除去工程、絶縁材層形成工程及びレジスト層形成工程を示す基板断面図である。 図22の工程に続くマスク形成工程を示す基板断面図である。 図23の工程に続くイオンミリング工程及び側壁堆積膜除去工程を示す基板断面図である。 図21の側壁堆積膜除去工程の変形例を示す基板断面図である。 図25の変形例を採用した場合における図24対応の工程を示す基板断面図である。 この発明の第3の実施形態に係る磁気センサの製法における積層形成工程及びレジスト層形成工程を示す基板断面図である。 図27の工程に続くマスク形成工程を示す基板断面図である。 図28の工程に続くイオンミリング工程を示す基板断面図である。 図29の工程に続く側壁堆積膜除去工程及び絶縁材層形成工程を示す基板断面図である。 図30の工程に続くレジスト層形成工程を示す基板断面図である。 図31の工程に続くマスク形成工程を示す基板断面図である。 図32の工程に続くイオンミリング工程及び側壁堆積膜除去工程を示す基板断面図である。 この発明の第4の実施形態に係る磁気センサの製法における積層形成工程を示す基板断面図である。 図34の工程に続くレジスト層形成工程を示す基板断面図である。 図35の工程に続くマスク形成工程を示す基板断面図である。 図36の工程に続くイオンミリング工程を示す基板断面図である。 図37の工程に続く側壁堆積膜除去工程及び絶縁材層形成工程を示す基板断面図である。 図38の工程に続くレジスト層形成工程を示す基板断面図である。 図39の工程に続くマスク形成工程を示す基板断面図である。 図40の工程に続くイオンミリング工程及び側壁堆積膜除去工程を示す基板断面図である。 この発明に係る磁気センサを備えたLSIチップを示す断面図である。 従来の磁気センサの製法における積層形成工程及びレジスト層形成工程を示す基板断面図である。 図43の工程に続くイオンミリング工程及びレジスト除去工程を示す基板断面図である。 図44の工程に続くレジスト層形成工程を示す基板断面図である。 図45の工程に続くイオンミリング工程及びレジスト除去工程を示す基板断面図である。 図46の工程に続く絶縁膜形成工程及び接続孔形成工程を示す基板断面図である。 図47の工程に続く配線形成工程を示す基板断面図である。 図44のイオンミリング工程における側壁堆積膜の形成状況を示す基板断面図である。 図46のイオンミリング工程における側壁堆積膜の形成状況を示す基板断面図である。
符号の説明
20,110:半導体基板、22,46,112,116,120,122:絶縁膜、40,58,64,76,92,98:絶縁材層、24,34,56,70,90:導電材層、26,33a〜33c:反強磁性層、28,32:強磁性層、30,52:トンネルバリア層、36a〜36c,42a,42b,60a,60b,66,72,78a,78b,94,100a,100b:レジスト層、38,44,62,68,74,80,96,102:分離溝、34a〜34c,34s,40a,40b,40s,56a,56b,58a,58b,64A,70A,70a,70b,76a,76b,90A,90a,90b,92A,92a,92b,98a,98b:ハードマスク、46a〜46c:接続孔、48a,48b,118,124,126,Ts:配線層、50:下磁性層、54:上磁性層、114:ドレイン領域、128:ボンディング電極層、DP10〜DP21,DP31,DP32,DP41,DP51,:側壁堆積膜、Ra:積層残存部、Ta〜Tc:TMR素子、ATa〜ATc:磁気トンネル接合部、LC:LSIチップ、Tk:絶縁膜平坦化層。

Claims (4)

  1. 基板の絶縁性の一主面に第1の導電材層を介して磁気トンネル接合積層を形成する工程であって、前記第1の導電材層の上に下から順に反強磁性層、第1の磁性層、トンネルバリア層及び第2の磁性層を重ねて前記磁気トンネル接合積層を形成するものと、
    前記磁気トンネル接合積層を覆って第2の導電材層を形成する工程と、
    前記磁気トンネル接合積層を所望の電極パターンに従って覆うように前記第2の導電材層を残存させるべく前記第2の導電材層に第1の選択エッチング処理を施すことにより前記第2の導電材層の残存部部分からなる第1のハードマスクを形成する工程と、
    前記磁気トンネル接合積層に前記第1のハードマスクを選択マスクとし、前記絶縁膜に達するように第2の選択エッチング処理を施すことにより前記電極パターンに従って前記磁気トンネル接合積層を残存させる工程と、
    前記第1のハードマスクと前記磁気トンネル接合積層の残存部とを覆って絶縁材層を形成する工程と、
    前記磁気トンネル接合積層の残存部を所望の素子パターンに従って覆うように前記第1のハードマスク及び前記絶縁材層を残存させるべく前記第1のハードマスク及び前記絶縁材層に第3の選択エッチング処理を施すことにより前記第1のハードマスク及び前記絶縁材層の各々の残存部分からなる第2のハードマスクを形成する工程と、
    前記磁気トンネル接合積層の残存部に前記第2のハードマスクを選択マスクとする第4の選択エッチング処理を施して前記磁気トンネル接合積層の残存部を前記反強磁性層に達するまでエッチングすることにより前記第1の磁性層、前記トンネルバリア層及び前記第2の磁性層の各々の残存部分からなる磁気トンネル接合部を形成すると共にこの磁気トンネル接合部の下に前記第1の導電材層及び前記反強磁性層の各々の残存部分からなる第1の電極層を残存させ、しかも前記第2のハードマスクとしての前記第2の導電材層の残存部分を第2の電極層として残存させる工程と、
    前記磁気トンネル接合部において前記トンネルバリア層の端部に前記第4の選択エッチング処理の際に堆積した堆積物を除去する工程とを含む磁気トンネル接合素子の製法。
  2. 基板の絶縁性の一主面に第1の導電材層を介して磁気トンネル接合積層を形成する工程であって、前記第1の導電材層の上に下から順に反強磁性層、第1の磁性層、トンネルバリア層及び第2の磁性層を重ねるか又は前記第1の導電材層の上に下から順に第1の磁性層、トンネルバリア層、第2の磁性層及び反強磁性層を重ねて前記磁気トンネル接合積層を形成するものと、
    前記磁気トンネル接合積層を覆って第2の導電材層を形成する工程と、
    前記磁気トンネル接合積層を所望の電極パターンに従って覆うように前記第2の導電材層を残存させるべく前記第2の導電材層に第1の選択エッチング処理を施すことにより前記第2の導電材層の残存部部分からなる第1のハードマスクを形成する工程と、
    前記磁気トンネル接合積層に前記第1のハードマスクを選択マスクとし、前記絶縁膜に達するように第2の選択エッチング処理を施すことにより前記電極パターンに従って前記磁気トンネル接合積層を残存させる工程と、
    前記第1のハードマスクと前記磁気トンネル接合積層の残存部とを覆って絶縁材層を形成する工程と、
    前記磁気トンネル接合積層の残存部を所望の素子パターンに従って覆うように前記第1のハードマスク及び前記絶縁材層を残存させるべく前記第1のハードマスク及び前記絶縁材層に第3の選択エッチング処理を施すことにより前記第1のハードマスク及び前記絶縁材層の各々の残存部分からなる第2のハードマスクを形成する工程と、
    前記磁気トンネル接合積層の残存部に前記第2のハードマスクを選択マスクとする第4の選択エッチング処理を施して前記磁気トンネル接合積層の残存部を前記第1の導電材層に達するまでエッチングすることにより前記反強磁性層、前記第1の磁性層、前記トンネルバリア層及び前記第2の磁性層の各々の残存部分又は前記第1の磁性層、前記トンネルバリア層、前記第2の磁性層及び前記反強磁性層の各々の残存部分からなる磁気トンネル接合部を形成すると共にこの磁気トンネル接合部の下に前記第1の導電材層の残存部分からなる第1の電極層を残存させ、しかも前記第2のハードマスクとしての前記第2の導電材層の残存部分を第2の電極層として残存させる工程と、
    前記磁気トンネル接合部において前記トンネルバリア層の端部に前記第4の選択エッチング処理の際に堆積した堆積物を除去する工程とを含む磁気トンネル接合素子の製法。
  3. 基板の絶縁性の一主面に第1の導電材層を介して磁気トンネル接合積層を形成する工程であって、前記第1の導電材層の上に下から順に反強磁性層、第1の磁性層、トンネルバリア層及び第2の磁性層を重ねて前記磁気トンネル接合積層を形成するものと、 前記磁気トンネル接合積層の上に第2の導電材層を介して第1の絶縁材層を形成する工程と、
    前記磁気トンネル接合積層を所望の電極パターンに従って覆うように前記第2の導電材層と前記第1の絶縁材層との第1の積層膜を残存させるべく該第1の積層膜に第1の選択エッチング処理を施すことにより該第1の積層膜の残存部部分からなる第1のハードマスクを形成する工程と、
    前記磁気トンネル接合積層に前記第1のハードマスクを選択マスクとし、前記絶縁膜に達するように第2の選択エッチング処理を施すことにより前記電極パターンに従って前記磁気トンネル接合積層を残存させる工程と、
    前記第1のハードマスクのうち少なくとも前記第2の導電材層の残存部分と前記磁気トンネル接合積層の残存部とを覆って第2の絶縁材層を形成する工程と、
    前記磁気トンネル接合積層の残存部を所望の素子パターンに従って覆うように前記第1のハードマスクのうち少なくとも前記第2の導電材層の残存部分と前記第2の絶縁材層との第2の積層膜を残存させるべく該第2の積層膜に第3の選択エッチング処理を施すことにより該第2の積層膜の残存部分からなる第2のハードマスクを形成する工程と、
    前記磁気トンネル接合積層の残存部に前記第2のハードマスクを選択マスクとする第4の選択エッチング処理を施して前記磁気トンネル接合積層の残存部を前記反強磁性層に達するまでエッチングすることにより前記第1の磁性層、前記トンネルバリア層及び前記第2の磁性層の各々の残存部分からなる磁気トンネル接合部を形成すると共にこの磁気トンネル接合部の下に前記第1の導電材層及び前記反強磁性層の各々の残存部分からなる第1の電極層を残存させ、しかも前記第2のハードマスクとしての前記第2の導電材層の残存部分を第2の電極層として残存させる工程と、
    前記磁気トンネル接合部において前記トンネルバリア層の端部に前記第4の選択エッチング処理の際に堆積した堆積物を除去する工程とを含む磁気トンネル接合素子の製法。
  4. 基板の絶縁性の一主面に第1の導電材層を介して磁気トンネル接合積層を形成する工程であって、前記第1の導電材層の上に下から順に反強磁性層、第1の磁性層、トンネルバリア層及び第2の磁性層を重ねるか又は前記第1の導電材層の上に下から順に第1の磁性層、トンネルバリア層、第2の磁性層及び反強磁性層を重ねて前記磁気トンネル接合積層を形成するものと、
    前記磁気トンネル接合積層の上に第2の導電材層を介して第1の絶縁材層を形成する工程と、
    前記磁気トンネル接合積層を所望の電極パターンに従って覆うように前記第2の導電材層と前記第1の絶縁材層との第1の積層膜を残存させるべく該第1の積層膜に第1の選択エッチング処理を施すことにより該第1の積層膜の残存部分からなる第1のハードマスクを形成する工程と、
    前記磁気トンネル接合積層に前記第1のハードマスクを選択マスクとし、前記絶縁膜に達するように第2の選択エッチング処理を施すことにより前記電極パターンに従って前記磁気トンネル接合積層を残存させる工程と、
    前記第1のハードマスクのうち少なくとも前記第2の導電材層の残存部分と前記磁気トンネル接合積層の残存部とを覆って第2の絶縁材層を形成する工程と、
    前記磁気トンネル接合積層の残存部を所望の素子パターンに従って覆うように前記第1のハードマスクのうち少なくとも前記第2の導電材層の残存部分と前記第2の絶縁材層との第2の積層膜を残存させるべく該第2の積層膜に第3の選択エッチング処理を施すことにより該第2の積層膜の残存部分からなる第2のハードマスクを形成する工程と、
    前記磁気トンネル接合積層の残存部に前記第2のハードマスクを選択マスクとする第4の選択エッチング処理を施して前記磁気トンネル接合積層の残存部を前記第1の導電材層に達するまでエッチングすることにより前記反強磁性層、前記第1の磁性層、前記トンネルバリア層及び前記第2の磁性層の各々の残存部分又は前記第1の磁性層、前記トンネルバリア層、前記第2の磁性層及び前記反強磁性層の各々の残存部分からなる磁気トンネル接合部を形成すると共にこの磁気トンネル接合部の下に前記第1の導電材層の残存部分からなる第1の電極層を残存させ、しかも前記第2のハードマスクとしての前記第2の導電材層の残存部分を第2の電極層として残存させる工程と、
    前記磁気トンネル接合部において前記トンネルバリア層の端部に前記第4の選択エッチング処理の際に堆積した堆積物を除去する工程と
    を含む磁気トンネル接合素子の製法。
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