JP2003215326A - 光学フィルターの製造方法 - Google Patents

光学フィルターの製造方法

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JP2003215326A JP2002018108A JP2002018108A JP2003215326A JP 2003215326 A JP2003215326 A JP 2003215326A JP 2002018108 A JP2002018108 A JP 2002018108A JP 2002018108 A JP2002018108 A JP 2002018108A JP 2003215326 A JP2003215326 A JP 2003215326A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】近赤外領域の波長光を有効にカットし、視感度
補正能を有し、かつ光学的ローパスフィルター機能を有
する、軽量で、吸湿性が小さく、加工研磨が容易で量産
性に富む光学フィルターを低コストで得られる製造方法
を提供することにある。 【解決手段】1もしくは2以上の枚数の複屈折板を所定
の間隔で型枠内に保持し、その片面もしくは両面側に液
状の合成樹脂共重合体組成物を注入し、銅塩を主成分と
する金属塩の存在下にラジカル重合させて硬化させ、得
た積層体表面に所望によりコーティング層を形成した
上、積層体を所定のサイズに裁断することを特徴とする
光学フィルターの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学フィルターの
製造方法に関する。更に詳しくは、近赤外領域の波長光
を有効にカットし、視感度補正能を有し、かつ光学的ロ
ーパスフィルター機能を持つ光学フィルターの製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、カメラの測光用フィルターや視感
度補正用フィルターにはガラス製のフィルターが用いら
れてきた。このガラス製フィルターは特殊なリン酸系ガ
ラスに銅イオンを含有したものである。しかし、これら
のガラス製フィルターは、重く、吸湿性が大きく、経時
的に失透しやすく、加工研磨が難しい等、多くの問題を
抱えている。そのため軽くて、吸湿性が小さく、加工研
磨が容易、かつ光学的ローパスフィルター機能を有する
複屈折板を安価に製造する方法が強く望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に基づいてなされたものであって、その目的は、近
赤外領域の波長光を有効にカットし、視感度補正能を有
し、かつ光学的ローパスフィルター機能を有する、軽量
で、吸湿性が小さく、加工研磨が容易で量産性に富む光
学フィルターを低コストで得られる製造方法を提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の光学フィルター
の製造方法は、1もしくは2以上の枚数の複屈折板を所
定の間隔で型枠内に保持し、その片面もしくは両面側に
液状の合成樹脂共重合体組成物を注入し、銅塩を主成分
とする金属塩の存在下にラジカル重合させて硬化させ、
得た積層体表面に所望によりコーティング層を形成した
上、積層体を所定のサイズに裁断することを特徴とする
ものである。
【0005】本発明の光学フィルターの製造方法は、上
記1もしくは2以上の枚数の複屈折板が、液状の合成樹
脂共重合体組成物と密着性のよい合成樹脂成形品からな
る治具を用いて型枠内に保持されていることをも特徴と
するものである。
【0006】本発明の光学フィルターの製造方法は、上
記共重合体組成物が、下記化2で表される単量体と、こ
れと共重合可能な単量体とを共重合して得られる合成樹
脂に銅化合物を主成分とする金属化合物を含有してなる
合成樹脂組成物からなることをも特徴とするものであ
る。
【化2】PO(OH)n3ーn〔但し、Rは CH2=C
XCOO(C24O)m−(Xは水素原子またはメチル
基を示し、mは1〜5の整数である。)を示し、nは1
または2である。〕
【0007】以下本発明について詳細に説明する。本発
明の光学フィルターの製造方法の主要部分の第1のもの
は、化1で表される特定なリン酸基を含有している単量
体からなる共重合体中に銅イオンを特定量含有した合成
樹脂材料を使用するものである。
【0008】本発明の光学フィルターの製造方法を構成
している合成樹脂成分である共重合体は、先ず、化2で
表される単量体が必須成分として用いられる。この単量
体は、ラジカル重合性の官能基としてアクリル基または
メタクリル基を含有しており、極めて共重合性にとみ、
種々の単量体との共重合が可能である。さらに、この単
量体分子中にはリン酸基が結合しており、このリン酸基
が銅イオンと結合し、可視光域の透過率が高く、かつ近
赤外領域の波長光を効率よく吸収する重合体となること
が本発明の最大の特徴である。また、この重合体からな
る光学フィルターを組み込んだ水晶等からなる複屈折板
とを組み合わせることにより、新たに、効果的な光学的
ローパスフィルタリング機能をも併せ持つ複屈折板の提
供が可能となる。
【0009】上記化2において、Rは繰り返し数がmで
あるエチレンオキサイド基が結合したアクリル基または
メタクリル基である。R中のXは水素原子またはメチル
基であり、mは1〜5の整数である。mが5を越えて大
きくなると得られる共重合体の硬度が大幅に低下し、フ
ィルターとしての実用性に欠けたものしか得られない。
また、水酸基の数nは、使用目的に応じて1または2の
いずれかの値を採ることができる。nの値が2では、銅
塩との結合性が大きく、ラジカル重合性の官能基の数が
1個の単量体である。一方、nの値が1では、ラジカル
重合性の官能基の数が2個となり、架橋重合性を有する
単量体となる。
【0010】したがって、本発明の光学フィルターの製
造方法を構成する共重合体組成物を得るにはnが2であ
る単量体を用いることが好ましいが、もちろんこれらに
限定されるものではない。このように、光学フィルター
の性能や使用目的に応じてnの値を選択することができ
るが、nの値が1である単量体と、nの値が2である単
量体とを併用することが銅イオンの溶解性を高める点で
好ましい。
【0011】本発明の光学フィルターの製造方法の主要
部を構成する重合体には、化2で示される単量体の単独
重合体は用いられず、共重合体が用いられる。その理由
は、単独重合体では吸湿量が極めて大きく、かつ柔軟性
にとみ、形状保持性に優れた成形物を得ることができな
いためである。本発明において、この化2で示される単
量体が合成樹脂用単量体混合物100重量部に占める割
合は、好ましくは3〜60重量部である。この割合が3
重量部未満では、本発明の好ましい光吸収特性を得るこ
とができない。一方、60重量部を越えると上述のよう
に、柔軟で吸湿性の大きな成形物しか得られず好ましく
ない。
【0012】次に本発明において、化2で示される単量
体と共重合される単量体は、以下のような特性を有する
ものが必要である。すなわち、(1)化2で表される単
量体と単量体同士で均一に溶解混合すること、(2)化
2の単量体とラジカル共重合性が良好であること、
(3)得られる共重合体が光学的に透明であること等を
満足させることが必要である。これらの特性を満たすも
のであれば特に限定はされない。
【0013】これらの具体例を以下に示す。メチルアク
リレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレー
ト、エチルメタクリレート、2ーヒドロキシエチルアク
リレート、2ーヒドロキシエチルメタクリレート、nー
プロピルアクリレート、nープロピルメタクリレート、
2ーヒドロキシプロピルアクリレート、2ーヒドロキシ
プロピルメタクリレート、nーブチルアクリレート、n
−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イ
ソブチルメタクリレート、2ーヒドロキシブチルアクリ
レート、2ーヒドロキシブチルメタクリレート、nーヘ
キシルアクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、n
ーヘプチルアクリレート、n−ヘプチルメタクリレー
ト、n−オクチルアクリレート、nーオクチルメタクリ
レート、2ーエチルヘキシルアクリレート、2ーエチル
ヘキシルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グ
リシジルメタクリレート、2ーヒドロキシー3ーフェノ
キシピロピルアクリレート、2ーヒドロキシー3ーフェ
ノキシプロピルメタクリレート、フェノキシポリエチレ
ングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレング
リコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコ
ールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールメ
タクリレート、3ークロロー2ーヒドロキシプロピルア
クリレート、3ークロロー2ーヒドロキシプロピルメタ
クリレート等の単官能アクリレートやメタクリレート
(以下、単官能(メタ)アクリレートともいう。)類。
【0014】エチレングリコールジアクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコー
ルジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレ
ート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエ
チレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレング
リコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジ
メタクリレート、1,3ーブチレングリコールジアクリ
レート、1,3ーブチレングリコールジメタクリレー
ト、1,4ーブタンジオールジアクリレート、1,4ー
ブタンジオールジメタクリレート、1,6ーヘキサンジ
オールジアクリレート、1,6ーヘキサンジオールジメ
タクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、2ーヒ
ドロキシー1,3ージメタクリロキシプロパン、2,2
ービス〔4ー(メタクリロキシエトキシ)フェニル〕プ
ロパン、2ーヒドロキシー1ーアクリロキシー3ーメタ
クリロキシプロパン、トリメチロールプロパントリメタ
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、ペンタエリトリットトリアクリレート、ペンタエリ
トリットトリメタクリレート、ペンタエリトリットテト
ラアクリレート、ペンタエリトリットテトラメタクリレ
ート等の多官能アクリレートあるいはメタクリレート
類。
【0015】アクリル酸、メタクリル酸、2ーメタクリ
ロイルオキシエチルコハク酸、2ーメタクリロイルオキ
シエチルフタル酸等のカルボン酸、スチレン、αーメチ
ルスチレン、クロルスチレン、ジブロムスチレン、メト
キシスチレン、ジビニルベンゼン、ビニル安息香酸、ヒ
ドロキシメチルスチレン、トリビニルベンゼン等の芳香
族ビニル化合物を挙げることができ、これら単独で、或
いは2種以上混合して用いることができる。
【0016】本発明の光学フィルターの製造方法主要部
に用いられる共重合体は化2で示される単量体とこれら
と共重合可能な上記単量体とをラジカル重合することに
よって得られる。この際、本発明の必須構成成分である
後述の金属イオンを単量体混合物に溶解混合させてラジ
カル重合を行うことも可能である。ラジカル重合方法
は、溶液重合を用いた公知の方法が使用可能である。
【0017】本発明に用いられる共重合体に含有されて
いる金属イオンは、共重合体中のリン酸基との相互作用
により近赤外領域の波長光を効率よく吸収する作用を有
する。 この金属イオンは2価の銅イオンを主成分と
し、他の金属イオンが少量含まれていても差し支えない
が、近赤外領域の波長光を効率よく吸収するためには銅
イオン量が全金属イオン量の80重量%以上であること
が必要である。
【0018】この銅イオンを主成分とする金属イオン
は、好ましくは本発明の共重合体100重量部当たり
0.1〜20重量部で用いられる。この金属イオン量が
0.1重量部未満では、近赤外領域の波長光を効率よく
吸収することができない。一方、20重量部を越えると
共重合体中に均一に分散させることが困難になる。
【0019】本発明における銅イオンは、種々の銅化合
物から供給されるもので、その一例として酢酸銅、塩化
銅、ギ酸銅、ステアリン酸銅、安息香酸銅、エチルアセ
ト酢酸銅、ピロリン酸銅、ナフテン酸銅、クエン酸銅等
の無水物や水和物を挙げることができる。なお、これら
のみに限定されるものではない。また、本発明において
全金属イオン量の20重量%未満の範囲でナトリウム、
カリウム、カルシウム、鉄、マンガン、コバルト、マグ
ネシウム、ニッケル、亜鉛等の金属イオンを目的に応じ
て用いることができる。
【0020】これら銅イオンを主成分とする金属イオン
を、本発明を構成する共重合体に含有させる方法は特に
限定はされないが、以下の2通りの方法が好ましく用い
られる。先ず、この共重合体を構成する単量体混合物に
上記銅化合物を溶解して、ラジカル重合を行う方法であ
る。この方法では、得られた共重合体中に、銅イオンを
主成分とする金属イオンが含有されており、この共重合
体そのままで型枠内に注型して成形硬化させることで本
発明の光学フィルターの製造方法に用いることができ
る。他の方法は、化2で示される単量体とこれと共重合
可能な単量体とを予め重合しておき、得られた共重合体
に銅イオンを主成分とする金属イオンを供給する金属化
合物を混合する方法である。
【0021】この重合後の添加法としては、共重合体を
溶融した上で、金属化合物を混合する方法、共重合体を
水または有機溶剤に溶解または分散し、金属化合物を添
加混合する方法等を用いることができる。以上のような
方法で本発明の光学フィルターの製造方法を構成する銅
イオンを主成分とする金属イオンを含有する共重合体を
得ることができる。
【0022】次に、本発明では、この合成樹脂製の光学
フィルターにローパスフィルター機能を賦与するため
に、この光学フィルター内に複屈折板を保持して積層す
る。この複屈折板を使用することで被写体光の高空間周
波数成分を制限することができ、擬似信号の発生に伴う
被写体と異なる色成分を除去することが可能となる。従
って、本発明の製造方法で得られる複屈折板は、特定な
合成樹脂製光学フィルターと複屈折板を主構成要素とす
ることで、視感度補正に優れ、近赤外領域の波長光の吸
収率が大きく、かつ光学的ローパスフィルター機能も有
する特徴をもつものである。
【0023】本発明の光学フィルターの製造方法では、
この光学的ローパスフィルター機能を発揮させるために
積層する複屈折板は、合成樹脂製光学フィルターの表面
であれば入射光側または透過光側の何れに配されていて
も良い。この複屈折板としては、一般的な1/4波長板
を用いることができるが、非偏光とするための偏光解消
板を用いることも有効である。この偏光板は特に限定は
ないが、通常は水晶板が多用される。
【0024】本発明の光学フィルターの製造方法では、
合成樹脂製光学フィルターを構成する合成樹脂共重合体
組成物と複屈折板を積層するときに、1もしくは2以上
の枚数の複屈折板を、液状の合成樹脂共重合体組成物と
密着性のよい合成樹脂成形品からなる治具を用いて、予
め所定の間隔で型枠内に保持し、その片面もしくは両面
側に液状の合成樹脂共重合体組成物を注入し、銅塩を主
成分とする金属塩の存在下にラジカル重合させて硬化さ
せる。上記治具の素材としては、液状の合成樹脂共重合
体組成物と密着性のよい合成樹脂であればよく、例えば
液状の合成樹脂共重合体組成物を変成して射出成形等の
成形性を高めた組成物等が好適に使用できる。もちろん
上記積層体は、得ようとする光学フィルターを多数切り
出すことができるサイズとすることができ、得た積層体
表面にコーティング層を形成した上、積層体を所定のサ
イズに裁断するができる。なお上記成形段階では、接着
剤を必須構成要件とはしないが、熱硬化型或いは光硬化
型の透明性に優れた接着剤、例えば、エポキシ系、ウレ
タン系或いはアクリル系等の接着剤を予め積層面に施し
ておくことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
【実施例】以下に、本発明を実施例で説明するが、本発
明がこれらによって限定されるものではない。
【0026】[実施例1]下記化3で表される特定リン
酸基含有単量体32重量部と、下記化4で表される特定
リン酸基含有単量体13重量部と、メチルメタクリレー
ト34重量部と、ジエチレングリコールジメタクリレー
ト20重量部と、αーメチルスチレン1重量部とを良く
混合し、これに無水安息香酸銅32重量部(銅イオン量
は全単量体100重量部に対して6.6重量部)を添加
し、80℃で攪拌混合することによって、十分に溶解さ
せ、無水安息香酸銅が混合単量体中に溶解してなる共重
合体組成物を得た。
【0027】
【化3】
【0028】
【化4】
【0029】以上のようにして調整された共重合体組成
物に、t−ブチルパーオキシ(2ーエチルヘキサノエー
ト)2重量部を添加し、図1のように水晶板からなる複
屈折板1を、液状の合成樹脂共重合体組成物と密着性の
よい合成樹脂成形品からなる治具4を用いて、予め所定
の間隔で型枠11内に保持した間隙内にその共重合体組
成物2を注入し、55℃で16時間、次いで70℃で8
時間、更に100℃で2時間と順次異なる温度で加熱し
て注型重合を行なうことにより、銅化合物が含有された
架橋共重合体とした積層体を得た。そして市販のフィル
ター用塗料を両面にコーティングしてコーティング層3
とした。得られた積層体12を図2のように所定のサイ
ズに切断した。この切断箇所は上記治具4の部分であ
り、治具4はほとんど残存しないため製品には特に悪影
響を及ぼすことがない。
【0030】得た積層体12は共重合体部分が厚み1.
0mm、水晶板部分が厚み3.5mm、コーティング層
0.1mmであった。この水晶製の光学フィルター(図
3参照)をビデオカメラに組み込み、実写テストを行っ
たところ、有効な光学的ローパスフィルター機能ならび
に適当な色補正機能を有することが認められた。
【0031】[実施例2]実施例1で用いた化3で表さ
れる特定リン酸基含有単量体49重量部と、化4で表さ
れる特定リン酸基含有単量体21重量部と、メチルメタ
クリレート27重量部と、ジエチレングリコールジメタ
クリレート2重量部と、αーメチルスチレン1重量部と
を良く混合し、この混合単量体に無水酢酸銅20重量部
(銅イオン量は全単量体100重量部に対して7.0重
量部)を添加し、40℃にて攪拌混合して均一に溶解し
た。以上のようにして調整された単量体混合物にt−ブ
チルパーオキシピバレート3重量部添加し、図1のよう
に2枚の水晶板からなる複屈折板1を、上記同様の治具
4を用いて予め所定の間隔で型枠11内に保持した間隙
内に注入し、45℃で16時間、60℃で28時間、更
に90℃で3時間と順次異なる温度で加熱して注型重合
を行なうことにより、銅化合物が含有された架橋共重合
体(組成物)2とした積層体を得た。 得た積層体12
の表面に、所定のフィルター用塗料を両面にコーティン
グしてコーティング層3とした。このコーティング層3
としては、Alフィルターであることが望ましい。最後
に積層体12を図2のように所定のサイズに切断した。
【0032】得た積層体12は共重合体部分が厚み1.
0mm、水晶板部分が厚み3.5mm、コーティング層
0.1mmであった。この水晶製の光学フィルター(図
3参照)をビデオカメラに組み込み、実写テストを行っ
たところ、有効な光学的ローパスフィルター機能ならび
に適当な色補正機能を有することが認められた。
【0033】
【発明の効果】以上のように、本発明の光学フィルター
の製造方法は、これを構成する基材がリン酸基を含有す
る(メタ)アクリレート系単量体を必須成分とする共重
合体に銅化合物を均一に分散させたものからなる合成樹
脂製光学フィルターで、軽量、かつ吸湿量が小さく、経
時的に失透することもない。しかも近赤外領域の波長光
を効率よくカットすることができ、視感度補正能にも優
れ、かつ光学的ローパスフィルター機能を有し、ビデオ
カメラ等に極めて有効な光学的機能を有するものであ
る。
【0034】また生産が容易で量産性に富み、しかも接
着剤の使用による経時的な失透、層間剥離等のおそれの
少ない、高品質の光学フィルターを提供することができ
るようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学フィルターの製造方法の模式断面
図である。
【図2】得た積層体の切削工程を示す概略図である。
【図3】得た光学フィルターの概略断面図である。
【符号の説明】
1 複屈折板 2 共重合体組成物 3 コーティング層 4 治具 11 型枠 12 積層体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C09K 3/00 105 C09K 3/00 105 F21V 9/04 F21V 9/04 Fターム(参考) 2H048 CA04 CA09 CA12 CA24 CA25 4J011 CA01 CA08 PA06 PA10 PA29 PB40 PC02 PC08 4J100 AB02Q AB03Q AB07Q AB08Q AB09Q AB16Q AJ02Q AL03Q AL04Q AL08P AL08Q AL09Q AL10Q AL62Q AL63Q AL66P AL66Q AL67Q BA02P BA02Q BA03Q BA04Q BA05Q BA08P BA08Q BA16Q BA63P BA64P BB01Q BC43Q CA04 FA18 JA03 JA32

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1もしくは2以上の枚数の複屈折板を所定
    の間隔で型枠内に保持し、その片面もしくは両面側に液
    状の合成樹脂共重合体組成物を注入し、銅塩を主成分と
    する金属塩の存在下にラジカル重合させて硬化させ、得
    た積層体表面に所望によりコーティング層を形成した
    上、積層体を所定のサイズに裁断することを特徴とする
    光学フィルターの製造方法。
  2. 【請求項2】1もしくは2以上の枚数の複屈折板が、液
    状の合成樹脂共重合体組成物と密着性のよい合成樹脂成
    形品からなる治具を用いて型枠内に保持されている請求
    項1に記載の光学フィルターの製造方法。
  3. 【請求項3】共重合体組成物が、下記化1で表される単
    量体と、これと共重合可能な単量体とを共重合して得ら
    れる合成樹脂に銅化合物を主成分とする金属化合物を含
    有してなる合成樹脂組成物からなる請求項1または2に
    記載の光学フィルターの製造方法。 【化1】PO(OH)n3ーn〔但し、Rは CH2=C
    XCOO(C24O)m−(Xは水素原子またはメチル
    基を示し、mは1〜5の整数である。)を示し、nは1
    または2である。〕
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