JPH08146216A - 複合光学フィルターの製造方法 - Google Patents

複合光学フィルターの製造方法

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JPH08146216A
JPH08146216A JP6308144A JP30814494A JPH08146216A JP H08146216 A JPH08146216 A JP H08146216A JP 6308144 A JP6308144 A JP 6308144A JP 30814494 A JP30814494 A JP 30814494A JP H08146216 A JPH08146216 A JP H08146216A
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JP
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cavity
optical filter
pass filter
composite optical
plate
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JP6308144A
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English (en)
Inventor
Takeo Ogiwara
武男 荻原
Hiroki Katono
浩樹 上遠野
Masuhiro Shoji
益宏 庄司
Teruo Sakagami
輝夫 阪上
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Kureha Corp
Original Assignee
Kureha Corp
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/20Filters
    • G02B5/208Filters for use with infrared or ultraviolet radiation, e.g. for separating visible light from infrared and/or ultraviolet radiation

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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量で吸湿性が小さく、近赤外領域の波長光
を効率よくカットし、視感度補正機能を有し、かつ光学
的ローパスフィルター機能を有する複合光学フィルター
のより簡略化された製造方法の提供。 【構成】透明基板を対向させてなる注型重合用キャビテ
イの2枚の平行壁面の少なくとも1枚が光学的ローパス
フィルター機能を有し、該基板の側面外周を粘着テープ
或いはガスケットで囲いキャビテイを形成し、該キャビ
テイ内に下式化1で表される単量体とこれと共重合可能
な単量体および銅化合物を主成分とする金属化合物から
なる単量体混合物を注入して重合成形することを特徴と
する。 【化1】PO(OH)n3-n 〔但し、RはCH2=CXOO(C24O)m−(Xは水
素原子又はメチル基を示し、mは1〜5の整数であ
る。)を示し、nは1または2である。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビデオカメラ等に好適
に用いられる複合光学フィルターの製造方法に関し、さ
らに詳しくは、近赤外領域の波長光を効率よくカット
し、視感度補正能を有し、かつ光学的ローパスフィルタ
ー機能を有する複合光学フィルターの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、ビデオカメラや電子スチルカメ
ラ等の種々の電子光学装置には光学的ローパスフィルタ
ーとガラス製の視感度補正用フィルターが用いられてい
る。かかる、光学的ローパスフィルターとしては水晶板
が、また視感度補正用用フィルターとしてはリン酸系ガ
ラスに銅イオンを含有した特殊ガラス製フィルターが用
いられてきた。
【0003】しかし、リン酸系ガラス製の視感度補正用
フィルターは吸湿しやすく、ガラス特有の衝撃に弱く、
成形、切削、研磨等の加工性も良好なものではない。そ
のため軽量で、吸湿しにくく、成形加工、研磨等が容易
であるプラスチック製の視感度補正用フィルターが提案
されている(特開平6ー118228号)。このプラス
チック製光学フィルターを用いることで、水晶板と組合
せた光学的ローパスフィルター機能を併せ有する光学フ
ィルターでは、リン酸系ガラス製フィルターに基ずく種
々の問題点が大幅に改善された。
【0004】しかるに、光学的ローパスフィルター機能
を持たせるために用いる水晶板や、表面に回折格子を有
するガラス板或いはプラスチック板等とのフィルター同
士の積層には、光学的性能をより高めるため、透明性に
優れた接着剤を用いて両フィルターをより均一に接着積
層する方法が広く採られているが、水晶板或いはガラス
板とプラスチック製光学フィルター、種類を異にするプ
ラスチック製フィルター同士等では熱膨張や熱収縮等の
熱的性能、接着剤との接着等に違いがあり、両者をより
強固に接着させる接着剤が見いだされていないのが現状
である。従って、光学的ローパスフィルター機能を有す
るフィルターと視感度補正機能を有するフィルターとを
接着させるための煩雑な工程を必要としないで、両フィ
ルターを強固に接着し、両性能を併せ有する複合光学フ
ィルターの製造方法の開発が強く望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に基づいてなされたものであって、その目的は、軽
量で、吸湿しにくく、近赤外領域の波長光を効率よくカ
ットし、視感度補正機能を有し、かつ光学的ローパスフ
ィルター機能を有する複合光学フィルターの製造方法に
おいて、光学的ローパスフィルター機能を有する部材と
視感度補正機能を有する部材との接着工程を必要としな
いより簡略化された複合光学フィルターの製造方法を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の複合光学フィル
ターの製造方法は、透明基板を対向させてなる注型重合
用キャビテイの2枚の平行壁面の少なくとも1枚が光学
的ローパスフィルター機能を有し、該基板の側面外周を
粘着テープ或いはガスケットで囲いキャビテイを形成
し、該キャビテイ内に下式化2で示される単量体とこれ
と共重合可能な単量体および銅化合物を主成分とする金
属化合物からなる単量体混合物を注入して重合成形する
ことを特徴とする。
【0007】
【化2】PO(OH)n3-n 〔但し、Rは CH2=CXCOO(C24O)m−(X
は水素原子又はメチル基を示し、mは1〜5の整数であ
る。)を示し、nは1または2である。〕
【0008】以下本発明について詳細に説明する。本発
明の複合光学フィルターの製造方法は、水晶板や表面に
回折格子を印刻した透明ガラス板或いはプラスチック板
をモールド板としたキャビテイ内で、重合体が近赤外領
域の光線を効率よくカットし、視感度補正機能を有す
る、上記化2に示す特定のリン酸基含有単量体と銅化合
物を主成分とする金属化合物からなる単量体混合物を注
型重合し、重合体をキャビテイ壁面から分離することな
く、視感度補正機能と光学的ローパスフィルター機能と
を併せ有する複合光学フィルターを得るものである。
【0009】注型重合においては、重合後にモールド内
の重合体を取り出し易くするため、モールド内の重合体
と接する面に離型剤を予め塗布しておくことが一般的に
行われている。即ち、離型剤を用いないで注型重合を行
うと重合体とモールド板との接着が強く、重合体をモー
ルドから取り出すことが困難になることが多い。本発明
の方法は、このような、従来から、注型重合における欠
点とされていたモールド板と重合体との接着性を逆に利
用して、重合と同時にモールド板と重合体とが強固に接
着した複合体を形成させることに大きな特徴がある。
【0010】本発明の製造方法において用いるモールド
板としては、光学的ローパスフィルター機能を有する水
晶板、或いは回折格子を表面に印刻した透明ガラス板ま
たはプラスチック板がある。水晶は屈折率に異方性を有
しており、この特性を利用して被写体光の高空間周波数
成分を制限し、疑似信号の発生に伴う被写体と異なる色
成分を除去するいわゆる光学的ローパスフィルターとし
て用いられている。
【0011】また、回折格子も水晶と同様に光学的ロー
パスフィルター機能を有しているため、本発明の製造方
法においては、表面に回折格子を印刻した透明ガラス板
或いはプラスチック板を水晶板同様に用いることができ
る。この回折格子を用いた光学的ローパスフィルター機
能を有する基板は、透明ガラス板或いはプラスチック板
を薄くすることが可能で、光学的ローパスフィルターの
小型軽量化に有効である。
【0012】この回折格子を表面に形成した光学的ロー
パスフィルター機能を有するプラスチック板で、本発明
の製造方法におけるモールド板として使用することので
きる代表的なものとしては、以下に示すようなものがあ
る。架橋アクリル樹脂、ポリカーボネート、4ーメチル
ペンテンー1、非晶性ポリオレフィン、変性ノルボルネ
ン樹脂、脂環式アクリル樹脂、アクリロニトリル−アク
リル酸メチル共重合樹脂、非晶性ポリエチレンテレフタ
レート樹脂等の透明板。尚、これら以外でもキャビテイ
内で重合させる単量体或いは単量体組成物に膨潤した
り、溶解することなく、重合体との接着力が大きく、透
明性に優れたものであれば用いることができる。
【0013】次に、モールド板の表面に回折格子を形成
する方法としては、透明ガラス板では、通常のガラス製
回折格子の製作法を用いることができる。一方、透明プ
ラスチック板では、内面に回折格子のネガパターンを形
成したモールドを用いて、注型重合と同時に重合体表面
に回折格子を形成する方法、同様に、内面に回折格子の
ネガパターンを形成した金型内に加熱溶融プラスチック
を射出成形する方法、透明プラスチック板の表面に回折
格子のネガパターンを印刻したスタンパーを加熱接触さ
せる方法、透明プラスチック板の表面に感光性樹脂を均
一に塗布し、マスクパターンを用いて、回折格子パター
ンを露光現像する方法、或いは、光学用樹脂で予め成形
された回折格子を透明プラスチック板に積層する方法等
種々の方法がある。
【0014】本発明の製造方法においてモールド板とし
て用いる水晶板或いは表面に回折格子を印刻した透明ガ
ラス板や透明プラスチック板は通常0.3〜5mm、好
ましくは0.5〜3mm厚の平板である。厚みが0.3
mm未満になると取扱い性が低下し、また、注型重合体
の厚みの均一性も低下しやすくなり、また、5mmを超
えて厚くなると複合光学フィルターとしての厚みが大き
くなるなどともに好ましくない。尚、モールド板が薄く
なり、変形しやすいときは、モールド板の外側にガラス
板や金属板等の補助板を添えてモールド板の変形を防ぐ
こともできる。
【0015】本発明の製造法における注型重合では、こ
れら水晶板或いは表面に回折格子を印刻した透明ガラス
板や透明プラスチック板を両面に用いたキャビテイを用
いることができる。また、これら光学的ローパスフィル
ター機能を有するモールド板を片面に用い、他の片面を
一般的な透明ガラス板や透明プラスチック板とすること
も可能である。尚、本発明の製造方法において使用する
キャビテイは、これら上記のモールド板2枚をガスケッ
ト或いは粘着テープを用いて所望間隔に固定して形成さ
れる。表面に回折格子を形成してなる基板をモールド板
とするときは、回折格子面をモールドの外側にすること
が、複合光学フィルターにおいて、回折格子面における
屈折率差を大きくすることができるので好ましい。ま
た、これらモールド板に用いる水晶板、回折格子を印刻
したガラス板或いはプラスチック板は光の透過性を高め
るため、キャビテイの外側の表面に反射防止剤を塗布し
て用いることもできる。
【0016】次に、本発明の複合光学フィルターの製造
方法におけるもう一つの主要な構成因子は、上記のキャ
ビテイ内に充填し、注型重合を行うことにより、近赤外
領域の光線を効率よくカットすることができ、視感度補
正機能を有し、しかも、これらモールド板との接着性に
優れ、モールド板と一体化した重合体を得ることのでき
る単量体組成物である。かかる単量体組成物は、前記の
化2で示され、後述する銅イオンを主成分とする金属イ
オンと結合可能なリン酸基を分子構造中に有する特定の
リン酸基含有単量体を必須成分としている。この単量体
組成物を重合して得られる共重合体は、リン酸基を介し
て銅イオンを主成分とする金属イオンを保持しており、
近赤外領域に特徴ある光吸収特性を示すものとなる。
【0017】また、この特定のリン酸基含有単量体は、
エチレンオキサイド基を介して、ラジカル重合性の官能
基であるアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオ
キシ基が分子中に結合されているため、極めて共重合性
にとみ、種々の単量体との共重合が可能となる。前記化
2におけるRは、繰り返し数がmであるエチレンオキサ
イド基が結合したアクリロイルオキシ基(Xが水素原
子)またはメタクリロイルオキシ基(Xがメチル基)で
ある。ここで、エチレンオキサイド基の繰り返し数mは
1〜5の整数であり、このmの値が5を超えると、得ら
れる共重合体の硬度が大幅に低下し、フィルター材とし
ての実用性に欠けたものとなる。
【0018】次に、水酸基の数nは1または2のいずれ
かの値を採ることができる。nの値が2であると、銅イ
オンなどのイオン性金属との結合性が大きく、リン原子
に結合したラジカル重合性の官能基の数が1の単量体と
なる。一方、nの値が1では、ラジカル重合性の官能基
の数が2となり、架橋重合性を有する単量体となる。
【0019】このように、得られる共重合体に要求され
る性能や使用目的、或いは得られる共重合体の成形加工
法等に応じてnの値を選択することができるが、nの値
が1である単量体と、nの値が2である単量体とを併用
することが好ましく、特に、両単量体をモル比で1:5
〜5:1となる割合で用いるときに、当該単量体への銅
化合物を主成分とする金属化合物の溶解性が高まるので
好ましい。
【0020】本発明の製造法において用いる単量体組成
物には、上記のリン酸基含有単量体と共重合可能な単量
体が含まれている。得られる重合体を共重合体とするこ
とで、リン酸基含有単量体単独重合体での吸湿しやすさ
を改良することができ、かつ硬度が大きく、耐熱温度や
形状保持にも優れ、さらに水晶板等のモールド板との接
着にも優れるという性能バランスに優れた重合体を得る
ことができる。かかる共重合性単量体は、(1)特定の
リン酸基含有単量体と均一に溶解混合すること、(2)
特定のリン酸基含有単量体とのラジカル共重合性が良好
であること、さらに、(3)光学的に透明な共重合体が
得られること、等を満たすものであれば、特に限定され
るものではない。
【0021】これらの共重合性単量体の具体例を以下に
示す。メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エ
チルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピ
ルアクリレート、n−プロピルメタクリレート等のアル
キル基の炭素数が1〜8である低級アルキルアクリレー
ト並びに低級アルキルメタクリレート、グリシジルアク
リレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシ
ブチルメタクリレート等のようにアルキル基をグリシジ
ル基やヒドロキシル基で置換した変性アルキルアクリレ
ート並びに変性アルキルメタクリレート、エチレングリ
コールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタ
クリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−
ブタンジオールジメタクリレート、2,2−ビス〔4−
メタクリロキシエトキシフェニル〕プロパン、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリット
トリメタクリレート、ペンタエリトリットテトラメタク
リレート等の多官能アクリレート並びに多官能メタクリ
レート、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和アルキル
カルボン酸、スチレン、α−メチルスチレン、ハロゲン
化スチレン、メトキシスチレン、ジビニルベンゼン等の
芳香族ビニル化合物を挙げることができる。これら化合
物は、単独で、或いは2種以上混合して用いることもで
きる。
【0022】本発明の製造法において用いる単量体中に
占める、前記化2で表される特定のリン酸基含有単量体
の使用割合(質量比)は、3〜90質量%、より好まし
くは5〜80質量%である。この割合が3質量%未満に
なると、得られる共重合体の近赤外領域における好適な
光吸収性能が得られにくい。一方、この割合が90質量
%を越えると、得られる共重合体の吸湿性が大きく、硬
度が低下し、モールド板との接着力も低下し、好ましく
ない。
【0023】次に、本発明の複合光学フィルターの製造
法において用いる単量体組成物には、上記単量体の他に
銅化合物を主成分とする金属化合物を含有してなるもの
である。 この金属化合物は前記共重合体中に含有され
たリン酸基との相互作用により近赤外領域の光を効率よ
く吸収する作用をする金属イオンの供給源として用いる
ものである。ここで「銅化合物を主成分とする」とは、
前記金属化合物から供給される全ての金属イオンに対し
て銅イオンの占める割合が80質量%以上であることを
意味する。具体的には、2価の銅イオンからなる銅化合
物と他の金属イオンからなる金属化合物とがこの割合で
混合されている混合金属化合物である。銅イオンの割合
が80質量%未満になると、得られる共重合体の近赤外
領域における光吸収性能が低下してくる。
【0024】この銅化合物を主成分とする金属化合物を
含有する単量体組成物を注型重合して得られる共重合体
中に含まれている金属化合物の割合は、共重合体100
質量部に対して0.1〜50質量部であることが好まし
く、より好ましくは0.1〜40質量部である。この割
合が0.1質量部未満では、近赤外領域における十分な
光吸収性能が得られず、一方、50質量部を越えると、
当該金属化合物が共重合体中に均一に分散されにくくな
る。また、銅イオンとしての含有量は、共重合体100
質量部に対して0.1〜20質量部であることが好まし
い。
【0025】これら金属化合物を構成する銅化合物とし
ては、種々のものを用いることができ、その一例を示せ
ば、酢酸銅、塩化銅、ギ酸銅、ステアリン酸銅、安息香
酸銅、エチルアセト酢酸銅、ピロリン酸銅、ナフテン酸
銅、クエン酸銅等の無水物や水和物を挙げることができ
る。なお、これらのみに限定されるものではない。ま
た、これら金属化合物を構成するその他の金属化合物と
しては全金属イオン量の20質量%未満の範囲でナトリ
ウム、カリウム、カルシウム、鉄、マンガン、コバル
ト、マグネシウム、ニッケル等の金属化合物から目的に
応じて用いることができる。
【0026】
【発明の効果】以上のように、本発明の複合光学フィル
ターの製造方法は、光学的ローパスフィルター機能を有
する透明基板をモールド板としたキャビテイ内にて、近
赤外領域の光を効率よく吸収する特性を有する重合体が
得られる単量体組成物を注型重合することに特徴があ
る。このような製造方法を採ることにより、上記特性を
有する重合体が得られる単量体組成物のキャビテイ内で
の重合の進行と同時に、該重合体が光学的ローパスフィ
ルター機能を有するモールド板との間に強固に接着する
ため、重合後の固体同士での接着複合化工程を必要とせ
ず、より簡略化された製造方法で、両者をより強固に接
着させることが可能となった。本発明の製造方法で製造
された、強固に一体化した複合光学フィルターは、耐熱
衝撃性(ヒートサイクル試験)、耐溶剤性、耐候(光)
性、等の耐久性に優れており、ビデオカメラ、電子スチ
ルカメラ等種々の電子光学機器のCCD等の撮像素子に
用いられる光学的ローパスフィルターに好適に用いるこ
とができる。
【0027】
【実施例】以下に、本発明を実施例で説明するが、本発
明がこれらによって限定されるものではない。尚、以下
において、「部」は「質量部」を意味する。
【0028】〔実施例1〕直径が20mmで厚さ1.2
mmと1.6mmの市販の光学的ローパスフィルター用
水晶板(光の入射面に対して光軸の角度が45度にカッ
トした水晶板)をテフロン製ガスケットを介して間隔を
1.6mmとした注型重合用キャビテイに、次に示す単
量体、金属化合物及び重合開始剤からなり、攪拌混合し
て金属化合物を十分に溶解した混合物を注入し、45℃
で16時間、60℃で8時間さらに90℃で3時間と順
次温度を高めて加熱して、注型重合を行い、該水晶板
(モールド板)と一体化した銅化合物を含有した架橋共
重合体からなる複合光学フィルターを製造した。
【0029】 単量体 化3の特定のリン酸基含有単量体 :14 部 化4の特定のリン酸基含有単量体 : 6 部 メチルメタクリレート :58.5 部 ジエチレングリコールジメタクリレート :20 部 α−メチルスチレン : 1.5 部 金属化合物 無水安息香酸銅(銅イオン量として2.9部) :14 部 重合開始剤 t−ブチルパーオキシピバレート :2.0 部
【0030】
【化3】 [CH2=C(CH3)COOC24O]2PO(OH)
【0031】
【化4】 CH2=C(CH3)COOC24OPO(OH)2
【0032】得られた複合光学フィルターは、−40℃
にて1時間保持し、次いで85℃で1時間保持すること
を1サイクルとするヒートサイクル試験を10サイクル
行った後でも、水晶板と架橋共重合体との境界面の剥離
は生じなかった。また、この複合光学フィルターをビデ
オカメラに組み込み、実写テストを行ったところ、モア
レパターン、折り返しひずみによるノイズが少なくな
り、有効な光学的ローパスフィルター機能が確認でき
た。なお、この複合光学フィルターの分光光度計による
分光透過率を測定したところ、可視領域には光の吸収は
なく、可視領域の光透過性に優れていることが示され
た。さらに、近赤外域(波長700〜1000nm)で
は、光透過率が10%以下となり、効率よく光を吸収し
ていることが認められた。
【0033】〔実施例2〕実施例1で用いたと同じ水晶
板を用い、両水晶板の間隔が0.5mmとなるように両
水晶板の周りに粘着テープを巻いて固定して注型重合用
キャビテイを調整した。このキャビテイに、次に示す単
量体、金属化合物及び重合開始剤からなり、攪拌混合し
て金属化合物を十分に溶解した混合物を注入し、45℃
で16時間、60℃で8時間さらに90℃で3時間と順
次温度を高めて加熱して、注型重合を行い、該水晶板
(モールド板)と一体化した銅化合物を含有した架橋共
重合体からなる複合光学フィルターを製造した。
【0034】 単量体 化3の特定のリン酸基含有単量体 :32 部 化4の特定のリン酸基含有単量体 :13 部 メチルメタクリレート :34 部 ジエチレングリコールジメタクリレート :20 部 α−メチルスチレン : 1 部 金属化合物 無水安息香酸銅(銅イオン量として6.6部) :32 部 重合開始剤 t−ブチルパーオキシピバレート :2.0 部
【0035】得られた複合光学フィルターについて、実
施例1と同様に、ヒートサイクル試験、ビデオカメラに
組み込んでの実写テストならびに分光光度計による分光
透過率の測定を行ったところ、水晶板の剥離はなく、優
れた光学的ローパスフィルター機能を有し、かつ可視域
の光透過性と近赤外域の光吸収性にも優れていることが
確認された。
【0036】〔実施例3〕次に示す単量体、金属化合物
(但し、全金属イオン量に対する鉄イオン量は約5.5
質量%)及び重合開始剤からなり、攪拌混合して金属化
合物を十分に溶解した注型重合用混合物を用いた以外
は、実施例1と同様にして複合光学フィルターを製造し
た。
【0037】 単量体 化3の特定のリン酸基含有単量体 :15 部 化4の特定のリン酸基含有単量体 :15 部 メチルメタクリレート :45 部 1,4−ブタンジオールジアクリレート :20 部 メタクリル酸 : 5 部 金属化合物 無水酢酸銅(銅イオン量として5.3部) :15 部 シュウ酸鉄(II)2水和物(Fe24・2H20): 1 部 重合開始剤 t−ブチルパーオキシピバレート :2.0 部
【0038】得られた複合光学フィルターも、実施例1
と同様に性能評価を行ったところ、水晶板の剥離はな
く、光学的ローパスフィルター機能ならびに可視域の光
透過性と近赤外域の光吸収性に優れていることが確認で
きた。
【0039】〔実施例4〕ピッチ160μmで断面の形
状が正弦波状の位相型回折格子パターンを表面に印刻し
た直径が30mmで、厚みが1.5mmのガラス製の光
学フィルター(コーニング社製:BK−7)2枚を間隔
が1.6mmになるように粘着テープで固定してキャビ
テイを調整した以外は、実施例1と同様にして注型重合
を行い、表面に回折格子パターンを印刻したガラス製光
学的ローパスフィルターと一体化した銅化合物及びリン
酸基を含有した架橋共重合体からなる複合光学フィルタ
ーを製造した。
【0040】得られた複合光学フィルターについて実施
例1と同様に、ヒートサイクル試験およびビデオカメラ
に組み込んでの実写テストを行ったところ、回折格子パ
ターンを印刻したガラス板と架橋共重合体との剥離はな
く、モアレパターン、折り返しひずみによるノイズが少
なくなり、有効な光学的ローパスフィルター機能が確認
できた。 また、分光光度計による分光透過率を測定し
たところ、可視領域の透過率は60%以上と高く、透明
性に優れていることならびに近赤外域の波長光を透過率
が10%以下となるように効率よく吸収していることも
確認された。
【0041】〔実施例5〕モールド板として、ピッチ1
60μmで断面の形状が正弦波状の位相型回折格子パタ
ーンを表面に印刻した直径が25mmで、厚みが1.0
mmのプラスチック製光学的ローパスフィルター(日本
ゼオン製:ゼオネックス)2枚を用い、その間隔が0.
5mmとなるようにテフロン製ガスケットで固定してキ
ャビテイを調整した。このキャビテイに実施例2と同じ
単量体、金属化合物及び重合開始剤からなる混合物を注
入し実施例2と同一条件で注型重合を行い、光学的ロー
パスフィルター機能を有するプラスチック製モールド材
と一体化した銅化合物及びリン酸基を含有した架橋共重
合体からなる複合光学フィルターを製造した。
【0042】得られた複合光学フィルターについて、実
施例1と同様にして性能評価を行ったところ、モールド
板と架橋共重合体との剥離はなく、光学的ローパスフィ
ルター機能、可視域の光線透過率ならびに近赤外域の光
線吸収性に優れていることが確認された。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基板を対向させてなる注型重合用キャ
    ビテイの2枚の平行壁面の少なくとも1枚が光学的ロー
    パスフィルター機能を有し、該基板の側面外周を粘着テ
    ープ或いはガスケットで囲いキャビテイを形成し、該キ
    ャビテイ内に下式化1で示される単量体とこれと共重合
    可能な単量体および銅化合物を主成分とする金属化合物
    からなる単量体混合物を注入して重合成形することを特
    徴とする表面に光学的ローパスフィルター機能層を有す
    る複合光学フィルターの製造方法。 【化1】PO(OH)n3-n 〔但し、Rは CH2=CXCOO(C24O)m−(X
    は水素原子又はメチル基を示し、mは1〜5の整数であ
    る。)を示し、nは1または2である。〕
  2. 【請求項2】注型重合用キャビテイの2枚の平行壁面が
    ともに光学的ローパスフィルター機能を有する透明基板
    である請求項1に記載の複合光学フィルターの製造方
    法。
  3. 【請求項3】透明基板が水晶板である請求項1乃至2の
    何れかに記載の複合光学フィルターの製造方法。
  4. 【請求項4】透明基板が表面に回折格子を印刻したガラ
    ス板である請求項1乃至2の何れかに記載の複合光学フ
    ィルターの製造方法。
  5. 【請求項5】透明基板が表面に回折格子を印刻した合成
    樹脂板である請求項1乃至2の何れかに記載の複合光学
    フィルターの製造方法。
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