JPH1095890A - プラスチック製光学材料およびその製造方法 - Google Patents
プラスチック製光学材料およびその製造方法Info
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- JPH1095890A JPH1095890A JP20579597A JP20579597A JPH1095890A JP H1095890 A JPH1095890 A JP H1095890A JP 20579597 A JP20579597 A JP 20579597A JP 20579597 A JP20579597 A JP 20579597A JP H1095890 A JPH1095890 A JP H1095890A
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Abstract
能を有し、防眩性などの所要の光学特性が得られ、しか
も、吸水性が小さいプラスチック製光学材料およびその
製造方法を提供すること。 【解決手段】 本発明のプラスチック製光学材料は、ア
クリル系樹脂中に、リン酸基と、アミド基と、希土類金
属イオンよりなる金属イオン成分とが含有されてなるこ
とを特徴とする。また、リン酸基およびアミド基は、そ
れぞれアクリル系樹脂を構成するポリマーの構造中に化
学的に結合されて存在することが好ましく、アクリル系
樹脂を構成するポリマーは、下記式(1)で表されるリ
ン酸基含有単量体およびこれと共重合可能な単量体を共
重合して得られる共重合体であることが好ましい。 【化1】
Description
学材料およびその製造方法に関し、更に詳しくは、特定
の波長域の可視光線を高い効率で吸収し、防眩機能、高
コントラスト化機能、色純度補正機能、輝度抑制機能等
に優れたプラスチック製光学材料、およびその製造方法
に関する。
せて当該金属イオンによる特定の光学的特性を当該透明
性材料に付与する試みがなされている。光学特性を付与
するための金属イオンとしては、希土類金属イオンが、
特定の波長域の光線をシャープに吸収する性質を有し、
また、特有の蛍光を発する性質を有する点で、利用価値
が高いものである。例えば、3価のネオジムイオンは、
波長580nm近傍の光線をシャープに吸収する特性を
有することが知られており、このようなネオジムイオン
を含有するガラス製の光学材料は、優れた防眩性を有す
る光学材料として、例えば防眩性眼鏡レンズ、テレビ等
に用いられる防眩フィルター、照明器具の輝度調節フィ
ルター、色調補正フィルターなどに利用されている。
オンがアクリル系樹脂などの樹脂材料中に含有されてな
るプラスチック製の光学材料が提案されている(例えば
特開平8−136727号公報、特願平7−28962
8号明細書参照)。このようなプラスチック製光学材料
においては、金属イオンを樹脂材料中に分散させるた
め、樹脂材料として、そのポリマーの構造中にリン酸基
が化学的に結合されてなるアクリル系樹脂が用いられて
いる。
材料においては、金属イオンを高い割合でアクリル系樹
脂中に含有させることができないため、厚みが小さい光
学製品に利用する場合には、金属イオンによる光学特性
が十分に発揮されない、という問題がある。また、金属
イオンの分散性を高めるためには、アクリル系樹脂を構
成するポリマーの構造中に高い割合でリン酸基を含有さ
せることが必要であるが、このようなアクリル系樹脂は
吸水性が大きいものとなるため、実用上、光学材料とし
て用いることができない。
な事情に基づいてなされたものであって、アクリル系樹
脂中に、リン酸基と共にアミド基を含有させることによ
り、当該アクリル系樹脂に対する金属イオンの分散性を
高めることができることを見いだし、この知見に基づい
て達成されたものである。本発明の目的は、特定の波長
域の光線を高い効率で吸収する性能を有し、防眩性など
の所要の光学特性が得られ、しかも、吸水性が小さいプ
ラスチック製光学材料を提供することにある。本発明の
他の目的は、上記のプラスチック製光学材料を有利に製
造することができる方法を提供することにある。
光学材料は、アクリル系樹脂中に、リン酸基と、アミド
基と、希土類金属イオンよりなる金属イオン成分とが含
有されてなることを特徴とする。
は、リン酸基が、アクリル系樹脂を構成するポリマーの
構造中に化学的に結合されて存在することが好ましく、
更に、アクリル系樹脂を構成するポリマーが、下記式
(1)で表されるリン酸基含有単量体およびこれと共重
合可能な単量体を共重合して得られる共重合体であるこ
とが好ましい。
は、アミド基は、下記式(3)、式(4)または式
(5)で表されるアミド基含有化合物がアクリル系樹脂
中に分散されることにより含有されていることが好まし
い。
は、アミド基が、アクリル系樹脂を構成するポリマーの
構造中に化学的に結合されて存在することが好ましい。
中のアミド基とリン酸基との合計の含有量が0.8〜5
0質量%で、かつ、当該アミド基と当該リン酸基との割
合が質量比で10:90〜70:30であり、金属イオ
ン成分の含有量がアクリル系樹脂中0.1〜30質量%
であることが好ましい。
法は、下記の単量体混合物(I)100質量部を、希土
類金属化合物0.3〜80質量部の存在下に重合処理す
る工程を含むことを特徴とする。 単量体混合物(I):少なくとも上記の式(1)で表さ
れるリン酸基含有単量体と、上記の式(3)、式(4)
若しくは式(5)で表されるアミド基含有化合物とを含
有してなり、当該リン酸基含有単量体におけるリン酸基
と当該アミド基含有化合物におけるアミド基との合計の
含有量が、重合性成分中0.8〜50質量%、かつ、当
該アミド基と当該リン酸基との割合が質量比で10:9
0〜70:30である単量体混合物
ド基含有化合物として、上記の式(3)におけるR3 、
式(4)におけるR4 若しくはR8 または式(5)にお
けるR9 が、炭素数2〜3のアルケニル基である重合性
を有するものを用いることが好ましい。
する。本発明のプラスチック製光学材料は、金属イオン
成分と、リン酸基と、アミド基とが、アクリル系樹脂中
に含有されてなるものである。本発明において「リン酸
基」とは、PO(OH)n −(nは1または2であ
る。)で表される基をいう。また、本発明において「ア
ミド基」とは、下記式(6)で表される基をいう。
て、アクリル系樹脂中に含有される金属イオン成分は、
希土類金属イオンよりなるものであり、その具体例とし
ては、ランタノイド、すなわちランタン、セリウム、プ
ラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユ
ーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウ
ム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウ
ム、ルテチウムによる金属イオンが挙げられる。これら
の金属イオンは、単独でまたは2種以上を組み合わせて
用いることができる。
属イオンによる特定の金属化合物を供給源として、アク
リル系樹脂中に含有される。かかる特定の金属化合物と
しては、上記の希土類金属と、例えば酢酸、安息香酸、
シュウ酸等の有機酸、若しくは硫酸、塩酸、硝酸、フッ
酸等の無機酸とによる金属塩の無水物または水和物、あ
るいは希土類金属の酸化物が挙げられるが、これらの化
合物に限定されるものではない。
類金属による金属イオン以外のその他の金属イオンを、
本発明の目的を損なわない範囲例えば全金属イオン成分
の30質量%以内となる割合で、アクリル系樹脂中に含
有させることができる。その他の金属イオンとしては、
ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオ
ン、鉄イオン、マンガンイオン、コバルトイオン、マグ
ネシウムイオン、ニッケルイオン等を用いることがで
き、これらの金属イオンは、上記の希土類金属による金
属イオンと同様に、その他の金属イオンによる金属化合
物を供給源として、アクリル系樹脂中に含有させること
ができる。
樹脂中0.1〜30質量%、特に0.2〜26質量%で
あることが好ましい。この割合が0.1質量%未満であ
る場合には、金属イオンに応じた特定の波長域の光線を
高い効率で吸収する光学材料が得られない場合がある。
一方、この割合が30質量%を超える場合には、金属イ
オン成分をアクリル系樹脂中に分散させることが困難と
なる。
含有させるために、金属イオン成分の供給源である金属
化合物は、当該金属化合物以外の原材料100質量部に
対して0.3〜80質量部、特に0.5〜75質量部と
なる割合で使用されることが好ましい。
は、上記の金属イオン成分をアクリル系樹脂中に分散さ
せる成分の一つとして、リン酸基が含有されている。こ
のリン酸基は、当該リン酸基を含有する化合物がアクリ
ル系樹脂中に分散されることにより含有されていてもよ
いし、或いは、アクリル系樹脂を構成するポリマーの構
造中に化学的に結合した状態で含有されていてもよい。
しかし、前述の金属イオン成分は、リン酸基に配位して
安定な状態となるため、金属イオン成分の分散性を高
め、当該金属イオン成分を高い割合で含有させることが
できる点で、リン酸基は、アクリル系樹脂を構成するポ
リマーの構造中に化学的に結合された状態で含有されて
いることが好ましい。
化学的に結合されてなるアクリル系樹脂を用いる場合に
は、ポリマー中におけるリン酸基の割合が、0.5〜5
0質量%、特に1〜40質量%であることが好ましい。
この割合が0.5質量%未満である場合には、後述する
アミド基を含有させても金属イオン成分をアクリル系樹
脂中に均一に分散させることが困難となり、クリヤー性
に優れた光学材料が得られない。一方、この割合が50
質量%を超える場合には、金属イオン成分をアクリル系
樹脂中に均一に分散させることが困難となり、また、得
られる光学材料の吸湿性が高くなるため、実用上好まし
くない。
合されてなるアクリル系樹脂としては、上記式(1)で
表される単量体(以下、「特定のリン酸基含有単量体」
という。)およびこれと共重合可能な単量体(以下、
「共重合性単量体」という。)よりなる混合単量体を共
重合して得られる共重合体樹脂(以下、「特定のアクリ
ル系共重合体樹脂」ともいう。)を用いることが好まし
い。
す式(1)において、基Rは、式(2)で示されるよう
に、エチレンオキサイド基が結合したアクリロイルオキ
シ基(Xが水素原子の場合)またはメタクリロイルオキ
シ基(Xがメチル基の場合)である。ここで、エチレン
オキサイド基の繰り返し数mは0〜5の整数である。こ
のmの値が5を超えると、得られる共重合体は、硬度が
大幅に低下するので、光学材料としての実用性に欠けた
ものとなる。
または2であり、得られる光学材料の特性、成形法およ
び使用目的に応じて、nの値が1である特定のリン酸基
含有単量体およびnの値が2である特定のリン酸基含有
単量体のいずれか一方または両方を用いることができ、
また、両方を用いる場合には、その混合割合を選択する
ことができる。
定のリン酸基含有単量体は、リン原子に結合したラジカ
ル重合性のエチレン性不飽和結合の数が2であり、架橋
重合性を有するものとなり、一方、nの値が2である特
定のリン酸基含有単量体は、前記エチレン性不飽和結合
の数が1であり、リン原子に結合した水酸基の数が2と
なり、金属イオン成分との結合性が大きいものとなる。
従って、本発明の光学材料を熱可塑性樹脂の一般的な成
形加工法である射出成形法或いは押出成形法により成形
する場合には、nの値が2である特定のリン酸基含有単
量体を用いることが好ましい。また、nの値が1である
特定のリン酸基含有単量体およびnの値が2である特定
のリン酸基含有単量体の両方を用いる場合には、特定の
アクリル系共重合体を製造するに際しては、目的とする
形状が直接得られる注型重合法を利用することが好まし
い。
形法および使用目的に応じて、nの値が1である特定の
リン酸基含有単量体およびnの値が2である特定のリン
酸基含有単量体のいずれかを選択することができるが、
これらの両方を用いることが好ましい。特に、nの値が
1である特定のリン酸基含有単量体と、nの値が2であ
る特定のリン酸基含有単量体とを、それぞれがほぼ等モ
ル量となる割合、例えばモル比で45〜55:55〜4
5となる割合で用いる場合には、単量体混合物に対する
金属イオン成分の供給源である金属化合物の溶解性が高
いものとなるので好ましい。
には、上記の特定のリン酸基含有単量体と共重合性単量
体との混合単量体が用いられる。このような混合単量体
を用いることにより、得られる光学材料の吸湿性、屈折
率、硬度等の性能を調整することができる。この共重合
性単量体としては、(1)用いられる特定のリン酸基含
有単量体と均一に溶解混合すること、(2)用いられる
特定のリン酸基含有単量体とのラジカル共重合性が良好
であること、(3)光学的に透明な共重合体が得られる
こと等を満足するものであれば特に限定されるものでは
ない。
メチル(メタ)アクリレート(ここで、「(メタ)アク
リレート」とは、「アクリレート」または「メタクリレ
ート」意味する。)、エチル(メタ)アクリレート、n
−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)
アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−
ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト等のアルキル基の炭素数が1〜12である低級アルキ
ル(メタ)アクリレート類、グリシジル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル
(メタ)アクリレート等の変性アルキル(メタ)アクリ
レート類、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の
芳香環含有(メタ)アクリレート類などの単官能(メ
タ)アクリレート類、
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポ
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3
−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4
−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチル
グリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−
1,3−ジメタクリロキイルオシプロパン、2,2−ビ
ス〔4−メタクリロイルオキシエトキシフェニル〕プロ
パン、2−ヒドロキシ−1−アクリロイルオキシ−3−
メタクリロイルオキシプロパン、トリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリットトリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリトリットテトラ(メ
タ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類、
ロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキ
シエチルフタル酸等のラジカル重合性の不飽和結合を有
するカルボン酸、スチレン、α−メチルスチレン、クロ
ルスチレン、ジブロムスチレン、メトキシスチレン、ジ
ビニルスチレン、ビニル安息香酸、ヒドロキシメチルス
チレン、トリビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物を
用いることもできる。これらの化合物は、単独で若しく
は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
体との使用割合は、質量比で3:97〜80:20、特
に5:95〜75:25であることが好ましい。特定の
リン酸基含有単量体はラジカル重合性に富むものである
ため、混合単量体を重合処理することによって、当該混
合単量体のほとんどが共重合体に転換されるとみなすこ
とができる。従って、特定のリン酸基含有単量体と共重
合性単量体とを上記の割合で使用することにより、リン
酸基が上述の特定の割合でポリマーの構造中に結合され
てなるアクリル系樹脂が得られる。
は、前述の金属イオン成分を分散させる成分として、上
記のリン酸基と共に、アミド基が含有されている。この
アミド基をリン酸基と共に含有させることにより、リン
酸基を単独で使用した場合に比較して、金属イオン成分
の分散性を更に高めることができる。その理由は十分に
解明されていないが、リン酸基と金属イオン成分との配
位結合性が促進されること、金属イオン成分がアミド基
に配位して錯体が形成されること、或いは錯体とアクリ
ル系樹脂との相溶性が高まることなどが考えられる。こ
のアミド基は、当該アミド基を含有する化合物がアクリ
ル系樹脂中に分散されることにより含有されていてもよ
いし、或いは、アクリル系樹脂を構成するポリマーの構
造中に化学的に結合した状態で含有されていてもよい
が、金属イオン成分の分散性を高め、当該金属イオン成
分を高い割合で含有させることができる点、金属イオン
成分が樹脂から遊離することによって生ずる経時的な劣
化が少なくて、耐久性が高い光学材料が得られる点で、
アミド基は、アクリル系樹脂を構成するポリマーの構造
中に化学的に結合された状態で含有されていることが好
ましい。
式(3)、式(4)または式(5)で表されるアミド基
含有化合物(以下、「特定のアミド基含有化合物」とも
いう。)を用いることが好ましい。
物の具体例としては、(メタ)アクリルアミド(ここ
で、「(メタ)アクリルアミド」とは、「アクリルアミ
ド」または「メタクリルアミド」を意味する。)、N−
メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)ア
クリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミ
ド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−t
−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−sec−ブチル
(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アク
リルアミド等のN置換アルキル(メタ)アクリルアミド
類、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N
−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプ
ロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ−n−プロ
ピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−エチル
(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピ
ル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−n−プロ
ピル(メタ)アクリルアミド、N−エチル−N−イソプ
ロピル(メタ)アクリルアミド、N−エチル−N−n−
プロピル(メタ)アクリルアミド等のN,N置換ジアル
キル(メタ)アクリルアミド類などの式(3)における
R3 が炭素数2〜3のアルケニル基である重合性アミド
基含有化合物、
ホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N−イソプロ
ピルホルムアミド、N−t−ブチルホルムアミド等のN
置換アルキルホルムアミド類、N−メチルアセトアミ
ド、N−エチルアセトアミド、N−イソプロピルアセト
アミド、N−t−ブチルアセトアミド等のN置換アルキ
ルアセトアミド類、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジイソプロピ
ルホルムアミド、N,N−ジ−t−ブチルホルムアミド
等のN,N置換アルキルホルムアミド類、N,N−ジメ
チルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、
N,N−ジイソプロピルアセトアミド、N,N−ジ−t
−ブチルアセトアミド等のN,N置換アルキルアセトア
ミド類、などの式(3)におけるR3 が水素原子または
炭素数1〜4のアルキル基である非重合性アミド基含有
化合物が挙げられる。
物の具体例としては、N,N’−メチレンビス(メタ)
アクリルアミド、N,N’−エチレンビス(メタ)アク
リルアミド、N,N’−プロピレンビス(メタ)アクリ
ルアミド、N,N’−ブチレンビス(メタ)アクリルア
ミドなどの式(4)におけるR4 若しくはR8 が炭素数
2〜3のアルケニル基である重合性アミド基含有化合
物、N,N’−エチレンビスホルムアミド、N,N’−
プロピレンビスホルムアミド、N,N’−ブチレンビス
ホルムアミド、N,N’−エチレンビスアセトアミド、
N,N’−プロピレンビスアセトアミド、N,N’−ブ
チレンビスアセトアミドなどの式(4)におけるR4 若
しくはR8 が水素原子または炭素数1〜4のアルキル基
である非重合性アミド基含有化合物が挙げられる。
物の具体例としては、N−(メタ)アクリロイルピロリ
ジン(ここで、「(メタ)アクリロイル」とは、「アク
リロイル」または「メタクリロイル」を意味する。)、
N−(メタ)アクリロイルピペリジン、N−(メタ)ア
クリロイルピペラジン、(メタ)アクリロイルモルフォ
リン、(メタ)アクリロイルピペリドンなどの式(5)
におけるR9 が炭素数2〜3のアルケニル基である重合
性アミド基含有化合物、4−アセチルモルホリン、1−
アセチルピペラジン、1−アセチルピペリジン、1−ア
セチルピペリドンなどの式(5)におけるR9 が水素原
子または炭素数1〜4のアルキル基である非重合性アミ
ド基含有化合物が挙げられる。これらの特定のアミド基
含有化合物は、単独でまたは2種類以上を組み合わせて
用いることができる。
含有化合物をアクリル系樹脂中に均一に分散させること
により、当該特定のアミド基含有化合物におけるアミド
基を当該アクリル系樹脂中に含有させることができる
が、これらの特定のアミド基含有化合物のうち、式
(3)におけるR3 、式(4)におけるR4 若しくはR
8 または式(5)におけるR9 が、炭素数2〜3のアル
ケニル基である重合性のものは、前述の特定のリン酸基
含有単量体と共重合可能なものであるので、このような
重合性を有する特定のアミド基含有化合物を、前述の特
定のアクリル系共重合体樹脂を得るための共重合性単量
体の全部または一部として用いることができ、これによ
り、リン酸基およびアミド基の両方が、ポリマーの構造
中に化学的に結合されてなるアクリル系樹脂を得ること
ができる。
本発明のプラスチック製光学材料または当該プラスチッ
ク製光学材料を得るために用いられる原材料全体の1〜
60質量%、特に1〜50質量%であることが好まし
い。また、本発明のプラスチック製光学材料中における
アミド基の含有割合は、0.3〜30質量%、特に、
0.4〜20質量%であることが好ましい。特定のアミ
ド基含有化合物の使用割合が1質量%未満である場合に
は、金属イオン成分を高い割合で分散させることができ
ず、防眩性等の目的とする性能を有する光学材料が得ら
れない場合がある。一方、特定のアミド基含有化合物の
使用割合が60質量%を超える場合には、当該特定のア
ミド基含有化合物自体を光学材料またはその原材料中に
分散させることが困難となり、また、得られる光学材料
は吸湿性の高いものとなりやすいため、実用上好ましく
ない。
て、アミド基とリン酸基との合計の含有量は、当該光学
材料の樹脂成分であるアクリル系樹脂中0.8〜50質
量%、特に1〜40質量%であることが好ましい。アミ
ド基とリン酸基との合計の含有量が過小である場合に
は、金属イオン成分を十分に分散させることが困難とな
る場合がある。一方、アミド基とリン酸基との合計の含
有量が過大である場合には、金属イオン成分の分散性が
低下することがあり、また、得られる光学材料は、吸湿
性が高いものとなりやすく、実用上好ましくない。ま
た、アミド基とリン酸基との割合は、質量比でアミド
基:リン酸基が10:90〜70:30、特に、15:
85〜60:40であることが好ましい。アミド基の割
合が過小である場合には、アミド基を含有させることの
効果すなわち金属イオン成分の分散性を高める効果が十
分に得られないことがある。一方、アミド基の割合が過
大である場合には、当該アミド基の割合に応じた効果が
得られず、好ましくない。
くとも特定のリン酸基含有単量体と、特定のアミド基含
有化合物とを含有してなる単量体混合物を、金属イオン
成分の供給源である金属化合物の存在下に、ラジカル重
合法によって重合処理することにより、有利に製造する
ことができる。具体的には、単量体混合物における重合
性成分のラジカル重合を行なう前に、単量体混合物中に
前記金属化合物を添加して溶解または分散させることに
より、特定のリン酸基含有単量体と、特定のアミド基含
有化合物と、金属化合物とが含有されてなる単量体組成
物を調製し、この単量体組成物をラジカル重合処理す
る。
含有単量体におけるリン酸基と特定のアミド基含有化合
物におけるアミド基との合計の含有量が、重合性成分中
0.8〜50質量%であり、かつ、当該アミド基と当該
リン酸基との割合が質量比で10:90〜70:30で
ある。このような単量体混合物を調製するためには、前
述の共重合性単量体を必要に応じて用いればよい。ま
た、金属化合物の使用割合は、単量体混合物100質量
部に対して0.3〜80質量部である。このような条件
を満足することにより、金属化合物を単量体混合物中に
確実に溶解または分散させることができると共に、リン
酸基と、アミド基と、金属イオン成分とが、それぞれ前
述の特定の割合で含有されてなる光学材料が得られる。
のアミド基含有化合物として重合性を有するものを用い
ることにより、アミド基がポリマーの構造中に化学的に
結合されてなる特定のアクリル系共重合体樹脂が得られ
るので、金属イオン成分の分散性を更に高めることがで
きる。
ル重合法としては特に限定されるものではなく、通常の
ラジカル重合開始剤を用いる、塊状(キャスト)重合
法、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法等の公知の方
法を利用することができる。
の方法により有利に製造することができるが、本発明の
プラスチック製光学材料を製造する方法としては、これ
に限定されるものではなく、例えば以下の方法によって
も製造することができる。
処理して得られた特定のアクリル系共重合体樹脂中に、
金属イオン成分の供給源である特定の金属化合物を添加
して混合する方法。この(1)の方法では、具体的に
は、a)特定のアクリル系共重合体樹脂を加熱溶融さ
せ、これに前記金属化合物を添加混合する方法、b)特
定のアクリル系共重合体を有機溶剤などに溶解させ、こ
の溶液に前記金属化合物を添加混合する方法、その他を
利用することができる。
性単量体との混合単量体をラジカル重合して特定のアク
リル系共重合体樹脂を製造し、この特定のアクリル系共
重合体樹脂中に、特定のアミド基含有化合物と、金属イ
オン成分の供給源である金属化合物とを添加して混合す
る方法。この(2)の方法では、上記の(1)に準じた
方法を利用することができる。
学材料は、そのままの状態で、あるいはその使用目的に
応じて、板状、円柱状、レンズ状等の形状に成形、研磨
することにより、各種の用途に使用することができる。
また、上記の製造方法においては、金属化合物から金属
イオン成分が供給されて当該金属イオン成分とリン酸基
またはアミド基とが結合する結果、その副生成物として
特定の金属化合物に由来する酸が発生するが、この酸を
適宜の方法により除去することがより好ましい。酸の除
去処理は、単量体組成物を調製した後、当該単量体組成
物の重合処理を行う前に行うことができ、その具体的な
方法としては、単量体組成物中の酸を析出させ、この析
出した酸の結晶を濾別などによって分離する方法、単量
体組成物を加熱処理することにより、当該単量体組成物
中の酸を蒸発させる方法、適宜の溶媒によって単量体組
成物から酸を抽出する方法、単量体組成物を水で洗浄す
ることにより、当該単量体組成物中の酸を除去する方法
などが挙げられる。
本発明はこれらによって限定されるものではない。な
お、以下において、「部」は「質量部」を意味し、
「%」は、光線吸収率および吸水率に関するものを除き
「質量%」を意味する。
のリン酸基含有単量体(以下、「単量体(M1)」とい
う。)31.25部と、下記式(8)で表される特定の
リン酸基含有単量体(以下、「単量体(M2)」とい
う。)18.75部と、N,N−ジメチルアクリルアミ
ド(以下、「DMAA」という。)20部と、メチルメ
タクリレート(以下、「MMA」という。)30部とを
十分に混合することにより、単量体混合物を調製した。
この単量体混合物におけるリン酸基およびアミド基の含
有量は、重合性成分中リン酸基が17.7%、アミド基
が8.5%、合計が26.2%であり、アミド基とリン
酸基との割合は質量比でアミド基:リン酸基=32.
4:67.6である。この単量体混合物に、酢酸ネオジ
ム一水和物46部(重合性成分100部に対する3価の
ネオジムイオンの含有量が19.5部)を添加し、十分
に攪拌して混合することにより、単量体組成物を調製し
た。
に、t−ブチルパーオキシネオデカノエート2.0部を
添加し、35℃で1時間、35℃から60℃までを6時
間で、60℃から80℃までを2時間で、さらに80℃
から100℃までを1時間で昇温し、100℃で2時間
加熱して注型重合を行うことにより、3価のネオジムイ
オンを含有するアクリル系架橋共重合体よりなる厚みが
2mmの透明な板状のプラスチック製光学材料を製造し
た。
と、単量体(M2)6.4部と、DMAA10部と、M
MA53部と、フェノキシエチルメタクリレート(以
下、「PEMA」という。)20部とを十分に混合する
ことにより、単量体混合物を調製した。この単量体混合
物におけるリン酸基およびアミド基の含有量は、重合性
成分中リン酸基が6.0%、アミド基が4.2%、合計
が10.2%であり、アミド基とリン酸基との割合は質
量比でアミド基:リン酸基=41.2:58.8であ
る。この単量体混合物に、酢酸ネオジム一水和物10部
(重合性成分100部に対する3価のネオジムイオンの
含有量が4.3部)を添加し、十分に攪拌して混合する
ことにより、単量体組成物を調製した。この単量体組成
物を用いて実施例1と同様にして注型重合を行うことに
より、厚みが2mmの透明な板状のプラスチック製光学
材料を製造した。
と、単量体(M2)10.5部と、DMAA16部と、
MMA56部とを十分に混合することにより、単量体混
合物を調製した。この単量体混合物におけるリン酸基お
よびアミド基の含有量は、重合性成分中リン酸基が9.
6%、アミド基が6.8%、合計が16.4%であり、
アミド基とリン酸基との割合は質量比でアミド基:リン
酸基=41.5:58.5である。この単量体混合物
に、酢酸ネオジム一水和物16部(重合性成分100部
に対する3価のネオジムイオンの含有量が6.8部)を
添加し、十分に攪拌して混合することにより、単量体組
成物を調製した。この単量体組成物を用いて実施例1と
同様にして注型重合を行うことにより、厚みが2mmの
透明な板状のプラスチック製光学材料を製造した。
単量体(M2)1.9部と、DMAA1部と、MMA5
0部と、PEMA44部とを十分に混合することによ
り、単量体混合物を調製した。この単量体混合物におけ
るリン酸基およびアミド基の含有量は、重合性成分中リ
ン酸基が1.8%、アミド基が0.4%、合計が2.2
%であり、アミド基とリン酸基との割合は質量比でアミ
ド基:リン酸基=18.2:81.8である。この単量
体混合物に、酢酸ネオジム一水和物0.5部(重合性成
分100部に対する3価のネオジムイオンの含有量が
0.2部)を添加し、十分に攪拌して混合することによ
り、単量体組成物を調製した。この単量体組成物を用い
て実施例1と同様にして注型重合を行うことにより、厚
みが2mmの透明な板状のプラスチック製光学材料を製
造した。このプラスチック製光学材料が5枚積層されて
なる積層体を作製した。
と、単量体(M2)28.1部と、DMAA17部と、
2−エチルヘキシルアクリレート(以下、「2EHA」
という。)8部とを十分に混合することにより、単量体
混合物を調製した。この単量体混合物におけるリン酸基
およびアミド基の含有量は、重合性成分中リン酸基が2
6.5部、アミド基が7.2%、合計が33.7%であ
り、アミド基とリン酸基との割合は質量比でアミド基:
リン酸基=21.4:78.6である。この単量体混合
物に、酢酸ネオジム一水和物70部(重合性成分100
部に対する3価のネオジムイオンの含有量が29.7
部)を添加し、十分に攪拌して混合することにより、単
量体組成物を調製した。この単量体組成物を用いて実施
例1と同様にして注型重合を行うことにより、厚みが2
mmの透明な板状のプラスチック製光学材料を製造し
た。
と、単量体(M2)6.4部と、アクリロイルモルフォ
リン(以下、「MOA」という。)22部と、MMA2
1部と、PEMA20部と、ブトキシエチルメタクリレ
ート(以下、「BEMA」という。)20部を十分に混
合することにより、単量体混合物を調製した。この単量
体混合物におけるリン酸基およびアミド基の含有量は、
重合性成分中リン酸基が6.0%、アミド基が6.6
%、合計が12.6%であり、アミド基とリン酸基との
割合は質量比でアミド基:リン酸基=52.4:47.
6である。この単量体混合物を用いたこと以外は、実施
例2と同様にして、単量体組成物を調製し、厚みが2m
mの透明な板状のプラスチック製光学材料を製造した。
と、単量体(M2)9.4部と、N,N’−メチレンビ
スアクリルアミド(以下、「MBAA」という。)5部
と、MMA70部とを十分に混合することにより、単量
体混合物を調製した。この単量体混合物におけるリン酸
基およびアミド基の含有量は、重合性成分中リン酸基が
8.8%、アミド基が2.7%、合計が11.5%であ
り、アミド基とリン酸基との割合は質量比でアミド基:
リン酸基=23.5:76.5である。この単量体混合
物を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、単量体
組成物を調製し、厚みが2mmの透明な板状のプラスチ
ック製光学材料を製造した。
と、単量体(M2)18.7部と、DMAA30部と、
MMA10部と、n−ブチルメタクリレート(以下、
「n−BMA」という。)10部を十分に混合すること
により、単量体混合物を調製した。この単量体混合物に
おけるリン酸基およびアミド基の含有量は、重合性成分
中リン酸基が17.7%、アミド基が12.7%、合計
が30.4%であり、アミド基とリン酸基との割合は質
量比でアミド基:リン酸基=41.8:58.2であ
る。この単量体混合物に、酢酸ネオジム一水和物20部
(重合性成分100部に対する3価のネオジムイオンの
含有量が8.5部)と、酢酸プラセオジム二水和物10
部(単量体混合物100部に対する3価のプラセオジム
イオンの含有量が4.0部)とを添加し、十分に攪拌し
て混合することにより、単量体組成物を調製した。この
単量体組成物を用いて実施例1と同様にして注型重合を
行うことにより、厚みが2mmの透明な板状のプラスチ
ック製光学材料を製造した。
0部の代わりに酢酸ホルミウム四水和物10部(重合性
成分100部に対する3価のホルミウムイオンの含有量
が4.0部)を用いたこと以外は、実施例8と同様にし
て厚みが2mmの透明な板状のプラスチック製光学材料
を製造した。
N,N−ジメチルアセトアミド(以下、「DMAcA」
という。)8部を用い、MMAの量を70部から67部
に変更して単量体混合物を調製したこと以外は、実施例
7と同様にして厚みが2mmの透明な板状のプラスチッ
ク製光学材料を製造した。上記の単量体混合物における
リン酸基およびアミド基の含有量は、重合性成分中リン
酸基が8.8%、アミド基が3.9%、合計が12.7
%であり、アミド基とリン酸基との割合は質量比でアミ
ド基:リン酸基=30.7:69.3である。
量体(M2)30部と、MMA20部とを十分に混合す
ることにより、単量体混合物を調製した。この単量体混
合物に、酢酸ネオジム一水和物16部(重合性成分10
0部に対する3価のネオジムイオンの含有量が6.8
部)を添加し、十分に攪拌して混合することにより、単
量体組成物を調製した。この単量体組成物を用いて実施
例1と同様にして注型重合を行うことにより、厚みが2
mmの透明な板状のプラスチック製光学材料を製造し
た。
いて調製された単量体組成物の配合および当該単量体組
成物におけるリン酸基、アミド基および各金属イオンの
含有量を下記表1にまとめて示す。
1〜10および比較例1に係るプラスチック製光学材料
を試験片として用い(実施例4については積層体を使用
した。)、下記に示す方法により、特定波長域の光線吸
収率、防眩性および吸水率を評価した。
00(日立製作所製)」を用いて、試験片の波長400
〜800nmにおける分光透過率曲線を測定し、得られ
た分光透過率曲線チャートにおける波長560〜610
nmの光線透過量を求め、当該波長域の光線吸収率
(%)を測定した。 〔防眩性〕参考例として、ガラス製の防眩性レンズ「N
EO(HOYA社製)」の光線吸収率を測定し、光線吸
収率が参考例の値より大きい試験片を防眩性を有するも
のとして評価した。 〔吸水率〕試験片の質量W0 を測定し、試験片を23℃
で20時間水中に浸した後、試験片の表面に付着してい
る水分を拭い、当該試験片の質量W1 (g)を測定し、
下記の数式により、吸水率を算出した。以上、結果を表
2に示す。
の光学材料は、優れた防眩性を有し、しかも、吸水率が
小さいものであることが確認された。これに対して、比
較例1に係る光学材料は、防眩性を有するものである
が、吸水率が大きく、実用上問題がある。
にPEMA20部を用いたこと以外は、実施例1と同様
にして単量体組成物の調製を行なったところ、当該単量
体混合物にはアミド基が含有されていないため、酢酸ネ
オジム一水和物が溶解した透明な単量体組成物を得るこ
とができなかった。
部と、単量体(M2)26.2部と、DMAA3.3部
と、MMA26.7部とを十分に混合することにより、
単量体混合物を調製した。この単量体混合物におけるリ
ン酸基およびアミド基の含有量は、重合性成分100部
に対してリン酸基が24.8部、アミド基が1.4部、
合計が26.2部であり、アミド基とリン酸基との割合
は質量比でアミド基:リン酸基=5.3:94.7であ
る。この単量体混合物を用い、実施例1と同様にして単
量体組成物の調製を行ったところ、当該単量体混合物に
おけるアミド基の含有割合が小さいため、酢酸ネオジム
一水和物が溶解した透明な単量体組成物を得ることがで
きなかった。
と、単量体(M2)2.1部と、DMAA57部と、M
MA37.4部とを十分に混合することにより、単量体
混合物を調製した。この単量体混合物におけるリン酸基
およびアミド基の含有量は、重合性成分100部に対し
てリン酸基が2.0部、アミド基が24.2部、合計が
26.2部であり、アミド基とリン酸基との割合は質量
比でアミド基:リン酸基=92.4:7.6である。こ
の単量体混合物を用い、実施例1と同様にして単量体組
成物の調製を行ったところ、当該単量体混合物における
リン酸基の含有割合が小さいため、酢酸ネオジム一水和
物が溶解した透明な単量体組成物を得ることができなか
った。
リン酸基と共にアミド基が含有されているため、リン酸
基の含有量を増やすことなしに、当該アクリル系樹脂中
に希土類金属イオンよりなる金属イオン成分を高い割合
で含有させることができるので、当該金属イオン成分に
応じた特定の波長域の光線を高い効率で吸収する性能を
有し、防眩性などの所要の光学特性を有し、しかも、吸
水性が小さいプラスチック製光学材料が得られる。従っ
て、本発明のプラスチック製光学材料は、可視光領域に
おける特定の波長域の光を吸収するための特定可視光線
吸収用材料として好適であり、例えばサングラス等の防
眩レンズ、テレビ等に用いられる防眩フィルターまたは
画面カバー材、照明器具の輝度調節フィルターなどに利
用することができ、また、防眩性シート等の厚みの小さ
い光学製品としても利用することができる。また、本発
明のプラスチック製光学材料は、カラー画像表示装置、
例えばCRTディスプレイ、液晶表示装置、プラズマデ
ィスプレイ、エレクトロルミネッセンス素子を利用した
表示装置などに用いられる光学フィルターとして好適で
あり、本発明のプラスチック製光学材料よりなる光学フ
ィルターを、カラー表示装置の前面または適宜の個所に
配置することにより、当該カラー画像表示装置の画面の
コントラストおよび彩度若しくは色純度を改善すること
ができる。本発明の製造方法によれば、上記のプラスチ
ック製光学材料を直接的にかつ確実に製造することがで
きる。
Claims (9)
- 【請求項1】 アクリル系樹脂中に、リン酸基と、アミ
ド基と、希土類金属イオンよりなる金属イオン成分とが
含有されてなることを特徴とするプラスチック製光学材
料。 - 【請求項2】 リン酸基が、アクリル系樹脂を構成する
ポリマーの構造中に化学的に結合されて存在することを
特徴とする請求項1に記載のプラスチック製光学材料。 - 【請求項3】 アクリル系樹脂を構成するポリマーが、
下記式(1)で表されるリン酸基含有単量体およびこれ
と共重合可能な単量体を共重合して得られる共重合体で
あることを特徴とする請求項2に記載のプラスチック製
光学材料。 【化1】 - 【請求項4】 アミド基は、下記式(3)、式(4)ま
たは式(5)で表されるアミド基含有化合物がアクリル
系樹脂中に分散されることにより含有されていることを
特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のプ
ラスチック製光学材料。 【化2】 【化3】 【化4】 - 【請求項5】 アミド基が、アクリル系樹脂を構成する
ポリマーの構造中に化学的に結合されて存在することを
特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のプ
ラスチック製光学材料。 - 【請求項6】 アクリル系樹脂中のアミド基とリン酸基
との合計の含有量が0.8〜50質量%で、かつ、当該
アミド基と当該リン酸基との割合が質量比で10:90
〜70:30であり、金属イオン成分の含有量がアクリ
ル系樹脂中0.1〜30質量%であることを特徴とする
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のプラスチック
製光学材料。 - 【請求項7】 可視光領域における特定の波長域の光を
吸収するための特定可視光線吸収用であることを特徴と
する請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のプラスチ
ック製光学材料。 - 【請求項8】 下記の単量体混合物(I)100質量部
を、希土類金属化合物0.3〜80質量部の存在下に重
合処理する工程を含むことを特徴とするプラスチック製
光学材料の製造方法。 単量体混合物(I):少なくとも請求項3に記載の式
(1)で表されるリン酸基含有単量体と、請求項4に記
載の式(3)、式(4)若しくは式(5)で表されるア
ミド基含有化合物とを含有してなり、当該リン酸基含有
単量体におけるリン酸基と当該アミド基含有化合物にお
けるアミド基との合計の含有量が、重合性成分中0.8
〜50質量%、かつ、当該アミド基と当該リン酸基との
割合が質量比で10:90〜70:30である単量体混
合物 - 【請求項9】 アミド基含有化合物として、式(3)に
おけるR3 、式(4)におけるR4 若しくはR8 または
式(5)におけるR9 が、炭素数2〜3のアルケニル基
である重合性のものを用いることを特徴とする請求項8
に記載のプラスチック製光学材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20579597A JPH1095890A (ja) | 1996-07-31 | 1997-07-31 | プラスチック製光学材料およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8-201707 | 1996-07-31 | ||
JP20170796 | 1996-07-31 | ||
JP20579597A JPH1095890A (ja) | 1996-07-31 | 1997-07-31 | プラスチック製光学材料およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1095890A true JPH1095890A (ja) | 1998-04-14 |
Family
ID=26512942
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20579597A Ceased JPH1095890A (ja) | 1996-07-31 | 1997-07-31 | プラスチック製光学材料およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1095890A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000050932A1 (fr) * | 1999-02-25 | 2000-08-31 | Kureha Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha | Materiau optique et element optique obtenu a partir du materiau optique |
JP2004309625A (ja) * | 2003-04-03 | 2004-11-04 | Seed Co Ltd | イオン性眼用レンズ |
WO2008106833A1 (fr) * | 2007-03-06 | 2008-09-12 | Runwen Sun | Appareil d'affichage et téléphone cellulaire, ordinateur et télévision comprenant ledit appareil d'affichage |
-
1997
- 1997-07-31 JP JP20579597A patent/JPH1095890A/ja not_active Ceased
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000050932A1 (fr) * | 1999-02-25 | 2000-08-31 | Kureha Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha | Materiau optique et element optique obtenu a partir du materiau optique |
JP2004309625A (ja) * | 2003-04-03 | 2004-11-04 | Seed Co Ltd | イオン性眼用レンズ |
WO2008106833A1 (fr) * | 2007-03-06 | 2008-09-12 | Runwen Sun | Appareil d'affichage et téléphone cellulaire, ordinateur et télévision comprenant ledit appareil d'affichage |
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