JP2003211538A - 表装用ポリエステルフィルム - Google Patents

表装用ポリエステルフィルム

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JP2003211538A
JP2003211538A JP2002016532A JP2002016532A JP2003211538A JP 2003211538 A JP2003211538 A JP 2003211538A JP 2002016532 A JP2002016532 A JP 2002016532A JP 2002016532 A JP2002016532 A JP 2002016532A JP 2003211538 A JP2003211538 A JP 2003211538A
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Japan
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film
polyester
polyester film
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glass
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JP2002016532A
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English (en)
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Mitsumasa Ono
光正 小野
Shuji Kyozuka
修司 京塚
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Toyobo Film Solutions Ltd
Original Assignee
Teijin DuPont Films Japan Ltd
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 曲面追随性、耐候性、透明性、染色性を兼備
した表装用フィルムを得ることを目的とする。 【解決手段】 ポリエステル組成物を原材料として得ら
れた未延伸のシート状成形物を、10〜20倍の面積倍
率となるよう二方向に延伸し、その後、(フィルム融点
−25)℃以下の温度にて熱固定を施した二軸延伸フィ
ルムである。原材料ポリエステル組成物の構成成分は、
共重合ポリエステルまたは少なくとも2種類のポリエス
テルの混合物である。かつ原材料ポリエステル組成物
は、フィルムとした後の融点が210〜250℃となる
材料である。さらに原材料ポリエステル組成物は、紫外
線吸収性化合物を0.01〜12重量%含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表装用に適した成
形性ポリエステルフィルムに関する。さらに詳しくは良
好な成形性と耐候性と透明性を兼備し、特に自動車の窓
ガラスやショウウインドウなど3次元立体曲面を有する
ガラス、樹脂などからなる部材にシワなど無く貼着し、
破損時の飛散防止や遮光ブラインドとして使用される用
途に有用な成形性ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】屋外表示材、建材、自動車部品、などの
屋外で使用される部材の表面保護用等の用途に、各種の
プラスチックフィルムが用いられている。これら部材
は、様々な形状を有しており、プラスチックフィルムも
これらの形状に追随させる必要がある。なかで、建築
物、自動車などの窓等の、ガラスまたは透明樹脂部材に
おいては、表面保護、飛散防止用として、あるいは遮光
ブラインド用として、各種のプラスチックフィルムが用
いられている。近年では、これらのガラス、透明樹脂部
材も曲面を有するものが多く、プラスチックフィルムも
これらの形状に追随させる必要がある。
【0003】これらの用途に使用されるプラスチックフ
ィルムの原材料としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリ
塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、な
どが従来採用されている。そして屋外使用に必要な耐候
性を付与させるために、これらの樹脂には紫外線吸収剤
を含有させていることが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリオ
レフィン系の樹脂は一般的に紫外線吸収剤との相溶性に
劣り、長期使用において紫外線吸収剤がブリードアウト
して失われてしまう課題があった。またポリ塩化ビニル
樹脂は、可塑化により、ポリオレフィン系樹脂同様の柔
軟性を付与させることができ、紫外線吸収剤を含有させ
た屋外使用に適したものも従来多く使用されている。し
かし近年、ハロゲン元素を有する樹脂を用いたフィルム
は、廃棄物処理の観点から避けられるようになってきて
いる。一方アクリル樹脂は、紫外線吸収剤を含有せずと
も比較的耐候性に優れた樹脂であり、多く屋外使用され
る素材であるが、その脆さのため高度な成形性が必要と
される用途には不十分な場合も多かった。そしてまたポ
リエステル樹脂を用いたフィルム、なかでも二軸配向ポ
リエステルフィルムは、強度、寸法安定性などに優れた
ものであり、紫外線吸収剤を含有させた屋外使用に適し
たものも従来多く使用されている。しかし高強度である
ゆえやはり成形性が不十分な場合が多かった。
【0005】本発明の目的は、かかる課題を解消し、良
好な曲面形状追随性と耐候性と透明性を兼備し、特に自
動車の窓ガラスやショーウィンドウなど曲面を有するガ
ラスに貼って破損時の飛散防止やブラインドとして使用
される用途に有用な表装用ポリエステルフィルムを提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の表装用ポリエス
テルフィルムは、ポリエステル組成物を原材料として得
られた未延伸のシート状成形物を、10〜20倍の面積
倍率となるよう二方向に延伸した後、(フィルム融点−
25)℃以下の温度にて熱固定を施した二軸延伸フィル
ムであり、原材料ポリエステル組成物の構成成分は、共
重合ポリエステルまたは少なくとも2種類のポリエステ
ルの混合物であり、かつ原材料ポリエステル組成物は、
フィルムとした後の融点が210〜250℃となる材料
であって、さらに原材料ポリエステル組成物は、紫外線
吸収性化合物を0.01〜12重量%含有することを特
徴とする。
【0007】こうしたポリエステルフィルムは、良好な
曲面形状追随性と耐候性と透明性とを兼備することがで
きる。すなわち、フィルムのヘーズ値は厚さ100μm
で3%以下、かつJIS−K−6783b規格に準拠し
た1000時間曝露試験後でのヘーズ値変化が10%未
満となる。さらにフィルムの光線透過率は波長360n
mでは20%以下、波長400nmでは85%以上、可
視光波長領域では全光線透過率が85%以上となる。な
おかつ150℃で30分間加熱後におけるフィルムの熱
収縮率は、縦方向と横方向のいずれにおいても3〜20
%となる。
【0008】ここで紫外線吸収性化合物が、構造式
(1)あるいは構造式(2)で表される環状イミノエス
テルの少なくとも1種類を、未反応の形態で用いたもの
であることが好ましい。
【0009】
【化7】
【0010】
【化8】
【0011】この構造式(1)中、X1は2価の芳香族
残基であり、かつX1に結合する構造式(1)中のイミ
ノ窒素およびカルボニル炭素はX1内に隣接して位置す
る元素と結合、nは1〜3のいずれか整数、R1はn価
の炭化水素残基でありかつヘテロ原子を含有しても良
く、またはR1はn=2のとき直接結合であることがで
きる。構造式(2)中、Aは構造式(2−a)または構
造式(2−b)で表される基、R2およびR3は同一もし
くは異なる1価の炭化水素基、X2は4価の芳香族残基
でありかつヘテロ原子を含有していてもよい。
【0012】
【化9】
【0013】
【化10】
【0014】あるいは紫外線吸収性化合物としては、構
造式(3)あるいは構造式(4)で表わされるベンゾフ
ェノン誘導体の少なくとも1種類を用いることが好まし
い。
【0015】
【化11】
【0016】
【化12】
【0017】この構造式(3)および構造式(4)中の
1とR2は、それぞれ水素原子または炭素数1〜18の
アルキル基、アルコキシ基、または水酸基を表わす。た
だし、R1とR2は互いに同一あるいは異なっていてもよ
い。R3〜R10は、それぞれ水素原子または炭化水素基
を表わす。ただし、R3〜R10は互いに同一あるいは異
なっていてもよい。
【0018】<ポリエステルフィルム>本発明のフィル
ムは、共重合ポリエステル、または、少なくとも2種類
のポリエステルの混合物をその構成成分とし、フィルム
とした後の融点が210〜245℃となるようなポリエ
ステル組成物を原材料とすることにより、本発明で目的
とするフィルム特性を実現することが可能となる。
【0019】ここで使用する共重合ポリエステルの主た
る繰り返し単位を構成するものとしては、エチレンテレ
フタレート、テトラメチレンテレフタレート、エチレン
−2,6−ナフタレート、テトラメチレン−2,6−ナ
フタレートなどの芳香族ポリエステルが好ましいものと
して挙げられ、その中でもエチレンテレフタレート単位
を主たる構成成分とする融点が210〜250℃の共重
合ポリエチレンテレフタレートが、形状追随性、成形
時、成形後の工程、また製品として使用される際の耐熱
性などを良好に保持できることから好ましい。融点が2
50℃を越えるものは分子が剛直すぎるため形状追随性
が不足する場合があり、210℃未満のものは耐熱性、
機械的強度が低下するうえ、後述する厚み斑の制御が困
難になるなど製膜性も低下する場合がある。ここで「エ
チレンテレフタレート単位を主たる構成成分とするも
の」とは、テレフタル酸成分を全ジカルボン酸成分の少
なくとも75モル%、エチレングリコール成分を全ジオ
ール成分の少なくとも75モル%含有するものである。
融点が上記範囲内にあることの優位性については、伸長
時応力の項にて後述する。
【0020】これらの共重合成分の割合は、共重合ポリ
エステルの融点が210〜250℃の範囲になるように
調整すれば良く、例えば、ポリエチレンテレフタレート
にイソフタル酸を共重合する場合は、全ジカルボン酸成
分中に占めるイソフタル酸の割合を3〜18モル%の範
囲にするのが好ましい。ショウウインドウガラスのよう
に曲面部が円筒形の側面の一部に近似した形状の場合
は、この範囲でよいが、自動車の前後部窓ガラスのよう
に円錐形の側面の一部に近似した形状や、凸状の隆起の
ある形状の場合は、イソフタル酸の割合を5.5〜18
モル%更には8〜15モル%にするのが好ましい。
【0021】共重合ポリエチレンテレフタレートの共重
合成分としては、得られたフィルムの特性が本発明の範
囲を超えなければ、特に限定されない。好ましいジカル
ボン酸成分としては、イソフタル酸、オルトフタル酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレン
ジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、4,
4’−ビフェニレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボ
ン酸成分、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸など
の脂環族ジカルボン酸成分、コハク酸、アジピン酸、セ
バシン酸などの脂肪族ジカルボン酸成分など、好ましい
ジオール成分としては、プロピレングリコール、トリメ
チレングリコール、テトラメチレングリコールなどの脂
肪族ジオール成分、シクロヘキサン−1,4−ジメタノ
ールなどの脂環族ジオール成分、ビスフェノールAなど
の芳香族ジオール成分、ジエチレングリコール、ポリエ
チレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなど
のエーテル縮合型ジオール成分など、また、好ましいジ
カルボン酸およびジオール成分以外の成分として、p−
ヒドロキシ安息香酸、ω−ヒドロキシ酪酸、ω−ヒドロ
キシ吉草酸、乳酸などのヒドロキシカルボン酸成分、ポ
リカーボネートに見られるような炭酸成分、さらに、ト
リメリット酸、ピロメリット酸やグリセリンなどの3官
能以上の成分が挙げられる。これらの中でも、諸特性の
発揮のしやすさ、原料の入手のしやすさ、共重合ポリエ
ステルの製造のしやすさなどから、イソフタル酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸またはジエチレングリコー
ルが特に好ましい。
【0022】また、得られたフィルムの特性が本発明の
範囲を超えない限り、少なくとも二種類の異なるポリエ
ステル樹脂の混合物を原材料とすることも、本発明に規
定するフィルム特性を実現するため、極めて好ましい方
策である。中でも、エチレンテレフタレート単位を主た
る構成成分とする共重合ポリエステルと、テトラメチレ
ンテレフタレート単位またはトリメチレンテレフタレー
ト単位を主たる構成成分とし、フィルムとした後の融点
が210〜250℃となるようなポリエステル混合物
は、得られるフィルムに機械的な強度と成形性があり、
透明性の高いポリマーであるため、好ましい原材料ポリ
エステル組成物として例示できる。
【0023】各ポリエステル樹脂の混合比は、フィルム
とした後の融点その他のフィルム特性が本発明の範囲を
超えない限り、限定されるものではないが、混合物であ
ることの効果を発揮させるためには、各成分とも5〜9
5重量%の範囲にあることが好ましい。
【0024】さらに、ポリエステル樹脂がフィルムの主
成分であり、得られたフィルムの特性が本発明の範囲を
超えない限り、ポリエステル以外の樹脂との混合物を原
材料としてもよい。ここで「ポリエステル樹脂がフィル
ムの主成分である」とは、例えば混合物が海島構造をと
った場合には連続した「海」領域を構成する樹脂がポリ
エステル樹脂である場合をいう。
【0025】その他、得られたフィルムの特性が本発明
の範囲を超えるものでない限りにおいて、本発明のポリ
エステルフィルム中に各種添加剤、例えば安定剤、帯電
防止剤、染料、顔料、および難燃剤などを含有させても
よい。
【0026】<ヘーズ値>透明性の点から本発明のフィ
ルムは、ヘーズ値が厚さ100μmにおいて3%以下で
あることが好ましい。ヘーズ値が3%を超えるとガラス
の色が曇って見え、視認性が低下する。また、耐候性試
験後のヘーズ値変化が10%未満であることを要する。
ヘーズ値の変化即ち増加が10%を超えると使用中にガ
ラスの色が曇って見えるようになり、視認性および商品
価値が低下する。
【0027】このようなヘーズ値を得るためには、第一
にポリマーの選択がある。機械的な強度と成形性があ
り、透明性の高いポリマーとしては例えばイソフタル酸
共重合ポリエチレンテレフタレートがある。また、異な
る種類のポリエステル樹脂の混合物を原材料とする場合
は、特に、上述したように、エチレンテレフタレート単
位を主たる構成成分とする共重合ポリエステルと、テト
ラメチレンテレフタレート単位またはトリメチレンテレ
フタレート単位を主たる構成成分とするポリエステルと
の混合物を用いると、得られるフィルムの透明性が高く
なるため極めて好ましい。
【0028】第二に、フィルムに滑り性を付与するため
に滑剤としての不活性微粒子を添加する場合には、その
平均粒径を0.01〜3μm、添加量を高々0.05重
量%とする必要がある。平均粒径が0.01μm未満で
は滑り性付与効果が発揮されないため、3μmを超える
と本発明のヘーズ値は得られず、またフィルムより脱落
する恐れもあるため、ともに好ましくない。また添加量
が0.05重量%を超えるものも、本発明のヘーズ値が
得られないため好ましくない。不活性微粒子の種類とし
ては、少量の添加で滑り性を得るために粒子形状が極端
に扁平でないもの、粒子と樹脂の界面でボイドができに
くいものを選択することが望ましい。例えば平均粒径
0.01〜0.1μmの一次粒子の凝集体である平均粒
径1〜3μmの多孔質シリカ粒子を0.001〜0.0
5重量%添加するのを好ましい例として挙げることが出
来る。また、必要な場合は、不活性微粒子を添加しない
で表面塗布層で滑り性を得てもよい。
【0029】第三に耐候性試験後のヘーズ値変化が10
%未満であるためには、着色性のない紫外線吸収剤を添
加することが好ましい。紫外線吸収剤に関しては後述す
る。
【0030】<光線透過率>さらに透明性の点から本発
明のフィルムは、光線透過率が、波長360nmの紫外
線において20%以下、波長400nmの可視光におい
て85%以上、全光線透過率が85%以上であることが
好ましい。波長360nmの紫外線の光線透過率が20
%を超えると表装用ポリエステルフィルムが太陽光線に
より、脆化や変色することがある。波長400nmの可
視光の光線透過率が85%未満であると、フィルムの黄
色着色のためガラスあるいは透明樹脂の色相が変化し、
美観を損ねるため好ましくない。全光線透過率が85%
未満であると、ガラスあるいは透明樹脂の視認性が低下
するため好ましくない。
【0031】エチレンテレフタレートを繰り返し単位と
する共重合ポリエステルを使用する場合は、波長360
nmの紫外線の光線透過率が20%を超えるので、着色
性のない紫外線吸収剤を添加する必要がある。エチレン
−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを繰り返し単
位とする共重合ポリエステルを使用する場合は、波長3
60nmの紫外線の光線透過率が20%未満であるが、
ホモポリマーは太陽光によってフィルムが赤褐色に変色
する傾向があり、共重合体の種類や量、紫外線吸収剤の
種類や量の吟味を要する。
【0032】波長400nmの光線透過率を85%以上
にするには、ヘーズ値の項で述べた方法、および/また
は、後述する紫外線吸収剤の種類、添加量を適当なもの
とすることが有効である。また全光線透過率を85%以
上にする手段は、ヘーズ値の項で述べた方法と同様であ
る。
【0033】<熱収縮率>曲面追随性の点から本発明の
フィルムは、150℃30分における熱収縮率が、縦方
向すなわち連続製膜される本発明フィルムにおける製膜
方向と、横方向すなわち連続製膜される本発明フィルム
における製膜方向と垂直な方向のいずれにおいても、3
〜20%であることが好ましい。好ましくは4〜15%
である。熱収縮率が20%を超えると、加工工程、特に
ガラスなどに粘着する接着剤を塗布する工程で収縮が発
生し、使用できなくなる。一方、熱収縮率が3%未満で
あると曲面追随性が不足し、貼り付け時にシワが発生
し、使用できない。
【0034】このような熱収縮率を得るには、共重合成
分の選択と比率、製膜条件が肝要であり、例えば、ポリ
エチレンテレフタレートにイソフタル酸を共重合する場
合は、全ジカルボン酸成分中に占めるイソフタル酸の割
合を、3〜18モル%、更には5〜15モル%の範囲に
するのが好ましい。イソフタル酸が18モル%を超える
と熱収縮率が20%を超えることがある。イソフタル酸
が3モル%未満であると曲面ガラスへの追随性が不足す
る。
【0035】製膜条件によって熱収縮率を最適化するに
は、延伸倍率を面積倍率にして10〜20倍する必要が
ある。その際に、縦方向は3.0〜5.0倍、あるいは
横方向は3.0倍〜5.5倍とすることが、後述の<製
膜法>においても述べているように好ましい。さらに好
ましくは縦方向は3.2〜4.0倍、横方向は3.4倍
〜4.5倍である。そして、熱固定温度は(フィルム融
点−25)℃以下、好ましくは(フィルム融点−90)
〜(フィルム融点−30)℃とするのがよい。
【0036】延伸倍率を上記範囲より小さくすると厚み
斑が大きくなりやすく、熱収縮率が過度に小さくなりが
ちである。延伸倍率を上記範囲より大きくすると製膜中
の切断が増加し、熱収縮率が過大になることがある。熱
固定温度を上記範囲より低温にすると熱収縮率が過大に
なることがあり、一方、熱固定温度を上記範囲より高温
にすると熱収縮率が過小になることがある。
【0037】<プライマー層>本発明の表装用ポリエス
テルフィルムは、目的によってはプライマー層を設けて
もよい。プライマーの種類については特定されるもので
はない。
【0038】<紫外線吸収剤>本発明におけるポリエス
テルフィルムは、その目的上、耐候性を有することが必
要であり、上述したポリエステルの性質から紫外線吸収
性化合物を含有するものであることが好ましい。さらに
紫外線吸収性化合物としては、構造式(1)あるいは構
造式(2)で表わされる環状イミノエステルの少なくと
も1種類を未反応の形態で用いるか、または、構造式
(3)あるいは構造式(4)で表わされるベンゾフェノ
ン誘導体の少なくとも1種類を用いることが、耐候性を
効率よく発揮させうること、ポリエステルフィルムの黄
色着色の防止が容易となること、から好ましい。
【0039】
【化13】
【0040】
【化14】
【0041】
【化15】
【0042】
【化16】
【0043】構造式(1)中、X1は2価の芳香族残基
であり、かつX1に結合する構造式(1)中のイミノ窒
素およびカルボニル炭素はX1内に隣接して位置する元
素と結合する。nは1,2または3である。R1はn価
の炭化水素残基で、これはさらにヘテロ原子を含有して
いてもよい。またはR1はn=2のとき直接結合である
ことができる。構造式(2)中、Aは構造式(2−a)
で表される基であるか、または構造式(2−b)で表さ
れる基である。R2およびR3は同一もしくは異なる1価
の炭化水素基である。X2は4価の芳香族残基で、これ
はさらにヘテロ原子を含有していてもよい。
【0044】
【化17】
【0045】
【化18】
【0046】構造式(3)および構造式(4)中、
1、R2は、それぞれ水素原子または炭素数1〜18の
アルキル基、アルコキシ基、または水酸基を表わす。た
だし、R 1、R2は互いに同一あるいは異なっていてもよ
い。R3〜R10は、それぞれ水素原子または炭化水素基
を表わす。ただし、R3〜R10は互いに同一あるいは異
なっていてもよい。
【0047】上記の紫外線吸収性化合物のポリエステル
中の含有量は、0.01〜12重量%とすることによ
り、紫外線吸収性化合物の不足によるポリエステルフィ
ルムの耐候性低下、紫外線吸収性化合物過剰によるポリ
エステルフィルムの黄色着色やブリードアウト因の外観
悪化、機械的特性の劣化、などを防止することが可能と
なる。該含有量は、0.1〜5重量%、さらには0.2
〜3重量%であることが、上記効果を向上させるため好
ましい。
【0048】上記の紫外線吸収性化合物のポリエステル
中への添加方法は特に限定されないが、ポリエステル重
合工程、フィルム製膜前の溶融工程での樹脂中への練込
み、二軸延伸フィルムへの含浸、などを挙げることがで
き、特にポリエステル重合度低下を防止する意味でもフ
ィルム製膜前の溶融工程での樹脂中への練込みが好まし
い。その際の紫外線吸収性化合物の練込みは、該化合物
粉体の直接添加法、マスターバッチ法などにより行うこ
とができる。
【0049】<製膜法>上記のようなポリエステルフィ
ルムは、従来公知のフィルムの製造方法を適宜調整する
ことで製造でき、その中でも、フィルムの縦方向および
横方向のそれぞれで、熱収縮率などのフィルム特性を容
易に変更し得る二軸延伸法が好ましい。具体的には、本
発明で使用する共重合ポリエステルに要すれば紫外線吸
収剤を適量添加し、ペレットとして乾燥後溶融し、ダイ
から冷却ドラム上に押出して冷却し、未延伸フィルムを
得る。
【0050】そして、該未延伸フィルムを10〜20倍
の面積倍率にて延伸する。その際に、縦方向では3.0
〜5.0倍、あるいは横方向では3.0〜5.5倍にて
延伸することが好ましい。より好ましくは縦方向に3.
2〜4.0倍、横方向に3.4〜4.5倍である。その
後、(フィルム融点−25)℃以下、好ましくは(フィ
ルム融点−90)〜(フィルム融点−30)℃で1〜1
80秒間熱固定すればよい。同時二軸延伸の場合は縦横
の延伸倍率を大体同じにするとよい。フィルムの厚みは
特に制限がないが、12〜125μmが好ましい。
【0051】面積倍率が10未満では、分子の配向が不
十分であり、その結果、厚み斑が大きくなるうえ、耐経
時脆化性に劣るものとなり易い。縦方向または横方向の
延伸倍率が3.0未満であっても同様のことが起こりや
すいので、好ましくない。他方、面積倍率が20を越え
ると、フィルム内の分子が過度に配向し、本発明におけ
る熱収縮率の範囲を超えることがあり、その結果、加工
中、特に粘着剤を塗布する工程でシワが発生することが
ある。縦方向の延伸倍率が5.0倍または横方向の延伸
倍率が5.5倍を越えても同様のことが起こりやすいの
で、好ましくない。
【0052】また、フィルムの熱固定温度が(フィルム
融点−25)℃を越えると、熱収縮率が過小になり、曲
面ガラスへの形状追随性が低下するうえ、厚み斑も大き
くなりやすい。さらに、(フィルム融点−90)℃未満
では、熱収縮が大きく、寸法が合わなくなる場合もあ
る。
【0053】このような製膜条件により、本発明のポリ
エステルフィルムの厚み斑を低減し、均一性の高いフィ
ルムを製造することができる。本発明のポリエステルフ
ィルムについて、フィルムの厚み斑は、5%以内である
ことが極めて好ましい。後述のように、本発明のポリエ
ステルフィルムは、自動車用ガラスに貼付する用途など
において濃色に着色して使用し、遮光ブラインドの役割
を担う場合が多い。厚み斑が5%を越えると、この着色
の斑が顕著になり、遮光ブラインドとして使用しにくく
なる。
【0054】<好ましい用途>本発明のポリエステルフ
ィルムの好ましい使用形態として、3次元立体形状を持
つ、ガラス、透明樹脂などからなる窓部材の表面に沿わ
せることで所望の形状に賦形して貼着させ、該部材の表
装となすことで、破損時の飛散防止用フィルムや、遮光
ブラインド用フィルムのような使い方を例示することが
できる。
【0055】また、本発明のポリエステルフィルムは、
自動車用ガラスに貼付する用途などにおいて原料着色、
染色、コーティングなどの手法により濃色に着色して使
用し、ブラインドの役割を担う場合が多い。この場合、
該フィルムが、フィルムとした後の融点が210〜25
0℃となるようなポリエステル組成物を原材料とするフ
ィルムであると、染色性が良好、すなわち、従来素材に
比べ、染色速度、染色効率が優れるので、工程面および
/または材料面でのコストダウンが図れ、極めて好まし
い。
【0056】具体的な用途例として、 自動車部材用:カーウィンドウなどの窓部材、照明灯カ
バーなどの車体用部品、インパネカバーなどの車内部材 建材用:住宅用、ビルディング用、ショーウィンドウ用
などに用いられる扉、窓などのガラス、透明樹脂部材、
照明灯カバー類 表示材用成形部材表装用:看板 などの用途をあげることができる。
【0057】上記のように該フィルムを用いる場合、必
要に応じ、該フィルムと、ガラスあるいは透明樹脂部材
との間に、粘着剤・接着剤や、塗料および/またはイン
キ層、あるいは他の樹脂シートなどを介在させても良
い。また、必要に応じ、該フィルムの外面上に、ハード
コート層、耐候性補強層、あるいは光に対する機能層等
を設けたり、印刷・塗装などを施しても良い。
【0058】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を説明する。各
特性値ならびに評価法は下記の方法によって測定、評価
した。
【0059】(1)ヘーズ値、全光線透過率 ヘーズメーター(日本精密光学(株)製、POICヘー
ズメーター SEP−HS−D1)によりヘーズ値
(%)と全光線透過率(%)を測定した。
【0060】厚さ100μm以外の厚さのフィルムにつ
いての、厚さ100μmのフィルムにおけるヘーズ値
は、以下のようにして求めた。試験フィルムを2枚およ
び3枚重ね合わせたサンプルを作成し(各フィルム間に
セダー油を滴下後圧着し、フィルム間の隙間をなく
す)、上記の方法にてヘーズ値を測定した。得られたヘ
ーズ値データおよび該フィルム1枚でのデータを、各サ
ンプルの総厚みに対してプロットし、最小自乗法を用い
て直線回帰してパラメーターHs、Hiを求め、厚さ1
00μmのフィルムにおけるヘーズ値H100を次式に
従って計算した。 H100=Hs+100×Hi 式中のH100は厚さ100μmにおけるヘーズ値
(%)、Hsは表面ヘーズ値(%)、Hiは内部ヘーズ
値(%/μm)を示す。
【0061】(2)光線透過率 分光光度計((株)島津製作所製のMPC−3100)
を用いて波長360nmおよび400nmの光線透過率
を測定する。
【0062】(3)熱収縮率 温度150℃に設定されたオーブン中に予め正確な長さ
を測定した長さ約30cm四方のフィルムを懸垂し、無
荷重下に30分間保持処理した後取り出し、室温に戻し
てからその寸法の変化を読み取る。熱収縮率は次式で定
義される。 熱収縮率=(ΔL/L0)×100(%) ΔL=|L0−L| ここに、L0:熱処理前のフィルムの長さ、L:熱処理
後のフィルムの長さである。
【0063】熱収縮率は、フィルムの縦方向すなわち連
続製膜されるフィルムの製膜方向、および横方向すなわ
ち連続製膜されるフィルムの製膜方向と垂直な方向(製
膜時の幅方向でもある)について測定する。また試料
は、製膜時の幅方向の中央、両端、その中間から2枚づ
つ系10枚採取して平均値を求める。
【0064】(4)厚み斑 試験フィルムより1m長にサンプリングし、マイクロメ
ーターを用いて1mmピッチでフィルム厚みを測定し
た。得られた厚みデータについて、総測定範囲における
平均厚みTm、および厚みの標準偏差σを求め、次式に
したがって平均厚みに対する厚み斑を求めた。 厚み斑=(6×σ/Tm)×100(%) 厚み斑は、フィルムの縦方向および横方向について測定
する。
【0065】(5)フィルム融点 得られたポリエステルフィルムを20mgサンプリング
し、アルミニウムパンに充填したものをDSC装置(D
uPont Instrument 910DSC)に
セットし、20℃/分の速度で室温から昇温した。空の
アルミニウムパンを対照として熱量変化を記録し、もっ
とも高温部の吸熱のピークに相当する温度を融点(℃)
とした。図1に、融点をあらわすDSC熱量変化曲線の
代表例を示す。
【0066】(6)屋外曝露促進試験 サンシャインウェザーメーター(スガ試験機(株)製、
WEL−SUN−HCL型)を使用し、JIS−K−6
783bに準じて、得られたポリエステルフィルムに1
000時間(屋外曝露1年間に相当)照射することによ
り屋外曝露促進試験を行った。
【0067】(7)耐候性1(ヘーズ値変化) 試験実施前および実施後のサンプルについて、ヘーズメ
ーター(POIC(株)性、SEP−HS−D1型)に
よりヘーズ値を測定、必要に応じて圧さ100μmのフ
ィルムにおけるヘーズ値を計算し、試験前後のヘーズ値
変化をもって、下記の基準により耐候性を評価した。 ○:ヘーズ値変化が10%未満 ×:ヘーズ値変化が10%以上。
【0068】(8)基材曲面追随性 得られたポリエステルフィルムを曲率半径0.2mの球
面状ガラス上に、水を介在させて付着させた。フィルム
端部に生じるシワ部分を、ヒートガンを用いて150〜
200℃に加熱し、フィルム〜ガラス間に生じる気泡を
スキージでしごき除去しながらフィルムをガラスに密着
させた。得られた成型後サンプルの外観から、下記の基
準により成型性を評価した。 ○:容易にガラス面にフィルムが追随する ×:最終的にガラス面にフィルムを追随させることはで
きるが、局所的に白化が生じたり、厚みに極端な変化が
生じたりして、外観が不良である ××:フィルム端部のシワが完全に除去できない。
【0069】[実施例1]重合工程の終了時に構造式
(5)に示す化合物を樹脂99重量部に対して1重量部
添加し、乾燥状態の固有粘度0.65(35℃のo−ク
ロロフェノール中で測定、以下同じ)のポリエチレン
(テレフタレート−イソフタレート)共重合体(テレフ
タル酸(TA)成分/イソフタル酸(IA)成分モル比
=88/12、一次粒子の平均粒径が0.02μmの粒
子の凝集体である細孔容積1.6ml/g、平均粒径
1.5μmの多孔質シリカ粒子0.01重量%を含有す
る)を合成した。
【0070】
【化19】
【0071】次いで、乾燥した該ポリマーのペレットを
押出機に供給し、20℃に維持した回転冷却ドラム上に
溶融押出して、厚み340μmの未延伸フィルムを得
た。次に、該未延伸フィルムを110℃にて縦方向に
3.6倍延伸し、引続き、該一軸延伸フィルムの縦方向
に沿った両端を把持して、120℃にて横方向に3.8
倍延伸し、さらに該両端を把持したまま、横方向に3%
の弛緩を与えながら、190℃で熱処理し、厚み25μ
mの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0072】こうして得られたフィルムの構成と前記の
方法で評価した結果を、表1と表2に示した。なお表中
の表記で、PET/IAはポリエチレン(テレフタレー
ト−イソフタレート)共重合体、PETはポリエチレン
テレフタレート、(PET/IA)//PBTはPET
/IAとポリブチレンテレフタレートとの混合物を示
す。
【0073】[実施例2]重合工程の終了時に添加する
化合物を構造式(6)に示すものとした以外は実施例1
と同様にして二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得
られたフィルムを実施例1と同様に評価した。フィルム
の構成と評価結果を、表1と表2に示した。
【0074】
【化20】
【0075】[実施例3]重合工程の終了時に添加する
化合物を構造式(7)に示すものとした以外は実施例1
と同様にして二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得
られたフィルムを実施例1と同様に評価した。フィルム
の構成と評価結果を、表1と表2に示した。
【0076】
【化21】
【0077】[実施例4]フィルム素材として、重合工
程の終了時に実施例1と同様の上記構造式(5)に示す
化合物を樹脂99重量部に対して2重量部添加した固有
粘度0.65のポリエチレン(テレフタレート−イソフ
タレート)共重合体(TA成分/IA成分モル比=88
/12)[*1]と、固有粘度0.9のポリブチレンテ
レフタレート[*2]とを、[*1]/[*2]重量比
=55/45となるように混合した組成物を用い、縦方
向の延伸温度を75℃、横方向の延伸温度を90℃、と
した以外は、実施例1と同様にして二軸延伸ポリエステ
ルフィルムを得た。得られたフィルムを実施例1と同様
に評価した。フィルムの構成と評価結果を、表1と表2
に示した。
【0078】[比較例1]ポリエチレン(テレフタレー
ト−イソフタレート)共重合体中に、一次粒子の平均粒
径が0.02μmの粒子の凝集体である細孔容積1.6
ml/g、平均粒径1.5μmの多孔質シリカ粒子0.
1重量%を含有させた以外は、実施例1と同様にして二
軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルム
を実施例1と同様に評価した。フィルムの構成と評価結
果を、表1と表2に示した。耐候性試験前の段階で既に
ヘーズ値が大きく、ガラス、透明樹脂などからなる素材
に貼着した際の透過視認性に劣る。
【0079】[比較例2]重合工程の終了時に構造式
(5)に示す化合物を樹脂85重量部に対して15重量
部添加し、それ以外は実施例1と同様にして二軸延伸ポ
リエステルフィルムを得た。得られたフィルムを実施例
1と同様に評価した。フィルムの構成と評価結果を、表
1と表2に示した。紫外線吸収性化合物が多すぎるゆ
え、一部可視光線領域も吸収してしまい、波長400n
mの光線透過率が本発明の範囲より低く、フィルムが黄
色に着色している。表装用フィルムとして使用した際の
意匠性に劣る。
【0080】[比較例3]重合工程および溶融押出工程
において紫外線吸収性の化合物を一切添加しなかった。
それ以外は実施例1と同様にして二軸延伸ポリエステル
フィルムを得た。得られたフィルムを実施例1と同様に
評価した。フィルムの構成と評価結果を、表1と表2に
示した。波長360nmの光線透過率が本発明の範囲よ
り高く、該ポリエステルフィルムの劣化波長をカットし
きれないため、耐候性試験後のヘーズ値増加が大きく、
かつ伸度保持率が低い。屋外暴露を受ける表装用フィル
ムとしての用途には使い得ない。
【0081】[比較例4]厚み120μmの未延伸フィ
ルムを得、フィルム製膜時の延伸倍率を、縦方向:2.
2、横方向:2.35とし、さらに横方向に5%の弛緩
を与えながら、190℃で熱処理し、引続き縦方向に2
%の弛緩を与えながら、205℃で熱処理した以外は、
実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィル
ムを実施例1と同様に評価した。フィルムの構成と評価
結果を、表1と表2に示した。厚み斑が大きく、染色し
た際に顕著な斑が生じ、熱収縮率が過小で、基材曲面追
随性が非常に悪い。
【0082】[比較例5]厚み530μmの未延伸フィ
ルムを得、フィルム製膜時の延伸倍率を、縦方向:4.
4、横方向:4.8とし、さらに、いかなる方向へも弛
緩を与えずに150℃で熱処理した以外は、実施例1と
同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムを実施例
1と同様に評価した。フィルムの構成と評価結果を、表
1と表2に示した。熱収縮率が過大なため、粘着剤塗工
工程、染色工程などにおいて過度の収縮やシワが生じ
る。また、基材曲面へ追随させる際も過収縮によるシワ
が生じたりして加工性は悪い。
【0083】[比較例6]フィルム素材として、重合工
程の終了時に上記構造式(5)に示す化合物を樹脂99
重量部に対して1重量部添加した固有粘度0.65のポ
リエチレンテレフタレートを用い、熱固定温度を220
℃とした以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得
た。得られたフィルムを実施例1と同様に評価した。フ
ィルムの構成と評価結果を、表1と表2に示した。フィ
ルムが剛直すぎるため、基材曲面への追随性に劣り、細
かいシワが残りきれいに追随させることができない。
【0084】[比較例7]フィルム素材として、重合工
程の終了時に上記構造式(5)に示す化合物を樹脂99
重量部に対して1重量部添加し、TA成分/IA成分=
75/25とした固有粘度0.65のポリエチレン(テ
レフタレート−イソフタレート)共重合体を用い、熱固
定温度を165℃とした以外は、実施例1と同様にして
フィルムを得た。得られたフィルムを実施例1と同様に
評価した。フィルムの構成と評価結果を、表1と表2に
示した。厚み斑が大きく、染色した際に顕著な斑が生
じ、また、耐熱性に劣るため、基材曲面へ追随させる際
もフィルムの部分融解と再結晶化による白化が生じたり
して、きれいに追随させることができない。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】
【発明の効果】本発明によれば、良好な曲面追随性、耐
候性、透明性、染色性を兼備し、自動車用ガラスやショ
ーウィンドウの破損時の飛散防止やカーブラインド用染
色フィルム等の長期間太陽光に照射される場所で使用さ
れる用途に有用なポリエステルフィルムを提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィルムの熱量変化曲線。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 67/02 C08L 67/02 // B29K 67:00 B29K 67:00 B29L 7:00 B29L 7:00 (72)発明者 京塚 修司 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人デュポンフィルム株式会社相模原研究セ ンター内 Fターム(参考) 4F071 AA45 AA45X AA46 AA46X AA76X AA84 AC16 AD06 AE05 AE17 AF30Y AF61Y AG28 AH03 AH05 AH07 AH19 BA01 BB06 BB07 BC01 4F210 AA24 AB06 AG01 AH17 AH46 QC05 QG01 QG18 4J002 CF06W CF061 CF07X DJ017 EP006 EU206 FD056 GF00

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル組成物を原材料として得ら
    れた未延伸のシート状成形物を、10〜20倍の面積倍
    率となるよう二方向に延伸した後、(フィルム融点−2
    5)℃以下の温度にて熱固定を施した二軸延伸フィルム
    であり、原材料ポリエステル組成物の構成成分は、共重
    合ポリエステルまたは少なくとも2種類のポリエステル
    の混合物であり、かつ原材料ポリエステル組成物は、フ
    ィルムとした後の融点が210〜250℃となる材料で
    あって、さらに原材料ポリエステル組成物は、紫外線吸
    収性化合物を0.01〜12重量%含有することを特徴
    とする表装用ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 原材料ポリエステル組成物は、ポリエチ
    レンテレフタレートにイソフタル酸を共重合させた共重
    合ポリエステルからなり、全ジカルボン酸成分中に占め
    るイソフタル酸の割合が3〜18モル%であることを特
    徴とする請求項1記載の表装用ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 原材料ポリエステル組成物は、平均粒径
    0.01〜3μmの微粒子を0.05重量%以下の範囲
    で含有することを特徴とする請求項1〜2のいずれかに
    記載の表装用ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 フィルムは、厚み斑が平均厚みの5%以
    内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載の表装用ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 フィルムのヘーズ値は厚さ100μmで
    3%以下、かつJIS−K−6783b規格に準拠した
    1000時間曝露試験後でのヘーズ値変化が10%未満
    であり、さらにフィルムの光線透過率は波長360nm
    では20%以下、波長400nmでは85%以上、可視
    光波長領域では全光線透過率が85%以上であって、な
    おかつ150℃で30分間加熱後におけるフィルムの熱
    収縮率は、縦方向と横方向のいずれにおいても3〜20
    %であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載の表装用ポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】 紫外線吸収性化合物が、構造式(1)あ
    るいは構造式(2)で表される環状イミノエステルの少
    なくとも1種類を、未反応の形態で用いたものであるこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の表装用
    ポリエステルフィルム。 【化1】 【化2】 (構造式(1)中、X1は2価の芳香族残基であり、か
    つX1に結合する構造式(1)中のイミノ窒素およびカ
    ルボニル炭素はX1内に隣接して位置する元素と結合、
    nは1〜3のいずれか整数、R1はn価の炭化水素残基
    でありかつヘテロ原子を含有しても良く、またはR1
    n=2のとき直接結合であることができる。構造式
    (2)中、Aは構造式(2−a)または構造式(2−
    b)で表される基、R2およびR3は同一もしくは異なる
    1価の炭化水素基、X2は4価の芳香族残基でありかつ
    ヘテロ原子を含有していてもよい。) 【化3】 【化4】
  7. 【請求項7】 紫外線吸収性化合物は、構造式(3)あ
    るいは構造式(4)で表わされるベンゾフェノン誘導体
    の少なくとも1種類を用いることを特徴とする請求項1
    〜5のいずれかに記載の表装用ポリエステルフィルム。 【化5】 【化6】 (構造式(3)および構造式(4)中のR1とR2は、そ
    れぞれ水素原子または炭素数1〜18のアルキル基、ア
    ルコキシ基、または水酸基を表わす。ただし、R 1とR2
    は互いに同一あるいは異なっていてもよい。R3〜R10
    は、それぞれ水素原子または炭化水素基を表わす。ただ
    し、R3〜R10は互いに同一あるいは異なっていてもよ
    い。)
  8. 【請求項8】 ガラスおよび/または透明樹脂からなる
    窓部材の表面に沿わせることで所望の形状に賦形して貼
    着させ、該部材の表装となすことを特徴とする請求項1
    〜7のいずれかに記載の表装用ポリエステルフィルム。
  9. 【請求項9】 ガラスおよび/または透明樹脂からなる
    窓部材の破損時の飛散防止用フィルムとして用いられる
    ことを特徴とする請求項1〜8記載の表装用ポリエステ
    ルフィルム。
  10. 【請求項10】 着色を施した上で、ガラスおよび/ま
    たは透明樹脂からなる窓部材の遮光ブラインド用フィル
    ムとして用いられることを特徴とする請求項1〜8のい
    ずれかに記載の表装用ポリエステルフィルム。
  11. 【請求項11】 ガラスおよび/または透明樹脂からな
    る自動車用部材用に用いられることを特徴とする請求項
    1〜10のいずれかに記載の表装用ポリエステルフィル
    ム。
  12. 【請求項12】 ガラスおよび/または透明樹脂からな
    る建材用成形部材用に用いられることを特徴とする請求
    項1〜10のいずれかに記載の表装用ポリエステルフィ
    ルム。
  13. 【請求項13】 ガラスおよび/または透明樹脂からな
    る表示材用成形部材用に用いられることを特徴とする請
    求項1〜10のいずれかに記載の表装用ポリエステルフ
    ィルム。
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