JP2003210970A - コロイド状微粒子スラリーの製造方法 - Google Patents

コロイド状微粒子スラリーの製造方法

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JP2003210970A JP2002008256A JP2002008256A JP2003210970A JP 2003210970 A JP2003210970 A JP 2003210970A JP 2002008256 A JP2002008256 A JP 2002008256A JP 2002008256 A JP2002008256 A JP 2002008256A JP 2003210970 A JP2003210970 A JP 2003210970A
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Hiroshi Kato
寛 加藤
Michimasa Tamura
美知政 田村
Makoto Kameda
誠 亀田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 球状粒子が単分散しているコロイド状微粒子
スラリーの分散媒を効率良く溶媒置換し、所望の分散媒
に変えた後も極めて安定な分散状態のコロイド状微粒子
スラリーを得る方法を提供することにより、各種の研磨
剤やコート剤用の原料として好適なコロイド状微粒子ス
ラリーを簡便に得る。 【解決手段】 球状粒子が単分散しているコロイド状微
粒子スラリーの分散媒を遠心分離法などにより一旦除去
し、所望の分散媒を加えた後に高圧ホモジナイザーで分
散させることにより溶媒置換されたコロイド状微粒子ス
ラリーを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微粒子スラリーの
製造方法に関する。さらに詳しくは、球状粒子が単分散
しているコロイド状微粒子スラリーの分散媒を効率良く
溶媒置換し、所望の分散媒に変えた後も極めて安定な分
散状態のコロイド状微粒子スラリーを得る方法を提供す
るものである。
【0002】
【従来の技術】平均粒子径が数nmから1000nm程
度の範囲の球状の微粒子が分散媒に分散した溶液は、分
散した微粒子が溶液中においても沈降し難く、安定なコ
ロイド状の微粒子スラリーとして極めて有用である。
【0003】このような球状粒子が単分散しているコロ
イド状微粒子スラリーとしては、例えば、珪酸ソーダを
イオン交換して製造されるコロイダルシリカ等が代表的
で、様々な用途で使われている。用途としては、各種研
磨剤の砥粒、鋳物の離形剤、セラミックスなどの添加
剤、さらには塗料、接着剤、各種コーティング剤用の添
加剤などにも幅広く使用されている。コロイダルシリカ
の場合は、製造過程で分散媒に水を用いるために、最終
製品の分散媒としても水を使用する場合がほとんどであ
る。しかしながら、用途によってはアルコールなどの有
機溶媒に置換する必要がある。
【0004】一方、金属アルコキシドを加水分解させて
製造される球状粒子が単分散しているコロイド状の金属
酸化物微粒子(以下では、ゾルゲル法により製造された
金属酸化物微粒子とも言う)の場合は、微粒子の製造後
の分散媒は有機溶媒(例えば、アルコール)を50〜8
0%含んでおり、さらにアンモニアを数%と残部として
水を含んでいる。したがって、悪臭の原因となるアンモ
ニアを除去する必要があり、また用途によっては分散媒
を水もしくはアルコールなどの有機溶媒に溶媒置換する
必要もある。
【0005】上記の例以外にも、球状粒子が単分散して
いるコロイド状の微粒子スラリーは、最終的な用途に合
わせて分散媒の種類を変えなければならないケースが多
い。例えば、鋳物の離形剤や研磨剤などに該コロイド状
の微粒子スラリーを使用する場合は、作業環境上の問題
から分散媒としては水が適している。一方、水を嫌うよ
うなコーティング剤や非水系の接着剤などに上記微粒子
を添加する場合は、アルコールなどの有機溶媒に分散し
たコロイド状の微粒子を使う場合もある。
【0006】上記のような溶媒置換方法としては、蒸留
法によるものや限外濾過膜を用いる方法が知られてい
る。
【0007】
【本発明が解決しようとする課題】蒸留法の場合は、蒸
気圧の高い分散媒を気化させて取り除き、同時に蒸気圧
の低い分散媒を添加して溶媒置換を行うため、より蒸気
圧の高い分散媒にしか置換することができない。つま
り、メタノールのような低沸点の分散媒を水に変えるこ
とは容易であるが、水をメタノールに変えるのは極めて
困難と言わざるを得ない。また、加熱する必要があるた
め、ポリマーのような耐熱性の低い微粒子の場合は微粒
子が変質したりする可能性が懸念され、また、有機溶媒
の取扱いに関しては火災等の危険性もある。
【0008】一方、限外濾過膜法は、特に加熱する必要
も無く、また分散媒の沸点や蒸気圧に関係なく溶媒置換
が行えるという特徴がある。しかしながら、分散媒の置
換効率が悪いために、分散媒のロス量が多く、長時間を
要し、さらに設備コストも比較的高いというような問題
がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、球状粒
子が単分散しているコロイド状の微粒子を含むスラリー
を遠心分離法等で固液分離することによって一旦分散媒
を除去し、さらに所望の分散媒を加えた後に特殊な装置
で再分散させることによって、極めて安定な分散状態の
コロイド状微粒子スラリーが得られることを見いだし、
本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明は、球状粒子が単分散してい
るコロイド状微粒子スラリーの分散媒を一旦除去し、再
び分散媒を加えた後に高圧ホモジナイザーで分散させる
コロイド状微粒子スラリーの製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の微粒子スラリーの
製造方法について詳細に説明する。
【0012】本発明で使用できる球状粒子が単分散して
いるコロイド状微粒子スラリーは、特に限定される訳で
はない。球状の粒子が単分散しているコロイド状のスラ
リーであれば、無機系の金属酸化物微粒子からなるもの
でも、ポリマー微粒子からなるものでも良い。
【0013】該スラリー中に存在する微粒子の平均粒子
径は特に制限されないが、該スラリーがコロイド状態を
保持し、安定な分散状態を示すためには、1〜1000
nmであることが好ましく、10〜1000nmである
ことがより好ましい。
【0014】金属酸化物微粒子としては、珪酸ソーダを
原料にしたコロイダルシリカやゾルゲル法によって製造
された球状粒子が単分散しているコロイド状のシリカ系
金属酸化物微粒子等を挙げることができる。コロイダル
シリカの場合は、水系の分散媒を有機系の分散媒に置換
する場合に有効な方法である。また、特に、ゾルゲル法
による球状の金属酸化物微粒子が単分散しているコロイ
ド状微粒子スラリーに関しては、水と有機溶媒との混合
溶媒を含んだ合成直後の分散媒を水もしくはアルコール
等の有機溶媒の分散媒に置換するのに有効である。
【0015】ゾルゲル法による金属酸化物微粒子の代表
的な例としては、シリカ系微粒子が挙げられる。シリカ
系微粒子には、シリカのみからなる微粒子、及びシリカ
ーチタニア、シリカーアルミナ、シリカージルコニア等
のいわゆるシリカ系複合酸化物微粒子がある。これら
は、メチルシリケートやエチルシリケートのような金属
アルコキシドを原料とし、触媒としてアンモニア等の塩
基を含むアルコールと水の混合溶媒中で加水分解させて
製造する場合が多い。したがって、製造後の分散媒は、
アンモニアを含んだ含水有機溶媒である。通常はろ過や
乾燥によって分散媒を除去し、粉末として使用する場合
が多い。しかしながら、一旦乾燥させて粉末にしてしま
うと粒子同志が強固に凝集してしまい、再度分散媒中に
微分散させることは極めて困難となる。そのため、水と
有機溶媒との混合溶媒を含んだ合成直後の分散媒を水も
しくはアルコール等の有機溶媒の分散媒に置換すること
ができる本発明の方法が特に有効である。
【0016】球状粒子が単分散しているコロイド状微粒
子スラリーの分散媒を一旦除去する方法としては、微粒
子と分散媒とを固液分離する方法であれば特に制限され
ない。但し、固液分離の際に微粒子はなるべく乾固させ
ないことが望ましい。一旦乾固させてしまうと、後述す
る高圧ホモジナイザーを使用しても元のコロイド状微粒
子スラリーの分散状態まで戻すことが困難となる。
【0017】本発明においては、コロイド状微粒子スラ
リーの分散媒を一旦除去する方法としては、熱による微
粒子の変質がなく、微粒子が乾固するおそれもない遠心
分離による方法が好ましい。遠心分離については公知の
方法を採用することができる。即ち、容器等に充填した
微粒子スラリーを毎分数千から数万回転で回転させ、微
粒子を沈殿させる方法である。なお、上記のようなバッ
チ式の遠心分離装置以外にも連続遠心装置等も採用でき
る。
【0018】続いて、上記で生成させた微粒子の沈殿
(分散媒を含んだ固形分)を所望の分散媒で洗浄しても
良い。洗浄回数は一回から数十回の範囲から選択すれば
良い。洗浄方法としては、該微粒子の沈殿を分散媒で洗
っただけでも良いし、分散媒に分散後再度遠心分離法に
よって固液分離を繰り返しても良い。洗浄回数を増やす
ほど、分散媒の純度を上げることができる。分散媒とし
ては、水が代表的であるが、アルコール類、エーテル
類、ケトン類、炭化水素類などの有機溶媒でも良く、微
粒子を安定に分散させることができる分散媒であれば制
限はない。また、微粒子の分散安定性を損なわないも
の、または微粒子の分散安定性を損なわない濃度範囲で
あれば、酸やアルカリ、塩類、界面活性剤等、所望の成
分を添加した分散媒を用いても良い。
【0019】最後に、上記洗浄後の沈殿を所望の分散媒
に分散した後、高圧ホモジナイザーで処理する。上記洗
浄後の沈殿は凝集しているため、適当な分散装置では元
の球状粒子が単分散しているコロイド状微粒子スラリー
の分散状態に戻すことが困難である。そのために、分散
能力の高い高圧ホモジナイザーの使用が極めて好適であ
る。
【0020】高圧ホモジナイザーとしては、被処理液を
高圧に保持しつつ絞り部を高速で通過せしめることによ
り、そのときに発生する剪断力やキャビテーションによ
る衝撃力で該被処理液中に存在する微粒子の凝集体を分
散させる機構のものが好適である。
【0021】また、高圧ホモジナイザーは、上記機構の
他、該機構において絞り部を通過せしめた溶液をダイヤ
モンド等の基板上に衝突させる機構を更に付加した機構
や、被処理液を対向する二つの絞り部より噴出せしめて
衝突させる機構等を有するものも使用することができ
る。
【0022】上記高圧ホモジナイザーによる分散や粉砕
の効率は、溶液を通過させる絞り部を挟んでの入口側と
出口側との差圧に依存するため、差圧が高いほど粉砕効
率も高くなる傾向にある。例えば、上記差圧は10MP
a以上、好ましくは30MPa以上、さらに好ましくは
50MPa以上の場合、分散や粉砕効率の高い処理が可
能である。また、上記差圧の上限値は特に定める必要は
ないが、300MPa以下が好ましい。300MPaを
越えると、装置の寿命が極端に短くなる場合がある。
【0023】なお、上記絞り部を通過させて微粒子スラ
リーを分散処理する回数は、通常1回で十分である場合
が多い。なお、複数回処理すれば更に分散状態が向上
し、凝集粒子濃度が低減する場合もあるので、そのよう
な場合は複数回処理したり、直列に数台の装置を連結
し、連続して処理しても良い。
【0024】上記高圧ホモジナイザーの絞り部を構成す
る材料としては、材料の摩耗を抑えるためにダイヤモン
ドが好適に採用される。
【0025】上記絞り部の孔径は、50〜500μmの
範囲が好適で、100〜300μmの範囲が更に好適で
ある。
【0026】高圧ホモジナイザーとしては、市販の装置
を用いることもできる。代表例を具体的に例示すると、
ナノマイザー(株)製の商品名;ナノマイザー、(株)
ミラクル製の商品名;ナノメーカー、マイクロフルイデ
ィクス製の商品名;マイクロフルイダイザー、(株)ジ
ーナス製の商品名;ジーナス及びスギノマシン製の商品
名;アルティマイザーなどを挙げることができる。
【0027】上記例示した装置はいずれも流通式である
ため、処理後の溶液は一様に粉砕、解砕または分散等の
処理を受けたことになるため、均一性が高い点で優れて
いる。また、粉砕、解砕または分散処理が高効率で行わ
れること、不純物の混入が極めて少ないこと、大量処理
にも適応可能なことなど、工業的に利用するのには適し
ている。
【0028】本発明の方法で処理できる微粒子スラリー
のスラリー濃度は、50重量%以下、好ましくは30重
量%以下であれば使用できる。50重量%を超えると、
スラリーの流動性が極端に悪くなるため処理が困難にな
る場合がある。
【0029】
【発明の効果】本発明の方法によれば、球状粒子が単分
散しているコロイド状微粒子スラリーの性状をほとんど
変化させずに各種のコロイド状微粒子スラリーの分散媒
を簡便に所望の分散媒に変更できる。そのため、各種の
研磨剤やコート剤用の原料として好適な微粒子スラリー
を簡便に提供することができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例を挙げて具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限され
るものではない。
【0031】以下の方法によって、微粒子スラリーを分
析した。 (形状及び平均一次粒子径)微粒子の形状及び平均一次
粒子径は、高分解能の走査型電子顕微鏡、もしくは透過
型電子顕微鏡の撮影像を用いて観察又は計測した。 (凝集状態)微粒子の凝集状態は、微粒子スラリーの平
均粒子径を、ベックマン・コールター製、LS−230
を用いて測定して確認した。 (分散安定性)微粒子スラリーの分散安定性は、透明な
ガラス瓶に微粒子スラリーを入れ、静置して沈殿の生成
状況を確認することによった。
【0032】実施例1 市販のコロイダルシリカ(日産化学製スノーテックス2
0)を使用し、バッチ式の遠心分離装置を用いて165
00rpmで2時間遠心分離を行った。なお、上記コロ
イダルシリカは、平均一次粒子径15nm程度の粒径の
揃った、球状の粒子が単分散したものであり、元の分散
媒は水であった。遠心分離後上澄み液を捨て、イソプロ
ピルアルコールを適量加えて沈殿を良く混ぜ、微粒子ス
ラリーを得た。このとき、上記微粒子スラリーは、静置
しておくとすぐに沈殿が生成するような凝集状態であっ
た。上記の遠心分離とイソプロピルアルコール洗浄をさ
らに2回繰り返した。
【0033】続いて、高圧ホモジナイザーの一種である
ナノマイザー製;ナノマイザー、LA−31を用いて処
理圧力700kgf/cmで3回処理した。なお、こ
のときには、単結晶ダイヤモンドの板に100μmの貫
通孔の空いた絞り部を使用した。
【0034】上記処理後のコロイド状微粒子スラリーの
固形分濃度は17重量%であった。また、一週間以上静
置しても全く沈殿は生成せず、極めて安定なコロイド状
微粒子スラリーであることがわかった。なお、元のコロ
イダルシリカの平均粒子径は0.08μm、高圧ホモジ
ナイザーで処理する前の平均粒子径は46μmであった
が、処理後は0.08μmと元のコロイダルシリカと同
程度まで微粒化できていることがわかった。また、粒径
の揃った球状粒子が単分散していた。
【0035】以上のように、微粒子スラリーの分散媒を
水からアルコールに簡単に変更できることがわかった。
【0036】実施例2 内容積約4リットルのジャケット付き反応器にメタノー
ルおよびアンモニア水(25重量%)をそれぞれ180
0gおよび200g仕込み、よく混合して反応液を調製
した。次に、反応液の温度を20℃に保ちつつ、180
rpmの回転数で攪拌しながらメチルシリケート(Si
(OCH)を2.5g/minの速度で、アンモ
ニア水(12重量%)を1.4g/minの速度で、そ
れぞれ別々に反応液中に液中同時滴下した。メチルシリ
ケートの滴下を開始してから約10分後に徐々に反応液
が白濁し始め、シリカ粒子が生成していることがわかっ
た。滴下開始から8時間後に滴下を終了したが、合計で
メチルシリケートを1200g、アンモニア水(12重
量%)を660g滴下した。さらに1時間攪拌を続けた
後、系内の溶液を取り出した。取り出した溶液は均一な
乳白色スラリーで、その重量は約3800gであった。
また、上記スラリーの組成は、シリカ12重量%、メタ
ノール73重量%、アンモニア3重量%、水12重量%
であった。合成したシリカ粒子の平均一次粒子径は0.
1μmで、極めて単分散性の高い球状のシリカ粒子であ
った。また、合成後のスラリー中のシリカ粒子の平均粒
子径は0.15μmであった。
【0037】上記の合成後のスラリーを使用し、バッチ
式の遠心分離装置を用いて8000rpmで2時間遠心
分離を行った。遠心分離後上澄み液を捨て、純水を適量
加えて沈殿を良く混ぜ、微粒子スラリーを得た。なお、
上記微粒子スラリーは、静置しておくと直ぐに沈殿が生
成するような凝集状態であった。上記の遠心分離と純水
洗浄をさらに4回繰り返した。
【0038】続いて、高圧ホモジナイザーの一種である
ナノマイザー製;ナノマイザー、LA−31を用いて処
理圧力1000kgf/cmで1回処理した。なお、
このときには、単結晶ダイヤモンドの板に100μmの
貫通孔の空いた絞り部を使用した。
【0039】上記処理後のコロイド状微粒子スラリーの
固形分濃度は24重量%であった。また、一週間以上静
置しても全く沈殿は生成せず、極めて安定なコロイド状
微粒子スラリーであることがわかった。なお、高圧ホモ
ジナイザーで処理する前の平均粒子径は32μmであっ
たが、処理後は0.12μmと微粒化できていることが
わかった。また、粒径の揃った球状粒子が単分散してい
た。
【0040】以上のように、微粒子スラリーの分散媒を
水とメタノールの混合溶媒から水に簡単に変更できるこ
とがわかった。
【0041】実施例3 内容積約4リットルのジャケット付き反応器にメタノー
ル140g、イソプロピルアルコール260g、および
アンモニア水(25重量%)100gを仕込み、反応液
を調製し、反応液の温度を40℃に保持しつつ撹拌し
た。
【0042】次に、3リットルの三角フラスコに、メチ
ルシリケート(Si(OMe)4、コルコート(株)、
商品名;メチルシリケート39)799gを仕込み、攪
拌しながら、メタノール288gと0.1重量%塩酸水
溶液41gを加え、約10分間攪拌した。続いて、チタ
ニウムテトライソプロポキシド(Ti(O−i−Pr)
4、日本曹達(株)、品名;A−1)213gをイソプ
ロピルアルコール450gで希釈した液を加え、透明な
均一溶液(シリコンとチタニウムのアルコキシドの共縮
合物)を得た。
【0043】上記均一溶液1792gとアンモニア水
(25重量%)480gの各々を前記反応液中に、最初
は滴下速度を小さくし、終盤にかけて徐々に速度を大き
くして、8時間かけて同時に滴下した。さらに1時間攪
拌を続けた後、系内の溶液を取り出した。取り出した溶
液は均一な乳白色スラリーで、その重量は約2750g
であった。また、上記スラリーの組成は、シリカとチタ
ニアよりなる複合酸化物粒子14重量%、メタノール4
0重量%、イソプロピルアルコール32重量%、アンモ
ニア5重量%、水9重量%であった。合成した複合酸化
物粒子の平均一次粒子径は0.4μmで、極めて単分散
性の高い球状粒子であった。なお、該粒子中のチタニア
の配合率(Ti/(Ti+Si))は仕込み組成より1
2.5モル%であった(上記合成後のスラリーをスラリ
ーAと言う)。また、スラリーA中の複合酸化物粒子の
平均粒子径は0.6μmであった。
【0044】上記のスラリーAを使用し、バッチ式の遠
心分離装置を用いて8000rpmで1時間遠心分離を
行った。遠心分離後上澄み液を捨て、純水を適量加えて
沈殿を良く混ぜ、微粒子スラリーを得た。なお、上記微
粒子スラリーは、静置しておくと直ぐに沈殿が生成する
ような凝集状態であった。上記の遠心分離と純水洗浄を
さらに4回繰り返した。
【0045】続いて、高圧ホモジナイザーの一種である
ナノマイザー製;ナノマイザー、LA−31を用いて処
理圧力1000kgf/cmで1回処理した。なお、
このときには、単結晶ダイヤモンドの板に100μmの
貫通孔の空いた絞り部を使用した。
【0046】上記処理後のコロイド状微粒子スラリーの
固形分濃度は22重量%であった。また、一週間以上静
置しても全く沈殿は生成せず、極めて安定なコロイド状
微粒子スラリーであることがわかった。なお、高圧ホモ
ジナイザーで処理する前の平均粒子径は25μmであっ
たが、処理後は0.5μmと微粒化できていることがわ
かった。また、粒径の揃った球状粒子が単分散してい
た。
【0047】実施例4 実施例3で得たスラリーAを用い、バッチ式の遠心分離
装置を用いて8000rpmで1時間遠心分離を行っ
た。遠心分離後上澄み液を捨て、メタノールを適量加え
て沈殿を良く混ぜ、微粒子スラリーを得た。なお、上記
微粒子スラリーは、静置しておくと直ぐに沈殿が生成す
るような凝集状態であった。上記の遠心分離とメタノー
ル洗浄をさらに4回繰り返した。
【0048】続いて、実施例3と同様にして高圧ホモジ
ナイザーによる微分散処理を行った。
【0049】上記処理後の微粒子スラリーの固形分濃度
は15重量%であった。また、一週間以上静置しても全
く沈殿は生成せず、極めて安定な微粒子スラリーである
ことがわかった。なお、高圧ホモジナイザーで処理する
前の平均粒子径は38μmであったが、処理後は0.5
μmと微粒化できていることがわかった。また、粒径の
揃った球状粒子が単分散していた。
【0050】以上のように、ゾルゲル法で製造した複合
酸化物微粒子スラリーにおいても、所望の種類の分散媒
に簡単に変更でき、さらに極めて安定な微粒子スラリー
が得られることがわかった。
【0051】比較例1 実施例3で得たスラリーAを用い、100℃の乾燥器で
分散媒を乾燥させた。得られた粉末を水に分散させ、実
施例3と同様にして高圧ホモジナイザーによる微分散処
理を行った。
【0052】上記処理後の微粒子スラリーの固形分濃度
は12重量%であった。なお、上記処理後の微粒子スラ
リーは、数日間静置すると容器下部に沈殿が認められ、
安定性に問題があることがわかった。なお、高圧ホモジ
ナイザーで処理する前の平均粒子径は90μmであっ
た。処理後の平均粒子径は1μmであった。また、0.
5μmと5μmにふた山の分布を示しており、比較的大
きな凝集塊が解砕しきれていないことがわかった。
フロントページの続き Fターム(参考) 4G042 DA01 DA02 DB11 DB26 DC03 4G065 AA01 AA02 AA06 AB01X AB02X AB38X CA01 DA04 DA06 FA02 4G072 AA25 AA28 EE05 EE06 GG03 HH17 LL11 MM40 PP14 RR12

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 球状粒子が単分散しているコロイド状微
    粒子スラリーの分散媒を一旦除去し、再び分散媒を加え
    た後に高圧ホモジナイザーで分散させるコロイド状微粒
    子スラリーの製造方法。
  2. 【請求項2】 球状粒子が単分散しているコロイド状微
    粒子スラリーがゾルゲル法により製造された金属酸化物
    微粒子スラリーであることを特徴とする請求項1記載の
    コロイド状微粒子スラリーの製造方法。
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