JP2003208925A - 二次電源 - Google Patents

二次電源

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JP2003208925A
JP2003208925A JP2002202973A JP2002202973A JP2003208925A JP 2003208925 A JP2003208925 A JP 2003208925A JP 2002202973 A JP2002202973 A JP 2002202973A JP 2002202973 A JP2002202973 A JP 2002202973A JP 2003208925 A JP2003208925 A JP 2003208925A
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  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】耐電圧が高く、充放電容量が高く、急速充放電
におけるサイクル信頼性に優れる二次電源を提供する。 【解決手段】活性炭を主体とする正極と、リチウムイオ
ンを吸蔵、脱離しうる炭素材料を主体とする負極と、リ
チウム塩からなる電解質を含む有機溶媒系電解液とを有
する二次電源において、前記リチウム塩がLiPF
LiBF、LiN(CFSOおよびLiN
(CSOからなる群より選ばれる1種以上
と、LiClOと、を含むことを特徴とする二次電
源。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐電圧が高く、容
量が大きく、急速充放電サイクル信頼性の高い二次電源
に関する。
【0002】
【従来の技術】有機溶媒系電解液を使用する充放電可能
な電源には、電気二重層キャパシタ、リチウムイオン二
次電池などがあり、また、電気二重層キャパシタの正極
とリチウムイオン二次電池の負極とを組み合せた二次電
源も知られている。
【0003】電気二重層キャパシタは、正極、負極とも
に活性炭を主体とする分極性電極を使用することに特徴
がある。電気二重層キャパシタの耐電圧は、水系電解液
を使用すると1.2V、BF を含む有機溶媒系電解
液を使用すると2.5〜3.3Vである。電気二重層キ
ャパシタの静電エネルギは耐電圧の2乗に比例するの
で、耐電圧の高い有機溶媒系電解液の方が水系電解液よ
り高エネルギにできる。しかし、BF を含む有機溶
媒系電解液を使用した電気二重層キャパシタでもその容
量は現在、ハイブリッド電気自動車の電源として搭載さ
れているニッケル水素二次電池の1/10以下と低く、
さらなるエネルギの向上が必要とされている。
【0004】一方、リチウムイオン二次電池は、リチウ
ム含有遷移金属酸化物を主体とする正極と、リチウムイ
オンを吸蔵、脱離しうる炭素材料を主体とする負極と、
LiPFなどのリチウム塩を含む有機溶媒系電解液と
を備える。充電によりリチウムイオンが正極から脱離
し、負極の炭素材料へ吸蔵され、逆に、放電により負極
からリチウムイオンが脱離し、正極にリチウムイオンが
吸蔵される。したがって、本質的には電解液中のリチウ
ムイオンは電池の充放電に関与しない。
【0005】リチウムイオン二次電池は、電気二重層キ
ャパシタに比べて高電圧で作動でき、高容量という性質
を有するが、抵抗が高く、急速充放電サイクルによる寿
命が電気二重層キャパシタに比べ著しく短い問題があっ
た。
【0006】これに対し、正極に活性炭を用い、負極に
リチウムイオンを吸蔵、脱離しうる炭素材料を用いた二
次電源は、従来の正極、負極ともに活性炭を用いた電気
二重層キャパシタより高耐電圧かつ高エネルギにでき
る。特に、この二次電源において負極にリチウムイオン
吸蔵脱離電位の卑な黒鉛系炭素材料を用いると、より高
容量にできる。また、リチウムイオン二次電池のよう
に、正極活物質自体にリチウムイオンが吸蔵、脱離する
ことがなく、リチウムイオンの吸蔵、脱離にともなう正
極の劣化がないため充放電サイクル信頼性に優れてい
る。
【0007】例えば、特開昭64−14882には、活
性炭を主体とする電極を正極とし、X線回折による[0
02]面の面間隔が0.338〜0.356nmである
炭素材料にあらかじめリチウムイオンを吸蔵させた電極
を負極とする上限電圧3Vの二次電源が提案されてい
る。また、特開平8−107048には、リチウムイオ
ンを吸蔵、脱離しうる炭素材料にあらかじめ化学的方法
または電気化学的方法でリチウムイオンを吸蔵させた炭
素材料を負極に用いる電池が提案されている。特開平9
−55342には、リチウムイオンを吸蔵、脱離しうる
炭素材料をリチウムと合金を形成しない多孔質集電体に
担持させる負極を有する、上限電圧4Vの二次電源が提
案されている。
【0008】上述の二次電源においては、LiBF
LiPFを含む有機溶媒系電解液が用いられている
(特開昭64−14882)。LiBFは電気伝導性
が比較的低いため、高電流密度での放電において放電容
量が充分でないという問題がある。一方、LiPF
電気伝導性に優れ、高い耐電圧を有する反面、熱的に不
安定である。また、LiPFの電離によって生成する
PF は系内に微量でも水分が存在すると加水分解を
起こす結果、HFを生成し、これが正極および負極の活
物質ならびに集電体の劣化を引き起こし、容量低下およ
び自己放電の原因となる。さらに、この加水分解により
電解質濃度が低下するため、充放電サイクル信頼性が失
われるという問題がある。
【0009】この問題を解決するため、電離によってN
(CFSO を生成する電解質の使用が提案さ
れている(特開平8−107048)。前記電解質は熱
的に安定であり、上述した加水分解を極めて起こしにく
く、また、電気伝導性にも優れる。しかし、N(CF
SO は正極電位がある程度貴になると、正極集
電体の構成材料としてアルミニウムを用いた場合、アル
ミニウムを腐食する。特に、高温下で運転する場合、こ
の腐食が顕著にみられる。
【0010】例えば、N(CFSO を含む有
機溶媒系電解液を、正極にアルミニウム製集電体を備え
たリチウムイオン二次電池および電気二重層キャパシタ
に用いた場合、45℃雰囲気においてそれぞれ4.0V
以上および2.5V以上の電圧を印加すると正極集電体
の腐食が起こり、有機溶媒系電解液中にアルミニウムが
溶出する。すなわち、充電されるべき電荷がアルミニウ
ムの溶出に使用され、その結果、容量低下が起こる。特
に、リチウムイオン二次電池に用いた場合、充電時の負
極電位はリチウム金属とほぼ同等なので、アルミニウム
が溶出すると負極にアルミニウムが析出し、またはリチ
ウムと合金を形成するため、さらなる容量低下につなが
り、充分なサイクル信頼性を得ることができなかった。
【0011】この問題を解決するため、例えば特開平9
−50823には、LiPFとLiN(CF
の両方を含む有機溶媒系電解液を備えるリチウ
ムイオン二次電池が例示され、アルミニウム製正極集電
体の腐食を抑制でき、しかも充放電サイクル信頼性に優
れたリチウムイオン二次電池が得られると記載されてい
る。しかし、この方法は室温における運転を想定してお
り、室温を超える温度、特に45℃以上において、4.
0Vを超える高電圧下の運転時には、アルミニウム製正
極集電体の腐食を防止できない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】近年では、ハイブリッ
ド電気自動車の電源として、充放電可能な電源を搭載す
るにあたり、ユニットセルの直列積層個数をより少なく
することが要求される。そこで本発明は、より高電圧で
作動でき、充放電容量が高く、かつ急速充放電における
サイクル信頼性に優れる二次電源およびそのための有機
溶媒系電解液を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、活性炭を主体
とする正極と、リチウムイオンを吸蔵、脱離しうる炭素
材料を主体とする負極と、リチウム塩を含む有機溶媒系
電解液とを有する二次電源において、前記リチウム塩が
LiPF、LiBF、LiN(CFSO
よびLiN(CSOからなる群より選ばれ
る1種以上と、LiClOと、を含むことを特徴とす
る二次電源を提供する。
【0014】また、本発明は、正極と集電体とを一体化
してなる正極体と、負極と集電体とを一体化してなる負
極体と、有機溶媒系電解液とを備えた充放電可能な電源
において、前記正極の集電体がアルミニウムからなり、
前記有機溶媒系電解液が電離によってClO を生成
する電解質とN(CSO を生成する電解
質とを含むことを特徴とする充放電可能な電源を提供す
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本明細書では、正極と集電体とを
接合して一体化させたものを正極体という。負極体につ
いても同様の定義とする。また、本明細書では、活性炭
を主体とする正極と、リチウムイオンを吸蔵、脱離しう
る炭素材料を主体とする負極と、リチウム塩からなる電
解質を含む有機溶媒系電解液とを有する、充放電可能な
電源を単に二次電源という。
【0016】本発明の二次電源(以下、本二次電源とい
う)は、活性炭を主体とする正極と、リチウムイオンを
吸蔵、脱離しうる炭素材料を主体とする負極と、リチウ
ム塩を含む有機溶媒系電解液とを有する二次電源であっ
て、前記リチウム塩がLiPF、LiBF、LiN
(CFSOおよびLiN(CSO
からなる群より選ばれる1種以上と、LiClOとを
含む。LiClOは有機溶媒系電解液や正極の活性炭
中に存在する微量な水分ともほとんど反応せず、正極集
電体を腐食せず、電気伝導度に優れ、活性炭を主体とす
る電極の容量も大きくできるなど、本二次電源の電解質
としては優れた性質を有する。しかし、LiClO
高濃度で使用すると細心の注意が必要となり、実用上の
制約が大きいので有機溶媒系電解液中に高濃度で含有さ
せることは難しい。一方、電解質の濃度が低い有機溶媒
系電解液では充分に容量を高められない。そのため、本
二次電源にはLiClOと他のリチウム塩との混合系
の電解質を使用する。
【0017】本発明者らは、本二次電源の電解質とし
て、LiClOを一定の濃度に抑えて使用し、これを
LiN(Rf1SO)(Rf2SO)(Rf1、R
f2はそれぞれ独立に炭素数1〜6のパーフルオロアル
キル基である)、LiPFおよびLiBFからなる
群より選ばれる1種以上のリチウム塩と併用することに
より、実用的な二次電源が得られることを見出した。
【0018】LiN(Rf1SO)(Rf2SO
は、Rf1、Rf2の炭素数が小さいほど電気伝導度が
高く、一方、Rf1、Rf2の炭素数が大きいほど、ア
ルミニウム製正極集電体を腐食しにくい傾向がある。な
かでもRf1、Rf2の炭素数がともに2であるLiN
(CSOは電気伝導度が高く、しかも集電
体に使用されることの多いアルミニウムを腐食しにくく
電極体が劣化しにくいため好ましい。また、Rf1、R
f2がそれぞれ独立に炭素数1〜6の範囲内であれば、
LiN(CSO)(CSO)のように
f1とRf2とが異なっていてもよく、Rf1、R
f2は直鎖状でも分鎖状でもいずれでもよい。
【0019】なかでも、LiClOと、LiN(CF
SOおよび/またはLiN(CSO
との混合系を使用すると、電気伝導性向上の観点から
好適である。特に高温での安定性を考慮すると、LiN
(CSOとLiClOとの混合系が好ま
しい。
【0020】本二次電源において、有機溶媒系電解液に
含まれるリチウム塩中、1〜40mol%がLiClO
であることが好ましい。LiClOが前記リチウム
塩中、1mol%未満であるとリチウム塩としてLiC
lOを使用する効果が得られにくい。一方、40mo
l%を超えると取扱に充分な注意が必要となり実用上の
制約が大きいため好ましくない。前記リチウム塩中、3
〜20mol%がLiClOであると特に好ましい。
なお、本明細書においてmol%は、リチウムイオン換
算とする。
【0021】また、本二次電源において、有機溶媒系電
解液中のLiClOの濃度は0.005〜0.5mo
l/Lであると好ましい。有機溶媒系電解液中のLiC
lO の濃度が0.005mol/L未満であるとリチ
ウム塩としてLiClOを使用する効果が得られない
おそれがある。一方、LiClOの濃度が0.5mo
l/Lを超えると取扱に充分な注意が必要となり、実用
上の制約が大きくなるおそれがある。有機溶媒系電解液
中のLiClOの濃度が0.05〜0.2mol/L
であるとさらに好ましい。
【0022】また、本二次電源において、有機溶媒系電
解液中のリチウム塩全体としての濃度は、0.5〜2m
ol/Lであると電気伝導度の高い有機溶媒系電解液が
得られるため好ましい。リチウム塩全体としての濃度が
0.5mol/L未満であると有機溶媒系電解液の伝導
度が低くなりすぎるおそれがあり、一方、2mol/L
を超えると有機溶媒系電解液の粘度が高くなりすぎるお
それがある。リチウム塩全体の濃度が0.75〜1.5
mol/Lであるとさらに好ましい。
【0023】本二次電源において、有機溶媒系電解液の
溶媒はエチレンカーボネート、プロピレンカーボネー
ト、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エ
チルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、スル
ホランおよびジメトキシエタンからなる群より選ばれる
1種以上であると好ましい。
【0024】本二次電源において、正極は活性炭を主体
とするものである。活性炭としては、やしがらなどの天
然植物組織、フェノールなどの合成樹脂、石炭、コーク
ス、ピッチなどの化石燃料由来のものを原料とし、これ
を賦活処理して使用するのが好ましい。活性炭の賦活方
法としては、用いる原料により異なるが、通常、水蒸気
賦活法やKOH賦活法などのアルカリ賦活法がある。本
発明においては、水蒸気賦活法やアルカリ賦活法のいず
れも好適に使用される。
【0025】正極は活性炭以外に通常、形状付与材とし
てバインダを含む。バインダとしてはポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミドイミ
ド、ポリイミドなどが好ましく用いられる。バインダの
含有量は、正極中1〜20質量%であると正極体の強度
と特性とのバランスの点で好ましい。さらに、正極は導
電性を高めるため導電性物質を含むと好ましい。導電性
物質としてはカーボンブラックなどが挙げられる。導電
性物質の正極全質量中の含有量は0.1〜20質量%で
あると高容量かつ高導電性の正極が得られるため好まし
い。
【0026】また、正極に少量のリチウム含有遷移金属
酸化物が含まれると、負極から脱離できないリチウムイ
オンによる有機溶媒系電解液中のリチウムイオンの低減
を補うことができ、特性劣化を防止できるため好まし
い。この場合、リチウム含有遷移金属酸化物の含有量と
しては、正極中に0.1〜20質量%であることが好ま
しい。含有量が0.1質量%未満であるとリチウム含有
遷移金属酸化物の添加の効果が得られず、一方、20質
量%を超えると活性炭電極の特徴である高出力や高信頼
性を損なうおそれがある。上記含有量は3〜15質量%
であるとさらに好ましい。
【0027】このようなリチウム含有遷移金属酸化物と
しては、V、Mn、Fe、Co、Ni、ZnおよびWか
らなる群より選ばれる1種以上の遷移金属とリチウムと
の複合酸化物が好ましい。特に好ましいのは、Mn、C
oおよびNiからなる群より選ばれる1種以上とリチウ
ムとの複合酸化物であり、さらに好ましいのはLi
Ni(1−y)またはLiMn(ただ
し、0<x<2、0≦y≦1、0<z<2)である。
【0028】正極体の作製方法としては、例えば活性炭
粉末にバインダとしてポリテトラフルオロエチレンを混
合し、混練した後シート状に成形して正極とし、これを
集電体に導電性接着剤を用いて固定する方法がある。ま
た、バインダとしてポリフッ化ビニリデン、ポリアミド
イミド、ポリイミドなどを溶解したワニスに活性炭粉末
を分散させ、この液をドクターブレード法などによって
集電体上に塗工し、乾燥して得てもよい。
【0029】本二次電源において、負極はリチウムイオ
ンを吸蔵、脱離しうる炭素材料を主体とするものであ
る。リチウムイオンを吸蔵、脱離しうる炭素材料として
は、層間化合物となるものであるとよく、天然黒鉛、人
造黒鉛、石油コークス、メソフェーズピッチ系炭素材
料、難黒鉛性炭素材料、または黒鉛系材料と黒鉛性炭素
材料との複合材料ならびに混合材料などが使用できる。
しかし、活性炭は一般にリチウムイオンを吸蔵、脱離し
うる炭素材料に該当しない。前記炭素材料は、X線回折
による[002]面の面間隔が0.335〜0.410
nmであると高容量の負極とできるため好ましい。特
に、前記面間隔が0.335〜0.338nmである
と、リチウムイオンの脱離時の電位を卑にでき、高容量
の負極とできるため好ましい。また、前記面間隔が0.
354〜0.395nmであると黒鉛の理論容量(37
2mAh/g)以上のリチウム吸蔵能を有するため、よ
り高容量の負極とでき好ましい。さらに、前記炭素材料
の比表面積は0.5〜20m/gであると好ましい。
比表面積が20m/gを超えると、電解液の分解によ
って炭素材料表面に形成されるSEI(Solid E
lectrolyte Interface)被膜の形
成に使用される電荷が多くなりすぎ、クーロン効率が低
下するおそれがある。
【0030】負極も正極と同様に、形状付与材として通
常バインダを含む。バインダとしては、正極に使用でき
るものと同様のものが好ましく使用される。負極全質量
中のバインダ量は1〜20%であると好適である。負極
は黒鉛のような導電性の高い炭素材料が使用されるた
め、正極のように導電性材料を添加しても導電性の向上
はあまりないが、必要に応じて適宜添加してもよい。
【0031】負極体の作製方法としては、正極体の作製
方法と同様に、例えば黒鉛系材料とバインダとしてポリ
テトラフルオロエチレンとを混練後、シート状に成形
し、導電性接着剤を用いて集電体に固定する方法があ
る。また、バインダとして、ポリフッ化ビニリデン、ポ
リアミドイミド、ポリイミド、ポリアミドイミドの前駆
体またはポリイミドの前駆体、を溶解させた有機溶媒に
前記炭素材料を分散させ、集電体に塗工し、乾燥、熱処
理させて得る方法もある。負極体の作製方法としては、
いずれの方法でも好ましい。
【0032】ここで、ポリアミドイミドの前駆体または
ポリイミドの前駆体とは、加熱することにより重合して
それぞれポリアミドイミドまたはポリイミドとなるもの
をいう。なお、ポリアミドイミドまたはポリイミドをバ
インダとすると有機溶媒系電解液に対する耐性があり、
また電極から水分を除去するために300℃程度の高温
加熱または減圧下の加熱をしても充分耐性がある。
【0033】塗工により集電体上に負極を形成する方法
において、バインダまたはその前駆体を溶解させる溶媒
は限定されないが、溶解性が良好で、入手も容易である
ことからN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと
いう)が好ましい。上述の加熱温度が200℃以上であ
ると、バインダとして前駆体を用いた場合、重合できる
ため好ましい。加熱処理は窒素、アルゴンなどの不活性
雰囲気または133Pa以下の減圧下が好ましい。
【0034】また、本発明は、正極と集電体とを一体化
してなる正極体と、負極と集電体とを一体化してなる負
極体と、有機溶媒系電解液とを備えた充放電可能な電源
において、前記正極の集電体がアルミニウムからなり、
前記有機溶媒系電解液が電離によってN(CSO
を生成する電解質とClO を生成する電解
質とを含むことを特徴とする充放電可能な電源を提供す
る。上述のとおり、LiN(CSOとLi
ClOとを含む有機溶媒系電解液は、活性炭を主体と
する正極と、リチウムイオンを吸蔵、脱離しうる炭素材
料を主体とする負極を備える二次電源にきわめて有効で
ある。この有機溶媒系電解液中のアニオンはN(C
SO とClO とであるが、これらのアニ
オンを含む有機溶媒系電解液(以下、本有機溶媒系電解
液という)は、本二次電源以外の充放電可能な電源にお
いても高い効果を示す。すなわち、本有機溶媒系電解液
は、アルミニウム製正極集電体を備えたリチウムイオン
二次電池や電気二重層キャパシタに使用しても集電体を
腐食せず、高い耐電圧を実現でき、室温以上の温度、特
に45℃以上で運転する充放電可能な電源に使用しても
充放電サイクル信頼性が高い有機溶媒系電解液である。
【0035】N(CSO は、N(CF
SO よりもアルミニウム製正極集電体の腐食を
起こしにくい。例えばJournal of Powe
rSources,68(1997)320−325に
は、LiN(CFSOを含む有機溶媒系電解液
をリチウムイオン二次電池に用いる際、正極電位が3.
55V(参照電極:Li/Li)を超えるとアルミニ
ウムが腐食するのに対し、LiN(CSO
を含む有機溶媒系電解液では4.5Vまで腐食しないと
いう報告がある。また、N(CSO はP
やBF と比較して加水分解が起こりにくく、
電解質としての電気伝導性にも優れる。
【0036】電離によってClO を生成する電解質
の添加によって前記集電体の腐食を抑制できる理由の詳
細はわかっていないが、次のように推察される。金属ア
ルミニウムは、空気中では酸素と反応してその表面に酸
化被膜を形成させるため、腐食を受けず安定に存在す
る。PF 、BF はこの酸化被膜を破壊しないた
め、腐食が起こらない。N(CSO はア
ルミニウムの酸化被膜を破壊させやすいが、ClO
を添加すると、ClO が酸化分解して安定な酸化被
膜を形成するため、アルミニウム製正極集電体の腐食を
抑制できると考えられる。室温を超える温度、特に45
℃以上においてはこのClO の酸化分解速度が増す
ため、高温下で運転しても優れた充放電サイクル信頼性
を有する。
【0037】また、本二次電源では充電により、リチウ
ムイオンが負極の炭素材料へ吸蔵される。このとき、負
極電位が約0.8V(参照電極:Li/Li)になる
と、電解液の分解により炭素材料表面に、リチウムイオ
ン伝導性を有するSEI被膜が形成される。有機溶媒系
電解液中にClO イオンが存在すると、このSEI
被膜の形成が促進されるため、リチウムイオンが負極の
炭素材料へと吸蔵しやすくなり、より高いサイクル信頼
性を発現すると考えられる。
【0038】本有機溶媒系電解液において、全アニオン
中、ClO の含有量が0.1〜40mol%であ
り、N(CSO の含有量が60〜99.
9mol%であることが好ましい。ClO の含有量
が0.1mol%未満であると、上記のようなClO
の添加効果が表れにくい。一方、ClO の含有量
が40mol%を超えると、N(CSO
の安定な化学的性質を損なうおそれがあるほか、取扱上
に充分な注意が必要となり、実用上の制約が大きいため
好ましくない。より好ましくは、全アニオン中、ClO
の含有量が5〜25mol%であり、N(C
SO の含有量が75〜95mol%となるよう
に添加する。
【0039】本有機溶媒系電解液中の電解質全体として
の濃度は、本二次電源の有機溶媒系電解液に含まれるリ
チウム塩の濃度と同様に0.5〜2.0mol/Lであ
ると好ましく、電解質全体としての濃度が0.75〜
1.5mol/Lであるとさらに好ましい。
【0040】本発明の有機溶媒系電解液において、溶媒
としては、本二次電源の有機溶媒系電解液に用いられる
溶媒と同じものが好ましく用いられる。なかでも、リチ
ウムイオン二次電池に用いる場合はプロピレンカーボネ
ート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネー
トおよびジエチルカーボネートからなる群より選ばれる
1種以上とエチレンカーボネートとを組み合せた溶媒が
温度特性、電気化学的特性の点から好ましい。電気二重
層キャパシタに用いる場合はプロピレンカーボネートを
主体とする溶媒が温度特性、電気化学的特性の点から好
ましい。
【0041】本有機溶媒系電解液は、リチウム含有遷移
金属酸化物を主体とする正極と、リチウムイオンを吸
蔵、脱離しうる炭素材料を主体とする負極とを有し、正
極にアルミニウム製集電体を備えたリチウムイオン二次
電池に好適に用いられる。リチウムイオン二次電池に用
いる場合、電解質はリチウム塩であり、LiN(C
SOとLiClOとからなる。
【0042】また、本有機溶媒系電解液は、正負極とも
に活性炭を主体とする分極性電極を有し、正極にアルミ
ニウム製集電体を備えた電気二重層キャパシタに好適に
用いられる。電気二重層キャパシタに用いる場合、電離
によって(C、(C(C
)Nおよび(Cからなる群より選
ばれる1種以上のカチオンを生成する第4級オニウム塩
を電解質として用いることが好ましい。特に、(C
(CH)NN(CSOと(C
(CH)NClOとからなる電解質を用いる
ことが好ましい。
【0043】
【実施例】本発明を実施例(例1〜4、例9〜13、例
18、例19)および比較例(例5〜8、例14〜1
7、例20、例21)によりさらに具体的に説明する
が、本発明はこれらにより限定されない。なお、例1〜
21におけるセルの作製はすべて露点が−60℃以下の
アルゴングローブボックス中で行った。
【0044】[例1(実施例)]コークスを原料として
溶融KOH賦活法によって得られた比表面積900m
/gの活性炭70質量%、導電性カーボンブラック20
質量%、およびバインダとしてのポリテトラフルオロエ
チレン10質量%からなる混合物をエタノールを加えて
混練し、圧延した後、200℃で2時間真空乾燥して正
極シートを得た。次に、リチウムイオンを吸蔵、脱離し
うる炭素材料として、X線回折による[002]面の面
間隔0.378nm、粒径19μmの非晶質炭素を使用
し、これに導電材として黒鉛化した気相成長炭素を加
え、ポリフッ化ビニリデン(バインダ)を溶解させたN
MPに分散させた。この分散液を銅製集電体(厚さ約1
8μm)に塗布し乾燥して負極体を得た。負極体中の非
晶質炭素:黒鉛化した気相成長炭素:ポリフッ化ビニリ
デンの質量比は7:1:2であった。この負極体をさら
にロールプレス機でプレスした。
【0045】上述の方法で得られた面積0.283cm
の正極シート(厚さ約900μm)と負極体(厚さ約
100μm)とをそれぞれコインセル(直径10.8m
m、高さ1.7mm)の正極キャップ、負極ケースに固
定して、ポリプロピレン製セパレータ(厚さ約100μ
m)を介して対向させ、0.1mol/LのLiClO
と0.9mol/LのLiBFをエチレンカーボネ
ート50体積%とエチルメチルカーボネート50体積%
の混合溶媒に溶解した有機溶媒系電解液に充分な時間含
浸させてコインセルに封入し、密閉して本二次電源のセ
ルを作製した。得られたセルの初期容量(mAh)を
4.2Vから2.75Vまでの電圧範囲で電流0.28
3mA(1.0mA/cm)で測定した。その後、4
5℃雰囲気で4.2Vから2.75Vまでの電圧範囲
で、充放電電流0.283mAで1000サイクルの充
放電サイクル試験を行い、初期容量に対するサイクル試
験後の容量減少率(%)を算出した。結果を表1に示
す。
【0046】[例2(実施例)]電解質としてLiBF
の代わりにLiPFを使用した以外は例1と同様に
してセルを作製し、例1と同様に評価した。結果を表1
に示す。
【0047】[例3(実施例)]電解質としてLiBF
の代わりにLiN(CFSOを使用した以外
は例1と同様にしてセルを作製し、例1と同様に評価し
た。結果を表1に示す。
【0048】[例4(実施例)]電解質としてLiBF
の代わりにLiN(CSOを使用した以
外は例1と同様にしてセルを作製し、例1と同様に評価
した。結果を表1に示す。
【0049】[例5(比較例)]電解質として0.1m
ol/LのLiClOと0.9mol/LのLiBF
の代わりに1.0mol/LのLiBFを使用した
以外は例1と同様にしてセルを作製し、例1と同様に評
価した。結果を表1に示す。
【0050】[例6(比較例)]電解質としてLiBF
の代わりにLiPFを使用した以外は例5と同様に
してセルを作製し、例1と同様に評価した。結果を表1
に示す。
【0051】[例7(比較例)]電解質としてLiBF
の代わりにLiN(CFSOを使用した以外
は例5と同様にしてセルを作製し、例1と同様に評価し
た。結果を表1に示す。
【0052】[例8(比較例)]電解質としてLiBF
の代わりにLiN(CSOを使用した以
外は例5と同様にしてセルを作製し、例1と同様に評価
した。結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】例1〜8で得られたセルについて、表1に
おいて、例1と例5、例2と例6、例3と例7、例4と
例8、をそれぞれ比較することにより、LiClO
LiN(CSOなどのリチウム塩と併用す
ることで特性が向上することがわかる。さらに、例7と
例8を比較することにより、LiN(CSO
を電解質として用いたセルは、充放電サイクル信頼性
の点でLiN(CFSOより優れることがわか
る。
【0055】[例9(実施例)]例1と同様にして得ら
れた正極シートをアルミニウム製集電体(厚さ100μ
m)に導電性接着剤で貼り付け、200℃で15時間真
空乾燥させて面積10.0cmの正極体(厚さ約20
0μm)を得た。該正極体と、例1と同様にして得られ
た負極体(厚さ約40μm)とをポリプロピレン製セパ
レータ(厚さ約80μm)を介して対向させ、0.9m
ol/LのLiN(CFSO)(CSO
と0.1mol/LのLiClOとをエチレンカーボ
ネート50体積%とエチルメチルカーボネート50体積
%の混合溶媒に溶解した有機溶媒系電解液に充分な時間
含浸させてアルミニウム製ラミネートパックに封入し、
密閉して本二次電源のセルを作製した。得られたセルの
初期容量(mAh)を4.0Vから2.0Vまでの電圧
範囲で充放電電流100mA(10mA/cm)で測
定した。その後、45℃雰囲気で4.0Vから2.0V
までの電圧範囲で、充放電電流100mAで1000サ
イクルの充放電サイクル試験を行い、初期容量に対する
サイクル試験後の容量減少率(%)を算出した。結果を
表2に示す。
【0056】[例10(実施例)]電解質としてLiN
(CFSO)(CSO)の代わりにLiN
(CFSO)(CSO)を使用した以外は
例9と同様にしてセルを作製し、例9と同様に評価し
た。結果を表2に示す。
【0057】[例11(実施例)]電解質としてLiN
(CFSO)(CSO)の代わりにLiN
(CFSO)(CSO)を使用した以外は
例9と同様にしてセルを作製し、例9と同様に評価し
た。結果を表2に示す。
【0058】[例12(実施例)]電解質としてLiN
(CFSO)(CSO)の代わりにLiN
(CFSOを使用した以外は例9と同様にして
セルを作製し、例9と同様に評価した。結果を表2に示
す。
【0059】[例13(実施例)]電解質としてLiN
(CFSO)(CSO)の代わりにLiN
(CSOを使用した以外は例9と同様にし
てセルを作製し、例9と同様に評価した。結果を表2に
示す。
【0060】[例14(比較例)]電解質として0.9
mol/LのLiN(CFSO)(C
)と0.1mol/LのLiClOの代わりに
1.0mol/LのLiN(CF SO)(C
SO)を使用した以外は例9と同様にしてセルを作製
し、例9と同様に評価した。結果を表2に示す。
【0061】[例15(比較例)]電解質としてLiN
(CFSO)(CSO)の代わりにLiN
(CFSO)(CSO)を使用した以外は
例14と同様にしてセルを作製し、例9と同様に評価し
た。結果を表2に示す。
【0062】[例16(比較例)]電解質としてLiN
(CFSO)(CSO)の代わりにLiN
(CFSO)(CSO)を使用した以外は
例14と同様にしてセルを作製し、例9と同様に評価し
た。結果を表2に示す。
【0063】[例17(比較例)]電解質としてLiN
(CFSO)(CSO)の代わりにLiB
を使用した以外は例14と同様にしてセルを作製
し、例9と同様に評価した。結果を表2に示す。
【0064】
【表2】
【0065】[例18(実施例)]LiCoOと導電
材としての黒鉛を、ポリフッ化ビニリデンをN−メチル
−2−ピロリドン(以下、NMPという)に溶解した溶
液に分散させて、これをアルミニウム製集電体(厚さ約
30μm)に塗布し乾燥して正極体を得た。正極体中の
LiCoO:黒鉛:ポリフッ化ビニリデンの質量比は
8:1:1であった。
【0066】次に、リチウムイオンを吸蔵、脱離しうる
炭素材料として、高結晶性黒鉛(大阪ガス社製、商品
名:MCMB6−28)を、ポリフッ化ビニリデンをN
MPに溶解した溶液に分散させて、銅製集電体(厚さ約
18μm)に塗布し乾燥して負極体を得た。負極体中の
高結晶性黒鉛:ポリフッ化ビニリデンの質量比は9:1
であった。
【0067】上述の方法で得られた面積10.0cm
の正極体(厚さ約60μm)と負極体(厚さ約40μ
m)とをポリプロピレン製のセパレータ(厚さ約20μ
m)を介して対向させ、0.9mol/LのLiN(C
SOと0.1mol/LのLiClO
エチレンカーボネート50体積%とエチルメチルカーボ
ネート50体積%の混合溶媒に溶解した有機溶媒系電解
液に充分な時間含浸させてアルミニウム製ラミネートパ
ックに封入し、密閉してリチウムイオン二次電池のセル
を得た。得られたセルの初期容量(mAh)を4.1V
から2.0Vまでの範囲で電流10mA(1.0mA/
cm)で測定した。その後、60℃雰囲気で4.1V
の電圧を印加し続け、500時間後に再び容量(mA
h)を測定した。その後、セルを分解し、セパレータに
含まれる有機溶媒系電解液1gあたりのアルミニウム溶
出量(μg)をICP発光分光分析法により測定した。
結果を表3に示す。
【0068】[例19(実施例)]例1と同様にして得
られた正極シートと同じものを、2枚のアルミニウム製
集電体にそれぞれ導電性接着剤で貼り付け、200℃で
15時間真空乾燥させて得られた電極体を正極体および
負極体とした。
【0069】上述の方法で得られた面積10.0cm
の正極体(厚さ約250μm)と負極体(厚さ約250
μm)とをポリプロピレン製のセパレータ(厚さ約80
μm)を介して対向させ、1.35mol/Lの(C
(CH)NN(C SOと0.1
mol/Lの(C(CH)NClOをプ
ロピレンカーボネート溶媒に溶解した有機溶媒系電解液
に充分な時間含浸させてアルミニウム製ラミネートパッ
クに封入し、密閉して電気二重層キャパシタのセルを得
た。このセルの初期容量(mAh)を2.5Vから1.
0Vまでの範囲で電流10mA(1.0mA/cm
で測定した。その後、60℃雰囲気で2.5Vの電圧を
印加し続け、500時間後に再び容量(mAh)を測定
した。その後、例15と同様にして、セパレータに含ま
れる有機溶媒系電解液1gあたりのアルミニウム溶出量
(μg)を測定した。結果を表3に示す。
【0070】[例20(比較例)]電解質として0.9
mol/LのLiN(CSOと0.1mo
l/LのLiClOの代わりに1.0mol/LのL
iN(CSOを使用した以外は例9と同様
にしてセルを作製し、初期容量、500時間後の容量お
よびアルミニウム溶出量を測定した。結果を表3に示
す。
【0071】[例21(比較例)]電解質として1.3
5mol/Lの(C(CH)NN(C
SOと0.1mol/Lの(C(C
)NClOの代わりに1.5mol/Lの(C
(CH)NN(CSOを使用し
た以外は例16と同様にしてセルを作製し、初期容量、
500時間後の容量およびアルミニウム溶出量を測定し
た。結果を表3に示す。
【0072】
【表3】
【0073】例18で得られたリチウムイオン二次電
池、例19で得られた電気二重層キャパシタは、それぞ
れ例20、例21と比較してアルミニウムの溶出が顕著
に抑制され、また、高温下で運転しても容量低下が少な
い。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、耐電圧が高く、充放電
容量が高く、急速充放電におけるサイクル信頼性に優れ
る二次電源が得られる。
【0075】また、本発明の有機溶媒系電解液は、アル
ミニウム製正極集電体を備えたリチウムイオン二次電池
や電気二重層キャパシタに使用しても集電体を腐食せ
ず、高電圧、高温で作動でき、しかも充放電サイクル信
頼性の高い有機溶媒系電解液である。さらに、室温以上
の温度、特に45℃以上で運転する場合のリチウムイオ
ン二次電池や電気二重層キャパシタに使用しても容量低
下が少なく、充放電サイクル信頼性に優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 4/66 H01G 9/00 301D Fターム(参考) 5H017 AA03 CC03 EE05 HH03 5H029 AJ03 AJ05 AJ13 AK02 AK03 AK08 AL06 AL07 AL08 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 DJ07 DJ09 EJ04 EJ12 HJ02 HJ10 5H050 AA03 AA07 AA08 AA18 BA17 CA02 CA07 CA08 CA09 CA16 CB07 CB08 CB09 DA08 DA13 EA10 EA24 HA02 HA10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】活性炭を主体とする正極と、リチウムイオ
    ンを吸蔵、脱離しうる炭素材料を主体とする負極と、リ
    チウム塩からなる電解質を含む有機溶媒系電解液とを有
    する二次電源において、前記リチウム塩がLiPF
    LiBF、LiN(CFSOおよびLiN
    (CSOからなる群より選ばれる1種以上
    と、LiClOと、を含むことを特徴とする二次電
    源。
  2. 【請求項2】前記リチウム塩は、LiClOと、Li
    N(CFSOおよび/またはLiN(C
    SOとの混合系である請求項1記載の二次電源。
  3. 【請求項3】前記リチウム塩は、LiClOと、Li
    N(CSOとの混合系である請求項1また
    は2記載の二次電源。
  4. 【請求項4】前記リチウム塩中、1〜40mol%がL
    iClOである請求項1〜3のいずれか記載の二次電
    源。
  5. 【請求項5】前記リチウム塩の前記有機溶媒系電解液中
    の濃度が0.5〜2mol/Lである請求項1〜4のい
    ずれか記載の二次電源。
  6. 【請求項6】正極の集電体がアルミニウムからなる請求
    項1〜5のいずれか記載の二次電源。
  7. 【請求項7】正極と集電体とを一体化してなる正極体
    と、負極と集電体とを一体化してなる負極体と、有機溶
    媒系電解液とを備えた充放電可能な電源において、前記
    正極の集電体がアルミニウムからなり、前記有機溶媒系
    電解液が電離によってClO を生成する電解質とN
    (CSO を生成する電解質とを含むこと
    を特徴とする充放電可能な電源。
  8. 【請求項8】前記有機溶媒系電解液において、全アニオ
    ン中、ClO の含有量が0.1〜40mol%であ
    り、N(CSO の含有量が60〜99.
    9mol%である請求項7記載の充放電可能な電源。
  9. 【請求項9】請求項7または8記載の充放電可能な電源
    であって、リチウム含有遷移金属酸化物を主体とする正
    極と、リチウムイオンを吸蔵、脱離しうる炭素材料を主
    体とする負極とを備えるリチウムイオン二次電池。
  10. 【請求項10】請求項7または8記載の充放電可能な電
    源であって、前記充放電可能な電源が、正負極ともに活
    性炭を主体とする分極性電極を備える電気二重層キャパ
    シタ。
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