JP2003208921A - 二次電源 - Google Patents

二次電源

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JP2003208921A
JP2003208921A JP2002202972A JP2002202972A JP2003208921A JP 2003208921 A JP2003208921 A JP 2003208921A JP 2002202972 A JP2002202972 A JP 2002202972A JP 2002202972 A JP2002202972 A JP 2002202972A JP 2003208921 A JP2003208921 A JP 2003208921A
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JP2002202972A
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Manabu Tsushima
学 對馬
Takeshi Morimoto
剛 森本
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Asahi Glass Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】耐電圧が高く、放電容量が大きく、急速充放電
におけるサイクル信頼性に優れる二次電源を提供する。 【解決手段】活性炭を主体とする正極と、リチウムイオ
ンを吸蔵、脱離しうる炭素材料を主体とする負極と、リ
チウム塩からなる電解質を含む有機溶媒系電解液とを有
する二次電源において、前記リチウム塩がLiN(SO
f1)(SO f2)(Rf1、Rf2はそれぞ
れ独立に炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基であ
り、Rf1=Rf2=CFではない)を含むことを特
徴とする二次電源。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐電圧が高く、放
電容量が大きく、急速充放電におけるサイクル信頼性に
優れる二次電源に関する。
【0002】
【従来の技術】有機溶媒系電解液を使用する充放電可能
な電源には、電気二重層キャパシタ、リチウムイオン二
次電池などがあり、また、電気二重層キャパシタの正極
とリチウムイオン二次電池の負極とを組み合せた二次電
源も知られている。
【0003】電気二重層キャパシタは、正極、負極とも
に活性炭を主体とする分極性電極を使用することに特徴
がある。電気二重層キャパシタの耐電圧は、水系電解液
を使用すると1.2V、有機溶媒系電解液を使用すると
2.5〜3.3Vである。電気二重層キャパシタの静電
エネルギは耐電圧の2乗に比例するので、耐電圧の高い
有機溶媒系電解液の方が水系電解液より高エネルギにで
きる。しかし、BF を含む有機溶媒系電解液を使用
した電気二重層キャパシタでもそのエネルギ密度は現
在、ハイブリッド電気自動車の電源として搭載されてい
るニッケル水素二次電池の1/10以下と低く、さらな
るエネルギの向上が必要とされている。
【0004】一方、リチウムイオン二次電池は、リチウ
ム含有遷移金属酸化物を主体とする正極と、リチウムイ
オンを吸蔵、脱離しうる炭素材料を主体とする負極と、
LiPFなどのリチウム塩を含む有機溶媒系電解液と
を備える。充電によりリチウムイオンが正極から脱離
し、負極の炭素材料へ吸蔵され、逆に、放電により負極
からリチウムイオンが脱離し、正極にリチウムイオンが
吸蔵される。したがって、本質的には電解液中のリチウ
ムイオンは電池の充放電に関与しない。
【0005】リチウムイオン二次電池は、電気二重層キ
ャパシタに比べて高電圧で作動でき、高容量という性質
を有するが、抵抗が高く、急速充放電サイクルによる寿
命が電気二重層キャパシタに比べ著しく短い問題があっ
た。
【0006】これに対し、正極に活性炭を用い、負極に
リチウムイオンを吸蔵、脱離しうる炭素材料を用いた二
次電源は、従来の正極、負極ともに活性炭を用いた電気
二重層キャパシタより高耐電圧かつ高エネルギにでき
る。特に、この二次電源において負極にリチウムイオン
吸蔵脱離電位の卑な黒鉛系炭素材料を用いると、より高
容量にできる。また、リチウムイオン二次電池のよう
に、正極活物質自体にリチウムイオンが吸蔵、脱離する
ことがなく、リチウムイオンの吸蔵、脱離にともなう正
極の劣化がないため充放電サイクル信頼性に優れてい
る。
【0007】例えば、特開昭64−14882には、活
性炭を主体とする電極を正極とし、X線回折による[0
02]面の面間隔が0.338〜0.356nmである
炭素材料にあらかじめリチウムイオンを吸蔵させた電極
を負極とする上限電圧3Vの二次電源が提案されてい
る。また、特開平8−107048には、リチウムイオ
ンを吸蔵、脱離しうる炭素材料にあらかじめ化学的方法
または電気化学的方法でリチウムイオンを吸蔵させた炭
素材料を負極に用いる電池が提案されている。特開平9
−55342には、リチウムイオンを吸蔵、脱離しうる
炭素材料をリチウムと合金を形成しない多孔質集電体に
担持させる負極を有する、上限電圧4Vの二次電源が提
案されている。
【0008】上述の二次電源においては、LiBF
LiPFを含む有機溶媒系電解液が用いられている
(特開昭64−14882)。LiBFは電気伝導性
が比較的低いため、高電流密度での放電において放電容
量が充分でないという問題がある。一方、LiPF
電気伝導性に優れ、高い耐電圧を有する反面、熱的に不
安定である。また、LiPFの電離によって生成する
PF は系内に微量でも水分が存在すると加水分解を
起こす結果、HFを生成し、これが正極および負極の活
物質ならびに集電体の劣化を引き起こし、容量低下およ
び自己放電の原因となる。さらに、この加水分解により
電解質濃度が低下するため、充放電サイクル信頼性が失
われるという問題がある。
【0009】この問題を解決するため、電離によってN
(SOCF を生成する電解質の使用が提案さ
れている(特開平8−107048)。前記電解質は熱
的に安定であり、上述した加水分解を極めて起こしにく
く、また、電気伝導性にも優れる。しかし、N(SO
CF は正極電位がある程度貴になると、正極集
電体の構成材料としてアルミニウムを用いた場合、アル
ミニウムを腐食する。特に、高温下で運転する場合、こ
の腐食が顕著にみられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】近年では、ハイブリッ
ド電気自動車の電源として、充放電可能な電源を搭載す
るにあたり、ユニットセルの直列積層個数をより少なく
することが要求される。そこで本発明は、より高電圧で
作動でき、高電流密度、特に電極面積あたりの電流密度
が20mA/cm以上、の放電電流においても充分な
放電容量を有し、かつ急速充放電におけるサイクル信頼
性に優れる二次電源の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、活性炭を主体
とする正極と、リチウムイオンを吸蔵、脱離しうる電極
材料を主体とする負極と、リチウム塩からなる電解質を
含む有機溶媒系電解液とを有する二次電源において、前
記リチウム塩がLiN(SOf1)(SO
f2)(Rf1、Rf2はそれぞれ独立に炭素数1
〜6のパーフルオロアルキル基であり、Rf1=Rf2
=CFではない)を含むことを特徴とする二次電源を
提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】本明細書では、正極と集電体とを
接合して一体化させたものを正極体という。負極体につ
いても同様の定義とする。また、本明細書では、活性炭
を主体とする正極と、リチウムイオンを吸蔵、脱離しう
る電極材料を主体とする負極と、リチウム塩からなる電
解質を含む有機溶媒系電解液とを有する、充放電可能な
電源を単に二次電源という。
【0013】本発明の二次電源(以下、本二次電源とい
う)は、活性炭を主体とする正極と、リチウムイオンを
吸蔵、脱離しうる電極材料を主体とする負極と、リチウ
ム塩からなる電解質を含む有機溶媒系電解液とを有する
二次電源において、リチウム塩としてLiN(SO
f1)(SOf2)(Rf1、Rf2はそれぞれ独
立に炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基であり、R
f1=Rf2=CFではない)を含むことを特徴とす
る。
【0014】本二次電源において、前記リチウム塩はL
iN(SOf1)(SO )(Rf1、R
f2はそれぞれ独立に炭素数1〜6のパーフルオロアル
キル基であり、Rf1=Rf2=CFではない)を含
む。前記リチウム塩は、Rf1、Rf2の炭素数が小さ
いほど電気伝導度が高く、一方、Rf1、Rf2の炭素
数が大きいほど、アルミニウム製正極集電体を腐食しに
くい傾向がある。なかでもRf1、Rf2の炭素数がと
もに2であるLiN(SOは電気伝導度
が高く、しかも集電体に使用されることの多いアルミニ
ウムを腐食しにくく電極体が劣化しにくいため好まし
い。また、Rf1、Rf2がそれぞれ独立に炭素数1〜
6の範囲内であれば、LiN(SO)(SO
)のようにRf1とRf2とが異なっていて
もよく、Rf1、Rf2は直鎖状でも分鎖状でもいずれ
でもよい。なかでも、Rf1とRf2とが異なるリチウ
ム塩としては、Rf1がCFであるLiN(SO
)(SO)、LiN(SOCF
(SO)およびLiN(SOCF)(S
)からなる群より選ばれる1種以上である
と、有機溶媒への溶解性や電気伝導度の点から好まし
い。
【0015】なお、Rf1、Rf2がともにCFであ
るLiN(SOCFを、正極にアルミニウム製
集電体を備えた二次電源に用いた場合、前記集電体を腐
食するという問題があり、特に室温を超える温度、特に
45℃以上において、4.0Vを超える高電圧下の運転
時にはこの傾向が顕著である。そのため、本二次電源に
おけるリチウム塩の方がLiN(SOCFより
好ましい。
【0016】また、本二次電源におけるリチウム塩のほ
かにさらにLiClOを含むと、アルミニウム製正極
集電体の腐食をさらに抑制できるため好ましい。詳細な
メカニズムは不明であるが、LiN(SOf1
(SOf2)が系内に存在する水分により加水分解
を起こしにくいことと、LiClOの電離によって生
成するClO が正極で酸化分解して安定な酸化被膜
を形成するためと推測される。
【0017】本二次電源において、電解液に溶解してい
るイオンが充放電に関与するため、リチウム塩の濃度は
有機溶媒系電解液中0.5〜2.0mol/Lである
と、高電気伝導度の有機溶媒系電解液が得られるため好
ましい。0.5mol/L未満であるとイオンが少ない
ため電気伝導度が低くなりすぎるおそれがあり、一方、
2.0mol/Lを超えると有機溶媒系電解液の粘度が
高くなりすぎるおそれがある。前記リチウム塩の濃度が
0.75〜1.5mol/Lであるとさらに好ましい。
【0018】本二次電源において、有機溶媒系電解液の
溶媒としてはエチレンカーボネート、プロピレンカーボ
ネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネー
ト、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、スルホランまたはジメトキシエタンなどが挙げられ
る。前記有機溶媒系電解液の溶媒がエチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネート、エチルメチルカーボネー
ト、ジメチルカーボネートおよびジエチルカーボネート
からなる群から選ばれる1種以上であるとさらに好まし
い。
【0019】本二次電源において、正極は活性炭を主体
とするものである。活性炭としては、やしがらなどの天
然植物組織、フェノールなどの合成樹脂、石炭、コーク
ス、ピッチなどの化石燃料由来のものを原料とし、これ
を賦活処理して使用するのが好ましい。活性炭の賦活方
法としては、用いる原料により異なるが、通常、水蒸気
賦活法やKOH賦活法などのアルカリ賦活法がある。本
発明においては、水蒸気賦活法やアルカリ賦活法のいず
れも好適に使用される。
【0020】正極は活性炭以外に通常、形状付与材とし
てバインダを含む。バインダとしてはポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミドイミ
ド、ポリイミドなどが好ましく用いられる。バインダの
含有量は、正極中1〜20質量%であると正極体の強度
と特性とのバランスの点で好ましい。さらに、正極は導
電性を高めるため導電性物質を含むものであると好まし
い。導電性物質としてはカーボンブラックなどが挙げら
れる。導電性物質の正極中での含有量は0.1〜20質
量%であると高容量かつ高導電性の正極が得られるため
好ましい。
【0021】また、正極にリチウム含有遷移金属酸化物
が含まれると、負極から脱離できないリチウムイオンに
よる電解液中のリチウムイオンの低減を補うことがで
き、特性劣化を防止できるため好ましい。この場合、リ
チウム含有遷移金属酸化物の含有量としては、正極中に
0.1〜20質量%であると好ましい。含有量が0.1
質量%未満であるとリチウム含有遷移金属酸化物の添加
の効果が得られず、一方、20質量%を超えると活性炭
電極の特徴である高出力や高信頼性を損なうおそれがあ
る。上記含有量は3〜15質量%であるとさらに好まし
い。
【0022】このようなリチウム含有遷移金属酸化物と
しては、V、Mn、Fe、Co、Ni、ZnおよびWか
らなる群から選ばれる1種以上の遷移金属とリチウムと
の複合酸化物が好ましい。特に好ましいのは、Mn、C
oおよびNiからなる群より選ばれる1種以上とリチウ
ムとの複合酸化物であり、さらに好ましいのはLi
Ni(1−y)またはLiMn(ただ
し、0<x<2、0≦y≦1、0<z<2)である。
【0023】正極体の作製方法としては、例えば活性炭
粉末にバインダとしてポリテトラフルオロエチレンを混
合し、混練した後シート状に成形して正極とし、これを
集電体に導電性接着剤を用いて固定する方法がある。ま
た、バインダとしてポリフッ化ビニリデン、ポリアミド
イミド、ポリイミドなどを溶解したワニスに活性炭粉末
を分散させ、この液をドクターブレード法などによって
集電体上に塗工し、乾燥して得てもよい。
【0024】本二次電源において、負極はリチウムイオ
ンを吸蔵、脱離しうる電極材料を主体とするものであ
る。このような電極材料としては、特に制限されない
が、炭素材料またはチタン酸リチウムなどが好ましく挙
げられる。
【0025】リチウムイオンを吸蔵、脱離しうる炭素材
料としては、リチウムイオンが吸蔵されることにより層
間化合物となるものであるとよく、天然黒鉛、人造黒
鉛、石油コークス、メソフェーズピッチ系炭素材料、難
黒鉛性炭素材料、または黒鉛系材料と黒鉛性炭素材料と
の複合材料並びに混合材料などが使用できる。しかし、
活性炭は一般にリチウムイオンを吸蔵、脱離しうる炭素
材料に該当しない。前記炭素材料は、X線回折による
[002]面の面間隔が0.335〜0.410nmで
あると高容量の負極とできるため好ましい。
【0026】特に、前記面間隔が0.335〜0.33
8nmであると、リチウムイオンの脱離時の電位を卑に
でき、高容量の負極とできるため好ましく、また、前記
面間隔が0.354〜0.395nmであると黒鉛の理
論容量(372mAh/g)以上のリチウム吸蔵能を有
するため、より高容量の負極とでき好ましい。さらに、
前記炭素材料の比表面積は0.5〜20m/gである
と好ましい。比表面積が20m/gを超えると、電解
液の分解によって炭素材料表面に形成されるSEI(S
olid Electrolyte Interfac
e)被膜の形成に使用される電荷が多くなりすぎ、クー
ロン効率が低下するおそれがある。
【0027】負極も正極と同様に、形状付与材として通
常バインダを含む。バインダとしては、正極に使用でき
るものと同様のものが好ましく使用される。負極全質量
中のバインダ量は1〜20%であると好適である。負極
に黒鉛のような導電性の高い炭素材料を使用した場合
は、正極のように導電性材料を添加しても導電性の向上
はあまりないが、必要に応じて適宜添加してもよい。
【0028】負極体の作製方法としては、正極体の作製
方法と同様に、例えば黒鉛系材料とバインダとしてポリ
テトラフルオロエチレンとを混練後、シート状に成形
し、導電性接着剤を用いて集電体に固定する方法があ
る。また、バインダとして、ポリフッ化ビニリデン、ポ
リアミドイミド、ポリイミド、ポリアミドイミドの前駆
体またはポリイミドの前駆体、を溶解させた有機溶媒に
前記炭素材料を分散させ、集電体に塗工し、乾燥、熱処
理させて得る方法もある。負極体の作製方法としては、
いずれの方法でも好ましい。
【0029】ここで、ポリアミドイミドの前駆体または
ポリイミドの前駆体とは、加熱することにより重合して
それぞれポリアミドイミドまたはポリイミドとなるもの
をいう。なお、ポリアミドイミドまたはポリイミドをバ
インダとすると有機溶媒系電解液に対する耐性があり、
また電極から水分を除去するために300℃程度の高温
加熱または減圧下の加熱をしても充分耐性がある。
【0030】塗工により集電体上に負極を形成する方法
において、バインダまたはその前駆体を溶解させる溶媒
は限定されないが、溶解性が良好で、入手も容易である
ことからN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと
いう)が好ましい。上述の過熱温度が200℃以上であ
ると、バインダとして前駆体を用いた場合、重合できる
ため好ましい。加熱処理は窒素、アルゴンなどの不活性
雰囲気または133Pa以下の減圧下が好ましい。
【0031】
【実施例】本発明を実施例(例1、例4〜10)および
比較例(例2、例3、例11)によりさらに具体的に説
明するが、本発明はこれらにより限定されない。なお、
例1〜11におけるセルの作製はすべて露点が−60℃
以下のアルゴングローブボックス中で行った。
【0032】[例1(実施例)]コークスを原料として
溶融KOH賦活法によって得られた比表面積900m
/gの活性炭70質量%、導電性カーボンブラック20
質量%、およびバインダとしてのポリテトラフルオロエ
チレン10質量%からなる混合物をエタノールを加えて
混練し、圧延した後、200℃で2時間真空乾燥して正
極シート(厚さ約100μm)を得た。該正極シートを
アルミニウム製集電体(厚さ約100μm)に導電性接
着剤で貼り付け、200℃で15時間真空乾燥させて正
極体を得た。
【0033】次に、リチウムイオンを吸蔵、脱離しうる
炭素材料として、X線回折による[002]面の面間隔
0.378nmで、粒子直径19μmの非晶質炭素を使
用し、これに導電材として黒鉛化した気相成長炭素を加
え、ポリフッ化ビニリデン(バインダ)を溶解させたN
MPに分散させた。この分散液を銅製集電体(厚さ約1
8μm)に塗布し乾燥して負極体を得た。負極体中の非
晶質炭素:黒鉛化した気相成長炭素:ポリフッ化ビニリ
デンの質量比は7:1:2であった。この負極体をさら
にロールプレス機でプレスした。
【0034】上述の方法で得られた面積9.6cm
正極体(厚さ約200μm)と負極体(厚さ約40μ
m)とをポリプロピレン製セパレータ(厚さ約80μ
m)を介して対向させ、1mol/LのLiN(SO
をエチレンカーボネート50体積%とエチ
ルメチルカーボネート50体積%の混合溶媒に溶解した
有機溶媒系電解液に充分な時間含浸させてアルミニウム
製のラミネートパックに封入し、密閉して本二次電源の
セルを作製した。得られたセルの初期容量を4.2Vか
ら2.75Vまでの電圧範囲で電流192mA(20m
A/cm)と288mA(30mA/cm)で測定
した。結果を表1に示す。なお、表1において、放電電
流192mAでの容量(mAh)を容量1と、放電電流
288mAでの容量(mAh)を容量2と、それぞれ略
記する。その後、45℃雰囲気で4.2Vから2.75
Vまでの電圧範囲で、充放電電流192mAで500サ
イクルの充放電サイクル試験を行い、初期容量に対する
サイクル試験後の容量減少率(%)を算出した。結果を
表1に示す。
【0035】[例2(比較例)]電解質としてLiN
(SOの代わりにLiBFを使用した
以外は例1と同様にしてセルを作製し、例1と同様に評
価した。結果を表1に示す。
【0036】[例3(比較例)]電解質としてLiN
(SOの代わりにLiN(SO
を使用した以外は例1と同様にしてセルを作製
し、例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】[例4(実施例)]例1と同様にして得ら
れた面積10.0cmの正極体(厚さ約200μm)
と負極体(厚さ約40μm)とをポリプロピレン製セパ
レータ(厚さ約80μm)を介して対向させ、0.9m
ol/LのLiN(SOCF)(SO
と0.1mol/LのLiClOとをエチレンカーボ
ネート50体積%とエチルメチルカーボネート50体積
%の混合溶媒に溶解した有機電解液に充分な時間含浸さ
せてアルミニウム製のラミネートパックに封入し、密閉
して本二次電源のセルを作製した。得られたセルの初期
容量(mAh)を4.0Vから2.0Vまでの電圧範囲
で充放電電流100mA(10mA/cm)で測定し
た。その後、45℃雰囲気で4.0Vから2.0Vまで
の電圧範囲で、充放電電流100mAで1000サイク
ルの充放電サイクル試験を行い、初期容量に対するサイ
クル試験後の容量減少率(%)を算出した。結果を表2
に示す。
【0039】[例5(実施例)]電解質としてLiN
(SOCF)(SO)の代わりにLiN
(SOCF)(SO)を使用した以外は
例4と同様にしてセルを作製し、例4と同様に評価し
た。結果を表2に示す。
【0040】[例6(実施例)]電解質としてLiN
(SOCF)(SO)の代わりにLiN
(SOCF)(SO)を使用した以外は
例4と同様にしてセルを作製し、例4と同様に評価し
た。結果を表2に示す。
【0041】[例7(実施例)]電解質として0.9m
ol/LのLiN(SOCF)(SO
と0.1mol/LのLiClOの混合系の代わりに
1.0mol/LのLiN(SOCF)(SO
)を使用した以外は例4と同様にしてセルを作製
し、例4と同様に評価した。結果を表2に示す。
【0042】[例8(実施例)]電解質としてLiN
(SOCF)(SO)の代わりにLiN
(SOCF)(SO)を使用した以外は
例7と同様にしてセルを作製し、例4と同様に評価し
た。結果を表2に示す。
【0043】[例9(実施例)]電解質としてLiN
(SOCF)(SO)の代わりにLiN
(SOCF)(SO)を使用した以外は
例7と同様にしてセルを作製し、例4と同様に評価し
た。結果を表2に示す。
【0044】[例10(実施例)]負極の電極材料とし
て、炭素材料の代わりにチタン酸リチウム(LiTi
12)を使用した以外は例4と同様にしてセルを作
製した。電圧範囲を2.8Vから1.5Vまでとした以
外は例4と同様に評価した。結果を表2に示す。
【0045】[例11(比較例)]電解質としてLiN
(SOCF)(SO)の代わりにLiB
を使用した以外は例7と同様にしてセルを作製し、
例4と同様に評価した。結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、耐電圧が高く、高い電
流密度での放電電流において放電容量が大きく、充放電
サイクル信頼性にも優れる二次電源が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H029 AJ03 AJ05 AK08 AL07 AM03 AM07 BJ04 BJ12 DJ13 DJ17 HJ02 HJ10 HJ13 5H050 AA02 AA07 BA15 CA16 CB08 FA02 FA13 FA19 HA02 HA10 HA13

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】活性炭を主体とする正極と、リチウムイオ
    ンを吸蔵、脱離しうる電極材料を主体とする負極と、リ
    チウム塩からなる電解質を含む有機溶媒系電解液とを有
    する二次電源において、前記リチウム塩がLiN(SO
    f1)(SOf2)(Rf1、Rf2はそれぞ
    れ独立に炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基であ
    り、Rf1=Rf2=CFではない)を含むことを特
    徴とする二次電源。
  2. 【請求項2】LiN(SOf1)(SOf2
    がLiN(SOである請求項1記載の二
    次電源。
  3. 【請求項3】前記リチウム塩の前記有機溶媒系電解液中
    の濃度が0.5〜2.0mol/Lである請求項1また
    は2記載の二次電源。
  4. 【請求項4】前記有機溶媒系電解液の溶媒がエチレンカ
    ーボネート、プロピレンカーボネート、エチルメチルカ
    ーボネート、ジメチルカーボネートおよびジエチルカー
    ボネートからなる群から選ばれる1種以上である請求項
    1、2または3記載の二次電源。
  5. 【請求項5】前記電極材料が炭素材料である請求項1〜
    4のいずれか記載の二次電源。
  6. 【請求項6】前記炭素材料は、X線回折による[00
    2]面の面間隔が0.335〜0.410nmである請
    求項1〜5のいずれか記載の二次電源。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005228730A (ja) * 2004-01-15 2005-08-25 Asahi Kasei Electronics Co Ltd 非水系リチウム型蓄電素子
JP2008047853A (ja) * 2006-07-21 2008-02-28 Sony Corp キャパシタ
JP2010080325A (ja) * 2008-09-26 2010-04-08 Asahi Kasei Corp 非水系リチウム型蓄電素子及びその製造方法

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