JP2003207188A - 冷凍空気調和装置およびその運転制御方法 - Google Patents
冷凍空気調和装置およびその運転制御方法Info
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Abstract
常停止しない冷凍空気調和装置に関するものである。 【解決手段】 本体1の吸込口3に、ダニ、花粉、バク
テリアなどを捕捉する網目構造を有する0.3ミクロン
以上の微粒子を99.97%捕捉できるHEPAフィル
ター2が設置される。そのフィルター2の風下側に吸込
側の空気温度を検知する温度センサー4を配置し、かつ
フィルター2を通じて吸込口3から吸い込まれる空気を
送風機6の吸込側へ案内するガイド手段5を設けた。そ
して、送風機6の吹出側の空気を熱交換する熱交換器7
を設け、熱交換された空気を部屋へ吹き出すために本体
1の所定位置に吹出口8を形成した。
Description
する空気調和装置や冷蔵倉庫内を冷却する冷凍機などの
冷凍空気調和装置に関するものである。
の目詰まり状態を検知する方法として、図10に示すよ
うに新しいフィルターをその装置へ装着或いはフィルタ
ーの清掃作業を行なって装着した時点からの運転の累積
時間が設定時間t1を超えた場合に、フィルターが目詰
まりを起こしたと判断する。そして、フィルターの目詰
まりサインを、例えばLEDなどの表示器を点滅或いは
点灯させて行なっている。また、その他の例として特開
平08−132854号公報に開示される送風機の差圧
を検出したり、特開平08−285348号公報に開示
される送風機を駆動するモータの回転数を検出するなど
してフィルターの目詰まり状態を推測することが挙げら
れる。また、機器の故障診断を行なう方法としては後述
のマハラノビスの距離を使用した特開2000−259
222号公報などが知られている。
置は、前述のように装置の運転の累積時間が設定時間t
1を超えた場合に、フィルターの目詰まりを報知するよ
うに構成していた。しかしながら、環境の良い条件下で
はフィルターに付着するゴミ量が比較的少ないために、
フィルターが目詰まりを起こしていないのに運転の累積
時間が設定時間t1を超えたために、目詰まりサインを
表示してしまう。このために、フィルターのメンテンナ
ンス作業、かつその費用が無駄になるという問題点を有
していた。
付着するゴミ量が比較的多いために、運転の累積時間が
設定時間t1を超えない時点で、即ちフィルターの目詰
まりの報知が行なわれない時点で目詰まりを起こしてし
まう。このために、空気調和装置として吸込風量が減る
ので規定の暖房能力や冷房能力を発揮することが出来
ず、部屋が温まり難い或いは冷え難いという問題点を有
していた。
検知できないため、例えば目詰まりが激しい状況で装置
が運転動作を行なうことにより、装置が異常停止すると
いう問題点を有していた。
るためになされたもので、フィルターの目詰まり状態を
正確に推測してフィルターのメンテナンス作業を使用者
或いは業者に対して実行させることにより、常に所定の
吸込風量を確保して規定の暖房能力や冷房能力を維持で
きる冷凍空気調和装置を得ることを目的とする。また、
目詰まりが激しい場合に冷凍空気調和装置が異常停止し
てしまうのを防止することを目的としている。
装置は、流路内にフィルター、熱交換器、モータで駆動
される送風機或いはポンプを備えた冷凍空気調和装置に
おいて、送風機或いはポンプの回転数、流量、流速、前
記モータに印加する電圧、通電電流、供給電力、送風機
或いはポンプの吸込側流路の何れかの位置と吹出側流路
の何れかの位置との差圧、電源電圧、インバータ母線電
圧から少なくとも1つの状態量、および吸込側の温度、
吹出側の温度、熱交換器の内部を流通し冷熱或いは温熱
を輸送する媒体の温度、熱交換器の配管温度から少なく
とも一つの状態量を検出する状態量検出手段を設け、こ
の状態量検出手段により検出される二つ以上の状態量を
演算して複合変数を求める演算手段を設け、この演算手
段で求めた複合変数からフィルターの目詰まり状態を判
断する判断手段を設けるようにしたものである。
れる送風機或いはポンプとを備えた冷凍空気調和装置に
おいて、送風機或いはポンプの回転数、流量、流速、前
記モータに印加する電圧、通電電流、供給電力、送風機
或いはポンプの吸込側流路の何れかの位置と吹出側流路
の何れかの位置との差圧、電源電圧、インバータ母線電
圧から少なくとも1つの状態量、および吸込側の温度、
吹出側の温度、熱交換器の内部を流通し冷熱或いは温熱
を輸送する媒体の温度、熱交換器の配管温度から少なく
とも一つの状態量を検出する状態量検出手段を設け、こ
の状態量検出手段により検出される二つ以上の状態量を
演算して複合変数を求める演算手段を設け、この演算手
段で求めた複合変数から熱交換器の目詰まり状態を判断
する判断手段を設けるようにしたものである。
状態と予め設定される目詰まり限界量とを比較する比較
手段を設けるようにしたものである。
変化するようにしたものである。
手段による比較結果を出力する出力手段を設けるように
したものである。
にしたものである。
視手段に接続するようにしたものである。
る送風機或いはポンプの運転時における送風機或いはポ
ンプの吸込側流路の何れかの位置と吹出側流路の何れか
の位置との差圧、流量、流速、前記モータへの供給電
力、前記送風機或いはポンプの回転数の少なくとも1つ
の状態量、および吸込側の温度、吹出側の温度の何れか
1つの状態量を検出し、検出された複数の状態量を演算
して相互的に関連付ける複合変数量を求め、この複合変
数量と予め設定された流路構成における送風機或いはポ
ンプの運転時の複合変数量とを比較し、流路内の流通状
態を判断するようにしたものである。
び偏差の処理によって基準化し、この基準化された各々
の値を相互的に関連付けるように演算して複合変数量を
求めるようにしたものである。
変数量が、予め設定された流路構成における複合変数量
の数倍以上に達した場合に、流通状態は異常であると判
断するようにしたものである。
における冷凍空気調和装置の実施の形態1示す構成図で
ある。図1において、1は本体、2は本体1の吸込口3
に設置されるフィルターであって、塵埃、カビ、ダニ、
花粉、バクテリアなどを捕捉する網目構造を有してい
る。そして、例えばこのフィルター2は0.3ミクロン
以上の微粒子を99.97%捕捉できるHEPAフィル
ターから成る。4はフィルター2の風下側に配置される
吸込側の空気温度を検知する温度センサー、5はフィル
ター2を通じて吸込口3から吸い込まれる空気を送風機
6の吸込側(図中のA)へ案内するガイド手段、7は送
風機6の吹出側(図中のB)の空気を熱交換する熱交換
器、8は熱交換器7で熱交換された空気を部屋へ吹き出
すために必要な本体1の所定位置に形成する吹出口であ
る。なお、温度センサー4はフィルター2の風下側の位
置に配置させる他に、送風機6の吹出側、熱交換器7の
入口側、熱交換器7の出口側の何れかの位置に配置する
ようにしても良い。
の動作について、図1に示す構成図を併用して説明す
る。装置の運転動作を開始すると、送風機6の誘引作用
により吸込口3から吸い込まれた空気はフィルター2を
通じて熱交換器7へ送り込まれる。そして、その空気は
熱交換器7により暖房運転時は加熱され、冷房運転時は
冷却される。この後で、熱交換された空気は吹出口8か
ら部屋へ吹き出される。このような暖房運転或いは冷房
運転の過程で、吸込口3から吸い込まれる空気中に含ま
れる塵埃、カビ、ダニ、花粉、バクテリアなどがフィル
ター4で捕捉される。このために、吹出口8から吹き出
される空気は清浄度が高くなり、これに応じてフィルタ
ー2の塵埃などの付着量が増大し、フィルター2の目詰
まり状態が進行していく。
送風機6の動作について、図2に示す送風機6の前後差
圧Pと風量Qとの関係図を併用して説明する。一般的
に、風路を遮る量が少ない場合には送風機6の前後差圧
Pが小さく、かつ風量Qが大きくなる。また、その風路
を遮る量が多い場合には前後差圧Pが大きく、かつ風量
Qが小さくなる性質を有する。したがって、風路内に存
在するフィルター2の目詰まり量が少ないときは、送風
機6は前後差圧がP1、風量がQ1の点で動作し、その
風量や風速が大きくなる。一方、フィルター2の目詰ま
り量が多いときは、送風機6は前後差圧がP2、風量が
Q2の点に移行して動作し、(Q1>Q2 、P1<
P2)、その風量や風速が小さくなる。このときに、送
風機6のモータに印加する電圧を一定とした場合に、フ
イルター2の目詰まり量が多くなると風量が低下するの
で、送風機6の空気押出し量即ち仕事量が減る。これに
より、仕事量を一定にしようとして送風機6が駆動する
ので、回転数が上昇することになる。
或いは低温の冷媒などの媒体と、その周囲に接触する空
気とが熱交換されることで、空気が暖められたり冷やさ
れたりする。したがって、送風機6の風量が低下した場
合に熱交換器7の内部を流れている媒体との熱交換量が
低下し、空気に対しての冷暖房能力が低下する。また、
熱交換器7は例えば圧縮機、他の熱交換器と接続されて
冷凍サイクルを構成している。このために、熱交換器7
における熱交換能力が低下し過ぎるとその影響が冷凍サ
イクル全体に及び圧縮機の吐出温度が高くなり過ぎるの
を防止する吐出温度の保護機能やその他の保護機能が作
動することで、冷凍空気調和装置が異常停止してしまう
場合がある。
ではフィルター2の目詰まり量が限界値以上に至らない
ように、例えばLEDなどを点滅或いは点灯してフィル
ター2の目詰まりサインを表示し、フィルター2の清掃
作業を促すようにしている。
或いはその量を推測することは実際上では非常に困難で
ある。一般的に、装置の運転累積時間が所定時間を経過
した場合にフィルター2の目詰まり量が限界値に達した
と判断し、フィルター2の目詰まりサインを表示してい
る。この場合において、フィルター2の目詰まり量は使
用環境によって変わるので、例えば実際上において目詰
まりを起こしていないのにフィルター2を清掃するなど
して非常に手間がかかったり、前述のように目詰まりし
過ぎて装置が異常停止する恐れがある。このように、フ
ィルター2の目詰まり量を検知或いは推測することは非
常に重要なことである。
ついて、図3に示す送風機6の前後差圧Pと風量Qとの
関係図を併用して説明する。一般的に、空気の温度が低
い場合にその比重が大きくなり、空気の温度が高い場合
にその比重が小さくなるために、送風機1のモータに印
加される電圧が一定であっても、空気温度に応じて送風
機6の動作時における前後差圧Pと風量Qとの特性が変
化する。なお、送風機6の風量や風速は前述の要因以外
に、モータへの印加電圧、電源電圧、インバータ母線電
圧の大きさによっても変化する。
前後差圧,風量,風速,回転数は、フィルター2の目詰
まり量,空気温度,印加電圧,電源電圧、インバータ母
線電圧などの複数の要因の相互作用で決定される。これ
により、これらの要因の何れか1つの状態量を検出した
場合では、フィルター2の目詰まり量を正確に推測する
ことは困難である。したがって、複数の要因の状態量を
検出してフィルター2の目詰まり量を推測する必要があ
る。しかし、前述の空気温度は設定温度との差がある場
合に連続的に無段階で変化し、かつ回転数、印加電圧な
どはフィルター2の目詰まりがある場合に連続的に無段
階で変化する。このために、複数の状態量を検知してフ
ィルター2の目詰まり量を推測する際に、それらの状態
量を特別な加工処理する必要がある。なお、前述の状態
量の一つである空気温度以外に、熱交換器7の内部を流
れる媒体温度或いは熱交換器7の配管温度の何れかを状
態量としても良い。
について説明する。複数の状態量を処理する方法の一例
として、一般周知である”マハラノビスの距離”が挙げ
られる。”マハラノビスの距離”とは、1992年10
月26日に東京図書株式会社から発行された「すぐわか
る多変量解析」に記載があり、多変量解析の分野で使わ
れている手法である。ここでは、例えば送風機6の回転
数のみを検出することを考えてみる。送風機6の回転数
はフィルター2の目詰まり量によって変化するが、前述
のように吸込側の空気温度によっても変化する。したが
って、送風機6の回転数のみではフィルター2の目詰ま
り量は推測できない。
のみを検出することを考えてみる。送風機6の回転数は
印加電圧の大きさで変化する。そして、フィルター2の
目詰まり量が多くなると印加電圧を一定にした場合に送
風機6の回転数が上昇する。このために、その回転数を
一定にする場合には印加電圧を低下させる必要があり、
この状態を捉えてフィルター2の目詰まりを把握するこ
とが考えられる。しかし、送風機6の回転数は前述のよ
うに吸込側の空気温度によっても変化するので、印加電
圧のみではフィルター2の目詰まり量は推測できない。
を考えてみる。送風機6の回転数は電源電圧が安定状態
であれば一定であり、フィルター2の目詰まり量が多く
なった場合でも電源電圧は変化しない。電源電圧は他の
家電機器の使用状況などによって変動し、その時点に送
風機6の回転数が変化するものである。したがって、電
源電圧のみではフィルター2の目詰まり量は推測できな
い。
の目詰まり量、吸込側の空気温度、モータの印加電圧、
電源電圧などの状態量で決定されるので、これらの状態
量の相互関係を定量化すればフィルター2の目詰まり量
を推測できる。
なフィルター2の目詰まり量の推測方法について説明す
る。送風機6の回転数をX1、吸込側の空気温度を
X2、モータの印加電圧をX3、電源電圧をX4として
フィルター2の目詰まり量を零の状態で、X2〜X4を
変化させる。つまり、合計n個(2以上)の組合わせパ
ターンを作り、それぞれのパターンにおけるX1〜X4
を検出する。そして、X1〜X4の検出値を基準データ
とし、X1〜X4のそれぞれの平均値miおよび標準偏
差σi(基準データのバラツキ度合い)を、下記の
(1)式と(2)式により求める。なお、iは項目数
(パラメータの数)であって、ここでは1〜4に設定し
てX1〜X4に対応する値を示す。
iを用いて元のX1〜X4を、下記の(3)式によって
x1〜x4に変換するという基準化を行なう。なお、下記
の(3)式においてjは1〜nまでの何れかの値をと
り、n個の各測定値に対応するものである。
Rおよび相関行列の逆行列R−1を、下記の(4)式で
定義付ける。なお、下記の(4)式においてkは項目数
(パラメータの数)であり、ここでは4とする。また、
iやpは各項目での値を示し、ここでは1〜4の値をと
る。
の距離を下記の(5)式に基づいて求める。なお、
(5)式においてjは1〜nまでの何れかの値をとり、
n個の各測定値に対応するものである。また、kは項目
数(パラメータの数)であり、ここでは4とする。ま
た、a11〜akkは上記の(4)式の相関行列の逆行
列の係数であり、マハラノビスの距離は基準データ即ち
フィルター2の目詰まり量が零のときは約1になる。
ときの送風機6の回転数X1、吸込側の空気温度X2、
印加電圧X3、電源電圧X4を検出し、上記の(3)式
および(5)式にX1〜X4の検出値を代入してフィル
ター2の目詰まり状態でのマハラノビスの距離を求め
る。なお、このときは相関行列の逆行列は基準となるフ
ィルター2の目詰まり量が零の状態で求めたものを用い
る。このようにして、フィルター2の目詰まり量を順次
変化させてフィルター2の目詰まり量、送風機6の回転
数X1、吸込側の空気温度X2、モータの印加電圧
X3、電源電圧X4、マハラノビスの距離の関係を求め
る。つまり、マハラノビスの距離とフィルター2の目詰
まり量との関係を対応付けておく。マハラノビスの距離
は、基準状態から離れるに応じて大きくなる性質を有す
る。
状態を基準状態とすれば、フィルター2の目詰まり量が
多くなるに応じてマハラノビスの距離が大きくなってい
く。これにより、判断したいフィルター2の目詰まり量
に対応するマハラノビスの距離を実験データを用いてこ
れを演算して割り出し、これを閾値として記憶してお
く。以上のような一連の演算を行なってマハラノビスの
距離を求める工程をオフラインで実行、即ち使用者がパ
ソコンなどを使用してその距離を求める行為を実行す
る。
て、図4と図5を併用して説明する。図4は、例えば送
風機6の回転数X1、吸込側の空気温度X2、印加電圧
X3などの三つ以上のパラメータに対するマハラノビス
の距離を求めた場合の特性図である。図4において、フ
ィルター2の目詰まり量が零のときの基準状態における
各検出データは所定の範囲内(図中のA)に収まり、こ
れを基準データ群と呼ぶものとする。そして、この基準
データ群に判断すべき各検出データが存在するかどうか
即ちフィルター2が目詰まりを起こしているかどうか
を、マハラノビスの距離によって判断するものである。
現率の関係を図示したものである。図5において、パラ
メータが幾つの場合においても演算したマハラノビスの
距離が、基準データ群に対してどういう位置関係に存在
するかを判断し、フィルター2の目詰まり状態を確認で
きる。なお、基準データ群においてはマハラノビスの距
離は平均値が約1となり、バラツキを考慮した場合でも
4以下となる。
知する検知手段および吸込側の空気温度を検知する検知
手段を具備し、これらの検知手段の検出値を前記の
(3)式と(5)式で演算処理し、マハラノビスの距離
を求める。これにより、フィルター2の目詰まり量とマ
ハラノビスの距離の大きさの関係が定量化され、マハラ
ノビスの距離の大きさに基づいてフィルター2の目詰ま
り量を推測することができる。そして、図6に示すよう
にマハラノビスの距離が予め設定される閾値を超えた場
合に、フィルター2が目詰まりを起こしたと判断し、例
えばLEDなどを点滅或いは点灯させて目詰まり状態を
表示することが提案される。また、その他の例として目
詰まり状態の出力信号を有線或いは無線で遠隔監視手段
へ送り出し、その状態を監視センターで集中管理するこ
とができる。
状態即ちフィルター2が目詰まりを起こしていな状態で
は4以下の値になる。したがって、この値を超えた場合
には異常状態と判断する。しかし、フィルター2が多少
の目詰まりを起した状態では空気調和装置の運転動作に
殆ど支障がなく、フィルター2の目詰まりを頻繁に表示
した場合にはメンテナンス回数が増えて無駄な作業が多
くなる。こうしたことより、マハラノビスの距離と目詰
まり状態との関係を明確化しておき、例えば閾値は4よ
りも大きい適切な値50の値に設定することが必要であ
る。なお、マハラノビスの距離50という値は、前述で
説明したフィルター2の目詰まり状態が激しく、装置の
異常停止するのを防止できる距離値である。
用いたフィルター2の目詰まり状態の検知方法につい
て、図7に示す制御回路ブロック図および図8に示すフ
ローチャート図の流れに沿って説明する。図7におい
て、9は回転数、流速、流量、差圧、電圧、電流などか
ら成る状態量A、10は吸込温度、吹出温度、熱交換器
配管温度などから状態量Bであって、これらの状態量が
演算手段11に入力される。そして、判断手段12は演
算手段11により求められた複合変数と、予め設定され
た複合変数閾値或いは前時刻での複合変数13などを比
較し、フイルター2の目詰まり状態を出力手段14に出
力する。なお、判断手段12は演算手段11で求めた単
位時間当たりの複合変数の変化量即ち微分値に基づい
て、フイルター2の目詰まり状態を出力手段14に出力
するように構成しても良い。次に、出力手段14は目詰
まり状態の出力信号を例えばLEDなどの表示手段15
或いは遠隔監視手段16に送り出す。
均値、標準偏差、相関行列の逆行列、項目数をセットし
(ステップST1)、この後でマハラノビスの距離の閾
値D maxをセットする(ST2)。そして、回転数、
吸込側の空気温度、印加電圧、電源電圧を検出し(ST
3)、これらの検出データについて順次X1〜X4とし
て設定する(ST4)。次に、前記の(3)式に基づい
てこれらの検出データの基準化を行い(ST5)、この
後でマハラノビスの距離を初期値として0、カウンター
i,jを初期値の1にセットする(ST6)。
まで変化させ、前記の(5)式の演算を行う(ST7〜
ST10)。そして、マハラノビスの距離が閾値を超え
ているかどうかを判断する(ST11)。ここで、仮に
YESの場合はフィルター2の目詰まり量が多くなって
いると判断し、エアフィルター2の目詰まり表示を行な
う(S12)。なお、ここでマハラノビスの距離の大き
さに応じてエアフィルター2の目詰まり量を定量的に表
示しても良い。表示方法として、例えばLEDなどを複
数個設けてマハラノビスの距離の大きさに応じて、その
点灯数を変化するようにしても良い。
して、図8に示すように装置の運転の経過時間に応じて
その閾値を複数段階で変化するようにしても良い。例え
ば、初期時(設定時間T0〜T1)は第1の閾値を設定
し、運転の経過時間が設定時間(T1)に達した場合
に、第2の閾値へ自動的に移行するようにしても良い
(第1の閾値>第2の閾値)。これにより、装置の周囲
環境が非常に良好の場合において長期使用でもフィルタ
ー2の目詰まり表示が行なわれないことに対し、目詰ま
り表示を行ない易くなって使用者に対しての不安感を解
消することができる。
よるフィルター2の目詰まり量の定量化を、送風機6の
回転数、吸込側の空気温度、モータの印加電圧、電源電
圧の4つの状態量から推測する例を述べたが、これ以外
の状態量を取り込んでマハラノビスの距離を求め、目詰
まりの検知精度を向上しても良い。さらに、例えば送風
機6の回転数および吸込側の空気温度の二つ以上の状態
量からフィルター2の目詰まり量を推測しても良い。た
だし、状態量が少ないためにフィルター2の目詰まりの
検知精度は若干低下する。
ー2、送風機6、熱交換器7の順に流れる構成を挙げて
フィルター2の目詰まり状態について説明を行ったが、
フィルター2、熱交換器7、送風機6の順に空気が流れ
る構成であっても、目詰まりの検知精度は殆ど同一であ
る。これについては、周囲の空気は熱交換器7により加
熱或いは冷却され、送風機6によって吸い込まれた後で
吹き出されるが、送風機6の回転数に影響を与えるのは
送風機6の吸込み側の空気温度である。したがって、送
風機6の吸込側即ち熱交換器7の出口側、或いは送風機
6の吹出側に空気温度を検知できる温度センサー4を設
置すれば良い。また、熱交換器7の吸込側に温度センサ
ー4を設置したり、或いは熱交換器7の内部を流れる媒
体の温度を検知できる温度センサー4などをその配管に
設置した場合でも、送風機6の吸込側の空気温度或いは
吹出側の空気温度を推測することが可能であり、前述と
同様の効果を奏する。
送風機6の運転時の通電電流や周波数、ホール素子など
を用いて送風機6の回転子の位置を検出して回転数を検
知する回転センサー、送風機6の羽根の回転数を光や磁
束などを測定して直接回転数を検知する方法などが提案
される。
用いてフィルター2の目詰まり状態を推測する方法の他
に、送風機6或いは熱交換器7への塵付着状態について
も推測できる。このときは、前述と同様に予めこれらに
塵が付着していない状態の基準データを記憶設定してお
き、この基準データと検出される状態量とを比較して送
風機6或いは熱交換器7への塵付着量を推測できる。
パッケージエアコンなどの空気調和装置に適用してフィ
ルター2などの目詰まり状態を把握する方法について説
明を行ったが、これ以外にルームエアコンや空気清浄器
などの空気調和器、冷蔵倉庫の内部に設置されるユニッ
トクーラー、スーパーマーケット内に設置されるショー
ケースの送風機や熱交換器に対しても、マハラノビスの
距離を適用して目詰まり量を推測できる。
ー2が設置されている空気調和装置の場合に、前述と同
様に複数のフィルター2の目詰まり量を零としたときの
基準データを検出し、マハラノビスの距離を適用して目
詰まり状態を推測することができる。また、送風機6や
熱交換器7が複数台を備えている空気調和装置の場合に
おいても、前述と同様に基準データを検出してフィルタ
ー2の目詰まり状態を推測することができる。
値と閾値とを比較してフイルター2、送風機6、熱交換
器7の目詰まり量を推測する例を述べたが、これ以外に
単位時間毎のマハラノビスの距離の変化量を捉えて、使
用場所の空気の汚染度を推測することもできる。つま
り、マハラノビスの距離の変化量が大きくなった場合に
は、空気の汚染度が高くなっていると推測するものであ
る。
や印加電圧の大きさなどが基準データを検出した際の構
成条件と異なった場合、例えば基準データを検出した際
にはフィルター2が1枚であり、使用運転時ではフィル
ター2が2枚となった場合或いは送風機6のモータへの
印加電圧が変更となった場合などは、その都度マハラノ
ビスの距離の大きさを補正処理する必要がある。この補
正処理としては、例えば使用運転時に一旦マハラノビス
の距離を演算し、その演算された距離値を基準データ時
のマハラノビスの距離の平均値1に近づけるようにデー
タ補正することが考えられる。
を一定状態としてマハラノビスの距離を求める方法を説
明したが、例えば空気温度が上昇している過程では一定
時間毎の各データの平均値を捉えることにより、前述と
同様にフィルター2の目詰り状態を推測することができ
る。
た空気を流通させる場合を例に挙げたが、その他の例と
して熱交換器7を空気以外の任意の流体が流通している
場合にも前述と同様のことが言える。例えば、ポンプを
用いて水を流通させて熱交換するように構成しても良
い。
冷媒が流通することを例に説明を行なったが、これに限
定するものではなく水やブラインなどの温熱或いは冷熱
を輸送できる媒体であれば、どんなものを使用して前述
と同様のことが言える。
風機のモータへの印加電圧、モータへの通電電流、モー
タへの供給電力、電源電圧、インバータ母線電圧、送風
機6の送風機或いはポンプの吸込側流路の何れかの位置
と吹出側流路の何れかの位置との差圧、電源 前後差圧
から少なくとも1つの状態量および吸込側の空気温度、
吹出側の空気温度、熱交換器7の内部を流れる媒体の温
度、熱交換器7の配管温度から少なくとも1つの状態量
を検知する状態量検知手段を設け、これらの状態量から
複合変数を求める演算手段を設け、この複合変数の大き
さに基づいてフィルター2の目詰まり状態を精度良く推
測することができる。
るので、以下に記載されるような効果を奏する。
ルター、熱交換器、モータで駆動される送風機或いはポ
ンプを備えた冷凍空気調和装置において、送風機或いは
ポンプの回転数、流量、流速、前記モータに印加する電
圧、通電電流、供給電力、送風機或いはポンプの吸込側
流路の何れかの位置と吹出側流路の何れかの位置との差
圧、電源電圧、インバータ母線電圧から少なくとも1つ
の状態量、および吸込側の温度、吹出側の温度、熱交換
器の内部を流通し冷熱或いは温熱を輸送する媒体の温
度、熱交換器の配管温度から少なくとも一つの状態量を
検出する状態量検出手段を設け、この状態量検出手段に
より検出される二つ以上の状態量を演算して複合変数を
求める演算手段を設け、この演算手段で求めた複合変数
からフィルターの目詰まり状態を判断する判断手段を設
けるようにしたので、各種の状態量の影響を受けること
がなくフィルターの目詰まり状態を精度良く推測し、常
に装置の冷暖房運転状態を良好に維持することができ
る。
れる送風機或いはポンプとを備えた冷凍空気調和装置に
おいて、送風機或いはポンプの回転数、流量、流速、前
記モータに印加する電圧、通電電流、供給電力、送風機
或いはポンプの吸込側流路の何れかの位置と吹出側流路
の何れかの位置との差圧、電源電圧、インバータ母線電
圧から少なくとも1つの状態量、および吸込側の温度、
吹出側の温度、熱交換器の内部を流通し冷熱或いは温熱
を輸送する媒体の温度、熱交換器の配管温度から少なく
とも一つの状態量を検出する状態量検出手段を設け、こ
の状態量検出手段により検出される二つ以上の状態量を
演算して複合変数を求める演算手段を設け、この演算手
段で求めた複合変数から熱交換器の目詰まり状態を判断
する判断手段を設けるようにしたので、熱交換器の目詰
まり状態を精度良く推測し、常に装置の冷暖房運転状態
を良好に維持することができる。
状態と予め設定される目詰まり限界量とを比較する比較
手段を設けるようにしたので、目詰まり量が限界量を超
えたかどうかを判断することができ、冷凍空気調和装置
の異常停止や不必要な目詰まりのメンテナンス作業を回
避することができる。
変化するようにしたので、所定時間を経過すると目詰ま
りサインが出易くなる。したがって、例えば環境が良い
条件下において使用者は目詰まり報知が行なわれず、不
安感を抱くことを未然に回避することができる。
手段による比較結果を出力する出力手段を設けるように
したので、検知した目詰まり量或いは目詰まり量が目詰
まり限界量を超えたか否かの結果を、外部へ出力するこ
とができる。
にしたので、例えば目詰まり量に応じた特性図を表示し
たり、目詰まり量が目詰まり限界量を超えた場合に目詰
まりサインとしてLEDを点灯或いは点滅させることが
できる。
視手段に接続するようにしたので、目詰まり状態を監視
センターで集中管理することができる。
る送風機或いはポンプの運転時における送風機或いはポ
ンプの吸込側流路の何れかの位置と吹出側流路の何れか
の位置との差圧、流量、流速、前記モータへの供給電
力、前記送風機或いはポンプの回転数の少なくとも1つ
の状態量、および吸込側の温度、吹出側の温度の何れか
1つの状態量を検出し、検出された複数の状態量を演算
して相互的に関連付ける複合変数量を求め、この複合変
数量と予め設定された流路構成における送風機或いはポ
ンプの運転時の複合変数量とを比較し、流路内の流通状
態を判断するようにしたので、常に流路の異常を検知す
る運転制御を実行することができる。
び偏差の処理によって基準化し、基準化された各々の値
を相互的に関連付けるように演算して複合変数量を求め
るようにしたので、データを画一的に採用して異なる機
種同士を共通のアルゴリズムで取り扱うことができる。
変数量が、予め設定された流路構成における複合変数量
の数倍以上に達した場合に、流通状態は異常であると判
断するようにしたので、目詰まり状態を正確に把握して
無駄なメンテナンス回数を低減させることができる。
の構成図を示す。
前後差圧と風量との関係を示した図である。
との関係を示した図である。
る。
る。
路ブロック図である。
の目詰まり状態を推測するフローチャート図である。
である。
目詰まり判断条件を示す図である。
サー、5 ガイド手段、6 送風機、7 熱交換器、8
吹出口、9 状態量A、10 状態量B、11 演算
手段、12 判断手段、13 複合変数閾値、14 出
力手段、15表示手段、16 遠隔監視手段。
Claims (10)
- 【請求項1】 流路内にフィルター、熱交換器、モータ
で駆動される送風機或いはポンプを備えた冷凍空気調和
装置において、前記送風機或いはポンプの回転数、流
量、流速、前記モータに印加する電圧、通電電流、供給
電力、送風機或いはポンプの吸込側流路の何れかの位置
と吹出側流路の何れかの位置との差圧、電源電圧、イン
バータ母線電圧から少なくとも1つの状態量、および吸
込側の温度、吹出側の温度、前記熱交換器の内部を流通
し冷熱或いは温熱を輸送する媒体の温度、熱交換器の配
管温度から少なくとも一つの状態量を検出する状態量検
出手段と、この状態量検出手段により検出される二つ以
上の状態量を演算して複合変数を求める演算手段と、こ
の演算手段で求めた複合変数から前記フィルターの目詰
まり状態を判断する判断手段とを備えたことを特徴とす
る冷凍空気調和装置。 - 【請求項2】 流路内に熱交換器とモータで駆動される
送風機或いはポンプとを備えた冷凍空気調和装置におい
て、前記送風機或いはポンプの回転数、流量、流速、前
記モータに印加する電圧、通電電流、供給電力、送風機
或いはポンプの吸込側流路の何れかの位置と吹出側流路
の何れかの位置との差圧、電源電圧、インバータ母線電
圧から少なくとも1つの状態量、および吸込側の温度、
吹出側の温度、前記熱交換器の内部を流通し冷熱或いは
温熱を輸送する媒体の温度、熱交換器の配管温度から少
なくとも一つの状態量を検出する状態量検出手段と、こ
の状態量検出手段により検出される二つ以上の状態量を
演算して複合変数を求める演算手段と、この演算手段で
求めた複合変数から熱交換器の目詰まり状態を判断する
判断手段とを備えたことを特徴とする冷凍空気調和装
置。 - 【請求項3】 前記判断手段は、判断された目詰まり状
態と予め設定される目詰まり限界量とを比較する比較手
段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記
載の冷凍空気調和装置。 - 【請求項4】 前記目詰まり限界量を経過時間に応じて
変化するようにしたことを特徴とする請求項3記載の冷
凍空気調和装置。 - 【請求項5】 前記判断手段による判断結果或いは前記
比較手段による比較結果を出力する出力手段を備えたこ
とを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の冷
凍空気調和装置。 - 【請求項6】 前記出力手段を表示手段に接続したこと
を特徴とする請求項5記載の冷凍空気調和装置。 - 【請求項7】 前記出力手段を有線或いは無線で遠隔監
視手段に接続するようにしたことを特徴とする請求項5
記載の冷凍空気調和装置。 - 【請求項8】 流路内に配置されるモータで駆動する送
風機或いはポンプの運転時における送風機或いはポンプ
の吸込側流路の何れかの位置と吹出側流路の何れかの位
置との差圧、流量、流速、前記モータへの供給電力、前
記送風機或いはポンプの回転数の少なくとも1つの状態
量、および吸込側の温度、吹出側の温度の何れか1つの
状態量を検出し、検出された複数の状態量を演算して相
互的に関連付ける複合変数量を求め、この複合変数量と
予め設定された流路構成における送風機或いはポンプの
運転時の複合変数量とを比較し、流路内の流通状態を判
断するようにしたことを特徴とするする冷凍空気調和装
置の運転制御方法。 - 【請求項9】 前記複数の状態量のデータを平均化およ
び偏差の処理によって基準化し、この基準化された各々
の値を相互的に関連付けるように演算して複合変数量を
求めるようにしたことを特徴とする請求項8の冷凍空気
調和装置の運転制御方法。 - 【請求項10】 前記送風機或いはポンプの運転時の複
合変数量が、予め設定された流路構成における複合変数
量の数倍以上に達した場合に、流通状態は異常であると
判断したことを特徴とする請求項8または請求項9記載
の冷凍空気調和装置の運転制御方法。
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