JP2014126294A - 流体性状判別装置、熱サイクル制御装置、および熱サイクル装置 - Google Patents

流体性状判別装置、熱サイクル制御装置、および熱サイクル装置 Download PDF

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Abstract

【課題】熱サイクルに用いられる加熱流体の性状を判別できる流体性状判別装置を提供する。
【解決手段】制御装置(温度取得手段)100は、加熱流体熱サイクル5を循環する加熱流体HMの温度を取得する。制御装置(回転検出手段)100は、加熱流体HMを循環させるポンプ51の回転数を検出する。制御装置(電源検出手段)100は、ポンプ51の電圧値または電流値を検出する。記憶手段100aは、加熱流体HMの温度、ポンプ51の回転数、およびポンプ51の電圧値または電流値に対応する加熱流体HMの性状を情報として予め記憶する。制御装置(判定手段)100は、取得された温度、検出された回転数、および検出された電圧値または電流値に基づき、記憶手段100aに記憶された情報を参照して加熱流体HMの性状を判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱サイクルに用いられる流体性状判別装置、この流体性状判別装置を備える熱サイクル制御装置、およびこの熱サイクル制御装置を備える熱サイクル装置に関する。
熱サイクルを備える装置の一例として特許文献1に開示された給湯装置(ヒートポンプ)が知られる。
特開2006−132865号公報
従来の給湯装置には、湯沸かし用のタンクと給水ポンプとが配管により接続され、給水ポンプで水を循環させて低温環境下での凍結を防止するものがある。この構成では、給水ポンプによる水の循環量が小さいと水が凍結する虞があり、一方で循環量が大きすぎると過大な量の水をタンクに供給してタンクで沸き上げた湯を冷ます懸念がある。
一般的な循環型熱サイクルにおいては、水で希釈した不凍液を用いて凍結を防止する方法がある。この際、不凍液の濃度が高いほど加熱流体の凍結温度が低くなる反面、加熱流体の熱伝導率が下がる。そのため不凍液の濃度を必要以上に高くすると、給湯装置の性能を低下させる懸念がある。このような背景から、給湯装置を設置する地域の販売店や施工業者が、その地域に応じて不凍液の濃度を適宜選択することがある。また給湯装置が家屋等に設置される際、給湯装置は下流の湯沸かし用タンク等へ配管を通じて接続される。この際、配管の長さは給湯装置の設置条件により異なる。
このような水と不凍液の混合物である加熱流体を用いる給湯装置において、例えば加熱流体を循環させるポンプの回転数や運転時間を所定値に設定し、加熱流体を循環させて凍結を防止する構成が考えられる。ここで加熱流体の粘性は、不凍液の濃度に応じて変化する。また給湯装置の設置条件により加熱流体を循環させる配管の長さが異なる。このように同一の構成を有する給湯装置であっても、ある一定の加熱流体の流量を得ようとする場合、加熱流体の性状および配管の長さにより、ポンプの運転条件は異なる。上述したようにポンプを一定の回転数で運転した場合、加熱流体の性状および配管の長さに応じて吐出流量が変化する。したがって、これらの条件を考慮せずに給水ポンプの回転数を所定値に設定して加熱流体を循環させると、加熱流体の循環不足による凍結あるいは循環過多による不具合が発生する。
あるいは給湯装置に流量計を追加して循環量を検出し、循環量が所定流量になるように給水ポンプの制御をおこなう構成が考えられる。しかしながら流量計の追加はコスト増加およびシステムの複雑化につながる。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、熱サイクルに用いられる加熱流体の性状を判別できる流体性状判別装置を提供することを目的とする。本発明は更に、この流体性状判別装置を備える熱サイクル制御装置、およびこの熱サイクル制御装置を備える熱サイクル装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の流体性状判定装置は、加熱流体(HM)を循環させるポンプ(51)と、ポンプ(51)が循環させる加熱流体(HM)と2次側媒体(HW)とを熱交換して2次側媒体(HW)を加熱する2次側熱交換器(55、75)と、を備える熱サイクル(5)に用いられる。流体性状判定装置は、熱サイクル(5)を循環する加熱流体(HM)の温度を取得する温度取得手段(100)と、ポンプ(51)の回転数を検出する回転検出手段(100)と、を備える。流体性状判定装置は、ポンプ(51)に印加される電圧値またはポンプ(51)に供給される電流値を検出する電源検出手段(100)と、上記の温度、上記の回転数、および上記の電圧値または上記の電流値に対応する加熱流体(HM)の性状を情報として予め記憶する記憶手段(100a)と、を更に備える。流体性状判定装置は、温度取得手段(100)により取得された温度、回転検出手段(100)により検出された回転数、および電源検出手段(100)により検出された電圧値または電流値に基づき、情報を参照して加熱流体(HM)の性状を判定する判定手段(100)を更に備えることを特徴とする。
加熱流体の粘性は加熱流体の温度に応じて変化する。更に加熱流体の粘性は、加熱流体の性状、例えば加熱流体に含まれる不凍液の濃度に応じて変化する。加熱流体の温度が一定かつポンプの回転数が一定である場合、加熱流体の粘性が高くなるにしたがいポンプの運転に必要となるトルクが増加し、ポンプの電圧値または電流値が一意的に増加する。あるいは、加熱流体の温度が一定かつポンプの電圧値または電流値が一定である場合、加熱流体の粘性が高くなるにしたがい流体抵抗が増加するため、ポンプの回転数が一意的に減少する。このような傾向を考慮して、本発明によれば、加熱流体の温度、ポンプの回転数、およびポンプの電圧値またはポンプの電流値に基づき加熱流体の性状を判定することが可能となる。このようにして判定された加熱流体の性状に基づきポンプの運転条件を設定することにより、流量計を用いずとも熱サイクルを流通する加熱流体の流通量を一定にできるため、流通量の過不足による不具合の発生を回避できる。
なお、上記各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本発明に係る給湯装置の構成を示す概略図である。 温度および不凍液の濃度に伴い変化する加熱流体の特性を示すグラフである。 第1実施形態に係る給湯装置の作動を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る給湯装置の作動を示すフローチャートである。 不凍液の濃度および配管長の差異に伴い変化する加熱流体の特性の変化を示すグラフである。 所定の第1温度および所定の第2温度の温度範囲に対する加熱流体の特性の変化率を示すグラフである。 第3実施形態に係る給湯装置の作動を示すフローチャートである。 第4実施形態に係る給湯装置の作動を示すフローチャートである。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合わせることも可能である。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る給湯装置1を図1〜図3を参照して説明する。図1において点線で示される本実施形態の給湯装置1は、冷媒(1次媒体)を循環させる冷凍サイクル2、加熱流体を循環させる加熱流体サイクル5の一部、および制御装置100等により構成される。
冷凍サイクル2は、圧縮機21、コイル23、膨張弁25、およびエバポレータ27が配管2a,2b,2c,2dにより接続されて構成され、冷媒として例えばCO2を矢印RFで示されるように循環させる。コイル23は加熱流体サイクル5のシェル53に収容されて、所謂シェル&コイル型熱交換器(1次側熱交換器)を構成する。1次側熱交換器は、加熱流体サイクル5を流通してシェル53を通過する加熱流体と冷凍サイクル2を流通してコイル23を通過する冷媒との熱交換を行う。
圧縮機21は冷媒を圧縮してコイル23へ供給する。圧縮機21より供給される冷媒はコイル23を通過する際、シェル53を流通する加熱流体と熱交換して加熱流体を加熱する。膨張弁25は、コイル23より流出した冷媒を断熱膨張させる。エバポレータ27は、膨張弁25で断熱膨張した冷媒を外気と熱交換させて吸熱させて冷媒を蒸発させる。ファン30は外気をエバポレータ27へ送風し、外気と冷媒との熱交換を促す。
加熱流体サイクル5は、シェル53、コイル55、およびポンプ51が配管5a、5b、5c,5d,5eにより接続されて構成され、水と不凍液の混合物を加熱流体として矢印HMで示されるように循環させる。コイル55は後述の供給側機器を構成するシェル75に収容されて、所謂シェル&コイル型熱交換器(2次側熱交換器)を構成する。2次側熱交換器は、シェル75を通過する温水(2次側媒体)と加熱流体サイクル5を流通してコイル55を通過する加熱流体との熱交換を行う。
ポンプ51は加熱流体を加熱流体サイクル5内で循環させる。ポンプ51より供給される加熱流体はシェル53を通過する際、コイル23を流通する冷媒と熱交換して加熱される。シェル53を通過して加熱された加熱流体はコイル55を流通する際、シェル75を通過する温水と熱交換して温水を加熱する。ポンプ51とシェル53を接続する配管5eには温度センサ59が設置され、ポンプ51により供給された加熱流体の温度を検出する。
加熱流体サイクル5を構成する機器のうちコイル55は給湯装置1に含まれない。コイル55はシェル75とともに給湯装置1が設置される家屋等に設置される。この例においてコイル55およびシェル75により構成される2次側熱交換器は、例えば温水を蓄える温水タンクおよびポンプ等(図示せず)に配管7a,7bにより接続されて前述の供給側機器を構成する。2次側熱交換器は温水を加熱し、加熱した温水を温水タンクへ矢印HWで示されるように供給する。この例では、2次側熱交換器により加熱された温水は温水タンクに蓄えられ、更に図示しない温調弁により水道からの冷水と混合されて温度調節された後、台所や風呂等に給湯される。
制御装置100はマイクロプロセッサおよびI/Oインターフェース等により構成され、圧縮機21のモータ、膨張弁25のアクチュエータ、およびファン30のモータに電気的に接続される。制御装置100は圧縮機21の容量、膨張弁25の絞り量、およびファン30の回転数を調節して冷凍サイクル2を流通する冷媒の温度を制御する。制御装置100は更にポンプ51および温度センサ59に電気的に接続される。本実施形態の制御装置100はポンプ51へ供給される電力の電流値および電圧値を検出可能であり、またこれら電流値および電圧値の検出値に基づき電流値および電圧値を所定値に制御可能である。更に制御装置100はポンプ51の回転数を検出可能であり、またこの回転数の検出値に基づき回転数を所定値に制御可能である。
制御装置100は、更に温度センサ59により検出された加熱流体の温度を入力(取得)可能である。また制御装置100は、フラッシュメモリ等の記憶媒体より構成される記憶ユニット100aを備え、上記した冷凍サイクル2および加熱流体サイクル5を構成する機器を制御するための運転条件を規定する制御パラメータ、および後述する不凍液の濃度を特定するためのデータマップ等を記憶する。
本実施形態に係る給湯装置1は、上述したように冷凍サイクル2および加熱流体サイクル5のうち点線で囲まれた機器により構成され、家屋等に設置される。給湯装置1は配管5a,5dにそれぞれ接続されたカプラ5f,5gを有し、給湯装置1が家屋等に設置される際、家屋等にある2次側熱交換器にカプラ5h,5iおよび配管(外部配管)5b,5cを用いて接続される。この場合、給湯装置1と2次側熱交換器の位置関係および途中の障害物等に応じて配管5b,5cの長さが決定する。給湯装置1と2次側熱交換器が配管5a,5b,5c,5dおよびカプラ5f,5g,5h,5iにより接続された後、加熱流体サイクル5には加熱流体が充填される。
加熱流体は水と不凍液とを一定の割合で混合した混合物であり、不凍液は例えばプロピレングリコールおよび防錆剤等の混合物である。加熱流体においては、不凍液の濃度が高くなるほど加熱流体の凍結温度は低くなるがその反面、加熱流体の熱伝導率が下がる。そのため不凍液の濃度が必要以上に高くなると、給湯装置1の性能を低下させる懸念がある。このような背景から、加熱流体における水に対する不凍液の濃度は、給湯装置1の機種、設置される地域の気候条件等により決定される。
加熱流体の性状はこの不凍液の濃度に左右される。具体的には、不凍液の濃度が高いほど加熱流体の粘性が高くなる。更に不凍液の温度が低いほど加熱流体の粘性が高くなる。制御装置100がポンプ51を所定の回転数で運転する場合、加熱流体の粘性が高くなるにしたがいポンプ51の駆動に必要なトルクが大きくなる。そのため加熱流体の粘性が高くなるにしたがいポンプ51に供給される電流値またはポンプ51に印加される電圧値が高くなる。
図2は、給湯装置1が家屋等の2次側熱交換器に配管長L1である配管5b、5cを介して接続され、ポンプ51を回転数R11で運転した場合の特性を示す。ここで配管長L1とは、配管5b、5cの総配管長である。具体的に図2は、加熱流体における水と不凍液の濃度がA%、B%,C%の例について、加熱流体の温度と、ポンプ51に供給される電流値またはポンプ51に印加される電圧値の関係を示す。不凍液の濃度に関わらず、加熱流体の温度が低くなるにしたがい加熱流体の粘性が高くなり、電流値または電圧値が高くなる。
加熱流体の温度がT11である状態においてポンプ51を所定回転数R11で運転した場合、不凍液の濃度がA%、B%,C%の順に高くになるにしたがい加熱流体の粘性が高くなり、ポンプ51の電流値または電圧値は大きくなる。つまりこの状態でポンプ51の電流値または電圧値を検出することにより、不凍液の濃度を判定可能である。
制御装置100は予め、不凍液の濃度A%、B%,C%に対応させて、それぞれ加熱流体の粘性等の性状をデータマップ等の形式で記憶している。制御装置100は更に、加熱流体の性状に応じたポンプ51の回転数等の運転条件をデータマップ等の形式で記憶している。このため制御装置100は、ポンプ51の制御パラメータを判定した不凍液の濃度に応じて設定することにより、ポンプ51の運転条件を変更可能である。
次に、本実施形態に係る不凍液の濃度判定および運転条件の変更について図3を参照して説明する。制御装置100は、給湯装置1の運転中、図3に示す処理を一定周期で実行する。まずS101で、制御装置100は加熱流体の温度が所定温度T11であるかを判断する。S101で加熱流体の温度が所定温度T11であると判断された場合(YES)、S103で制御装置100は、ポンプ51を所定回転数R11で運転する。次にS105で制御装置100は、ポンプ51に供給される電流値I11またはポンプ51に印加される電圧値V11を検出する。
次にS107で制御装置100は、電流値I11または電圧値V11が、所定値TH11以上であり所定値TH12以下であるかを判定する。S107で、電流値I11または電圧値V11が所定値TH11以上であり所定値TH12以下であり肯定的判定がなされた場合(YES)、S109で不凍液の濃度はA%と判定される。
S107で否定的判定がなされた場合(NO)、S111で制御装置100は、電流値I11または電圧値V11が、所定値TH12より高く所定値TH13以下であるかを判定する。S111で肯定的判定がなされた場合(YES)、S113で不凍液の濃度はB%と判定される。S111で否定的判定がなされた場合(NO)、S115で制御装置100は、電流値I11または電圧値V11が、所定値TH13より高く所定値TH14以下であるかを判定する。S115で肯定的判定がなされた場合(YES)、S117で不凍液の濃度はC%と判定される。
上記のようにS107,S111,S115のいずれかで肯定的判定がなされた場合、制御装置100はS119で、対応するS109,S113,S117において判定された不凍液の濃度A%,B%,C%に基づき、ポンプ51の制御パラメータを変更して処理を終了する。具体的に制御装置100は、判定した不凍液の濃度に対応するポンプ51の回転数を、データマップ等を参照して設定する。一方S115で否定的に判定された場合(NO)、制御装置100はポンプ51の制御パラメータを変更せず処理を終了する。制御装置100は、このようにして設定された制御パラメータに基づきポンプ51を運転して加熱流体サイクル5の加熱流体を循環させ、加熱流体サイクル5の凍結を防止する。
上述したように本実施形態では、制御装置100はポンプ51を所定回転数R11で運転する。制御装置100は更に、ポンプ51を所定回転数R11で運転させたとき、温度センサ59により検出された加熱流体の温度がT11(所定の第1温度)である場合に、電流値I11または電圧値V11を第1検出値として検出する。制御装置100は更に、第1検出値と記憶ユニット100aに予め記憶される情報TH11,TH12,TH13、TH14とを比較して不凍液の濃度(加熱流体の第1性状)を判定する。この構成では、加熱流体の流量を検出するための流量計を用いずに、加熱流体の性状、具体的には不凍液の濃度を判定可能である。
本実施形態では更に、制御装置100により判定された加熱流体の性状に基づきポンプ51による加熱流体の供給量を制御する。この構成では、判定した加熱流体の性状、具体的には不凍液の濃度に応じたポンプ51の運転条件、具体的には制御パラメータの一つである回転数を設定可能である。従って、加熱流体の供給不足による凍結あるいは供給過多による不具合を回避可能となる。
本実施形態の給湯装置1は、2次側熱交換器に配管5b、5cを通じて接続され、ポンプ51により循環される加熱流体と冷凍サイクル(1次側サイクル)を循環する冷媒(1次側媒体)とを熱交換して加熱流体を加熱する1次側熱交換器を備える。給湯装置1は更に、加熱流体サイクル5を循環する加熱流体の温度を検出して制御装置100に入力する温度センサ(温度検出手段)59を備える。給湯装置1は更にポンプ51を備える。このようにして、給湯装置1は加熱流体サイクルを構成する主要な機器を一体化して構成される。
上述の例においては説明を簡略化するため、電流値I11または電圧値V11を所定値TH11、TH12、TH13、TH14と比較したが、実際には電流値I11と電圧値V11のそれぞれに対応する異なった所定値TH11、TH12、TH13、TH14が設定される。
上述の所定温度T11は、給湯装置1の運転条件がほぼ一定であれば、特定の固定値でもよい。ただし上述したように制御装置100は、給湯装置1の運転中、図3に示す処理を一定周期で実行する。この際、給湯装置1は加熱流体を加熱して循環させて温水を加熱し、加熱した温水を供給する。通常、加熱流体の温度は、供給する温水の温度と供給量、および冷凍サイクル2の運転条件等により、ある程度成り行きで変化する。このため、所定温度T11が特定の固定値であれば、給湯装置1の運転中に、加熱流体の温度が所定温度T11とはならず、図3の処理を開始する条件が成立しない可能性がある。
このような事態を考慮し、制御装置100の記憶ユニット100aは、所定温度T11として複数の所定値を記憶してもよい。この場合、制御装置100は、加熱流体の温度がこの複数の所定値のいずれかと同一になった場合、S101で肯定的判断を行いS103以降と同様の処理を実行する。更にこの場合、検出される電流値または電圧値は、S101で用いられる所定温度T11に応じて変化する。したがって制御装置100は、所定温度T11として記憶される複数の所定値に応じて、上記の所定値TH11,TH12、TH13、TH14のそれぞれに対応する異なる値を設定する。
なお制御装置100の記憶ユニット100aが所定温度T11として複数の所定値を記憶する場合、制御装置100は、加熱流体の温度がこの複数の所定値のそれぞれと同一になった場合、つまり複数の温度条件において濃度の判定を行ってもよい。この場合、複数の温度条件において濃度の判定結果が一致した場合にはその判定結果の妥当性が高いと考えられるため、その判定結果に応じた濃度に合わせ制御パラメータを設定してもよい。
この場合、例えば所定温度T11として2つの所定値を記憶する条件においては次のようになる。上記の第1検出値に加え、制御装置100は更に、ポンプ51を所定回転数R11で運転させたとき、検出された加熱流体の温度が上記のT11(所定の第1温度)とは異なるT12(所定の第2温度)である場合に、電流値I12または電圧値V12を第2検出値として検出する。制御装置100は、第2検出値と記憶ユニット100aに記憶される情報とを比較して加熱流体の不凍液の濃度(第2性状)を判定する。制御装置100は、上記の第1性状と第2性状が一致する場合に、加熱流体の性状の判定が正しいと判定する。このような構成では、濃度の誤判定に起因するパラメータの誤設定を回避できる。
このように、所定温度は固定値でも複数の所定値のうちの一つでも良く、また複数の温度条件のうち一つあるいは複数の判定結果に基づき制御パラメータを設定してもよい構成は、後述する実施形態でも同様である。
(第2実施形態)
上述した第1実施形態では、ポンプ51を所定回転数で運転した状態で、ポンプ51に供給する電流値またはポンプ51に印加する電圧値に基づき不凍液の濃度を判定した。次に説明する第2実施形態では、電流値または電圧値が一定の状態で、ポンプ51を運転した場合の回転数に基づき不凍液の濃度を判定する。本実施形態では、電流値または電圧値が一定の状態で、不凍液の濃度がA%,B%,C%と高くなるにしたがい、不凍液の粘性が高くなりポンプ51に作用する粘性抵抗が増加するため、ポンプ51の回転数は減少する。
次に、本実施形態に係る不凍液の濃度判定および運転条件の変更について説明する。制御装置100は、図4に示す処理を一定周期で実行する。まずS201で、制御装置100は加熱流体の温度が所定温度T11であるかを判断する。S201で加熱流体の温度が所定温度T11であると判断された場合(YES)、S203で制御装置100は、ポンプ51のモータに所定の電流値I11を供給またはポンプ51のモータに所定の電圧値V11を印加してポンプ51を運転する。次にS205で制御装置100は、ポンプ51の回転数R11を検出する。
次にS207で制御装置100は、ポンプ51の回転数R11が、所定値TH21以上であり所定値TH22以下であるかを判定する。S207で肯定的判定がなされた場合(YES)、S209で不凍液の濃度はC%と判定される。S207で否定的判定がなされた場合(NO)、S211で制御装置100は、ポンプ51の回転数R11が、所定値TH22より高く所定値TH23以下であるかを判定する。S211で肯定的判定がなされた場合(YES)、S213で不凍液の濃度はB%と判定される。S211で否定的判定がなされた場合(NO)、S215で制御装置100は、ポンプ51の回転数R11が、所定値TH23より高く所定値TH24以下であるかを判定する。S215で肯定的判定がなされた場合(YES)、S217で不凍液の濃度はA%と判定される。
上記のように、S207,S211,S215のいずれかで肯定的判定がなされた場合、制御装置100はS219で、S209,S213,S217において判定された不凍液の濃度C%,B%,A%に基づき、ポンプ51の制御パラメータを変更して処理を終了する。一方、S215で否定的に判定された場合(NO)、制御装置100はポンプ51の制御パラメータを変更せず処理を終了する。制御装置100は、このようにして設定された制御パラメータに基づきポンプ51を運転して加熱流体サイクル5の加熱流体を循環させ、加熱流体サイクル5の凍結を防止する。第2実施形態の構成でも、加熱流体の流量を検出するための流量計を用いずに、加熱流体における不凍液の濃度に応じたポンプ51の運転条件を設定可能である。従って、加熱流体の供給不足による凍結あるいは供給過多による不具合を回避可能となる。
本実施形態では、制御装置100はポンプ51を所定電流値I11または所定電圧値V11で運転する。制御装置100は更に、ポンプ51を所定電流値I11または所定電圧値V11で運転させたとき、検出された加熱流体の温度がT11(所定の第1温度)である場合に、回転数R11を第1検出値として検出する。制御装置100は更に、第1検出値と記憶ユニット100aに記憶される情報TH21,TH22,TH23、TH24とを比較して不凍液の濃度(加熱流体の第1性状)を判定する。
あるいは第1実施形態と同様に、例えば所定温度T11として2つの所定値を記憶する条件においては次のようになる。制御装置100は更に、ポンプ51を所定電流値I11または所定電圧値V11で運転させたとき、検出された加熱流体の温度がT11(所定の第1温度)とは異なるT12(所定の第2温度)である場合に、ポンプ51の回転数R12を第2検出値として検出する。制御装置100は更に、第2検出値と記憶ユニット100aに記憶される情報とを比較して加熱流体の不凍液の濃度(第2性状)を判定する。制御装置100は更に、第1性状と第2性状が一致する場合に、加熱流体の性状の判定が正しいと判定する。このような構成では、濃度の誤判定に起因するパラメータの誤設定を回避できる。
(第3実施形態)
上述した第1実施形態では、1点の所定の温度T11においてポンプ51を所定回転数R11で運転した状態で、ポンプ51に供給する電流値またはポンプ51に印加する電圧値に基づき不凍液の濃度を判定した。あるいは判定の精度を向上させるため、所定の温度T11における判定結果と、所定の温度T11とは別の温度における判定結果とが一致する場合に、加熱流体の性状の判定が正しいと判定した。
上述したように、給湯装置1が家屋等に設置され、給湯装置1と家屋等にある2次側熱交換器が配管(外部配管)5b、5cおよびカプラ5f,5g,5h,5iを用いて接続された場合、給湯装置1と2次側熱交換器の位置関係および途中の障害物等に応じて配管5b、5cの長さが決定する。つまり、給湯装置1の設置条件によっては配管5b、5cの長さが変化する。第1実施形態では配管5b、5cの配管長がL1であったが、この配管5b、5cの配管長が例えばL1より長いL2である場合、配管5b、5cにより生ずる圧力損失が第1実施形態の場合と比較して増加する。
このため図5に示すように、不凍液の濃度がB%でありポンプ51を所定回転数R11で運転した条件での電流値または電圧値は、配管長がL2である場合(太線)において、配管長がL1である場合(点線)よりも高くなる。ここで不凍液の濃度がC%であり配管5b、5cの長さがL1である場合と、不凍液の濃度がB%であり配管5b、5cの長さがL2である場合とでは、温度T11において同一の電流値または電圧値となり、不凍液の濃度を電流値または電圧値に基づき判定できない事態が想定される。
ただし図6に示すように、配管長L2の場合に不凍液の濃度がB%である条件では、加熱流体の温度がT11である状態での電流値または電圧値と、温度がT12である状態での電流値または電圧値との変化率(傾き)はBである。また配管長L1の場合に不凍液の濃度がC%である条件では、同変化率はCである。つまり、温度T11と温度T12との温度範囲に対する電流値または電圧値の変化率は、不凍液の濃度がB%である場合とC%である場合とで異なる。つまりポンプ51を所定回転数R11で運転し、加熱流体の温度がT11である状態と温度がT12である状態とにおいて電流値または電圧値をそれぞれ検出してこれら検出値の変化率を得ることにより、不凍液の濃度を判定可能である。
次に、本実施形態に係る不凍液の濃度判定および運転条件の変更について説明する。制御装置100は、図7に示す処理を一定周期で実行する。まずS311で、制御装置100は加熱流体の温度が所定温度T11であるかを判断する。S311で加熱流体の温度が所定温度T11であると判断された場合(YES)、S313で制御装置100は、ポンプ51を所定回転数R11で運転する。次にS315で制御装置100は、ポンプ51に供給される電流値I11またはポンプ51に印加される電圧値V11を検出する。
次にS317で制御装置100は、加熱流体の温度が、上記所定温度T11とは異なる所定温度T12であるかを判断する。この所定温度T12は、所定温度T11より十分に離れた値に設定される。具体的に、所定温度T11における電流値または電圧値と、所定温度T12における電流値または電圧値との間に、不凍液の濃度が判別できる程度に十分な差異が発生するよう、所定温度T12は所定温度T11より十分に離れた値に設定される。S317で加熱流体の温度が所定温度T12であると判断された場合、S321で制御装置100は、ポンプ51に供給される電流値I12またはポンプ51に印加される電圧値V12を検出する。次にS323で、制御装置100は温度領域(T11〜T12)における電流値(I11〜I12)の変化率IC11、または電圧値(V11〜V12)の変化率VC11を算出する。具体的に制御装置100は、電流値I12と電流値I11の差を所定温度T12と所定温度T11の差で除算して得られた値を変化率IC11として算出する。あるいは、制御装置100は、電圧値V12と電圧値V11の差を所定温度T12と所定温度T11の差で除算して得られた値を変化率VC11として算出する。
IC11=(I12−I11)/(T12−T11) (1)
VC11=(V12−V11)/(T12−T11) (2)
次にS325で制御装置100は、電流値の変化率IC11または電圧値の変化率VC11が、所定値TH31以上であり所定値TH32以下であるかを判定する。S325で肯定的判定がなされた場合(YES)、S327で不凍液の濃度はA%と判定される。S325で否定的判定がなされた場合(NO)、S329で制御装置100は、電流値の変化率IC11または電圧値の変化率VC11が、所定値TH32より高く所定値TH33以下であるかを判定する。S329で肯定的判定がなされた場合(YES)、S331で不凍液の濃度はB%と判定される。S329で否定的判定がなされた場合(NO)、S333で制御装置100は、電流値の変化率IC11または電圧値の変化率VC11が、所定値TH33より高く所定値TH34以下であるかを判定する。S333で肯定的判定がなされた場合(YES)、S335で不凍液の濃度はC%と判定される。
上記のように、S325,S329,S333のいずれかで肯定的判定がなされた場合、制御装置100はS337で、S327,S331,S335において判定された不凍液の濃度A%,B%,C%に応じた性状に基づき、ポンプ51の制御パラメータを変更して処理を終了する。一方、S333で否定的に判定された場合(NO)、制御装置100はポンプ51の制御パラメータを変更せず処理を終了する。
上述の如く、配管5b、5cの長さが異なる場合には、不凍液の濃度が異なるにも関わらず、1点の温度T11において同一の電流値または電圧値が発生する場合が想定される。これを考慮し本実施形態では、加熱流体の温度がT11、T12の2点でポンプ51を所定回転数R11で運転し、電流値または電圧値を検出してこれらの変化率を得る。
具体的に制御装置100は、第1実施形態と同様、ポンプ51を所定回転数R11で運転させたとき、検出された加熱流体の温度がT11(所定の第1温度)である場合に、電流値または電圧値を第1検出値として検出する。本実施形態において、制御装置100は更に、ポンプ51を所定回転数R11で運転させたとき、検出された加熱流体の温度が所定の第1温度とは異なるT12(所定の第2温度)である場合に、電流値I12または電圧値V12を第2検出値として検出する。制御装置100は更に、第1検出値と第2検出値の差を所定の第1温度と所定の第2温度の差で除算して得られた変化率に基づき、記憶ユニットに記憶される情報を参照して、不凍液の濃度(加熱流体の性状)を判定する。このような構成により、配管長が異なる場合においても不凍液の濃度が判定可能となる。
(第4実施形態)
上述した第3実施形態では、加熱流体の温度がT11、T12の2点でポンプ51を所定回転数R11で運転し、電流値または電圧値を検出してこれらの変化率を得た。本実施形態では、加熱流体の温度がT11、T12の2点でポンプ51を所定電流値または所定電圧値で運転し、ポンプ51の回転数をそれぞれ検出してこれら検出値の変化率を得る。次に、本実施形態に係る不凍液の濃度判定および運転条件の変更について説明する。制御装置100は、図8に示す処理を一定周期で実行する。
まずS411で、制御装置100は加熱流体の温度が所定温度T11であるかを判断する。S411で加熱流体の温度が所定温度T11であると判断された場合(YES)、S413で制御装置100は、ポンプ51に所定の電流値I11を供給し、またはポンプ51に所定の電圧値V11を印加してポンプ51を運転する。次にS415で制御装置100は、ポンプ51の回転数R11を検出する。次にS417で制御装置100は、加熱流体の温度が、上記所定温度T11とは異なる所定温度T12であるかを判断する。S417で加熱流体の温度が所定温度T12であると判断された場合、S421で制御装置100は、ポンプ51の回転数R12を検出する。
次にS423で制御装置100は、温度領域(T11〜T12)における回転数(R11〜R12)の変化率RC11を算出する。具体的に制御装置100は、回転数R12と回転数R11の差を所定温度T12と所定温度T11の差で除算して得られた値を変化率RC11として算出する。
RC11=(R12−R11)/(T12−T11) (3)
次にS425で制御装置100は、回転数の変化率RC11が所定値TH41以上であり所定値TH42以下であるかを判定する。S425で肯定的判定がなされた場合(YES)、S427で不凍液の濃度はC%と判定される。S425で否定的判定がなされた場合(NO)、S429で制御装置100は、回転数の変化率RC11が所定値TH42より高く所定値TH43以下であるかを判定する。S429で肯定的判定がなされた場合(YES)、S431で不凍液の濃度はB%と判定される。S429で否定的判定がなされた場合(NO)、S433で制御装置100は、回転数の変化率RC11が所定値TH43より高く所定値TH44以下であるかを判定する。S433で肯定的判定がなされた場合(YES)、S435で不凍液の濃度はA%と判定される。
上記のように、S425,S429,S433のいずれかで肯定的判定がなされた場合、制御装置100はS437で、S427,S431,S435において判定された不凍液の濃度C%,B%,A%に応じた性状に基づき、ポンプ51の制御パラメータを変更して処理を終了する。一方、S433で否定的に判定された場合(NO)、制御装置100はポンプ51の制御パラメータを変更せず、処理を終了する。
本実施形態において制御装置100は、第2実施形態と同様、ポンプ51を所定電流値I11または所定電圧値V11で運転させたとき、検出された加熱流体の温度がT11(所定の第1温度)である場合に、回転数R11を第1検出値として検出する。制御装置100は更に、ポンプ51を所定電流値I11または所定電圧値V11で運転させたとき、検出された加熱流体の温度が所定の第1温度とは異なるT12(所定の第2温度)である場合に、ポンプ51の回転数R12を第2検出値として検出する。制御装置100は更に、第1検出値と第2検出値の差を所定の第1温度と所定の第2温度の差で除算して得られた変化率に基づき、記憶ユニットに記憶される情報を参照して、不凍液の濃度(加熱流体の性状)を判定する。本実施形態の構成でも、配管長が異なる場合においても不凍液の濃度が判定可能となる。
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
上記実施形態において、制御装置100は図3、図4、図7、図8に示す処理を一定の周期で実行したが、これに限らない。制御装置100は図3、図4、図7、図8に示す上記処理を、給湯装置が設置され運転を開始した際に実行してもよい。具体的に、給湯装置1が家屋等に設置された後に、加熱流体が充填されて試運転のために通電された際に、制御装置100は上記処理を実行してもよい。
給湯装置は上記処理を実行させるためのスイッチ、例えば押しボタンを供えてもよい。この場合、給湯装置に通電された状態でユーザが適宜押しボタンを操作して上記の処理を実行してもよい。また押しボタンが操作されることにより、上記処理を一回だけ実施してもよく、あるいは上記処理を上記実施形態のように一定周期で実施してもよい。
この一定周期を例えば1秒〜数分と短く設定することにより、濃度判定および制御パラメータを頻繁に実施してもよい。あるいはこの一定周期を例えば12時間として、運転条件が大きく変化する昼間と夜間に上記処理を実行してもよい。あるいはこの一定周期を例えば3ヶ月間として、季節毎に上記処理を実行してもよい。あるいはこの一定周期を例えば1年〜数年として、上記処理を実行してもよい。この場合、濃度判定および制御パラメータを頻繁に変更しない構成となる。
また不凍液の濃度判定を給湯装置の試運転時に一度だけ行う前提でも、後述するように、経年に伴う加熱流体の性状の変化がポンプ51の運転条件に大きな影響を及ぼすと判断される場合には、例えば給湯装置1の設置より2年後および4年後に不凍液の濃度判定を行いポンプ51の制御パラメータを再設定しても良い。
上記第3および第4実施形態において、制御装置100は不凍液の濃度を、所定温度T11,T12におけるそれぞれの電流値あるいは電圧値の間の変化率、または所定温度T11,T12におけるそれぞれの回転数の間の変化率に基づき判定したが、これに限らない。制御装置100は不凍液の濃度を、所定温度T11,T12におけるそれぞれのポンプ51の電流値あるいは電圧値の絶対値に基づき、例えばデータマップを参照して判定しても良い。同様に制御装置100は不凍液の濃度を、所定温度T11,T12におけるそれぞれのポンプ51の回転数に基づき、例えばデータマップを参照して判定しても良い。
上記実施形態において、給湯装置1はポンプ51および温度センサ59を備えたが、これに限らない。給湯装置1はポンプ51または温度センサ59を備えなくてもよい。上述のように給湯装置が家屋等に設置されて供給先機器(第2熱交換器等)に配管5b,5cで接続される場合、ポンプ51および温度センサ59の少なくとも一方は、供給先機器および配管5b,5cに設置されてもよい。あるいは、給湯装置はポンプ51および温度センサ59を備えず、代わりに供給先機器がポンプ51および温度センサ59を備えてもよい。このような構成では、例えば供給先機器および配管5b,5cにポンプ51および温度センサ59が予め設置されている場合、それらポンプ51および温度センサ59を給湯装置1が有効に活用できる。
上記第3および第4実施形態において、温度T11,T12の2点の検出値より変化率を得て不凍液の濃度を判定したが、これに限らない。検出値を3点以上の温度で得てそれらより変化率を得ても良い。あるいは検出値を3点以上の温度で得て、それら検出値より例えばデータマップを参照することにより不凍液の濃度を判定しても良い。
上述の如く給湯装置1が家屋等に設置された際には、不凍液の濃度が所定の濃度となるように不凍液を水で希釈して得られた加熱流体を給湯装置および供給側機器に充填する。ただし加熱流体の経年劣化や蒸発により、不凍液の濃度や加熱流体の性状が年月を経て変化する。通常、例えば数年ごとに、給湯装置および供給側機器より加熱流体を抜き出して再充填する。ただしその再充填までの期間は、加熱流体の性状が変化してポンプ51の制御パラメータの再設定が必要となる。
このような背景を考慮し、加熱流体の性状の変化に関する情報を年月に応じて予め記憶ユニットに記憶させてもよい。この場合、上記第1〜第4実施形態の処理において不凍液の濃度を判定してポンプ51のパラメータを設定する際、この加熱流体の性状の変化を考慮して設定してもよい。例えば、経年に伴い水が蒸発して不凍液の濃度が増加するに伴い、加熱流体の粘性が増加することが想定される。更にこの粘性の増加に伴いポンプ51の回転数の設定値を高く設定する構成が考えられる。具体的に、給湯装置1を設置してから例えば2年後および4年後に想定される、水の蒸発に伴う不凍液の濃度増加に対応した係数1および係数2(1.0<係数1<係数2)を設定し、予め記憶ユニット100aに記憶させてもよい。この場合、給湯装置1の設置より例えば2年後および4年後に、制御装置100は、ポンプ51の制御パラメータである回転数に対して係数1および係数2をそれぞれ乗算する。このようにして制御装置100は、加熱流体の粘性の増加に伴いポンプ51の回転数の設定値を高く設定してもよい。
上記実施形態において、コイル23はシェル53に含まれ、コイル55はシェル75に含まれ、それぞれシェル&コイル型熱交換器を構成する例を示したが、これに限らない。これらの熱交換器は、所謂シェル&チューブ型熱交換器を構成してもよい。あるいは、これらの熱交換器は所謂フィン&チューブ型熱交換器を構成してもよい。この場合、冷凍サイクル2を構成するチューブと加熱流体サイクルを構成するチューブとがフィンで結合されて一体化され、また加熱流体サイクルを構成するチューブと供給先機器を構成するチューブとがフィンで結合されて一体化され、それぞれファンにより通気されて熱交換を行う構成としてもよい。
上記実施形態において、判定の対象である不凍液の濃度がA%、B%,C%の3種類である例について説明したが、これに限らない。判定の対象である不凍液の濃度は2種類でもよく、4種類以上でも良い。
上記実施形態で、回転数、加熱流体の温度、電流値、電圧値、変化率、加熱流体の濃度等に変数を用いて説明した。異なる実施形態間において同一の変数(R11等)が用いられる場合があったが、異なる実施形態間において同一の変数の値が同一であってもよく、あるいは異なってもよい。
なお上記複数の実施形態において、加熱流体サイクル5は熱サイクルを提供する。また制御装置100は、温度取得手段、回転検出手段、電源検出手段、判定手段、ポンプ制御手段、供給量制御手段、および流体性状判定装置を提供する。温度センサ59は、温度検出手段を提供する。記憶ユニット100aは、記憶手段を提供する。流体性状判定装置および供給量制御手段は、熱サイクル制御装置を提供する。熱サイクル制御装置および1次側熱交換器は、熱サイクル装置を提供する。
100…制御装置(温度取得手段、回転検出手段、電源検出手段、判定手段、ポンプ制御手段、供給量制御手段)、100a…記憶ユニット(記憶手段)
59…温度センサ(温度検出手段)、51…ポンプ
5…加熱流体サイクル(熱サイクル)、2…冷凍サイクル(1次側サイクル)

Claims (10)

  1. ポンプ(51)が循環させる加熱流体(HM)と2次側媒体(HW)とを熱交換して2次側媒体(HW)を加熱する2次側熱交換器(55、75)と、を備える熱サイクル(5)に用いられる流体性状判定装置であり、
    前記熱サイクル(5)を循環する加熱流体(HM)の温度を取得する温度取得手段(100)と、
    前記ポンプ(51)の回転数を検出する回転検出手段(100)と、
    前記ポンプ(51)に印加される電圧値または前記ポンプ(51)に供給される電流値を検出する電源検出手段(100)と、
    前記温度、前記回転数、および前記電圧値または前記電流値に対応する加熱流体(HM)の性状を情報として予め記憶する記憶手段(100a)と、
    前記温度取得手段(100)により取得された前記温度、前記回転検出手段(100)により検出された前記回転数、および前記電源検出手段(100)により検出された前記電圧値または前記電流値に基づき、前記情報を参照して加熱流体(HM)の性状を判定する判定手段(100)と、
    を備えることを特徴とする流体性状判定装置。
  2. 前記ポンプ(51)を所定回転数で運転するポンプ制御手段(100)を更に備え、
    前記電源検出手段(100)は、前記ポンプ制御手段(100)により前記ポンプ(51)を前記所定回転数で運転させたとき、前記温度取得手段(100)により検出された加熱流体(HM)の温度が所定の第1温度である場合に、前記電流値または前記電圧値を第1検出値として検出し、
    前記電源検出手段(100)は、前記ポンプ制御手段(100)により前記ポンプ(51)を前記所定回転数で運転させたとき、前記温度取得手段(100)により検出された加熱流体(HM)の温度が前記所定の第1温度とは異なる所定の第2温度である場合に、前記電流値または前記電圧値を第2検出値として検出し、
    前記判定手段(100)は、前記第1検出値と前記第2検出値の差を前記所定の第1温度と前記所定の第2温度の差で除算して得られた変化率に基づき、前記情報を参照して、加熱流体(HM)の性状を判定することを特徴とする請求項1に記載の流体性状判定装置。
  3. 前記ポンプ(51)を所定回転数で運転するポンプ制御手段(100)を更に備え、
    前記電源検出手段(100)は、前記ポンプ制御手段(100)により前記ポンプ(51)を前記所定回転数で運転させたとき、前記温度取得手段(100)により検出された加熱流体(HM)の温度が所定の第1温度である場合に、前記電流値または前記電圧値を第1検出値として検出し、
    前記判定手段(100)は、前記第1検出値と前記情報とを比較して加熱流体(HM)の第1性状を判定することを特徴とする請求項1に記載の流体性状判定装置。
  4. 前記電源検出手段(100)は、前記ポンプ制御手段(100)により前記ポンプ(51)を前記所定回転数で運転させたとき、前記温度取得手段(100)により検出された加熱流体(HM)の温度が前記所定の第1温度とは異なる所定の第2温度である場合に、前記電流値または前記電圧値を第2検出値として検出し、
    前記判定手段(100)は、前記第2検出値と前記情報とを比較して加熱流体(HM)の第2性状を判定し、
    前記判定手段(100)は、前記第1性状と前記第2性状が一致する場合に、加熱流体(HM)の性状の判定が正しいと判定することを特徴とする請求項3に記載の流体性状判定装置。
  5. 前記ポンプ(51)を所定電流値または所定電圧値で運転するポンプ制御手段(100)を更に備え、
    前記回転検出手段(100)は、前記ポンプ制御手段(100)により前記ポンプ(51)を前記所定電流値または前記所定電圧値で運転させたとき、前記温度取得手段(100)により検出された加熱流体(HM)の温度が所定の第1温度である場合に、前記回転数を第1検出値として検出し、
    前記回転検出手段(100)は、前記ポンプ制御手段(100)により前記ポンプ(51)を前記所定電流値または前記所定電圧値で運転させたとき、前記温度取得手段(100)により検出された加熱流体(HM)の温度が前記所定の第1温度とは異なる所定の第2温度である場合に、前記回転数を第2検出値として検出し、
    前記判定手段(100)は、前記第1検出値と前記第2検出値の差を前記所定の第1温度と前記所定の第2温度の差で除算して得られた変化率に基づき、前記情報を参照して、加熱流体(HM)の性状を判定することを特徴とする請求項1に記載の流体性状判定装置。
  6. 前記ポンプ(51)を所定電流値または所定電圧値で運転するポンプ制御手段(100)を更に備え、
    前記回転検出手段(100)は、前記ポンプ制御手段(100)により前記ポンプ(51)を前記所定電流値または前記所定電圧値で運転させたとき、前記温度取得手段(100)により検出された加熱流体(HM)の温度が所定の第1温度である場合に、前記回転数を第1検出値として検出し、
    前記判定手段(100)は、前記第1検出値と前記情報とを比較して加熱流体(HM)の第1性状を判定することを特徴とする請求項1に記載の流体性状判定装置。
  7. 前記回転検出手段(100)は、前記ポンプ制御手段(100)により前記ポンプ(51)を前記所定電流値または前記所定電圧値で運転させたとき、前記温度取得手段(100)により検出された加熱流体(HM)の温度が前記所定の第1温度とは異なる所定の第2温度である場合に、前記回転数を第2検出値として検出し、
    前記判定手段(100)は、前記第2検出値と前記情報とを比較して加熱流体(HM)の第2性状を判定し、
    前記判定手段(100)は、前記第1性状と前記第2性状が一致する場合に、加熱流体(HM)の性状の判定が正しいと判定することを特徴とする請求項6に記載の流体性状判定装置。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか一つに記載の流体性状判定装置と、
    前記判定手段(100)により判定された加熱流体(HM)の性状に基づき前記ポンプ制御手段(100)を制御することにより、前記ポンプ(51)による加熱流体(HM)の供給量を制御する供給量制御手段(100)を更に備えることを特徴とする熱サイクル制御装置。
  9. 請求項8に記載の熱サイクル制御装置と、
    前記2次側熱交換器(55、75)に配管(5b、5c)を通じて接続され、前記ポンプ(51)により循環される加熱流体(HM)と1次側サイクルを循環する1次側媒体(RF)とを熱交換して加熱流体(HM)を加熱する1次側熱交換器(23、53)と、
    を備えることを特徴とする熱サイクル装置。
  10. 前記熱サイクル(5)を循環する加熱流体(HM)の温度を検出して前記温度取得手段(100)に入力する温度検出手段(59)と、
    前記ポンプ(51)と、
    の少なくとも一つを更に備えることを特徴とする請求項9に記載の熱サイクル装置。
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