JP2003205363A - 誘導型電磁ポンプ式はんだ付け噴流波形成装置 - Google Patents

誘導型電磁ポンプ式はんだ付け噴流波形成装置

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JP2003205363A
JP2003205363A JP2002006440A JP2002006440A JP2003205363A JP 2003205363 A JP2003205363 A JP 2003205363A JP 2002006440 A JP2002006440 A JP 2002006440A JP 2002006440 A JP2002006440 A JP 2002006440A JP 2003205363 A JP2003205363 A JP 2003205363A
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electromagnetic pump
jet wave
bath
liquid surface
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JP2002006440A
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Hideaki Toba
秀明 鳥羽
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Nihon Den Netsu Keiki Co Ltd
Original Assignee
Nihon Den Netsu Keiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘導型電磁ポンプは、数mm程度の極めて狭
い間隔で構成されている推力発生流路ではんだに推力を
与え、連繋された吹き口体の吹き口にはんだの噴流波を
形成する。この噴流波形成の際はんだの酸化が進行し、
微細な粒子状のはんだの酸化物を形成する。この微細な
粒子状のはんだの酸化物が誘導型電磁ポンプに吸い込ま
れると推力発生流路に付着・堆積してポンプの推力が変
動して、噴流波の形状が不安定になる。 【解決手段】 はんだ槽1の一方の側壁3に面して電磁
ポンプ20の吸い込み口20bを設けるとともに他方の
側壁3の近傍に吹き口体12を設けて噴流波40を形成
し、噴流後のはんだ6が横移動して前記吸い込み口20
bから吸い込まれるように構成する。この横移動に20
秒以上の時間を与え酸化はんだ浮上領域37ではんだの
酸化物38を浮上させて分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線板等
の被はんだ付けワークに溶融状態のはんだを噴流状態で
供給してはんだ付けを行う装置であって、このはんだを
噴流させるための送給手段として、誘導型電磁ポンプを
使用したはんだ付け噴流波形成装置に関する。
【0002】電磁ポンプの推力すなわちはんだを吸い込
み吐出する力は機械式ポンプと比較して安定かつ滑らか
であり、モータのロータやポンプの回転羽根等のイナー
シャが無いため推力の応答性も優れている。しかし、こ
の優れた特性を長期間に渡って維持するためには、電磁
ポンプの推力発生流路に酸化したはんだ等のドロスが付
着しないようにすることが必要である。
【0003】
【従来の技術】溶融状態のはんだに直接に電磁力を作用
させて推力を発生させ、これをポンプの吐出力および吸
い込み力とする電磁ポンプ(LEP:linear e
lectromagnetic pump)には、大別
して誘導型(induction type)と伝導型
(conduction type) とがあるが、は
んだの送給に使用される電磁ポンプとしては、はんだへ
の通電が不要な誘導型電磁ポンプが使用されている例が
多い。
【0004】この誘導型の電磁ポンプには、大別してフ
ラットリニア型(FLIP型:flat linear
induction pump) とアニュラリニア
型(ALIP型:annular linear in
duction pump)そしてヘリカル型(HIP
型:helical induction pump)
とがあり、それぞれ固有の構成を有している。
【0005】このような誘導型電磁ポンプを使用しては
んだの噴流波を形成する技術として、特開昭49−65
934号公報や特開昭58−122170号公報、WO
97/47422号公報、等々に従来技術の例を見るこ
とができる。なお、これらの従来例では、はんだ(溶融
状態の金属)を収容した槽(以下はんだ槽と呼称する)
の槽壁外側に移動磁界発生用コイルおよびそのコアを配
設した構成のFLIP型の電磁ポンプを使用している。
【0006】そして、特開昭49−65934号公報や
WO97/47422号公報の技術では、電磁ポンプの
推力方向が鉛直方向(縦方向)を向くようにこの電磁ポ
ンプを配設し、はんだ槽の槽底側に吸い込み口を設け、
はんだ液面側に吐出口を設けることではんだ液面上に噴
流波を形成するように構成している。
【0007】また、特開昭58−122170号公報の
技術では、電磁ポンプの推力方向が水平方向(横方向)
を向くように該電磁ポンプを配設し、はんだ槽の一方の
側壁近傍の槽底側に吸い込み口を設け、他方の側壁近傍
の槽底側に吐出口を設け、さらに該吐出口からはんだ液
面方向すなわち鉛直方向にはんだを導いて、このはんだ
液面上に噴流波を形成するように構成している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】誘導型電磁ポンプは、
はんだに移動磁界を作用させて推力を発生させる仕組み
である。したがって、推力発生流路すなわち移動磁界を
はんだに作用させる磁気回路の磁気抵抗が少なくなるよ
うにこの推力発生流路は数mm程度の極めて狭い間隔で
構成されている。
【0009】一方で、はんだ槽に収容された溶融状態の
はんだは時間の経過とともに酸化が進行し、その酸化は
噴流によって一層激しく進行する。そして、このはんだ
の酸化物が集積されてはんだ液面上に浮上し滞留してド
ロスを形成するようになる。
【0010】そして、このドロスが前述したような電磁
ポンプの狭い推力発生流路に吸い込まれると、この推力
発生流路に付着して堆積し易く、この付着・堆積によっ
て電磁ポンプの推力が低下したり不安定に変動したりし
て、ひいては溶融状態のはんだの噴流波の形状や波高が
低下したり不安定に変動したりして、結果的にプリント
配線板のはんだ付け品質を低下させる問題がある。
【0011】そのため、WO97/47422号公報に
も説明されているように、「細長い棒材または板材を挿
入して」推力発生流路に付着したドロスすなわち酸化し
たはんだや、はんだ付け作業によって発生するフラック
ス等の不純物の混合体を頻繁に除去・清掃する必要があ
る。しかも、特開昭58−122170号公報の技術で
は、電磁ポンプの推力発生流路が槽底に横方向に位置し
て固定されているので、このような除去・清掃作業さえ
も行うことができない。
【0012】一方で、特開昭49−65934号公報や
WO97/47422号公報の技術では、ドロスが推力
発生流路に付着・堆積し易い構成となっている。すなわ
ち、噴流波を形成したはんだがはんだ槽に落流して還流
すると、この落流方向の下方位置に電磁ポンプの吸い込
み口が設けられているために、そのままはんだ槽の槽底
側に設けられた電磁ポンプの吸い込み口を目指して下方
へ流れ、ひいては噴流に際して発生したはんだの酸化物
やはんだ液面上に浮遊していて前記はんだの落流・還流
に巻き込まれたドロスもそのまま電磁ポンプの吸い込み
口を目指して流れ、この電磁ポンプの吸い込み口から吸
い込まれてその推力発生流路に流れて付着・堆積し易い
のである。
【0013】さらに、特開昭49−65934号公報や
WO97/47422号公報の技術では、溶融状態のは
んだを収容したはんだ槽の容積が噴流波を形成するはん
だの単位時間当たり流量に比較して小さいため、噴流に
際して発生したはんだの酸化物やはんだ液面上に浮遊し
ていて前記はんだの落流・還流に巻き込まれたドロス
が、はんだ中からはんだ液面上へ浮上することができな
い。
【0014】すなわち、噴流したはんだが電磁ポンプの
吸い込み口に吸い込まれるまでの所要時間が、はんだ中
のはんだの酸化物がはんだ液面に浮上するために要する
時間よりも短いため、はんだ中のはんだの酸化物が液面
上に浮上することができずにそのまま電磁ポンプの吸い
込み口から推力発生流路へ吸い込まれてしまうのであ
る。このことは、はんだ槽の槽底に電磁ポンプを設けた
特開昭58−122170号公報の技術についても同様
に当てはまる。なお、WO97/47422号公報で
は、はんだ槽内のはんだ量を減少させることができるこ
とを発明の特徴の1つとしている。
【0015】ちなみに、多数の電子部品が搭載されたプ
リント配線板をはんだの噴流波ではんだ付けするフロー
はんだ付け方法においては、噴流波の性状として通常幅
20mm以上(20〜60mm程度)で長さが350m
m以上そして波高が4〜10mm程度のはんだの噴流波
が必要である。そのため、1つの噴流波当たり最大で4
0(リットル/分)程度のはんだ噴流流量が必要であ
る。すなわち、プリント配線板との十分な接触時間を確
保して良好なはんだの濡れ性を確保する必要があるから
である。
【0016】そして、最も重要なことは、従来ははんだ
液面に形成される前記の塊状のドロスだけを問題にして
いたが、本発明者ははんだの噴流の過程で発生する微細
な粒子状のはんだの酸化物が電磁ポンプに吸い込まれる
ことにより、その推力発生流路に付着することを見いだ
した。はんだ液面に形成される塊状のドロスはこれらの
微細な粒子状のはんだの酸化物が集まって形成されてい
たのである。
【0017】さらに、前記塊状のドロスは気泡を含むた
め、はんだ中の深部から数秒程度で浮上するが、前記微
細で粒子状のはんだの酸化物は気泡を含まないため浮力
が小さく、直ちにはんだ液面上へ浮上しないのである。
【0018】本発明の目的は、はんだ付け噴流波形成装
置を運転すなわち噴流波を形成した際に発生するはんだ
の酸化物を、この噴流波形成に伴う循環するはんだの流
れから分離して液面上に浮上させることができるように
構成することによって、はんだの送給手段としての誘導
型電磁ポンプの推力発生流路にはんだの酸化物が付着し
難いようにして、安定した噴流波を長期間に渡って維持
できるようにすることにある。また、発生したドロスは
はんだ液面から排出するように構成することによって、
はんだ中への巻き込みを生じないようにすることにあ
る。そしてその結果、はんだ付け品質の優れたプリント
配線板を、長期間に渡って安定して生産することができ
るようにすることにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、噴流波を形成
する際のはんだ槽内のはんだの流れをはんだの酸化物が
浮上し易いように構成するとともに、はんだの平均循環
時間がはんだの酸化物の浮上に必要な時間以上になるよ
うに構成したところに特徴がある。
【0020】(1)はんだ槽に収容した溶融状態のはん
だを誘導型の電磁ポンプにより前記はんだ槽のはんだ液
面上に設けられた吹き口体の吹き口から噴流させること
により噴流波を形成する誘導型電磁ポンプ式はんだ付け
噴流波形成装置であって、前記はんだ槽のはんだ液面に
前記吹き口体を設ける領域と平面状に前記はんだ液面を
形成した酸化はんだ浮上領域とを設けるとともに前記酸
化はんだ浮上領域が前記吹き口体の吹き口から噴流して
形成されるはんだの噴流波の主な流れ方向の側部側に位
置するように前記吹き口体と前記酸化はんだ浮上領域と
を設け、かつ前記酸化はんだ浮上領域に前記電磁ポンプ
の吸い込み口を前記はんだ液面側または前記はんだ槽の
側壁側に向けて設ける。
【0021】そして、前記はんだ槽の容積および前記吹
き口体の吹き口から前記電磁ポンプの吸い込み口までの
距離を、前記吹き口から噴流して前記はんだ槽内に還流
したはんだが前記酸化はんだ浮上領域へ横移動して前記
電磁ポンプの吸い込み口に吸い込まれるまでに前記はん
だ槽内に還流した際に発生するはんだの酸化物が前記は
んだ液面上に浮上するように形成した誘導型電磁ポンプ
式はんだ付け噴流波形成装置である。
【0022】はんだの酸化物には、はんだが酸化したこ
とによって発生した直後の微細で粒子状のはんだの酸化
物と、それら微細で粒子状のはんだの酸化物が集まって
形成された塊状のドロスとがある。この塊状のドロスは
気泡を含むシャーベット状の塊を形成して成り、この塊
状のドロスが、噴流するはんだがはんだ槽内に落流する
際に巻き込まれてはんだ中に沈むと、前記落流から離れ
ることによりはんだ液面上へ浮上する。この浮上に要す
る時間は通常数秒程度である。しかし、微細で粒子状の
はんだの酸化物は気泡を含まないため浮力が小さく、前
記落流から離れても直ちにはんだ液面上へ浮上しない。
【0023】しかし、噴流波を形成したはんだの落流が
生じる領域すなわち吹き口体が設けられた領域から離
れ、かつその落流方向の側部側へはんだが流れるように
してはんだが滞留しながら横移動できる領域(はんだが
ゆっくりと横方向へ流れる領域)すなわち酸化はんだ浮
上領域を形成することにより、電磁ポンプの吸い込み口
に吸い込まれる前にはんだ液面上に浮上させることがで
きるようになる。
【0024】このはんだの滞留可能時間は、有限の大き
さのはんだ槽において吹き口体の吹き口から噴流するは
んだの流量によって変化する。すなわち、前記はんだ流
量が大きくなるとはんだ槽内の深部まではんだが落流
し、かつはんだ槽内のはんだの循環時間が短くなるから
である。
【0025】そして、前述のように、はんだが滞留しな
がら横移動する間に、微細な粒子状のはんだの酸化物が
はんだ液面上に浮上するようにはんだ槽の容積および吹
き口体の吹き口から電磁ポンプの吸い込み口までの距離
を決めたので、はんだ槽の深部に落流した微細な粒子状
のはんだの酸化物もはんだ液面上に浮上させることがで
きる。
【0026】したがって、はんだの酸化物が電磁ポンプ
の吸い込み口から吸い込まれることが極めて少なくなっ
て、電磁ポンプの推力発生流路にはんだの酸化物が付着
しなくなる。
【0027】(2)前記(1)の誘導型電磁ポンプ式は
んだ付け噴流波形成装置において、前記酸化はんだ浮上
領域のはんだ中にストレートスルー型の誘導型の電磁ポ
ンプを没設して設けるとともに前記電磁ポンプの吸い込
み口を前記はんだ槽の側壁側に向けて設け、さらに前記
電磁ポンプの吸い込み口を前記はんだ液面方向に向ける
可倒手段を設けるように構成する。
【0028】電磁ポンプの吸い込み口をはんだ槽の側壁
側へ向けることにより、吹き口体の吹き口から噴流した
はんだは、最も長い滞留時間を得ることができるように
なる。すなわち、はんだの酸化物をはんだ液面上に浮上
させるための最も良い条件を得ることができるようにな
る。
【0029】一方で、極めて長期間に渡って電磁ポンプ
を使用すれば清掃の必要が生じる。そして、誘導型の電
磁ポンプの推力発生流路がストレートスルー型すなわち
直線状に形成してあるので、可倒手段によりその吸い込
み口をはんだの液面方向に向けることができるように構
成することによって、この吸い込み口から清掃手段を挿
入して容易に清掃を行うことができるようになる。
【0030】なお、ALIP型電磁ポンプを使用した場
合においては、その内部コアを挿抜自在に構成しておく
ことにより、円環状の推力発生流路内および内部コアを
極めて容易に清掃することができるようになる。
【0031】(3)前記(1)または(2)の誘導型電
磁ポンプ式はんだ付け噴流波形成装置において、前記酸
化はんだ浮上領域のはんだ液面に前記はんだの流れ方向
または前記流れ方向に直交する方向へ前記はんだの酸化
物が塊まったドロスを収集して排出するドロス排出手段
を着脱自在に設けて構成する。
【0032】このように構成することによって、酸化は
んだ浮上領域にはんだの酸化物を分離して浮上させ集積
させることができるようになる。したがって、この平面
状に形成された酸化はんだ浮上領域のはんだ液面に、は
んだの流れ方向へまたは前記流れ方向に直交する方向へ
前記はんだの酸化物が塊まったドロスを収集して排出す
るドロス排出手段を設けることにより、はんだの酸化物
の浮上に障害を与えることなく極めて容易に発生したド
ロスをはんだ槽から排出し、清浄なはんだではんだ付け
作業を行うことができるようになる。また、ドロス排出
手段は着脱自在であるので、このドロス排出手段を取り
外せば電磁ポンプの清掃作業を容易に行うことができる
ようになる。
【0033】なお、以上の(1)(2)(3)の構成
は、酸化速度が速い錫−亜鉛系はんだ(例えば、錫−9
%亜鉛はんだ)においては特別かつ有効に作用する。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明の誘導型電磁ポンプ式はん
だ付け噴流波形成装置は、次のような実施形態例におい
て実施することができる。
【0035】(1)実施形態例−1 図1は、本発明の誘導型電磁ポンプ式はんだ付け噴流波
形成装置の実施形態例−1の構成例の側断面を示す図で
ある。また、図2は、実施形態例−1の全容を示す斜視
図である。なお、図1においては温度制御系および電磁
ポンプ制御系をブロック図で描いてあり、図2において
は吹き口体の構成をわかり易くするために噴流波を破線
で描いてある。
【0036】すなわち、はんだ槽1内には槽底2(また
は槽壁3)に沿ってヒータ5が設けてあり、このはんだ
槽1内に収容されたはんだ6を加熱して溶融させ、目的
とする温度に保持するように構成されている。はんだ6
の温度は温度制御装置7により制御される仕組みであ
り、この温度制御装置7は温度センサ8の温度検出結果
を参照し、はんだ6の温度が予め指示された温度になる
ようにヒータ5に供給する電力を制御する仕組みであ
る。
【0037】また、はんだ6の流れを整えるとともにこ
の流れを案内して連繋流路を形成するチャンバ体9が、
その吊り下げ部10をはんだ槽1の上縁部4に係止して
ねじ11で固定してある。そして、はんだ槽1の一方の
側には、所定の噴流波を形成する吹き口体12がチャン
バ体9に嵌合して設けられ、その吹き口13ははんだ液
面6a上に位置し、スリーブ14を介してチャンバ体9
にねじ15で固定することによりチャンバ体9に対して
着脱自在に設けられている。
【0038】なお、吹き口体12内に設けられた多孔板
16ははんだ6の流れを整える整流手段である。また、
チャンバ体9内に設けられた流れ案内板17は、チャン
バ体9内を流れるはんだ6の流れを整える手段である。
【0039】そして、このチャンバ体9の中程に、チャ
ンバ体9のフランジ部9aと電磁ポンプ20のフランジ
部21とを結合してALIP型の電磁ポンプ20を結合
することができるように構成してあり、電磁ポンプ20
はその推力発生流路22を横向きにしてその吐出口20
aをチャンバ体9に結合するように構成してある。これ
により、電磁ポンプ20の吸い込み口20bは、はんだ
槽1の側壁3側へ向くように設けてある。
【0040】さらに、このチャンバ体9と電磁ポンプ2
0とを結合するフランジ部9a、21の上方側にはヒン
ジ23を設けてあり、フランジ部9a、21を介してチ
ャンバ体9に嵌合した電磁ポンプ20を矢印A方向へ回
動することで可倒できるように構成してある。なお、配
線用パイプ24は、電磁ポンプ20に多相交流電源を供
給するためのものであり、電磁ポンプ20ははんだ5内
にその全表面(ケーシングの全表面)を没設して設けて
ある。
【0041】そして、この電磁ポンプ20はそのケーシ
ングに設けられた固定用アーム25で前記チャンバ体9
の吊り下げ部10とともにはんだ槽1の上縁部4に係止
してねじ19で固定され、このねじ固定により前記フラ
ンジ部9a、21においてチャンバ体9と電磁ポンプ2
0とが結合されるように構成してある。そして、このね
じ19を取り外ずして電磁ポンプ20を矢印A方向に回
動することで前記の結合が離れ、把手28により電磁ポ
ンプ20を可倒できるように構成してある。
【0042】また、図1に示すように電磁ポンプ20が
設けられている側とは反対側すなわち図の左側のチャン
バ体9の吊り下げ部10には、はんだ槽1の上縁部4に
ヒンジ26を設けてチャンバ体9を矢印B方向へ回動す
ることで可倒できるように構成してある。なお、この可
倒に際しては、図1の右側のはんだ槽1の上縁部4に設
けた固定用のねじ11,19を取り外して行う。そし
て、固定用のねじ11,19を全て取り外し、はんだ槽
1の両側の上縁部4に設けた吊り下げ部10を把手27
により一緒に持ち上げれば、このはんだ槽1内からチャ
ンバ体9と電磁ポンプ20とを一緒に引き上げることが
できる。
【0043】このように、矢印A方向に電磁ポンプ20
を回動して可倒したり、矢印B方向でチャンバ体9ごと
電磁ポンプ20を回動して可倒することにより、はんだ
液面6a方向に電磁ポンプ20の吸い込み口20bを向
けることができるようになる。または、はんだ液面6a
上に電磁ポンプ20の吸い込み口20bを顕出させるこ
とができる。
【0044】ALIP型の電磁ポンプ20は、外部コア
29やこの外部コア29に捲回する移動磁界発生用コイ
ル30の配置や形状を円柱状に構成することができるた
め、通常はその外観も円柱状である。また、その内部コ
ア31も円柱状であり、この外部コア29と内部コア3
1との間の円環状の空間すなわち推力発生流路22に移
動磁界を発生させ、この流路22のはんだ6に推力を与
えて移動させ、吐出力および吸い込み力を発生させる。
【0045】そして、内部コア31には吸い込み口20
b側に把手31aが設けてあり、かつこの内部コア31
が挿抜自在に設けられ、電磁ポンプ20を前記のように
可倒した際に内部コア31を抜き去ることができるよう
に構成してある。
【0046】なお、図1に例示する構成のALIP型の
電磁ポンプ20は、電磁ポンプ20内の推力発生流路2
2が直線状であることから、ストレートスルー型と呼称
されている。また、図には外部コア29や移動磁界発生
用コイル30の詳細は省略して図示しておらず、そのケ
ーシングの外観のみを図示している。さらに、図1では
ALIP型の電磁ポンプ20を例として示したが、FL
IP型の電磁ポンプを同様のフランジ接続の構成で使用
することができる。
【0047】電磁ポンプ20に移動磁界を発生させるた
めの電力は多相交流電源装置(例えば、VVVF型3相
インバータ電源装置)33から供給される。そして、こ
の多相交流電源装置33は、制御装置34との通信によ
りその出力電圧や周波数が任意に調節され設定される構
成である。そして、制御装置34はコンピュータシステ
ムで構成され、キーボード等の指示操作部35とLCD
等の表示部36とを備えていて、指示操作部35からの
指示により前記多相交流電源装置33の作動を制御する
構成である。
【0048】そして、図1および図2に示すように、は
んだ槽1のはんだ液面6aの一方の領域には吹き口体1
2を設け、他方の領域にははんだの酸化物38を浮上さ
せるために、そのはんだ液面6aに従来の機械式ポンプ
において存在していたポンプ軸等のはんだの流れを邪魔
する部材が存在しない平面状の酸化はんだ浮上領域37
を形成する。また、噴流波40を形成するはんだ6の流
れ方向Cに対してその側部側に酸化はんだ浮上領域37
は設けられ、電磁ポンプ20の吸い込み口20bはこの
側部側の酸化はんだ浮上領域37のはんだ槽1の側壁3
側を向けて設け、案内板39を落流する噴流波40を形
成してはんだ槽1内に落流して還流したはんだ6がこの
噴流波40の流れ方向に対して横方向へ流れて移動し、
この横方向の移動距離が最も長くなるように構成してあ
る。
【0049】また、はんだ槽1のはんだ収容容積は30
リットルであり、例えば噴流幅40mmで長さ350m
m、噴流波高10mmとした場合の噴流流量すなわち通
常の噴流波40を形成するために必要な最大の流量40
(リットル/分)を考慮してその容積を決めてある。で
きればはんだ槽1の容積は通常使用される最大噴流流量
(リットル/分)の半分以上の容積が良い。なお、電磁
ポンプ20の容積およびその推力発生流路22からチャ
ンバ体9を経て吹き口体12の吹き口13に至るまでの
容積は、図1の例では約5リットルである。したがっ
て、噴流波40を形成したはんだ6がはんだ槽1内に落
流・還流してから電磁ポンプ20の吸い込み口20bに
吸い込まれるまでに要する平均所要時間tはt
((30−5)/40)×60≒37秒となる。
【0050】すなわち、微細な粒子状のはんだの酸化物
38がはんだ槽1のはんだ6内に落流して浮上するまで
概ね20秒程度を要するからであり、吹き口体12の吹
き口13から噴流したはんだ6がはんだ槽1内に落流・
還流してから酸化はんだ浮上領域37へ横移動し、その
後に再び電磁ポンプ20の吸い込み口20bに吸い込ま
れるまでに要する平均所要時間が20秒以上になるよう
にはんだ槽1のはんだ収容容積を決めてある。
【0051】これは、吹き口13から噴流するはんだ6
の単位時間当たりの流量について20秒以上の滞留時間
が確保されることにより、落流によりはんだ槽1のはん
だ6の深部に落流した微細な粒子状のはんだの酸化物3
8もはんだ液面6a上に浮上させることができるからで
ある。なお、シャーベット状の塊状となったドロス41
には気泡が含まれているので、数秒程度ではんだ液面6
aに浮上することができる。
【0052】なお、本発明者は、はんだ6が吹き口体1
2の吹き口13から噴流して噴流波40を形成した際に
発生した気泡を含まない微細な粒子状のはんだの酸化物
38が落流の際にはんだ槽1のはんだ6の深部に巻き込
まれてから浮上するまでに要する時間は、約20秒程度
であることを確かめている。また、この浮上に要する時
間が噴流流量には依存しないことも確かめている。
【0053】例えば、従来から使用されている錫−37
鉛はんだ(錫63%、鉛37%のはんだ)および鉛フリ
ーはんだの錫−3.5銀−0.75銅はんだ、錫−0.
7銅はんだでは浮上時間が約20秒前後であり、錫−9
亜鉛はんだでは浮上時間が約15秒前後である。なお、
はんだの温度を250℃として測定した。したがって、
これらのはんだにビスマスやインジウム、ゲルマニウ
ム、ニッケル等々の微量の添加物を加えたはんだについ
ても概ね同様の結果が得られることが推測される。
【0054】次に、このように構成された誘導型電磁ポ
ンプ式はんだ付け噴流波形成装置の作動について説明す
る。
【0055】制御装置34からの指令により多相交流電
源装置33から電磁ポンプ20に多相交流電源が供給さ
れると、電磁ポンプ20の推力発生流路22に吸い込み
口20bから吐出口20a方向へ移動する移動磁界が発
生し、この移動磁界によりはんだ6に推力が与えられて
吐出口20aからチャンバ体9へはんだ6が供給され
る。チャンバ体9へ供給されたはんだ6は流れ案内板1
7および多孔板16によりその流れが整えられて吹き口
体12の吹き口13から矢印C方向へ噴流して噴流波4
0を形成する。
【0056】この噴流波40を形成したはんだ6ははん
だ槽1内に落流して還流し、図1の右方向へ横移動しな
がら電磁ポンプ20の吸い込み口20bへ向かって流れ
る。噴流波40を形成したはんだ6がはんだ槽1内に落
流して還流してから電磁ポンプ20の吸い込み口20b
に吸い込まれるまでの平均所要時間は、先に計算したよ
うに約37秒である。
【0057】したがって、はんだ6の噴流流量の1(リ
ットル/分)当たり少なくとも20秒以上の横移動(図
1の左側から右側への横流れ)の滞留時間が得られるよ
うに吹き口体12と電磁ポンプ20ひいてはその吸い込
み口20bとを配設するとともにはんだ槽1の容積およ
び形状を決めることにより、噴流波40を形成するはん
だ槽1内のはんだ6の循環した流れの途中すなわち噴流
波40を形成したはんだ6のはんだ槽1内への落流・還
流から電磁ポンプ20の吸い込み口20bに吸い込まれ
るまでの横移動の際に、微細な粒子状のはんだの酸化物
38を酸化はんだ浮上領域37に浮上させることができ
る。
【0058】すなわち、本実施形態例−1の装置では、
この循環するはんだ6の流れの横移動の際に、噴流波4
0を形成した際に発生した微細な粒子状のはんだの酸化
物38が酸化はんだ浮上領域37に浮上して集まり、塊
すなわちドロス41を形成するようになる。もちろん、
気泡を含む塊状のドロスがはんだ6の中に含まれていて
も、このドロス41は数秒程度で直ちにはんだ液面6a
に浮上し、同様にして酸化はんだ浮上領域37に集まる
ようになる。
【0059】このように、本実施形態例−1の誘導型電
磁ポンプ式はんだ付け噴流波形成装置においては、電磁
ポンプ20にはんだの酸化物38が吸い込まれないよう
になって、この電磁ポンプ20の推力発生流路22には
んだの酸化物38が付着する機会が激減し、この推力発
生流路22の清掃頻度を極めて少なくすることができる
ようになる。
【0060】なお、通常行われているような1ヵ月毎や
3ヵ月毎あるいは6ヵ月毎の定期メンテナンスに際して
は、電磁ポンプ20の固定用アーム25をはんだ槽1の
上縁部4に固定しているねじ19を取り外し、この固定
用のアーム25に設けられた把手28により電磁ポンプ
20自体をフランジ部21に設けたヒンジ23を回動中
心として矢印A方向に回動して可倒することにより、こ
の電磁ポンプ20の吸い込み口20bをはんだ液面6a
側へ向けるかあるいははんだ液面6a上に現れるように
することができるので、その状態で電磁ポンプ20の推
力発生流路22を清掃することができる。
【0061】また、図1の右側に示すチャンバ体9の吊
り下げ部10をはんだ槽1の上縁部4に固定するねじ1
1,19を併せて取り外して吊り下げ部10に設けられ
た把手27により、図の左側のはんだ槽1の上縁部4の
吊り下げ部10に設けたヒンジ26を回動中心として当
該のチャンバ体9と電磁ポンプ20とを一体に矢印B方
向に回動させても電磁ポンプ20を可倒させ、その吸い
込み口20bをはんだ液面6a上に現れるようにするこ
とができる。
【0062】また、本実施形態例−1のように、電磁ポ
ンプ20にALIP型電磁ポンプを使用した場合には、
この電磁ポンプ20の内部コア31を挿抜自在に設けて
おくことにより、その把手31aにより内部コア31を
抜き去って推力発生流路22と内部コア31とを容易に
清掃することができるようになる。
【0063】そして、はんだ槽1の酸化はんだ浮上領域
37に分離され集められたドロス41は、ヘラのような
掬い上げ手段により容易に回収することができるように
なり、常に清浄な状態ではんだ付け用の噴流波40を形
成することができるようになる。また、回収されたドロ
ス41は再生することにより再使用することができるよ
うになる。
【0064】(2)実施形態例−2 図3は、本発明の誘導型電磁ポンプ式はんだ付け噴流波
形成装置の実施形態例−2の構成例の側断面を示す図で
ある。また、図4は、実施形態例−2の全容を示す斜視
図である。なお、図3においては温度制御系および電磁
ポンプ制御系をブロック図で描いてあり、図4において
は吹き口体の構成をわかり易くするために噴流波を破線
で描いてある。
【0065】本実施形態例−2が先に示した実施形態例
−1と相違する点は、電磁ポンプ20の吸い込み口20
bを酸化はんだ浮上領域37のはんだ液面6a方向を向
けて設け、その推力発生流路22が鉛直方向を向くよう
に設けている点である。そして、電磁ポンプ20の吸い
込み口20bには傘状の吸い込み案内板42を設けて吸
い込み案内板42の下方側からはんだ6を吸い込むよう
に構成されている。
【0066】なお、吸い込み案内板42はスペーサ43
を介してねじ44により電磁ポンプ20に着脱自在に固
定されていて、同様に着脱自在に設けられた電磁ポンプ
20の内部コア31と一体に形成されている。すなわ
ち、この吸い込み案内板42と電磁ポンプ20の内部コ
ア31とは、酸化はんだ浮上領域37のはんだ液面6a
側から着脱することができるように構成してある。
【0067】図3に例示する誘導型の電磁ポンプ20は
ALIP型であるが、先の実施形態例−1と同様に推力
発生流路22に内部コア31の無いFLIP型電磁ポン
プを使用することができる。
【0068】そして、本実施形態例−2ではチャンバ体
9がはんだ槽1に設けられた固定台45にねじ46によ
り着脱可能に固定され、このチャンバ体9に図示しない
手段で電磁ポンプ20が固定されている。この電磁ポン
プ20は配線用配管48がフランジ部49を介してはん
だ槽1に貫通して設けられ、フランジ固定ねじ50によ
り固定され封止されている。すなわち、先の実施形態例
−1では、はんだ液面6a側から電磁ポンプ20への電
力供給を行っているが、本実施形態例−2では、はんだ
槽1の側壁3側から電磁ポンプ20への電力供給を行う
ように構成してある。したがって、図4に例示するよう
に酸化はんだ浮上領域37に他の構成部品が存在しない
領域を形成することができる。
【0069】また、はんだ槽1のはんだ収容容積は先の
実施形態例−1と同様に30リットルであり、電磁ポン
プ20の容積およびその推力発生流路22からチャンバ
体9を経て吹き口体12の吹き口13に至るまでの容積
も、同様に約5リットルである。
【0070】したがって、噴流幅40mmで長さ350
mm、噴流波高10mmとした場合の噴流流量すなわち
通常の噴流波40を形成するために必要な最大の流量と
して40(リットル/分)とすると、噴流波40を形成
したはんだ6がはんだ槽1内に落流・還流してから電磁
ポンプ20の吸い込み口20bに吸い込まれるまでに要
する平均所要時間tは同様にt=((30−5)/
40)×60≒37秒となる。
【0071】すなわち、本実施形態例−2の装置でも、
噴流波40を形成する過程ではんだ槽1内のはんだ6が
循環するが、噴流波40を形成した後にはんだ槽1内に
落流・還流し、その後に電磁ポンプ20の吸い込み口2
0bに吸い込まれるまでのはんだ6の横移動(図3の左
側から右側への横流れ)の際に、噴流波40を形成した
際に発生した微細な粒子状のはんだの酸化物38が酸化
はんだ浮上領域37に浮上して集まり、塊すなわちドロ
ス41を形成するようになる。
【0072】したがって、電磁ポンプ20にはんだの酸
化物38が吸い込まれないようになって、この電磁ポン
プ20の推力発生流路22にはんだの酸化物38が付着
する機会が激減し、この推力発生流路22の清掃頻度を
極めて少なくすることができるようになる。
【0073】(3)実施形態例−3 本実施形態例−3は、先の実施形態例−1や実施形態例
−2に、ドロス排出手段を設けて誘導型電磁ポンプ式は
んだ付け噴流波形成装置を構成した例である。
【0074】図5は、実施形態例−2にドロス排出手段
を設けた実施形態例−3の要部の側断面を示す図であ
る。また、図6は、実施形態例−3のドロス排出手段の
全容とその着脱の態様を説明するための斜視図である。
【0075】すなわち、酸化はんだ浮上領域37のはん
だ液面をはんだ6の横流れ方向に移動する収集体52を
設けてあり、この収集体52により収集されたドロス4
1を掻き上げ体53に沿ってはんだ液面6aから分離し
て回収箱54内に投下回収するように構成してある。し
たがって、はんだの酸化物38の浮上に障害を与えるこ
となくドロス41の収集と排出を行うことができる。な
お、酸化はんだ浮上領域37のはんだ液面6aをはんだ
6の横流れ方向に直交する方向に収集体52が移動する
ように構成してもよく、同様にはんだの酸化物38の浮
上に影響を与えることがない。
【0076】収集体52は平行2条に設けられ回動走行
するチェーン55に設けられ、このチェーン55は(減
速ギア56a等を有する)モータ56により駆動され
る。すなわち、平行2条のアーム57のそれぞれの両端
にスプロケット58を設けてチェーン55を掛け渡し、
平行2条に構成してあり、一方のスプロケット58を駆
動軸59で連結させるとともにモータ56で連動駆動す
るように構成してある。なお、モータ56と駆動軸59
との結合もスプロケット60とチェーン61によって行
っている。
【0077】そして、駆動軸59側のスプロケット58
の周囲すなわち前記収集体52が下方から上方へ回動し
て復路走行する部分に、この収集体52に当接しドロス
41の掻き上げを案内する掻き上げ体53を設け、この
掻き上げ体53に隣接して回収箱54を設けて構成して
ある。
【0078】前記アーム57と掻き上げ体53そして回
収箱54は、スプロケット58やチェーン55、収集体
52、モータ56、駆動軸59、等と一体に構成されて
ドロス排出手段65を構成し、このドロス排出手段65
には前記アーム57および掻き上げ体53と回収箱54
との間にはんだ槽1の上縁部4に嵌合して係止される挟
設手段66を設けてあり、矢印D方向に装着できるとと
もに矢印Dの反対方向に取り外すことが自在に行えるよ
うに構成してある。
【0079】したがって、ドロス排出手段65を取り外
すことにより、電磁ポンプ20の推力発生流路22の清
掃等のメンテナンス作業を容易に行うことができるよう
になる。また、当該ドロス排出手段65のメンテナンス
も容易に行うことができるようになる。
【0080】(4)実施形態例−4 本実施形態例−4は、先の実施形態例−1や実施形態例
−2に、ドロス排出手段を設けて誘導型電磁ポンプ式は
んだ付け噴流波形成装置を構成した例であるが、チャン
バ(不図示)内に不活性ガス等を供給して特別な雰囲気
を形成し、例えば低酸素濃度の不活性ガス雰囲気を形成
したチャンバ内に誘導型電磁ポンプ式はんだ付け噴流波
形成装置を配設してはんだ付けシステムを構成する際
に、チャンバの封止性を損なうことがないようにドロス
排出手段を設けた構成となっている。
【0081】このような、低酸素濃度の不活性ガス雰囲
気中ではんだ付けを行う技術の例として、特開2001
−230538号公報にその例を見ることができる。こ
の技術例では、トンネル状チャンバに設けた開口にスカ
ートを設け、このスカートをはんだ槽のはんだ中に浸漬
して完全な封止を実現している。
【0082】図7は、先の実施形態例−2にスカート挿
入部を有するドロス排出手段を設けた本実施形態例−4
の要部の側断面を示す図である。また、図8は、本実施
形態例−4のドロス排出手段の全容とその着脱の態様を
説明するための斜視図である。
【0083】すなわち、本実施形態例−4では、先の実
施形態例−3において説明したドロス排出手段65を、
前記スカートの浸漬を行うことができるようにスカート
挿入部68を設けて構成したものである。
【0084】すなわち、ドロス排出手段65をはんだ槽
1に着脱自在に設けるための挟設手段66とアーム57
との間にはんだ6中に浸漬されるスカート挿入部68を
設けるとともに、ドロス41の回収箱54をはんだ6中
に設けてこの回収箱54とはんだ槽1との間にもはんだ
6中に浸漬されるスカート挿入部68を設けて挟設手段
66を設けるように構成してある。
【0085】したがって、例えば特開2001−230
538号公報に見られるようなトンネル状チャンバに設
けられたスカートを、前記のドロス排出手段65に設け
られたスカート挿入部68に挿入してはんだ6中に浸漬
することにより、このトンネル状チャンバの封止を完全
な状態に維持することができるようになる。
【0086】なお、本実施形態例−4の作動は先の実施
形態例−3と同様である。すなわち、酸化はんだ浮上領
域37のはんだ液面6aをはんだ6の横流れ方向に移動
する収集体52により移動させてドロス41を収集し、
続いてこのドロス41を掻き上げ体53に沿ってはんだ
液面6aから分離して回収箱54内に投下回収する仕組
みである。したがって、はんだの酸化物38の浮上に障
害を与えることなくドロス41の収集と排出を行うこと
ができる。もちろん、酸化はんだ浮上領域37のはんだ
液面6aをはんだ6の横流れ方向に直交する方向に収集
体52が移動するように構成してもよい。
【0087】ちなみに、特開2001−230538号
公報に見られるようなシステムでは、図示はされていな
いが通常はんだ槽のエレベータ機構が備えられていて、
はんだ槽とトンネル状チャンバとが分離できるように構
成されている。すなわち、はんだ槽等のメンテナンス作
業を行うことができるようにするためである。
【0088】したがって、このようなはんだ槽の分離を
行うことにより、本実施形態例−4においてもドロス排
出手段65を容易に着脱することができるようになり、
電磁ポンプ20やはんだ槽1等さらにはドロス排出手段
65自体をも容易に清掃する等のメンテナンス作業を行
うことができるようになる。
【0089】なお、先の実施形態例−3および本実施形
態例−4において説明した誘導型電磁ポンプ式はんだ付
け噴流波形成装置のドロス排出手段65は、挟設手段6
6と併せてねじ(不図示)による固定を行ってもよい。
すなわち、当該のねじを取り外せばこのドロス排出手段
65を容易に着脱することができるからである。
【0090】また、ドロス排出手段65の運転態様すな
わちモータ56の運転態様としては、ゆっくりと常時運
転する方法、はんだ付け噴流波形成装置の運転時間をタ
イマで測定しこの運転時間が予め決めた所定の時間に達
した際に運転する方法(所定時間毎に繰り返し運転する
方法)、はんだ液面6aのドロス41による隆起をセン
サで検出してこの隆起が予め決めた所定の量を越えた際
に運転する方法、手動スイッチにより運転する方法、等
々の態様を採ることができ、これらを組み合わせて運転
するようにしてもよい。なお、運転の継続期間すなわち
モータ56が回転している時間的長さは、使用態様に合
わせて任意に決めればよい。
【0091】
【発明の効果】以上のように、本発明の誘導型電磁ポン
プ式はんだ付け噴流波形成装置によれば、従来は問題と
されていなかった浮上し難い微細な粒子状のはんだの酸
化物を分離して浮上させて、この微細な粒子状のはんだ
の酸化物を誘導型電磁ポンプに吸い込むことがないよう
にすることができるようになる。したがって、誘導型電
磁ポンプの推力発生流路にはんだの酸化物が付着しない
ようになる。また、はんだ液面に浮上して塊状に形成さ
れたドロスを、微細な粒子状のはんだの酸化物の浮上を
妨げることなく排出することができるようになる。しか
も、電磁ポンプのメンテナンス作業やはんだ槽のメンテ
ナンスさらにはドロス排出手段のメンテナンスも極めて
容易に行うことができる。
【0092】その結果、ドロスが混入していないはんだ
の噴流波でプリント配線板のはんだ付け作業を行うこと
ができるようになるとともに、電磁ポンプの推力も長期
間に渡って安定になるため長期間に渡って安定で再現性
に優れた噴流波を形成することができるようになり、は
んだ付け品質の優れたプリント配線板を長期間に渡って
安定して生産することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘導型電磁ポンプ式はんだ付け噴流波
形成装置の実施形態例−1の構成例の側断面を示す図で
ある。
【図2】実施形態例−1の全容を示す斜視図である。
【図3】本発明の誘導型電磁ポンプ式はんだ付け噴流波
形成装置の実施形態例−2の構成例の側断面を示す図で
ある。
【図4】実施形態例−2の全容を示す斜視図である。
【図5】実施形態例−2にドロス排出手段を設けた実施
形態例−3の要部の側断面を示す図である。
【図6】実施形態例−3のドロス排出手段の全容とその
着脱の態様を説明するための斜視図である。
【図7】実施形態例−2にスカート挿入部を有するドロ
ス排出手段を設けた実施形態例−4の要部の側断面を示
す図である。
【図8】実施形態例−4のドロス排出手段の全容とその
着脱の態様を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
1 はんだ槽 2 槽底 3 側壁 4 上縁部 5 ヒータ 6 はんだ 6a はんだ液面 7 温度制御装置 8 温度センサ 9 チャンバ体 9a フランジ部 10 吊り下げ部 11 ねじ 12 吹き口体 13 吹き口 14 スリーブ 15 ねじ 16 多孔板 17 流れ案内板 19 ねじ 20 電磁ポンプ 20a 吐出口 20b 吸い込み口 21 フランジ部 22 推力発生流路 23 ヒンジ 24 配線パイプ 25 固定用アーム 26 ヒンジ 27 把手 28 把手 29 外部コア 30 移動磁界発生用コイル 31 内部コア 31a 把手 33 多相交流電源装置 34 制御装置 35 指示操作部 36 表示部 37 酸化はんだ浮上領域 38 はんだの酸化物 39 案内板 40 噴流波 41 ドロス 42 吸い込み案内板 43 スペーサ 44 ねじ 45 固定台 46 ねじ 48 配線用配管 49 フランジ部 50 フランジ固定ねじ 52 収集体 53 掻き上げ体 54 回収箱 55 チェーン 56 モータ 56a 減速ギア 57 アーム 58 スプロケット 59 駆動軸 60 スプロケット 61 チェーン 65 ドロス排出手段 66 挟設手段 68 スカート挿入部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 はんだ槽に収容した溶融状態のはんだを
    誘導型の電磁ポンプにより前記はんだ槽のはんだ液面上
    に設けられた吹き口体の吹き口から噴流させることによ
    り噴流波を形成する誘導型電磁ポンプ式はんだ付け噴流
    波形成装置であって、 前記はんだ槽のはんだ液面に前記吹き口体を設ける領域
    と平面状に前記はんだ液面を形成した酸化はんだ浮上領
    域とを設けるとともに前記酸化はんだ浮上領域が前記吹
    き口体の吹き口から噴流して形成されるはんだの噴流波
    の主な流れ方向の側部側に位置するように前記吹き口体
    と前記酸化はんだ浮上領域とを設け、かつ前記酸化はん
    だ浮上領域に前記電磁ポンプの吸い込み口を前記はんだ
    液面側または前記はんだ槽の側壁側に向けて設け、 前記はんだ槽の容積および前記吹き口体の吹き口から前
    記電磁ポンプの吸い込み口までの距離を、前記吹き口か
    ら噴流して前記はんだ槽内に還流したはんだが前記酸化
    はんだ浮上領域へ横移動して前記電磁ポンプの吸い込み
    口に吸い込まれるまでに、前記はんだ槽内に還流した際
    に発生するはんだの酸化物が前記はんだ液面に浮上する
    ように形成したことを特徴とする誘導型電磁ポンプ式は
    んだ付け噴流波形成装置。
  2. 【請求項2】 前記酸化はんだ浮上領域のはんだ中にス
    トレートスルー型の誘導型の電磁ポンプを没設して設け
    るとともに前記電磁ポンプの吸い込み口を前記はんだ槽
    の側壁側に向けて設け、さらに前記電磁ポンプの吸い込
    み口を前記はんだ液面方向に向ける可倒手段を設けたこ
    とを特徴とする請求項1記載の誘導型電磁ポンプ式はん
    だ付け噴流波形成装置。
  3. 【請求項3】 前記酸化はんだ浮上領域のはんだ液面に
    前記はんだの流れ方向または前記流れ方向に直交する方
    向へ前記はんだの酸化物が塊まったドロスを収集して排
    出するドロス排出手段が着脱自在に設けられたことを特
    徴とする請求項1または請求項2記載の誘導型電磁ポン
    プ式はんだ付け噴流波形成装置。
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