JP2003204828A - 配膳カート - Google Patents

配膳カート

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一つのトレーに加熱料理と非加熱料理とを載
せて配膳カートの区画室に入れても、非加熱料理の冷却
状態を保持しながら、加熱料理を加熱できるようにす
る。 【解決手段】 各区画室6には、底部に導電層が設けら
れ、加熱用食材が盛り付けられた食器と、非加熱用食材
が盛り付けられた食器とが左右に分けて載せられたトレ
ー16が収納される。そして、加熱用食器の位置に対応
するように各区画室の底部に複数の誘導加熱コイルが埋
設されていて加熱を行う。そのような区画室6内に、加
熱用食器と非加熱用食器との間を左右に仕切る、非金属
部材のみで構成した断熱性の仕切板7を設ける。仕切板
7の下部は、上下移動可能にし、常時は下方にあって、
ほぼ隙間なく仕切るが、トレー16を通すときは上方に
移動してトレーを容易に通すことができるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、病院や老人ホーム
等において給食の加熱及び配膳を行うための配膳カート
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】病院の入院患者用食事は、それぞれの患
者の病状に合わせて多彩なメニューを用意する必要があ
るが、従来は、それぞれの病院内に厨房を設け、そこで
病院自らが調理して提供するか、あるいは、調理を外部
の調理会社に依頼して提供するようにしていた。
【0003】しかし、そのように、それぞれの病院毎に
調理を行うには、設備的及び人的に無駄が大きく非効率
的である。そこで、それを解決するため、特許第264418
7号公報(A47B 31/02)には、図10に示すような給食シ
ステムが提案されている。
【0004】調理センター31では、複数の病院からの
注文に応じて種々の料理が調理され、クックチル処理が
施された後、食器と共にパックされる。それらパックさ
れた料理は、クールワゴン34に収納された状態で配送
用冷蔵冷凍車33に載せられて、それぞれの病院32に
配送される。
【0005】クールワゴン34が納品されたら、病院3
2では、クールワゴン34を引き続き冷蔵状態に保持し
ながら給食時刻まで待つ。そして、給食時刻が近づいた
ら、各患者に対応するメニューに従って、クールワゴン
34から料理を取り出して、それぞれの患者毎にトレー
37の上に配置し、それぞれ配膳カート35の所定の区
画室36に収納する。
【0006】配膳カート35では、それぞれの区画室3
6の中に、トレー37の上の各料理38に対応した位置
に遠赤外線ヒータ39が設けられていて、それぞれのヒ
ータがタイマにより所定時間通電され、それぞれの料理
38が最適な状態に加熱される。その状態で各病室に運
んで行き、それぞれの患者に提供される。
【0007】このようにすれば、それぞれの患者に合っ
た料理を、設備的及び人的な無駄を削減しながら効率的
に提供できる。しかし、料理の加熱を遠赤外線ヒータ3
9で行うのでは、料理をある程度温めることはできて
も、調理を行うことはできず、できたての料理を提供で
きない。
【0008】そこで、本出願人は、先に、特願2001-182
28として、誘導加熱を利用した配膳カートを提案した。
その配膳カートは、各被給食者に対応するように複数の
区画室を設け、各区画室の底面に誘導加熱コイルを埋設
する。また、それに用いる食器は、図11に断面図を示
すように、食器40の浜底面に銀ペーストよりなる導電
層41を設け、その食器にそれぞれ主菜,副菜,御飯,
汁物等の食材を盛り付け、それらをトレーに載せて上記
区画室に収納する。その際、トレーを区画室内の所定の
位置に保持するとともに、トレーの上面に位置決め部材
を設けて、常に誘導加熱コイルに対向する位置に食器が
配置されるようにする。
【0009】そして、所定の時刻になったらそれらの誘
導加熱コイルを一斉にオンにして前記導電層41の内部
に渦電流を流し、導電層41を発熱させて食器40を加
熱し、食材の調理を行い、それぞれの料理が同時にでき
あがるようにしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、食事のメニ
ューには、加熱して温かくする加熱料理のほかに、サラ
ダ,さしみ等の加熱してはならない非加熱料理もある。
病院や老人ホーム等における料理であっても、加熱料理
だけでなく、非加熱料理も含むバラエティーに富んだメ
ニューが望まれる。しかしながら、上記の配膳カートで
は、一つのトレーに加熱料理と非加熱料理とが混在する
場合、非加熱料理の食器下の誘導加熱コイルをオフにし
ても、隣接する加熱料理から熱を受けて非加熱料理が温
まってしまうという問題点があった。
【0011】本発明は、そのような問題点を解決するこ
と、すなわち、一つのトレーに加熱料理と非加熱料理と
を載せて配膳カートの区画室に入れても、非加熱料理の
冷却状態を保持しながら、加熱料理を加熱できるように
することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、請求項1に記載の配膳カートは、底部に導電層が設
けられ、加熱用食材が盛り付けられた食器と非加熱用食
材が盛り付けられた食器とが左右に分けて載せられたト
レーを収納する複数の区画室と、該区画室内を前記加熱
用食材が盛り付けられた食器と非加熱用食材が盛り付け
られた食器との間を左右に仕切る断熱性の仕切板と、前
記加熱用食材が盛り付けられた食器の位置に対応するよ
うに各区画室の底部に埋設した複数の誘導加熱コイルと
を具えたことを特徴とする。このようにすると、一つの
トレーに加熱料理と非加熱料理とを載せて配膳カートの
区画室に入れても、非加熱料理の冷却状態を保持しなが
ら、加熱料理の加熱が可能になる。
【0013】また、請求項2に記載の配膳カートは、前
記区画室の天井部横方向にガイドレールを設け、該ガイ
ドレールに前記仕切板をスライド可能に取り付けたこと
を特徴とする。このようにすると、非加熱用食材が盛り
付けられた食器として異なる大きさの食器が用いられた
場合にも対応可能になる。
【0014】また、請求項3に記載の配膳カートは、前
記仕切板のガイドレール当接部に左右に延伸するバネ板
を形成し、該バネ板とガイドレールの一方に突起を設
け、他方に該突起と係合する係合孔とを設けて、該突起
と係合孔とにより仕切板の位置決めを行うようにしたこ
とを特徴とする。このようにすると、仕切板を簡単に位
置決めできる。
【0015】また、請求項4に記載の配膳カートは、前
記仕切板の下部を上下移動可能にし、常時は下方に位置
するが前記トレーを通すときは上方に移動するようにし
たことを特徴とする。このようにすると、区画室にトレ
ーを収納する際に仕切板の下を簡単に通すことができ
る。
【0016】また、請求項5に記載の配膳カートは、前
記ガイドレール及び仕切板を非金属部材のみで構成した
ことを特徴とする。このようにすると、誘導加熱コイル
がオンになってもガイドレール及び仕切板が加熱される
ことがなくなる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の配膳カー
トの一例を示す図であり、図2は、その水平断面図であ
る。図1,図2において、1はコントロールユニット収
納部、2はコントロールパネル、3,4は扉、5は加熱
プレート、6は区画室、7は仕切板、8は冷却システ
ム、9は蒸発器、10は冷却ファン、11は冷気供給ダ
クト、12は吸気ダクト、13はパワーアシスト車輪、
14はキャスター、15はハンドル、16はトレー、1
7は加熱用食器、18は非加熱用食器、19は冷気回収
ダクトである。
【0018】配膳カートの庫室は、前後左右にそれぞれ
二分されており、また、縦方向は加熱プレート5により
区切られていて、多数の区画室6が形成されている。各
区画室6には、それぞれに食材を盛り付けた食器を載せ
たトレー16が収納されるようにしている。トレー16
上の食器は、加熱用食器17と非加熱用食器18が左右
に分けられており、非加熱用食器18が内側になるよう
にしている。観音開きの扉3,4は、カートの前面と後
面に設けられていて、前後からトレー16を出し入れで
きるようにしている。
【0019】各区画室6の底面を構成する加熱プレート
5は、図3に示すように、内部に複数の誘導加熱コイル
5a〜5dが埋め込まれている。そして、各区画室6に
収納されるトレー16は、加熱プレート5の後端縁の周
壁と扉3,4により前後方向の位置が決められ、加熱プ
レート5の左右両側縁の周壁により左右方向の位置が決
められて、加熱プレート5の誘導加熱コイル5a〜5d
に対して常に一定の位置に載置される。また、トレー1
6の上の各加熱用食器17は、位置決め手段により常に
所定の位置になるように載せられており、結局、それぞ
れの加熱用食器17は、常に、各誘導加熱コイル5a〜
5dに対応した位置に配置される。
【0020】さらに、各区画室6内には、区画室6を左
右に二分して外側部分の加熱室6aと内側部分の冷却室
6bに分けられるように仕切板7が設けられており、そ
の加熱室6aに加熱用食器17が置かれ、冷却室6bに
非加熱用食器18が置かれるようにしている。そして、
加熱室6a内で各誘導加熱コイル5a〜5dにより加熱
用食器17が加熱される間、冷却室6bには、配膳カー
トの底部に設けられた冷却システム8の蒸発器9で冷却
された冷気が、冷却ファン10により冷気供給ダクト1
1を介して供給される。冷気供給ダクト11から冷却室
6bに供給された冷気は、冷気回収ダクト19を介して
吸気ダクト12に戻り、再び蒸発器9により冷却されて
冷気供給ダクト11に送られる。そのように冷気が循環
して非加熱用食器18が冷却される。その結果、区画室
6の中では、非加熱用食器18の食材を冷蔵しながら、
加熱用食器17の食材の加熱が可能になる。
【0021】なお、この配膳カートは、ハンドル15を
引くと、電動のパワーアシスト車輪13が走行をアシス
トするため、小さな力で配膳カートを移動させることが
できるようになっている。
【0022】ところで、非加熱料理には様々の種類があ
り、それを入れる非加熱用食器18の大きさは、食事に
合わせて複数種類用意する必要がある。そして、いずれ
の大きさの非加熱用食器18が用いられた場合にも対応
できるようにするため、この配膳カートでは、仕切板7
をガイドレールにスライド可能な状態で取り付け、必要
に応じて仕切板7をスライドさせることにより冷却室6
bの幅を可変にしている。
【0023】図4は、ガイドレールと仕切板の構造図で
ある。ガイドレール20は、加熱プレート5を支持し補
強する機能を兼ねており、上面に設けた突条20aを挟
んで前後両側に加熱プレート5を載せて保持する。仕切
板7は、プラスチック等、非金属部材で形成された上部
部材7aと下部部材7b及びバネ板7cとよりなり、下
部部材7bは、上部部材7aの内部で上下に移動可能な
状態ではめ込まれている。バネ板7cは、上部部材7a
の中央部でガイドレール20を挟むように、上部部材7
aの左右両側に突出させて設けている。ガイドレール2
0も仕切板7と同様にプラスチック等、非金属部材で形
成されていて、内部が空洞で、その中央部は、図5にA
−A断面を示すように、下縁部20cが内側に折れ曲が
っており、その部分が仕切板7側の溝にスライド可能に
挿通されている。
【0024】また、ガイドレール20の側面には、係合
孔20bが設けられており、仕切板7のバネ板7cの先
端内側には、係合孔20bと係合する突起が設けられて
いる。そして、係合孔20bと突起が係合した位置で仕
切板7を位置決めできるようにしている。そのような係
合孔20bを複数箇所に設けることにより、仕切板7を
複数箇所で位置決めできる。
【0025】図6は、仕切板の位置を変化させた状態を
示す図である。図6(イ)は、トレー16の上に小さい
サイズの非加熱用食器18を載せた場合を示し、図6
(ロ)は、大きいサイズの非加熱用食器18を載せた場
合を示している。非加熱用食器18が小サイズの場合
は、図6(イ)に示すように、端寄りの係合孔20bに
突起7dを係合させ、非加熱用食器18が大サイズの場
合は、図6(ロ)に示すように、中央寄りの係合孔20
bに突起7dを係合させる。
【0026】図7は、トレーを挿入する際の仕切板下部
の変化を示す図である。通常は、図7(イ)に示すよう
に、仕切板7の下部部材7bは下に降りている。そし
て、トレー16を区画室6に収納する際には、下部部材
7bが上部部材7aの内部で上下に移動可能な状態では
め込まれているため、図7(ロ)に示すように、下部部
材7bが上昇してトレー16の縁を簡単に通過させるこ
とがでる。さらに、収納した後は、図7(ハ)に示すよ
うに、下部部材7bが下に降り、下部部材7bの下面形
状をトレー16の上面形状と互いにはまり合う形にした
ため、区画室内をしっかりと区画することができる。
【0027】図8は、仕切板の第1実施形態を示す図で
ある。この仕切板は、下部部材7bが自重により下方に
落下するタイプのもので、上部部材7aの下半部内に下
部部材7bが貫挿されており、下部部材7bの上端突縁
7eが上部部材7aの下端縁に係止されることにより、
下部部材7bが上部部材7aから抜け出ないようになっ
ている。また、上部部材7aの上半部内には、発泡プラ
スチック等よりなる断熱材7fが充填されて、仕切板7
の断熱性を向上させている。
【0028】図9は、仕切板の第2実施形態を示す図で
ある。この仕切板は、下部部材7bが板バネ7hにより
下方に押されるようにしたタイプのもので、トレー16
収納時にトレー16の縁部が通過した後、下部部材7b
が板バネ7hにより押されて確実に下に落ちるようにし
ている。
【0029】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、次に記載するような効果を奏する。すなわ
ち、請求項1に記載の配膳カートは、区画室内に、加熱
用食材が盛り付けられた食器と非加熱用食材が盛り付け
られた食器との間を左右に仕切る断熱性の仕切板を設け
たので、一つのトレーに加熱料理と非加熱料理とを載せ
て配膳カートの区画室に入れても、非加熱料理の冷却状
態を保持しながら、加熱料理を加熱できるようになる。
【0030】また、請求項2に記載の配膳カートは、前
記区画室の天井部横方向にガイドレールを設け、該ガイ
ドレールに前記仕切板をスライド可能に取り付けたの
で、非加熱用食材が盛り付けられた食器として異なる大
きさの食器が用いられた場合にも対応可能になる。
【0031】また、請求項3に記載の配膳カートは、前
記仕切板のガイドレール当接部に左右に延伸するバネ板
を形成し、該バネ板とガイドレールの一方に突起を設
け、他方に該突起と係合する係合孔とを設けて、該突起
と係合孔とにより仕切板の位置決めを行うようにしたの
で、仕切板を簡単に位置決めできる。
【0032】また、請求項4に記載の配膳カートは、前
記仕切板の下部を上下移動可能にし、常時は下方に位置
するが前記トレーを通すときは上方に移動するようにし
たので、区画室にトレーを収納する際に仕切板の下を簡
単に通すことができる。
【0033】また、請求項5に記載の配膳カートは、前
記ガイドレール及び仕切板を非金属部材のみで構成した
ので、誘導加熱コイルがオンになってもガイドレール及
び仕切板が加熱されることがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配膳カートの一例を示す図である。
【図2】図1の配膳カートの水平断面図である。
【図3】加熱プレートを示す図である。
【図4】ガイドレールと仕切板の構造図である。
【図5】図4のもののA−A断面図である。
【図6】仕切板の位置を変化させた状態を示す図であ
る。
【図7】トレーを挿入する際の仕切板下部の変化を示す
図である。
【図8】仕切板の第1実施形態を示す図である。
【図9】仕切板の第2実施形態を示す図である。
【図10】従来の給食システムを示す図である。
【図11】従来の配膳カート用食器の断面図である。
【符号の説明】
5…加熱プレート 6…区画室 7…仕切板 8…冷却システム 9…蒸発器 10…冷却ファン 11…冷気供給ダクト 16…トレー 17…加熱用食器 18…非加熱用食器 20…ガイドレール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 繁實 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底部に導電層が設けられ、加熱用食材が
    盛り付けられた食器と非加熱用食材が盛り付けられた食
    器とが左右に分けて載せられたトレーを収納する複数の
    区画室と、該区画室内を前記加熱用食材が盛り付けられ
    た食器と非加熱用食材が盛り付けられた食器との間を左
    右に仕切る断熱性の仕切板と、前記加熱用食材が盛り付
    けられた食器の位置に対応するように各区画室の底部に
    埋設した複数の誘導加熱コイルとを具えたことを特徴と
    する配膳カート。
  2. 【請求項2】 前記区画室の天井部横方向にガイドレー
    ルを設け、該ガイドレールに前記仕切板をスライド可能
    に取り付けたことを特徴とする請求項1記載の配膳カー
    ト。
  3. 【請求項3】 前記仕切板のガイドレール当接部に左右
    に延伸するバネ板を形成し、該バネ板とガイドレールの
    一方に突起を設け、他方に該突起と係合する係合孔とを
    設けて、該突起と係合孔とにより仕切板の位置決めを行
    うようにしたことを特徴とする請求項2記載の配膳カー
    ト。
  4. 【請求項4】 前記仕切板の下部を上下移動可能にし、
    常時は下方に位置するが前記トレーを通すときは上方に
    移動するようにしたことを特徴とする請求項1,2又は
    3記載の配膳カート。
  5. 【請求項5】 前記ガイドレール及び仕切板を非金属部
    材のみで構成したことを特徴とする請求項1,2,3又
    は4記載の配膳カート。
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