JP2003197457A - 金属膜の転写方法および内部電極を持つ電子部品の製造方法 - Google Patents

金属膜の転写方法および内部電極を持つ電子部品の製造方法

Info

Publication number
JP2003197457A
JP2003197457A JP2001391210A JP2001391210A JP2003197457A JP 2003197457 A JP2003197457 A JP 2003197457A JP 2001391210 A JP2001391210 A JP 2001391210A JP 2001391210 A JP2001391210 A JP 2001391210A JP 2003197457 A JP2003197457 A JP 2003197457A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal film
sheet
green sheet
green
release layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001391210A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Nomura
武史 野村
Shigeki Sato
佐藤  茂樹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2001391210A priority Critical patent/JP2003197457A/ja
Publication of JP2003197457A publication Critical patent/JP2003197457A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 グリーンシートが破壊または変形されること
なく、グリーンシートの表面に高精度に乾式タイプの金
属膜を容易且つ高精度に転写することが可能であり、し
かもコストが安価な金属膜の転写方法および内部電極を
持つ電子部品の製造方法を提供すること。 【解決手段】 第1支持シート30の表面に、グリーン
シート10aを構成する誘電体と同じ誘電体を含む剥離
層32を形成する工程と、剥離層32の表面に金属膜1
2aを形成し、転写用シート31を形成する工程と、転
写用シート31の金属膜12aを、グリーンシート10
aの表面に押し付け、第1支持シート30をグリーンシ
ート10aから剥離し、金属膜12aをグリーンシート
10aの表面に転写する工程とを有する金属膜の転写方
法である。剥離層32の厚みを、グリーンシート10a
の厚みの50%以下の厚み、さらに好ましくは30%以
下、特に好ましくは10%以下に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえばセラミッ
ク焼結体の内部に内部電極が形成される電子部品を製造
するための方法に関し、特に、焼成工程前のセラミック
グリーンシートの表面に金属膜を良好に転写することが
可能な金属膜の転写方法および内部電極を持つ電子部品
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種電子機器の小型化により、電
子機器の内部に装着される電子部品の小型化および高性
能化が進んでいる。電子部品の一つとして、積層セラミ
ックコンデンサがあり、この積層セラミックコンデンサ
も小型化および高性能化が求められている。
【0003】この積層セラミックコンデンサの小型化お
よび高容量化を進めるために、誘電体層の薄層化が強く
求められている。最近では、誘電体グリーンシートの厚
みが数μm以下になってきた。
【0004】セラミックグリーンシートを製造するに
は、通常、まずセラミック粉末、バインダ(アクリル系
樹脂、ブチラール系樹脂など)、可塑剤および有機溶剤
(トルエン、アルコール、MEKなど)からなるセラミ
ック塗料を準備する。次に、このセラミック塗料を、ド
クターブレード法などを用いてPETなどのキャリアシ
ート上に塗布し、加熱乾燥させて製造する。
【0005】また、近年、セラミック粉末とバインダが
溶媒に混合されたセラミック懸濁液を準備し、この懸濁
液を押出成形して得られるフィルム状成形体を二軸延伸
して製造することも検討されている。
【0006】前述のセラミックグリーンシートを用い
て、積層セラミックコンデンサを製造する方法を具体的
に説明すると、セラミックグリーンシート上に、金属粉
末とバインダを含む内部電極用導電性ペーストを所定パ
ターンで印刷し、乾燥させて内部電極パターンを形成す
る。次に、前記セラミックグリーンシートからキャリア
シートを剥離し、これらを複数、積層したものをチップ
状に切断してグリーンチップとする。次に、このグリー
ンチップを焼成した後、外部電極を形成して製造する。
【0007】ところが、きわめて薄いセラミックグリー
ンシートに内部電極用ペーストを印刷する場合に、内部
電極用ペースト中の溶剤がセラミックグリーンシートの
バインダ成分を溶解または膨潤させるという不具合があ
る。また、グリーンシート中に内部電極用ペーストが染
み込むという不具合もある。これらの不具合は、短絡不
良の発生原因となる場合が多い。
【0008】このような不具合を解消するために、特開
昭63−51616号公報、特開平3−250612号
公報および特開平7−312326号公報では、内部電
極パターンを支持体シートに形成した後に乾燥させ、乾
式タイプの電極パターンを別に準備している。この乾式
タイプの電極パターンを、各セラミックグリーンシート
の表面、あるいはセラミックグリーンシートの積層体の
表面に転写する内部電極パターン転写法が提案されてい
る。
【0009】ところが、特開昭63−51616号公報
および特開平3−250612号公報に示す技術では、
支持フィルム上に電極パターンを印刷により形成し、熱
転写することにしているが、電極パターンを支持フィル
ムから剥離することが難しいという課題を有する。
【0010】また、セラミックグリーンシートは、通
常、積層工程における剥離性や転写性を考慮して、グリ
ーンシートを構成する誘電体ペーストに剥離剤が添加さ
れたり、グリーンシートが形成される支持シート上に剥
離剤がコーティングされる。したがって、セラミックグ
リーンシートが特に薄い場合に、支持シート上で、セラ
ミックグリーンシートは、その強度が非常に弱く、脆い
状態になっている。または、支持シート上で、セラミッ
クグリーンシートは、支持シートから位置ズレし易くな
っている。そのため、乾式タイプの電極パターンを、グ
リーンシートの表面に高精度で転写することは、きわめ
て困難であり、転写工程において、セラミックグリーン
シートが部分的に破壊されてしまうこともある。
【0011】また、特開平7−312326号公報で
は、乾式タイプの電極パターンが形成される支持シート
に剥離層を形成する際に、電極パターンのハジキなどを
防止するために、電極パターン形成専用層および裏写り
防止層などが形成される。この方法では、グリーンシー
トの表面への電極パターンの転写が容易になると期待さ
れているが、十分なものではなく、支持シートの製造コ
ストが増大するという課題を持つ。また、電極パターン
形成専用層として、比較的に強度が高いブチラール樹脂
を用いているので、パターンの切れ(熱転写時のパター
ン精度)が問題となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
実状に鑑みてなされ、グリーンシートが破壊または変形
されることなく、グリーンシートの表面に高精度に乾式
タイプの金属膜を容易且つ高精度に転写することが可能
であり、しかもコストが安価な金属膜の転写方法および
内部電極を持つ電子部品の製造方法を提供することを目
的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するために鋭意検討した結果、金属膜が形成され
る前の支持シートの表面に、グリーンシート構成する誘
電体と同じ誘電体を含む剥離層を形成し、その厚みを所
定値以下、あるいはその剥離層に含まれる成分の調整を
図ることで、本発明の目的が達成されることを新たに見
出し、本発明を完成させるに至った。
【0014】すなわち、本発明に係る金属膜の転写方法
は、第1支持シートの表面に、グリーンシートを構成す
る誘電体と同じ誘電体を含む剥離層を形成する工程と、
前記剥離層の表面に金属膜を形成し、転写用シートを形
成する工程と、前記転写用シートの金属膜を、前記グリ
ーンシートの表面に押し付け、前記第1支持シートを前
記グリーンシートから剥離し、前記金属膜を前記グリー
ンシートの表面に転写する工程とを有する。
【0015】本発明の第1の観点に係る内部電極を持つ
電子部品の製造方法は、第1支持シートの表面に、グリ
ーンシートを構成する誘電体と同じ誘電体を含む剥離層
を形成する工程と、前記剥離層の表面に金属膜を形成
し、転写用シートを形成する工程と、前記転写用シート
の金属膜を、前記グリーンシートの表面に押し付け、前
記第1支持シートを前記グリーンシートから剥離し、前
記金属膜を前記グリーンシートの表面に転写する工程
と、金属膜が転写されたグリーンシートを積層し、グリ
ーンチップを形成する工程と、前記グリーンチップを焼
成する工程と、を有する。
【0016】本発明の第1の観点に係る電子部品の製造
方法において、好ましくは、前記グリーンシートを第2
支持シートの表面に形成し、前記第2支持シートの表面
に形成されたグリーンシートの表面に、前記転写用シー
トの金属膜を連続工程で押し付け、その後の連続工程
で、前記第1支持シートを前記グリーンシートから剥離
し、前記金属膜を前記グリーンシートの表面に転写し、
その後の連続工程で、前記第2支持シートを前記グリー
ンシートから剥離し、前記金属膜が転写された前記グリ
ーンシートを切断して積層し、グリーンチップを形成す
る。
【0017】本発明の第2の観点に係る内部電極を持つ
電子部品の製造方法は、第1支持シートの表面に、グリ
ーンシートを構成する誘電体と同じ誘電体を含む剥離層
を形成する工程と、前記剥離層の表面に金属膜を形成
し、転写用シートを形成する工程と、前記グリーンシー
トを積層する工程と、前記転写用シートの金属膜を、積
層された前記グリーンシートの表面に押し付け、前記第
1支持シートを前記グリーンシートから剥離し、前記金
属膜を前記グリーンシートの表面に転写する工程と、前
記グリーンシートを積層する工程と、前記金属膜を転写
する工程とを繰り返し、グリーンチップを形成する工程
と、前記グリーンチップを焼成する工程と、を有する。
【0018】本発明に係る金属膜の転写方法および内部
電極を持つ電子部品の製造方法では、転写用シートとな
る第1支持シートの表面に、グリーンシートを構成する
誘電体と同じ誘電体を含む剥離層を形成してある。その
ため、転写用シートの金属膜をグリーンシートの表面に
押し付けて金属膜をグリーンシートの表面に転写した後
に、グリーンシート側の金属膜の表面に剥離層が付着し
て残っていたとしても、その残存している剥離層が問題
になることはない。なぜなら、その残存している剥離層
は、誘電体層に比較して十分薄く、しかも、グリーンシ
ートを構成する誘電体と同じ誘電体を含むので、グリー
ンシートと積層されて同時に焼成されたとしても、グリ
ーンシートと同じように誘電体層の一部となるからであ
る。
【0019】本発明において、好ましくは、前記剥離層
に含まれる誘電体に対するバインダの含有割合が、前記
グリーンシートに含まれる誘電体に対するバインダの含
有割合と同等、またはそれよりも低い。好ましくは、前
記剥離層に含まれる誘電体に対する可塑剤の含有割合
が、前記グリーンシートに含まれる誘電体に対する可塑
剤の含有割合と同等または高い。好ましくは、前記剥離
層に含まれる誘電体に対する離型剤の含有割合が、前記
グリーンシートに含まれる誘電体に対する離型剤の含有
割合よりも高い。
【0020】このような配合量とすることで、きわめて
薄く脆弱なグリーンシートであっても、剥離層の強度
は、グリーンシートの破壊強度よりも低くなる。このた
め、金属膜の転写時には、グリーンシートが破壊される
ことなく、剥離層が一部破壊または金属膜から良好に剥
がれ、金属膜は、グリーンシートに向けて良好に転写さ
れる。また、本発明では、転写用シートの積層構造自体
は、シンプルであり、その製造コストが安価である。
【0021】好ましくは、前記剥離層の表面に、前記金
属膜を、電極ペーストを用いる厚膜法により形成する。
厚膜法としては、特に限定されないが、スクリーン印刷
などが例示される。好ましくは、前記電極ペースト中
に、バインダと可塑剤とが含まれ、前記バインダ100
質量%に対して、10〜300質量%の可塑剤が含まれ
る。
【0022】本発明では、前記剥離層の表面に、前記金
属膜を薄膜法により成膜しても良い。その場合におい
て、好ましくは、前記薄膜法により形成された金属膜の
表面に粘着剤層を形成する。薄膜法としては、特に限定
されないが、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法
などが例示される。
【0023】これらの薄膜法で金属膜を成膜する場合に
は、真空下におけるバインダおよび可塑剤成分の蒸発が
生じると共に、スパッタ粒子や蒸発粒子のために、転写
用シートの元となる第1支持シートの表面の剥離層にダ
メージを受けることになる。しかしながら、このこと
は、剥離層の強度を弱める方向に作用するので、金属膜
をグリーンシートの表面に転写するので都合がよい。
【0024】好ましくは、前記剥離層の厚みを、前記グ
リーンシートの厚みの50%以下の厚み、さらに好まし
くは30%以下、特に好ましくは10%以下に設定す
る。剥離層の厚みの下限は、剥離層に使用可能な誘電体
原料の粒径などにより決定され、好ましくは、0.05
〜0.01mmである。
【0025】剥離層の厚みが厚すぎると、金属膜の転写
時に転写用シートから金属膜が剥がれ難くなると共に、
剥離層の強度がグリーンシートの強度よりも高くなり、
転写が困難になる傾向があると共に、グリーンシートが
破壊されるおそれが高くなる。また、剥離層の厚みが小
さすぎると、剥離層としての機能が得られず、転写が困
難になる傾向にある。
【0026】好ましくは、前記転写用シートの金属膜を
前記グリーンシートの表面に押し付ける際に、加熱しな
がら加圧し、加熱温度が20〜150°Cであり、加圧
力が15〜200MPaである。
【0027】加圧温度が低すぎると、転写が困難になる
傾向にあり、高すぎると、支持シートが熱変形するおそ
れがあり、高精度で所定パターンの金属膜をグリーンシ
ートに転写することが困難になる。また、加圧力が小さ
すぎると、転写が困難になるおそれがあり、加圧力が高
すぎると、グリーンシートが破壊させるおそれが高まり
好ましくない。
【0028】なお、本発明において、グリーンシートの
材質および製造方法などは、特に限定されず、ドクター
ブレード法により成形されるセラミックグリーンシー
ト、押出成形されたフィルムを二軸延伸して得られる多
孔質のセラミックグリーンシートなどであっても良い。
また、本発明において、金属膜とは、焼成後に金属膜と
なる電極ペースト膜を含む概念で用いる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
形態に基づき説明する。図1は本発明の一実施形態に係
る積層セラミックコンデンサの概略断面図、図2(A)
〜図2(C)は金属膜の転写方法を示す要部断面図、図
3(A)および図3(B)は転写用シートの製造工程を
示す要部断面図、図4はグリーンシートの製造過程を示
す概略図、図5(A)〜図5(C)は転写用シートを製
造するための製造過程を示す概略図、図6はグリーンシ
ートおよび転写用シートの製造および転写を一連の作業
で行う工程を示す概略図、図7(A)はグリーンシート
から支持シートを引き剥がして積層する工程を示す概略
図、図7(B)は積層されたグリーンシートの表面に電
極パターンを転写する工程を示す概略図、図8は本発明
の他の実施形態に係るグリーンシートおよび転写用シー
トの製造および転写を一連の作業で行う工程を示す概略
図である。
【0030】第1実施形態 まず、本発明に係る方法により製造される電子部品の一
実施形態として、積層セラミックコンデンサの全体構成
について説明する。図1に示すように、本実施形態に係
る積層セラミックコンデンサ2は、コンデンサ素体4
と、第1端子電極6と第2端子電極8とを有する。コン
デンサ素体4は、誘電体層10と、内部電極層12とを
有し、誘電体層10の間に、これらの内部電極層12が
交互に積層してある。交互に積層される一方の内部電極
層12は、コンデンサ素体4の第1端部4aの外側に形
成してある第1端子電極6の内側に対して電気的に接続
してある。また、交互に積層される他方の内部電極層1
2は、コンデンサ素体4の第2端部4bの外側に形成し
てある第2端子電極8の内側に対して電気的に接続して
ある。
【0031】本実施形態では、内部電極層12は、後で
詳細に説明するように、図2(B)に示すように、金属
膜12aをセラミックグリーンシート10aに転写して
形成され、金属膜12aと同じ材質で構成されるが、そ
の厚みは、焼成による水平方向の収縮分だけ金属膜12
aよりも厚くなる。
【0032】誘電体層10の材質は、特に限定されず、
たとえばチタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム
および/またはチタン酸バリウムなどの誘電体材料で構
成される。各誘電体層10の厚みは、特に限定されない
が、数μm〜数百μmのものが一般的である。特に本実
施形態では、好ましくは5μm以下、より好ましくは3
μm以下に薄層化されている。
【0033】端子電極6および8の材質も特に限定され
ないが、通常、銅や銅合金、ニッケルやニッケル合金な
どが用いられるが、銀や銀とパラジウムの合金なども使
用することができる。端子電極6および8の厚みも特に
限定されないが、通常10〜50μm程度である。
【0034】積層セラミックコンデンサ2の形状やサイ
ズは、目的や用途に応じて適宜決定すればよい。積層セ
ラミックコンデンサ2が直方体形状の場合は、通常、縦
(0.6〜5.6mm、好ましくは0.6〜3.2m
m)×横(0.3〜5.0mm、好ましくは0.3〜
1.6mm)×厚み(0.1〜1.9mm、好ましくは
0.3〜1.6mm)程度である。
【0035】次に、本実施形態に係る積層セラミックコ
ンデンサ2の製造方法の一例を説明する。
【0036】(1)まず、焼成後に図1に示す誘電体層
10を構成することになるセラミックグリーンシートを
製造するために、誘電体ペーストを準備する。誘電体ペ
ーストは、通常、誘電体原料と有機ビヒクルとを混練し
て得られた有機溶剤系ペースト、または水系ペーストで
構成される。
【0037】誘電体原料としては、複合酸化物や酸化物
となる各種化合物、たとえば炭酸塩、硝酸塩、水酸化
物、有機金属化合物などから適宜選択され、混合して用
いることができる。誘電体原料は、通常、平均粒子径が
0.1〜3.0μm程度の粉末として用いられる。な
お、きわめて薄いグリーンシートを形成するためには、
グリーンシート厚みよりも細かい粉末を使用することが
望ましい。
【0038】有機ビヒクルとは、バインダを有機溶剤中
に溶解したものである。有機ビヒクルに用いられるバイ
ンダとしては、特に限定されず、エチルセルロース、ポ
リビニルブチラール、アクリル樹脂などの通常の各種バ
インダが用いられる。また、有機ビヒクルに用いられる
有機溶剤も特に限定されず、テルピネオール、ブチルカ
ルビトール、アセトン、トルエンなどの有機溶剤が用い
られる。また、水系ペーストにおけるビヒクルは、水に
水溶性バインダを溶解させたものである。水溶性バイン
ダとしては特に限定されず、ポリビニルアルコール、メ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、水溶性
アクリル樹脂、エマルジョンなどが用いられる。誘電体
ペースト中の各成分の含有量は特に限定されず、通常の
含有量、たとえばバインダは1〜5質量%程度、溶剤
(または水)は10〜50質量%程度とすればよい。
【0039】誘電体ペースト中には、必要に応じて各種
分散剤、可塑剤、誘電体、ガラスフリット、絶縁体など
から選択される添加物が含有されても良い。ただし、こ
れらの総含有量は、10質量%以下とすることが望まし
い。
【0040】そして、この誘電体ペーストを用いて、ド
クターブレード法などにより、図2(A)に示すよう
に、第2支持シートとしてのキャリアシート20上に、
好ましくは0.5〜30μm、より好ましくは0.5〜
10μm程度の厚みで、グリーンシート10aを形成す
る。具体的には、図4に示すように、ブランクのキャリ
アシート20が巻回してあるキャリアシート供給ロール
22からキャリアシート20を引き出し、その表面に、
コーター24により誘電体ペーストを塗布し、乾燥炉2
6で乾燥させ、キャリアシート20の表面にグリーンシ
ート10aを形成する。グリーンシート10aが形成さ
れたキャリアシート20は、ロール状に巻かれて、グリ
ーンシート供給ロール28となる。なお、乾燥炉26に
おけるグリーンシート10aの乾燥温度は、好ましくは
50〜100°Cであり、乾燥時間は、好ましくは1〜
20分である。
【0041】(2)上記のキャリアシート20とは別
に、図3(A)に示すように、第1支持シートとしての
キャリアシート30を準備し、その上に、剥離層32を
形成する。キャリアシート20および30としては、た
とえばPETフィルムなどが用いられ、剥離性を改善す
るために、シリコンなどがコーティングしてあるものが
好ましい。これらのキャリアシート20および30の厚
みは、特に限定されないが、好ましくは、5〜100μ
mである。これらのキャリアシート20および30の厚
みは、同じでも異なっていても良い。
【0042】剥離層32は、図2(B)に示すグリーン
シート10aを構成する誘電体と同じ誘電体粒子を含
む。また、この剥離層32は、誘電体粒子以外に、バイ
ンダと、可塑剤と、離型剤とを含む。誘電体粒子の粒径
は、グリーンシートに含まれる誘電体粒子の粒径と同じ
でも良いが、より小さいことが好ましい。
【0043】本実施形態では、剥離層32の厚みt2
は、グリーンシート10aの厚みt1よりも50%以
下、さらに好ましくは30%以下、特に好ましくは10
%以下程度に小さい。剥離層32の塗布方法としては、
特に限定されないが、きわめて薄く形成する必要がある
ために、たとえばワイヤーバーコーターを用いる塗布方
法が好ましい。なお、剥離層の厚みの調整は、異なるワ
イヤー径のワイヤーバーコーターを選択することで行う
ことができる。すなわち、剥離層の塗布厚みを薄くする
ためには、ワイヤー径の小さいものを選択すれば良く、
逆に厚く形成するためには、太いワイヤー径のものを選
択すればよい。
【0044】剥離層32の塗布は、具体的には、次のよ
うにして行われる。すなわち、図5(A)に示すよう
に、キャリアシート供給ロール34から供給されたキャ
リアシート30の表面に、ワイヤーバーコーター36に
より剥離層32が薄く塗布され、その後に、乾燥炉38
で乾燥される。乾燥温度は、好ましくは、50〜100
°Cであり、乾燥時間は、好ましくは1〜10分であ
る。乾燥後の剥離層32が形成されたキャリアシート3
0は、ロール状に巻かれ、剥離層供給ロール40とな
る。
【0045】剥離層32のためのバインダとしては、た
とえば、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビ
ニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリオレフィ
ン、ポリウレタン、ポリスチレン、または、これらの共
重合体からなる有機質、またはエマルジョンで構成され
る。剥離層32に含まれるバインダは、グリーンシート
10aに含まれるバインダと同じでも異なっていても良
い。
【0046】剥離層32のための可塑剤としては、特に
限定されないが、たとえばフタル酸エステル、アジピン
酸、燐酸エステル、グリコール類などが例示される。剥
離層32に含まれる可塑剤は、グリーンシート10aに
含まれる可塑剤と同じでも異なっていても良い。
【0047】剥離層32のための剥離剤としては、特に
限定されないが、たとえばパラフィン、ワックス、シリ
コーン油などが例示される。剥離層32に含まれる剥離
剤は、グリーンシート10aに含まれる剥離剤と同じで
も異なっていても良い。
【0048】バインダは、剥離層32中に、誘電体粒子
100質量%に対して、好ましくは2.5〜200質量
%、さらに好ましくは5〜30質量%、特に好ましくは
8〜30質量%程度で含まれる。ただし、剥離層32に
含まれる誘電体粒子に対するバインダの含有割合は、グ
リーンシート10aに含まれる誘電体粒子に対するバイ
ンダの含有割合よりも、好ましくは10〜50%程度に
低い。剥離層32の強度を弱めるためである。
【0049】可塑剤は、剥離層32中に、バインダ10
0質量%に対して、0〜200質量%、好ましくは20
〜200質量%、さらに好ましくは50〜100質量%
で含まれることが好ましい。ただし、剥離層32に含ま
れるバインダに対する可塑剤の含有割合は、グリーンシ
ート10aに含まれるバインダに対する可塑剤の含有割
合よりも、好ましくは10〜100%程度に多い。剥離
層32の強度を弱めるためである。
【0050】剥離剤は、剥離層32中に、バインダ10
0質量%に対して、0〜100質量%、好ましくは2〜
50質量%、さらに好ましくは5〜20質量%で含まれ
ることが好ましい。ただし、剥離層32に含まれるバイ
ンダに対する剥離剤の含有割合は、グリーンシート10
aに含まれるバインダに対する剥離剤の含有割合より
も、好ましくは10〜400%程度に高い。剥離層32
の強度を弱めるためである。
【0051】剥離層32をキャリアシート30の表面に
形成した後、図3(B)に示すように、剥離層32の表
面に、焼成後に内部電極層12を構成することになる金
属膜12aを所定パターンで形成する。金属膜12aの
厚さは、好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは
0.1〜1.5μm程度である。金属膜12aは、単一
の層で構成してあってもよく、あるいは2以上の組成の
異なる複数の層で構成してあってもよい。
【0052】金属膜12aは、たとえば電極ペーストを
用いる印刷法などの厚膜形成方法、あるいは蒸着、スパ
ッタリングなどの薄膜法により、剥離層32の表面に形
成することができる。厚膜法の1種であるスクリーン印
刷法あるいはグラビア印刷法により、剥離層32の表面
に金属膜12aを形成する場合には、以下のようにして
行う。
【0053】まず、電極ペーストを準備する。電極ペー
ストは、各種導電性金属や合金からなる導電体材料、あ
るいは焼成後に上記した導電体材料となる各種酸化物、
有機金属化合物、またはレジネート等と、有機ビヒクル
とを混練して調製する。
【0054】電極ペーストを製造する際に用いる導体材
料としては、NiやNi合金さらにはこれらの混合物を
用いる。このような導体材料は、球状、リン片状等、そ
の形状に特に制限はなく、また、これらの形状のものが
混合したものであってもよい。また、導体材料の平均粒
子径は、通常、0.1〜2μm、好ましくは0.2〜1
μm程度のものを用いればよい。
【0055】有機ビヒクルは、バインダおよび溶剤を含
有するものである。バインダとしては、例えばエチルセ
ルロース、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリ
ビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリオレフ
ィン、ポリウレタン、ポリスチレン、または、これらの
共重合体などが例示される。バインダは、電極ペースト
中に、導体材料(金属粉末)100質量部に対して、好
ましくは8〜20質量%含まれる。溶剤としては、例え
ばテルピネオール、ブチルカルビトール、ケロシン等公
知のものはいずれも使用可能である。溶剤含有量は、ペ
ースト全体に対して、好ましくは20〜55質量%程度
とする。
【0056】接着性の改善のために、電極ペーストに
は、可塑剤が含まれることが好ましい。可塑剤として
は、フタル酸ベンジルブチル(BBP)などのフタル酸
エステル、アジピン酸、燐酸エステル、グリコール類な
どが例示される。可塑剤は、電極ペースト中に、バイン
ダ100質量%に対して、好ましくは10〜300質量
%、さらに好ましくは10〜200質量%である。また
は、電極ペーストには、ガラス転移温度Tgが室温以下
であるアクリルバインダ(メタアクリル酸ラウリル、メ
タアクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、ア
クリル酸エチルヘキシル、アクリル酸ブチルなど)を、
バインダ100質量%に対して、好ましくは10〜10
0質量%添加してある。さらに、同様に、粘着剤が、電
極ペースト中に、バインダ100質量%に対して、10
0質量%以下添加しても良い。なお、可塑剤または粘着
剤の添加量が多すぎると、金属膜12aの強度が著しく
低下する傾向にある。また、金属膜12aの転写性を向
上させるために、電極ペースト中に、可塑剤および/ま
たは粘着剤を添加して、電極ペーストの接着性および/
または粘着性を向上させることが好ましい。
【0057】粘着剤としては、特に限定されないが、た
とえばアクリル酸ブチル(BA)、アクリル酸−2−エ
チルヘキシル(2HEA)、メタクリル酸ラウリル(R
MA)などが例示される。
【0058】図3(B)に示すように、剥離層32の表
面に、所定パターンの電極ペースト層を印刷法で形成し
た後、乾燥させることにより、所定パターンの金属膜1
2aが形成された転写用シート31を得る。具体的に
は、図5(B)に示すように、図5(A)に示す工程で
提供された剥離層供給ロール40から剥離層を具備する
キャリアシート30の剥離層側の表面に、印刷装置42
を用いて、電極ペーストを所定パターンで印刷し、その
後、その表面を、乾燥装置44で乾燥させる。乾燥温度
は、特に限定されないが、好ましくは70〜120°C
であり、乾燥時間は、好ましくは5〜15分である。乾
燥されて図3(B)に示す所定パターンの金属膜12a
が形成されたキャリアシート30は、ロール状に巻かれ
て、転写用シート供給ロール46となる。なお、図5
(A)に示す工程と、図5(B)に示す工程とは、図5
(C)に示すように、連続的に行っても良い。
【0059】図2(A)に示すグリーンシート10aの
表面に金属膜12aを所定パターンで形成するために、
本実施形態では、図3(B)に示す転写用シート31を
用いる転写法を採用している。すなわち、図2(B)に
示すように、転写用シート31の金属膜12aを、グリ
ーンシート10aの表面にキャリアシート30と共に押
し付け、加熱加圧して、図2(C)に示すように、金属
膜12aを、グリーンシート10aの表面に転写する。
その時に、図2(C)に示すように、剥離層32の一部
が、転写後の金属膜12aの表面に付着して残存剥離層
32aを形成することもある。しかしながら、その残存
剥離層32aには、グリーンシート10aを構成する誘
電体と同じ誘電体を含む。そのため、後述するように、
グリーンシート10aと積層されて同時に焼成されたと
しても、残存剥離層32aは、グリーンシート10aと
同じように誘電体層10の一部となる。
【0060】図6は、転写工程を具体的に示す。図6に
示すように、グリーンシート供給ロール28から供給さ
れたグリーンシート10aは、加熱加圧ロール50に向
かう。また、転写用シート供給ロール54から供給され
た転写用シート31も、同時に、加熱加圧ロール50に
向かう。加熱加圧ロール50では、転写用シート31と
グリーンシート10bのキャリアシート20とは、図2
(B)に示す状態から金属膜12aがグリーンシート1
0aの表面に押し付けられるように加熱・加圧される。
【0061】その時の加熱温度は、好ましくは20〜1
50°C、さらに好ましくは50〜140°Cである。
なお、転写は、プレスによる転写でも、カレンダロール
による転写でも良い。プレスによる転写の場合には、加
圧力は、好ましくは15〜200MPa(圧力)であ
り、ロールによる転写の場合には、好ましくは20〜8
00kg/cm(線圧)である。加熱することが好まし
いのは、金属膜12aとグリーンシート10aとの粘着
性あるいは接着性が向上し、転写性が良好になるためで
ある。ただし、加熱温度が高すぎると、キャリアシート
20または30の熱変形による転写不良が生じるおそれ
があり、上記範囲が好ましい。また、上記の加圧範囲と
することにより、転写性が良好になり、しかもグリーン
シート10aが破壊しない。
【0062】その後、図6に示すように、転写用シート
31におけるキャリアシート30のみを、グリーンシー
ト10aのキャリアシート20から引き剥がせば、図2
(C)に示すように、所定パターンの金属膜12aが転
写されたグリーンシート10aが得られる。その金属膜
12aが転写されたグリーンシート20を保持するキャ
リアシート20は、図6に示すように、ロール状に巻き
取られ、積層前グリーンシート用ロール52となる。な
お、転写後のキャリアシート30は、ロール54に巻き
取られる。
【0063】(3)積層前グリーンシート用ロール52
から巻き解されて供給される図2(C)に示す状態のグ
リーンシート10aは、その後、キャリアシート20が
引き剥がされ、所定サイズに切断され、所定枚数で積層
され、グリーンチップとなる。このグリーンチップは、
脱バインダ処理、焼成処理が行われ、そして、誘電体層
を再酸化させるため、熱処理が行われる。
【0064】脱バインダ処理は、通常の条件で行えばよ
いが、内部電極層の導電体材料にNiやNi合金等の卑
金属を用いる場合、特に下記の条件で行うことが好まし
い。
【0065】昇温速度:5〜300℃/時間、特に10
〜50℃/時間、 保持温度:200〜400℃、特に250〜350℃、 保持時間:0.5〜20時間、特に1〜10時間、 雰囲気 :加湿したNとHとの混合ガス。
【0066】焼成条件は、下記の条件が好ましい。 昇温速度:50〜500℃/時間、特に200〜300
℃/時間、 保持温度:1100〜1300℃、特に1150〜12
50℃、 保持時間:0.5〜8時間、特に1〜3時間、 冷却速度:50〜500℃/時間、特に200〜300
℃/時間、 雰囲気ガス:加湿したNとHとの混合ガス等。
【0067】ただし、焼成時の空気雰囲気中の酸素分圧
は、10−2Pa以下、特に10 〜10−8 Pa
にて行うことが好ましい。前記範囲を超えると、内部電
極層が酸化する傾向にあり、また、酸素分圧があまり低
すぎると、内部電極層の電極材料が異常焼結を起こし、
途切れてしまう傾向にある。
【0068】このような焼成を行った後の熱処理は、保
持温度または最高温度を、好ましくは1000℃以上、
さらに好ましくは1000〜1100℃として行うこと
が好ましい。熱処理時の保持温度または最高温度が、前
記範囲未満では誘電体材料の酸化が不十分なために絶縁
抵抗寿命が短くなる傾向にあり、前記範囲をこえると内
部電極のNiが酸化し、容量が低下するだけでなく、誘
電体素地と反応してしまい、寿命も短くなる傾向にあ
る。熱処理の際の酸素分圧は、焼成時の還元雰囲気より
も高い酸素分圧であり、好ましくは10−3Pa〜1P
a、より好ましくは10−2Pa〜1Paである。前記
範囲未満では、誘電体層2の再酸化が困難であり、前記
範囲をこえると内部電極層3が酸化する傾向にある。そ
して、そのほかの熱処理条件は下記の条件が好ましい。
【0069】保持時間:0〜6時間、特に2〜5時間、 冷却速度:50〜500℃/時間、特に100〜300
℃/時間、 雰囲気用ガス:加湿したNガス等。
【0070】なお、Nガスや混合ガス等を加湿する
には、例えばウェッター等を使用すればよい。この場
合、水温は0〜75℃程度が好ましい。また脱バインダ
処理、焼成および熱処理は、それぞれを連続して行って
も、独立に行ってもよい。これらを連続して行なう場
合、脱バインダ処理後、冷却せずに雰囲気を変更し、続
いて焼成の際の保持温度まで昇温して焼成を行ない、次
いで冷却し、熱処理の保持温度に達したときに雰囲気を
変更して熱処理を行なうことが好ましい。一方、これら
を独立して行なう場合、焼成に際しては、脱バインダ処
理時の保持温度までNガスあるいは加湿したN
ガス雰囲気下で昇温した後、雰囲気を変更してさらに昇
温を続けることが好ましく、熱処理時の保持温度まで冷
却した後は、再びNガスあるいは加湿したN
ス雰囲気に変更して冷却を続けることが好ましい。ま
た、熱処理に際しては、Nガス雰囲気下で保持温度
まで昇温した後、雰囲気を変更してもよく、熱処理の全
過程を加湿したNガス雰囲気としてもよい。
【0071】このようにして得られた焼結体(素子本体
4)には、例えばバレル研磨、サンドプラスト等にて端
面研磨を施し、端子電極用ペーストを焼きつけて端子電
極6,8が形成される。端子電極用ペーストの焼成条件
は、例えば、加湿したNとHとの混合ガス中で6
00〜800℃にて10分間〜1時間程度とすることが
好ましい。そして、必要に応じ、端子電極6,8上にめ
っき等を行うことによりパッド層を形成する。なお、端
子電極用ペーストは、上記した電極ペーストと同様にし
て調製すればよい。このようにして製造された本発明の
積層セラミックコンデンサは、ハンダ付等によりプリン
ト基板上などに実装され、各種電子機器等に使用され
る。
【0072】本実施形態に係る金属膜12aの転写方法
および積層セラミックコンデンサの製造方法では、グリ
ーンシート10aが破壊または変形されることなく、グ
リーンシート10aの表面に高精度に乾式タイプの金属
膜12aを容易且つ高精度に転写することが可能であ
る。また、転写用シート31の積層構造がシンプルであ
り、その製造コストも安い。
【0073】特に、本実施形態では、転写用シート31
となるキャリアシート30の表面に、グリーンシート1
0aを構成する誘電体と同じ誘電体を含む剥離層32を
形成してある。そのため、転写用シート31の金属膜1
2aをグリーンシート10aの表面に押し付けて金属膜
12aをグリーンシート10aの表面に転写した後に、
グリーンシート10a側の金属膜12aの表面に剥離層
32が付着して残っていたとしても、その残存剥離層3
2aが問題になることはない。なぜなら、その残存剥離
層32aには、グリーンシート10aを構成する誘電体
と同じ誘電体を含むので、グリーンシート10と積層さ
れて同時に焼成されたとしても、グリーンシート10a
と同じように誘電体層10の一部となるからである。
【0074】第2実施形態 図7(A)および図7(B)に示す実施形態の方法は、
以下に述べる点のみが前記第1実施形態の方法と異な
り、その他の構成は同様であり、共通する部材には共通
する符号を付し、共通する部分の説明は、一部省略す
る。
【0075】図7(A)に示すように、この方法では、
グリーンシート供給ローラ28からグリーンシート10
aが形成されたキャリアシート20を引き出し、剥離装
置60によりキャリアシート20を剥離し、同時にグリ
ーンシート10aを切断してベース64の上に積層す
る。ベース64の上にグリーンシート10aが積層され
る毎に、図7(B)に示すように、積層されたグリーン
シート10bの上で、転写用シート供給ロール46から
巻き取りロール68に向けて、転写用シート31が引き
出され、金属膜の転写が行われる。
【0076】すなわち、加熱プレス装置66により、転
写用シート31の金属膜を、最も上に積層されたグリー
ンシート10aの表面に押し付けて加熱し、金属膜12
aをグリーンシート10aの表面に転写する。その後、
プレス装置66を元の位置に戻し、キャリアシート30
をグリーンシート10aから剥離させ、巻き取りロール
68に巻き取る。そして、このグリーンシート10aを
積層する工程と、金属膜12aを転写する工程とを繰り
返し、グリーンチップ4aを形成する。その後の工程
は、前記の第1実施形態と同様である。本実施形態の方
法でも、前記の第1実施形態に係る方法と同様な作用効
果を奏する。
【0077】第3実施形態 図8に示す実施形態の方法は、以下に述べる点のみが前
記第1実施形態の方法と異なり、その他の構成は同様で
あり、共通する部材には共通する符号を付し、共通する
部分の説明は、一部省略する。
【0078】図8に示すように、この方法では、グリー
ンシートの形成、転写用シートの形成、転写用シートか
らグリーンシートへの金属膜の転写、グリーンシートの
切断およびグリーンシートの積層に至るまでの全ての工
程を、一連のオンライン配置としている。すなわち、キ
ャリアシート供給ロール22からキャリアシート20を
引き出し、その表面に、コーター24により誘電体ペー
ストを塗布し、乾燥炉26で乾燥させ、キャリアシート
20の表面にグリーンシート10aを形成する。グリー
ンシート10aが形成されたキャリアシート20は、そ
のまま加熱加圧ロール50に向かう。
【0079】一方、キャリアシート供給ロール34から
供給されたキャリアシート30の表面に、ワイヤーバー
コーター36により剥離層32が薄く塗布され、その後
に、乾燥炉38で乾燥される。乾燥後の剥離層32が形
成されたキャリアシート30は、印刷装置42に向か
い、この印刷装置42を用いて、電極ペーストを所定パ
ターンで印刷し、その後、その表面を、乾燥装置44で
乾燥させる。乾燥されて図3(B)に示す所定パターン
の金属膜12aが形成されたキャリアシート30は、転
写用シート31として、加熱加圧ロール50に向かう。
【0080】加熱加圧ロール50では、転写用シート3
1とグリーンシート10bのキャリアシート20とは、
図2(B)に示す状態から金属膜12aがグリーンシー
ト10aの表面に押し付けられるように加熱・加圧され
る。
【0081】その後、金属膜12aが転写されたグリー
ンシート10aから、キャリアシート30が剥離され、
キャリアシート30は、ロール54に巻き取られる。ま
た、金属膜12aが転写されたグリーンシート10aを
載せたキャリアシート20は、剥離・切断装置70に向
けて送られる。剥離・切断装置70では、キャリアシー
ト20がグリーンシート10aから引き剥がされ、グリ
ーンシート10aは、所定サイズに切断されてベース6
4の上に積層される。その動作を繰り返すことにより、
ベース64上には、グリーンシート10aが積層され、
グリーンチップが得られる。なお、剥離されたキャリア
シート20は、ロール62に巻き取られる。
【0082】その後の工程は、前記の第1実施形態と同
様である。本実施形態の方法でも、前記の第1実施形態
に係る方法と同様な作用効果を奏する上に、次に示す作
用効果も奏する。すなわち、本実施形態の方法では、積
層までの工程を一連のオンライン配置とすることで、転
写用シートを巻き取る工程と、グリーンシートが形成さ
れたキャリアシートを巻き取る工程とを省略することが
できる。その結果、製造効率が向上すると共に、特に転
写用シートの巻き取り工程を不要とすることで、転写用
シートにおける金属膜パターンの裏写り現象を排除する
ことが可能になる。なお、裏写り現象とは、金属膜が剥
離層を介して仮接着されたキャリアシートを巻き取るこ
とにより、金属膜がキャリアシートの裏面に転写されて
しまう現象である。この現象は、きわめて薄いグリーン
シートで特に著しく発生し、パターン欠けやピンホール
などの欠陥発生原因となっている。本実施形態では、こ
のような欠陥が発生しない。
【0083】ただし、本実施形態の方法では、積層まで
の工程をオンライン配置としているために、キャリアシ
ート20上へのグリーンシート10aの形成と、転写用
シート31の形成とを同期して形成する必要がある。そ
こで、転写用シートとなるキャリアシート30の表面に
剥離層32を塗布するコーター36として、低速でも薄
膜塗布が可能なワイヤーバーコーターを用いることが有
効である。コーター24に関しても、同様な理由からワ
イヤーバーコーターが好ましい。
【0084】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。たとえば、本発明の方法は、積層セラミ
ックコンデンサの製造方法に限らず、その他の内部電極
を持つ電子部品の製造方法としても適用することが可能
である。
【0085】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細な実施例に基づき
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
【0086】実施例1 まず、下記の各ペーストを準備した。
【0087】グリーンシート用ペースト BaTiO粉末と、MgCO、MnCO
(Ba0.6Ca0. )SiOおよび希土類(G
、Tb、Dy 、Ho
、Er、Tm、Yb
、Lu 、Y)から選択
された粉末とを、ボールミルにより16時間、湿式混合
し、乾燥させることにより誘電体材料とした。これら原
料粉末の平均粒径は0.1〜1μmであった。
【0088】(Ba0.6Ca0.4)SiOは、
BaCO、CaCOおよびSiOをボール
ミルにより、16時間、湿式混合し、乾燥後に1150
°Cにて空気中で焼成したものをボールミルにより、1
00時間湿式粉砕して作製した。
【0089】誘電体材料をペースト化するために、有機
ビヒクルを誘電体材料に加え、ボールミルで混合し、誘
電体グリーンシート用ペーストを得た。有機ビヒクル
は、誘電体材料100質量部に対して、バインダとして
アクリル系樹脂:10質量部、可塑剤としてフタル酸ベ
ンジルブチル(BBP):5質量部、酢酸エチル:55
質量部、トルエン:5質量部、ミネラルスピリット:5
質量部、剥離剤としてパラフィン:0.5質量部の配合
比である。
【0090】剥離層用ペースト 前記の誘電体グリーンシート用ペーストをトルエンによ
って二倍に希釈したものを剥離層用ペーストとした。
【0091】内部電極用ペースト(転写される金属膜用
ペースト) 次に、下記に示される配合比にて、3本ロールにより混
練し、スラリー化して内部電極用ペーストとした。すな
わち、すなわち、平均粒径が0.4μmのNi粒子10
0質量部に対して、有機ビヒクル(バインダとしてのエ
チルセルロース樹脂8質量部をターピネオール92質量
部に溶解したもの)40質量部およびターピネオール1
0質量部を加え、3本ロールにより混練し、スラリー化
して内部電極用ペーストとした。
【0092】グリーンシートの形成および金属膜の転写 まず、上記の誘電体グリーンシート用ペーストを用い
て、PETフィルム(第2支持シート)上に、ワイヤー
バーコーターを用いて、厚み3.0μmのグリーンシー
トを形成した。次に、それとは別のPETフィルム(第
1支持シート)上に、剥離層を形成するために、上記の
剥離層用ペーストを、ワイヤーバーコーターにより塗布
乾燥させて剥離層を形成した。表1に示すように、剥離
層の厚みが3〜0.5μmの5種類の試料1〜5を準備
した。
【0093】
【表1】
【0094】各5種類の試料1〜5における剥離層の表
面に、上記の内部電極用ペースト(金属膜用ペースト)
を、スクリーン印刷機によって内部電極のパターンに印
刷して乾燥させ、厚み1.5μmの乾式金属膜を形成
し、試料番号1〜5の転写用シートを形成した。
【0095】次に、各試料番号1〜5における転写シー
トのPETフィルム上の金属膜を、別のPETフィルム
上のグリーンシートに接するように、これらのPETフ
ィルム間をプレス装置により、20°Cおよび100M
Paの条件で10秒間、加熱加圧した。その後、転写シ
ート側のPETフィルムを、グリーンシート側のPET
フィルムから剥がし、転写シートの金属膜をグリーンシ
ートの表面に転写し、転写性を評価した。
【0096】同じ試料番号の20枚の転写シートについ
て、それぞれ転写を行い、転写後に、転写された金属膜
の欠けやピンホールが無く、グリーンシートの破壊がな
かったものの割合(良品率)を測定し、95%以上を◎
と判断し、60〜95%を○と判断し、60%以下を×
と判断した。結果を表1に示す。
【0097】表1に示すように、転写を良好にするため
には、剥離層の厚みは、グリーンシート厚みの好ましく
は50%以下、さらに好ましくは10%以下が望ましい
ことが判明した。
【0098】実施例2 グリーンシート用ペーストの組成は変えないで、剥離層
用ペーストにおける誘電体材料に対するバインダ(アク
リル系樹脂)の比率を変化させると共に、可塑剤(BB
P)および離型剤(パラフィン)の比率を変化させ、剥
離層の厚みを0.5μmと固定した以外は、前記実施例
1と同様にして、試料番号6〜29の転写用シートを作
製し、同様な試験を行った。結果を表2に示す。なお、
試料番号14および26の転写用シートは、試料番号5
の転写用シートと同じである。
【0099】
【表2】
【0100】表2の試料番号6〜16に示すように、転
写を良好にするためには、剥離層における誘電体材料に
対するバインダの比率は、好ましくは2.5〜200
%、さらに好ましくは5〜30%であることが確認でき
た。また、表2の試料番号17〜23に示すように、剥
離層に含まれる誘電体に対する可塑剤の含有割合が、グ
リーンシートに含まれる誘電体に対する可塑剤の含有割
合(5質量部)と同等または高い場合に、転写性が向上
することが確認できた。さらに、可塑剤は、剥離層中
に、バインダ100質量%に対して、0〜200質量
%、好ましくは20〜200質量%、さらに好ましくは
50〜100質量%で含まれることが好ましいことが確
認できた。また、表2の試料番号24〜29に示すよう
に、剥離剤は、剥離層中に、バインダ100質量%に対
して、0〜100質量%、好ましくは2〜50質量%、
さらに好ましくは5〜20質量%で含まれることが好ま
しいことが確認できた。
【0101】実施例3 グリーンシート用ペーストの組成を変えないで、試料番
号5(試料番号14と同じ)の転写用シートを用い、金
属膜用ペースト(電極ペースト)におけるNi粒子に対
するバインダ、可塑剤および粘着剤の比率を変化させる
と共に、粘着剤の種類を変化させた以外は、前記実施例
1と同様にして、て試料番号30〜45の金属膜用ペー
ストを作製し、同様な試験を行った。結果を表3に示
す。
【0102】なお、可塑剤としては、フタル酸ベンジル
ブチル(BBP)が用いられ、粘着剤としては、試料番
号39〜42については、アクリル酸ブチル(BA)と
アクリル酸−2−エチルヘキシル(2HEA)との共重
合体が用いられ、試料番号43に関しては、BA単独が
用いられ、試料番号44に関しては、2HEAが用いら
れ、試料番号45に関しては、メタクリル酸ラウリル
(LMA)が用いられた。
【0103】
【表3】
【0104】試料番号30〜34を比較することで、電
極ペーストにおけるNi粒子に対するバインダの含有量
を、8〜20質量%に設定することが、転写性を良好に
する点で好ましいことが確認された。
【0105】また、試料番号35〜38を比較すること
で、電極ペーストにおけるバインダに対する可塑剤の含
有量を、好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは
20質量%以上に設定することが、転写性を良好にする
点で好ましいことが確認された。
【0106】さらに、試料番号39〜42を比較するこ
とで、可塑剤を含有させない場合には、電極ペーストに
おけるバインダに対する粘着剤の含有量を、好ましくは
10質量%以上、さらに好ましくは10〜20質量%に
設定することが、転写性を良好にする点で好ましいこと
が確認された。
【0107】さらにまた、試料番号43〜45と試料番
号40とを比較することで、粘着剤としては、特に2H
E−BAが好ましいことが確認できた。
【0108】実施例4 グリーンシート用ペーストの組成を変えないで、試料番
号5(試料番号14と同じ)の転写用シートを用い、試
料番号32の金属膜用ペースト(電極ペースト)を用
い、転写用プレス時の温度と圧力とを変化させた以外
は、前記実施例1と同様にして、同様な試験を行った。
結果を表4中の試料番号46〜59に示す。なお、試料
番号47の圧力と温度は、実施例1の圧力と温度と同じ
である。
【0109】
【表4】
【0110】表4の試料番号46〜52と53〜59に
示すように、圧力が一定であれば、加圧時の温度は、2
0〜150°C、特に80〜100°Cが好ましく、温
度が一定であれば、圧力は、15〜200MPa、特に
20〜100MPaが好ましいことが確認できた。
【0111】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、グリーンシートが破壊または変形されることなく、
グリーンシートの表面に高精度に乾式タイプの金属膜を
容易且つ高精度に転写することが可能であり、しかもコ
ストが安価な金属膜の転写方法および内部電極を持つ電
子部品の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の一実施形態に係る積層セラミ
ックコンデンサの概略断面図である。
【図2】 図2(A)〜図2(C)は金属膜の転写方法
を示す要部断面図である。
【図3】 図3(A)および図3(B)は転写用シート
の製造工程を示す要部断面図である。
【図4】 図4はグリーンシートの製造過程を示す概略
図である。
【図5】 図5(A)〜図5(C)は転写用シートを製
造するための製造過程を示す概略図である。
【図6】 図6はグリーンシートおよび転写用シートの
製造および転写を一連の作業で行う工程を示す概略図で
ある。
【図7】 図7(A)はグリーンシートから支持シート
を引き剥がして積層する工程を示す概略図、図7(B)
は積層されたグリーンシートの表面に電極パターンを転
写する工程を示す概略図である。
【図8】 図8は本発明の他の実施形態に係るグリーン
シートおよび転写用シートの製造および転写を一連の作
業で行う工程を示す概略図である。
【符号の説明】 2… 積層セラミックコンデンサ 4… コンデンサ素体 6,8… 端子電極 10… 誘電体層 10a… グリーンシート 12… 内部電極層 12a… 金属膜 20… キャリアシート(第2支持シート) 30… キャリアシート(第1支持シート) 31… 転写用シート 32… 剥離層

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1支持シートの表面に、グリーンシー
    トを構成する誘電体と同じ誘電体を含む剥離層を形成す
    る工程と、 前記剥離層の表面に金属膜を形成し、転写用シートを形
    成する工程と、 前記転写用シートの金属膜を、前記グリーンシートの表
    面に押し付け、前記第1支持シートを前記グリーンシー
    トから剥離し、前記金属膜を前記グリーンシートの表面
    に転写する工程とを有する金属膜の転写方法。
  2. 【請求項2】 前記剥離層の厚みを、前記グリーンシー
    トの厚みの50%以下の厚みに設定することを特徴とす
    る請求項1に記載の金属膜の転写方法。
  3. 【請求項3】 前記剥離層に含まれる誘電体に対するバ
    インダの含有割合が、前記グリーンシートに含まれる誘
    電体に対するバインダの含有割合と同等または低いこと
    を特徴とする請求項1に記載の金属膜の転写方法。
  4. 【請求項4】 前記剥離層に含まれる誘電体に対する離
    型剤の含有割合が、前記グリーンシートに含まれる誘電
    体に対する離型剤の含有割合よりも高いことを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかに記載の金属膜の転写方法。
  5. 【請求項5】 前記剥離層の表面に、前記金属膜を、電
    極ペーストを用いる厚膜法により形成することを特徴と
    する請求項1〜4のいずれかに記載の金属膜の転写方
    法。
  6. 【請求項6】 前記電極ペースト中に、バインダと可塑
    剤とが含まれ、前記バインダ100質量%に対して、1
    0〜300質量%の可塑剤が含まれることを特徴とする
    請求項5に記載の金属膜の転写方法。
  7. 【請求項7】 前記剥離層の表面に、前記金属膜を薄膜
    法により成膜することを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかに記載の金属膜の転写方法。
  8. 【請求項8】 前記薄膜法により形成された金属膜の表
    面に粘着剤層を形成することを特徴とする請求項7に記
    載の金属膜の転写方法。
  9. 【請求項9】 前記転写用シートの金属膜を前記グリー
    ンシートの表面に押し付ける際に、加熱しながら加圧
    し、加熱温度が20〜150°Cであり、加圧力が15
    〜200MPaであることを特徴とする請求項1〜8の
    いずれかに記載の金属膜の転写方法。
  10. 【請求項10】 第1支持シートの表面に、グリーンシ
    ートを構成する誘電体と同じ誘電体を含む剥離層を形成
    する工程と、 前記剥離層の表面に金属膜を形成し、転写用シートを形
    成する工程と、 前記転写用シートの金属膜を、前記グリーンシートの表
    面に押し付け、前記第1支持シートを前記グリーンシー
    トから剥離し、前記金属膜を前記グリーンシートの表面
    に転写する工程と、 金属膜が転写されたグリーンシートを積層し、グリーン
    チップを形成する工程と、 前記グリーンチップを焼成する工程と、を有する内部電
    極を持つ電子部品の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記グリーンシートを第2支持シート
    の表面に形成し、 前記第2支持シートの表面に形成されたグリーンシート
    の表面に、前記転写用シートの金属膜を連続工程で押し
    付け、 その後の連続工程で、前記第1支持シートを前記グリー
    ンシートから剥離し、前記金属膜を前記グリーンシート
    の表面に転写し、 その後の連続工程で、前記第2支持シートを前記グリー
    ンシートから剥離し、前記金属膜が転写された前記グリ
    ーンシートを切断して積層し、グリーンチップを形成す
    ることを特徴とする請求項10記載の内部電極を持つ電
    子部品の製造方法。
  12. 【請求項12】 第1支持シートの表面に、グリーンシ
    ートを構成する誘電体と同じ誘電体を含む剥離層を形成
    する工程と、 前記剥離層の表面に金属膜を形成し、転写用シートを形
    成する工程と、 前記グリーンシートを積層する工程と、 前記転写用シートの金属膜を、積層された前記グリーン
    シートの表面に押し付け、前記第1支持シートを前記グ
    リーンシートから剥離し、前記金属膜を前記グリーンシ
    ートの表面に転写する工程と、 前記グリーンシートを積層する工程と、前記金属膜を転
    写する工程とを繰り返し、グリーンチップを形成する工
    程と、 前記グリーンチップを焼成する工程と、を有する内部電
    極を持つ電子部品の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記剥離層に含まれる誘電体に対する
    バインダの含有割合が、前記グリーンシートに含まれる
    誘電体に対するバインダの含有割合と同等または低いこ
    とを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の内
    部電極を持つ電子部品の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記剥離層に含まれる誘電体に対する
    離型剤の含有割合が、前記グリーンシートに含まれる誘
    電体に対する離型剤の含有割合よりも高いことを特徴と
    する請求項10〜13のいずれかに記載の内部電極を持
    つ電子部品の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記剥離層の表面に、前記金属膜を、
    電極ペーストを用いる厚膜法により形成することを特徴
    とする請求項10〜14のいずれかに記載の内部電極を
    持つ電子部品の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記剥離層の表面に、前記金属膜を薄
    膜法により成膜することを特徴とする請求項10〜14
    のいずれかに記載の内部電極を持つ電子部品の製造方
    法。
  17. 【請求項17】 前記薄膜法により形成された金属膜の
    表面に粘着剤層を形成することを特徴とする請求項16
    に記載の内部電極を持つ電子部品の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記剥離層の厚みを、前記グリーンシ
    ートの厚みの50%以下の厚みに設定することを特徴と
    する請求項10〜17のいずれかに記載の内部電極を持
    つ電子部品の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記転写用シートの金属膜を前記グリ
    ーンシートの表面に押し付ける際に、加熱しながら加圧
    し、加熱温度が20〜150°Cであり、加圧力が15
    〜200MPaであることを特徴とする請求項10〜1
    8のいずれかに記載の内部電極を持つ電子部品の製造方
    法。
JP2001391210A 2001-12-25 2001-12-25 金属膜の転写方法および内部電極を持つ電子部品の製造方法 Pending JP2003197457A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001391210A JP2003197457A (ja) 2001-12-25 2001-12-25 金属膜の転写方法および内部電極を持つ電子部品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001391210A JP2003197457A (ja) 2001-12-25 2001-12-25 金属膜の転写方法および内部電極を持つ電子部品の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003197457A true JP2003197457A (ja) 2003-07-11

Family

ID=27598869

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001391210A Pending JP2003197457A (ja) 2001-12-25 2001-12-25 金属膜の転写方法および内部電極を持つ電子部品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003197457A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006013247A (ja) * 2004-06-28 2006-01-12 Tdk Corp 積層型電子部品の製造方法
EP1626420A2 (en) * 2004-08-10 2006-02-15 TDK Corporation Release layer paste and method of production of a multilayer type electronic device
JP2006066756A (ja) * 2004-08-30 2006-03-09 Tdk Corp セラミック積層体の製造方法
KR100720794B1 (ko) 2004-08-10 2007-05-22 티디케이가부시기가이샤 박리층용 페이스트 및 적층형 전자 부품의 제조 방법
JP2007214452A (ja) * 2006-02-10 2007-08-23 Tdk Corp 剥離層用ペースト及び積層型電子部品の製造方法
JP2007288199A (ja) * 2006-04-18 2007-11-01 Samsung Electro Mech Co Ltd 電極パターンの製造方法
US7396425B2 (en) 2004-08-20 2008-07-08 Tdk Corporation Method of production of peeling layer paste and method of production of multilayer type electronic device
JP2010263015A (ja) * 2009-04-30 2010-11-18 Mitsubishi Electric Corp 太陽電池の電極形成方法および太陽電池の製造方法
CN114016025A (zh) * 2021-10-29 2022-02-08 株洲中车时代半导体有限公司 一种金属膜转移方法

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006013247A (ja) * 2004-06-28 2006-01-12 Tdk Corp 積層型電子部品の製造方法
US7604858B2 (en) 2004-08-10 2009-10-20 Tdk Corporation Release layer paste and method of production of a multilayer type electronic device
JP2006077233A (ja) * 2004-08-10 2006-03-23 Tdk Corp 剥離層用ペースト及び積層型電子部品の製造方法
KR100720794B1 (ko) 2004-08-10 2007-05-22 티디케이가부시기가이샤 박리층용 페이스트 및 적층형 전자 부품의 제조 방법
EP1626420A3 (en) * 2004-08-10 2007-12-19 TDK Corporation Release layer paste and method of production of a multilayer type electronic device
EP1626420A2 (en) * 2004-08-10 2006-02-15 TDK Corporation Release layer paste and method of production of a multilayer type electronic device
US7396425B2 (en) 2004-08-20 2008-07-08 Tdk Corporation Method of production of peeling layer paste and method of production of multilayer type electronic device
JP2006066756A (ja) * 2004-08-30 2006-03-09 Tdk Corp セラミック積層体の製造方法
JP2007214452A (ja) * 2006-02-10 2007-08-23 Tdk Corp 剥離層用ペースト及び積層型電子部品の製造方法
US7651764B2 (en) 2006-02-10 2010-01-26 Tdk Corporation Release layer paste and method of production of a multilayer type electronic device
JP2007288199A (ja) * 2006-04-18 2007-11-01 Samsung Electro Mech Co Ltd 電極パターンの製造方法
JP2010263015A (ja) * 2009-04-30 2010-11-18 Mitsubishi Electric Corp 太陽電池の電極形成方法および太陽電池の製造方法
CN114016025A (zh) * 2021-10-29 2022-02-08 株洲中车时代半导体有限公司 一种金属膜转移方法
CN114016025B (zh) * 2021-10-29 2024-04-19 株洲中车时代半导体有限公司 一种金属膜转移方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4299833B2 (ja) 電極段差吸収用印刷ペーストおよび電子部品の製造方法
US7485244B2 (en) Internal electrode paste and production method of electronic device
JP4275074B2 (ja) 内部電極を持つ電子部品の製造方法
JPWO2005117041A1 (ja) 電子部品、積層セラミックコンデンサおよびその製造方法
JP4354993B2 (ja) 積層型電子部品の製造方法
JP4317820B2 (ja) 積層型電子部品の製造方法
JP4357531B2 (ja) 積層型電子部品の製造方法
JP2007234829A (ja) 積層型セラミック電子部品の製造方法
JPWO2005117040A1 (ja) 電子部品、積層セラミックコンデンサおよびその製造方法
JP4340657B2 (ja) グリーンシートの積層方法と積層セラミック電子部品の製造方法
JP2003197457A (ja) 金属膜の転写方法および内部電極を持つ電子部品の製造方法
JP4424306B2 (ja) グリーンシート用塗料、グリーンシート、グリーンシートの製造方法および電子部品の製造方法
JP4784264B2 (ja) 積層型電子部品の製造方法
JP4268967B2 (ja) グリーンシート用塗料、グリーンシート、グリーンシートの製造方法および電子部品の製造方法
WO2006126271A1 (ja) 内部電極を持つ電子部品の製造方法
JP3808853B2 (ja) グリーンシート用塗料、グリーンシート、グリーンシートの製造方法および電子部品の製造方法
JP4626455B2 (ja) 積層型電子部品の製造方法
JP2007294886A (ja) 積層型電子部品の製造方法
JP2006278764A (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP2004221304A (ja) 内部電極を持つ電子部品の製造方法
JP4050485B2 (ja) 積層部品の製造方法および積層部品製造用シート
JP2007201185A (ja) 積層型電子部品の製造方法
JP2006013246A (ja) 積層型電子部品の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040727

A977 Report on retrieval

Effective date: 20061130

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20061219

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20070214

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070320

A521 Written amendment

Effective date: 20070518

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070418

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

A521 Written amendment

Effective date: 20070705

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Effective date: 20070713

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20070817