JP2003183474A - 透明な耐衝撃性樹脂組成物 - Google Patents
透明な耐衝撃性樹脂組成物Info
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Abstract
安価で低温時の耐衝撃性、耐ブロッキング性に優れた透
明なスチレン系シート等に好適な耐衝撃性樹脂組成物を
提供すること。 【解決手段】(a)ビニル芳香族炭化水素を主体とする
重合体ブロックと共役ジエンを主体とする重合体ブロッ
クを有するブロック共重合体と(b)共役ジエン系ゴム
状重合体にビニル芳香族炭化水素をグラフト重合して得
られるゴム変性ビニル芳香族炭化水素系重合体からな
り、上記(b)のゴム状分散粒子の中位径が1.5〜2
0μmであり、ゴム変性ビニル芳香族炭化水素系重合体
中の共役ジエン系ゴム状重合体のシス結合量が90〜1
00質量%であり、かつゴム変性ビニル芳香族炭化水素
系重合体のグラフト率gが1.40〜4.00であるこ
とを特徴とする透明な耐衝撃性樹脂組成物。
Description
子部品包装容器、ブリスターパック等に使用される透明
性に優れた耐衝撃性樹脂組成物に関するものであり、詳
しくはビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロ
ック共重合体と特定のゴム変性ビニル芳香族炭化水素重
合体とからなる、透明性に優れた耐衝撃性樹脂組成物に
関するものである。
でアルキルリチウムを開始剤としてビニル芳香族炭化水
素と共役ジエンをブロック共重合させると、ビニル芳香
族炭化水素と共役ジエンの組成割合及びブロック共重合
体構造の違いにより種々の物性を有するブロック共重合
体が得られることが知られており、また該ブロック共重
合体は押出成形、射出成形、中空成形、真空成形等の成
形が容易に実施できることから食品包装容器、電子部品
包装容器、ブリスターパック等の素材として幅広く使用
されている。
に優れるものの耐衝撃性と剛性が不足しており、これら
の改良を目的に種々の方法が試みられている。特開昭5
1−103956号公報、特開昭55−1157642
号公報、特開昭57−195139ではスチレン−ブタ
ジエンブロック共重合体とポリスチレンとからなる組成
物が開示されている。しかしながら、この方法によって
得られた組成物は、剛性は改良されるものの十分な耐衝
撃性を得ることができないといった問題があった。特開
昭53−250号公報ではスチレン−ブタジエンブロッ
ク共重合体にポリスチレンやゴム変性スチレン系重合体
やスチレン含量の少ないエラストマーを配合する方法が
開示されている。特開昭57−21442号公報、特開
昭57−21443号公報ではブロック共重合体樹脂と
スチレン含量の少ないエラストマーとの組成物が耐衝撃
性に優れることが開示されている。しかし、これら方法
によって得られた組成物の耐衝撃性は改良されるものの
剛性が低下し、又、スチレン含量の少ないエラストマー
は熱安定性が悪く、熱履歴によってエラストマーが架橋
し、いわゆるゲル状物質が生成し、成形品外観を悪化さ
せるという問題を有している。また、特開昭61−13
3254号公報では、スチレン系樹脂とスチレン−ブタ
ジエン共重合体にポリスチレンと無色透明なミネラルオ
イルを配合してなる組成物が耐衝撃性、透明性に優れる
ことが開示されている。しかしながら、この方法で得ら
れた組成物は耐熱性が低下し十分な耐衝撃性が得ること
ができないという問題があった。また、特許第2844
173号公報では、スチレン−ブタジエン共重合体に特
定のゴム変性ポリスチレンを配合してなる組成物が耐衝
撃性、透明性に優れることが開示されている。しかしな
がら、この方法で使用されるゴム変性ポリスチレンを通
常の製造プロセスで製造することは困難であり、特殊な
製造方法を行うためコストアップするといった問題があ
る。また分散粒子のポリスチレン含有量が大きくなるに
つれ耐面衝撃性が著しく低下するといった問題がある。
を解決し、熱安定性や耐熱性、成形性を損なうことな
く、安価で低温時の耐衝撃性、耐ブロッキング性に優れ
た透明なスチレン系シート等に好適な耐衝撃性樹脂組成
物を提供することにある。
状に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、ブロック共重合体樹
脂と特定のゴム変性ビニル芳香族炭化水素系重合体との
組成物が透明性と耐衝撃性及び低温時の耐衝撃性及び剛
性及び耐ブロッキング性に優れ、上記問題を解決する事
を見いだし、本発明を開発するに至った。
化水素を主体とする重合体ブロックと共役ジエンを主体
とする重合体ブロックを有するブロック共重合体60〜
99質量%と(b)共役ジエン系ゴム状重合体にビニル
芳香族炭化水素をグラフト重合して得られるゴム変性ビ
ニル芳香族炭化水素系重合体1〜40質量%からなり、
上記ブロック共重合体(a)はビニル芳香族炭化水素と
共役ジエンの質量比が60/40〜90/10であり、
上記ゴム変性ビニル芳香族炭化水素系重合体(b)のゴ
ム状分散粒子の中位径が1.5〜20μmであり、かつ
ゴム変性ビニル芳香族炭化水素系重合体中の共役ジエン
系ゴム状重合体の含量が2〜20質量%であり、かつゴ
ム変性ビニル芳香族炭化水素系重合体中の共役ジエン系
ゴム状重合体のシス結合量が90〜100質量%であ
り、かつゴム変性ビニル芳香族炭化水素系重合体のグラ
フト率gが1.40〜4.00であることを特徴とする
透明な耐衝撃性樹脂組成物に関する。
する。本発明で用いるブロック共重合体(a)は、ビニ
ル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックと共役ジ
エンを主体とする重合体ブロックを有するブロック共重
合体で、例えば有機溶媒中で有機リチウム化合物を開始
剤としてビニル芳香族炭化水素及び共役ジエンを重合す
ることにより製造される。本発明で用いるブロック共重
合体(a)の構造は例えば、一般式 S−(D−S)n (但し、Sはビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体
ブロック、Dは共役ジエンを主体とする重合体ブロッ
ク、nは整数で一般的には1〜5)で表される線状ブロ
ック共重合体、或いは一般式 〔(S−D)n〕m−X 〔S−(D−S)n〕m−X (但し、Sはビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体
ブロック、Dは共役ジエンを主体とする重合体ブロッ
ク、Xは例えば四塩化ケイ素、エポキシ化大豆油などの
多官能カップリング剤の残基、nは整数で一般的には1
〜5、mは整数で一般的には3〜7)で表される放射状
ブロック共重合体である。ここでビニル芳香族炭化水素
を主体とする重合体ブロックとはビニル芳香族炭化水素
含有量が50質量%を越え100質量%以下の共重合体
ブロックを示し、共役ジエンを主体とする重合体ブロッ
クとは共役ジエン含有量が50質量%を越え100質量
%以下の共重合体ブロックを示す。また、ビニル芳香族
炭化水素を主体とする重合体ブロックと共役ジエンを主
体とする重合体ブロックとの境界は必ずしも明確に区別
される必要はない。
ブロック或いは共役ジエンを主体とするブロック中にビ
ニル芳香族炭化水素と共役ジエンのランダム共重合体部
分が存在する場合、共重合されているビニル芳香族炭化
水素は重合体ブロック中に均一に分布していてもテーパ
ー状に分布していてもよい。また、該共重合体部分はビ
ニル芳香族炭化水素が均一に分布している部分及び/又
はテーパー状に分布している部分が複数個存在していて
もよい。
芳香族炭化水素としては、スチレン、o−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレ
ン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、
ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等があるが、特
に好ましくはスチレンが挙げられる。
エンとしては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,
3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−
1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−
ヘキサジエン等であるが、特に好ましくは1,3−ブタ
ジエン、イソプレンが挙げられる。
と共役ジエンの質量比は60/40〜90/10であ
る。ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの質量比が60
/40未満ではブロック共重合体の剛性と透明性が低下
し、90/10を超えると耐衝撃性が低下するため好ま
しくない。
は、重合時に使用する触媒添加量により任意に調整する
ことができるが、成型加工性の点から、メルトマスフロ
ーレート(JIS K−7210により測定、試験温度
200℃、試験荷重40.03N)が0.5〜50g/
10分の範囲であることが好ましい。
クは、上記のビニル芳香族炭化水素の1種又は2種以上
を重合することによって得られるが、単一のビニル芳香
族炭化水素からなる重合体ブロックでも複数のビニル芳
香族炭化水素からなる共重合体ブロックであってもよ
く、また、上記の共役ジエンの1種又は2種以上を共重
合してもよい。
れるビニル芳香族炭化水素のブロック率は25〜100
質量%であることが好ましい。ブロック率が25質量%
未満では透明性と剛性が低下し好ましくない場合があ
る。なお、ブロック共重合体に含有されるビニル芳香族
炭化水素のブロック率は次のようにして求められる。 ブロック率(質量%)=(W/W0)×100 (但し、W=ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水
素ブロックの質量、W 0=ブロック共重合体中のビニル
芳香族炭化水素の全質量を示す)。ここでブロック共重
合体中のビニル芳香族炭化水素の全質量は重合に供した
全ビニル芳香族炭化水素の質量であり、ビニル芳香族炭
化水素ブロックの質量は、ブロック共重合体をオゾン分
解して〔Y.TANAKA,et al.,RUBBE
R CHEMISTRY AND TECHNOLOG
Y,58,16(1985)に記載の方法〕得たビニル
芳香族炭化水素重合体成分のGPC測定(検出器として
波長を254nmに設定した紫外分光検出器を使用)に
おいて、各ピークに対応する分子量を標準ポリスチレン
及びスチレンオリゴマーを用いて作成した検量線から求
め、数平均分子量3000を超えるものをそのピーク面
積より定量して求めた。
水素系重合体は共役ジエン系ゴム状重合体の存在下、ビ
ニル芳香族炭化水素系単量体をグラフト重合して得られ
るものであり、重合方法としては公知の方法、例えば、
塊状重合法、塊状・懸濁二段重合法、溶液重合法等によ
り製造することができる。ビニル芳香族炭化水素系単量
体とは、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルス
チレン、p−メチルスチレン等の単独または混合物をい
い、特に好ましくはスチレンである。また、これらのビ
ニル芳香族炭化水素系単量体を共重合可能な単量体、例
えばアクリロニトリル、メタクリル酸エステル、アクリ
ル酸エステル等の単量体も本発明の効果を損なわない程
度であれば共重合することができる。本発明のゴム変性
ビニル芳香族炭化水素系重合体中の共役ジエン系ゴム重
合体からなる分散粒子は、ポリビニル芳香族炭化水素を
内部に包含している構造のものであり、サラミ構造であ
ってもコアシェルタイプ或いはオニオンタイプ等の構造
であってもよい。
の共役ジエン系ゴム重合体からなる分散粒子の粒子径は
公知の方法、例えば用いる共役ジエン系重合体の組成や
溶液粘度、ゴム変性ビニル芳香族炭化水素の重合反応時
の攪拌速度、温度、溶媒の種類及び量、重合開始剤の種
類及び量、連鎖移動剤の種類及び量等を変更することに
より調整される。重合開始剤としては、過酸化ベンゾイ
ル、アゾビスイソブチロニトリル、t−ブチルパーオキ
シベンゾネート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブ
チルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジクミルパ
ーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−
ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,2
−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキ
シル)プロパン、エチル−3,3−ジ(t−ブチルパー
オキシ)ブチレート、t−ブチルパーオキシイソブチレ
ート等が挙げられる。また、連鎖移動剤としてはt−ド
デシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、α−
メチルスチレンダイマー等が挙げられる。
分散粒子量(質量%)および膨潤度も、ゴム変性ビニル
芳香族炭化水素系重合体の重合方法、重合時の連鎖移動
剤及び或いは重合開始剤の使用法、未反応単量体除去工
程の温度条件、重合開始剤の種類及び添加量等により調
整される。
水素系重合体のゴム状分散粒子の中位径は1.5〜20
μmである。中位径が1.5μm未満であると得られる
樹脂組成物の耐衝撃性が著しく低下する。また、中位径
が20μmを超えると光沢が低下し、外観が著しく低下
する。なお、分散粒子の中位径(μm)は、ゴム変性ビ
ニル芳香族炭化水素系重合体をジメチルホルムアミドに
溶解させ、レーザー回折方式粒度分布測定装置(コール
ター製レーザー回折方式粒子アナライザーLS−230
型)により測定して求めた体積基準の粒径分布曲線の5
0体積%粒子径をもって本発明の中位径とする。
水素系重合体の共役ジエン系ゴム状重合体の含量は、2
〜20質量%である。共役ジエン系ゴム状重合体の含量
が2質量%未満であると得られる樹脂組成物の耐衝撃性
を十分に改質することができない。また、共役ジエン系
ゴム状重合体の含量が20質量%を超えるとゴム変性ビ
ニル芳香族炭化水素系重合体製造時に共役ジエン系ゴム
状重合体のゲルが発生しやすく得られる樹脂組成物の外
観を著しく損なう可能性がある。なお、共役ジエン系ゴ
ム状重合体の含量は、ゴム変性ビニル芳香族炭化水素系
重合体をクロロホルムに溶解させ、一定量の一塩化ヨウ
素/四塩化炭素溶液を加え暗所に約1時間放置後、ヨウ
化カリウム溶液を加え、過剰の一塩化ヨウ素を0.1N
チオ硫酸ナトリウム/エタノール水溶液で滴定し、付加
した一塩化ヨウ素量から求めることができる。
水素系重合体中の共役ジエン系ゴム状重合体のシス結合
量は90〜100質量%である。シス結合量が90質量
%未満であると得られる樹脂組成物の低温時の耐衝撃性
が低下し、透明性も劣る。共役ジエン系ゴム状重合体の
シス結合量は、例えばブタジエン重合体の場合、ブタジ
エン重合体を二硫化炭素に溶解した溶液の赤外分光スペ
クトルと、二硫化炭素のみの赤外分光スペクトルを測定
し、967(cm-1)のブタジエン重合体溶液と二硫化
炭素の吸光度の差DT、912(cm-1)のブタジエン
重合体溶液と二硫化炭素の吸光度の差DV、737(c
m-1)のブタジエン重合体溶液と二硫化炭素の吸光度の
差DCを読み取る。次いで、式(1)、式(2)、式
(3)式の連立方程式を解いてBT、BV、BCを求
め、式(4)により求めることができる。 DT=2.185×BT+0.0561×BV+0.07705×BC (1) DV=0.0324×BT+2.65×BV+0.0243×BC (2) DC=0.008125×BT+0.0794×BV+0.5519×BC (3) シス結合量(質量%)=BC/(BT+BV+BC)×100 (4)
水素系重合体のグラフト率は1.40〜4.00であ
り、好ましくは1.50〜3.00、さらに好ましくは
1.60〜2.50の範囲である。グラフト率が1.4
0未満であると得られる樹脂組成物の透明性と耐衝撃性
を同時に満足する事はできず、4.00を越えると樹脂
組成物の耐衝撃性が劣る。ゴム変性ビニル芳香族炭化水
素系重合体のグラフト率は、ゴム変性ビニル芳香族炭化
水素系重合体中の分散粒子量G(質量%)と共役ジエン
系ゴム状重合体の含量RC(質量%)から次のように求
めることができる。 グラフト率=(G−RC)/RC 尚、ゴム変性ビニル芳香族炭化水素系重合体中の分散粒
子量G(質量%)は、質量Sのゴム変性ビニル芳香族炭
化水素系重合体をメチルエチルケトンに5%の割合で溶
解し、その溶液を遠心分離して不溶分を沈降せしめ、デ
カンテーションにより上澄み液を除去して不溶分を得、
70℃で15時間真空乾燥し、20分間デシケーター中
で冷却した後、乾燥した不溶分の質量Wを測定して次の
ように求めることができる。 分散粒子量G(質量%)=(W/S)×100
水素系重合体のゴム状分散粒子の膨潤度は、好ましくは
5〜20の範囲である。ゴム状分散粒子の膨潤度が5よ
り小さくなると耐衝撃性が低下し、20を超えると表面
外観に劣る。なお、本研究で用いるゴム変性ビニル芳香
族炭化水素系重合体のゴム状分散粒子の膨潤度は、樹脂
組成物をトルエンに溶解し、その溶液を遠心分離して不
溶分を沈降せしめ、デカンテーションにより上澄み液を
除去してトルエンで膨潤した不溶分の質量Bを測定す
る。次にトルエンで膨潤した不溶分を70℃で15時間
真空乾燥し、20分間デシケーター中で冷却した後、不
溶分の乾燥質量Cを測定して次のように求めることがで
きる。 膨潤度=B/C
重合体の量は1〜40質量%の範囲である。ゴム変性ビ
ニル芳香族炭化水素系重合体の量が1質量%未満である
と耐衝撃性が低下し、40質量%を超えると透明性が低
下するため好ましくない。
物は該組成物100質量部にゴム未変性ビニル芳香族炭
化水素系重合体を1〜100質量部配合することができ
る。ゴム未変性ビニル芳香族炭化水素系重合体の配合量
が100質量部を超えると耐衝撃性が低下するため好ま
しくない。ゴム未変性ビニル芳香族炭化水素系重合体
は、ポリスチレン、スチレン−メタクリル酸エステル共
重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチ
レン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−α−メチ
ルスチレン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合
体等が挙げられるが、特に好ましいものはポリスチレン
である。
の添加剤を配合することができる。添加剤の種類はプラ
スチックに一般的に用いられるものであれば特に制限は
ないが、酸化防止剤、難燃剤、滑剤、加工助剤、ブロッ
キング防止剤、帯電防止剤、防曇剤、耐光性向上剤、軟
化剤、可塑剤、無機補強剤、架橋剤、顔料、染料、その
他或いはこれらの混合物が挙げられる。
製造することができる。例えば、ヘンシェルミキサー、
リボンブレンダー、スーパーミキサー及びVブレンダー
等でドライブレンドしてもよく、更に押出機で溶融して
ペレット化してもよい。また、重合体溶液同士を混合し
た後、溶剤を除去する方法も用いることができる。
形、押出成形等によって、シート、フィルム、各種形状
の射出成形品、中空成形品、真空成形品等に用意に成形
加工することができる。特に本発明の樹脂組成物は、シ
ート、フィルム用素材として特に有効であり、透明性、
耐衝撃性を生かした食品包装容器、電子部品包装容器、
ブリスターパック等の素材として好適に活用することが
できる。
するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定される
ものではない。
30L(商品名、メルトフローレート:7.2g/10
分、スチレン含有量76質量%)を使用した。
素系重合体(HIPS−1〜8) 表1に実施例、比較例で用いる(b)成分のゴム変性ビ
ニル芳香族炭化水素系重合体を示す。ゴム変性ビニル芳
香族炭化水素系重合体はポリブタジエンゴムを溶解させ
たスチレンを塊状重合し、表1に示すような構造上の特
徴を持つゴム変性ビニル芳香族炭化水素系重合体を製造
した。なお、ゴム状重合体の含量RCはポリブタジエン
の添加量で、ゴム状重合体のシス結合量は使用するポリ
ブタジエンの種類で、グラフト率や分散粒子の中位径は
重合開始剤の添加量や重合温度や重合時の攪拌数で各々
調製した。例えばゴム変性スチレン系重合体HIPS−
1は次のようにして製造した。 (1)ゴム状重合体として宇部興産社製BR−15HB
(商品名、ゴム状重合体中のシス結合量:97質量%)
4%質量%を82質量%のスチレンモノマーと14質量
%のエチルベンゼンの混合溶液に溶解し、原料溶液とし
た。 (2)この原料溶液を容積18Lの攪拌機付きのオート
クレーブ及びオートクレーブの後段に直列に接続された
容積42Lの管型反応器に7.0kg/hで連続的に供
給した。 (3)オートクレーブの攪拌数は90rpm、反応温度
128℃に調製し、オートクレーブ出口におけるスチレ
ンモノマーの転化率を26質量%とした。 (4)オートクレーブ出口の反応溶液に重合開始剤のエ
チルベンゼン10質量%溶液を50g/hで連続的に供
給し、管型反応器の反応温度は反応溶液の流れ方向に1
28〜160℃の温度勾配がつくように調整した。管型
反応器出口におけるモノマー転化率は85質量%であっ
た。 (5)管型反応器を出た反応液は熱交換器によって22
0℃まで加熱されたあと、真空度2.0kPaに調製さ
れた脱溶媒槽に導かれ、未反応モノマー及び溶剤等揮発
分を除去した後、ギアポンプで脱溶媒層からポリマーを
抜き出しダイプレートを通してストランドとし水冷後ペ
レット化してゴム変性ビニル芳香族系重合体HIPS−
1を得た。 同様にゴム状重合体として宇部興産社製BR−15HB
を使用し、ポリブタジエンの添加量や重合開始剤の添加
量や重合温度や重合時の攪拌数を調節しHIPS−2〜
5を得た。また、ゴム状重合体として旭化成社製ジエン
55AEを使用し、ポリブタジエンの添加量や重合開始
剤の添加量や重合温度や重合時の攪拌数を調節しHIP
S−6、7を得た。また、ゴム状重合体として旭化成社
製ジエン35AEを使用し、ポリブタジエンの添加量や
重合開始剤の添加量や重合温度や重合時の攪拌数を調節
しHIPS−8を得た。
(a)成分のブロック共重合体と(b)成分のゴム変性
ビニル芳香族系重合体とを押出機を用いてブレンドしペ
レット化した後、射出成形機を用いて試験片を作成し物
性測定を行った。その結果を表2に示す。透明性を表す
全光線透過率(%)、Haze(%)、平行光線透過率
(%)は、厚さ1mmの試験片を使用しJIS K−7
105により、耐衝撃性を表すシャルピー衝撃強さはJ
IS K−7111により求めた。本発明で規定する範
囲のブロック共重合体、ゴム変性ビニル芳香族炭化水素
重合体及び配合量であるものは、透明性と耐衝撃性のバ
ランスに優れることがわかる。
割合で(a)成分のブロック共重合体と(b)成分のゴ
ム変性ビニル芳香族炭化水素重合体及びポリスチレン
〔東洋スチレン(株)製 トーヨースチロールHRM2
6〕を押出機によりブレンドしペレット化した後、射出
成形機を用いて試験片を作成し、シート押出機で厚さ約
0.5mmのシートを作成した。透明性を表す全光線透
過率(%)、Haze(%)、平行光線透過率(%)
は、厚さ1mmの試験片を使用し、JIS K−710
5により求めた。耐衝撃性は、シートを用い、測定温度
23℃と−20℃の2条件で、インパクトテスター〔テ
スター産業株式会社製、錘先端10R〕によって測定し
た。耐ブロッキング性は成形したシートを5枚重ねて2
kgの荷重をかけながら80℃で30時間放置し、その
後、手でシートの剥がれ易さを評価した。〔○:良好
(容易に剥がれる)、△:普通(若干剥がれにくい)、
×:不可(ブロッキング激しく剥がれにくい)〕 本発明で規定する範囲のブロック共重合体、ゴム変性ビ
ニル芳香族系重合体及び配合量であるものは、透明性と
耐衝撃性のバランスに優れ、低温時の耐衝撃性や耐ブロ
ッキング性にも優れていることがわかる。
のゴム変性ビニル芳香族系重合体とからなる樹脂組成物
は透明性と耐衝撃性に優れているので、食品包装容器、
電子部品包装容器、ブリスターパック等の包装容器素材
を始めとして種々の用途に適用できる。また、低温時の
耐衝撃性にも優れているので冷菓等の低温下で使用され
る食品容器等に最適である。
Claims (6)
- 【請求項1】(a)ビニル芳香族炭化水素を主体とする
重合体ブロックと共役ジエンを主体とする重合体ブロッ
クを有するブロック共重合体60〜99質量%と(b)
共役ジエン系ゴム状重合体にビニル芳香族炭化水素をグ
ラフト重合して得られるゴム変性ビニル芳香族炭化水素
系重合体1〜40質量%からなり、上記ブロック共重合
体(a)はビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの質量比
が60/40〜90/10であり、上記ゴム変性ビニル
芳香族炭化水素系重合体(b)のゴム状分散粒子の中位
径が1.5〜20μmであり、かつゴム変性ビニル芳香
族炭化水素系重合体中の共役ジエン系ゴム状重合体の含
量が2〜20質量%であり、かつゴム変性ビニル芳香族
炭化水素系重合体中の共役ジエン系ゴム状重合体のシス
結合量が90〜100質量%であり、かつゴム変性ビニ
ル芳香族炭化水素系重合体のグラフト率gが1.40〜
4.00であることを特徴とする透明な耐衝撃性樹脂組
成物。 - 【請求項2】ブロック共重合体に含有されるビニル芳香
族炭化水素のブロック率が25〜100質量%、ブロッ
ク共重合体のメルトマスフローレートが0.5〜50g
/10分であるである請求項1記載の透明な耐衝撃性樹
脂組成物。 - 【請求項3】ゴム変性ビニル芳香族炭化水素系重合体の
ゴム状分散粒子の膨潤度が5〜20である請求項1〜2
記載の透明な耐衝撃性樹脂組成物。 - 【請求項4】請求項1〜3記載の樹脂組成物100質量
部とゴム未変性ビニル芳香族炭化水素系重合体1〜10
0質量部とからなることを特徴とする透明な耐衝撃性樹
脂組成物。 - 【請求項5】請求項1〜4記載の透明な耐衝撃性樹脂組
成物よりなることを特徴とする食品包装容器。 - 【請求項6】請求項1〜4記載の透明な耐衝撃性樹脂組
成物よりなることを特徴とする電子部品包装容器。
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JP2011162639A (ja) * | 2010-02-09 | 2011-08-25 | Toyo Styrene Co Ltd | ゴム変性スチレン系樹脂組成物 |
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