JP2003181924A - 光硬化式管路分岐部内面補修材および光硬化式管路分岐部内面補修方法 - Google Patents

光硬化式管路分岐部内面補修材および光硬化式管路分岐部内面補修方法

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JP2003181924A
JP2003181924A JP2001384017A JP2001384017A JP2003181924A JP 2003181924 A JP2003181924 A JP 2003181924A JP 2001384017 A JP2001384017 A JP 2001384017A JP 2001384017 A JP2001384017 A JP 2001384017A JP 2003181924 A JP2003181924 A JP 2003181924A
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Mitsuharu Tezuka
光晴 手塚
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Mitsubishi Kagaku Sanshi Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 取り扱い性に優れ、現場での手間の掛かる調
製作業が省略でき且つ完全硬化迄の時間を短縮できる様
に改良された光硬化式管路分岐部内面補修材を提供す
る。また、上記の補修材を使用した工業的に有利な光硬
化式管路分岐部内面補修方法を提供する。 【解決手段】 光硬化式管路分岐部内面補修材は、繊維
強化材および/または充填材と、不飽和ポリエステル樹
脂、ビニルエステル樹脂および/またはウレタン(メ
タ)アクリレート樹脂と、250〜700nmの波長で
活性な重合開始剤とを含有する半硬化シートから成り、
管路分岐部(3)の内面形状に対応する形状に加工され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光硬化式管路分岐
部内面補修材および光硬化式管路分岐部内面補修方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、外面からの点検修理が困難な
小口径の水道管やその他の地中管路の管路内の補修方法
に光硬化樹脂を含浸した補修材を使用した方法は、光硬
化式管路内面補修方法として公知である。
【0003】例えば、特開平11−294684号公報
には、「管路内の破損箇所の樹脂被覆を行う樹脂被覆式
管内面補修作業に際し、加圧空気の供給により拡大して
その周面が管路内面に圧着させ得るゴム管体を装備し管
路内を移動自在である管路内壁補修具を使用し、前記管
路内壁補修具のゴム管体の外周面に補修材を取付けたの
ち、管路内を自走・牽引により管路内の破損箇所へ前記
管路内壁補修具を移動させ、ゴム管体に加圧空気を供給
してゴム管体を膨張させて、補修材の外周面を破損箇所
の管路内壁に圧接させて、補修材を所望の補修箇所の管
路内壁に圧接させたのち、補修材を所望の補修箇所の管
路内壁に圧接させた状態で硬化させて、樹脂被覆式管内
面補修作業を完了する樹脂被覆式管内面補修方法」の改
良方法が提案されている。そして、補修すべき管路内壁
として、直管の他、分岐管接続部が記載されている。
【0004】すなわち、特開平11−294684号公
報に記載の技術は、上記の補修材が光開始剤を含む光硬
化樹脂を含浸した繊維で構成した光硬化補修剤であり、
上記の硬化が管路内壁補修具の内部に装備された光線照
射装置から管路内壁補修具の周面のゴム管体を通して光
硬化開始用光線を光硬化補修剤に照射することによって
行なわれる樹脂被覆式管内面補修方法の改良に関する
が、光硬化補修材としては、光硬化樹脂とガラス繊維か
ら成る未硬化のシート材料が使用されている。
【0005】しかしながら、未硬化の光硬化補修材は、
取り扱いが困難であるばかりか、現場での調製、例え
ば、ガラス繊維への光硬化樹脂の含浸操作などに手間が
掛かり、また、完全硬化までに長時間要する等の欠点が
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その目的は、特に、分岐管接
続部を補修対象とした発明であって、上記の従来技術の
問題を一挙に解決し、取り扱い性に優れ、現場での手間
の掛かる調製作業が省略でき且つ完全硬化迄の時間を短
縮できる様に改良された光硬化式管路分岐部内面補修材
を提供することにある。そして、本発明の他の目的は、
光硬化補修材として上記の光硬化式管路分岐部内面補修
材を使用した工業的に有利な光硬化式管路分岐部内面補
修方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第1
の要旨は、繊維強化材および/または充填材と、不飽和
ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂および/または
ウレタン(メタ)アクリレート樹脂と、250〜700
nmの波長で活性な重合開始剤とを含有する半硬化シー
トから成り、かつ、管路分岐部の内面形状に対応する形
状に加工されていることを特徴とする光硬化式管路分岐
部内面補修材に存する。
【0008】そして、本発明の第2の要旨は、管路内の
分岐部の破損箇所の樹脂被覆を行う樹脂被覆式管路分岐
部内面補修作業に際し、加圧空気の供給により拡大して
その周面が管路分岐部内面に圧着させ得るゴム管体を装
備し且つ管路内を移動自在である管路内壁補修具を使用
し、前記管路内壁補修具のゴム管体の外周面に補修材を
取付けた後、自走・牽引により管路内の分岐部の破損箇
所へ前記管路内壁補修具を移動させ、ゴム管体に加圧空
気を供給してゴム管体を膨張させて、補修材の外面を破
損箇所の管路分岐部内壁に圧接させ、補修材を圧接させ
た状態で硬化させて、樹脂被覆式管路分岐部内面補修作
業を完了する樹脂被覆式管路分岐部内面補修方法であっ
て、上記の補修材が光開始剤を含む光硬化樹脂を含浸し
た繊維で構成した光硬化補修剤であり、上記の硬化が管
路内壁補修具の内部に装備された光線照射装置から管路
内壁補修具のゴム管体を通して光硬化開始用光線を光硬
化補修剤に照射することによって行なわれる樹脂被覆式
管路分岐部内面補修方法において、上記の光硬化補修材
として請求項1〜9の何れかに記載の光硬化式管路分岐
部内面補修材を使用することを特徴とする光硬化式管路
分岐部内面補修方法に存する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照し、本発明を詳
細に説明する。図1は、管路内壁補修具によって管路分
岐部に圧接した光硬化式管路分岐部内面補修材を管路の
中心線に沿って破断して示す縦断面図である。図2は、
光硬化式管路分岐部内面補修材の製造工程の一部を示す
組立説明図であり、図3は、光硬化式管路分岐部内面補
修材の管路内壁補修具への取付方法および管路内で圧接
する際の管路内壁補修具のゴム管体の状態を示す斜視図
である。先ず、本発明の光硬化式管路分岐部内面補修材
(以下、「補修材」と略記する)について説明する。本
発明の補修材は、光硬化式管路分岐部内面補修に使用さ
れるが、この点については後述する。
【0010】本発明の補修材は、(A)繊維強化材およ
び/または充填材と、(B)不飽和ポリエステル樹脂、
ビニルエステル樹脂および/またはウレタンアクリレー
ト樹脂と、(C)250〜700nmの波長で活性な重
合開始剤とを含有する半硬化シートから成り、かつ、後
述する管路分岐部(3)(図1参照)の内面形状に対応
する形状に加工されていることを特徴とする。
【0011】上記の繊維強化材としては、炭素繊維、ア
ルミナ繊維、ガラス繊維などの無機繊維が好適に使用さ
れるが、ポリエステル繊維などの有機繊維であっても
く、無機繊維と有機繊維との積層体であってもよい。特
に、ガラス繊維とポリエステル繊維の積層体は好適であ
る。一方、上記の充填材としては、炭酸カルシウム、タ
ルク、クレー、ガラス粉、シリカ、水酸化アルミニウ
ム、硫酸バリウム、酸化チタン等の無機充填材が好適に
使用される。
【0012】上記の不飽和ポリエステル樹脂としては、
例えば、活性不飽和結合を有していないジカルボン酸と
活性不飽和結合を有しているジカルボン酸とアルコール
成分とから得られる公知の不飽和ポリエステル樹脂が使
用される。そして、活性不飽和結合を有していないジカ
ルボン酸としては、無水フタル酸、イソフタル酸、テレ
フタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、セバチ
ン酸などが挙げられ、活性不飽和結合を有しているジカ
ルボン酸としては、フマル酸、無水マレイン酸、マレイ
ン酸、イタコン酸などが挙げられ、アルコール成分とし
ては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
エチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2
−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メ
チル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−
1,3−プロパンジオール、シクロヘキサン−1,4−
ジメチタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイ
ド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付
加物などの多価アルコールが挙げられる。
【0013】上記のビニルエステル樹脂としては、エポ
キシ樹脂とアクリル酸またはメタクリル酸を成分として
得られるエポキシ(メタ)アクリレート、飽和ジカルボ
ン酸および/または不飽和ジカルボン酸と多価アルコー
ルから得られる末端カルボキシル基のポリエステルに
α、β−不飽和カルボンエステル基を含有するエポキシ
化合物を反応させて得られるポリエステル(メタ)アク
リレートが代表的である。
【0014】原料のエポキシ樹脂としては、ビスフェノ
ールAジグリシジルエーテル及びその高分子量同族体、
ノボラック型ポリグリシジルエーテル類などが挙げられ
る。原料の飽和ジカルボン酸および多価アルコールとし
ては、不飽和ポリエステルの場合に列記したのと同様の
化合物がせ挙げられる。一方、α、β−不飽和カルボン
酸エステル基を含有するエポキシ化合物としては、グリ
シジルメタクリレートが代表例として挙げられる。
【0015】上記のウレタン(メタ)アクリレート樹脂
としては、ポリオール成分(ポリエステルポリオール、
ポリエーテルポリオール等)と、ジイソシアネート成分
と、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルモノ
マー成分とから得られる公知のものを制限なく使用する
ことが出来る。
【0016】本発明に使用される可視光あるいは近赤外
光領域に感光性を有する光重合開始剤としては、一般式
(1)で表される陽イオン色素と、一般式(2)で表さ
れる4級ホウ素系化合物とを組み合わせた光重合開始剤
が好ましい。
【0017】
【化1】
【0018】一般式(1)中、D+は可視光あるいは近
赤外光領域に感光性を有するメチン、ポリメチン、キサ
ンテン、オキサジン、チアジン、アリールメタン、ピリ
リウム系色素陽イオンであり、A-は各種の陰イオンを
示す。
【0019】
【化2】
【0020】一般式(2)中、Z+は任意の陽イオンを
示し、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、ア
ルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、
アルキニル基、シリル基、複素環基またはハロゲン原子
を示す。
【0021】ここで、一般式(2)のR1、R2、R3
びR4において、アルキル基、アリール基、アラルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、シリル基、複素環基
は、任意の置換基を有していてもよい。斯かる置換基の
具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−オクチル
基、n−ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシ
ル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、アニシル
基、ビフェニル基、ナフチル基、ベンジル基、フェネチ
ル基、ジフェニルメチル基、メトキシ基、エトキシ基、
n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ
基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、メチ
レンジオキシ基、エチレンジオキシ基、フェノキシ基、
ナフトキシ基、ベンジロキシ基、メチルチオ基、フェニ
ルチオ基、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリジ
ル基、フルオロ基などが挙げられる。
【0022】一般式(2)における4級有機ホウ素アニ
オンの具体例としては、n−ブチルトリフェニルボレー
ト、n−オクチルトリフェニルボレート、n−ドデシル
トリフェニルボレート、、sec−ブチルトリフェニル
ボレート、tert−ブチルトリフェニルボレート、ベ
ンジルトリフェニルボレート、n−ブチルトリ(p−ア
ニシル)ボレート、n−オクチルトリ(p−アニシル)
ボレート、n−ドデシルトリ(p−アニシル)ボレー
ト、n−ブチルトリ(p−トリル)ボレート、n−ブチ
ルトリ(o−トリル)ボレート、n−ブチルトリ(4−
tert−ブチルフェニル)ボレート、n−ブチルトリ
(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ボレート、n−
ブチルトリ(4−フルオロフェニル)ボレート、n−ブ
チルトリナフチルボレート、トリフェニルシリルトリフ
ェニルボレート、トリメチルシリルトリフェニルボレー
ト、テトラ−n−ブチルボレート、ジ−n−ブチルジフ
ェニルボレート、テトラベンジルボレート等が挙げられ
るが、安定性および硬化性のバランスの観点から、R1
がアルキル基、R2、R3及びR4がアリール基の構造を
有するホウ素アニオンが好適である。
【0023】また、一般式(2)における陽イオン「Z
+」の例としては、可視光あるいは近赤外光領域に感光
性を有さない4級アンモニウム陽イオン、4級ピリジニ
ウム陽イオン、4級キノリニウム陽イオン、ジアゾニウ
ム陽イオン、テトラゾリウム陽イオン、スルホニウム陽
イオン、オキソスルホニウム陽イオン、ナトリウム、カ
リウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム等の金属
陽イオン、フラビリウム、ピラニウム塩などの酸素原子
上に陽イオン電荷を持つ(有機)化合物、トロピリウ
ム、シクロプロピリウム等の炭素陽イオン、ヨードニウ
ム等のハロゲニウム陽イオン、ひ素、コバルト、パラジ
ウム、クロム、チタン、スズ、アンチモン等の金属化合
物の陽イオン等が挙げられる。
【0024】上記の4級有機ホウ素化合物と可視光ある
いは近赤外光領域に感光波長を有するカチオン色素とを
組み合わせることにより、感光領域の波長の光照射を受
けた色素が励起され、4級有機ホウ素化合物と電子授受
を行うことで色素が消色すると共にラジカルが発生し、
共存する重合性不飽和化合物の重合反応を開始する。こ
の重合反応では、従来の紫外線重合反応などと異なり、
ラジカルの発生をコントロールし易く、樹脂中の不飽和
基の一部をラジカル重合したところで容易に反応を停止
できる。また、可視光あるいは近赤外光領域の長波長を
使用するため、充填材や顔料など添加された系でも容易
に反応を進めることが出来る。
【0025】上記の陽イオン色素と4級ホウ素系化合物
との組み合わせの例は、特開平3−111402号公
報、特開平3−179003号公報、特開平4−146
905号公報、特開平4−261405号公報、特開平
4−261406号公報、特開平5−194619号公
報などに詳細な記載がある。陽イオン色素の中でも好ま
しくはポリメチン系化合物であるシアニン系、スチリル
系化合物およびアリールメタン系化合物であるトリアリ
ールメタン系化合物が使用される。
【0026】一般式(1)で表される陽イオン色素の
[A-]は、p−トルエンスルホネートイオン、有機カ
ルボキシレートイオン、パークロレートイオン、ハライ
ドイオン等の任意の陰イオンであるが、一般式(3)で
表される4級ホウ素陰イオンが特に好ましい。
【0027】
【化3】
【0028】一般式(3)中、R5、R6、R7及びR
8は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、ア
シル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
シリル基、複素環基またはハロゲン原子を示す。
【0029】上記の4級有機ホウ素化合物と近赤外光あ
るいは可視光吸収性陽イオン色素化合物との組成比(重
量比)は、通常1/5〜1/0.05、好ましくは1/
1〜1/0.1である。4級有機ホウ素化合物と陽イオ
ン色素との組成比(重量比)は、色素の消色反応および
ラジカル発生効率の観点から、1/1以上にすることが
好ましい。
【0030】可視光領域に感光性を有する可視光重合開
始剤としては、例えば、山岡など「表面」、27
(7)、548(1989)、佐藤など「第3回ポリマ
ー材料フォーラム要旨集」、IBP18(1994)に
記載の、カンファーキノン、ベンジル、トリメチルベン
ゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、メチルチオ
キサントン、ジシクロペンタジエニルチタニウム−ジ
(ペンタフルオロフェニル)等の単独の可視光重合開始
剤の他、有機過酸化物/色素系、ジフェニルヨードニウ
ム塩/色素、イミダゾール/ケト化合物、ヘキサアリー
ルビイミダゾール化合物/水素供与性化合物、メルカプ
トベンゾチアゾール/チオピリリウム塩、金属アレーン
/シアニン色素など、特公昭45−37377号公報に
記載のヘキサアリールビイミダゾール/ラジカル発生剤
などの公知の複合開始剤系などを挙げることが出来る。
【0031】また、紫外光領域から可視光領域まで感光
性を有する公知のビス(2,6−ジメトキシベンゾイ
ル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキ
サイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−
メチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチ
ルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,
6−ジメトキシベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキ
サイド等のアシルホスフィンオキサイド系化合物を使用
することも出来る。
【0032】例えば、「ocur1173」:チバスペ
シャリティーケミカルズ(株)製)とビス(2,6−ジ
メトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチ
ルホスフィンオキサイド(チバ・スペシャルティ−・ケ
ミカルズ(株)製)を75/25(重量比)の割合で混
合した商品名「イルガキュア1700」(チバ・スペシ
ャルティ−・ケミカルズ(株)製)、1−ヒドロキシ−
シクロヘキシル−フェニルケトン(商品名「イルガキュ
ア184」:チバ・スペシャルティ−・ケミカルズ
(株)製)とビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−
2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイ
ド(チバ・スペシャルティ−・ケミカルズ(株)製)を
75%/25%の割合で混合した商品名「イルガキュア
1800」(チバ・スペシャルティ−・ケミカルズ
(株)製)、50%/50%の割合で混合した商品名
「イルガキュア1850」(チバ・スペシャルティ−・
ケミカルズ(株)製)、ビス(2,4,6−トリメチル
ベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(商品名
「イルガキュア819」)、2,4,6−トリメチルベ
ンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド(商品名
「LucirinTPO」、BASF(株)製)、2−
ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−
オン(商品名:「Darocur1173」、チバ・ス
ペシャルティ−・ケミカルズ(株)製)と「Lucir
inTPO」を50/50(重量比)の割合で混合した
商品名「Darocur4265」等がある。
【0033】可視光重合開始剤としては、380〜78
0nmの波長域に感光性を有する光重合開始剤であれば
よく、それらを組み合わせて使用してもよい。可視光領
域光重合開始剤の使用量は、樹脂など100重量部に対
し、通常0.01〜20重量部、好ましくは0.05〜
15重量部である。光重合開始剤の使用量が0.01部
未満では重合が不十分になり易く、また、20重量部を
超える量では経済的に不利な上、硬化物の物性低下など
が起こる。
【0034】紫外光領域から近赤外光領域で感光波長域
を異にする少なくとも2種の光重合開始剤の使用量は、
樹脂など100重量部に対し、通常0.01〜20重量
部、好ましくは0.05〜15重量部である。光重合開
始剤組成物の使用量が0.01部未満では増粘反応や増
粘後の重合が不十分になり易く、また、20重量部を超
える量では硬化物の強度が不足する。半硬化に必要な光
重合開始剤としてBステージ化(プリプレグ化)反応用
の光重合開始剤と本硬化に必要な光重合開始剤とを併用
する場合、その組成比(重量比)は、通常1/50〜5
0/1、好ましくは1/10〜10/1である。
【0035】本発明の補修材は、前記の各成分(A)〜
(C)から夫々に選択された1種以上を使用して製造さ
れるが、各成分の配合方法には制限されず、例えば、必
要な成分を混合する方法、成分(A)中の繊維強化材の
シート等(フィルム、織布、不織布など)に他の成分を
含浸させる方法、その他の任意の配合方法を採用するこ
とが出来る。
【0036】各成分の配合割合は、特に制限されない
が、本発明の補修材中の成分(A)の割合は、通常20
〜70重量%、好ましくは30〜50重量%で且つは通
常800〜4000g/m2、好ましくは1000〜2
000g/m2とされる。一方、成分(C)の割合は、
成分(B)100重量部に対し、通常0.01〜20重
量部、好ましくは0.05〜16重量部とされる。
【0037】通常、上記の各成分の配合においては、混
練性および含浸性を高め、得られる補修材の硬度、強
度、耐薬品性、耐水性を向上させる観点から、反応性希
釈剤が併用される。
【0038】上記の反応性希釈剤としては、スチレンが
代表的であるが、それ以外には、α−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、クロロスチレン等の芳香族モノマ
ー、メチルメタクリレート、イソブチル(メタ)アクリ
レート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロ
ペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル
オキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−
3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン
(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートモノマ
ー、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチ
ルアクリルアミド、N−アクリロイルモルホリン等のN
−置換アクリルアミド等が挙げられる。反応性希釈剤の
使用量は、上記の目的を勘案して適宜選択される。
【0039】本発明の補修材は、250〜700nmの
波長で活性な重合開始剤の作用を利用して硬化される
が、完全硬化ではなく半硬化させることが必要である。
すなわち、補修材は半硬化シートから構成されている必
要がある。半硬化の程度は、空中で半硬化シートを垂直
に1分間保持した際に樹脂の液滴がシートから落下しな
い程度以上、中でも、5分間保持した際に樹脂の液滴が
シートから落下しない程度以上であるが、バーコール硬
度を測定した際に、その値が3以下となる範囲とするの
が好ましく、特に好ましくは2以下となる範囲とされ
る。
【0040】上記の様な半硬化状態は、波長500〜1
200nmの光を含んだ光源を使用し、シート表面上に
おいて波長300〜400nmの光を含んだ光線が20
0μW/cm2以下の照度になる様に光線を0.5〜5
分間照射することによって容易に達成することが出来
る。
【0041】本発明の補修材は、例えば、特開平11−
230476号に記載される様に、外面からの点検修理
が困難な水道管やその他の地中管路の管路分岐部内の補
修(光硬化式管路分岐部内面補修)に使用され、そし
て、上記の半硬化シートから構成され且つ管路分岐部
(3)の内面形状に対応する形状に加工されているとの
特徴により、取り扱い性に優れ、現場での手間の掛かる
調製作業が省略でき且つ完全硬化迄の時間を短縮でき、
しかも、貯蔵安定性にも富むという各種の利点を有す
る。
【0042】本発明の補修材を適用する管路分岐部
(3)は、その分岐形状は問わないが、図1に例示する
様に、通常、ト型管またはT型管によって構成される。
図中の符号(3c)は分岐部の亀裂を示す。上記の管路
分岐部(3)としては、例えば、各家庭や建物に通じる
支管(32)が主管(31)から分岐する水道管の分岐
部が挙げられる。主管(31)の直径は、通常は100
〜600mm程度、多くは250〜400mm程度であ
り、また、支管(32)の直径は、通常は100〜30
0mm程度、多くは150〜250mm程度である。上
記のT型管とは、主管に対して90度の角度で支管が分
岐する管を言い、ト型管とは、主管に対して前記角度以
外の角度で支管が分岐する管を言う。なお、図面を参照
する以下の説明においては、管路分岐部(3)の主管側
の部位を「主管」と同様の符号(31)で示し、管路分
岐部(3)の支管側の部位を「支管」と同様の符号(3
2)で示す。
【0043】本発明の補修材は、管路分岐部(3)の内
面形状を備えた半硬化シートから構成されるが、具体的
には、図1に示す様に、管路分岐部(3)の支管部(3
2)に対応する穿孔部(10)(図2参照)が形成され
且つ管路分岐部(3)の主管部(31)の内面を被覆す
る面状の主管被覆部(1)と、穿孔部(10)に取り付
けられ且つ管路分岐部(3)の支管部(32)の内面を
被覆する円筒状の支管被覆部(2)とから構成される。
【0044】主管被覆部(1)は、管路分岐部(3)に
おいて主管側の内面を被覆する部位であり、穿孔部(1
0)は、支管(32)の内径と略同一直径とされ且つ主
管被覆部(1)の中心に配置される。支管被覆部(2)
は、管路分岐部(3)において支管(32)側の内面を
被覆する部位であり、その外径は、支管(32)の内
径、すなわち、穿孔部(10)の内径と略同一直径とさ
れる。図2に示す様に、上記の補修材は、通常、主管被
覆部(1)を構成する主管被覆部構成部材(1b)、お
よび、支管被覆部(2)を構成する支管被覆部構成部材
(2b)の2つの部材を組み合わせて製造される。
【0045】上記の2つの部材は、例えば、繊維強化材
としてのガラス繊維マット(1A)から各別にシートを
切り出した後、これらシートに所要の加工を施して作製
される。主管被覆部構成部材(1b)は、方形に成形さ
れたシートに上記の穿孔部(10)を形成することによ
り作製される。支管被覆部構成部材(2b)は、方形に
成形されたシートの一側縁部に短冊状に多数の切込みを
設けた後、切込みのない平行な2つの側縁を突き合わせ
る状態に前記シートを円筒状に巻回して作製される。
【0046】上記の支管被覆部構成部材(2b)は、円
筒体の一端の短冊状の切込みを蛸足状に外側へ拡げて脚
部とし、拡げた短冊状脚部(21)によって主管被覆部
構成部材(1b)の穿孔部(10)を囲繞する状態に穿
孔部(10)と同軸に取り付けられる。すなわち、上記
の補修材において、支管被覆部(2)は、その一端に設
けられた短冊状脚部(21)を主管被覆部(1)側に固
定することにより、穿孔部(10)と同軸に主管被覆部
(1)に取り付けられている。
【0047】補修材を製造するにあたり、主管被覆部構
成部材(1b)及び支管被覆部構成部材(2b)のシー
トにおける平面寸法は、適用する管の直径に応じて適宜
設定し得るが、上記の様な管に使用する場合、典型的に
は以下の様な寸法に設定される。すなわち、主管被覆部
構成部材(1b)の上記の寸法は、縦が通常は20〜1
50cm、好ましくは40〜60cm、横が通常は40
〜250cm、好ましくは80〜140cmとされ、支
管被覆部構成部材(2b)の上記の寸法は、縦が通常は
10〜50cm、好ましくは15〜30cm、横が通常
は35〜120cm、好ましくは40〜85cmとされ
る。
【0048】また、支管被覆部構成部材(2b)に設け
る切込みの長さは、主管(31)、支管(32)の内径
によって適宜設定すればよいが、通常は3〜50cm、
好ましくは5〜30cm、更に好ましくは6〜20cm
とされる。上記の切込みの長さは、支管被覆部構成部材
(2b)のシートにおける幅(円筒状に巻回した場合の
軸長)に対し、通常は10〜40%程度、好ましくは1
5〜30%程度とするのがよい。
【0049】更に、上記の切込みの幅(ピッチ)及び数
も、主管(31)、支管(32)の内径によって適宜設
定できるが、切込みピッチは、通常2〜25cm、好ま
しくは3〜15cm程度とされる。切込みの幅を上記の
様に設定する理由は次の通りである。すなわち、切込み
の幅が上記の範囲よりも狭い場合には、主管被覆部構成
部材(1b)に支管被覆部構成部材(2b)を取り付け
た際、切込みによって構成される短冊状脚部(21)の
個々の接触面積が小さくなり、その結果、後述する補修
作業においてゴム管体(5)(図1及び図3参照)に空
気を圧入して補修材を管路分岐部(3)に展開した際、
ずれたり、外れたりする虞がある。一方、切込みの幅が
上記の範囲よりも広い場合には、切込みによって構成さ
れる短冊状脚部(21)の数が少なくなるため、構成さ
れる支管被覆部(2)の外形(軸線に直交する断面形
状)が歪になり、補修すべき管路分岐部(3)の支管部
(32)内面に対する密着性を損なう虞がある。
【0050】主管被覆部(1)に対する支管被覆部
(2)の取付方法としては、縫いつけて固定する方法も
挙げられるが、上記の様に、支管被覆部(2)の一端に
設けた短冊状脚部(21)を利用して主管被覆部(1)
に取り付けた場合には、取付部分における接触面積が大
きく、取付強度を高めることが出来、しかも、製造効率
を高めることが出来る。
【0051】また、後述する補修作業において、ゴム管
体(5)が備えられた管路内壁補修具(4)(図1及び
図3参照)を使用する観点からすると、主管被覆部
(1)に対する支管被覆部(2)の取付強度を一層高め
るため、主管被覆部(1)に対する支管被覆部(2)の
取付構造としては、支管被覆部(2)の基端部が主管被
覆部(1)の穿孔部(10)に嵌合する構造が好まし
い。
【0052】具体的には、図2に示す様に、補修材は、
主管被覆部構成部材(1b)の穿孔部(10)に上記の
支管被覆部構成部材(2b)を挿通した後、その一端の
短冊状脚部(21)を主管被覆部構成部材(1b)の一
面側に固定して製造される。すなわち、より好ましい態
様の補修材において、支管被覆部(2)は、主管被覆部
(1)の穿孔部(10)に密接に嵌合され、しかも、一
端に設けられた短冊状脚部(21)を主管被覆部(1)
側に固定することにより取り付けられている。
【0053】上記の様な補修材を製造するにあたり、主
管被覆部構成部材(1b)及び支管被覆部構成部材(2
b)の切り出し操作、光硬化性樹脂の含浸操作ならびに
半硬化操作は、どのような順序で行ってもよい。すなわ
ち、繊維強化材および/または充填材に予め光硬化性樹
脂を含浸、半硬化したものから各部材を切り出して組み
立ててもよいし、各部材を作製した後に、光硬化性樹脂
を含浸させて半硬化してもよい。
【0054】また、本発明の補修材は、流通、保管の際
も半硬化状態を保持するため、光非透過性の袋に収容し
て密封するのがよい。補修材を収容するための袋として
は、アルミニウム蒸着樹脂、アルミニウム箔などの他、
上記の光硬化性樹脂を硬化させる光に対して非透過性の
樹脂から成る袋が使用される。
【0055】次に、本発明の光硬化式管路分岐部内面補
修方法について説明する。本発明の方法は、「管路内の
破損箇所の樹脂被覆を行う樹脂被覆式管内面補修作業に
際し、加圧空気の供給により拡大してその周面が管路内
面に圧着させ得るゴム管体を装備し管路内を移動自在で
ある管路内壁補修具を使用し、前記管路内壁補修具のゴ
ム管体の外周面に補修材を取付けた後、自走・牽引によ
り管路内の破損箇所へ前記管路内壁補修具を移動させ、
ゴム管体に加圧空気を供給してゴム管体を膨張させて、
補修材の外周面を破損箇所の管路内壁に圧接させ、圧接
させた状態で硬化させて、樹脂被覆式管内面補修作業を
完了する樹脂被覆式管内面補修方法であって、上記の補
修材が光開始剤を含む光硬化樹脂を含浸した繊維で構成
した光硬化補修剤であり、上記の硬化が管路内壁補修具
の内部に装備された光線照射装置から管路内壁補修具の
周面のゴム管体を通して光硬化開始用光線を光硬化補修
剤に照射することによって行なわれる樹脂被覆式管内面
補修方法」の改良であり、管路分岐部を補修するにあた
り、補修材として、前述の本発明の半硬化シートから成
る光硬化式管路分岐部内面補修材を使用することを特徴
とする。
【0056】上記の樹脂被覆式管内面補修方法それ自体
は、前述の通り、例えば、特開平11−230476号
公報に記載されて公知である。従って、本発明の光硬化
式管路分岐部内面補修方法は、補修材として、本発明の
半硬化シートから成る光硬化式管路内面補修用材を使用
する点を除き、例えば、特開平11−230476号公
報に記載の発明に従って行なうことが出来る。なお、本
発明の方法を適用する管路分岐部としては、前述の通
り、水道管などにおける分岐部(3)が挙げられ、通
常、斯かる分岐部(3)は、ト型管またはT型管よって
構成される。
【0057】本発明の方法おいては、上記の公開公報に
記載の管路内壁補修具を使用することが可能であるが、
特に上記の様な分岐部(3)を補修するため、補修具と
して、管路分岐部(3)の支管部(32)に挿入される
凸部(52)がゴム管体(5)に備えられた管路内壁補
修具(4)を使用する(図3参照)。
【0058】内面補修作業にあたっては、図3(a)に
示す様に、先ず、管路分岐部(3)に対応する形状およ
び大きさの補修材を準備し、これを管路内壁補修具
(4)のゴム管体(5)外周面へ取り付ける。管路内壁
補修具(4)のゴム管体(5)の外周面に対する取付容
易性を考慮すると、補修材としては、通常、前述の態様
の補修材、すなわち、管路分岐部(3)の主管部(3
1)の内面を被覆する面状の主管被覆部(1)と、管路
分岐部(3)の支管部(32)の内面を被覆する円筒状
の支管被覆部(2)とから構成された補修材を取り付け
るのが有利である。
【0059】補修材の取付においては、ゴム管体(5)
の本体部分(51)外周面に補修材の主管被覆部(1)
を巻き付ける。その際、図3(b)に示す様に、ゴム管
体(5)の凸部(52)を当該ゴム管体(5)の内側に
押し込んで凹部とした後、補修材の支管部(32)に相
当する部位、すなわち、支管被覆部(2)を前記の凹部
に押し込む。斯かる操作により、ゴム管体(5)の外形
を略円筒状に整えることが出来、管路内において管路内
壁補修具(4)を円滑に移動させ得る。
【0060】次いで、管路内の分岐部(3)の破損箇所
へ自走および/または牽引により管路内壁補修具(4)
を移動させる。そして、補修すべき所定の分岐部(3)
において、ゴム管体(5)に加圧空気を供給してゴム管
体(5)を膨張させる(図3(c)参照)。斯かる操作
により、ゴム管体(5)の外周面に取り付けた補修材の
主管被覆部(1)を主管部(31)の内壁に圧接し、同
時に、ゴム管体(5)の凸部(52)を管路分岐部
(3)の支管部(32)に突出させ、凸部(52)に取
り付けられた補修材の支管部(32)に相当する部位、
すなわち、補修材の支管被覆部(2)を支管部(32)
内壁に圧接する。その場合、予めゴム管体(5)の内部
に没入させたゴム管体(5)の凸部(52)を上記の膨
張操作によって外側に再び押し出して管路分岐部(3)
の支管部(32)に突出させ、補修材の支管被覆部
(2)を外側に押し出すことが出来る。
【0061】ところで、ゴム管体(5)の膨張による上
記の補修材の圧接操作においては、支管部(32)に展
開させる凸部(52)をより延伸させることにより、補
修材をより密着させ得るので好ましい。従って、主管部
(31)で膨張するゴム管体本体部分(51)に比べて
支管部(32)に突出する凸部(52)の膨張性をより
高く設定するならば、補修材をより効率的に密着させる
ことが出来る。よって、本発明においては、加圧空気を
供給して膨張させた際にゴム管体(5)において管路分
岐部(3)の支管部(32)に挿入される部位(凸部
(52))の少なくとも一部は、その他の部位に比べて
高い膨張性を備えているのが好ましい。
【0062】一方、空気が圧入されることにより膨張す
る上記のゴム管体(5)においては、主管部(31)で
膨張するゴム管体本体部分(51)よりも支管部(3
2)に展開される凸部(52)に空気がより圧入され易
く、より大きな圧力が掛かる。そして、凸部(52)の
先端部は、支管(32)の伸長方向に延伸し過ぎると耐
久性が低下し、また、光の照射、空気の圧入・解放の繰
り返しにより劣化する。そして、場合によっては、破損
する恐れもある。そこで、凸部(52)の先端部は、周
辺の部位に比べて膨張性が低くなる様に構成するのが望
ましい。
【0063】換言すれば、ゴム管体(5)において管路
分岐部(3)の支管部(32)に挿入される部位(凸部
(52))のうち、先端部以外の部位は、ゴム管体
(5)において管路分岐部(3)の主管部(31)に配
置される部位(本体部分(51))に比べて高い膨張性
を備え、先端部は、その周辺部よりも低い膨張性を備え
ているのが好ましい。凸部(52)の先端部における膨
張の抑制手段としては、凸部(52)のゴムの硬さおよ
び/または厚さを部位に応じて設定する方法、凸部(5
2)の外側から押さえ材を押し当てる方法、あるいは、
これらの方法の併用が挙げられる。
【0064】膨張性の部位による違いは、JIS K6
251に規定される「加硫ゴムの引張試験方法」を利用
して特定できる。すなわち、本発明においては、膨張性
の部位による違いを比較するにあたり、上記のJIS
K6251に準拠し、「ダンベル状2号形試験片」(但
し、厚さは各部位を構成する材料の厚さとする。)を作
製し、試験片に10kg載荷したときの伸び(元の長さ
に対する伸びた長さの比率(%))を測定することによ
り、その数値比率を膨張性の比率として比較する。な
お、伸びの測定値については、例えば、試験片5点の平
均値を採用する。
【0065】本発明においては、ゴム管体(5)におけ
る主管部(31)に挿入される本体部分(51)と、支
管部(32)に挿入される部位(凸部(52))の先端
部以外の部位と、支管部(32)に挿入される部位(凸
部(52))の先端部との膨張性の比率は、1:1〜2
(好ましくは1.2〜1.5):0.99〜0.3(好
ましくは0.9〜0.5)に設定されるのが好ましい。
ただし、膨張性の値は上記JIS規格に基づく。
【0066】上記の様に補修材を分岐部(3)の主管部
(31)及び支管部(32)に圧接させた後は、圧接状
態を保持したうえ、管路内壁補修具(4)の内部に装備
された光線照射装置を使用し、ゴム管体(5)を通して
補修材に所定波長、所定強度の光線を照射することによ
り、補修材を硬化させる。
【0067】本発明においては、管路内壁補修具(4)
の周面のゴム管体(5)の構成材料として、透過度が2
5%以上で且つ厚さが2〜20mmのもの、典型的には
シリコーンゴム等を使用するのが好ましい。また、特に
ト型管の様な分岐部(3)に対してゴム管体(5)内の
光源の光を効果的に照射するため、ゴム管体(5)の光
透過性を一層高めてもよい。光透過性を高める一つの手
段としては、金属の箔、薄板などの光反射機能を有する
部材をゴム管体(5)の内部に設置することが挙げられ
る。
【0068】また、光透過性を高める他の手段として
は、ゴム管体(5)の支管部(32)に展開挿入される
部位の光透過性を変えることが挙げられる。すなわち、
加圧空気を供給して膨張させた際にゴム管体(5)にお
いて管路分岐部(3)の支管部(32)に挿入される部
位(凸部(52))の少なくとも一部は、その他の部位
に比べて高い光透過性を備えていてもよい。例えば、ゴ
ム管体(5)の支管部(32)に展開挿入される凸部
(52)は、アルミニウム等の金属系の光反射性を有す
る顔料を含有する材料によって構成されていてもよい。
顔料の含有率は、顔料が含まれる部位のゴムに対し、通
常は0.01〜20wt%、好ましくは0.1〜10w
t%、更に好ましくは0.1〜5wt%である。
【0069】上記の光線照射においては、管路内壁補修
具(4)の内部に装備させる硬化開始用光線照射装置と
して、光源が300〜500nmの波長を中心とする波
長領域のものを使用し、そして、光源と補修材との距離
が2〜25cmとなる様に調整するのが好ましい。な
お、光硬化開始用光線照射蛍光灯(例えば上記の公開公
報の図7中の符号102で示される装置)としてU字管
のほか、通常のI字管を使用することも出来る。
【0070】更に、本発明においては、半硬化状態の補
修材を一層効率的に硬化させるため、光線の照射におい
て、管路内壁補修具(4)のゴム管体(5)を通して補
修材に対し、補修材表面上において、波長300〜40
0nmの光線が400μW/cm2以上で且つ400〜
500nmの光線が80μW/cm2以上の照度になる
様に光線を照射するのが好ましい。
【0071】本発明においては、上記の様に、凸部(5
2)を没入させた状態とし且つこれに倣って補修材をゴ
ム管体(5)に取り付け、管路分岐部(3)まで管路内
壁補修具(4)を移動させ、そして、空気の圧入により
ゴム管体(5)の膨張と共に凸部(52)を復元し、補
修材の支管被覆部(2)を支管部(32)に圧接し、次
いで、半硬化した光硬化性樹脂を光の照射により硬化さ
せる。従って、光の照射を開始する以前は、ゴム管体
(5)の凸部(52)の復元および支管被覆部(2)の
展開を阻害しない様に、例えば、ゴム管体(5)の端部
に近い箇所に光源を配置しておき、光照射を開始する時
点でゴム管体(5)の中央部に光源を移動させるのがよ
い。そして、光の照射を終了した際は、再びゴム管体
(5)の端部に光源を戻した後、ゴム管体(5)の圧力
を解放するのがよい。
【0072】なお、本発明においては、管路分岐部
(3)内壁への補修材の挿着性、密着性、安定性を高め
るため、補修材に予めプライマーを塗布するなどして化
学的に接着させておくことも出来る。プライマーの塗布
は、非光透過性の袋に密封する前に行うことも出来る
が、袋から取り出して管路内壁補修具(4)に取りつけ
る際の取扱性を考慮すると、補修具に取り付ける直前に
行うのが好ましい。プライマーとしては、光硬化性樹
脂、前述の半硬化樹脂に用いた樹脂の他、エポキシ樹
脂、不飽和ポリエステル、イソシアナート系などの反応
型の汎用接着剤が使用できる。
【0073】本発明の方法によれば、取り扱い性に優
れ、現場での手間の掛かる調製作業が省略でき且つ完全
硬化迄の時間を短縮でき、しかも、貯蔵安定性にも富む
という各種の利点を有する、本発明の光硬化式管路分岐
部内面補修材を使用したことにより、工業的に有利に光
硬化式管路分岐部内面補修を行なうことが出来る。
【0074】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、以下の諸例で使
用した材料および評価方法は次の通りである。
【0075】<材料> (1)光硬化性樹脂:ビスフェノールA型ビニルエステ
ル樹脂100重量部に対して、半硬化皿るために必要な
光重合開始剤として、1,1,5,5−テトラキス(p
−ジフェニルアミノフェニル)−2,4−ペンタジエニ
ル・トリフェニル−n−ブチルボレート0.1重量部
と、テトラ−n−ブチルアンモニウム・トリフェニル−
n−ブチルボレート0.5重量部と、2,2’−ビス
(2−クロロフェニル)−4,4’5,5’−テトラフ
ェニル−1,2’ビイミダゾール0.5重量部と、2−
メルカプトベンゾチアゾール0.5重量部とを組み合わ
せた光重合開始剤、および、本硬化させるために必要な
紫外光から可視光領域まで感光性を有するアシルフォス
フィンオキサイド系化合物系重合開始剤1.0重量部を
添加して調製された光硬化性樹脂。この光硬化性樹脂の
感光波長は、上記の重合開始剤の組合せにより、200
〜700nmである。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】実施例1: <光硬化式管路内面補修材の製造>繊維強化材(a)及
び(b)にそれぞれ光硬化性樹脂を含浸させた後、両者
を重ねて、平均厚さ(20cm×20cmの面における
10点の平均厚さ)が1.7mmの2層積層体(a/
b)を得た。次いで、380〜1200nmの波長の光
を含む光源であるAL−スポットライト(ALF−1
0)1Kw(アールディエ(株)製)に600nm以下
の波長の光をカットするカットフィルターを併用し、5
0cmの距離から、上記の2層積層体に3分間照射して
光硬化性樹脂を半硬化することにより、半硬化シートを
得た。硬化条件の詳細、得られたシートのガラス含量
(g/m2)及びVf(%)、物性評価の結果を表3に
示す。但し、引張強度、曲げ強度は、補修硬化条件と同
様の条件下で硬化させた後に測定した。
【0079】次いで、図2に示す形状に切り出し加工し
た上記の半硬化シートを使用し、主管被覆部構成部材
(1b)及び支管被覆部構成部材(2b)を作製した。
主管被覆部構成部材(1b)は縦40cm、横85cm
とし、その中央には支管部(32)に対応する直径14
cmの穿孔部(10)を設けた。また、支管被覆部構成
部材(2b)は縦20cm、横52cmとし、横方向の
一縁部に長さ8cmの短冊状の切りこみ部を幅(ピッ
チ)8cm間隔で設けた。そして、支管被覆部構成部材
(2b)を円筒状に巻回し、切り込み部を蛸足状に折り
曲げて短冊状脚部(21)を形成した後、主管被覆部構
成部材(1b)の穿孔部(10)に挿通嵌合させること
により、補修材を構成した。得られた補修材は、筒状に
突出した支管被覆部(2)を主管被覆部(1)の表面に
倒して畳み、アルミニウム製の非光透過性袋に収容、密
封した。
【0080】<管路内壁補修具>以下の点を除き、特開
平11−294698号公報に記載されたものと同様の
構成を備え、管路内を自走・牽引可能な管路内壁補修具
(4)を使用した。すなわち、装備されるゴム管体
(5)は、直径20cm、長さ60cmで且つ厚さ5m
m、透過度40%のシリコーンゴム製であり、その本体
部分(51)の周面の中央部に直径13cm、高さ10
cmの凸部(52)を形成したものである。また、ゴム
管体(5)は、組成の異なるシリコーンゴムを組み合わ
せて製作することにより、部位によって膨張性を異なる
ものとした。主管部(31)に挿入される本体部分(5
1)と、支管部(32)に挿入される凸部(52)の先
端部以外の部位と、支管部(32)に挿入される凸部
(52)の先端部との膨張性の比率は、前述のJIS規
格による数値比で1:1.3:0.8であった。
【0081】また、ゴム管体(5)の末端には、空気圧
入・排気用の配管、および、後述する光線照射装置に電
源を接続する配線を配置した。管路内壁補修具(4)の
内部には、光線照射装置の光源として、波長420nm
の付近にビークを持つ3本の蛍光灯(U字管)を配置し
た。光源は、ゴム管体(5)の両末端で且つ膨張前のゴ
ム管体(5)の内周面から3cm離間した位置に等間隔
で配置し、外部から電気信号にて制御可能な駆動機構に
より、適時、ゴム管体(5)内の凸部(52)近傍に移
動可能に構成した。
【0082】<光硬化式管路内面補修方法>直径25c
mの主管に直径15cmの支管が繋がったT型管に対し
て、支管の立ち上がりから3cm上方の位置に一カ所ド
リルで1cmφの孔をあけ、その孔に0.7気圧の水圧
が掛かる様に水を流し込んだ。そして、この状態の主管
と支管の分岐部に対し、次の要領で光硬化式管路内面補
修を施した。
【0083】先ず、管路内壁補修具(4)に装備された
ゴム管体(5)の凸部(52)を手操作で内側に押し込
んで凹部となし、次いで、アルミ製の非光透過性袋から
補修材を取り出し、支管被覆部(2)を前記の凹部に重
なる様に押し込んだ後、主管被覆部(1)をゴム管体
(5)に巻き付けることにより、補修材をゴム管体
(5)に取り付けた。
【0084】続いて、管路内の破損箇所へ自走および牽
引により管路内壁補修具(4)を移動させた後、ゴム管
体(5)に加圧空気を供給してゴム管体(5)を膨張さ
せ、補修材の外周面を破損箇所の管路内壁に圧接させ
た。そして、管路分岐部に相当するゴム管体(5)内の
中央部に光源を位置させ、補修材を圧接させた状態にお
いて、光源からゴム管体(5)を通して光硬化開始用光
線を補修材に照射した。その間、空気圧は0.6〜1.
2気圧とし、照射時間は30分とした。照射終了後は、
元の位置に光源を戻し、空気を排出した。
【0085】以上の結果、ゴム管体(5)内部の蛍光灯
から補修材までの距離は最大でも20cmになり、ゴム
管体(5)の表面のどこで測定しても300〜400nm
の照度が500μW/cm2以上、400〜500nmの照度
が100μW/cm2になった。そして、30分の照射時間
で30分で補修材が硬化し、その間の止水、硬化完了、
ゴム管体取り外し後の止水が充分行われた。
【0086】実施例2:実施例1において、以下のよう
にゴム管体(5)の膨張性を変え、かつ、表3に示す様
に光硬化式管路内面補修材の製造条件を変更した以外
は、実施例1と同様の管路内壁補修具(4)を使用して
同様に光硬化式管路内面補修を施した。主管部に挿入さ
れるゴム管体(5)の本体部分(51)と、支管部に挿
入される凸部(52)の先端部以外の部位と、支管部に
挿入される凸部(52)の先端部との膨張性の比率は、
前述のJIS K6251を利用した試験方法による値
で1:0.8:0.8であった。得られたシートのガラ
ス含量(g/m2)及びVf(%)、物性測定の結果、
管路内面補修硬化条件およびその結果を表3に示す。な
お、補修終了後にゴム管体の凸部を観察したところ、凸
部の先端に黄色い変色が見られた。
【0087】比較例1:未硬化のまま袋に収容した以外
は実施例1と同様に光硬化式管路内面補修を施した。得
られたシートのガラス含量(g/m2)及びVf
(%)、物性測定の結果、管路内面補修硬化条件および
その結果を表3に示す。
【表3】
【0088】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、取
り扱い性に優れ、現場での手間の掛かる調製作業が省略
でき且つ完全硬化迄の時間を短縮できる様に改良された
光硬化式管路分岐部内面補修材、および、工業的に有利
な光硬化式管路分岐部内面補修方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】管路内壁補修具によって管路分岐部に圧接した
光硬化式管路分岐部内面補修材を管路の中心線に沿って
破断して示す縦断面図である。
【図2】光硬化式管路分岐部内面補修材の製造工程の一
部を示す組立説明図である。
【図3】光硬化式管路分岐部内面補修材の管路内壁補修
具への取付方法および管路内で圧接する際の管路内壁補
修具のゴム管体の状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 :主管被覆部 1b:主管被覆部構成部材 2 :支管被覆部 2b:支管被覆部構成部材 3 :管路分岐部 31:主管部 32:支管部 3c:分岐部の亀裂 4 :管路内壁補修具 5 :ゴム管体 51:本体部分 52:凸部

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維強化材および/または充填材と、不
    飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂および/ま
    たはウレタン(メタ)アクリレート樹脂と、250〜7
    00nmの波長で活性な重合開始剤とを含有する半硬化
    シートから成り、かつ、管路分岐部の内面形状に対応す
    る形状に加工されていることを特徴とする光硬化式管路
    分岐部内面補修材。
  2. 【請求項2】 管路分岐部の支管部に対応する穿孔部が
    形成され且つ管路分岐部の主管部の内面を被覆する面状
    の主管被覆部と、前記穿孔部に取り付けられ且つ管路分
    岐部の支管部の内面を被覆する円筒状の支管被覆部とか
    ら構成されている請求項1に記載の光硬化式管路分岐部
    内面補修材。
  3. 【請求項3】 支管被覆部は、その外径を支管部の内径
    と同一になされ、そして、主管被覆部に対し、一端に設
    けられた短冊状脚部によって穿孔部と同軸に取り付けら
    れている請求項2に記載の光硬化式管路分岐部内面補修
    材。
  4. 【請求項4】 支管被覆部は、主管被覆部の穿孔部に密
    接に嵌合され且つ短冊状脚部によって主管被覆部に取り
    付けられている請求項3に記載の光硬化式管路分岐部内
    面補修材。
  5. 【請求項5】 使用前において光非透過性の袋に収容さ
    れた請求項1〜4の何れかに記載の光硬化式管路分岐部
    内面補修材。
  6. 【請求項6】 プライマーが塗布された請求項1〜5の
    何れかに記載の光硬化式管路分岐部内面補修材。
  7. 【請求項7】 半硬化シート中の繊維強化材繊維がガラ
    ス繊維であり、その含有量が20〜70重量%で且つ8
    00〜4000g/m2である請求項1〜6の何れかに
    記載の光硬化式管路分岐部内面補修材。
  8. 【請求項8】 半硬化シートの硬化程度が、空中で半硬
    化シートを垂直に1分間保持した際に樹脂の液滴がシー
    トから落下しない程度以上であるがバーコール硬度を測
    定した際にその値が3以下となる範囲である請求項1〜
    7の何れかに記載の光硬化式管路分岐部内面補修材。
  9. 【請求項9】 半硬化シートが、半硬化シートが、波長
    500〜1200nmの光を含んだ光源を使用し、シー
    ト表面上において波長300〜400nmの光を含んだ
    光線が200μW/cm2以下の照度になる様に光線を
    0.5〜5分間照射することにより得られたものである
    請求項1〜8の何れかに記載の光硬化式管路分岐部内面
    補修材。
  10. 【請求項10】 管路内の分岐部の破損箇所の樹脂被覆
    を行う樹脂被覆式管路分岐部内面補修作業に際し、加圧
    空気の供給により拡大してその周面が管路分岐部内面に
    圧着させ得るゴム管体を装備し且つ管路内を移動自在で
    ある管路内壁補修具を使用し、前記管路内壁補修具のゴ
    ム管体の外周面に補修材を取付けた後、自走・牽引によ
    り管路内の分岐部の破損箇所へ前記管路内壁補修具を移
    動させ、ゴム管体に加圧空気を供給してゴム管体を膨張
    させて、補修材の外面を破損箇所の管路分岐部内壁に圧
    接させ、補修材を圧接させた状態で硬化させて、樹脂被
    覆式管路分岐部内面補修作業を完了する樹脂被覆式管路
    分岐部内面補修方法であって、上記の補修材が光開始剤
    を含む光硬化樹脂を含浸した繊維で構成した光硬化補修
    剤であり、上記の硬化が管路内壁補修具の内部に装備さ
    れた光線照射装置から管路内壁補修具のゴム管体を通し
    て光硬化開始用光線を光硬化補修剤に照射することによ
    って行なわれる樹脂被覆式管路分岐部内面補修方法にお
    いて、上記の光硬化補修材として請求項1〜9の何れか
    に記載の光硬化式管路分岐部内面補修材を使用すること
    を特徴とする光硬化式管路分岐部内面補修方法。
  11. 【請求項11】 管路内壁補修具のゴム管体は、管路分
    岐部の支管部に挿入される凸部を備え、内面補修作業に
    あたっては、ゴム管体に加圧空気を供給して膨張させる
    ことにより、ゴム管体の凸部を管路分岐部の支管部に突
    出させ、凸部に取り付けられた補修材の支管部に相当す
    る部位を管路分岐部の支管部内壁に圧接する請求項10
    に記載の光硬化式管路分岐部内面補修方法。
  12. 【請求項12】 ゴム管体の凸部を当該ゴム管体の内側
    に押し込んで凹部とし、補修材の支管部に相当する部位
    を前記凹部に押し込んで取り付けた後、自走・牽引によ
    り管路内の分岐部の破損箇所へ管路内壁補修具を移動さ
    せ、次いで、ゴム管体に加圧空気を供給して膨張させる
    ことにより、ゴム管体の凸部を外側に再び押し出して管
    路分岐部の支管部に突出させると共に、補修材の支管部
    に相当する部位を押し出す請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 ゴム管体の構成材料として、透過度が
    25%以上で且つ厚さが2〜12mmのものを使用する
    請求項10〜12の何れかに記載の方法。
  14. 【請求項14】 光線照射装置の光源が300〜500
    nmの波長を中心とする波長領域であり、光源と補修材
    との距離が2〜15cmである請求項10〜13の何れ
    かに記載の方法。
  15. 【請求項15】 加圧空気を供給して膨張させた際にゴ
    ム管体において管路分岐部の支管部に挿入される部位の
    少なくとも一部は、その他の部位に比べて高い膨張性を
    備えている請求項10〜14の何れかに記載の方法。
  16. 【請求項16】 ゴム管体において管路分岐部の支管部
    に挿入される部位のうち、先端部以外の部位は、ゴム管
    体において管路分岐部の主管部に配置される部位に比べ
    て高い膨張性を備え、先端部は、その周辺部よりも低い
    膨張性を備えている請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 ゴム管体の内部に光反射機能を有する
    部材が配置されている請求項10〜16の何れかに記載
    の方法。
  18. 【請求項18】 加圧空気を供給して膨張させた際にゴ
    ム管体において管路分岐部の支管部に挿入される部位の
    少なくとも一部は、その他の部位に比べて高い光透過性
    を備えている請求項10〜17の何れかに記載の方法。
  19. 【請求項19】 管路内壁補修具の内部に装備された光
    線照射装置を使用し、そして、管路内壁補修具のゴム管
    体を通して補修材に対し、補修材表面上において、波長
    300〜400nmの光線が400μW/cm2以上で
    且つ400〜500nmの光線が80μW/cm2以上
    の照度になる様に光線を照射する請求項10〜18の何
    れかに記載の方法。
  20. 【請求項20】 管路内の分岐部がト型管またはT型管
    によって構成されている請求項10〜19の何れかに記
    載の方法。
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