JP2003174045A - 半導体素子の実装方法、及び、表示装置の製造方法 - Google Patents

半導体素子の実装方法、及び、表示装置の製造方法

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JP2003174045A JP2001373648A JP2001373648A JP2003174045A JP 2003174045 A JP2003174045 A JP 2003174045A JP 2001373648 A JP2001373648 A JP 2001373648A JP 2001373648 A JP2001373648 A JP 2001373648A JP 2003174045 A JP2003174045 A JP 2003174045A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アンダーフィルのボイドを低減する方法を提供
する。 【解決手段】バンプを形成したICとパターンを形成し
たフレキシブル基板を、フェイスダウン実装し、ICの
側面からアンダーフィルを注入し、硬化してなる実装方
法において、アンダーフィル注入時に巻き込む気泡を、
加熱により気泡を熱膨張することで脱泡し、その後アン
ダーフィルを硬化する。半田リフローで発生する気泡の
膨張による接続断線不良を低減し、安定した品質が実現
可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術範囲】本発明は、携帯機器等や、電
子手帳に使用されている表示パネルを駆動するためのド
ライバICやメモリー,コントローラ等のベアチップ実
装している電子回路装置及び液晶,有機EL,プラズマ
ディスプレイ,FED等の表示モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶ドライバICをフィルム基板
にフェイスダウン実装を行う方法として金とスズを用い
た共晶接続を行っている。液晶ドライバICには、金か
らなるバンプを形成してある。バンプは、ICのアルミ
配線上にSiO2等からなるパッシベーション膜で形成
した開口部にフォトレジストで形成した形状で強度を向
上するための金属膜をスパッタリングにより成膜し、更
に金を電解メッキで析出してバンプを形成する。
【0003】フレキシブル基板はポリイミドフィルムを
ベースにクロムとニッケル等からなる密着性を向上する
ための合金層の上にスパッタリングと電解メッキにより
銅を形成した原反をパターニングしたフレキシブル基板
か、もしくは銅箔にキャスティング法によりポリアミッ
ク酸ワニスを塗布硬化した原反をパターニングしたフレ
キシブル基板か、ポリイミドフィルムに密着性を向上す
るための層や銅などの薄膜にアディティブ法によりパタ
ーンを形成したフレキシブル基板を用いる。
【0004】フレキシブル基板は、表裏に配線しスルー
ホールにより表裏を銅通した両面配線のフレキシブル基
板においても、同様の構成である。スルーホールの形成
方法はドリルやレーザーやエッチック部などにより表裏
導通の穴を形成し銅メッキにより導通する構造が一般的
である。
【0005】更にソルダーレジストを形成する。ソルダ
ーレジストの形成方法には、レジストインクを全面に形
成した後、フォト法により目的の形状を焼き付け、現
像、加熱により形成するフォトソルダーレジストとマス
ク印刷により目的の形状に印刷し熱硬化により形成する
方法がある。印刷法は、インクの染み出しがある。
【0006】ソルダーレジストの被覆部外のパターンに
は、無電解スズめっきもしくは電解もしくは無電解ニッ
ケルメッキ及び電解もしくは無電解金メッキを形成し
た。無電解スズメッキを行う場合は、スズメッキ工程
で、レジストと銅パターンの隙間に局部電池が発生し、
銅パターンが侵食される不具合が発生することがある。
この場合、ソルダーレジスト形成前にスズメッキを行
う。しかし、後工程のソルダーレジストの硬化条件によ
っては、スズが拡散して、ICを共晶接続するための純
スズ層の厚みである0.20±0.05μmをキープで
きないことがある。スズメッキは、純スズ層と拡散層に
分けられ、純スズ層はスズからなり、拡散層はスズと銅
の合金層からなる。純スズ層は、加熱により銅が拡散す
るために減少する。
【0007】そのため、ボンディングのスズメッキ形成
するには、レジスト形成前にパターン全体に0.01μ
m以下のスズメッキをおこない、ソルダーレジストを形
成した後に共晶接続用のスズメッキをする。スズメッキ
はメッキ内部の応力によりウイスカと呼ばれる単結晶の
ひげ状の突起物が経時的に発生するため、120℃1時
間程度のメッキ内部の応力緩和を行う。
【0008】ICのバンプとフレキシブル基板のICを
接続するパターンに、熱と圧力をかけてバンプの金とパ
ターンのスズを金−スズ共晶接続するかもしくは、IC
の金バンプとパターンの金を超音波などにより金−金接
合により接続した。金―スズ共晶接続は、例えばフィル
ム基板は、熱による伸びの影響を考慮し50℃のステー
ジにセットし、ICを450℃に加熱したヘッドに吸着
し、位置あわせを行った後に約2秒間加熱加圧する。加
圧は、バンプとリードの重なり面積に1200kg/c
2 の圧力で行う。このとき、ICと基板の間の温度は
約370℃となり、金とスズの共晶接続ができる。温度
が低い場合は、共晶が不完全となり、接合部にクラック
が入る。時間が短い場合も同じである。温度が高い場合
は、フレキシブル基板のレジストが熱により変色する。
更に高くすると接合部周辺のスズメッキ自体が変色す
る。
【0009】金―金接続は、加熱加圧で接続する場合は
金―スズ接合より温度が高くする必要がある。また、超
音波を用いて接続する場合には、低温で接続することも
できる。
【0010】ICとフレキシブル基板の接続後、アンダ
ーフィルをICの外周に塗布し、外周部全体にアンダー
フィルがフィレットを形成するように充填する。アンダ
ーフィルは、通常エポキシ系接着剤を使用するが、ベー
スがポリイミドからなるフレキシブル基板の場合は、接
着力を高めるために変性エポキシアクリレート系接着剤
を使用した。充填時のアンダーフィルのヌレを良くする
ために、粘度を25℃において1000cpから50℃
に加温して250cpに下げて充填した。充填後約12
0℃のオーブンに90分入れて硬化する。
【0011】アンダーフィルには硬化後の硬さがショア
A硬度50程度のものを使う。硬すぎる場合は、SMT
工程のリフローを通過する場合に熱膨張による熱応力に
よって剥離が発生するためである。
【0012】また、ICのエッジとフレキシブル基板の
パターンのショートを防止するためにフォーミングを行
う場合は、アンダーフィルに光硬化と熱硬化併用タイプ
を用い、アンダーフィル充填後ICとFPCを機械的に
押さえ、ICのエッジとパターンの間隔を広げると共
に、光によりIC外周部のアンダーフィルを硬化した。
光は紫外線を使用し、この場合硬化主波長310nmで
ある。機械的な押さえを解除した後も、アンダーフィル
は、フォーミングした形状を維持できる強度であり、更
に光のあたらない、ICとフレキシブル基板の間のアン
ダーフィルを硬化するために約120℃のオーブンに9
0分入れる。
【0013】次にチップ抵抗やコンデンサなどの部品を
フレキシブル基板に実装する。半田ペーストを印刷し、
部品をマウントして、エアーリフロー炉にてスズ鉛の共
晶半田を溶融し冷却して接合する。接合温度は240度
ピークで220℃10秒である。Pbレス半田を使用す
る場合は、約10℃高くなる。
【0014】更に、異方性導電膜を使用してパッシブ液
晶やアクティブ液晶や有機ELなどの表示パネルにフレ
キシブル基板を実装して表示装置を製造する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】このように、共晶接続
を用いた実装では、アンダーフィルの充填時に気泡をま
き込むことがある。まき込んだ気泡のうち、一部はアン
ダーフィルが硬化するまでに外部に出るが、ほとんどが
アンダーフィルの硬化後そのまま閉じこまれた形で残
る。この気泡が大きい場合は、SMT工程のリフローで
加熱されるため、気泡が膨張しアンダーフィルと基板の
接着力がリフロ−温度で低下するため、この気泡の膨張
の影響で接着部が剥がれ接合部に応力が集中し、バンプ
とリードの界面から断線する不具合が生ずる。また、ア
ンダーフィル充填後真空脱泡を行ってもほとんど気泡が
抜けることはない。
【0016】つまり、本発明はアンダーフィルの充填時
にまき込んだ気泡を容易に取り除くことを可能にし、安
定した接続品質の表示装置を提供することを目的とす
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】本問題を解決するため
に、少なくとも金などからなるバンプ付ICとポリイミ
ド等の絶縁フィルムに銅などからなるパターンにスズま
たはニッケル及びその表面に金をメッキしたフレキシブ
ル基板とを接続し、ICとフレキシブル基板の間にアン
ダーフィルを注入して充填させ、更にアンダーフィルを
硬化し、表示パネルと接続する表示装置の実装方法にお
いて、フレキシブル基板とICのバンプを加熱加圧によ
り金―スズ共晶接続するかもしくは超音波などにより金
―金接続する工程と、ICの外周の1部もしくは全面に
アンダーフィルを滴下もしくは塗布する工程とアンダー
フィルをICの外周全体に充填する工程と、加熱により
ICとフレキシブル基板間に囲まれた気泡を熱膨張する
事でアンダーフィルの外側に脱泡する工程と、更に加熱
によりアンダーフィルを硬化する工程とする。アンダー
フィル内にある気泡は加熱した温度により膨張量を制御
できる。このときの温度は接着剤が熱硬化のため、硬化
に支障の無い範囲の温度と時間で制御して気泡を脱泡す
る。脱法の温度は、接着剤の熱硬化の温度より高くて
も、短時間であれば反応は進むとしても硬化までに至ら
ない。そのため、温度の条件は、脱泡時に接着剤内から
アウトガスの出ない温度が上限である。
【0018】また、アンダーフィルを二回に分けて充填
する方法において、フレキシブル基板に第一のアンダー
フィルを塗布した後にICのバンプを加熱加圧または、
超音波などで接続した後、第二のアンダーフィルを塗布
充填し、加熱により脱泡する方法においても、第一のア
ンダーフィルがすでに第二のアンダーフィルを充填する
ときには硬化しているので、このとき発生する気泡がI
Cの外周に位置するため、脱法が一層容易に可能となっ
た。
【0019】更にアンダーフィルの硬化方法を光硬化と
熱硬化併用型として、加熱によりICとフレキシブル基
板間に囲まれた気泡を熱膨張する事でこの気泡を脱泡す
る工程と、ICのエッジとフレキシブル基板のパターン
のショートを防止するためのフォーミングを行うと共
に、光によりアンダーフィルを硬化する工程と、更に加
熱によりアンダーフィルを硬化する工程とを備える実装
方法でも同様の効果を得ることができた。
【0020】更にアンダーフィルの硬化方法を光硬化と
熱硬化併用型として、ICのエッジとフレキシブル基板
のパターンのショートを防止するためにICのエッジと
フレキシブル基板のパターンの間隔を広げ、加熱により
ICとフレキシブル基板間に囲まれた気泡を熱膨張する
事でこの気泡を脱泡し、ICのエッジとフレキシブル基
板の広げた間隔を保持するために光によりアンダーフィ
ルを硬化し、更に光の届かない未硬化の部分を加熱によ
りアンダーフィルを硬化する工程した実装方法とするこ
とで、脱泡時にICエッジとフレキシブル基板の間隔が
広くなっているため、更に脱泡が容易となった。
【0021】また、上記実装方法でフレキシブル基板と
ICを接続し、更にフレキシブル基板と表示パネルを接
続することにより、安定した品質の表示装置を得ること
ができた。
【0022】上述のような表示装置の実装方法では、I
Cのバンプとフレキシブル基板の接合品質が安定し、歩
留まりが向上することにより安価な表示装置を提供でき
るようになった。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明による半導体素子の実装方
法は、基板と半導体素子を接続し、半導体素子の外周の
一部もしくは外周すべてにアンダーフィルを配して、ア
ンダーフィルを半導体素子の外周全体に充填する工程
と、加熱して半導体素子と基板の間のアンダーフィルに
巻き込まれた気泡を熱膨張させることにより脱泡する工
程と、アンダーフィルを硬化する工程と、を備えてい
る。さらに、アンダーフィルに光硬化と熱硬化の併用型
の接着剤を用いるとともに、脱泡工程が、ICのエッジ
とフレキシブル基板のパターンの間隔を広げた状態のま
まで加熱して気泡を熱膨張させて脱泡する工程と、更に
その状態のままで光を照射してアンダーフィルの一部
(例えば外周部)を硬化する工程と、照射した光があた
らない部分(例えば半導体素子と基板の間隙)のアンダ
ーフィルを加熱により硬化する工程を有することとし
た。
【0024】また、本発明による半導体素子の他の実装
方法は、基板に第一のアンダーフィルを設けてから基板
と半導体素子を接続して、その後、半導体素子の外周の
一部もしくは外周すべてに第二のアンダーフィルを配
し、この第二のアンダーフィルを半導体素子の外周全体
に充填させ、その後、充填時に半導体素子と基板の間に
入り込んだ気泡を加熱により熱膨張させることにより脱
泡し、その後、第二のアンダーフィルを硬化させること
とする。さらに、第二のアンダーフィルに光硬化と熱硬
化の併用型接着剤を用いるとともに、第二のアンダーフ
ィルを硬化する工程が、半導体素子のエッジと基板の間
隔を広げた状態で光を照射して第二のアンダーフィルの
一部(例えば外周部)を硬化する工程と、加熱により照
射した光のあたらない部分(例えば半導体素子と基板の
間隙)の第二のアンダーフィルを硬化する工程を有する
こととする。
【0025】このような方法により、半導体素子と基板
の間隙に巻き込まれたアンダーフィルの気泡を除去する
ことが可能になり、安定した品質のIC実装を行うこと
ができる。
【0026】さらに、このように実装した半導体装置を
表示素子に接続して表示装置を形成すれば、信頼性の高
い表示装置を提供できる。
【0027】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0028】(実施例1)図1は、本実施例による実装方
法を示す図である。図1(a)は、IC1とフレキシブ
ル基板2の接続前の断面図である。IC1には金からな
るバンプ1aが電解メッキにより形成してある。バンプ
1aは30μmピッチで連続して形成してある。バンプ
1aの高さは15μmである。フレキシブル基板2はポ
リイミドからなる25μmの厚みのベースフィルム2a
に、銅からなる8μm厚みのパターン2bの表面に、ス
ズめっきの純スズ層として0.2μm形成してある。
【0029】図1(b)は、IC1とフレキシブル基板
2を接続した断面である。バンプ1aとパターン2bの
スズを加熱加圧することにより接続する。ここでは、I
C1を450℃に加熱し、フレキシブル基板2を50℃
に加熱し、IC1側より加圧する。加圧はバンプ1aと
パターン2bの重なり面積に対して、1200kg/c
2 の圧力をかけ、加圧時間は2秒間で行った。
【0030】図1(c)に、アンダーフィル3を塗布す
る工程を示す。アンダーフィル3には、熱硬化性のエポ
キシ系接着剤が用いられる。基板の熱膨張率とICの熱
膨張率及びプロセス温度によりフィラーを添加する場合
もある。IC1の外形の各角4点にアンダーフィルを塗
布した。塗布位置はこれにこだわるものではなく、線引
きで外周に塗布しても良い。
【0031】図1(d)に、アンダーフィル3の充填工
程を示す。IC1とフレキシブル基板の間にアンダーフ
ィル3を充填するとともに、IC1の外周にフィレット
を形成するまで放置する。条件は、50℃120秒であ
る。この充填により従来問題となる気泡4が発生する。
【0032】図1(e)は本発明の気泡4を脱泡する工
程で、加温は、140〜200℃に加熱したツール(図
示せず)をフレキシブル基板の表面に当てて5秒間加熱
する条件で行う。この条件では接着剤は硬化しない。接
着剤を低粘度化するとともに気泡4を熱膨張し、図1
(f)に示すように気泡4がIC外周側より出て行き、
図1(g)の状態となる。加熱条件は、接着剤の沸点以
下であれば良い。沸点以上の温度では、別の気泡が発生
する。
【0033】次にアンダーフィルを硬化する。硬化条件
は、135℃20分放置し、連続して180℃60分放
置する。フレキシブル基板と表示パネルに異方性導電膜
で接続して、図5に示した表示装置が完成する。
【0034】(実施例2)図2は、本実施例の実装方法
を示す図である。図2(a)は、IC1とフレキシブル
基板2の接続前の断面図である。IC1には金からなる
バンプ1aが電解メッキにより形成してある。バンプ1
aは30μmピッチで連続して形成してあり、ペリフェ
ラル状に配置してある。バンプ1aの高さは15μmで
ある。フレキシブル基板2はポリイミドからなる25μ
mの厚みのベースフィルム2aに、銅からなる8μm厚
みのパターン2bの表面に、スズめっきを0.2μm形
成してある。パターン2bはバンプ1aを介してIC1
と電気的に接続される。フレキシブル基板のパターン2
bの内側にはパターンを配置してある。アンダーフィル
は2回の工程に分けて充填する。第一のアンダーフィル
5は、IC1とフレキシブル基板2を接続する前に塗布
しておく。このとき、第一のアンダーフィルはICの外
周に配置したバンプにかからない量を塗布しておく。
【0035】図2(b)は、IC1とフレキシブル基板
2を接続した断面である。バンプ1aとパターン2bの
スズを加熱加圧して接続する。ここで、IC1を450
℃に加熱し、フレキシブル基板2を50℃に加熱し、I
C1側より加圧する。加圧はバンプ1aとパターン2b
の重なり面積に対して、1200kg/cm2 の圧力を
かけ、加圧時間は2秒間で行った。接続と同時に第一の
アンダーフィルを硬化する。第一のアンダーフィルは、
熱硬化性でも、嫌気硬化性でも良い。このとき硬化する
第一のアンダーフィルには、問題となる大きな気泡は入
らない。
【0036】このように、第一のアンダーフィルをバン
プにかからない範囲でICとフレキシブル基板の間に設
けて、ICとフレキシブル基板を接続すると共にこのア
ンダーフィルを硬化することにより、ICとフレキシブ
ル基板へ加わる機械的なストレスがバンプとパターンの
共晶接続部に応力集中し、接合部にダメージがかかるこ
とを防ぐことができる。
【0037】図2(c)は、第二のアンダーフィル6を
塗布する工程であり、第二のアンダーフィル6は、熱硬
化性のエポキシ系接着剤である。基板の熱膨張率とIC
の熱膨張率及びプロセス温度によりフィラーを添加する
場合もある。IC1の外形の各角4点に第二のアンダー
フィルを塗布した。塗布位置はこれにこだわるものでは
なく、線引きで外周に塗布しても良い。
【0038】図2(d)は、第二のアンダーフィル6の
充填工程を示す模式図である。ここでは、IC1とフレ
キシブル基板の間に第二のアンダーフィル6を充填させ
るとともに、IC1の外周にフィレットを形成するまで
放置する。条件は、50℃120秒である。この充填に
より従来問題となる気泡4が発生する。発生する気泡は
第一のアンダーフィル5の外周側になる。
【0039】図2(e)は本実施例の気泡4を脱泡する
工程で、加温は、140〜200℃に加熱したツール
(図示せず)をフレキシブル基板の表面に当てて5秒間
加熱する条件で行う。加熱は、フレキシブル基板側にこ
だわるものではなくIC側からでも良い。この条件では
接着剤は硬化しない。接着剤を低粘度化するとともに気
泡4を熱膨張し、図2(f)に示すように気泡4がIC
外周側より出て行き、図2(g)の状態となる。加熱条
件は、接着剤の沸点以下であれば良い。沸点以上の温度
では、別の気泡が発生する。
【0040】次に第二のアンダーフィルを硬化する。硬
化条件は、135℃20分放置し、連続して180℃6
0分放置して完了する。
【0041】この実施例では、第一のアンダーフィルが
第二のアンダーフィルの充填時にあるため、気泡4の位
置が実施例1と比べIC1の外周側に発生する。そのた
め、容易に気泡4が抜ける。フレキシブル基板と表示パ
ネルに異方性導電膜で接続して、図5に示した表示装置
が完成する。
【0042】(実施例3)図3は、本実施例の実装方法
を示す図である。前述の実施例と同様の部分については
一部省略する。
【0043】図3(a)は、IC1とフレキシブル基板
2の接続前の断面図である。IC1には金からなるバン
プ1aが電解メッキにより形成してある。バンプ1aは
30μmピッチで連続して形成してあり、ペリフェラル
状に配置してある。バンプ1aの高さは15μmであ
る。フレキシブル基板2はポリイミドからなる25μm
の厚みのベースフィルム2aに銅からなる8μm厚みの
パターン2bが設けられており、このパターン2bの表
面にスズめっきが0.2μm形成してある。フレキシブ
ル基板のICと接続するパターンの内側にはパターンを
配置してある。アンダーフィルは2回の工程に分けて充
填する。第一のアンダーフィル5は、IC1とフレキシ
ブル基板2を接続する前に塗布しておく。
【0044】図3(b)は、IC1とフレキシブル基板
2を接続した断面である。バンプ1aとパターン2bの
スズを加熱加圧して接続する。ここでは、IC1を45
0℃に加熱し、フレキシブル基板2を50℃に加熱し、
IC1側より加圧した。加圧はバンプ1aとパターン2
bの重なり面積に対して、1200kg/cm2の圧力
をかけ、加圧時間は2秒間で行った。接続と同時に第一
のアンダーフィルを硬化する。第一のアンダーフィル
は、熱硬化性でも、嫌気硬化性でも良い。
【0045】図3(c)は、第二のアンダーフィル6を
塗布する工程であり、第二のアンダーフィル6は、熱硬
化性のエポキシ系接着剤である。基板の熱膨張率とIC
の熱膨張率及びプロセス温度によりフィラーを添加する
場合もある。IC1の外形の各角4点に第2のアンダー
フィル6を塗布した。塗布位置はこれにこだわるもので
はなく、線引きで外周に塗布しても良い。
【0046】図3(d)は、第二のアンダーフィル6の
充填工程である。ここでは、IC1とフレキシブル基板
の間に第二のアンダーフィル6を充填するとともに、I
C1の外周にフィレットを形成するまで放置する。条件
は50℃120秒である。この充填により従来問題とな
る気泡4が発生する。発生する気泡は第一のアンダーフ
ィルの外周側になる。
【0047】図3(e)は本発明の気泡4を脱泡する工
程である。ここで、加温は、140〜200℃に加熱し
たツール(図示せず)をフレキシブル基板の表面に当て
て5秒間加熱する条件で行う。加熱は、フレキシブル基
板側にこだわるものではなくIC側からでも良い。この
条件では接着剤は硬化しない。接着剤を低粘度化すると
ともに気泡4を熱膨張し、図3(f)に示すように気泡
4がIC外周側より出て行き脱泡が完了する。
【0048】図3(g)は、ICのエッジとフレキシブ
ル基板のパターンのショートを防止するために、機械的
にICエッジ部とパターンの間隔を広げた状態である。
機械的な保持を解除してもこの状態を保持するためにI
C側より紫外線を照射し、IC外周にある第二のアンダ
ーフィルを硬化する。
【0049】これは、ICのダイシング工程でダイシン
グラインにTEG等の回路を配置した場合に、アルミ等
のバリが生じ、このバリとフレキシブル基板のパターン
が接触することで起こる場合と、フレキシブル基板の変
形により発生することがあるため、これを防止するため
に行う。また、ICとフレキシブル基板の間のアンダー
フィルには紫外線が照射できないため、この段階ではア
ンダーフィルは未硬化である。そのため、さらに、加熱
して硬化させる。硬化条件は、120℃90分である。
図3(e)で加熱した条件はこの加熱による硬化温度よ
り高いが、短時間であるためアンダーフィルは硬化しな
い。フレキシブル基板と表示パネルに異方性導電膜で接
続して、図5に示した表示装置が完成する。
【0050】(実施例4)図4は、本実施例の実装方法
を示す図である。前述の実施例と同様の部分については
一部省略する。
【0051】図4(a)は、IC1とフレキシブル基板
2の接続前の断面図である。IC1には金からなるバン
プ1aが電解メッキにより形成してある。バンプ1aは
30μmピッチで連続して形成してあり、ペリフェラル
状に配置してある。バンプ1aの高さは15μmであ
る。フレキシブル基板2はポリイミドからなる25μm
の厚みのベースフィルム2aに銅からなる8μm厚みの
パターン2bが設けられており、そのパターン2bの表
面に、スズめっきが0.2μm形成してある。フレキシ
ブル基板のICと接続するパターンの内側にはパターン
を配置してある。アンダーフィルは2回の工程に分けて
充填する。第一のアンダーフィル5は、IC1とフレキ
シブル基板2を接続する前に塗布しておく。
【0052】図4(b)は、IC1とフレキシブル基板
2を接続した断面である。バンプ1aとパターン2bの
スズを加熱加圧して接続する。ここで、IC1を450
℃に加熱し、フレキシブル基板2を50℃に加熱し、I
C1側より加圧する。加圧はバンプ1aとパターン2b
の重なり面積に対して、1200kg/cm2 の圧力を
かけ、加圧時間は2秒間で行った。接続と同時に第一の
アンダーフィルを硬化する。第一のアンダーフィルは、
熱硬化性でも、嫌気硬化性でも良い。
【0053】図4(c)は、第二のアンダーフィル6を
塗布する工程であり、第二のアンダーフィル6は、熱硬
化性のエポキシ系接着剤である。基板の熱膨張率とIC
の熱膨張率及びプロセス温度によりフィラーを添加する
場合もある。IC1の外形の各角4点に第二のアンダー
フィル6を塗布した。塗布位置はこれにこだわるもので
はなく、線引きで外周に塗布しても良い。
【0054】図4(d)は、第二のアンダーフィル6の
充填工程である。ここでは、IC1とフレキシブル基板
の間に第二のアンダーフィル6を充填するとともに、I
C1の外周にフィレットを形成するまで放置する。条件
は50℃120秒である。この充填により従来問題とな
る気泡4が発生する。発生する気泡は第一のアンダーフ
ィルの外周側になる。
【0055】図4(e)は、実施例3と同様、ICのエ
ッジとフレキシブル基板のパターンのショートを防止す
るために、機械的にICエッジ部とパターンの間隔を広
げた状態である。
【0056】図4(f)は本発明の気泡4を脱泡する工
程で、加温は、140〜200℃に加熱したツール(図
示せず)をフレキシブル基板の表面に当てて5秒間加熱
するの条件で行う。加熱は、フレキシブル基板側にこだ
わるものではなくIC側からでも良い。加熱手段もツー
ルだけでなく、熱風等でも良い。この条件では、接着剤
は硬化しない。接着剤を低粘度化するとともに気泡4を
熱膨張し、図4(g)に示すように気泡4がIC外周側
より出て行き脱泡が完了する。実施例3と比べて、IC
エッジとパターンの間隔を広げているため、気泡が出で
行きやすい。
【0057】図4(h)は機械的な保持を解除してもこ
の状態を保持するために、IC側より紫外線を照射し
て、IC外周にある第二のアンダーフィルを硬化した状
態である。ここで、ICとフレキシブル基板の間のアン
ダーフィルには紫外線が照射できないため、この段階で
は未硬化である。そのため、さらに加熱により硬化させ
る。硬化条件は、120℃90分である。図4(e)で
加熱した条件はこの加熱による硬化温度より高いが、短
時間であるため硬化しない。フレキシブル基板と表示パ
ネルに異方性導電膜で接続して、図5に示した表示装置
が完成する。
【0058】
【発明の効果】本発明は以上説明したように、極めて気
泡の少ない安定した品質のIC実装を行うとともに、I
C実装後の半田リフロー等によるダメージの無い、安定
した品質の電子回路装置及び表示装置を提供できるよう
になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1による実装工程の概略を表す
工程図である。
【図2】本発明の実施例2による実装工程の概略を表す
工程図である。
【図3】本発明の実施例3による実装工程の概略を表す
工程図である。
【図4】本発明の実施例4による実装工程の概略を表す
工程図である。
【図5】表示装置を表す上面図
【符号の説明】
1 IC 1a 金バンプ 2 フレキシブル基板 2a ポリイミドフィルム 2b パターン 3 アンダーフィル 4 気泡 5 第一のアンダーフィル 6 第二のアンダーフィル 7 液晶パネル 8 チップ部品

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と半導体素子を接続する工程と、 前記半導体素子の外周の一部もしくは全面にアンダーフ
    ィルを配し、前記アンダーフィルを前記半導体素子の外
    周全体に充填する工程と、 前記半導体素子と前記基板間の気泡を加熱して熱膨張さ
    せることにより、前記気泡を除去する脱泡工程と、 前記アンダーフィルを硬化する工程と、を備えることを
    特徴とする半導体素子の実装方法。
  2. 【請求項2】 基板に第一のアンダーフィルを設け、前
    記基板と半導体素子を接続する工程と、 前記半導体素子の外周の一部もしくは全面に第二のアン
    ダーフィルを配し、前記第二のアンダーフィルを前記半
    導体素子の外周全体に充填する工程と、 前記半導体素子と前記基板間の気泡を加熱して熱膨張さ
    せることにより、前記気泡を除去する脱泡工程と、 前記第二のアンダーフィルを硬化する工程と、を備える
    ことを特徴とする半導体素子の実装方法。
  3. 【請求項3】 ICが実装されたフレキシブル基板を表
    示パネルに接続してなる表示装置の製造方法であって、 前記フレキシブル基板と前記ICを加熱加圧または超音
    波により接続する工程と、 前記ICの外周の少なくとも一部にアンダーフィルを設
    け、前記アンダーフィルを前記ICの外周全体に充填す
    る工程と、 前記ICと前記フレキシブル基板の間に囲まれた気泡を
    加熱して熱膨張させることにより、前記気泡を除去する
    脱泡工程と、 前記アンダーフィルを硬化する工程と、を備えることを
    特徴とする表示装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 ICが実装されたフレキシブル基板を表
    示パネルに接続してなる表示装置の製造方法であって、 前記フレキシブル基板に第一のアンダーフィルを設け、
    前記フレキシブル基板と前記ICを接続する工程と、 前記ICの外周の少なくとも一部に第二のアンダーフィ
    ルを設け、前記第二のアンダーフィルを前記ICの外周
    全体に充填する工程と、 前記ICと前記フレキシブル基板の間に囲まれた気泡を
    加熱して熱膨張させることにより、前記気泡を除去する
    脱泡工程と、 前記第二のアンダーフィルを硬化する工程と、を備える
    ことを特徴とする表示装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 第二のアンダーフィルは光硬化と熱硬化
    の併用型接着剤であるとともに、前記第二のアンダーフ
    ィルを硬化する工程が、前記ICのエッジと前記フレキ
    シブル基板の間隔を広げた状態で光を照射して前記第二
    のアンダーフィルの一部を硬化する工程と、加熱により
    前記光のあたらない部分の前記第二のアンダーフィルを
    硬化する工程を有することを特徴とする請求項4に記載
    の表示装置の実装方法。
  6. 【請求項6】 前記アンダーフィルは光硬化と熱硬化の
    併用型接着剤であるとともに、前記脱泡工程が、前記I
    Cのエッジと前記フレキシブル基板のパターンの間隔を
    広げた状態のままで加熱して、前記気泡を熱膨張させて
    脱泡する工程と、更にその状態のままで光を照射して前
    記アンダーフィルの一部を硬化する工程と、前記光のあ
    たらない部分の前記アンダーフィルを加熱により硬化す
    る工程を有することを特徴とする請求項3に記載の表示
    装置の実装方法。
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