JP2003171821A - エチレン−ビニルアルコール系共重合体繊維 - Google Patents
エチレン−ビニルアルコール系共重合体繊維Info
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Abstract
ビニルアルコール系共重合体繊維を簡便に提供する。 【解決手段】 エチレン単位の含有量が25〜70モル
%であるエチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)
とポリアミド系樹脂(B)とを溶融混練して得られる混
合物からなる繊維であって、該混合物は60℃のDMS
Oに対し不溶解性の成分を5〜75質量%含有してお
り、該不溶解性の成分は共重合体(A)成分中に島状に
分散し、該島の大きさが1nm〜300nm、島の数は繊維
断面でみて10ケ/μm2以上存在しているエチレン−
ビニルアルコール系共重合体繊維。
Description
に優れる高吸湿性エチレン−ビニルアルコール系共重合
体からなる繊維に関する。
ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド等の繊維は優れ
た物理的特性および化学的特性を有しており、衣料用途
のみならず広く産業用途にも使用されており、工業的に
貴重な価値を有している。これら合成繊維は、吸湿,吸
水性が低いため肌着、中衣、シーツ、タオル等の吸湿、
吸水性が要求される分野への進出は限定されているのが
実情である。例えばポリエステル繊維の場合には、従来
から最大の欠陥とも云える吸湿・吸水性を改善する提案
が種々なされ、具体的には、ポリエステル繊維を加工剤
で処理して親水化する方法やポリエステル繊維表面又は
内部を多孔質化して吸湿・吸水性を付与する方法などが
提案されている。しかしながら、これらの手法では吸湿
・吸水性が十分に付与できず、洗濯を行うことにより、
その性能が低下するという問題があつた。そこで、これ
らの問題点を改善するために、エチレン−酢酸ビニル系
共重合体のケン化物であるエチレン−ビニルアルコ−ル
系共重合体を一成分とする繊維が提案されている(特公
昭56−5846号公報、特公昭55−1372号公
報)。
の、高温高圧染色や縫製、あるいはスチームアイロンの
使用により、繊維表面に露出したエチレン−ビニルアル
コール系共重合体が部分的に軟化や微膠着を生じ、織編
物としての風合が硬化するという課題があり、これを防
止するために、ジアルデヒド化合物によりアセタール化
処理する方法が、例えば、特公平7−84684号公報
に提案されている。しかしながら、アセタール化処理は
現行の染色工程以外の別工程を必要とするため加工コス
トが高くなるという問題、さらに廃液処理も煩雑である
などの種々の課題を有していた。
の従来技術の課題を解決し、アセタール化処理などの架
橋処理を繊維形成後に行うことなく、耐湿熱性と発色性
に優れる高吸湿性エチレン−ビニルアルコール系共重合
体繊維を簡便な手段で提供することである。
チレン単位の含有量が25〜70モル%であるエチレン
−ビニルアルコール系共重合体(A)とポリアミド系樹
脂(B)とを溶融混練して得られる混合物からなる繊維
であって、該混合物は60℃のDMSOに対し不溶解性
の成分を5〜75質量%含有しており、該不溶解性の成
分は共重合体(A)成分中に島状に分散し、該島の大き
さが1nm〜300nm、島の数は繊維断面でみて10ケ/
μm2以上存在していることを特徴とするエチレン−ビ
ニルアルコール系共重合体繊維である。
−ビニルアルコール系共重合体(A)は、エチレン−酢
酸ビニル系共重合体のケン化物である。該共重合体に含
有されるエチレン単位の含有量は、好ましくは25〜7
0モル%であることが必要であり、好ましくは30〜5
5モル%である。該共重合体のエチレン単位の含有量が
70モル%を超えて高くなる、すなわちビニルアルコー
ル成分の含有量が低くなれば、得られるポリマーの融点
が低くなり、実用に満足な耐熱性を有するものを得るこ
とができない場合がある。また、水酸基の減少のために
親水性等の特性が低下し、親水性を有する天然繊維ライ
クの風合が得られにくくなる。一方、繊維構造から見る
と、ビニルアルコール成分の含有量が75%を超えて高
くなりすぎると、溶融紡糸性が低下するとともに、繊維
化する際の紡糸性が不良になる上、紡糸または延伸時に
単糸切れ、断糸が多くなる。
アルコール系共重合体(A)を紡糸する際に、共重合体
中のビニルアルコール成分の含有量が多くなれば、示差
走査熱量計(DSC)測定による融点ピークが高温側に
シフトし、ポリアミド系樹脂(B)とブレンド反応紡糸
性が好転する方向であるが、一方でエチレン単位の含有
量が少ないために溶融紡糸性が低下する低下する傾向が
ある。従って、高融点ポリアミドとをブレンド紡糸する
ことを考慮すれば、エチレン含有量が30〜55モル%
であるエチレン−ビニルアルコール系共重合体を使用す
ることが好ましい。
コール系共重合体(A)にポリアミド系樹脂(B)を3
〜45質量%の割合、好ましくは5〜40質量%の割合
で溶融混練することによって該共重合体(A)とポリア
ミド系樹脂(B)との少なくとも一部を架橋結合させる
ことが重要である。この架橋反応は、溶融混練時のみに
止まらず繊維化した後の熱処理などによっても進行する
ものであるが、架橋反応は、主にポリアミドの末端カル
ボキシル基とエチレン−ビニルアルコール系共重合体の
−OHとの反応や、ポリアミドの末端アミノ基とエチレ
ン−ビニルアルコール系共重合体のカルボキシル基との
反応等によるものと推定される。架橋の程度は、95℃
の沸騰水中で膠着のない程度の耐熱性を有する必要があ
り、溶融混練時のポリアミド系樹脂(B)の分散状態に
よって、島表面と海成分の架橋反応の反応効率が影響さ
れ、ある範囲に分散していることが重要である。そし
て、本発明においては、溶融混練して得られる混合物に
は、60℃のDMSO中で2時間加熱攪拌した場合に、
不溶解性の成分が5〜75質量%含まれていることが重
要である。60℃のDMSO処理によって、混合物中の
エチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)は溶解
し、ポリアミド系樹脂(B)と共重合体(A)とが架橋
反応して形成される樹脂成分および未反応のポリアミド
系樹脂(B)の両者が不溶解性の成分として確認され
る。本発明において、混合物中の不溶解性の成分の含有
量が5質量%未満であると、スチームアイロン、あるい
は洗濯、乾燥時に繊維間の膠着や過大収縮等を生じやす
い。一方、75質量%を越えると繊維化工程性が低下
し、風合いもぬめり感が強くなり好ましくない。したが
って、7〜50質量%の不溶解性の成分の含有量である
ことが好ましい。
(B)の種類は特に限定されるものでないが、例えば、
ポリカプロラミド(ナイロン6)、ポリ−ω−アミノヘ
プタン酸(ナイロン7)、ポリウンデカンアミド(ナイ
ロン11)、ポリラウリンラクタム(ナイロン12)、
ポリエチレンジアミンアジパミド(ナイロン2,6)ポ
リテトラメチレンアジパミド(ナイロン4,6)、ポリ
ヘキサメチレンアジパミド(ナイロン6,6)、ポリヘ
キサメチレンセバカミド(ナイロン2,10)、ポリヘ
キサメチレンドデカミド(ナイロン6,12)、ポリオ
クタメチレンアジパミド(ナイロン8,6)、ポリデカ
ノメチレンアジパミド(ナイロン10,6)、ポリドデ
カメチレンセバカミド(ナイロン10,8)、あるい
は、カプロラクタム/ラウリンラクタム共重合体(ナイ
ロン6/12)、カプロラクタム/ω−アミノノナン酸
共重合体(ナイロン6/9)、カプロラクタム/ヘキサ
メチレンアジペート共重合体(ナイロン6/6,6)、
ラウリンラクタム/ヘキサメチレンジアミンアジペート
共重合体(ナイロン12/6,6)、ヘキサメチレンジ
アミンアジペート/ヘキサメチレンジアミンセバケート
共重合体(ナイロン6,6/6,10)、エチレンジア
ミンアジペート/ヘキサメチレンジアミンアジペート共
重合体(ナイロン2,6/6,6)、カプロラクタム/
ヘキサメチレンジアミンアジペート/ヘキサメチレンジ
アミンセバケート共重合体(ナイロン6,6/6,1
0)などが挙げられる。なお、上記のナイロン表示中で
「,」の前後の数値はポリアミドを構成するジカルボン酸
成分とジアミン成分のそれぞれの炭素数を表すものであ
り、「/」は前後の数値で示されるポリアミド同士の共重
合体を表すものである。
イロン6/12の縮重合時にポリエーテルジアミン類と
ジカルボン酸(ダイマー酸など)を添加して、高分子鎖
中にポリエーテル結合を有するポリアミドとしてもよ
い。また、縮合時にヘキサメチレンジアミンやラウリル
アミンのような脂肪族アミンやメタキシレンジアミンや
メチルベンジルアミンのような芳香族アミンを添加し
て、ポリアミド中のカルボキシル末端基を減少させたも
のも好ましい。また、例えば、メタキシリレンジアミン
と全量の80%以下のパラキシリレンジアミンを含む混
合キシリレンジアミンと、炭素数が6〜10個のα,ω
−脂肪族ジカルボン酸とから生成された構成単位を分子
鎖中に少なくとも70モル%含有するメタキシリレン基
含有ポリアミドも有効である。これらの重合体の例とし
ては、ポリメタキシリレンアジパミド、ポリメタキシリ
レンセバカミド、ポリメタキシリレンスペラミドなどの
ような単独重合体、およびメタキシリレン/パラキシリ
レンアジパミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリ
レンアゼラミド共重合体、などのような共重合体、なら
びにこれらの単独重合体または共重合体の成分とヘキサ
メチレンジアミンのような脂肪族ジアミン、ピペラジン
のような脂環式ジアミン、パラ−ビス−(2−アミノエ
チル)ベンゼンのような脂肪族ジアミン、テレフタル酸
のような脂肪族ジカルボン酸、ε−カプロラクタムのよ
うなラクタム、γ−アミノヘプタン酸のようなω−アミ
ノカルボン酸、パラ−アミノメチル安息香酸のような芳
香族アミノカルボン酸等とを共重合した共重合体等が挙
げられる。上記の共重合体において、パラキシリレンジ
アミンは全キシリレンジアミンに対して80%以下であ
り、好適には75%以下である。またキシリレンジアミ
ンと脂肪族ジカルボン酸とから生成された構成単位を分
子鎖中において少なくとも70モル%以上、さらには7
5モル%以上有していることが好ましい。また、これら
のポリマーには、たとえばナイロン6、ナイロン6,
6、ナイロン6,10、ナイロン11、ナイロン12、
ナイロン6,12等の重合体、帯電防止剤、滑剤、耐ブ
ロッキング剤、安定剤、染料、顔料等を含有してもよ
い。
SC測定において、実質上吸熱結晶融解ピークを有さな
いもので、主として、脂肪族ジアミンおよび芳香族ジカ
ルボン酸の重縮合体も用いられる。脂肪族ジアミンとし
ては、たとえばヘキサメチレンジアミン、2,2,4−
トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリ
メチルヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチ
レンジアミン、ビス−(4−アミノヘキシル)−メタ
ン、2,2−ビス−(4−アミノヘキシル)−イソプロ
ピリジン、1,4−(1,3)−ジアミノシクロヘキサ
ン、1,5−ジアミノペンタン、1,4−ジアミノブタ
ン、1,3−ジアミノプロパン、および2−エチルジア
ミノブタンなどが挙げられる。これらのジアミンは、一
種またはそれ以上を同時に用いることができる。なかで
も、ヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタンメチ
レンジアミン、1,5−ジアミノペンタン、1,4−ジ
アミノブタン、および1,3−ジアミノプロパンが好適
に用いられる。芳香族ジカルボン酸としては、たとえば
イソフタール酸、テレフタール酸、アルキル置換イソフ
タール酸、アルキル置換テレフタール酸、ナフタレンジ
カルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸などが挙
げられる。これらのジカルボン酸は、一種またはそれ以
上を同時に用いることができる。なかでも、イソフター
ル酸、テレフタール酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフ
ェニルエーテルジカルボン酸などが熱成形性の面で好適
である。そして、非晶質ポリアミドとしての例として
は、ヘキサメチレンジアミン−イソフタール酸の重縮合
体、ヘキサメチレンジアミン−イソフタール酸/テレフ
タール酸の重縮合体、2,2,4−トリメチルヘキサメ
チレンジアミンおよび2,4,4−トリメチルヘキサメ
チレンジアミン−テレフタール酸の重縮合体などが挙げ
られる。なかでもイソフタール酸/テレフタール酸のモ
ル比が60/40〜95/5、さらには、65/35〜
90/10の範囲にあるヘキサメチレンジアミン−イソ
フタール酸/テレフタール酸の重縮合体が好適である。
以上用いられるが、上記樹脂のうち好適なポリアミド系
樹脂としては、ナイロン6、ナイロン6/6,6、ナイ
ロン6/12、メタキシリレンジアミン含有ポリアミ
ド、非晶質ポリアミドなどである。ナイロン6/12に
おける6成分と12成分の組成割合は特に制限はないが
12成分が60モル%以下、より好ましくは50モル%
以下が好ましい。
不溶解性の成分が島形状となって分散し、その島の大き
さが1nm〜300nm、好ましくは10nm〜200
nmであり、島数は10ケ/μm2以上であることが重
要である。島の大きさが300nmを超えると繊維化工
程性が不安定となるため好ましくなく、1nm未満にな
ると目的とする耐熱性が得られず不適当である。島数が
10ケ/μm2未満になった場合も耐熱性が得られず不
適当である。島数の上限値は特に限定されないが、多す
ぎる場合はゲル化に至り紡糸不可能となるので、好まし
くは1000ケ/μm2以下、さらには500ケ/μm
2以下であることが望まれる。
わない範囲で、必要に応じて銅化合物等の安定剤、着色
剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止
剤、難燃剤、可塑剤、潤滑剤、結晶化速度遅延剤を重合
反応時、またはその後の工程で添加することができる。
m以上5μm以下の微粒子を0.05質量%以上10質
量%以下、重合反応時、またはその後の工程で添加する
ことができる。微粒子の種類は特に限定されず、たとえ
ばシリカ、アルミナ、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫
酸バリウム等の不活性微粒子を添加することができ、こ
れらは単独で使用しても2種以上併用してもよい。特に
平均粒子径が0.02μm以上1μm以下の無機微粒子
が好ましく、紡糸性、延伸性が向上する。
り、例えば下記条件の染色加工を施した場合に、発色性
の指標であるL*値が18以下という優れた発色性を示
すものである。 染色条件 2段染色 1段目 Dianix Tuxedo Black Hconc 10%omf DisperTL 1g/l 酢酸(50%) 0.3cc/l 浴比 1:50 温度 105℃×40分 RC;80℃×20分 NaOH 1g/l ハイドロ 1g/l アミラジン 1g/l 2段目 Lanyl Black RW 3%omf (NH4)2SO4 5%omf Na2SO4 10%omf 浴比 1:50 温度 100℃×40分 ソーピング アミラジン 1g/l 70℃×20分
ビニルアルコール系共重合体(A)とポリアミド系樹脂
(B)をチップブレンド、あるいはチップフィーダーを
用いて混合し、溶融混練効果の高いスクリュー構成にし
た二軸押出機で溶融押出し紡糸ヘッドに導入する。この
時の押し出し条件としては、温度はエチレン−ビニルア
ルコール系共重合体(A)とポリアミド系樹脂(B)の
融点の高い側を基準にして融点からプラス10℃の範
囲、滞留時間は2分から30分の範囲で設定する。エチ
レン−ビニルアルコール系共重合体は、260℃以上の
温度で長く滞留すると分解をはじめるため、高融点ポリ
アミドと混合紡糸する場合には、紡糸ヘッド温度を24
0〜290℃に押さえる必要がある。この場合、溶融紡
出速度などは、溶融紡出速度(溶融紡出量)を約20〜
50g/紡糸孔1mm2・分程度とすると、品質の良好
な繊維を良好な紡糸工程性で得ることができるので好ま
しい。
数、紡糸孔の形状などは、目的とする繊維の単繊維繊
度、トータルデニール、断面形状などに応じて調節する
ことができるが、紡糸孔(単孔)の大きさを約0.01
8〜0.07mm2程度にしておくのが望ましい。紡糸
ヘッド温度条件によっては、紡糸口金の孔周囲にノズル
汚れが堆積して糸切れが発生するので、ノズル孔出口が
テーパー状に広がった形状にしたり、口金下の雰囲気を
スチームシールして酸素を遮断する手法が好ましい。
を、一旦ガラス転移温度以下の温度、好ましくはガラス
転移温度よりも10℃以上低い温度に冷却する。この場
合の冷却方法や冷却装置としては、紡出した繊維をその
ガラス転移温度以下に冷却できる方法や装置であればい
ずれでもよく特に制限されないが、紡糸口金の下に冷却
風吹き付け筒などの冷却風吹き付け装置を設けておい
て、紡出されてきた繊維に冷却風を吹き付けてガラス転
移温度以下に冷却するようにすることが好ましい。
き付け速度、紡出繊維に対する冷却風の吹き付け角度な
どの冷却条件は、口金から紡出されてきた繊維を、揺れ
などを生じないようにしながら速やかに且つ均一にガラ
ス転移温度以下にまでに冷却できる条件であればよい。
そのうちでも、冷却風の温度を約20〜30℃、冷却風
の湿度を20〜60%、冷却風の吹き付け速度を0.4
〜1.0m/秒程度として、紡出繊維に対する冷却風の
吹き付け方向を紡出方向に対して垂直にして紡出した繊
維の冷却を行うのが、高品質の繊維を円滑に得ることが
できるので好ましい。また、冷却風吹き付け筒を用いて
前記の条件下で冷却を行う場合は、紡糸口金の直下にや
や間隔をあけてまたは間隔をあけないで、長さが約80
〜160cm程度の冷却風吹き付け筒を配置するのが好
ましい。また、引取り速度は、一旦巻き取ってから延伸
処理を行う場合、紡糸直結の一工程で紡糸延伸して巻き
取る場合、延伸を行わずに高速でそのまま巻き取る場合
で異なるが、おおよそ500m/minから6000m/minの
範囲で引き取れる。500m/min未満で紡糸できないこ
とはないが、生産性の点からは意味が少ない。一方、6
000m/minを越えるような高速では、繊維の断糸が起
こりやすい。生産性及び生産コストの面、さらには、本
発明のような溶融紡糸工程で架橋反応を生じるような繊
維においては高速紡糸方式(延伸省略)、紡糸直結延伸方
式で繊維化することが好ましい。
繊維繊度は特に制限されず、用途に応じて適宜設定する
ことができ、例えば、0.1〜50dtexのものを製造する
ことができる。また、繊維の断面形状も丸断面以外の各
種断面形状(例えば中空状、偏平状、楕円状、多角形状
(3〜6角形など)3〜14葉状、T字状、H字状、V
字状、ドッグボーン状(I字状)など)とすることがで
きる。そして、かかる本発明の繊維は、例えば、衣料用途
や非衣料用途など各種の用途に好適に使用することがで
きるものである。
発明はこれら実施例により何等限定されるものではな
い。なお、実施例中の測定値は以下の方法により測定さ
れたものである。 (1)融点(℃) 示差走査熱量計(DSC)により、以下の条件で測定し
て、吸熱ピーク温度で示す。 測定条件:35℃で1分間放置し、ついで300℃まで
速度10℃/分で昇温した。 (2)繊維の風合 ○:繊維の膠着が見られず、ソフトで嵩高感のある風合 ×:繊維に膠着が生じ、硬化している (3)L*値 染色物について日立307型カラーアナライザー(日立
製作所製;自動記録式分光光度計)を用いて測定した値
である。 (4)繊維化工程性 100kg紡糸した際の毛羽・断糸の発生状況で評価し
た。 ○:毛羽、断糸の発生なく良好 △:断糸はなく、毛羽の発生が僅かに認められる ×:断糸が発生 (5)島の分散状態、島の個数 透過型電子顕微鏡を用い観察した。 (6)不溶解性成分の含有量 繊維試料0.3gをDMSO溶媒50mlに入れ、60
℃×2時間加熱溶解し、処理前後の試料質量より求めた
値である。
ニルアルコール系共重合体にナイロン6/12を10質
量%溶融混練し、口金温度260℃の条件で丸ノズルよ
り吐出し、1000m/分の速度で加熱ローラーに巻き
取り、次いで3000m/分の速度で直接延伸を行い、
83デシテックス/24フィラメントのマルチフィラメ
ントを得た。繊維化工程性は特に問題がなかった。次い
で得られた繊維を用いて編物を作成し、下記の条件で染
色および還元洗浄を行い、評価を行った結果、発色性、
風合ともに良好であった(表1参照)。 染色条件 2段染色 1段目 Dianix Tuxedo Black Hconc 10%omf DisperTL 1g/l 酢酸(50%) 0.3cc/l 浴比 1:50 温度 105℃×40分 RC;80℃×20分 NaOH 1g/l ハイドロ 1g/l アミラジン 1g/l 2段目 Lanyl Black RW 3%omf (NH4)2SO4 5%omf Na2SO4 10%omf 浴比 1:50 温度 100℃×40分 ソーピング アミラジン 1g/l 70℃×20分
すように変更すること以外は実施例1と同様に繊維化、
編成、染色処理を行った。いずれも、繊維化工程性に問
題はなく、編物の発色性、風合ともに良好であった。
以外は実施例1と同様に繊維化、編成、染色処理を行っ
た。いずれも、繊維化工程性に問題はなく、編物の発色
性、風合ともに良好であった。
更すること以外は実施例1と同様に繊維化、編成、染色
処理を行った。(B)の添加量が1質量%のものは繊維
化は可能であったがエチレン−ビニルアルコール系共重
合体の架橋反応が進行しないためか風合が硬いものであ
った。また、(B)の添加量が70質量%のものは、粘
度低下が大きく繊維化工程性が極めて悪く、得られた編
物の風合いもぬめり感の多いものであった。
Claims (2)
- 【請求項1】 エチレン単位の含有量が25〜70モル
%であるエチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)
とポリアミド系樹脂(B)とを溶融混練して得られる混
合物からなる繊維であって、該混合物は60℃のDMS
Oに対し不溶解性の成分を5〜75質量%含有してお
り、該不溶解性の成分は共重合体(A)成分中に島状に
分散し、該島の大きさが1nm〜300nm、島の数は繊維
断面でみて10ケ/μm2以上存在していることを特徴
とするエチレン−ビニルアルコール系共重合体繊維。 - 【請求項2】 ポリアミド系樹脂(B)がナイロン6/
12、ナイロン6及びナイロン6,6からなる群より選
ばれる少なくとも1種のポリアミド系樹脂である請求項
1記載の繊維。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2018074473A1 (ja) * | 2016-10-17 | 2018-04-26 | 株式会社クラレ | 樹脂組成物、成形体、二次加工品、樹脂組成物の製造方法及び成形体の製造方法 |
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2001
- 2001-12-10 JP JP2001375788A patent/JP3657552B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2018074473A1 (ja) * | 2016-10-17 | 2018-04-26 | 株式会社クラレ | 樹脂組成物、成形体、二次加工品、樹脂組成物の製造方法及び成形体の製造方法 |
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