JP2003171694A - 洗浄用組成物並びに洗浄方法 - Google Patents

洗浄用組成物並びに洗浄方法

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Hiroshi Yamamoto
浩 山本
Makoto Uehara
誠 上原
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MEJIRO OPTICA KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚染物を、金属配線等を腐食又は粗面化する
ことなく、迅速に除去でき環境汚染のない洗浄用組成物
を提供することである。 【解決手段】 アルキレングリコールアルキルエーテル
を含む組成物であって、被洗浄体上の汚染物を、加熱又
は紫外線照射下、剥離させ得ることを特徴とする洗浄用
組成物並びに洗浄方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体の洗浄用組
成物に関し、特に半導体デバイスの製造工程で使用され
たホトレジスト又は他の汚染物を剥離し得る洗浄用組成
物、並びに洗浄方法及び洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子やLCD等の製造において
は、半導体ウェハーに対して、ホトリソ法を用いたパタ
ーン転写、エッチング、蒸着の工程を繰り返して、回路
パターンを形成していく。このようなプロセスにおいて
は、半導体ウェハー表面には、使用済みレジスト、或い
は他の汚染物等が残着するため、これらを除去する洗浄
工程を頻繁に行う必要がある。
【0003】ホトレジスト又は他の汚染有機物質を洗浄
・除去するため、有機物質を活性酸素で酸化分解する光
励起オゾン法が一般的に用いられている。例えば、特許
第2134834号には、酸と過酸化水素又は過酸化水
素及びオゾンとを含み、場合によりアンモニア又はアミ
ン類を含む過酸化水素系の洗浄液を用いる湿式酸化分解
方法において、汚染有機物質を洗浄溶液に浸漬させ、紫
外線を照射することを特徴とする洗浄方法が開示されて
いる。特開2001−300455号公報には、紫外線
光照射により、過酸化水素、界面活性剤、テトラメチル
アンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)等を含む
活性酸素を発生する溶液を、塗布、光照射する洗浄方法
が記載されている。しかし、これらの従来技術では、基
板、基板上の金属配線又は薄膜を腐食又は粗面化し易い
ことに加えて、洗浄液の利用効率が低いという欠点があ
る。
【0004】汚染有機物質を洗浄・除去する方法とし
て、汚染有機物質に対して溶解力のある溶媒を作用させ
て、溶媒中に汚染物を溶解する溶解法もある。しかし、
溶解には時間がかかり、毒性や引火性を有し、また環境
を汚染する等という欠点がある。有機酸を配合した剥離
剤では、有機酸に分子中に窒素原子を含むキレート剤を
加えたpH8以下の剥離剤組成物(特開平2001−5
1429号公報)が提案されているが、剥離時間が長
く、有機物が残留するという欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題を踏まえ、汚染物を、金属配線又は薄膜を腐食又
は粗面化することなく、迅速に除去でき、かつ易リンス
性であり、更に環境汚染のない洗浄用組成物を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の洗浄用組成物
は、アルキレングリコールアルキルエーテルを含む組成
物であって、被洗浄体上の汚染物を、加熱又は紫外線照
射下、剥離させ得ることを特徴とする洗浄用組成物に関
する。
【0007】本発明の洗浄方法は、被洗浄体上の汚染物
に、前記の洗浄用組成物を塗布する工程、及び加熱又は
光照射下、該汚染物を剥離させる工程を含むことを特徴
とする洗浄方法に関する。
【0008】
【実施の形態】本発明の組成物は、アルキレングリコー
ルアルキルエーテルを含む。アルキレングリコールアル
キルエーテルとして、ジエチレングリコールモノブチル
エーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル
等、これらの混合物が挙げられる。含有する濃度は、特
に制限されず、剥離するのに有効な濃度を用いることが
できる。
【0009】本発明によれば、被洗浄体は、半導体ウェ
ハーに限られない。被洗浄体として、例えばプリント配
線板、銅箔上のパターニング、液晶基板、或いはホトマ
スクの表面等、更に光学部品等が挙げられる
【0010】汚染物、剥離(洗浄)する対象、つまり被
剥離(除去)物としては、半導体ウェハー等の表面を汚
染する物質であり、有機汚染物、無機汚染物が挙げられ
る。有機汚染物として、例えば感光性樹脂(レジスト)
が挙げられる。レジストには、露光により硬化するネガ
型と、露光により溶解しやすくなるポジ型があるが、剥
離の上では、ネガ型の方が剥離することが困難である。
しかし、本発明によれば、ネガ型レジストであっても、
容易に剥離することができる。本発明の組成物を塗布す
ると、例えばレジストとウェハーの界面における結合力
が弱まり、レジストは剥離すると考えられる。無機汚染
物として、パーティクルが挙げられる。
【0011】本発明において、レジストとは、ホトリソ
法に用いる感光性樹脂であり、使用済みレジスト等を含
む。使用済みレジストとは、ホトリソ法を用いてパター
ン転写した後、エッチング、蒸着等の処理をされ、その
機能を果たし、不要となったレジストである。
【0012】また、本発明の組成物によれば、剥離する
対象のもののみを剥離して、他のものに損傷を与えない
選択的な剥離を行うことができる。
【0013】本発明において、被洗浄体上の汚染物を加
熱下に剥離させる場合、例えば被洗浄体上の汚染物を、
50℃で3分以上加熱して、剥離させ得ることが好まし
い。
【0014】光照射における、光として、紫外線、エキ
シマレーザ等が挙げられる。光の波長は、500nm以下
が好ましく、450nm以下がより好ましい。450nm以
下の光は、反応エネルギーが高い反面、液中での減衰率
が大きいために深部に到達しにくいという問題があった
が、本発明では、そういった高エネルギーの短波長光も
減衰させることなく効率良く利用することができる。し
たがって、本発明では、上記照明光として波長450nm
以下の光を使用することで、更に高効率の洗浄処理を行
うことができる。光照射により、光線の波長と、被洗浄
体とが相互に作用し、表面の活性化が起こり、被洗浄体
と被剥離物(汚染物)との界面で特異な現象が起こり、
被剥離物(汚染物)が剥離(除去)されると考えられ
る。
【0015】本発明の組成物は、本発明の目的を損なわ
ない範囲で、適宜添加剤を含有することができる。添加
剤として、例えば界面活性剤、アルカリ性溶液、キレー
ト剤、増粘剤等が挙げられる。
【0016】本発明によれば、被洗浄物、汚染物が撥水
性であるため、本発明の組成物と親和性がない場合、本
発明の組成物に界面活性剤を添加し、親水性を改善する
ことができる。界面活性剤として、例えばノニオン系の
活性剤は金属成分を被洗浄面に残留させないため好まし
い。
【0017】更に、本発明によれば、本発明の組成物に
アルカリ性溶液を加えることにより、有機汚染物以外
に、無機汚染物の洗浄にも対応することができる。アル
カリ性溶液として、例えばNH4OH、コリン(CH4
3(CH2CH2OH)NOH等が挙げられる。
【0018】また、本発明によれば、本発明の組成物に
キレート剤を添加することができる。微量な汚染物であ
るAl、Fe等の金属を除去対象に含む場合、吸着除去
するため、キレート剤を添加することが好ましい。キレ
ート剤を添加することにより、組成物に溶解してくる金
属イオンを封鎖し、組成物の洗浄力を高く保つことがで
きる。キレート剤として、エチレンジアミン四酢酸、エ
チレンジアミン−N,N’−二酢酸等が挙げられる。
【0019】更に、本発明によれば、被洗浄体に塗布す
る本発明の組成物の塗布層の厚さは、3μm〜1mmが好
ましい。この塗布層の厚さを適宜な値に制御するのを容
易にするために、本発明の組成物に増粘剤を添加するこ
とができる。なお、本発明の組成物の被洗浄面あたりに
用いる量は、洗浄面上に塗布する分、つまり塗布層を形
成する分のみでよいため、わずかな使用量で高効率に洗
浄することができる。
【0020】組成物を塗布する方法は、特に制限されな
いが、スピナー装置、液体噴射装置、ブレードコーター
等を用いることが好ましい。
【0021】本発明の洗浄方法は、上記の本発明の組成
物と同様にして、被洗浄体を洗浄することができる。
【0022】本発明の方法の剥離処理の後に、純水及び
/又は有機溶剤を用いたリンス処理を施すことができ
る。上記汚染物の剥離処理の後、被洗浄面に残留した塗
布組成物と剥離された汚染物のリンス処理に用いる媒体
としては、純水が一般的で使いやすいが純水以外の溶媒
を使うことができる。なお、本発明の方法によれば、残
留した塗布組成物が少量であることから洗い落とすべき
残着物も少なくなる。リンス媒体として、例えば有機溶
媒や、純水と有機溶剤の混合物を使った場合、洗浄媒体
の使用量が非常に少量でも所望のリンス効果を得ること
ができる。
【0023】上記のリンス処理の後に、リンス媒体を供
給しない状態で被洗浄体を回転させることにより乾燥処
理を行うことができる。
【0024】本発明の方法によれば、本発明の組成物の
塗布・光照射・汚染物の剥離(除去)処理、純水及び/
又は有機溶剤によるリンス処理、及び乾燥処理等の一連
の洗浄工程は、被洗浄物をスピナー装置等の装置の回転
台に装着したままの状態で円滑かつ短時間に行うことが
できる。これにより、少量の組成物で高い洗浄効果を得
ることができるとともに、その洗浄を小規模かつ簡単な
装置構成でもって短時間に効率良く行わせることができ
る。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき、より詳細に
説明する。これらの実施例は、本発明をいかなる意味に
おいても制限するものではない。なお、実施例中、他に
断らない限り、組成物の濃度は重量%であり、%は重量
%を意味する。また、光照射は、超高圧水銀灯紫外線照
射装置(目白インベストメント製、5kW)を用いて行
った。
【0026】実施例で用いた汚染物は以下のとおりであ
る。 (1)ホトレジスト g線用レジスト(SPR6512、シプレイ・ファーイ
ースト株式会社製) i線用レジスト(SPR6810、シプレイ・ファーイ
ースト株式会社製) 遠紫外線露光用ホトレジスト1(UV113、シプレイ
・ファーイースト株式会社製) 遠紫外線露光用ホトレジスト1(UVN2、シプレイ・
ファーイースト株式会社製) (2)紫外線反射防止膜 熱架橋型下地反射防止膜1(AR2、シプレイ・ファー
イースト株式会社製) 熱架橋型下地反射防止膜2(BARL、シプレイ・ファ
ーイースト株式会社製) (3)ドライフィルムレジスト ネガ型ドライフィルム(501Y38、日合モートン株
式会社製)
【0027】実施例1〜5 ジエチレングリコールモノブチルエーテル25%水溶
液、トリエチレングリコールモノメチルエーテル25%
水溶液、NH4OHの10%水溶液を1:1:0.4の
比率で混合し、洗浄用組成物を作製した。表1に示した
各種のレジスト(汚染物)を用いて予めパターン形成し
たシリコンウェハーに、得られた洗浄用組成物を塗布し
た。これに紫外線〔波長405nm(3030mW・cm-2)、365nm
(263mW・cm-2)及び254nm(10mW・cm-2)を含む〕を照射
した。光照射開始後、60、120、180秒後にレジ
ストの剥離状態〔室温(約23℃)〕を確認し、汚染物
の剥離が確認された時間を剥離時間とした。その後、水
洗し、レジストの剥離状態を評価した。表1に結果を示
す。
【0028】
【表1】
【0029】比較例1〜5 紫外線を照射しない以外は、実施例1と同様にして、レ
ジストの状態を評価した。
【0030】
【表2】
【0031】比較例6〜10 H22の35%水溶液を比較液1として、実施例1の組
成物に代えた以外は、実施例1と同様にして、レジスト
の状態を評価した。表3に結果を示す。
【0032】比較例11〜15 H22の35%水溶液50gをNH4OHの10%水溶
液0.2gと混合し、濃度34.861重量%の比較液
2を形成した。この比較液2を実施例1の組成物に代え
た以外は、実施例1と同様にして、レジストの状態を評
価した。表3に結果を示す。
【0033】
【表3】
【0034】上記の表から明らかなように、本発明の組
成物は、被洗浄体上の汚染物に対し、優れた剥離性能を
示した。被洗浄体の被洗浄面は、損傷、腐食、粗面化が
観察されなかった。
【0035】一方、比較例1〜5に示されるように、光
照射しない第四級アルミニウム塩を含む組成物は、まっ
たく被洗浄体上の汚染物に対し剥離性能を示さなかっ
た。更に、比較例6〜15に示されるように、従来の過
酸化物系の光照射型洗浄組成物は、本発明の組成物より
も剥離時間が長かった。また、いずれも被洗浄体の被洗
浄面は、腐食、粗面化が観察された。
【0036】
【発明の効果】本発明の洗浄方法及び洗浄用組成物は、
金属配線等を腐食又は粗面化することなく、被洗浄物上
の汚染物を迅速に除去でき、かつ易リンス性であり、更
に環境汚染することがない。更に、本発明によれば、少
量の組成物で高い洗浄効果を発揮し、汚染物の高いの除
去効果を得ることができるとともに、その洗浄を小規模
かつ簡単な装置構成をもって短時間に効率よく行わせる
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/304 645 H01L 21/304 645D 647 647A 647B Fターム(参考) 3B201 AA02 AA03 AB34 BB82 BB92 BB93 BB94 BB95 BC01 CC01 CC13 4H003 BA12 DA15 EA23 EB06 ED02 FA01 FA03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキレングリコールアルキルエーテル
    を含む組成物であって、被洗浄体上の汚染物を、加熱又
    は紫外線照射下、剥離させ得ることを特徴とする洗浄用
    組成物。
  2. 【請求項2】 該アルキレングリコールアルキルエーテ
    ルが、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリ
    エチレングリコールモノメチルエーテル又はこれらの混
    合物である、請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 該組成物が、更に、アルカリ性溶液を含
    む、請求項1又は2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 該組成物が、更に、界面活性剤を含む、
    請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。
  5. 【請求項5】 該汚染物が、有機汚染物である、請求項
    1〜4のいずれか1項記載の組成物。
  6. 【請求項6】 該汚染物が、無機汚染物である、請求項
    1〜4のいずれか1項記載の組成物。
  7. 【請求項7】 被洗浄体上の汚染物に、請求項1〜6の
    いずれか1項記載の洗浄用組成物を塗布する工程、及び
    加熱又は光照射下、該汚染物を剥離させる工程を含むこ
    とを特徴とする洗浄方法。
  8. 【請求項8】 該塗布層の厚みが、3μm〜1mmであ
    る、請求項7のいずれか1項記載の被洗浄体の洗浄方
    法。
  9. 【請求項9】 該光線線の波長が、500nm以下であ
    る、請求項7又は8記載の被洗浄体の洗浄方法。
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