JP2001290287A - フォトレジスト除去方法 - Google Patents

フォトレジスト除去方法

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JP2001290287A
JP2001290287A JP2000107781A JP2000107781A JP2001290287A JP 2001290287 A JP2001290287 A JP 2001290287A JP 2000107781 A JP2000107781 A JP 2000107781A JP 2000107781 A JP2000107781 A JP 2000107781A JP 2001290287 A JP2001290287 A JP 2001290287A
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photoresist
water
alcohol
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substrate
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JP2000107781A
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Atsuko Fujino
敦子 藤野
Teruhiko Kumada
輝彦 熊田
Isamu Nagae
偉 長江
Makoto Miyamoto
誠 宮本
Izumi Oya
泉 大家
Seiji Noda
清治 野田
Masaki Kuzumoto
昌樹 葛本
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Drying Of Semiconductors (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業上の危険性が低く、換気設備などのため
のコストを低減でき、環境に優しくかつ除去速度を向上
したフォトレジスト除去方法を提供する。 【解決手段】 基板1表面に存在するフォトレジスト
に、溶媒分子を含有するオゾン化ガスである溶媒分子含
有湿潤オゾンを接触させる分解工程と、上記フォトレジ
ストを溶解させるフォトレジスト除去液を用いて基板1
表面を洗浄する洗浄工程とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フォトレジスト除
去方法、特に、半導体装置、プリント基板、LCD製造
などのフォトリソグラフイー工程に使用される有機高分
子化合物からなる有機物被膜としてのフォトレジストの
除去方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フォトレジストは、一般に、集積回路、
トランジスタ、液晶あるいはダイオードなどの半導体の
製造プロセスにおいて、微細なパターンを形成するため
のフォトリソグラフィ工程や、これに後続する電極パタ
ーンを形成するためのエッチング工程において使用され
ている。
【0003】たとえば、シリコン基板などの半導体基板
(特に、シリコン基板は「ウエハ」と呼ばれる。)上に
所望のパターンでシリコン酸化膜を形成しようとする場
合、以下の手順で処理を行なう。まず、基板表面に酸化
膜を形成し、清浄化する。その酸化膜上にパターンに適
したフォトレジストを塗布し、フォトレジスト被膜を形
成する。次に、所望のパターンに対応したフォトマスク
を用いて露光する。次いで、現像を行うことにより、所
望のレジストパターンが得られる。エッチング工程にお
いて、得られたレジストパターンをマスクとして、酸化
膜を除去する。レジストパターンの除去を行い、ウエハ
表面の清浄化を行う。こうして、所望の酸化膜パターン
が得られる。
【0004】基板をエッチングした後のフォトレジスト
剥離、洗浄のプロセスには、種々の湿式方法および乾式
方法がある。ドライエッチングの際に発生する再付着、
残差物パーティクルなどは、1回のフォトレジスト剥離
の工程のみでは、フォトレジストと同時に除去できない
場合がある。そこで、近年においては、剥離、洗浄の方
法は、下地基板やエッチング工程の種類によって選択さ
れ、また、併用される。
【0005】乾式方法としては、酸素プラズマアッシン
グによる灰化がある。これは、一般に、真空の高電圧下
に酸素ガスを注入することにより、酸素ガスプラズマを
発生させ、酸素ガスプラズマとフォトレジストとの反応
により、フォトレジストの膜を分解し、除去するもので
ある。酸素プラズマアッシングは無公害であるが、プラ
ズマによる基板への損傷が懸念される。また、この方法
では、酸素ガスプラズマを発生させるために高価な発生
装置が必要であるなどの問題があった。
【0006】一方、湿式方法の剥離溶剤として、有機系
では、フェノールとハロゲン系溶剤を主成分とする溶
剤、無機系では種々の混酸が多く用いられ、硫酸/過酸
化水素(SPM)、アンモニア水/過酸化水素(AP
M)、フッ酸(BHFも含む)、塩酸/過酸化水素(H
PM)等がある。しかし、これらの方法においては、レ
ジストの剥離温度は一般に80℃以上であり、剥離溶液
は80〜130℃程度に加熱して使用されるため、危険
性が高いという不利益がある。また、有機系や一部無機
系剥離溶液は人体への毒性や廃液などに問題がある。さ
らに、熱混酸は金属を溶かすので、Al配線基板などに
は使用できない。
【0007】たとえば、熱濃硫酸と過酸化水素との混合
液は、以下のスキームに従って酸化分解物質を放出す
る。まず、140℃付近に加熱した熱硫酸に過酸化水素
を添加する。この際、 H2SO4 + H22 ←→ H2SO5 + H2O ‥‥‥‥(1) H22 → O + H2O ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2) の反応により、ペルオキソ硫酸(H2SO5:一般に「カ
ロ酸」とも呼ばれる。)と酸素原子が発生する。これら
の強い酸化性により、有機物被膜であるフォトレジスト
が灰化処理されて無機物質と化し、剥離除去される。
【0008】しかし、上記の式(1),(2)からわか
るように、この方法では、熱硫酸に過酸化水素を添加す
る度に、水が生成して硫酸媒体を希釈するため、混合後
の熱濃硫酸の濃度が経時的に低下するという問題があっ
た。また、この方法は、高温の濃硫酸を使用しなければ
ならないこと、過酸化水素との混合時に発熱が生じるな
ど、非常に危険性の高い方法であること、さらにはクリ
ーンルーム内で強い換気が必要であるため、空調設備費
用が高いことなどの欠点があった。
【0009】上述の熱濃硫酸など以外のフォトレジスト
膜酸化分解剤としては、ジメチルスルホキシド30%+
モノエタノールアミン70%からなる非水混和性のフォ
トレジスト膜除去専用液なども開発されているが、これ
らは、上述の熱濃硫酸/過酸化水素混合液などに比べて
酸化分解性が低いこと、および、非水混和性であるた
め、廃液処理が困難であることなどの問題点を有してい
た。
【0010】さらに、このように、現在のレジスト剥離
および洗浄プロセスにおいては、除去する対象物により
使用する剥離液が変わる場合があり、ウエハの大口径化
やクリーン化に伴い、剥離および洗浄プロセスのコスト
が増加することが懸念される。
【0011】低コスト化に向けて、1回の処理で多目的
に使用できる洗浄液として、酸化膜のエッチング作用を
付与させるために、SPMにフッ酸を添加した混酸(硫
酸/過酸化水素/フッ酸(SPFM))が提案されてい
る。1回のSPFM処理により、従来のBHFやAPM
を用いて除去していたドライエッチングの際に発生する
再付着物、残さ物、パーティクルなどがフォトレジスト
と同時に除去可能となったが、危険性、廃液に関しては
問題がある。
【0012】上記剥離工程に関する問題点を克服する方
法として、特開昭57−180132号公報において、
酸化剤としてオゾンガス/熱硫酸系を用いるフォトレジ
スト除去方法が提案されている。この公報に記載の方法
は、オゾン含有ガスを熱硫酸中でバブリングさせて、基
板または絶縁物層上に被覆した有機物質、すなわち、い
わゆる「レジスト膜」、あるいは無機汚染物質を剥離す
る方法であり、その方法に使用する洗浄装置も記載され
ている。この洗浄装置の断面図を図16に示す。
【0013】この洗浄装置は、ヒータ110上に設置さ
れた石英容器107内部には、射孔103を有する石英
送気管112が装備されている。石英容器107外部の
ガス導入管111から供給された原料ガス(通常、酸素
を含むガス)をオゾン発生器2によりオゾン化ガスに変
換し、それを石英送気管112を通じて熱濃硫酸105
の中に噴出することにより、オゾン化ガスと濃硫酸が反
応し、ペルオキソ硫酸と酸素原子が生成される。これら
の強い酸化性により、熱濃硫酸中に浸漬された基板表面
のレジスト膜を除去する。
【0014】この公報に記載の方法では、酸化分解時に
水が発生しないため、硫酸濃度が変化しないことから、
硫酸の交換頻度を低減できることを特徴としているが、
原料コストが高いという問題点もあった。また、この方
法および装置では、高温の濃硫酸を使用するため、従来
法と同様に、作業上の危険性が高く、かつオゾン化酸素
のバブリングにより酸化剤の蒸気が発生するため、非常
に強い換気が必要であった。
【0015】さらに、環境に優しい処理方法として、オ
ゾンガスを用いた有機物などの除去方法が提案され、特
開平5−152270号公報に開示されている。湿潤オ
ゾンガスを用いて除去方法を高速化するものであり、同
号公報でいう「湿潤オゾンガス」は、超純水とオゾンガ
スを接触させて湿潤としたものである。レジストに湿潤
オゾンを供給し、その後、超純水によって洗浄する方法
であり、この方法でのレジスト膜の除去速度は、0.2
μm/minの速度であることが開示されている。しか
し、それでも、硫酸/過酸化水素水の混合液や、ジメチ
ルスルホキシド30%+モノエタノールアミン70%か
らなる非水混和性のフォトレジスト膜除去専用液を用い
た場合の除去速度が1.0μm/min以上であること
に比べれば、除去速度が遅いものであった。
【0016】したがって、湿潤オゾンによるレジスト膜
の剥離を実用化するには、さらなる除去速度の改善が必
要であり、現在のところ実用化された例はない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明では、
従来のフォトレジスト除去方法における上述のような問
題点がなく、かつ、原料の使用量や換気設備のためのコ
ストを低減でき、環境に優しくかつフォトレジストの除
去(剥離)速度を向上したフォトレジスト除去方法を提
供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に基づくフォトレジスト除去方法の一つの局
面においては、基板表面に存在するフォトレジストに、
溶媒分子を含有するオゾン化ガスである溶媒分子含有湿
潤オゾンを接触させる分解工程と、上記フォトレジスト
を溶解させるフォトレジスト除去液を用いて上記基板表
面を洗浄する洗浄工程とを含む。
【0019】上記構成を採用することにより、溶媒分子
含有湿潤オゾンがフォトレジストに接触することによ
り、フォトレジストは酸化分解されて、フォトレジスト
除去溶液の供給により、容易に洗い流される。
【0020】また、本発明に基づくフォトレジスト除去
方法の他の局面においては、基板表面に存在するフォト
レジストに、溶媒分子およびオゾン化ガスを接触させる
分解工程と、上記フォトレジストを溶解させるフォトレ
ジスト除去液を用いて上記基板表面を洗浄する洗浄工程
とを含む。
【0021】上記構成を採用することにより、オゾン化
ガスによる溶媒分子の分解の影響が小さく、溶媒分子が
フォトレジストに効果的に作用する。また、溶媒分子を
生成する溶液ボトル中の溶媒の分解、劣化とも考慮する
必要がなくなる。
【0022】上記発明において好ましくは、上記溶媒分
子が、水、水とアルコールとの混合溶液、または、アル
コールから得られるものである。この構成を採用するこ
とにより、オゾンの酸化によって進行するフォトレジス
トの分解で生成されるカルボニルオキサイドと速やかに
反応して、さらに分解を進行させ、フォトレジスト除去
液に可溶なものとできる。したがって、除去速度を上げ
ることができる。
【0023】上記発明において好ましくは、上記溶媒分
子含有湿潤オゾンは、オゾン化ガスを、水、水とアルコ
ールとの混合溶液、および、アルコールからなる群から
選ばれたいずれか1つに通過または接触させて得られる
ものである。
【0024】この構成を採用することにより、簡単な機
構で容易に溶媒分子含有湿潤オゾンを生成することがで
きる。
【0025】上記発明においてさらに好ましくは、上記
アルコールは、メタノール、エタノールおよびイソプロ
パノールからなる群から選ばれたいずれか1つである。
この構成を採用することにより、反応の速い溶媒とする
ことができる。したがって、除去速度を上げることがで
きる。
【0026】上記発明においてさらに好ましくは、上記
分解工程の前処理として、上記基板に紫外線を照射する
工程を含む。この構成を採用することにより、紫外線に
よって除去すべきフォトレジストの分子量を低下させ
て、フォトレジスト除去溶液に可溶な方向に近づけるこ
とができる。したがって、除去速度を上げることができ
る。
【0027】上記発明においてさらに好ましくは、上記
フォトレジスト除去液は、アルコールと水の混合溶液、
アルコール、フォトレジスト現像液、電気分解処理をし
た水、磁場処理をした水、および、水そのものを分離し
た水からなる群から選ばれたいずれか1つである。この
構成を採用することにより、純水よりもレジストの溶解
性が向上するため、除去速度向上に効果がある。
【0028】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)本実施の形態に
おけるフォトレジスト除去方法は、基本的に、密閉され
た系内において行われ、基板表面に存在するフォトレジ
ストに、溶媒分子を含有するオゾン化ガス、または、溶
媒分子およびオゾン化ガスを接触させる分解工程と、フ
ォトレジスト除去溶液を用いて洗浄する洗浄工程とから
なる方法である。
【0029】なお、ここでいう「オゾン化ガス」とは、
20℃においてオゾンガスを5モル%以上含有する酸素
を含むガスをいう。また、「密閉された系」とは、熱力
学的には開いた系(open system)であるが、導入され
たオゾン化ガスや、本発明のフォトレジストの除去工程
において発生するガスまたは蒸気等がそのままの形態で
系外へ放出されない環境をいう。
【0030】(分解工程)このうち分解工程の実施方法
について、図1〜13を参照して、説明する。
【0031】図1に示すように、オゾン化ガス発生器2
から供給されるオゾン化ガスは、溶液ボトル3において
バブリングされて、溶媒分子を含有する湿潤なオゾン化
ガス(以下、「溶媒分子含有湿潤オゾン」という。)と
なる。こうして基板1に供給される。
【0032】図1の例に対して、図2に示すように溶液
ボトル3内においてバブリングさせることなく、溶媒と
オゾン化ガスとを触れさせることによって、溶媒分子含
有湿潤オゾンを生成することとしてもよい。ここでいう
「溶媒分子含有湿潤オゾン」は、図1のようなバブリン
グに限られず、溶媒分子雰囲気中にオゾン化ガスを通過
させることによっても生成されるものであり、一般に、
密閉容器中に、これらの溶媒が存在しているところに、
オゾン化ガスをバブリングまたは接触させる方法で、得
ることができる。
【0033】図1、図2の例では、オゾン化ガスを溶液
ボトル3に導いて、溶媒分子含有湿潤オゾンを生成して
いるが、図3に示すように、オゾン化ガス以外の不活性
ガスを溶液ボトル3に導いて、溶媒分子を基板1に供給
することとしてもよい。
【0034】図3の例では、オゾン化ガスは、いわゆる
ドライオゾンであるが、図4に示すように、オゾン化ガ
ス発生器2から、一旦、純水の入ったバブリングボトル
6に導いて、バブリングさせ、水以外の溶媒分子を含有
しない湿潤オゾンとしてから供給してもよい。
【0035】図2の例において、溶媒分子含有湿潤オゾ
ンの生成をより促進するためには、図5に示すように、
ホットプレート7などの加熱手段によって溶液ボトル3
を加熱し、溶媒を高温にして揮発させることとしてもよ
い。溶媒ボトル3を加熱して揮発させ、溶媒分子を蒸気
として供給する場合は、図6、図7に示すように、溶媒
ボトル3を単独で基板1に接続してもよい。図8〜図1
0に示すように、超音波発振子8によって溶媒ボトル3
に超音波をかけて溶媒分子の供給を促進してもよい。図
11〜図13に示すように、溶液ボトル3′に設けた噴
霧ノズル9を用いて圧力によって溶媒分子を基板1に供
給することとしてもよい。
【0036】図1〜図13に示した例のうち、溶媒分子
含有湿潤オゾンを生成して基板1に供給する場合以外
の、溶媒分子およびオゾン化ガスの基板1への供給方法
としては、図14に示すように、溶媒分子10とオゾン
化ガス11とを予め混合させて同じ供給口から供給して
もよく、図15に示すように、別個の供給口から同時に
供給してもよい。また、図15に示すような別個の供給
口から交互に供給してもよい。なお、図14、図15は
概略を示したものであって、供給口の形式はこれに限定
されるものではない。
【0037】(洗浄工程)フォトレジスト除去液供給源
4から、フォトレジスト除去液を基板1表面に供給す
る。オゾン化ガスと、フォトレジスト除去液は、別個に
または、同じ供給口から供給されてもよく、オゾン化ガ
スは連続して供給し、フォトレジスト除去溶液は断続的
でもよい。もっとも、オゾン処理後にフォトレジスト除
去溶液を一度に供給するのが効果的である。また、この
サイクルを繰り返してもよい。
【0038】(作用・効果)フォトレジストが、溶媒分
子含有湿潤オゾンと接触することにより、フォトレジス
トは酸化分解される。次に、フォトレジスト除去溶液の
供給により、分解されたフォトレジスト膜はこの溶液に
溶解され、さらに、溶液の供給とともに洗い流されるこ
とにより、基板表面からフォトレジストを除去すること
ができる。
【0039】(実施条件)溶媒中にバブリングされるた
めに供給されるオゾン化ガスは、オゾン発生器2により
発生し、フォトレジスト除去を行う系は、排気処理設備
を装備した反応槽内で行われる。
【0040】ここでいう、フォトレジストは、g線、i
線、エキシマレーザ用レジスト、電子線用、X線用のい
ずれでもよく、特に限定されず、有機高分子化合物を含
有するレジスト材料から形成されている膜である。ま
た、熱により変性した膜や、高濃度のドーピングにより
表面が変質された膜、さらにはエッチング工程におい
て、無機物質が表面に付着した膜も含む。
【0041】フォトレジストを表面に有する基板1は、
半導体素子の製造に通常使用されるものであれば、特に
限定されるものではなく、例えば、シリコンウエハ、液
晶表示素子用ガラス基板、電子基板用ガラスエポキシ基
板等が挙げられる。
【0042】オゾンを発生させるために、オゾン発生器
2を用いるが、本発明で使用されるオゾン化ガスは、オ
ゾンガスを全体の少なくとも5モル%含有する。ここ
で、オゾン化ガス中のオゾン含有量は、処理する基板の
大きさおよびフォトレジストの種類などに依存して変化
してよい。
【0043】本発明では、基板上のフォトレジスト表面
と、フォトレジスト除去溶液供給口のと間の距離は、好
ましくは1〜30mmの距離であり、この範囲にするこ
とで本発明の方法によるフォトレジスト除去速度をより
高めることができる。しかし、それ以上でもそれ以下で
もよい。
【0044】また、湿潤オゾン及びフォトレジスト除去
溶液の供給方法、位置、範囲については、限定するもの
ではないが、基板面内における除去速度の差を発生させ
ない、また、除去のムラが生じないように、できるだけ
基板面内均一に供給されることが望ましい。
【0045】本発明で使用できるフォトレジスト除去溶
液は、廃液処理等の問題点から、純水を使用するのが最
も好ましいが、フォトレジスト除去速度を向上させた
り、高濃度イオンドーブ後の変質膜または基板上の汚染
物質を除去しようとする場合は、純水以外の溶媒または
溶媒の混合液を使用してもよい。また、供給されるフォ
トレジスト除去溶液は、液状、シャワー状、噴霧形態等
であってもよく、特に限定されないが、ある程度の圧力
を備えた除去液である方が、除去速度を促進させるのに
望ましい。
【0046】また、フォトレジスト除去の効率を上げる
ために、処理中の基板、及び、湿潤オゾン、溶媒、フォ
トレジスト除去液等の周辺材料、装置内の温度を上げて
も良い。ただし、蒸気が基板上に結露した場合、オゾン
によるレジスト分解反応が妨げられるため、基板上に結
露しないような条件で行うことが望ましい。除去プロセ
スを高温化することにより、フォトレジスト除去の効率
向上に効果的である。
【0047】(実験結果)シリコンウエハに塗布したノ
ボラック系レジスト(約1.5μm)を除去するため、
湿潤オゾンで処理を行った。オゾン濃度は200g/N
3、オゾン流量は3リットル/min、オゾン化ガス
による処理時間は1分間、洗浄時間も1分間、処理温度
は室温として、いくつかの条件で実験を行なった。その
結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】なお、表中のIPAとはイソプロピルアル
コールの意である。比較例とは、特開平5−15227
0号公報に記載されているように、ノボラック系レジス
ト(約1.4μm)、オゾン濃度84000ppm、気
体流量4リットル/分、処理時間3分間で行なったもの
である。実施例1〜10と比較例とを対比すれば、バブ
リングによって溶媒分子含有湿潤オゾンとして基板上に
供給することによって、除去速度が向上することがわか
る。
【0050】(好ましい溶媒)実施例1〜10にいく通
りかの例を示すように、溶媒ボトル3に入っている溶媒
としては、水、水とアルコールの混合溶液、または、ア
ルコールが好ましい。また、溶媒分子をあらかじめすべ
てオゾン化ガスに含有させて供給する場合だけでなく、
実施例9,10のように、溶媒分子を、オゾン化ガスと
は別個に供給しても効果が得られることがわかる。
【0051】(作用・効果)湿潤オゾンが、フォトレジ
ストの組成である感光剤とベースポリマーを分解し、フ
ォトレジスト除去液に可溶な構造にフォトレジストを変
化させるが、オゾンと速やかに反応するのは、オレフィ
ンの含まれる二重結合部分である。二重結合によるオゾ
ンの酸化によって、フォトレジストの分解が進行する。
まず、最初にオゾンが二重結合に付加し、primary ozon
ideを生成する。これは、極めて不安定であり、速やか
に分解してカルボニル化合物とカルボニルオキサイドを
与える。ここで、水が存在すると、水はカルボニルオキ
サイドと速やかに反応するため、α−ヒドロペルオキシ
ドを与える。これもさらに分解して、カルボニル化合物
と過酸化水素となったり、あるいはカルボン酸となる。
このような分解経路の途中では、フォトレジストは、フ
ォトレジスト除去液に可溶となり、除去される。したが
って、水を溶媒とすることが有効である。
【0052】ここで、カルボニルオキサイドと水とが反
応するが、溶媒として、水以外、たとえばアルコールな
どが存在した場合に、水との反応性よりも、アルコール
との反応性の方が高くなる。このように、オゾンのフォ
トレジスト分解の反応において、水とアルコールとの混
合溶液、または、アルコールを溶媒として、溶媒分子含
有湿潤オゾンを用いることによって、フォトレジストの
オゾン分解反応は促進され、剥離性を向上させることが
できる。
【0053】(さらに好ましい溶媒)実施例2〜4に示
すように、溶媒として、水とアルコールとの混合溶液、
または、アルコールを用いる場合のアルコールは、メタ
ノール、エタノールまたはイソプロピルアルコールであ
ることが、なお、好ましい。
【0054】(作用・効果)上述以外のアルコールも使
用できるが、一級アルコール>二級アルコール>三級ア
ルコールの順に反応は遅くなる。そのため、メタノール
などの一級アルコールを用いることが望ましい。また、
炭素数の増加に伴い、その反応性も低下するため、例え
ば、メタノール>エタノール>プロパノールの順とな
る。
【0055】ただし、安全性、汎用性といった観点から
は、一級アルコールに限るよりは、二級アルコールであ
ってもイソプロピルアルコールのように好ましいものも
ある。
【0056】なお、アルコールと水の混合系の場合、そ
の割合は、アルコール添加量の増加に伴い、剥離性は促
進されるが、アルコール100%の場合には、水を含ま
ない系とはフォトレジストの除去状態に差が見られ、溶
解しにくくなる方向になるため、ある程度、望ましくは
約10%以上は水を含有することが望ましい。これは、
アルコール100%とした場合のレジスト分解反応にお
いては、水が存在する場合とは異なる反応が起こり、除
去溶液に溶解し難い物質が生成している可能性があると
思われる。
【0057】(好ましいフォトレジスト除去液)実施例
5〜8に示すように、フォトレジスト除去液供給源4か
ら供給されるフォトレジスト除去液としては、水とアル
コールの混合溶液、アルコール、フォトレジスト現像
液、電気分解処理をした水、磁場処理をした水、また
は、水そのものを分離した水であることが好ましい。こ
こでいう、フォトレジスト除去液とは、分解されたレジ
スト組成を洗い流す溶液のことである。ここでいう「フ
ォトレジスト現像液」とは、レジストパターン形成時に
使用される現像液であり、たとえばテトラメチルアンモ
ニウムヒドロキシド(TMAH 2.38%)などをい
う。ここでいう「電気分解処理をした水」とは、たとえ
ば、純水の電気分解で発生した水素を含有する水素水な
どをいう。「磁場処理をした水」とは、磁場を通過させ
て生成した水の分子集団であるクラスターが小さい水
(波動水)などをいう。「水そのものを分離した水」と
は、たとえば、水そのものを分離してアルカリの性質を
もたせた超還元水などをいう。電気分解処理をした水、
磁場処理をした水、水そのものを分離した水などをまと
めて、「機能水」と呼ぶ場合もある。
【0058】(作用・効果)フォトレジスト除去液は、
高温にして用いてもよく、室温以上であればよいが、6
0℃以上であることが望ましく、高温化することでレジ
スト剥離性が向上する。また、ここでいう、水とアルコ
ールの混合溶液とは、アルコール添加量は、5%〜10
0%の範囲で任意で良い。アルコール含有量が高いほ
ど、剥離性は向上する。これらのフォトレジスト除去液
を用いることによって、オゾンによって分解されたフォ
トレジストの溶解性、除去性が向上し、剥離を促進する
ことが可能である。
【0059】また、フォトレジスト除去液は、単一で、
または、たとえば、アルコールを供給した後に水を供給
するというように2種類以上組合せて、使用してもよ
い。
【0060】(実施の形態2)本実施の形態では、基本
的には、実施の形態1と同じであるが、分解工程の前
に、前処理として、基板1に対して紫外線照射(以下、
「UV照射」という。)を行う。
【0061】(実験結果)実際に行なった例を表2に示
す。詳細な条件は実施の形態1で述べたものと同じであ
る。
【0062】
【表2】
【0063】ただ、実施例11,12は、実施例1〜1
0とは異なり、前処理として、超高圧水銀灯を用いて、
405nmで50mJ/cm2のUV照射を行なった。
実施例11を実施例1に、実施例12を実施例9に、そ
れぞれ対比すると、前処理としてUV照射を行なうこと
で、除去速度が向上していることがわかる。
【0064】本実施の形態におけるフォトレジストは、
ポジ型レジストである。特に、効果があるレジストは、
例えば、PMMA(ポリメチルメタクリレイート)系の
ような、露光することによって、レジスト組成であるベ
ースポリマーの主鎖が切断するようなタイプのレジスト
であり、あらかじめUV照射することによって、除去す
べきフォトレジストの分子量を低下させて、フォトレジ
スト除去溶液に可溶な方向に近づけることが容易とな
る。
【0065】それ以外のレジストにおいても、アルカル
可溶性のポジ型レジストでは、たとえば、ノボラック樹
脂及び、ナフトキノンジアジド等によって構成されるレ
ジストでは、あらかじめ、UV照射を行うことによって
感光剤のナフトキノンジアジドの部分がカルボン酸(ア
ルカリ可溶性)になり、レジスト自身の親水性が増加す
るため、その分、オゾンによるレジスト除去速度を促進
させることが可能になる。その結果、除去速度の促進効
果が得られる。ただ、使用されるUV波長は、除去使用
とするレジストが感光する波長とする必要がある。ま
た、露光量は特に限定されないが、このレジストが有す
るEth(mJ/cm2;現像後の残膜が0となる露光
量)以上の露光量で前処理を行うことが望ましい。
【0066】なお、今回開示した上記実施の形態はすべ
ての点で例示であって制限的なものではない。本発明の
範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって
示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での
すべての変更を含むものである。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、フォトレジストが、溶
媒分子含有湿潤オゾンと接触することにより、酸化分解
される。また、紫外線によって除去すべきフォトレジス
トの親水性を増加させたり、あるいは分子量を低下させ
たりして、フォトレジスト除去溶液に可溶な方向に近づ
けることができる。その結果、フォトレジストは、フォ
トレジスト除去溶液の供給により、容易に洗い流される
ようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に基づく実施の形態1におけるフォト
レジスト除去方法の第1の説明図である。
【図2】 本発明に基づく実施の形態1におけるフォト
レジスト除去方法の第2の説明図である。
【図3】 本発明に基づく実施の形態1におけるフォト
レジスト除去方法の第3の説明図である。
【図4】 本発明に基づく実施の形態1におけるフォト
レジスト除去方法の第4の説明図である。
【図5】 本発明に基づく実施の形態1におけるフォト
レジスト除去方法の第5の説明図である。
【図6】 本発明に基づく実施の形態1におけるフォト
レジスト除去方法の第6の説明図である。
【図7】 本発明に基づく実施の形態1におけるフォト
レジスト除去方法の第7の説明図である。
【図8】 本発明に基づく実施の形態1におけるフォト
レジスト除去方法の第8の説明図である。
【図9】 本発明に基づく実施の形態1におけるフォト
レジスト除去方法の第9の説明図である。
【図10】 本発明に基づく実施の形態1におけるフォ
トレジスト除去方法の第10の説明図である。
【図11】 本発明に基づく実施の形態1におけるフォ
トレジスト除去方法の第11の説明図である。
【図12】 本発明に基づく実施の形態1におけるフォ
トレジスト除去方法の第12の説明図である。
【図13】 本発明に基づく実施の形態1におけるフォ
トレジスト除去方法の第13の説明図である。
【図14】 本発明に基づく実施の形態1におけるフォ
トレジスト除去方法の基板表面へのガスの供給口の第1
の説明図である。
【図15】 本発明に基づく実施の形態1におけるフォ
トレジスト除去方法の基板表面へのガスの供給口の第2
の説明図である。
【図16】 従来技術に基づくフォトレジスト除去方法
の説明図である。
【符号の説明】
1 基板、2 オゾン化ガス発生器、3,3′ 溶液ボ
トル、4 フォトレジスト除去液供給源、5 不活性ガ
ス供給源、6 バブリングボトル、7 ホットプレー
ト、8 超音波発振子、9 噴霧器、10 溶媒分子、
11 オゾン化ガス、103 射孔、105 熱濃硫
酸、107 石英容器、110 ヒータ、111 ガス
導入管、112 石英送気管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長江 偉 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 宮本 誠 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 大家 泉 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 野田 清治 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 葛本 昌樹 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 2H096 AA25 AA26 LA02 LA03 5F004 BA19 BD01 DA00 DB26 EA34 5F043 AA37 BB25 DD13 EE07 5F046 MA02 MA04 MA13 MA17

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板表面に存在するフォトレジストに、
    溶媒分子を含有するオゾン化ガスである溶媒分子含有湿
    潤オゾンを接触させる分解工程と、 前記フォトレジストを溶解させるフォトレジスト除去液
    を用いて前記基板表面を洗浄する洗浄工程とを含む、フ
    ォトレジスト除去方法。
  2. 【請求項2】 基板表面に存在するフォトレジストに、
    溶媒分子およびオゾン化ガスを接触させる分解工程と、 前記フォトレジストを溶解させるフォトレジスト除去液
    を用いて前記基板表面を洗浄する洗浄工程とを含む、フ
    ォトレジスト除去方法。
  3. 【請求項3】 前記溶媒分子が、水、水とアルコールと
    の混合溶液、または、アルコールから得られるものであ
    る、請求項1または2に記載のフォトレジスト除去方
    法。
  4. 【請求項4】 前記溶媒分子含有湿潤オゾンは、オゾン
    化ガスを、水、水とアルコールとの混合溶液、および、
    アルコールからなる群から選ばれたいずれか1つに通過
    または接触させて得られるものである、請求項1に記載
    のフォトレジスト除去方法。
  5. 【請求項5】 前記アルコールは、メタノール、エタノ
    ールおよびイソプロパノールからなる群から選ばれたい
    ずれか1つである、請求項3または4に記載のフォトレ
    ジスト除去方法。
  6. 【請求項6】 前記分解工程の前処理として、前記基板
    に紫外線を照射する工程を含む、請求項1から5のいず
    れかに記載のフォトレジスト除去方法。
  7. 【請求項7】 前記フォトレジスト除去液は、アルコー
    ルと水の混合溶液、アルコール、フォトレジスト現像
    液、電気分解処理をした水、磁場処理をした水、およ
    び、水そのものを分離した水からなる群から選ばれたい
    ずれか1つである、請求項1から6のいずれかに記載の
    フォトレジスト除去方法。
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