JP2001185520A - 半導体素子形成用基板表面処理方法 - Google Patents

半導体素子形成用基板表面処理方法

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JP2001185520A
JP2001185520A JP36792399A JP36792399A JP2001185520A JP 2001185520 A JP2001185520 A JP 2001185520A JP 36792399 A JP36792399 A JP 36792399A JP 36792399 A JP36792399 A JP 36792399A JP 2001185520 A JP2001185520 A JP 2001185520A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 塗布され所定に処理された後の有機化合物等
を、特に、基板にダメージを与えることなく且つ周辺環
境へ影響を与えずに、酸化分解除去処理しその後の残留
微小異物及び付着微小異物を省エネルギーで簡便に洗浄
除去できる半導体素子形成用基板表面処理の提供。 【解決手段】 半導体素子形成に用いられる半導体素子
形成用基板12上に存在する有機化合物(レジスト)の
除去処理及びその除去処理後に残留する有機化合物を主
成分とする微小異物を除去する洗浄方法であり、被処理
基板を(1)直接的又は間接的に室温以上に加温し、乾
燥雰囲気下にてオゾン含有ガスで処理するオゾンガス処
理工程、並びに、(2)オゾン含有ガスを超純水に溶解
したオゾン水23で処理するオゾン水処理工程、及び/
又は、(3)超音波25により活性化され且つ水素含有
ガスを超純水に溶解した水素水24により処理する水素
水処理工程を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体素子形成用基
板表面処理方法に関し、詳しくは半導体素子形成に用い
られる半導体素子形成用基板上に素子形成工程や構造形
成工程において塗布され所定に処理された後の有機化合
物等を除去する基板表面処理方法に関する。特に、基板
にダメージを与えることなく且つ周辺環境への悪影響物
を排出することなく酸化分解除去処理後の残留微小異物
及び処理後の付着微小異物を簡便に洗浄除去する半導体
素子形成用基板表面処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】基板上に微細な電気的素子や回路を形成
する場合、一般にフォトレジストを塗布し任意の回路等
のパターンを塗布表面に形成し、それをエッチング等で
処理して素子パターンを形成する。素子パターンを形成
した後、基板上のフォトレジストや有機物等の異物を除
去する。半導体素子形成において、基板上に付着した有
機物やフォトレジストの除去が完全でない場合、その後
の微細な電気的素子形成の工程で不都合が生じることが
よく知られており、基板上の有機物系異物は完全に除去
する必要がある。フォトレジストの除去は、従来、硫酸
やオゾン(O)等の酸化力の強い物質が使用され、フ
ォトレジストの種類やその塗布特性又は素子形成条件等
により乾式処理と湿式処理のいずれか又は双方が採用さ
れている。前者は酸素を主たるプロセスガスとして用
い、真空下、酸素プラズマ等の活性状態で酸化分解して
除去する方法である。乾式処理は、通常、拡散工程にお
いてイオン注入量が約1×1015atoms/cm
以上の場合に行われることが多い。一方、後者の湿式処
理は多くの場合、硫酸と過酸化水素を超純水に混合溶解
した混合溶液又はOを超純水に溶解させたO溶液を
用い酸化処理して除去する方法である。
【0003】乾式処理した後に、更に湿式処理すること
もしばしば行われる。フォトレジストの乾式処理酸化分
解後に、残留カーボンを主成分とする異物、シリコン系
異物又はフォトレジスト除去処理の後に付着した浮遊異
物等が残留することが知られている。基板上に残留する
有機物系異物は、有機物を主成分とした微小粒子や薄膜
の状態で残留し、その後の種々の素子形成工程において
不都合を生じさせる。このような有機物系異物は、従
来、上記した湿式酸化洗浄処理、特に、超純水に硫酸と
過酸化水素を溶解した溶液で洗浄処理して除去される。
また、イオン注入量が多くフォトレジストを強いベーク
処理する等により乾式酸化分解処理でも除去が困難で残
存する若干のレジストは湿式酸化洗浄処理して除去され
る。更に、簡単な有機物は超純水にオゾンガスを溶解さ
せたオゾン水で洗浄して除去される。例えば、特開平1
0−298585号公報には、レジストのプラズマアッ
シング後に塩基性弗化物を添加したオゾン水を用いる基
板上の有機化合物系残渣の除去法が提案されている。ま
た、特開平9−255998号公報では、基板上に残留
する有機物系微小異物を除去するためオゾンガスの存在
下で紫外線照射する方法が提案される。更にまた、デバ
イス構造を形成するエッチング工程、特に、ドライエッ
チング工程及びその後の酸素等のプラズマによる酸化分
解処理工程を経た後、装置等の金属材料由来と考えられ
る金属コンタミが残存することがあるが、これらの金属
不純物も硫酸による酸化処理により同時に除去され得
る。
【0004】上記したようなデバイス製造においては、
フォトレジスト除去工程は種々の段階で繰返される。例
えば、シリコン及びメタルのエッチングやソース/ドレ
インの拡散工程では必ずフォトレジストが基板上に存在
しフォトレジスト除去工程が行われる。従来のフォトレ
ジスト除去工程の一般的シーケンスは、フォトレジスト
の状態によっても異なるが次のような構成からなる。即
ち、(1)上記乾式酸化分解処理→(2)硫酸と過酸化
水素を超純水に混合溶解した混合溶液による上記の湿式
処理→(3)アンモニアと過酸化水素を超純水に混合溶
解した溶液による酸化・還元湿式洗浄処理→(4)次工
程からなるシーケンスが採用される。
【0005】次工程への移行に先立ち、例えば(CVD
等の成膜工程以前の)基板に構造を形成するためにフォ
トレジストを再塗布する工程等に先立ち、基板上に残存
する微小な異物(以下、単にパーティクルとする)を除
去するため洗浄処理、所謂リンス処理が行われる。この
リンス処理は、一般にアンモニア、過酸化水素水及び超
純水を混合したアルカリ性混合溶液が用いられる。パー
ティクルは、超純水に還元性のアンモニアと酸化性の過
酸化水素を混合した混合溶液により、静電的に又は基板
表面のライトエッチング(リフトオフ)によって除去で
きるためである。また、特開平10−41262号公報
は炭酸水や超純水に水素ガスを溶解した水素水を用いて
金属配線等の腐食を小さくして金属パーティクルを除去
できることを提案する。また、特開平10−12825
3号公報では0.05ppm以上水素ガスを超純水に溶
解した水素水を用いて基板を超音波照射して洗浄・リン
ス処理することが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たフォトレジスト除去工程の一般的シーケンスにおける
(1)乾式酸化分解処理、(2)湿式処理、(3)酸化
・還元湿式洗浄処理及び(4)次工程への移行前のリン
ス処理で従来採用されている各種洗浄処理にはそれぞれ
下記のような問題がある。即ち、従来の乾式処理は、酸
素プラズマを用いフォトレジストの酸化分解することが
一般的であり、酸素プラズマ等のプラズマ状態は高エネ
ルギー状態で活性であるため、しばしば半導体素子の微
細な配線や回路、その他構造を形成する材料にダメージ
を与えることがある。特に昨今、構造材料として銅(C
u)等の化学的に反応活性材を用いる傾向があり、これ
らの活性材料を酸化することが問題となっている。更
に、プラズマ状態は常圧下で得ることはできないため、
プロセスチャンバー内を真空に保つ必要があり、基板を
物理的に苛酷な環境下に置かねばならない。また、プラ
ズマにより処理装置自体がダメージを受け装置の構成
材、例えばステンレス系材料が基板に付着する等の問題
がある。
【0007】また、従来の湿式処理は、上記のように硫
酸と過酸化水素とを超純水に混合溶解した溶液が用いら
れ、溶液は酸化還元電位(以下、単にORPとする)が
酸性領域にあり、酸化分解したフォトレジスト等の液中
に含まれるパーティクルやフォトレジストが分解された
微小破片等がゼータポテンシャルの関係から基板に再付
着するという問題がある。また、前記のようにAlSi
Cu、Al、Cu等の化学的に反応活性な配線材のメタ
ルパターンを形成後に残留するフォトレジストの除去に
は上記溶液を使用できない。更に、上記溶液は通常10
0℃以上に加温して用いるため、昨今問題とされるクリ
ーンルーム内の化学汚染物であるSOxを排出するおそ
れがある。更にまた、硫酸は他の洗浄処理薬液と比べて
コストが高く、また薬液ライン等の腐食や取扱いが難し
い等安全面でも問題がある。硫酸系物質は総じて除去が
難しく、薬液のリンス等に大量の超純水を用いることに
もなり廃液処理等にも問題がある。
【0008】前記特開平10−298585号公報提案
のアッシング後のオゾン水洗浄は、前記の通りプラズマ
アッシングは高エネルギーのため基板ダメージのおそれ
があり、オゾン水による洗浄処理はそのダメージを増幅
する可能性がある。また、プラズマ透過以外でも表面荒
れ等が生じる場合があり、オゾン水洗浄はこれら表面荒
れ等からダメージを拡大するおそれがある。前記特開平
9−255998号公報提案のオゾンの存在下で紫外線
照射する方法では、有機物系微小異物に対応するもので
ありフォトレジスト剥離工程には適用できない。また、
アンモニアと過酸化水素を超純水に混合溶解した還元・
酸化溶液洗浄処理は、アンモニアは一般に鉄分(Fe)
濃度が比較的高く、半導体素子形成に用いられる基板に
Feが特異吸着することも知られ、Feはデバイス特性
に悪影響を与えることが懸念されており除去されるべき
不純物であることから好ましい洗浄処理でない。また、
還元・酸化溶液は、例えば70℃以上に加温して使用す
ることから基板や構造を形成する薄膜等表面をエッチン
グし、基板上に好ましくない凹凸を与え表面粗さ(ラフ
ネス)を悪化させるおそれがある。更に、Al等の配線
材も腐食するおそれがあり、昨今問題とされているクリ
ーンルーム内のアンモニア汚染を起こすおそれもある。
また、アンモニア過水洗浄においては過酸化水素水が基
板上を酸化して好ましくない酸化膜を与えて素子の電気
特性を損なうおそれがある。更に、前記特開平10−4
1262号公報提案のオゾン水洗浄は、金属パーティク
ル除去を目的とし、また、オゾン水の効果は含まれるオ
ゾンガス濃度に依存する。従来の常温常圧下において得
られるオゾン水のオゾン濃度は最大で飽和濃度であり、
乾式酸化分解処理後の有機物除去に対して有効とはいえ
ない。更にまた、前記特開平10−128253号公報
で提案される0.05ppm以上水素ガスを超純水に溶
解した水素水に基板を浸漬し超音波照射する方法は、リ
ンス処理に関するものであり、本発明において目的とす
る有機化合物系異物の除去や乾式酸化分解後の残渣の除
去については何も開示せず、また、示唆もしていない。
【0009】本発明は、半導体素子形成に用いられる半
導体素子形成用基板上に存在する有機化合物(フォトレ
ジスト)の除去処理及びその除去処理後に残留する有機
化合物を主成分とする微小異物を除去する従来の洗浄処
理が、上記したように未だ十分でない現状に鑑み、従来
法の種々の問題を解消し基板表面や構造にダメージを与
えることなくフォトレジストの除去及び残存する有機物
化合物やパーティクル等微小異物を効果的に除去し、そ
の後の素子形成工程や成膜工程で半導体素子特性に悪影
響を与えない半導体素子形成用基板表面処理方法の開発
を目的とする。発明者らは、上記目的のため従来の洗浄
方法について、種々見直すと同時に改めて洗浄方式につ
いて鋭意検討した。その結果、乾式処理として基板等に
ダメージを与え操作性にも問題のあるプラズマ酸化方式
に替えて所定の加温状態でオゾンガスを用いて処理し、
更に、オゾン水及び/又は超音波活性水素水による湿式
処理により、最終的に素子特性が優れる素子形成基板が
得られると共に、装置への影響も少なく操作性もよい半
導体素子形成用基板の表面処理方法を見出し本発明を完
成した。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、半導体
素子形成に用いられる半導体素子形成用基板上に存在す
る有機化合物(レジスト)の除去処理及びその除去処理
後に残留する有機化合物を主成分とする微小異物を除去
する洗浄方法であり、被処理基板を(1)直接的又は間
接的に室温以上に加温し乾燥雰囲気下にてオゾン含有ガ
スで処理するオゾンガス処理工程並びに(2)オゾン含
有ガスを超純水に溶解したオゾン水で処理するオゾン水
処理工程及び/又は(3)超音波により活性化され且つ
水素含有ガスを超純水に溶解した水素水により処理する
水素水処理工程を有することを特徴とする半導体素子形
成用基板表面処理方法が提供される。
【0011】上記本発明の半導体素子形成用基板表面処
理方法において、前記オゾンガス処理工程におけるオゾ
ン含有ガスのオゾン濃度が4〜8容量%であり、加温温
度が300〜350℃であることが好ましい。前記オゾ
ンガス処理工程で処理したオゾンガス処理基板を前記オ
ゾン水処理工程で処理することを1又は2回以上繰返し
た後に、前記水素水処理工程で処理することが好まし
い。前記オゾン水処理工程で処理したオゾン水処理基板
を前記オゾンガス処理工程で処理した後、前記水素水処
理工程で処理することが好ましい。更に、前記オゾンガ
ス処理工程で処理したオゾンガス処理基板を前記水素水
処理工程で処理した後、前記オゾン水処理工程で処理
し、更に前記水素水処理工程で処理することが好まし
く、また、前記オゾンガス処理工程並びにオゾン水処理
工程及び/又は水素水処理工程を含む一連の表面処理を
連続的に2回以上繰返して処理することが好ましく、ま
た、前記オゾンガス処理工程並びにオゾン水処理工程及
び/又は水素水処理工程を含む一連の表面処理におい
て、各工程を2回以上繰返して処理することが好まし
い。
【0012】 上記本発明の半導体素子形成用基板表面処
理方法は、前記半導体素子形成用基板がドーパントの拡
散工程又はエッチング工程における基板に適用でき、ま
た、Al、W、Cuなど化学的に反応しやすい材料を含
む基板にも適用できる。また、本発明の半導体素子形成
用基板表面処理方法は、要すれば、前記オゾン水処理工
程に用いるオゾン水に塩酸等の酸成分を100ppm以
下、好ましくは10ppm程度、及び/又は前記水素水
処理工程に用いる水素水にアンモニア等のアルカリ成分
を100ppm以下、好ましくは10ppm程度含有さ
せて処理することができる。
【0013】本発明は上記のよう構成され、オゾンガス
処理工程として半導体素子形成用基板をオゾンガス等オ
ゾン含有ガスで乾式酸化分解処理することから、従来の
酸素プラズマ処理と異なり基板又は基板上の微細な電気
的回路や配線、素子構造、構成材にダメージを与えるこ
となく基板上の有機化合物を酸化分解できる。例えば、
化学的に活性なAl、W、Cu等の材料を用いた素子基
板においても、オゾンガスはチッ化シリコンなどの保護
膜を透過せず、配線材にダメージを与えずに基板上の有
機化合物を酸化分解処理できる。特に、従来の乾式オゾ
ン処理と異なり基板表面上の温度を300℃程度に加温
すると共に、従来に比し高オゾン濃度のオゾン含有ガス
を用いることから効果的にレジストを除去できる。ま
た、プラズマを用いないことから処理チャンバー内を真
空にする必要もなく、基板を常圧の緩やかな条件下で処
理でき基板へのストレスを軽減でき、装置構成材料への
ダメージも軽減できる。更に、要すれば、オゾンガス耐
性を有する表面処理を行い装置の損傷を未然に防止する
こともできる。
【0014】オゾン水処理工程であるオゾン水による湿
式処理は、乾式オゾンガス処理工程で用いた同様のオゾ
ン含有ガスを超純水に溶解させて酸化力を有するオゾン
水とし、オゾンガス処理工程の乾式酸化分解処理後の残
渣又は乾式処理後に残留する若干のレジストである有機
化合物の酸化分解を行なう。オゾン水は、硫酸等酸性溶
液に比してAl等のメタル材へのダメージは僅かであ
り、配線材の腐食を最小限にして残渣又は有機化合物を
効率よく除去できる。また、従来の硫酸と過酸化水素の
超純水混合溶液による処理が100℃以上の高温で処理
されているのに対して、本発明のオゾン水処理は基本的
には常温で処理可能であり、昨今問題とされるクリーン
ルーム内の化学汚染物であるSOxを排出しない。ま
た、処理後の廃液はオゾンガスと水に直ちに分離され、
オゾンガスはフレア法、UVランプ法を用いることによ
り水と酸素に分解でき、従来の硫酸を用いる処理に比し
廃液処理コストが低減できる。処理に用いるオゾン水は
基本的に水であり、従来の硫酸を用いる湿式酸化法に比
し超純水によるリンスの使用量も低減できる。なお、本
発明のオゾン水処理工程においては、要すれば塩酸等の
酸成分を約100ppm、好ましくは10ppm添加し
てもよい。金属汚染物の除去のためである。
【0015】本発明の水素水処理工程による処理は、水
素ガス含有ガスを超純水に溶解させた水素水を用いるこ
とから、従来の湿式酸化処理のように多量のアンモニア
を使用せずFe汚染レベルを低減でき、また、問題とさ
れているクリーンルーム内のアンモニア汚染も生じな
い。更に、超音波照射して活性化することから異物を有
効に除去できる。従来のアンモニアと過酸化水素の超純
水混合溶解液による処理が上記したように70℃以上で
処理するのに対し、本発明の水素水処理は、基本的には
常温で処理できエッチング等による表面粗化が軽減され
る。また、上記オゾン水処理工程と同様に、水素水は基
本的に水であり超純水によるリンス使用量が低減され
る。なお、本発明の水素水処理工程においては、要すれ
ばアンモニア等のアルカリ成分を約100ppm、好ま
しくは10ppm添加してもよい。微粒子除去の効率を
向上させるためである。
【0016】更に、本発明の半導体素子形成用基板表面
処理法は、上記オゾンガス処理工程、オゾン水処理工程
及び水素水処理工程を含むようにシーケンスを設定して
一連の連続処理として行うことができる。この場合、オ
ゾンガス処理工程は基本的に必須工程であり、通常、第
1工程として採用される。しかし、例えば、オゾン水処
理工程を行った後にオゾンガス処理工程を行うこともで
き、この場合はオゾン水処理後の表面水分を触媒的に利
用してオゾンガス酸化分解を開始させ、最終的には乾式
オゾン酸化分解を行うものである。また、オゾンガス処
理工程と水素水処理工程の2工程のみで処理することも
できる。例えば、基板材料から酸化についてそれ程おそ
れずに処理できる場合は、オゾンガス処理を強度に行い
レジスト及び有機物化合物をほぼ完全に酸化分解し、オ
ゾン水処理を省略することができる。更にまた、本発明
の半導体素子形成用基板表面処理法は、特に、オゾン水
処理工程及び水素水処理工程による洗浄処理を同一洗浄
装置を用いて連続処理が可能であり、処理時間及び処理
コストが従来に比し大幅に削減できる。即ち、基板上の
フォトレジストや微細異物を洗浄処理して除去する従来
法は、乾式酸化分解処理後の各洗浄ステップが分離され
ており、それらの処理槽も完全分離していることから、
次ステップへ移行する前に超純水による中間リンスが必
要であり処理時間及び処理コストが嵩んでいたのに対す
る。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明について更に詳しく説明す
る。本発明において、表面処理する被処理基板は、半導
体素子即ち微細な電気的な素子や回路を有す基板であ
り、シリコン(Si)等の半導体基板、ガラス等の絶縁
基板等の各種半導体素子形成用基板であって、特に、半
導体素子の製造工程において微小な電気的素子と回路の
形成又は局所的にドーパント拡散又はエッチング処理を
行った後の基板である。本発明は、主に上記の基板表面
上に残留するフォトレジストの酸化分解とその後の残存
異物の洗浄処理からなる表面処理方法である。即ち、第
1はオゾンガスを用いる乾式酸化分解処理であり、第2
はその後に主に残存する有機系異物をオゾン水で処理
し、第3は次いで残存パーティクルを水素水で処理する
ことを組合わせて処理するものである。
【0018】本発明のオゾンガス処理工程であるオゾン
ガス乾式酸化分解処理は、従来の乾式酸化分解で用いる
酸素プラズマを使用することなく、被処理基板を室温以
上、好ましくは300〜350℃に加温して、酸素無声
放電により得られる約4〜8容量%のオゾン含有ガスを
装置の処理チャンバー内に導入することにより行うこと
ができる。本発明のオゾンガス処理工程では、例えば、
図1の模式説明図に示したような枚葉式の酸化分解処理
装置を用いることができる。図1において、酸化分解装
置10のチャンバー11は自動開閉されるようになって
おり、チャンバー11内部には半導体素子形成用基板1
2を3点保持する機構の石英製サセプター13を有す
る。チャンバー開閉と連動して半導体素子形成用基板の
送出入及び石英サセプター13への静置ができる。チャ
ンバー11はオゾンガスによる酸化分解処理前に密閉さ
れ基板12はサセプター13を介してヒーター14にて
裏面側より加温される。一方、オゾン含有ガスは、空
気、酸素等の酸素含有ガスの無声放電式や電解式のオゾ
ン発生器により得て用いることができる。図1におい
て、酸化分解装置10に、例えば無声放電によるオゾン
発生器15を設置し酸素含有ガスをフィルター16を経
て無声放電式オゾン発生器15に送入し濃度約4〜8容
量%のオゾン含有ガスを発生させてチャンバー11に配
設された拡散器17に導入される。オゾン含有ガスは拡
散器17によりチャンバー11内で効率よく拡散され
る。オゾン酸化分解処理後は、窒素ガスを酸素含有ガス
と同様にフィルターを経てチャンバー11内に導入し処
理雰囲気のオゾンを速やかに置換パージする。このとき
オゾンガスを大気開放しないためにパージ排気ガスは、
排気ライン18からオゾン分解処理装置(図示せず)に
送入してオゾンガスを酸素ガスとして装置外に排気す
る。なお、オゾン発生器15からのオゾン含有ガス及び
パージ用窒素ガスは、それぞれ送入ラインに配置された
流量(質量)調節計により流量制御されチャンバー11
に送入される。また、チャンバー11下方にはスピンモ
ータ19が配置されサセプター13を回転しその上に載
置された基板を回転させる。
【0019】本発明において、通常上記オゾンガス処理
工程後になされるオゾン水処理工程は、オゾン水による
湿式洗浄処理であり、オゾン水中のオゾン濃度は約20
〜60ppmが好ましい。オゾン水の酸化力は溶存オゾ
ン濃度に依存し、被処理基板の性状に応じて上記オゾン
濃度範囲で適宜選択することができる。例えば、ガス状
有機物による汚染物や酸化分解処理後残渣であれば、約
20〜30ppmの中程度の濃度でよく、また、イオン
注入量が多い場合や加熱処理されたレジストで酸化分解
処理によっても残留した有機化合物の除去は約50〜6
0ppmの高濃度が好適である。本発明のオゾン水は、
加圧溶解により溶解オゾン濃度を高濃度化して用いるこ
とにより上記のような残存有機化合物の酸化分解が可能
である。本発明において、オゾン含有ガスとしては、上
記オゾン含有ガス処理と同様に酸素等の無声放電による
オゾン含有ガスを用いることができる外、電解式のオゾ
ン発生器で得られるオゾン含有ガスを用いることができ
る。発生されたオゾン含有ガスは加圧して高濃度オゾン
水として用いることでフォトレジストアッシング後に残
留する強固な有機物残渣やアッシング後に残留するレジ
ストをオゾン水処理で除去できる。一方、従来の基板の
湿式オゾン洗浄で用いられるオゾン溶解水液は一般に2
0ppm程度の溶解レベルであり、このようなオゾン溶
解液では上記のアッシング後の有機物残渣やレジストを
除去することはできなかった。また、本発明のオゾン水
処理工程の湿式処理システムは、従来の開放系で行われ
る湿式処理と異なり加圧処理のため閉鎖系で行うことか
ら安全の面でも危険が回避される。更に、オゾン水はオ
ゾン発生器からの発生オゾン含有ガスを用いて調製して
使用し薬液槽に貯溜しないため液性状が安定し、処理後
の基板性状のばらつきも少ない。
【0020】本発明における水素水処理工程は、上記の
オゾン水処理工程と同様に湿式洗浄処理であり水素水に
より洗浄処理するものである。本発明においては、少な
くとも1ppm以上の水素ガスを超純水に溶解した水素
水を用いて超音波照射して洗浄する。前記したように特
開平10−128253号公報で提案される水素ガス
0.05ppm以上溶解した水素水に基板を浸漬し超音
波照射する方法は、洗浄・リンス処理について開示する
ものであり、特に、本発明において目的とするオゾン含
有ガスによる基板上のフォトレジストの乾式酸化分解後
に残存する有機物系残渣や有機物系化合物に端を発する
微細異物の除去、即ち、レジストをアッシングした後に
残留する微細異物を除去することについては何ら開示し
ていない。しかも、これらを実用的に洗浄除去するため
の好適な水素溶解濃度は少なくとも1ppm以上であ
り、好ましくは1.2〜2.0ppmであり、これらは
発明者らにより初めて確認されたものである。水素水処
理工程において用いる水素含有ガスも、オゾン水処理工
程のオゾン含有ガスと同様に電解方式で得られる水素ガ
スを用いることができる。また、水素水のORP値は、
約−550mVであり粒子と基板上の表面電位が同じ負
にチャージするため静電的な反発によっても効率的に除
去される。また、超音波によるキャビテーションの効果
によって物理的にもパーティクルは除去され、且つ、水
素や水酸基等のラジカルが発生するために極めて薄い有
機膜等の分解が行われる。また、水素水は基本的に静電
的な反発力を利用するため、化学的除去方法に対してパ
ーティクルの組成にあまり影響されず、イオン注入され
る物質の種類にあまり影響されない
【0021】本発明において、上記オゾン水処理工程及
び水素水処理工程の湿式洗浄処理は必要に応じて同一装
置を用いて行うことができ、オゾン水処理工程及び水素
水処理工程の湿式洗浄処理を連続的に一括して行うこと
ができる。これら湿式洗浄処理は、例えば、図2の模式
説明図に示したような湿式洗浄処理装置を用いることが
できる。なお、図2の湿式洗浄処理装置20における構
成部材で上記図1に示した装置と同様の構成部材につい
ては同一符号を付し説明を省略する。図2において、被
処理基板12はチャンバー11のカップ21内でバキュ
ーム式チャック22で保持される。チャック方式はバキ
ューム式及び側面保持式があり、いずれの方式でもよ
い。一方、湿式洗浄処理装置20にはオゾン水調製器2
3及び水素水調製器24が設置され、オゾン水及び水素
水はそれぞれ濃度等を調整され流量(質量)調節計で流
量制御されて流入ラインを経由してチャンバーカップ2
1内に流入される。チャック22に保持された基板12
に対し、オゾン水はノズル(図示せず)を介して放出さ
れ、水素水は可動式の超音波発生器付ディスペンサー2
5から放出される。また、湿式洗浄処理装置20は、酸
成分供給器26及びアルカリ成分供給器27を設置し、
必要に応じて、金属汚染除去のためオゾン水中に微量、
例えば10ppm添加する塩酸、硫酸等の酸成分や、微
粒子除去の効率を向上するため水素水中に同様に微量、
10ppm添加するアンモニア等のアルカリ成分を、オ
ゾン水若しくは水素水と同時に/又はオゾン水若しくは
水素水に混入させてチャンバーカップ21内に注入でき
るようになっている。更に、超純水(DIW)供給機構
28を配設し、各溶液洗浄処理後の基板を洗浄するため
チャンバーカップ21内の上方及び下方からノズルを介
して超純水を流出できる。各薬液で湿式洗浄処理後、超
純水にてリンス洗浄処理した基板は3000rpmで回
転させいわゆるスピンドライ方式によって乾燥する。ま
た、高濃度化オゾン水等を流入させることから洗浄装置
内から溶存オゾンガスが大気中に放出しないように、適
宜、筐体排気設備(図示せず)を配設する。更に、高濃
度オゾンガスが直接排気されないように、上記図1の酸
化分解装置10と同様に排気ライン18から熱分解処理
装置又はUVランプ分解処理装置(図示せず)に送入し
てオゾンガスを酸素ガスとして装置外に排気する。下記
する実施例では熱分解処理装置を用い分解し排出した。
【0022】本発明において、例えば、オゾン水処理工
程後にオゾンガス処理工程で処理する場合は、3工程を
同一装置で行ってもよい。このため表面処理操作が簡便
化される外、一連の処理による設備費及び処理時間が従
来の方法に比し低減され好ましい。但し、設計条件や操
作条件等により各湿式洗浄処理を別々の装置を用いて行
ってもよい。本発明の湿式洗浄処理を行うための装置
は、オゾン水を発生させる装置、又は、オゾン含有ガス
と超純水を気液接触してオゾン水とする機構を有す部位
と接続することによりオゾン水を供給できる。また、水
素水も同様である。オゾン水又は水素水による処理は、
全て例えば25℃の常温で行うことができ、要すれば適
宜加温して行ってもよい。更に、上記したようにオゾン
含有ガス及び水素ガスは、いずれも電解式オゾン発生装
置において得ることができることから、本発明の半導体
素子用基板表面処理方法と電解式オゾン発生装置とを組
合わせ、陽極より発生するオゾン含有ガスをオゾンガス
処理工程及びオゾン水処理工程に用い、陰極より発生す
る水素ガスを水素水処理工程に用いることにより、各処
理工程に要するオゾン含有ガス、オゾン水及び水素水を
効率的に製造でき、装置が簡略化でき且つ操作も簡便と
なる。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説
明する。但し、本発明は下記実施例に制限されるもので
ない。 (試料作成)試料として8インチ(8”)CZ法(チョ
クラルスキー法)により調製されたシリコン(Si)ウ
ェハを、ウェット浸漬型洗浄装置にてNH3と過酸化水
素を超純水に混合溶解した溶解液(NH3:超純度過酸
化水素:超純水=1:1:8)に浸漬し、70℃で超音
波照射処理した。処理したウェハは乾燥後、i線(36
5nm)感光有機化合物を枚葉式スピンコーターにて膜
厚が約12000Åになるように塗布し、i線で25秒
間全面露光を行いフォトレジストを感光させた。感光後
に窒素(N)気流中にてウェハをベークした。また、
チャンバー内を約10−3Torrに吸引減圧しCF
乾式エッチングを40秒行ない、試料Aを得た。また、
上記と同様に有機化合物を塗布、感光後、BF又はA
sをイオン注入した試料を用意した。BFのドーズ量
が5.0×1013atoms/cm(加速電圧:1
5keV)を試料B、Asのドーズ量が8.0×10
13atoms/cm(加速電圧:30keV)を試
料C、BFのドーズ量が3.0×1015atoms
/cm(加速電圧:20keV)を試料D、Asのド
ーズ量が2.0×1015atoms/cm(加速電
圧:40keV)を試料Eとした。試料作成条件を表1
にまとめて示した。各試料は何れも光干渉型膜厚測定装
置にて有機化合物膜厚を測定し、表1に併せて示した。
【0024】
【表1】
【0025】実施例1 オゾンガス処理工程(乾式オゾン酸化分解処理)→オゾ
ン水処理工程(オゾン濃度:20ppm)→水素水処理
工程のシーケンスで試料A、B及びCをそれぞれ順次処
理した。上記図1と同様に構成された酸化分解装置10
を用いて、サセプター13上でオゾンガス処理工程の処
理前に約60秒間各試料の加温を行なった。試料Aは、
温度300℃で72秒間オゾン濃度4容量%のオゾン含
有酸素ガスを流量10リットル/分で流通させ処理し
た。試料Bは温度300℃で180秒間オゾン濃度容量
5%のオゾン含有酸素ガスを流量12リットル/分で流
通させ処理した。試料Cは温度350℃で200秒間オ
ゾン濃度5容量%のオゾン含有酸素ガスを流量14リッ
トル/分で流通させ処理した。試料は何れも光干渉型膜
厚測定装置にてフォトレジスト厚を測定し結果を表2に
示した。この結果、オゾン含有ガス酸化分解処理で基板
上のフォトレジストはほぼ完全に除去され、残留は確認
されないことが分かった。このため、オゾンガス処理工
程後の基板上のパーティクルをレーザー光散乱型パーテ
ィクルカウンターで粒子サイズ0.2μm以上のものを
測定した。その結果によれば基板上にフォトレジスト自
体は残存しないが、オゾンガス処理後の残渣が残存する
ことが分った。また、基板表面には若干のフォトレジス
ト片等も確認された。これらはカーボン、シリコンの酸
化化合物を主成分とした異物であった。更に、比較的サ
イズの大きな粒子が残留することも確認された。
【0026】
【表2】
【0027】次に、上記のようにオゾンガス処理工程に
て酸化分解処理した各試料を上記図2と同様に構成され
た装置を用いてオゾン水にて洗浄処理した。オゾン水は
装置20のノズルから吐出し、各試料を共に1000r
pmで回転させ、試料Aは30秒、試料Bは45秒、試
料Cは60秒それぞれ同様に処理した。処理前後の0.
2μm以上のパーティクルをレーザー光散乱型パーティ
クルカウンターで測定し、その結果を表2に示した。オ
ゾン水処理工程後はカウントされるパーティクル数は減
少し、かつ粒子サイズのピークは約5μmから約1μm
にシフトし、残留していたフォトレジスト片等の比較的
大きな異物がオゾン水処理によって酸化分解されること
が分かる。
【0028】次いで、上記オゾン水処理工程で処理した
各試料に残留する微小なパーティクルを除去するため水
素水で処理した。各試料A、B及びCを共に1000r
pmで回転させて水素水を装置20の超音波発生器付デ
ィスペンサー25から放出して20秒間処理した。この
時の超音波の周波数は1.5MHzであった。レーザー
光散乱型パーティクルカウンターで同様に処理前後のパ
ーティクルを測定し結果を表2に示した。これらの結果
から本実施例の処理後に残留するパーティクル数は、従
来法に匹敵又はそれ以上に低減されることが明らかであ
る。
【0029】実施例2 オゾンガス処理工程→オゾン水処理工程(オゾン濃度:
60ppm)→水素水処理工程のシーケンスで上記試料
A、D及びEををそれぞれ順次処理した。第1のオゾン
ガス処理工程での処理前に約60秒間各試料の加温を行
なった。試料Aは、温度300℃で72秒間オゾン濃度
4容量%のオゾン含有酸素ガスを流量10リットル/分
で流通させ処理した。試料Dは温度350℃で180秒
間オゾン濃度容量5%のオゾン含有酸素ガスを流量14
リットル/分で流通させ処理した。試料Eは温度350
℃で200秒間オゾン濃度6容量%のオゾン含有酸素ガ
スを流量16リットル/分で流通させ処理した。試料は
何れも光干渉型膜厚測定装置にてフォトレジスト厚を測
定し結果を表3に示した処理した。また、酸化分解処理
後はフォトレジストが各試料の基板中央部に残留してい
たためパーティクルは測定しなかった。
【0030】
【表3】
【0031】次いで、オゾンガス処理工程にて酸化分解
処理した各試料を実施例1と同様にしてオゾン水にて洗
浄処理した。各試料を共に1000rpmで回転させ、
試料Aは30秒、試料Dは90秒、試料Eは120秒そ
れぞれオゾン水をノズルから吐出して処理した。処理前
後の0.2μm以上のパーティクルをレーザー光散乱型
パーティクルカウンターで測定し、その結果を表3に示
した。オゾン水処理後の各試料には、フォトレジスト片
と思われる異物は殆ど確認されず残存フォトレジストが
完全に除去されていた。パーティクルの殆どは、カーボ
ン、シリコン系であると判断できた。
【0032】次に、上記オゾン水処理工程で処理した各
試料に残留するパーティクルを除去するため水素水で処
理した。各試料A、D及びEを共に1000rpmで回
転させて実施例1と同様にして水素水を超音波発生器付
ディスペンサー25から放出して20秒間処理した。こ
の時の超音波の周波数は1.5MHzであった。レーザ
ー光散乱型パーティクルカウンターで同様に処理前後の
パーティクルを測定し結果を表3に示した。
【0033】これらの結果から、上記シーケンスにおけ
る基板処理は、オゾン水処理工程でオゾン濃度約60p
pmの高濃度オゾン水を使用することから有機物の除去
だけではなくフォトレジスト剥離も可能であることが明
らかである。従って、特に、酸化分解処理処理を可能な
限り避けたい場合に有効であり、例えばイオン注入の条
件によっては乾式処理をある程度の処理に止めて、従来
の酸化分解処理後の硫酸と過酸化水素の超純水混合溶液
での処理と同等に適用することができる。これによりオ
ゾンガス処理工程で酸化分解をある程度のフォトレジス
ト除去に留め、次のオゾン水処理でフォトレジストと有
機物を同時に除去できることも明らかとなった。本実施
例2の処理後に残留するパーティクル数も、実施例1と
同様に従来法に匹敵又はそれ以上に低減されることが明
らかである。
【0034】
【発明の効果】本発明は、半導体素子を形成する基板の
各種素子構造を形成後の不要なフォトレジストを除去す
る基板表面処理方法であり、オゾン含有ガス、高濃度オ
ゾン水と水素水を使用することから、基板上の有機物除
去のために硫酸やアンモニア等の酸成分やアルカリ成分
及び有機溶剤を用いる従来法に比し、環境負荷が小さく
且つ素子構造にダメージを与えることなく低コストとな
り、工業的に実用性に優れる。また、上記従来法で用い
た酸成分、アルカリ成分及び有機溶剤を用いないため、
半導体素子の構造や配線材料を著しく腐食することなく
ダメージを軽減する。また、デバイスの電気特性低下を
最小限にすることができ、素子性能の信頼性を向上させ
電気抵抗の低下、消費電力の低減、素子性能の高速化が
図れると同時に、製造歩留まりが向上し、且つ、半導体
製造装置のランニングコストの低減と安全性の向上も図
ることができる。
【0035】また、半導体素子形成用基板の処理として
オゾンガスを用いた乾式酸化分解反応、オゾン水、水素
水等いわゆる機能水による処理は従来から多くの報告が
なされている。しかし、本発明はプラズマ等の高エネル
ギー状態の物質や高純度の従来の薬液を一切使用しない
ことから半導体素子構造や形成材料へのダメージを軽減
することができ、かつ乾式、湿式処理を組み合わせるこ
とにより、より効率的に基板の処理を可能とした。オゾ
ンガスは酸化力が強く且つプラズマのように高エネルギ
ー状態ではないため構造を透過する等の問題を生じるこ
となく基板上の主に有機化合物を除去できる。オゾン水
等の処理も多数の報告があるが、本発明は高濃度オゾン
水と高温でのオゾンガスを用い、除去し難かったフォト
レジスト等の多量の有機化合物を直接剥離することを可
能にし、乾式酸化分解処理後の洗浄処理用として高濃度
オゾン水を用いることや、高温でのオゾン含有ガス処理
と高濃度オゾン水処理を組合わせることは、本発明にお
いて初めて提案するものである。
【0036】更に、水素水を超音波活性化して用いる処
理は、微小な異物を除去することが可能であるとされて
いるが、本発明は前記オゾン水処理を組合わせることに
より、高純度硫酸等の薬液を使用することなく、例えば
フォトレジスト等の有機化合物の剥離からその後の洗浄
までの一連の工程を連続的に一括して行うことができ
る。従来法で用いたプラズマ等の高エネルギー物質や硫
酸等の薬液を用いない乾式処理と湿式処理を組合わせた
ことにより、危険な薬液との接触を回避できる等のメリ
ットにより操作が簡便となり工業的に有用性が向上す
る。更に、薬液の不使用によりトータルコストの軽減や
削減に貢献することから工業的に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオゾンガス処理工程用の酸化分解処理
装置の一例を示す模式説明図
【図2】本発明のオゾン水処理工程及び水素水処理工程
用の湿式洗浄処理装置の一例を示す模式説明図
【符号の説明】
10 酸化分解処理装置 11 チャンバー 12 半導体素子形成用基板 13 サセプター 14 ヒーター 15 オゾン発生器 16 フィルター 17 ガス拡散器 18 排気ライン 19 スピンモータ 20 湿式洗浄処理装置 21 チャンバーカップ 22 チャック 23 オゾン水調製器 24 水素水調製器 25 超音波発生器付ディスペンサー 26 酸成分供給器 27 アルカリ成分供給器 28 超純水供給機構

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体素子形成に用いられる半導体素子
    形成用基板上に存在する有機化合物(レジスト)の除去
    処理及びその除去処理後に残留する有機化合物を主成分
    とする微小異物を除去する方法であり、被処理基板を
    (1)直接的又は間接的に室温以上に加温し、乾燥雰囲
    気下にてオゾン含有ガスで処理するオゾンガス処理工
    程、並びに、(2)オゾン含有ガスを超純水に溶解した
    オゾン水で処理するオゾン水処理工程、及び/又は、
    (3)超音波により活性化され且つ水素含有ガスを超純
    水に溶解した水素水により処理する水素水処理工程を有
    することを特徴とする半導体素子形成用基板表面処理方
    法。
  2. 【請求項2】 前記オゾンガス処理工程におけるオゾン
    含有ガスのオゾン濃度が4〜8容量%であり、加温温度
    が300〜350℃である請求項1記載の半導体素子形
    成用基板表面処理方法。
  3. 【請求項3】 前記オゾンガス処理工程で処理したオゾ
    ンガス処理基板を前記オゾン水処理工程で処理すること
    を2回以上繰返した後に、前記水素水処理工程で処理す
    る請求項1又は2記載の半導体素子形成用基板表面処理
    方法。
  4. 【請求項4】 前記オゾン水処理工程で処理したオゾン
    水処理基板を前記オゾンガス処理工程で処理した後、前
    記水素水処理工程で処理する請求項1又は2記載の半導
    体素子形成用基板表面処理方法。
  5. 【請求項5】 前記オゾンガス処理工程で処理したオゾ
    ンガス処理基板を前記水素水処理工程で処理した後、前
    記オゾン水処理工程で処理し、更に前記水素水処理工程
    で処理する請求項1又は2記載の半導体素子形成用基板
    表面処理方法。
  6. 【請求項6】 前記オゾンガス処理工程並びにオゾン水
    処理工程及び/又は水素水処理工程を含む一連の表面処
    理において、各工程を2回以上繰返して処理する請求項
    1〜5のいずれか記載の半導体素子形成用基板表面処理
    方法。
  7. 【請求項7】 前記半導体素子形成用基板が、ドーパン
    トの拡散工程又はエッチング工程における基板である請
    求項1〜6のいずれか記載の半導体素子形成用基板表面
    処理方法。
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