JP2003171024A - エア給紙装置、および画像形成装置 - Google Patents

エア給紙装置、および画像形成装置

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JP2003171024A JP2002022123A JP2002022123A JP2003171024A JP 2003171024 A JP2003171024 A JP 2003171024A JP 2002022123 A JP2002022123 A JP 2002022123A JP 2002022123 A JP2002022123 A JP 2002022123A JP 2003171024 A JP2003171024 A JP 2003171024A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 用紙がカールしていても正常な給紙を行える
エア給紙装置を提供する。 【解決手段】 用紙Pを載置し上下移動する載置板13
を有する用紙収容部14と、この用紙収容部14内に収
容された用紙Pの該用紙Pが搬送される方向前面の上部
に空気を吹き付けて最上層の用紙P1を浮揚させる複数
の浮揚手段28a、bと、上記最上層の用紙P1を吸引
して搬送する吸引搬送手段16と、上記複数の浮揚手段
28a、bの搬送方向上流側に配置され上記載置板13
上に積載された用紙最上面Psの上限位置を検知する複
数の用紙上限検知手段18a、bと、上記載置板の上昇
を制御する制御手段101とを備え、上記制御手段10
1は、上記複数の用紙上限検知手段のうち上記載置板1
3の上昇中に上記用紙最上面Psを最初に検知した用紙
上限検知手段の検知信号に基づいて、上記載置板13の
上昇を停止させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシ
ミリまたはプリンタ等の画像形成装置に装備されるエア
給紙装置およびそれが装備された画像形成装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開平10−226426
号公報に示されるようなエア給紙装置は、用紙収容部内
に収容された用紙の上部前面に向けて空気を略水平に吹
き付けることにより上層の用紙を浮揚させ、最上層の用
紙を吸引搬送させるものである。このような装置におい
ては、空気流の吹付手段である浮揚ノズルによって持ち
上げられた上層用紙は吸引搬送装置のエア吸引力により
最上層の1枚のみが吸引され、搬送供給される。
【0003】上記のようなエア給紙装置においては、用
紙収容部の用紙載置台上に用紙の束が積載されており、
用紙最上層が常に浮揚ノズルの気流部分に位置するよう
に、用紙の上限位置が検出され、用紙載置台の昇降機能
により位置設定される。しかし、昨今の森林資源節約の
気運から、一面に印刷された用紙の裏面を再使用するケ
ースが増えてきた。一般に複写機等で一面に印刷された
用紙はカールが顕著であり、また再使用前の保存状態が
劣悪であるケースが多々あることから、さらに重度のカ
ール含む用紙が再使用されることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、重度の
カールのある用紙が給紙装置の載置板上に積載される
と、最上層用紙の表面は平面とはならず、例えば図17
に示すような状態となる。図17(a)(b)は用紙が
給紙方向に対し左右方向にカールしている例である。図
17(a)では、積載用紙Pは用紙搬送の前後方向の中
心線L1の左右方向両サイドが持ち上がった状態のカー
ル(順カール)を呈しており、例えば中心線L1上Cで
用紙上限位置が検出されて用紙上限がL1位置に設定さ
れた状態を模式的に示している。用紙の左右端位置に気
流を吹き付ける浮揚ノズルは、中心線L1と同じ高さで
L1とは直交する線L2の高さ位置となり、この場合実
際の最上部表面Psの左右端位置は、L2とはやや高い
位置となってしまう。
【0005】この状態で浮揚ノズルからの気流Dが与え
られると、気流Dは積載用紙の上層用紙のみを十分な高
さまで持ち上げることができなくなり、また十分持ちあ
がったとしても複数の用紙を給紙してしまう重送の原因
となるため、結果正常な給紙が行えなくなる。また図1
7(b)では、積載用紙Pは中心線L1の左右方向両サ
イドが下がった状態のカール(逆カール)を呈してお
り、用紙の左右端位置に気流を吹き付ける浮揚ノズルの
高さ位置L2は、実際の最上部表面Psの左右端位置よ
りやや高い位置となり、実際には用紙が存在しない位置
であるため用紙間に気流Dを吹き込めなくなり、やはり
正常な給紙が行えなくなる。
【0006】また、図17(c)(d)は用紙が給紙の
前後方向にカールしている例である。図17(c)で
は、積載用紙Pは用紙搬送方向である中心線L1の前後
方向両サイドが持ち上がった状態の順カールを呈してお
り、例えば中心線L1上Cで用紙上限位置が検出されて
用紙上限がL1位置に設定された状態を模式的に示して
いる。用紙の左右端位置に気流を吹き付ける浮揚ノズル
は、中心線L1と同じ線L2の高さ位置となり、この場
合用紙の最上部表面Ps前端がL2とはやや高い位置と
なり、浮揚ノズルからの気流DはPs前端より低い位置
に吹き付けられるので、気流Dは積載用紙の上層用紙の
みを十分な高さまで持ち上げることができなくなり、ま
た十分持ちあがったとしても重送の原因となるため、結
果正常な給紙が行えなくなる。また図17(d)では、
積載用紙Pは逆に中心線L1の前後方向両サイドが下が
った逆カールを呈しており、Ps前端はL2の高さ位置
より下になる。そのため用紙間に気流Dを吹き込めなく
なり、やはり正常な給紙が行えなくなる。
【0007】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
であり、載置板を有する用紙収容部と、この用紙収容部
内に収容された用紙の該用紙が搬送される方向前面の上
部に空気を吹き付けて上層の用紙を浮揚させる複数の浮
揚手段と、上記最上層の用紙を吸引して搬送する吸引搬
送手段と、上記複数の浮揚手段の搬送方向上流側に配置
され上記用紙収容部に収容された最上部用紙の上限位置
を検知する複数の用紙上限検知手段とを備えたエア給紙
装置において、用紙がカールしていても正常な給紙を行
えるエア給紙装置および画像形成装置を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
用紙を載置し上下移動する載置板を有する用紙収容部
と、この用紙収容部内に収容された用紙の該用紙が搬送
される方向前面の上部に空気を吹き付けて最上層の用紙
を浮揚させる複数の浮揚手段と、上記最上層の用紙を吸
引して搬送する吸引搬送手段と、上記複数の浮揚手段の
搬送方向上流側に配置され上記載置板上に積載された用
紙最上面の上限位置を検知する複数の用紙上限検知手段
と、上記載置板の上昇を制御する制御手段とを備え、上
記制御手段は、上記複数の用紙上限検知手段のうち上記
載置板の上昇中に上記用紙最上面を最初に検知した用紙
上限検知手段の検知信号に基づいて、上記載置板の上昇
を停止させることを特徴としている。
【0009】カール紙が用紙収容部に載置された場合、
用紙束上面位置が場所によって異なるため、複数の用紙
上限検知手段は夫々異なるタイミングで用紙束上面位置
を検知することになる。例えば複数の用紙上限検知手段
のうち後に検知した高さで用紙束の上昇をストップする
と、最初に検知した用紙上限検知手段に対向する浮揚手
段は、エアを用紙束前面の最適位置より下側に吹き付け
るため複数の用紙が浮揚されて重送の原因となり、確実
な分離給紙が行えない。本発明の上記構成によれば、複
数の用紙上限検知手段のうち最初に検知した高さで用紙
束の上昇をストップできる。それにより、最初に検知し
た用紙上限検知手段に対向する浮揚手段のエアが用紙束
前面の最適位置に吹き付けられることになる。最上紙の
左右の一方側が吸引搬送手段まで持ち上がれば吸引搬送
手段の吸引作用で最上紙1枚のみを他方側まで順次吸着
することができ最上紙1枚の確実な分離給紙が行える。
【0010】請求項2に係る発明は、上記請求項1記載
のエア給紙装置において、上記複数の用紙上限検知手段
は、上記用紙収容部に載置された用紙の搬送方向前端付
近の上限位置を検知することを特徴としている。上記構
成によれば、例えば用紙搬送方向に撓んだカール紙が用
紙収容部に載置された場合、用紙上限検知手段は上記用
紙収容部に載置された用紙の搬送方向前端付近の上限位
置を検知するので、最上紙上面前端と浮揚手段がほぼ等
しい高さ位置で用紙上限検知を行える。これにより、浮
揚手段が積載用紙最上層に確実に空気を吹付けることが
できる位置で載置板の上昇を停止するようにでき、結果
最上層用紙の良好な浮揚を確実に行なうことができる。
【0011】請求項3に係る発明は、上記請求項2記載
のエア給紙装置において、上記複数の用紙上限検知手段
が検知する用紙位置は、用紙搬送方向に見て上記複数の
浮揚手段が空気を吹き付ける吹き付け位置の略延長線上
であることを特徴としている。例えば用紙搬送方向の左
右即ち搬送方向と直交する方向に撓んだカール紙が用紙
収容部に載置された場合、用紙上限検知手段と浮揚手段
をカールの撓み方向と直交する同一線上に配置すること
により最上紙上面が浮揚手段とほぼ同じ高さである位置
で用紙上限検知を行えるため、浮揚手段が積載用紙最上
層に確実に空気を吹付けることができる位置で載置板の
上昇を停止するようにでき、結果最上層用紙の良好な浮
揚を確実に行なうことができる。
【0012】請求項4に係る発明は、上記請求項1乃至
3記載のエア給紙装置において、上記制御手段は、上記
用紙最上面を最初に検知した検知信号を受けた位置から
所定量低い位置にきたとき上記載置板の上昇を再開させ
ることを特徴としている。上記構成によれば、用紙最上
面を最初に検知した用紙上限検知手段の位置を基に、給
紙により用紙が消費されて積載最上面が低下する下限位
置を設定できるので、カールによって適正に給紙できる
用紙前面の位置が変化したとしても、それに応じて用紙
載置台の上昇タイミングを変更できることになり、結果
として確実な分離給紙を継続させることができる。
【0013】請求項5に係る発明は、上記請求項4記載
のエア給紙装置において、上記用紙最上面を最初に検知
した検知信号を受けた位置から所定量低い位置を検知す
る検知手段が、上記複数の用紙上限検知手段以外の他の
検知手段であることを特徴としている。上記構成によれ
ば、上記用紙上限検知手段が、給紙途中の浮揚手段のエ
アにより用紙とともに浮揚していても、載置板の上昇を
再開させる用紙最上面位置を上記エアの影響を受けない
他の検知手段で精度よく検知できる。
【0014】請求項6に係る発明は、画像形成装置であ
って、請求項1乃至5記載のエア給紙装置を備え、該エ
ア給紙装置により給紙された用紙に画像形成をおこなう
ことを特徴としている。上記構成によれば、カールした
用紙でも確実な給紙によるスムーズな画像形成が可能に
なる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下図面を用いて、本発明のエア
給紙装置および画像形成装置を詳細に説明する。図1
は、本発明に係る給紙装置を備えた複写機からなる画像
形成装置1の全体構成を示している。この画像形成装置
1には、レジストローラ2及びフィードローラ3等を有
する用紙搬送部4と、感光体ドラム5、現像器6、転写
ベルト7及びクリーニング装置8等を有する画像形成部
9と、定着ローラ等を有する定着部10とが設けられて
いる。
【0016】また、上記画像形成装置1は、その機体の
側面に取り付けられる外付タイプのエア給紙装置11
と、上記画像形成部9等の下方に配設される内蔵タイプ
のエア給紙装置12とを有し、上記外付けタイプのエア
給紙装置11または内蔵タイプのエア給紙装置12から
給紙された用紙Pが上記用紙搬送部4を介して画像形成
部9に供給されるように構成されている。
【0017】上記外付けタイプのエア給紙装置11は、
図2に示すように、図外の昇降駆動手段によって昇降駆
動され、上昇時には積載された用紙最上部が所定位置ま
で上昇する載置板13を有する用紙収容部14と、この
用紙収容部14内に収容された用紙Pの上部前面に空気
を吹き付けることにより、上層の用紙P1,P2等を浮
揚させるとともに、最上層の用紙P1と下方の用紙P2
と分離させる浮揚分離手段15と、用紙収容部の上方給
紙側に、最上層の用紙P1を吸引して用紙搬送部4に搬
送する吸引搬送手段16とを備えている。この浮揚分離
手段15は、用紙の左右端近傍に設けられた浮揚ノズル
28a、b(浮揚手段)と、用紙方向の斜め上方に向い
た分離ノズル30(分離手段)を備えている。
【0018】また、上記エア給紙装置11には、用紙収
容部14内に収容された最上層の用紙P1の後部中央を
下方に押圧する押え部材17と、上記用紙収容部14内
に収容された用紙P1の上端高さ位置が用紙の消費とと
もに低下するのを検出するフォトセンサからなる検知ス
イッチ19と、これらを支持する支持フレーム50とが
設けられている。
【0019】またこのエア給紙装置11には、載置板1
3を例えば駆動モータおよびタイミングベルト等の組合
せで昇降させる駆動装置100と、上記用紙上限検知手
段18a,bからの上限位置検知信号に基づいて載置板
13の昇降を制御する制御装置101が設けられてい
る。そして、用紙上限検知手段18a,bの夫々が制御
装置101(制御手段)と、さらに制御装置101が載
置板13を昇降させる駆動装置100と電気的に接続さ
れており、用紙上限検知手段18a,b夫々からの検知
信号に基づいて載置板13の昇降が制御されるようにな
っている。(図6、7参照)
【0020】上記エア給紙装置11の浮揚分離手段15
は、用紙収容部14内に収容された用紙Pの上部前端に
対向する位置において、用紙Pの搬送方向(給紙方向)
と直交する方向に伸びる送風ダクト20を有し、この送
風ダクト20の基端部には、図3に示すように、接続ダ
クト21を介してブロワ22が接続されている。上記送
風ダクト20は、上壁23及び底壁24と、前後一対の
側壁25,26と、先端部を閉止する閉止板27とを有
し、上記両側壁25,26のうち給紙方向の後方側、つ
まり上記用紙Pの前端面に対向する位置に配設される側
壁26には、一対の浮揚ノズル28a、bが送風ダクト
20の基端部近傍及び先端部近傍に形成されている。
【0021】この浮揚ノズル28a、bは、上記側壁2
6の上下方向に伸びる所定長さの開口部からなり、この
開口部から、上記用紙収容部14内に収容された用紙P
の上部前面に向けて略水平に空気を吹き付けることによ
り、上層の用紙P1,P2を浮揚させるように構成され
ている。そしてこの浮揚ノズル28a、bが、積載され
た用紙Pの上部左右端近傍に配設されていることによ
り、用紙の側端部分に空気が吹き付けられ、上層の用紙
の側端部が浮揚して湾曲した状態(表現を変えれば、用
紙を端部から捲るように湾曲させる状態)となるため、
最上層の用紙と下方の用紙との間に側方から気流が侵入
し易くなり、効果的に最上層の用紙が分離されることに
なる。図5を用いて説明すると、収容された用紙Pの右
端と浮揚ノズル28aの左端の距離a、あるいは用紙P
の左端と浮揚ノズル28bの右端の距離bは、何れも4
0mm以内が良く、好ましくは20mm以内であれば良
好に用紙端湾曲が形成される。
【0022】また、送風ダクト20の上記側壁26と上
壁23との接続部(コーナー部)には、分離ノズル30
が送風ダクト20の基端部近傍、中央部及び先端部近傍
にそれぞれ形成されている。上記分離ノズル30は、送
風ダクト20の長手方向に伸びる所定長さの開口部から
なり、図2に示すように、浮揚ノズル28a、bによっ
て浮揚され上記吸引搬送手段16の下面に向けて斜め上
方に空気を吹き付け、浮揚ノズル28a、bによって浮
揚され上記吸引搬送手段16に吸着された最上層の用紙
P1と、その下方に位置する用紙P2とを、その反射風
によって分離させるように構成されている。これにより
用紙の重送や連なりのないスムーズな給紙が可能にな
る。
【0023】上記吸引搬送手段16は、図2及び図4に
示すように、給紙方向に所定間隔を置いて互いに平行に
配設された5個の駆動ローラ31及び従動ローラ32
と、この駆動ローラ31と従動ローラ32との間に配設
された吸引ダクト33と、上記5個の駆動ローラ31及
び従動ローラ32それぞれに巻掛けられた搬送ベルト3
4a、b、c、d、e(図4の上側から順番に)とを具
備している。そして、上記駆動ローラ31と一体に回転
する駆動軸31aが、電動モータ等からなる図外の駆動
手段によって回転駆動されることにより、上記搬送ベル
ト34が用紙P1を搬送する方向に駆動されるようにな
っている。
【0024】上記吸引ダクト33は、上下に配設された
上壁35及び下壁36と、給紙方向の前後に配設された
前壁37及び後壁38と、給紙方向の左右に配設された
一対の側壁39,40とを有するボックス状に形成され
ている。上記下壁36には、4個の吸引口41〜44が
上記搬送ベルト34の設置部に対応する位置に形成され
ている。また、上記両側壁39,40のうち給紙方向の
一方、つまり上記ブロア22が設けられた送風ダクト2
0の基端部側に位置する側壁39には、バキュームポン
プ46が接続筒47を介して接続されている。
【0025】上記搬送ベルト34は、0.5〜1.5m
m程度の厚みを有し、多数の透孔48が形成された合成
ゴム材等により構成されている。そして、上記バキュー
ムポンプ46によって吸引ダクト33内の空気を吸引す
ることにより、上記搬送ベルト34の底面に用紙Pを吸
着させるための負圧を発生させるようになっている。
【0026】上記吸引搬送手段16にはさらに、1対の
用紙上限検知手段18a、bが吸引ダクト33の下側に
設置されている。吸引ダクト33の外側には図4の上か
ら順番に搬送ベルト34a、b、c、d、e巻き掛けら
れており、各ベルト間には隙間が存在する。上記用紙上
限検知手段18a、bは、このベルト間の隙間のうち、
外側の2本のベルト間即ち搬送ベルト34a、b間及び
34d、e間の隙間に夫々設置されている。吸引ダクト
33の下壁36のこれらの位置には、ベルトに平行に長
く延びダクト内部に深く窪んだ凹部361a、bが設け
られ、用紙上限検知手段18a、bがその内部に取り付
けられている。また用紙上限検知手段18a、bが設置
されている位置は、前記送風ダクト20の浮揚ノズル2
8a、bに対向する位置である。
【0027】用紙上限検知手段18a、bの詳細を図
2、4を用いて説明する。尚図2は、説明の便宜上凹部
361の断面を描いてある。また以下a、b等の副符号
は省略する。用紙上限検知手段18は、上記凹部361
の縦断面中央部に凹部の幅方向に渡された支持軸18
0、その上部を支持軸180に対し軸まわりに回転自在
に取り付けられた略J字形状のレバー181、レバー1
81の支持軸180を挟んだ他端側に設けられ、支持軸
180を中心とした円弧状薄板である検知板182、検
知板182を通過自在に挟み込むように凹部361に取
り付けられ、載置板13上用紙束の上昇に伴うレバー1
81先端の上昇により支持軸180回りに回転移動した
検知板182を検知する検知センサ183により構成さ
れる。
【0028】レバー181は、先端の曲部が自重により
支持軸180回りに回転して下がり、用紙収容部14に
収容され所定高さ付近まで上昇している用紙最上面に当
接できるようになっている。また、浮揚分離手段15か
らのエアにより用紙が十分に浮揚できるようレバー18
1は、例えば樹脂や軽量金属等の軽量の材料で形成され
ている。そして搬送ベルト34に最上紙が到達して先端
側から吸引密着されると、レバー181はベルト34の
周内の吸引ダクト下壁36の凹部361にほぼ収納され
る。また検知センサ183には、フォトインタラプタの
ような発光部と受光部の間の光路を遮ることで検知板1
82を検知するもの等を使用できる。
【0029】用紙上限検知手段18は、用紙収容部14
内に用紙が新たに収容され、載置板13が上昇して用紙
の上限を検知する際に使用される。このときは浮揚分離
手段15からはエアが用紙前面に吹き付けられておら
ず、レバー181は浮揚ノズル28a、bのエアが吹き
付ける用紙束際上部の正確な高さを検知して、載置板1
3の上昇を停止することができる。さらに用紙束前端が
給紙方向カールにより他の部分と高さが異なっていて
も、レバー181が用紙束前端位置に当接するためエア
の吹き付け位置が用紙前端の最上部となり、確実な給紙
が行われる。また、レバー181の当接位置が浮揚ノズ
ル28a、bからのエア吹き付け方向延長線上なので、
用紙束が給紙方向に対し左右方向にカールしていても、
エア吹き付け位置の高さと同じ高さを検知して載置板1
3の上昇を停止することができる。
【0030】次に、押え部材17を、図2及び図5(図
2の断面A−Aを右側より見た図)にて説明する。押え
部材17は図に示すように、用紙収容部14内に収容さ
れた用紙Pの後部中央の上方に設置された昇降ガイド4
9によって昇降可能に支持された押圧棒51と、この押
圧棒51を下方に付勢する圧縮コイルばね52とからな
り、この圧縮コイルばね52の付勢力に対応した押圧力
で、上記押圧棒51の下端部が、最上層に位置する用紙
P1の後部中央に圧接されるように構成されている。
【0031】上記押え部材17の押圧力は、吸引搬送手
段16によって最上層の用紙P1が搬送されるのを許容
し、かつ浮揚分離手段15から上記用紙Pの上部前面に
吹き付けられる空気の風圧によって最上層の用紙P1が
上昇するのを防止することにより、最上層の用紙P1の
後部中央を、下方に位置する用紙P2に当接させた状態
に保持し得る程度に設定されている。
【0032】検知スイッチ19は、浮揚ノズル28がエ
アを噴出している連続給紙時の載置板13の上昇制御に
有効である。検知スイッチ19は、押え部材17に隣接
した支持フレーム50下部に取り付けられている。一
方、上記押え部材17の押圧棒51にはスリットを設け
た被検知板57が取り付けられており、押圧棒51の位
置を検知することにより、用紙収容部14内に収容され
た用紙Pが消費されて下降してゆくときの用紙上端面の
位置を検出するように構成されている。そして、給紙が
繰り返されることにより上記用紙Pの上端面が所定位置
に低下したことが、検知スイッチ19の検知信号に応じ
て確認された時点で、載置板13を上昇させる制御信号
が昇降駆動手段に出力され、用紙Pの消費に対応させて
用紙Pの上端面を上限位置に上昇させる制御が実行され
るようになっている。この検知スイッチ19には、例え
ば受光センサを縦方向に複数並べたものが使用できる。
そして被検知板57を挟んだ反対側には、縦方向に複数
並べた受光センサに対応する長さのLED光源が設けら
れ、被検知板57のスリットを通して通過したLED光
が複数並べた受光センサの1つを照らしその位置が受光
センサにより検知されるようになっている。
【0033】図6、7は載置板13にカールした用紙が
積載されたとき、用紙が適正な位置まで載置板13によ
り持ち上げられる様子を説明するための模式図であり、
図6はカールが給紙方向に直交する方向の場合、図7は
カールが給紙方向の場合である。図6は図5と同様、図
2の断面A−Aを上流側(右側)から見たものであり、
図7は図2と同じ方向から見たものである。なお、図面
上の煩雑を避けるため、押圧部材17については押圧棒
51のみを、吸引搬送手段16については用紙上限検知
手段18a、bのみを図示し、用紙収容部14では壁等
は省略する。また浮揚分離手段15は、浮揚ノズル28
a、b位置のみを図示する。またこのエア給紙装置11
には、載置板13を例えば駆動モータおよびタイミング
ベルト等の組合せで昇降させる昇降装置100と、上記
用紙上限検知手段18a、bからの上限位置検知信号に
基づいて載置板13の上昇を制御したり、用紙収容部1
4が空になったことが検知されると載置板13が下降す
るように制御する昇降制御装置101が設けられてい
る。
【0034】最初に図6を用いて説明する。図6(a)
は、順カール紙が載置板13に積載された場合を示す。
順カール紙束P(up)が補給された後、載置板13が
その昇降手段により上昇して用紙の左右端P(R)、P
(L)が用紙上限検知手段18a、bのレバー181
a、bに接触する。さらに順カール紙束P(up)の左
右端P(R)、P(L)が上昇してレバー181a、b
を持ち上げることにより、レバー181a、bが支持軸
レバー180a、b周りを図2における右回転すると、
検知スイッチ183a、bのセンサの光路をレバー18
1a、bの検出板182a、bが揺動遮断する。
【0035】図8は、用紙上限検知手段18a、bによ
る検知と載置板13の動きを関連付けた制御のフローチ
ャートであり、操作者が載置板13上に用紙束を積載し
たときの制御を説明するためのものである。図8におい
ては、エア給紙装置11のドアを開けて用紙を積載して
いるときは、基本的に載置台13は最下位置まで下降し
ている。ステップS1においては、エア給紙装置11に
用紙の積載が終わり、ドアが閉じられたかどうかを判断
する。閉じられていれば次のステップに進む。
【0036】エア給紙装置11のドアが閉じられると、
昇降制御装置101は用紙上限検知手段18aが用紙上
限の検知状態である信号が出力されているかどうか、す
なわち順カール紙束P(up)の右端P(R)最上部が
所定上限位置に到達している状態であるか否かを確認し
(ステップS2)、信号が出力されていなければ、用紙
上限検知手段18bの信号を確認する(ステップS
3)。このステップにおいても信号が確認されなけれ
ば、昇降装置100を駆動させて載置板13を上昇スタ
ートさせる(ステップS4)。載置板13の上昇は、用
紙上限検知手段18aあるいは18bの少なくともどち
らか一方が上限位置に到達したことが確認されるまで継
続され、前記の確認が成されれば(ステップS2あるい
はS3がY)、載置板13の上昇はストップする(ステ
ップS5)。以上で載置された用紙が給紙できる状態と
なり、画像形成装置1は待機状態となる。
【0037】以上においては、順カール紙束P(up)
の左右端P(R)、P(L)のうちどちらか一方が所定
の上限位置に到達すればよい。すなわち図6(a)にお
いては、右端P(R)が左端P(L)より高い位置にあ
るため、右端P(R)が先に上限位置Lに到達するの
で、この位置の用紙上限検知手段18aが上限検知して
上昇はストップする。この状態では、浮揚ノズル28a
は対向する順カール紙束P(up)の右端P(R)最上
部とほぼ同じ高さとなり、浮揚ノズル28aからのエア
は右端P(R)の用紙上層を浮揚させ、用紙を端部から
捲るように湾曲させて最上部用紙を浮揚させる。そして
右端側から吸引搬送手段16に吸引され、用紙の1枚の
みが分離され画像形成部9に搬送される。もし、用紙左
端P(L)側の上限検知手段18bで上限検知したとす
ると、紙束の右端P(R)は浮揚ノズル28aよりもや
や上部で停止することになり、浮揚ノズル28aからの
エアは右端P(R)から過剰な枚数の用紙を浮揚させ
て、正常な浮揚分離を阻害することになる。
【0038】図6(b)は、逆カール紙束P(dow
n)が載置板13に積載された場合を示す。逆カール紙
においても、図8の制御フローに従って、左右端P
(R)、P(L)のうちどちらか一方(この場合はP
(L)側)が最初に浮揚ノズル28に対向する高さに到
達した時点で、載置板13の上昇をストップさせればよ
く、これによりP(L)側からの正常な浮揚分離が行え
る。
【0039】次に図7を用いてカールが給紙方向の場合
を説明する。図7(a)では、給紙方向に順カールした
用紙束P(up)が載置板13に積載されている。用紙
束P(up)の前端P(F)の高さ位置Lはカールによ
り、押え部材17が当接する部分の高さ位置L‘よりも
高い位置にある。図8のフローに従って説明する。まず
給紙装置のドアクローズが検知されると(S1がY)、
昇降装置100により載置板13が上昇する。そして、
積載用紙束P(up)の前端P(F)が用紙上限検知手
段18のレバー181a、bの何れかに先に接触し所定
位置まで押し上げて、検知スイッチ183が上昇の上限
を検知(S2またはS3がY)すると、載置板13の上
昇が停止する(S5)。以上で載置された用紙が給紙で
きる状態となり、画像形成装置1は待機状態となる。
【0040】上記により、積載用紙束の前端がカールし
てやや高い位置にあっても、前端P(F)を浮揚ノズル
28と同じ高さ位置Lまで上昇させその位置に停止でき
る。これにより、浮揚ノズル28からの気流は積載用紙
束の最上部前面に正確に当てることができ、その結果正
常な浮揚分離が行える。また図7(b)で示すように、
逆カールにより用紙束の前端上面がやや下方にある場合
においても、同様に、用紙上限検知手段18のレバー1
81が用紙前端P(F)における高さ位置の上限を検知
するので、前端P(F)を浮揚ノズル28と同じ高さ位
置Lまで上昇させその位置に停止できる。これにより、
浮揚ノズル28からの気流は積載用紙束の最上部前面に
正確に当てることができ、その結果正常な浮揚分離が行
える。
【0041】次に、浮揚ノズル28がエアを噴出してい
る連続給紙時に、用紙収容部14内に収容された用紙P
が消費されて下降してゆくときの用紙上端面の位置検出
と、載置板13の上昇制御について、前述の図7および
図9のフローチャートを用いて説明する。特に請求項5
の発明におけるこの制御においては、押え部材17にお
ける検知スイッチ19が使用される。これにより、浮揚
ノズル28のエア噴出により用紙上限検知手段17のレ
バー171が搬送ベルト34の周内に上昇している場合
でも、用紙上端面の位置の検出と制御ができる。
【0042】まず図8の用紙載置時において、S2ある
いはS3で上限検知信号が出力されると(図7の(a)
または(b)の高さL)、同時に押え部材17で押え部
材17における高さ位置L‘が検知される。そして連続
給紙中の上限検知位置として登録される。また予め給紙
可能な範囲として準備された用紙上面高さの低下量Δ
が、上記登録された上限検知位置から差し引かれ、これ
が下限検知位置として登録される。また用紙載置板が上
昇停止する。
【0043】画像形成出力(コピー)を開始させると,
まず昇降制御装置101は、この給紙装置から現在給紙
動作がなされているかどうか、すなわちコピー中かどう
かを確認する(ステップT1)。コピー中であれば検知
スイッチ19が下限検知したかどうかを確認する(T
2)。検知スイッチ19が下限検知したことが確認され
ると(T2がY)、上昇指示信号が出され、昇降装置1
00が上昇動作を開始して載置板13が再度上昇開始す
る(T3)。載置板が上昇中は、昇降制御装置101は
検知スイッチ19が上限検知したかどうかを確認する
(T4)。検知スイッチ19が上限検知したことが確認
されると(T4がY)、昇降制御装置101は昇降装置
100の上昇動作を停止させる(T5)。以上の制御が
連続コピー中繰り返される。
【0044】連続コピー中に用紙がなくなると、図外の
検知手段によりそれが検知され、画像形成装置のコピー
動作は停止され、上記昇降制御もストップする。昇降制
御装置101はこの停止にともない、載置板13の下降
指示を昇降装置100に出力する。載置板13が下降し
て、ユーザーによって用紙が積載されエア給紙装置11
のドアが閉じられると、図8の制御フローに従って載置
板13が上昇し、L‘の位置から上限検知位置と下限検
知位置が新たに登録され、コピーが再開されると、図9
の制御フローに従って載置板13の上昇が制御される。
【0045】次に、内蔵タイプのエア給紙装置12に本
発明を適用した場合について説明する。なお、前記外付
けタイプのエア給紙装置11と共通する部分について
は、同じ符号を用い、詳しい説明を省略する。内蔵タイ
プのエア給紙装置12は、図10に示すように、給紙方
向の前方側(下流側)に配設された第1用紙収容部58
と、給紙方向の後方側(上流側)に配設された第2用紙
収容部59と、この第2用紙収容部59内に収容された
上層の用紙Pを第1用紙収容部58上に移送する用紙移
送手段60とを備え、第1用紙収容部58内の用紙Pが
全て消費された時点で、上記用紙移送手段60を作動さ
せて第2用紙収容部59内に収容された上層の用紙P
を、第1用紙収容部58の載置板上に移送するように構
成されている。また、このエア給紙装置12は、前記外
付けタイプのエア給紙装置11と同様に、浮揚手段と分
離手段を含む浮揚分離手段15と吸引搬送手段16とを
備えている。
【0046】このエア給紙装置12では、第1用紙収容
部58において、本願の発明が用いられているため、以
後は主に第1用紙収容部58について説明する。図10
における断面B−Bを右側から見た図11において、上
記第1用紙収容部58は、それぞれ所定サイズの用紙P
が載置される載置板158と、この載置板158上に載
置された用紙Pの前後移動を規制する前後一対の押え板
(図示せず)と、上記用紙Pの左右移動を規制する左右
一対の押え板(図示せず)とを有している。上記載置板
158は、図外の昇降装置100によって昇降駆動され
ることにより、載置板158に載置された用紙Pの最上
面を、上記吸引搬送手段16の搬送位置及び用紙移送手
段60の移送位置に、用紙Pの消費に伴いそれぞれ上昇
させるように構成されている。
【0047】上記第1用紙収容部58の載置板158上
に載置された用紙Pが全て消費された場合には、上記載
置板158が最上方のガイド位置に上昇することによ
り、後方の第2収容部59から搬送される用紙Pのガイ
ド板として機能するようになっている。また、上記第
1,第2用紙収容部58,59の両方に収容された用紙
Pが全て消費された場合には、上記載置板158,15
9を最下方の用紙補給位置に下降させるように構成され
ている。
【0048】上記用紙移送手段60は、図10に示すよ
うに、第1、第2用紙収容部58、59の上方に第1、
第2搬送ローラ61,62を夫々備えている。また第1
用紙収容部58上部には、用紙束前端部に前記吸引搬送
手段16から垂下される用紙上限検知手段18a、b
を、エア給紙装置11と同様に用紙の左右端に備えてい
る。
【0049】図11を用いて第1搬送ローラ61を説明
する。前記用紙移送手段60から垂下される第1搬送ロ
ーラ61は、用紙Pの幅方向略中央に位置している。支
持フレーム(図示せず)に設けられた回転軸65は図外
の駆動装置によって回転駆動されるとともに、この回転
駆動力を図外のギア機構及びクラッチ機構により上記第
1搬送ローラ61に伝達して、この第1搬送ローラ61
を回転駆動するように構成されている。そして、回転軸
65に支持された2枚のブラケット64の間に、伝動ベ
ルトとプーリにて構成された動力伝達手段66により、
2枚のブラケット64それぞれの外側に回動自在に支持
された2個の第1搬送ローラ61を、用紙Pを搬送する
方向に駆動回転させるように構成されている。この第1
搬送ローラ61は、その自重によって最上層の用紙Pに
当接した状態で、上記回転軸65から伝達された駆動力
に応じて回転駆動されることにより、最上層の用紙Pを
第2用紙収容部59から第1用紙収容部58へ移送する
ようになっている。また、第1用紙収容部58から画像
形成部9に向けて用紙Pを搬送する際第1搬送ローラ6
1がフリー回転となるように、その内部にワンウエイク
ラッチ等が組み込まれている。
【0050】支持フレーム50の第1搬送ローラ61の
上方には、検知スイッチ19が取り付けられており、第
1搬送ローラ61のブラケット64の片側上部には、こ
の検知スイッチ19により検知される被検知板57が延
設されている。この検知スイッチ19は、用紙載置板1
58に用紙を積載した後、載置板158が上昇して最初
の用紙上限検知手段18により上昇上限が検知される
と、その位置(L‘)を上限制御位置として検知し、図
外の昇降制御装置101にその位置を登録する。また、
L’よりもΔだけ低い下限制御位置も同時に登録され
る。次に連続コピーが開始され、第1搬送ローラ61の
用紙当接位置が、連続コピー中に第1用紙収容部58の
用紙が消費されることにより下限制御位置まで低下する
のを、被検知板57の位置により検知するようになって
いる。そして、上記用紙Pの上端面が下限制御位置に低
下したことが、検知スイッチ19により検知された時点
で、載置板13を上昇させる制御信号が昇降制御装置1
01から駆動手段100に出力され、用紙Pの消費に対
応させて用紙Pの上端面を上限制御位置に上昇させる制
御が実行されるようになっている。この検知スイッチ1
9には、例えば前述のエア給紙装置11の検出スイッチ
19で使用されるタイプでよく、被検知板19も同様に
スリットを設けたものでよい。
【0051】また支持フレーム50からは、第1搬送ロ
ーラ61の給紙方向下流側で第1用紙収納部58の中央
よりやや上流側左右に1対の押え部材200a、bが軸
201a、bにより用紙搬送方向に揺動自在に垂下して
いる。この押え部材200a、bは、略J字状の樹脂等
で形成されており、浮揚分離手段15の浮揚ノズル28
a、bが噴出す気流の延長線上に配置され、第1用紙収
納部58に載置された用紙最上面に自重で垂下当接して
いる。押え部材200a、bは、浮揚ノズル28a、b
が噴出す気流が第1用紙収納部58から第2用紙収納部
59に吹き抜ける際、用紙後部の左右端を持ち上げてば
たつかせたり巻き上がらせたりするのを上から押えるこ
とにより防止するとともに、第2用紙収納部59から第
1用紙収納部58へ用紙が搬送される際に用紙前部左右
が風圧でめくれないように押え込みコーナー折れ等の発
生を防止している。
【0052】また、吸引搬送手段16には、1対の用紙
上限検知手段18a、bが吸引ダクト33の下側に設置
されて、用紙束最上面前端の浮揚ノズル28a、bから
の気流の延長線上位置に垂下当接するようになってい
る。用紙上限検知手段18a、bの構成は先に述べた外
付けのエア給紙装置11と同じであるため、詳細説明は
省略する。また、この第1用紙収納部58における載置
板の上昇制御は、エア給紙装置11と同様、図8図9の
フローに従って行われる。この場合、用紙搬送方向に直
交するカールに対しては、図6の説明のように上昇制御
され、用紙搬送方向のカールに対しては、図7の説明の
ように上昇制御されることにより、良好な給紙が行われ
る。
【0053】また、第1用紙収納部58が空になって第
2用紙収納部59から用紙が搬送される場合は、載置板
158は予め指定されている位置(第2用紙収納部59
から1枚ずつ用紙が搬送されながらエア給紙される最適
位置)に移動した後、搬送が開始され、そのつどエア給
紙される。このように、内蔵タイプのエア給紙装置にお
いても、本発明が実施されることにより、どのようにカ
ールした用紙であってもエアによる浮揚ミスのない給紙
が遂行できる。
【0054】以上説明したように、カール紙が用紙収容
部に載置された際、用紙束上面位置が場所によって異な
るため、複数の用紙上限検知手段は夫々異なるタイミン
グで用紙束上面位置を検知することになる。この場合、
複数の用紙上限検知手段のうち最初に検知した高さで用
紙束の上昇をストップすれば、最初に検知した用紙上限
検知手段に対向する浮揚手段のエアが用紙束前面の最適
位置に吹き付けられることになる。最上紙の左右の一方
側が吸引搬送手段まで持ち上がれば吸引搬送手段の吸引
作用で最上紙1枚のみを他方側まで順次吸着することが
でき最上紙1枚の確実な分離給紙が行える。
【0055】また、例えば用紙搬送方向に撓んだカール
紙が用紙収容部に載置された場合、用紙上限検知手段は
用紙収容部に載置された用紙の搬送方向前端付近の上限
位置を検知するので、最上紙上面前端と浮揚手段がほぼ
等しい高さ位置で用紙上限検知を行える。これにより、
浮揚手段が積載用紙最上層に確実に空気を吹付けること
ができる位置で載置板の上昇を停止するようにでき、結
果最上層用紙の良好な浮揚を確実に行なうことができ
る。
【0056】また、例えば用紙搬送方向の左右即ち搬送
方向と直交する方向に撓んだカール紙が用紙収容部に載
置された場合、用紙上限検知手段と浮揚手段をカールの
撓み方向と直交する同一線上に配置することにより最上
紙上面が浮揚手段とほぼ同じ高さである位置で用紙上限
検知を行えるため、浮揚手段が積載用紙最上層に確実に
空気を吹付けることができる位置で載置板の上昇を停止
するようにでき、結果最上層用紙の良好な浮揚を確実に
行なうことができる。
【0057】また、用紙最上面を最初に検知した検知信
号を受けた位置から所定量低い位置にきたとき載置板の
上昇を再開させれば、カールによって適正に給紙できる
用紙前面の位置が変化したとしても、それに応じて用紙
載置台の上昇タイミングを変更できることになり、結果
として確実な分離給紙を継続させることができる。ま
た、給紙中の用紙上端の下限制御位置を検知する検知手
段が、複数の用紙上限検知手段以外の他の検知手段であ
れば、用紙上限検知手段が、給紙途中の浮揚手段のエア
により用紙とともに浮揚していても、載置板の上昇を再
開させる用紙最上面位置を上記エアの影響を受けない他
の検知手段で精度よく検知できる。以上により、カール
した用紙でも確実な給紙によるスムーズな画像形成が可
能になる。
【0058】なお上記実施形態では、最上紙上面に直接
接触する用紙上限検知手段を例示したが、これに限定さ
れるものではなく、例えば赤外光やレーザー光などを用
紙表面に反射させ戻ってきた光の位相から用紙の位置を
測定する光学式距離センサのような、非接触タイプの検
出手段を用いてもよい。また、光学式に限らず、磁気や
超音波による検出手段の使用も可能である。
【0059】また上記実施形態では、連続給紙中の上限
制御位置の検知を、用紙幅方向中心を押える押え部材1
7に併設される検知スイッチ19、或いは第1搬送ロー
ラ61に併設される検知スイッチ19により行なった
が,これに限定されるものではなく、載置板を昇降させ
る駆動源に例えばスティッピングモータのような回転量
の設定が可能なものを使用し、下限検知位置から上限検
知位置までの上昇量を制御してもよい。
【0060】また上記実施形態では、用紙上限検知手段
は、用紙束前端位置の浮揚ノズル対向位置としたが、給
紙方向に直交するカール紙のみを扱うのであれば用紙束
前端位置に限定する必要はなく、また給紙方向のカール
紙のみを扱うのであれば浮揚ノズル対向位置に限定する
必要はない。例えば、本体内蔵タイプのエア給紙装置1
2においては、第1用紙収納部58の中央よりやや上流
側左右に備えた1対の押え部材のかわりに、用紙上限検
知手段を設けて、給紙方向に直交するカール紙の上限検
知機能と押え部材としての機能を併せ持たせてもよい。
【0061】上記ような、押え部材のかわりに用紙上限
検知手段を設けた給紙装置を、画像形成装置1の外付け
タイプのエア給紙装置11’(図12、13)、及び内
蔵タイプのエア給紙装置12’(図14、15)として
説明する。ここでは、これまでの実施形態(エア給紙装
置11、12)と重複する部分の図面の符号は、便宜上
同じ符号で示す。
【0062】外付けタイプのエア給紙装置11’を、そ
の断面図である図12および、図12の断面A−Aを示
す図13を用いて説明する。このエア給紙装置11’
は、前述したエア給紙装置11では吸引搬送手段16の
内部に配置してあった用紙上限検知手段を、用紙収容部
14の上流側の左右に配置した点以外は、エア給紙装置
11と同様の構成である。
【0063】図12に示すように、このエア給紙装置1
1’は、同様に載置板13を有する用紙収容部14、浮
揚分離手段15、吸引搬送手段16とを備えている。ま
た、このエア給紙装置11’には、用紙収容部14内に
収容された最上層の用紙P1の後部中央を下方に押圧す
る押え部材17が設けられている。そしてこの押え部材
17の用紙幅方向両側部には、上記最上層の用紙P1の
左右で上記浮揚ノズル28a、bのエア噴出方向とほぼ
対向する位置に、揺動レバー518a、bが、用紙P1
を軽く押圧するように接触して備えられている。また、
この揺動レバー518近傍には、揺動レバー518の上
端部580の位置により、上記用紙収容部14内に収容
された用紙P1の上端位置を検出する、例えばフォトセ
ンサからなる上限検出スイッチ519a、bがさらに設
けられており、上記用紙上限検知レバー518ととも
に、用紙上限検知手段581a、bを構成している。な
お、押え部材517、揺動レバー518、上限検出スイ
ッチ519は、支持フレーム50に支持されている。
【0064】またこのエア給紙装置11’には、図6と
同様に、載置板13を昇降させる駆動装置100と、載
置板13の昇降を制御する制御装置101が設けられて
いる。そして、用紙上限検知手段581a、bの夫々が
制御装置101と、さらに制御装置101が載置板13
を昇降させる駆動装置100と電気的に接続されてお
り、用紙上限検知手段581a、b夫々からの検知信号
に基づいて載置板13の昇降が制御されるようになって
いる。
【0065】用紙上限検知手段581a、bの揺動レバ
ー518は、所定厚の合成樹脂材あるいは金属材等から
なり、支持フレーム50に垂下固定された支持枠531
に、支持軸530により支持されている。そして上記支
持軸530を支点にして揺動自在に構成されている。揺
動レバー518の下側先端部には円弧状部554が形成
され、該先端部(円弧状部554)はその自重により、
用紙収容部14内に用紙が積載されているときには、用
紙Pの最上面に常時接触した状態に維持されている。
【0066】一方、用紙上限検知手段581の上限検出
スイッチ519は、揺動レバー518の上端部580の
位置に関連付けられて支持フレーム50に設置されてい
る。この上限検出スイッチ519は、例えば、発光部と
受光部を備えたフォトセンサにより構成され、その発光
部と受光部の間の光路に揺動レバー518の上端部58
0が、揺動レバー518の揺動により割り込むようにな
っている。用紙収容部14内の載置板13が上昇して用
紙Pの最上面位置が上昇し、用紙P最上面に接触してい
る円弧状部554が上向きに押されることにより揺動レ
バー518が支持軸553周りを図12における右回転
すると、上限検出スイッチ519のセンサの光路を上端
部580が揺動遮断する。これにより、用紙P最上面の
位置が検出され、この検出信号が制御装置101に送ら
れて、載置板13の上昇がストップさせられる。
【0067】その後の用紙の消費により用紙Pの最上面
位置が低下し、接触している円弧状部554が自重によ
り低下し揺動レバー518が支持軸530周りをやや左
回転すると、上端部580が上昇して上限検出スイッチ
519のセンサの光路が復活する。これにより、載置板
13を再度上昇させるための第2の信号が送信されて、
載置板13が再上昇される。
【0068】図6(a)(b)には、載置板13にカー
ルした用紙が積載されたとき、用紙が適正な位置まで載
置板13により持ち上げられる様子を示している。この
図は図12の断面A−Aを上流側(右側)から見たもの
である。図6(a)は、順カール紙が載置板13に積載
された場合を示す。順カール紙束P(up)が補給ある
いは消費された後、載置板13がその昇降手段により上
昇して用紙の左右端P(R)、P(L)が用紙上限検知
手段581a、bの揺動レバー518の円弧状部554
に接触する。さらに順カール紙束P(up)の左右端P
(R)、P(L)が上昇して円弧状部554を持ち上げ
ることにより、揺動レバー518が支持軸553周りを
図2における右回転すると、上限検出スイッチ519の
センサの光路を揺動レバー518の上端部580が揺動
遮断する。
【0069】図8、16は、用紙上限検知手段581
a、bによる検知と載置板13の動きを関連付けた制御
のフローチャートであり、図8は操作者が載置板13上
に用紙束を積載したとき、図16は連続給紙時の制御を
説明するためのものである。図8のフローは、前述した
実施形態と同じであるため、同じフローチャートで説明
する。図8においては、エア給紙装置11のドアを開け
て用紙を積載しているときは、基本的に載置台13は最
下位置まで下降している。ステップU1においては、エ
ア給紙装置11に用紙の積載が終わり、ドアが閉じられ
たかどうかを判断する。閉じられていれば次のステップ
に進む。
【0070】エア給紙装置11のドアが閉じられると、
昇降制御装置101は用紙上限検知手段581aが用紙
上限の検知状態である信号が出力されているかどうか、
すなわち順カール紙束P(up)の右端P(R)最上部
が所定上限位置に到達している状態であるか否かを確認
し(ステップU2)、信号が出力されていなければ、用
紙上限検知手段581bの信号を確認する(ステップU
3)。このステップにおいても信号が確認されなけれ
ば、昇降装置100を駆動させて載置板13を上昇スタ
ートさせる(ステップU4)。載置板13の上昇は、用
紙上限検知手段581aあるいは581bの少なくとも
どちらか一方が上限位置に到達したことが確認されるま
で継続され、前記の確認が成されれば(ステップU2あ
るいはU3がY)、載置板13の上昇はストップする
(ステップU5)。
【0071】図16においては、給紙中に用紙が消費さ
れ最上層に位置が低下したため、載置板13を上昇させ
る場合を示す。まず昇降制御装置101は、現在給紙動
作がなされているかどうか、すなわちコピー中かどうか
を確認する(ステップV1)。コピー中であれば用紙上
限検知手段581a、581bの順序で上限位置かどう
かの確認を行ない(ステップV2,V3)、少なくとも
どちらか一方が上限位置であれば昇降装置100を駆動
させず、両者共上限位置を下回っている(ステップV
2,V3ともN)ことが確認されると、昇降装置100
を駆動させて載置板13を上昇スタートさせる(ステッ
プV4)。載置板13の上昇は、用紙上限検知手段58
1aあるいは581bの少なくともどちらか一方が上限
位置に到達したことが確認されるまで継続され、前記の
確認が成されれば(ステップV2あるいはV3がY)、
載置板13の上昇はストップする(ステップV5)。
【0072】ここで、例えば用紙上限検知手段581a
の方が上限位置に到達したことが確認された場合、この
検知手段581aによる到達位置が上限位置として登録
される。またシステム上、到達が確認されてから載置板
13の上昇がストップするまでに時間差が設けてあるよ
うな場合、その間に検知手段581bも上限検知された
場合でも、先に到達した検知手段581aによる到達位
置が登録され、この場合はストップするまでの時間差分
の上昇を加算した位置が上限位置となる。
【0073】その後載置板13上の積載用紙が消費され
て最上面位置が低下すると、揺動レバー518の円弧状
部554の低下によりレバー518が支持軸530を左
回転して、最初に用紙上限を検知した検知手段581a
の上限検知スイッチ519aのセンサ光路を遮蔽してい
た上端部580が移動し、光路が復活する。これにより
スイッチ519aの上限検知信号がOFF状態に戻り、
制御装置101に第2の検知信号として送信される(ス
テップV6)。制御装置101はこの第2の検知信号に
基づいて載置板13の上昇を再スタートさせる(ステッ
プV4)。以降は、またステップV1に戻って、ここま
でのサイクルが繰り返される。
【0074】以上においては、順カール紙束P(up)
の左右端P(R)、P(L)のうちどちらか一方が所定
の上限位置に到達すればよい。すなわち図6(a)にお
いては、右端P(R)が先に上限位置Lに到達するの
で、用紙上限検知手段581aが上限検知して上昇はス
トップする。この状態では、浮揚ノズル28aは対向す
る順カール紙束P(up)の右端P(R)最上部とほぼ
同じ高さとなり、浮揚ノズル28aからのエアは右端P
(R)の用紙上層を浮揚させ、用紙を端部から捲るよう
に湾曲させて最上部用紙を浮揚させる。そして右端側か
ら吸引搬送手段16に吸引され、用紙の1枚のみが分離
され画像形成部9に搬送される。
【0075】そして、用紙が消費されて用紙最上面が低
下し、浮揚ノズル28aによる最上部用紙の浮揚に支障
が出るようになる以前の所定量の低下に達すると、第2
の検知信号が出力されて、用紙は再度上昇する。たとえ
用紙の厚みが変わっても、その消費スピードの差等に影
響されることなく、常に一定量の用紙最上面高さの低下
のみに支配されるので、最上紙の浮揚に支障が出てくる
状態になる前に、確実に載置板の再上昇を開始させるこ
とができる。
【0076】また、用紙上限検知手段581a、bは、
揺動レバー518により用紙端上部を押さえているの
で、浮揚ノズル28a、bからのエアにより上限検知点
において用紙上層が浮揚するのを防いでいる。これによ
り上限検知点における用紙最上部が浮動することがな
く、検知が安定する。また、押え部材17は、押圧棒5
1が圧縮コイルばね52により用紙上面に付勢されてい
るので、上限位置Lと押え部材17の接触位置L’の間
に高さの差が生じても、吸収できるものである。
【0077】図6(b)は、逆カール紙束P(dow
n)が載置板13に積載された場合を示す。逆カール紙
においても、用紙左右端における検出機構や制御のフロ
ーは同じであるため、説明を省略する。また押え部材1
7が、上限位置Lと押え部材17の接触位置L’の間に
高さの差が生じても、吸収できることも同様である。
【0078】次に、内蔵タイプのエア給紙装置12’に
ついて、その断面図である図14および、図14の断面
B−Bを示す図15を用いて説明する。なお、前述のエ
ア給紙装置11、12、11’と共通する部分について
は、同じ符号を用い、詳しい説明を省略する。
【0079】図14に示すように、内蔵タイプのエア給
紙装置12’は、エア給紙装置12と同様に、第1用紙
収容部58、第2用紙収容部59、用紙移送手段60と
を備え、第1用紙収容部58内の用紙Pが全て消費され
た時点で、上記用紙移送手段60を作動させて第2用紙
収容部59内に収容された上層の用紙Pを、第1用紙収
容部58の載置板上に移送するように構成されている。
また、エア給紙装置12と同様に、浮揚手段と分離手段
を含む浮揚分離手段15と吸引搬送手段16とを備えて
いる。
【0080】本願の発明が用いられている第1用紙収容
部58について説明する。図15において、上記第1用
紙収容部58は、エア給紙装置12と同様に、載置板1
58と、前後一対の押え板(図示せず)と、左右一対の
押え板(図示せず)とを有し、上記載置板158は、図
外の昇降装置100によって昇降駆動されることによ
り、載置板158に載置された用紙Pの最上面を、上記
吸引搬送手段16の搬送位置及び用紙移送手段60の移
送位置に、用紙Pの消費に伴いそれぞれ上昇させるよう
に構成されている。
【0081】上記第1用紙収容部58の載置板158上
に載置された用紙Pが全て消費された場合には、上記載
置板158が最上方のガイド位置に上昇することによ
り、後方の第2収容部59から搬送される用紙Pのガイ
ド板として機能するようになっている。また、上記第
1,第2用紙収容部58,59の両方に収容された用紙
Pが全て消費された場合には、上記載置板158,15
9を最下方の用紙補給位置に下降させるように構成され
ている。上記用紙移送手段60は、図14に示すよう
に、第1、第2用紙収容部58、59の上方に第1、第
2搬送ローラ61,62を夫々備えている。また第1用
紙収容部58上部には、用紙上限検知手段581a、b
を、エア給紙装置11と同様に用紙の左右端に備えてい
る。
【0082】前記用紙移送手段60から垂下される第1
搬送ローラ61は、用紙Pの幅方向略中央に位置してい
る。支持フレーム(図示せず)に設けられた回転軸65
は図外の駆動装置によって回転駆動されるとともに、こ
の回転駆動力を図外のギア機構及びクラッチ機構により
上記第1搬送ローラ61に伝達して、この第1搬送ロー
ラ61を回転駆動するように構成されている。そして、
回転軸65に支持された2枚のブラケット64の間に、
伝動ベルトとプーリにて構成された動力伝達手段66に
より、2枚のブラケット64それぞれの外側に回動自在
に支持された2個の第1搬送ローラ61を、用紙Pを搬
送する方向に駆動回転させるように構成されている。
【0083】この第1搬送ローラ61は、その自重によ
って最上層の用紙Pに当接した状態で、上記回転軸65
から伝達された駆動力に応じて回転駆動されることによ
り、最上層の用紙Pを第2用紙収容部59から第1用紙
収容部58へ移送するようになっている。また、第1用
紙収容部58から画像形成部9に向けて用紙Pを搬送す
る際第1搬送ローラ61がフリー回転となるように、そ
の内部にワンウエイクラッチ等が組み込まれている。ま
た、最上層の用紙P1の左右で上記浮揚ノズル28a、
bとほぼ対向する位置には、用紙上限検知手段581
a、bが配設されている。用紙上限検知手段581a、
bの構成は、エア給紙装置11’と同じであるため説明
を省略する。
【0084】図15は、順カール紙束P(up)を積載
した例である。用紙上限検知手段581a、bにより、
操作者が載置板158上に用紙束を積載したときには図
8のフローに従い載置板158の位置が制御される。ま
た、給紙中に用紙が消費され最上層に位置が低下してゆ
く途中では、図17のフローに従い載置板158の位置
が制御される。
【0085】このように、用紙上限検知手段581a、
bのうち最初に上限検知した側の上限位置L(図では用
紙上限検知手段581a側)は、浮揚ノズル28aとほ
ぼ同じ高さ位置(最適浮揚位置)となるため、順カール
紙束P(up)の右端P(R)側から適正な浮揚が行わ
れることにより、正常な分離搬送が実行される。また、
用紙上限検知手段581a、bが、エア給紙装置12に
おける押え部材200a、bを兼ねているので、給紙装
置がシンプルとなり小型化が可能である。また、部品数
が減少できて、コストダウンとなる。また第1搬送ロー
ラ61は、回転軸65を支点としたブラケット64によ
り自由に上下動するので、上限位置Lと第1搬送ローラ
61の接触位置L’の間に高さの差が生じても、吸収で
きる。これらは、逆カール紙P(down)においても
同様であるため、説明、図共に省略する。
【0086】上記エア給紙装置11’、12’において
もまた、浮揚ノズルが用紙側端部、特に上記実施形態の
ように両側端に配置された場合には、同様に両側端位置
に配置された用紙上限検知手段により、用紙側端最上部
が正確に浮揚ノズルの一まで持ち上げられ、さらに側端
から用紙を捲るように湾曲させて、最上紙と下部用紙の
間を十分に分離しながら浮揚させるため、より完全な浮
揚分離が可能になる。図13中、収容された用紙Pの右
端と浮揚ノズル28の左端の距離a、あるいは用紙Pの
左端と浮揚ノズル29の右端の距離bは、何れも40m
m以内が良く、好ましくは20mm以内であれば良好に
用紙端湾曲が形成される。
【0087】その他、請求項の範囲内で、種々の変形態
様を採用することが可能である。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る本
発明では、複数の用紙上限検知手段のうち最初に検知し
た高さで用紙束の上昇を停止させるので、最初に検知し
た用紙上限検知手段に対向する浮揚手段のエアが用紙束
前面の最適位置に吹き付けられることになる。例えば複
数の用紙上限検知手段のうち後に検知した高さで用紙束
の上昇をストップすることにより生じる重送等を回避で
き、最上紙1枚の確実な分離給紙が行える。
【0089】また請求項2に係る本発明では、上記請求
項1記載のエア給紙装置において、用紙上限検知手段は
上記用紙収容部に載置された用紙の搬送方向前端付近の
上限位置を検知するので、例えば用紙搬送方向に撓んだ
カール紙が用紙収容部に載置された場合、最上紙上面前
端と浮揚手段がほぼ等しい高さ位置で用紙上限検知を行
える。これにより、浮揚手段が積載用紙最上層に確実に
空気を吹付けることができる位置で載置板の上昇を停止
するようにでき、結果最上層用紙の良好な浮揚を確実に
行なうことができる。
【0090】また請求項3に係る本発明では、上記請求
項1または2記載のエア給紙装置において、複数の用紙
上限検知手段が検知する用紙位置は、用紙搬送方向に見
て上記複数の浮揚手段が空気を吹き付ける吹き付け位置
の略延長線上であるので、例えば用紙搬送方向の左右即
ち搬送方向と直交する方向に撓んだカール紙が用紙収容
部に載置された場合、用紙上限検知手段と浮揚手段をカ
ールの撓み方向と直交する同一線上に配置することによ
り最上紙上面が浮揚手段とほぼ同じ高さである位置で用
紙上限検知を行えるため、浮揚手段が積載用紙最上層に
確実に空気を吹付けることができる位置で載置板の上昇
を停止するようにでき、結果最上層用紙の良好な浮揚を
確実に行なうことができる。
【0091】また請求項4に係る本発明では、上記請求
項1乃至3記載のエア給紙装置において、用紙最上面を
最初に検知した検知信号を受けた位置から所定量低い位
置にきたとき上記載置板の上昇を再開させるので、カー
ルによって適正に給紙できる用紙前面の位置が変化した
としても、それに応じて用紙載置台の上昇タイミングを
変更できることになり、結果として確実な分離給紙を継
続させることができる。
【0092】また請求項5に係る本発明では、上記請求
項4記載のエア給紙装置において、用紙最上面を最初に
検知した検知信号を受けた位置から所定量低い位置を検
知する検知手段が、上記複数の用紙上限検知手段以外の
他の検知手段なので、用紙上限検知手段が、給紙途中の
浮揚手段のエアにより用紙とともに浮揚していても、載
置板の上昇を再開させる用紙最上面位置を上記エアの影
響を受けない状態で精度よく検知できる。
【0093】また請求項6に係る本発明では、請求項1
乃至5記載のエア給紙装置を備えた画像形成装置であっ
て、これらのエア給紙装置により給紙された用紙に画像
形成をおこなう。これにより、カールした用紙でも確実
な給紙によるスムーズな画像形成が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエア給紙装置を備えた画像形成装
置の全体構成を示す説明図である。
【図2】本発明に係る外付けタイプのエア給紙装置11
の具体的構成を示す断面図である。
【図3】浮揚分離手段の具体的構成を示す斜視図であ
る。
【図4】吸引搬送手段の具体的構成を示す平面図であ
る。
【図5】図2のA−A線断面図である。
【図6】本発明の用紙上限検知説明するための、外付け
タイプのエア給紙装置断面図で、搬送方向左右にカール
した用紙束を載置した時の例である。
【図7】本発明の用紙上限検知説明するための、外付け
タイプのエア給紙装置11の断面図で、搬送方向前後に
カールした用紙束を載置した時の例である。
【図8】本発明に係るエア給紙装置における用紙積載時
の載置台上昇制御の一例を示すフローチャートである。
【図9】図2の装置における連続給紙時の載置台上昇制
御の一例を示すフローチャートである。
【図10】本発明に係る内蔵タイプのエア給紙装置12
の具体的構成を示す断面図である。
【図11】図10のB−B線断面図である。
【図12】本発明に係る外付けタイプのエア給紙装置1
1’の具体的構成を示す断面図である。
【図13】図12のA−A線断面図である。
【図14】本発明に係る内蔵タイプのエア給紙装置1
2’の具体的構成を示す断面図である。
【図15】図14のB−B線断面図である。
【図16】図12の装置における連続給紙時の載置台上
昇制御の一例を示すフローチャートである。
【図17】従来の問題点を説明するための模式図であ
る。
【符号の説明】
1 画像形成装置 11、11’ エア給紙装置(外付けタイプ) 12、12’ エア給紙装置(内蔵タイプ) 13、158 載置板 14 用紙収容部 16 吸引搬送手段 18a、18b、581a、581b 用紙上限検知手
段 28a、28b 浮揚ノズル(浮揚手段) 58 第1用紙収容部 101 昇降制御装置(制御手段)
フロントページの続き (72)発明者 柏城 信之 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 京セラ ミタ株式会 社内 Fターム(参考) 2H072 AA09 AA12 AA24 AB07 BA05 BA08 BA13 CA01 CA02 CA05 CB09 3F343 FA02 FB02 FB03 FC29 GA01 GB01 GC01 GD01 HB04 HC04 HD07 HD16 JB05 JB17 JB24 JD03 JD28 KB03 KB05 KB20 MA03 MA09 MA32 MB09 MB12 MC03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 用紙を載置し上下移動する載置板を有す
    る用紙収容部と、この用紙収容部内に収容された用紙の
    該用紙が搬送される方向前面の上部に空気を吹き付けて
    最上層の用紙を浮揚させる複数の浮揚手段と、上記最上
    層の用紙を吸引して搬送する吸引搬送手段と、上記複数
    の浮揚手段の搬送方向上流側に配置され上記載置板上に
    積載された用紙最上面の上限位置を検知する複数の用紙
    上限検知手段と、上記載置板の上昇を制御する制御手段
    とを備え、上記制御手段は、上記複数の用紙上限検知手
    段のうち上記載置板の上昇中に上記用紙最上面を最初に
    検知した用紙上限検知手段の検知信号に基づいて、上記
    載置板の上昇を停止させることを特徴とするエア給紙装
    置。
  2. 【請求項2】 上記複数の用紙上限検知手段は、上記用
    紙収容部に載置された用紙の搬送方向前端付近の上限位
    置を検知することを特徴とする請求項1記載のエア給紙
    装置。
  3. 【請求項3】 上記複数の用紙上限検知手段が検知する
    用紙位置は、用紙搬送方向に見て上記複数の浮揚手段が
    空気を吹き付ける吹き付け位置の略延長線上であること
    を特徴とする請求項1または2記載のエア給紙装置。
  4. 【請求項4】 上記制御手段は、上記用紙最上面を最初
    に検知した検知信号を受けた位置から所定量低い位置に
    きたとき上記載置板の上昇を再開させることを特徴とす
    る請求項1乃至3記載のエア給紙装置。
  5. 【請求項5】 上記用紙最上面を最初に検知した検知信
    号を受けた位置から所定量低い位置を検知する検知手段
    が、上記複数の用紙上限検知手段以外の他の検知手段で
    あることを特徴とする請求項4記載のエア給紙装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5記載のエア給紙装置を備
    え、該エア給紙装置により給紙された用紙に画像形成を
    おこなうことを特徴とする画像形成装置。
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