JP2003170814A - ワイパピボット及びワイパピボットに用いる防水部材 - Google Patents

ワイパピボット及びワイパピボットに用いる防水部材

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JP2003170814A
JP2003170814A JP2001373136A JP2001373136A JP2003170814A JP 2003170814 A JP2003170814 A JP 2003170814A JP 2001373136 A JP2001373136 A JP 2001373136A JP 2001373136 A JP2001373136 A JP 2001373136A JP 2003170814 A JP2003170814 A JP 2003170814A
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wiper
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pivot lever
waterproof
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JP2001373136A
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English (en)
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Tetsuya Nakatsuka
哲也 中司
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Asmo Co Ltd
Original Assignee
Asmo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】連結部が被水されるのを防ぐための防水部材を
簡単に組み付けること。 【解決手段】ピボットレバー26の端部とリンクロッド
25の端部とを転動自在に連結する連結ピン30を設け
る。この連結ピン30の基端部に、ピボットレバー26
とリンクロッド25との連結部32を上側から覆う防水
カバー34を取り付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のウィンドシ
ールドガラスなどを払拭するワイパピボット及びワイパ
ピボットに用いる防水部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車のウィンドシールドガラ
スを払拭するワイパ装置は、先端にワイパアームが固定
されるピボット軸を備えている。このピボット軸は、車
両パネルのピボット孔に対応して車体に固定されたピボ
ットホルダに回転可能に支持されており、ピボット孔を
貫通して車体内側から外側へ突出して位置している。
又、ピボット軸の基端にはピボットレバーの一端が固定
され、そのピボットレバーの他端にはワイパモータの回
転運動を揺動運動に変換するリンクロッドが連結されて
いる。そして、リンクロッドが揺動すると、ピボットレ
バーを介してピボット軸が回転し、ワイパアーム及びワ
イパブレードが所定の範囲で往復回動することで、ウィ
ンドシールドガラス面の水滴が払拭される。
【0003】ところで、この種のワイパ装置では、ワイ
パアームが傾斜したウィンドシールドガラス面に沿って
回動するため、そのアームが固定されたピボットホルダ
やピボットレバーも車体に対して傾斜して配置されるこ
とが一般的である。このことから、降雨時や車両洗車時
などにピボット孔から侵入した水がピボットホルダやピ
ボットレバーを伝い、リンクロッドとピボットレバーと
の連結部に流下する。連結部は、リンクロッドとピボッ
トレバーとを相対回動自在に連結するために、ボールジ
ョイントなどの自在継手を備えた構造となっている。そ
のため、連結部には摩耗を防止するためにグリースなど
の潤滑油脂が塗布されているが、ピボット孔から侵入し
た水などによって連結部が被水して潤滑油脂が流出しや
すくなる。この結果、連結部が摩耗し易くなるという不
具合がある。
【0004】そこで、上述した不具合を解決するため
に、従来から特開2000−225925号公報、及び
実開平4−24860号公報に開示されるようなワイパ
装置におけるワイパピボットが知られている。このワイ
パピボットによれば、リンクロッドとピボットレバーと
の連結部を覆うカバー部材がピボットレバーに装着され
ている。カバー部材を設けることで、ピボット孔から侵
入した水が連結部に到達しなくなるため、連結部の摩耗
が防止される。
【0005】又、上述した公報以外にも、実用新案登録
2514188号公報に開示された構成を有するワイパ
ピボットも知られている。リンクロッドとピボットレバ
ーとの連結部を覆うカバー部材が、連結部自体に直接装
着されている。このような構成とすることで、連結部が
よりいっそう被水されにくくなり、連結部の防水機能の
更なる向上が図られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来技術に
示すそれぞれの前者のワイパ装置におけるワイパピボッ
トであれば、ピボットレバーがカバー部材により大きく
覆い被せられている。又、後者のワイパ装置におけるワ
イパピボットであれば、連結部全体及びリンクロッドの
一部が、カバー部材により大きく覆い被せられている。
そのため、カバー部材の装着作業が煩雑となり、作業効
率が低下するという問題がある。それに加え、ピボット
レバー或いは連結部全体を覆うようにカバー部材の大き
さを設定していることから、カバー部材の大型化を招
き、部品コストが上昇するという問題もある。
【0007】本発明は、このような従来の技術に存在す
る問題点に着目してなされたものである。その目的は、
連結部が被水されるのを防ぐ防水部材の組付けを簡単に
行うことができ、作業効率の高いワイパピボットを提供
することにある。又、小型かつ低コストなワイパ装置に
おけるワイパピボットに用いられる防水部材を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】(請求項1の発明)請求
項1に記載の発明では、車両パネルの内側から外側へ貫
通して突出され、先端にワイパアームが固定されるピボ
ット軸と、車体に固定され、前記ピボット軸を回転自在
に支持するピボットホルダと、前記ピボット軸に一端部
が固定され、前記車両パネルの下側に配置されるピボッ
トレバーとを備えたワイパピボットにおいて、前記ピボ
ットレバーの他端部と、モータの駆動力で得られる揺動
運動を前記ピボット軸に伝達するリンクロッドの端部と
を転動自在に連結する連結ピンを、前記ピボットレバー
の下面に突設し、その連結ピンの基端部に、前記ピボッ
トレバーとリンクロッドとの連結部を覆うように張り出
された防水部材を設けたことを要旨とする。
【0009】この発明によれば、例えば降雨時や車両洗
車時などにピボット孔から侵入する水は、ピボットホル
ダ及びピボットレバーを伝い、リンクロッドとピボット
レバーとの連結部付近に到達する場合がある。そして、
この水がピボットレバーの下面側に回り込んで連結部へ
流れ込もうとしても、防水部材によって連結部を除く箇
所に滴下される。よって、ピボット孔から侵入する水の
影響を受けて、連結部の摩耗を防止するために塗布され
たグリースなどの潤滑油脂が連結部から流出するのが防
止される。このような役割を果たす防水部材は、ピスト
ンロッド、ピボットレバー或いはそれらの連結部自体を
覆うものではない。そのため、防水部材の組み付け作業
が容易になることから、作業効率が向上する。それとと
もに、防水部材を簡単な構成とすることができるため、
低コスト化を図ることが可能になる。
【0010】(請求項2の発明)請求項2に記載の発明
では、請求項1に記載のワイパピボットにおいて、前記
連結部は、連結ピンと、その連結ピンの先端に設けられ
たボール部を弾性係合により収容するボール受け部とを
含み、前記ボール部とボール受け部との間に潤滑油脂が
塗布され、前記ボール受け部と防水部材との間をシール
するシール部材が設けられていることを要旨とする。
【0011】この発明によれば、ボール部とボール受け
部との間には潤滑油脂が塗布されているが、その箇所へ
の外部からの水や塵埃の侵入がシール部材により遮断さ
れる。そのため、グリースが流れ出してしまうことがな
いのは勿論のこと、ボール部とボール受け部との間に塵
埃などが入り込むのを防ぐことで、リンクロッドとピボ
ットレバーとの回動性が低下するのを防止することが可
能になる。
【0012】(請求項3の発明)請求項3に記載の発明
では、請求項2に記載のワイパピボットにおいて、前記
防水部材及びシール部材はそれらの外周縁が円形状に形
成され、前記防水部材の径はシール部材の径よりも大き
く設定されていることを要旨とする。
【0013】この発明によれば、防水部材の径はシール
部材の径よりも大きく設定されていることから、シール
部材は防水部材の外縁よりも内側の領域に配置されてい
ることとなる。そのため、防水部材が被水されれば、そ
の外周縁からほとんどの水が滴下されることとなり、シ
ール部材はいっそう被水されにくくなる。よって、連結
部に対する防水性をよりいっそう向上することができ
る。
【0014】(請求項4の発明)請求項4に記載の発明
では、請求項2又は3に記載のワイパピボットにおい
て、前記防水部材とシール部材とは一体的に形成されて
いることを要旨とする。
【0015】この発明によれば、防水部材とシール部材
とは一体物であるため、部品点数が少なくなり、それら
の組み付け工数を低減できる。従って、ワイパピボット
の低コスト化によりいっそう貢献することができる。
【0016】(請求項5の発明)請求項5に記載の発明
では、請求項1〜4のうちいずれかに一項に記載のワイ
パピボットにおいて、前記防水部材は、その外周縁下面
に、前記ボール受け部側を向くように連結ピンの軸線方
向に沿って突設された垂下壁を有することを要旨とす
る。
【0017】この発明によれば、ピボット孔から侵入す
る水が防水部材に到達した場合に、その水を垂下壁の先
端から滴下させやすくすることが可能になる。つまり、
防水部材において垂下壁以外の箇所から水が滴下しにく
くなる。従って、水滴がよりいっそう連結部に流下しな
くなるため、ワイパピボットの防水機能がよりいっそう
高められる。
【0018】(請求項6の発明)請求項6に記載の発明
では、ワイパモータの回転運動を揺動運動に変換するリ
ンクロッドと、そのリンクロッドの揺動運動をピボット
軸に伝達するピボットレバーとを、前記ピボットレバー
の下面に突設された連結ピンを介して相対回動可能に連
結し、この連結ピンを含むピボットレバーとリンクロッ
ドとの連結部に前記ピボットレバーを伝って流下する水
を遮るワイパピボット用防水部材において、前記連結部
の基端部に挿通してそれを上側から覆うように取り付け
るための取付孔を防水部材本体に設けるとともに、その
防水部材本体を前記連結部の外周縁から張り出すように
形成したことを要旨とする。
【0019】この発明によれば、例えば降雨時や車両洗
車時には水がピボットレバーを伝って連結部に流下す
る。そして、この水がピボットレバーの下面側に回り込
んで連結部へ流れ込もうとしても、防水部材本体によっ
て連結部を除く箇所に滴下される。このように、ピボッ
トレバーを伝って流下する水の影響を受けて、連結部の
摩耗を防止するために塗布されたグリースなどの潤滑油
脂が連結部から流出するのを防止できる。このような役
割を果たす防水部材本体は、その取付孔に連結ピンの基
端部を挿通することで取り付けられるものである。その
ため、防水部材本体の組み付け作業が容易になることか
ら作業効率が向上するとともに、構成が簡単になるため
低コスト化を図ることができる。
【0020】(請求項7の発明)請求項7に記載の発明
によれば、請求項6に記載のワイパピボット用防水部材
において、前記防水部材本体は、その外周縁下面に連結
ピンの軸線方向に沿って突設された垂下壁を有すること
を要旨とする。
【0021】この発明によれば、ピボット孔から侵入す
る水が防水部材本体に到達した場合に、その水を垂下壁
の先端から滴下させやすくすることができる。つまり、
防水部材本体において垂下壁以外の箇所から水が滴下し
にくくなる。従って、水滴を決められた位置から滴下さ
せることができ、連結部はいっそう被水されにくくな
る。よって、ワイパピボットの防水機能がよりいっそう
高められる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態について、図面を参照して説明する。図1,図2に
示すように、車両のフロントガラス11の前方下縁部に
配置された車両パネル(カウルルーバ)12の下側に
は、ワイパピボット14が配置されている。ワイパピボ
ット14は車幅方向に間隔をおいて配置された一対のピ
ボットホルダ15を備えている。各ピボットホルダ15
は、それらの長手方向中間部に設けられた取付フランジ
19によって車体に固定されている。各ピボットホルダ
15はいずれも上下方向(重力方向)Gに対して傾斜し
ており、その傾斜した側における前記取付フランジ19
には水受け部19aが凹設されている。この水受け部1
9aには外部からピボット孔17を介して内部に侵入し
た水が一次的に溜められ、その水は所定位置に誘導され
て排出される。具体的には、ワイパ装置が停止している
ときにピボットレバー26の連結部32が位置する停止
位置以外の所定位置に誘導して排水される。
【0023】各ピボットホルダ15にはそれぞれピボッ
ト軸16が回転自在に支持されている。ピボット軸16
の先端側は車両パネル12に形成されたピボット孔17
を介して外部に突出され、その突出部分にはワイパアー
ム18が固定されている。そして、ピボット軸16が往
復回動されることにより、ワイパアーム18が所定の払
拭角度範囲内で揺動し、そのワイパアーム18に装着さ
れた図示しないワイパブレードによってフロントガラス
11が払拭される。
【0024】2つのピボットホルダ15は、パイプフレ
ーム21によって互いに連結され、そのほぼ中央部に
は、ワイパモータ23がそのギヤハウジングに一体に形
成された取付足22を介して取り付けられている。ワイ
パモータ23の駆動軸にはクランクアーム24が連結さ
れ、そのクランクアーム24は後述する両ピボットホル
ダ15のピボットレバー26にそれぞれ転動自在に連結
されたリンクロッド25の一端が連結されている。各リ
ンクロッド25の他端は、ピボットレバー26を介して
ピボット軸16の基端部に連結されている。それらの連
結状態を具体的に言うと、ピボットレバー26の一端が
リンクロッド25の端部に相対回動に連結され、他端が
ピボット軸16の基端部に一体回動可能に連結されてい
る。そして、ワイパモータ23が回転するとクランクア
ーム24が一方向に回動し、その回動運動がリンクロッ
ド25によってピボットレバー26を揺動運動させるこ
とに変換され、ピボット軸16は所定角度範囲内で往復
回動する。
【0025】次に、本実施形態での要部である、リンク
ロッド25とピボットレバー26との連結部の構造につ
いて説明する。なお、その連結部は、各リンクロッド2
5のピボットレバー26の側端部に2箇所存在するが、
それらの構造は共に同じであるため、以下の説明では一
方の連結部のみを説明する。
【0026】図2,図3に示すように、ピボットレバー
26の一端には、その下面から突設された連結ピン30
が固定されている。連結ピン30の先端部に形成された
ボール部30aには、内側に半球凹面を有するボール受
け部31が係合されている。ボール受け部31が合成樹
脂から形成されている関係上、連結ピン30のボール部
30aとボール受け部31とは弾性的に係合されてい
る。
【0027】リンクロッド25の両端部にそれぞれ形成
された装着孔25aは、ボール受け部31に外挿され
て、そのボール受け部31の外周面に形成された係止溝
31aに係合されている。この係合により、リンクロッ
ド25とピボットレバー26とが、連結ピン30のボー
ル部30aを中心に互いに相対回動可能(転動可能)に
連結されている。ボール部30aとボール受け部31と
の界面には、グリースなどの潤滑性油脂が塗布されてい
る。潤滑性油脂を塗布したのは、リンクロッド25とピ
ボットレバー26との相対回動をスムーズなものとする
とともに、ボール受け部31の半球凹面が摩耗するのを
防止するためである。
【0028】本実施形態では、連結ピン30とボール受
け部31とによって、リンクロッド25とピボットレバ
ー26との連結部32が構成されている。なお、この連
結部32の位置は、ピボットホルダ15が上下方向に対
して傾斜されている関係上、ピボットレバー26も水平
方向に対して傾斜されている。そのため、ピボット軸1
6に連結されたピボットレバー26の他端部(上端部)
よりも、連結部32がある一端部(下端部)の方が下方
(重力方向下方)に位置している。
【0029】図3に示すように、ピボットレバー26の
一端部下面には、連結ピン30の軸線方向から見て円形
状をなし、かつ断面逆凹状をなす防水部材としての防水
カバー34が配設されている。この防水カバー(防水部
材本体)34の中央部には取付孔34aが形成されてお
り、その取付孔34aにはボール部30aを介して連結
ピン30が挿入されている。これにより、防水カバー3
4は、連結ピン30の基端部に装着されている。防水カ
バー34の形成材料は、弾力を有する比較的柔らかいも
のとなっている。ちなみに、本実施形態ではニトリルゴ
ムなどのゴム材が使用されている。もちろん、防水カバ
ー34の形成材料を、ゴム材以外に弾性を有する合成樹
脂などといった任意の材料に変更することが可能であ
る。なお、防水カバー34の取付孔34aの径は、連結
ピン30の基端部の径よりも若干小さく設定されている
ことから、防水カバー34自身の持つ弾性力により、連
結ピン30に対し接着剤を用いることなく弾性的に圧接
されている。
【0030】前記防水カバー34は、連結ピン30の径
方向外側に沿って延設されており、その径D1が前記ボ
ール受け部31の径D2よりも大きくなるように設定さ
れている。要するに、防水カバー34の外周縁を連結部
32の外周縁から張り出させることで、リンクロッド2
5とピボットレバー26との連結部32の上側は、防水
カバー34によって覆われる。更に詳しく言えば、防水
カバー34を連結ピン30の軸線方向から投影して見た
場合に、連結部32がその防水カバー34の外周縁によ
って囲まれた領域の内側に配置される。以上のように防
水カバー34の大きさを設定したことで、ピボットレバ
ー26に沿って流下する水が防水カバー34によって遮
られ、連結部32は被水されにくくなる。
【0031】防水カバー34は、その外周縁下面に突設
された環状の垂下壁35を有している。つまり、この垂
下壁35は、リンクロッド25及びボール受け部31側
に向けて突設されている。垂下壁35を設けた理由は、
外部からピボット孔17を通り抜けて侵入した水が防水
カバー34に到達した場合に、その水を垂下壁35の先
端部から滴下させやすくするためである。つまり、防水
カバー34の定位置から水を滴下させるためである。
又、垂下壁35は防水カバー34の外周縁に位置してい
ることから、連結ピン30の軸線方向から見て垂下壁3
5は、連結部32よりも外側に位置している。そのた
め、垂下壁35の先端部から水が滴下されても、その水
は連結部32を直接的に被水することがない。なお、垂
下壁35は、環状としたが、例えば複数の垂下壁35を
防水カバー34の外周縁下面に一定の間隔をおいて突設
することも可能である。
【0032】更に、図3の断面図に描かれているよう
に、防水カバー34の下面に対して直交する方向におけ
る垂下壁35の突設長さは、その上側(図3の右側)と
下側(図3の左側)とでは異なっている。すなわち、垂
下壁35の突出長さは、上側に位置するほど長くなって
いる。これは、ピボットレバー26の傾斜によって防水
カバー34も傾斜した状態で配置されていることから、
防水カバー34の上側箇所における垂下壁35の突設長
さを短くすると、連結部32に対して垂下壁35からの
水が直接滴下しなくなるからである。
【0033】垂下壁35よりも内側において、防水カバ
ー34の下面に位置する箇所には、前記ボール受け部3
1と防水カバー34との間をシールするシール部材とし
てのシールリップ36が突設されている。シールリップ
36の先端部は、ボール受け部31の上端外周面に圧接
されている。つまり、シールリップ36により防水カバ
ー34とボール受け部31との間の隙間が完全に塞がれ
ている。これにより、ボール受け部31の半球凹面に外
部から水や塵埃などが侵入しなくなる。又、シールリッ
プ36は、その先端側に向かう程その開口径が大きくな
っている。このように構成したのは、ボール受け部31
に対してシールリップ36を容易に被冠できるようにす
るためである。
【0034】環状をなすシールリップ36の径(最大
径)D3は、防水カバー34の径D1よりも小さく設定
されている。そのため、防水カバー34の垂下壁35よ
りも内側でボール受け部31と防水カバー34との間が
シールリップ36でシールされている。シールリップ3
6によってシールされる箇所の位置関係をこうしたこと
により、垂下壁35から滴下する水が、シールリップ3
6の外周面に滴下されにくくなる。
【0035】シールリップ36は、防水カバー34と一
体的に形成されている。これにより、シールリップ36
と防水カバー34とは、一体化され一部材から構成され
ている。シールリップ36の形成材料は、弾力を有する
比較的柔らかい材料となっている。ちなみに、本実施形
態ではニトリルゴムなどのゴム材が使用され、前記防水
カバー34と同じ材料が使用されている。もちろん、防
水カバー34の形成材料を、ゴム材以外に弾性を有する
合成樹脂などといった任意の材料に変更することが可能
である。或いは、二色成形により、防水カバー34とシ
ールリップ36との形成材料を異ならせつつ、両者3
4,36を一体的に形成することも可能である。
【0036】次に、本実施形態の特徴について以下に述
べる。 (1)降雨時や車両洗車時などにピボット孔17から侵
入する水が、傾斜配置されたピボットホルダ15及びピ
ボットレバー26を伝い、それらの連結部32付近に流
下する。そして、この水がピボットレバー26の下面側
に回り込んで連結部32へ流れ込もうとしても、連結部
32の外周縁から張り出すように設けられている防水カ
バー34によって、連結部32が被水するのを回避する
ことができる。よって、その水の影響を受けて、ボール
受け部31と連結ピン30のボール部30aとの界面に
塗布されている潤滑油脂が流出するのを防止することが
できる。
【0037】しかも、防水カバー34は、その中央部に
形成された取付孔34aに連結ピン30を挿入すること
により装着されるものである。そのため、防水カバー3
4の組み付け作業が容易となり、その作業効率を向上す
ることができる。又、防水カバー34の構造を非常に簡
単な形状とすることができるので、防水カバー34のコ
ストを低減することができ、結果としてワイパピボット
14のコスト低減にも大きく貢献する。
【0038】(2)ボール受け部31と防水カバー34
との間は、シールリップ36によって完全にシールされ
ている。そのため、ボール受け部31の内側に形成され
た半球凹面に、外部から水が侵入することがない。よっ
て、ボール受け部31と連結ピン30のボール部30a
との間に塗布されたグリースなどの潤滑油脂が流出する
のをいっそう防止することができる。さらに、ボール受
け部31と連結ピン30のボール部30aとの間に、塵
埃などが入り込むのも防止することができる。そのた
め、リンクロッド25とピボットレバー26との相対回
動性が低下するのを防止することができる。
【0039】(3)環状をなすシールリップ36の径D
3は、防水カバー34の径D1よりも小さく設定されて
いる。そのため、防水カバー34の垂下壁35よりも内
側の領域でボール受け部31と防水カバー34との間が
シールリップ36でシールされている。よって、防水カ
バー34の垂下壁35から滴下する水が、シールリップ
36の外周面にいっそう被水しにくくなる。従って、連
結部32に対する防水性をよりいっそう向上することが
できる。
【0040】(4)防水カバー34とシールリップ36
とは一体的に形成されているため、部品点数を少なくす
ることができ、更にはその組み付け工数を低減すること
ができる。従って、ワイパピボット14の更なる低コス
ト化を図ることができる。
【0041】(5)防水カバー34はゴム材から形成さ
れているため、連結ピン30の外周面に対して防水カバ
ー34の取付孔34aの内周面を弾性的に密着させるこ
とができる。従って、防水カバー34を連結ピン30の
基端部に対し良好な状態で装着保持することができる。
しかも、ゴム材は汎用性があるため、防水カバー34の
高コスト化を抑制することができる。
【0042】(6)ピボットレバー26はゴム材から形
成されているため、その先端部をボール受け部31の上
端外周面に対して弾性的に密着させることができる。従
って、ボール受け部31の内部に、外部から水や塵埃な
どが入り込むのを防止するという遮断性能をよりいっそ
う高めることができる。
【0043】(7)防水カバー34及びシールリップ3
6は共にゴム材から構成されている。そのため、3次元
的な運動をするリンクロッド25の連結部32側の端部
が、ピボットレバー26の下側において防水カバー34
及びシールリップ36と干渉するようなことが生じたと
しても、異音が発生するのを防止することができる。
【0044】(8)防水カバー34の外周縁下面には垂
下壁35が突設されているため、防水カバー34が仮に
被水されたとしても、水を防水カバー34の外周縁、つ
まり垂下壁35を伝わせて滴下することが可能になる。
すなわち、垂下壁35を設けたことにより、水を決めら
れた位置から滴下させることができる。従って、ワイパ
ピボット14の防水機能をよりいっそう向上することが
できる。
【0045】(別の実施形態)本発明の実施形態は以下
のように変更してもよい。前記実施形態では、ピボット
レバー26に連結ピン30を設けるとともに、リンクロ
ッド25にボール受け部31を設けたが、連結ピン30
とボール受け部31との配置関係を逆にしてもよい。す
なわち、ピボットレバー26にボール受け部31を設
け、リンクロッド25に連結ピン30を設けてもよい。
【0046】・ 前記実施形態では、防水カバー34の
外周面下面に垂下壁35を突設したが、その垂下壁35
を省略することも可能である。 ・ 前記実施形態では、垂下壁35の突設長さが、その
上側と下側とで異ならせたが、垂下壁35の周方向に亘
ってその突設長さを同じにしてもよい。但し、この場合
には、連結ピン30の軸線から防水カバー34の下端縁
までの距離よりも、上端縁までの距離を長く設定するこ
とが好ましい。この構成とすれば、防水カバー34の偏
心位置に連結ピン30が挿入されることとなる。このよ
うにすることば、垂下壁35の突設長さを任意の位置で
同じにしても、連結部32に対して垂下壁35からの水
が直接滴下しなくなる。
【0047】次に、特許請求の範囲に記載された技術的
思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技
術的思想を以下に示す。 (1) 車両パネルの内側から外側へ貫通して突出さ
れ、先端にワイパアームが固定されるピボット軸と、車
体に固定され、前記ピボット軸を回転自在に支持するピ
ボットホルダと、前記ピボット軸に一端部が固定され、
前記車両パネルの下側に配置されるピボットレバーとを
備えたワイパピボットにおいて、前記ピボットレバーの
他端部と、モータの駆動力で得られる揺動運動を前記ピ
ボット軸に伝達するリンクロッドの端部とを連結ピンで
転動自在に連結し、その連結ピンに前記ピボットレバー
とリンクロッドとの連結部を覆うように張り出された防
水部材を設けたことを特徴とするワイパピボット。
【0048】(2) 車両パネルの内側から外側へ貫通
して突出され、先端にワイパアームが固定されるピボッ
ト軸と、車体に固定されてピボット軸を回転自在に支持
するピボットホルダと、前記ピボット軸に一端部が固定
され、前記車両パネルの下側に配置されるピボットレバ
ーとを備えたワイパピボットにおいて、前記ピボットレ
バーの他端部と、モータの駆動力で得られる揺動運動を
前記ピボット軸に伝達するリンクロッドとを転動自在に
連結する連結ピンを、前記ピボットレバーの下面に突設
し、前記ピボットレバーの下面側における連結ピンの基
端部にピボットレバーを伝って落ちる水を遮る防水部材
を設け、その防水部材を連結ピンの軸線方向から投影し
て見た場合に、連結ピンを含むピボットレバーとリンク
ロッドとの連結部が、前記防水部材の外周縁によって囲
まれた領域の内側に配置されるように、同防水部材を連
結ピンの径方向外側に沿って延設したことを特徴とする
ワイパピボット。
【0049】(3) ワイパモータの回転運動を揺動運
動に変換するリンクロッドと、そのリンクロッドの揺動
運動をピボット軸に伝達するピボットレバーとを、前記
ピボットレバーの下面に突設された連結ピンを介して相
対回動可能に連結し、この連結ピンを含むピボットレバ
ーとリンクロッドとの連結部に前記ピボットレバーを伝
って流下する水を遮るワイパピボット用防水部材におい
て、前記連結ピンの軸線方向から投影して見た場合に、
連結ピンを含むピボットレバーとリンクロッドとの連結
部の外周縁から張り出すように、前記連結ピンの径方向
外側に沿って延設したことを特徴とするワイパピボット
用防水部材。
【0050】
【発明の効果】請求項1〜5に記載の発明によれば、連
結部が被水されるのを防ぐ防水部材の組付けを簡単に行
うことができ、作業効率を向上することができる。
【0051】請求項6、7に記載の発明によれば、小型
化及び低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態におけるワイパピボットの平面図。
【図2】ワイパピボットの側面図。
【図3】ワイパピボットの要部を示す拡大断面図。
【符号の説明】
12…車両パネル、14…ワイパピボット、15…ピボ
ットホルダ、16…ピボット軸、18…ワイパアーム、
25…リンクロッド、26…ピボットレバー、30…連
結ピン、30a…ボール部、31…ボール受け部、34
…防水カバー(防水部材,防水部材本体)、35…垂下
壁、36…シールリップ(シール部材)、D1…防水部
材の径、D3…シール部材の径。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両パネルの内側から外側へ貫通して突
    出され、先端にワイパアームが固定されるピボット軸
    と、 車体に固定され、前記ピボット軸を回転自在に支持する
    ピボットホルダと、 前記ピボット軸に一端部が固定され、前記車両パネルの
    下側に配置されるピボットレバーとを備えたワイパピボ
    ットにおいて、 前記ピボットレバーの他端部と、モータの駆動力で得ら
    れる揺動運動を前記ピボット軸に伝達するリンクロッド
    の端部とを転動自在に連結する連結ピンを、前記ピボッ
    トレバーの下面に突設し、その連結ピンの基端部に、前
    記ピボットレバーとリンクロッドとの連結部を覆うよう
    に張り出された防水部材を設けたことを特徴とするワイ
    パピボット。
  2. 【請求項2】 前記連結部は、連結ピンと、その連結ピ
    ンの先端に設けられたボール部を弾性係合により収容す
    るボール受け部とを含み、前記ボール部とボール受け部
    との間に潤滑油脂が塗布され、前記ボール受け部と防水
    部材との間をシールするシール部材が設けられているこ
    とを特徴とする請求項1に記載のワイパピボット。
  3. 【請求項3】 前記防水部材及びシール部材はそれらの
    外周縁が円形状に形成され、前記防水部材の径はシール
    部材の径よりも大きく設定されていることを特徴とする
    請求項2に記載のワイパピボット。
  4. 【請求項4】 前記防水部材とシール部材とは一体的に
    形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載
    のワイパピボット。
  5. 【請求項5】 前記防水部材は、その外周縁下面に、前
    記ボール受け部側を向くように連結ピンの軸線方向に沿
    って突設された垂下壁を有することを特徴とする請求項
    1〜4のうちいずれかに一項に記載のワイパピボット。
  6. 【請求項6】 ワイパモータの回転運動を揺動運動に変
    換するリンクロッドと、そのリンクロッドの揺動運動を
    ピボット軸に伝達するピボットレバーとを、前記ピボッ
    トレバーの下面に突設された連結ピンを介して相対回動
    可能に連結し、この連結ピンを含むピボットレバーとリ
    ンクロッドとの連結部に前記ピボットレバーを伝って流
    下する水を遮るワイパピボット用防水部材において、 前記連結部の基端部に挿通してそれを上側から覆うよう
    に取り付けるための取付孔を防水部材本体に設けるとと
    もに、その防水部材本体を前記連結部の外周縁から張り
    出すように形成したことを特徴とするワイパピボット用
    防水部材。
  7. 【請求項7】 前記防水部材本体は、その外周縁下面に
    連結ピンの軸線方向に沿って突設された垂下壁を有する
    請求項6に記載のワイパピボット用防水部材。
JP2001373136A 2001-12-06 2001-12-06 ワイパピボット及びワイパピボットに用いる防水部材 Pending JP2003170814A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100681070B1 (ko) 2004-07-09 2007-02-08 현대자동차주식회사 자동차용 와이퍼 장치

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