JP2003237544A - ワイパピボット措置の防水構造 - Google Patents

ワイパピボット措置の防水構造

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 雨天走行時や洗車時に水(雨水)がワイパピ
ボット装置のリンクジョイント部に流れ込むのを有効に
防止することで、リンクコンロッドの脱落や該リンクジ
ョイント部の発錆をを有効に防止することができるワイ
パピボット装置の防水構造を提供する。 【解決手段】 ワイパピボット装置Wの防水構造におい
て、ピボットホルダ1の上端面1cから外方に突出する
ピボットシャフト2の中間部分に、ピボットアーム9の
一端部を固定し、シャフトシール体3をピボットアーム
9の一端部上面9aに冠着するとともに、該シャフトシ
ール体3の一端部にピボットシャフト2を挿通させるシ
ャフト挿通孔3bを開設し、更にシャフトシール体3の
他端部上面3aには、車体外装パネルの開口から流入し
上記リンクジョイント部A側へと流れる水を堰き止める
突部11,11a,21を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ワイパモータの
動力によりワイパを払拭動させるワイパピボット装置の
防水構造に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、ワイパピボット装置は、
車体内装パネルに固定されるピボットホルダと、このピ
ボットホルダに形成された貫通するシャフト挿通孔に回
動自在に支持され、該ピボットホルダを貫通して配置さ
れるピボットシャフトとを備えている。このピボットシ
ャフトの先端部は、車体外装パネルに開設した開口から
外方に突出している。また、上記ピボットホルダと上記
ピボットシャフト間をシールするシャフトシール体と、
上記ピボットシャフトに一端部が固定され、他端部がリ
ンクジョイント部を介してリンクコンロッドの一端部に
連結されるピボットアームとを備えている。該リンクコ
ンロッドの他端部は他のリンク機構を介してワイパモー
タの出力軸に連結されている。上記リンクジョイント部
は、上記ピボットアームの他端部に固定され外表面にメ
ッキが施されたボールピンと、上記リンクコンロッドの
一端部に設けた開口に嵌着され該ボールピンに球面対偶
で連結された樹脂製のボールリテーナと、上記ボールピ
ンと上記ボールリテーナの内部をシールする弾性材のジ
ョイントシール部とからなる。
【0003】このように構成されてなるワイパピボット
装置は、上記ワイパモータが作動すると、該ワイパモー
タの出力軸の回転運動が、上記リンクコンロッドを含む
リンク機構により上記ピボットアームの往復回動運動に
変換され、上記ピボットシャフトが往復回動されること
により、上記車体外装パネルに開設した開口から外方に
突出する該ピボットシャフトの先端部に一端を固定され
たワイパアームの他端に装着されたワイパブレードで払
拭面を拭うように作用する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のワイパピボット装置にあっては、雨天走行時や洗車
時に、車体外装パネルの開口から流入した水(雨水)
が、上記ピボットシャフト、上記シャフトシール体、お
よび上記ピボットアームを伝って上記リンクジョイント
部に流れ込み、ワイパ作動により上記ジョイントシール
部に生じる若干の隙間から水の一部が上記ボールピンと
上記樹脂製のボールリテーナとの間に吸い込まれ、その
結果、該ボールリテーナは水を吸って膨潤してしまい、
上記ボールピンとの連結が緩くなって、ボールピンから
ボールリテーナが脱落すること、即ち、上記リンクコン
ロッドが脱落することがあった。また、この吸い込まれ
た水には塵埃が含有していることがあり、この塵埃によ
る研磨作用により互いに摺動するボールピンとボールリ
テーナとの摺動面が異常摩耗し、該ボールピンからボー
ルリテーナがよりいっそう脱落し易くなったり、この研
磨作用によりボールピンのメッキが剥がれ、その部分か
ら発錆することがある等、多くの課題を有していた。
【0005】この発明は、かかる現状に鑑み草案された
ものであって、その目的とするところは、雨天走行時や
洗車時に水(雨水)が上記リンクジョイント部に流れ込
むのを有効に防止することで、上記リンクコンロッドの
脱落や該リンクジョイント部の発錆を有効に防止するこ
とができるワイパピボット装置の防水構造を提供しよう
とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1のワイパピボット装置の防水構造に関する
発明は、車体内装パネルに固定されるピボットホルダ
と、上記ピペットホルダに回動自在に支持され車体外装
パネルに開設した開口から先端部が外方に突出するピボ
ットシャフトと、上記ピボットホルダと上記ピボットシ
ャフト間をシールするシャフトシール体と、上記ピボッ
トシャフトに一端部が固定されるピボットアームと、上
記ピボットアームの他端部にリンクジョイント部を介し
て連結されるリンクコンロッドとを備えたワイパピボッ
ト装置において、上記ピボットホルダの上端面から外方
に突出する上記ピボットシャフトの中間部分に、上記ピ
ボットアームの一端部を固定し、上記シャフトシール体
を上記ピボットアームの一端部上面に冠着するととも
に、該シャフトシール体の一端部に上記ピボットシャフ
トを挿通させるシャフト挿通孔を開設し、更に上記シャ
フトシール体の他端部上面には、上記車体外装パネルの
開口から流入し上記リンクジョイント部側へと流れる水
を堰き止める突部を形成したことを特徴とするものであ
る。
【0007】このワイパピボット装置の防水構造によれ
ば、雨天走行時や洗車時に、車体外装パネルの開口から
流入した水が、ピボットシャフトの外周面およびシャフ
トシール体の上面を伝ってきても、該シャフトシール体
の他端部上面に形成した突部によりリンクジョイント部
への流れ込みが有効に阻止される。
【0008】この場合、上記突部は、請求項2に記載し
たように、上記シャフトシール体の他端部上面に突設し
た1条の突条とすることができる。或は上記突部は、請
求項3に記載したように、上記シャフトシール体の他端
部上面に突設した複数条の突条とし、この複数条の突条
を該シャフトシール体の他端部外縁に向って所要間隔毎
に設けるようにすることもできる。更に、請求項4に記
載したように、請求項2および請求項3の突条は、平面
形状を円弧状にしても良いし、請求項5に記載したよう
に、平面形状を略へ字状にしても良い。
【0009】また、この場合、上記突部は、請求項6に
記載したように、側面形状が略逆L字状に形成され、上
記シャフトシール体の他端部から立上がり上記リンクジ
ョイント部の上方を覆う突片とすることもできる。この
構造においても上記した発明の目的を達成することがで
きる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に示す実施の形態
例に基づきこの発明を詳細に説明する。
【0011】図1乃至図6は、この発明の実施の第1形
態例が適用されたワイパピボット装置Wを示しており、
該ワイパピボット装置Wは、ピボットホルダ1の車体取
付部1aが図示しない車体内装パネルに固定され、この
ピボットホルダ1に形成された貫通孔であるシャフト挿
入孔1Aに圧入された2つの軸受1B,1Bを介してピ
ボットシャフト2が回動自在に支持される。このピボッ
トシャフト2は、上記ピボットホルダ1のシャフト挿入
孔1Aを貫通して図示しない車体外装パネルに開設した
開口から、その先端部が外方に突出している。上記車体
外装パネルの内側で上記ピボットホルダ1の上端面1C
から外方に突出する上記ピボットシャフト2の部分に、
リンク機構の一部を構成するピボットアーム9の一端部
を固定し、該ピボットアーム9の他端部にリンクジョイ
ント部Aを介してリンクコンロッド6の先端部6Aが連
結される。この先端部6Aは、圧潰されて平板状に形成
されている。上記ピボットアーム9の一端部上面9aに
は、上記ピボットホルダ1と上記ピボットシャフト2間
をシールするシャフトシール体3が嵌着されている。
【0012】このシャフトシール体3は、図2乃至図6
に示すように、ピボットアーム9の一端部上面9aに冠
着される形状を有して形成されており、該シャフトシー
ル体3の一端部には、上記ピボットシャフト2が挿通さ
れるシャフト挿通孔3bが開設されており、また、該シ
ャフトシール体3の他端部上面3aには、突部11が形
成してある。更に上記シャフトシール体3の両側面部3
c,3cの他端部下縁には、係止片部3d,3dが延設
されており、該シャフトシール体3は、この係止片部3
d,3dにより上記ピボットアーム9の一端部上面9a
に冠着される。上記突部11は、この第1形態例では平
面形状が円弧状で1条の突条としている。
【0013】この突条11は、図2に示すように、雨天
走行時や洗車時等に上記車体外装パネルの開口から流入
した水が、上記ピボットシャフト2、上記シャフトシー
ル体3の上面3aを伝って上記リンクジョイントAに流
れ込む水を堰き止めるもので、本形態例では、上記した
ように、平面形状が円弧状で1条に形成したが、この発
明にあってはこれに限定されるものではなく、複数条の
円弧状の突条11を上記シャフトシール体3の他端部外
縁に向って所要間隔毎に形成して構成してもよい。勿
論、上記突条11の高さ寸法は、上記ピボットシャフト
2側からリンクジョイントA側へと流れる水が確実に堰
き止められる高さを有して構成されているものとする。
【0014】また、上記リンクジョイント部Aは、特に
図3に示すように、上記ピボットアーム9の他端部に固
定され外表面にメッキが施されたボールピン4と、上記
リンクコンロッド6の先端部6Aに設けた開口6Bに嵌
着され該ボールピン4に球面対偶で連結された樹脂製ボ
ールリテーナ5と、上記ボールピン4と上記ボールリテ
ーナ5の内部をシールする弾性材のジョイントシール部
10とからなる。このリンクジョイント部Aにより、リ
ンクコンロッド6とピボットアーム9は回動自在に連結
される。尚、互いに摺動するボールピン4とボールリテ
ーナ5の摺動面にはグリースが充填されている。
【0015】さらに、上記リンクコンロッド6の他端部
は、図示しない他のリンク機構を介してワイパモータの
出力軸に連結されている。
【0016】このように構成されてなるワイパピボット
装置Wは、上記ワイパモータが作動すると、該ワイパモ
ータの出力軸の回転運動が、上記リンクコンロッド6を
含む図示しないリンク機構により上記ピボットアームの
往復回動運動に変換され、上記ピボットシャフト2が往
復回動されることにより、上記車体外装パネルに開設し
た開口から外方に突出する該ピボットシャフト2の先端
部に一端を固定されたワイパアーム7の他端に装着され
たワイパブレード8で払拭面を拭うように作用する。
【0017】そして、このとき、上雨天走行時や洗車時
に、上記車体外装パネルの開口から流入した水は、上記
ピボットシャフト2、上記シャフトシール体3の上面3
aを伝って流れてくるが、この水は、上記突条11によ
り堰き止められシャフトシール体3の幅方向へと排出さ
れるので、上記リンクジョイント部Aへは流れ込まな
い。そのため、該リンクジョイント部A内に水が吸い込
まれることがなくなり、従来のように、ボールリテーナ
5が脱落すること、即ち、リンクコンロッド6が脱落す
る不具合がなくなる。また、従来のように、水に含有さ
れている塵埃による研磨作用により互いに摺動するボー
ルピン4とボールリテーナ5の摺動面が異常摩耗し該ボ
ールピン4からボールリテーナ5がより一層脱落し易く
なったり、この研磨作用によりボールピン4のメッキが
剥がれ、その部分から発錆するといった不具合もなくな
り、この種のワイパピボット装置Wの作動品質を経時安
定化させることができる。
【0018】次に、図7乃至図9は、シャフトシール体
3の第2形態例である。この形態例は、突部を、平面形
状が円弧状の1条の突条11と、平面形状が略へ字状の
2条の突状11a,11aを混在させて複数形成したも
のであり、この形態例によれば、上記した第1形態例に
比べ、より一層水が上記リンクジョイント部Aに流れ込
みにくくなる。尚、上記略へ字状の2条の突状11a,
11aのみで突部を構成してもよく、或は、該略へ字状
の突状11aを1条としてもよい。
【0019】図10乃至図12は、この発明の実施の第
3形態例に係るワイパピボット装置Wを示しており、こ
の形態例では、突部として第1形態例の突条11に代え
て、側面形状が略逆L字状に形成され、シャフトシール
体3の他端部から立上がりリンクジョイント部Aの上方
を覆う突片21とした他は、他の構成・作用は第1形態
例に係るワイパピボット装置と同様であるので、図面に
は第1形態例で用いた符号と同一の符号を付して、その
詳細な説明をここでは省略する。
【0020】即ち、この形態例において、上記突片21
は、上記シャフトシール体3の他端部(リンクジョイン
ト部A側)上面から立ち上がり形成され、かつ、上記ジ
ョイントシール部10を囲うように幅方向に緩やかに湾
曲して形成された垂直辺部21aと、この垂直辺部21
の上端部から上記リテーナ3上方を覆うように延設され
た水平辺部21bと、で側面形状が略逆L字状に形成さ
れて構成されている。
【0021】このように突片21を構成することで、こ
の形態例に係るワイパピボット装置Wにおいては、第1
形態例では、上記水量や水圧によっては、万一、突条1
1を乗り越えてリンクジョイント部Aへと流れる心配が
あるのに対して、水量や水圧に関係なく、垂直辺部21
aによってより確実にピボットシャフト2を伝ってリン
クジョイントA側へと流れる水を堰き止めることがで
き、しかも、水平辺部21bが庇として作用するので、
例え水が悲惨してリンクジョイントボール部Aの上方か
ら降り注いでも、ボールリテーナ5及びその周辺に飛散
した水が付着するのを確実に防止することもできるた
め、ワイパピボット装置Wの作動品質をより経時安定化
させることが可能となる。
【0022】
【発明の効果】この発明に係るワイパピボット装置の防
水構造にあっては、上記説明したように構成されている
ので、雨天走行時や洗車時に水がリンクジョイント部に
流れ込むのを有効に防止することができる。その結果、
リンクコンロッドの脱落や該リンクジョイント部の発錆
を有効に防止することができ、ワイパピボット装置の作
動品質を経時安定化させることができるという優れた効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るワイパピボット装置の防水構造
が適用されたワイパ装置の取付状態を示す概略説明図で
ある。
【図2】この発明の実施の第1形態例に係るワイパピボ
ット装置の防水構造の斜視図である。
【図3】同ワイパピボット装置の防水構造の一部を切断
して示す縦断面図である。
【図4】同ワイパピボット装置の防水構造に用いられる
シャフトシール体の平面図である。
【図5】同シャフトシール体の縦断面図である。
【図6】同シャフトシール体の側面図である。
【図7】この発明の実施の第2形態例に係るシャフトシ
ール体の平面図である。
【図8】同シャフトシール体の縦断面図である。
【図9】同シャフトシール体の側面図である。
【図10】この発明の実施の第3形態例に係るワイパピ
ボット装置の防水構造の斜視図である。
【図11】同ワイパピボット装置の防水構造の一部を切
断して示す縦断面図である。
【図12】同ワイパピボット装置の防水構造に用いられ
るシャフトシール体の平面図である。
【符号の説明】
A リンクジョイント部 W ワイパピボット装置 1 ピボットホルダ 1C 上端面 2 ピボットシャフト 3 シャフトシール体 3a 上面 3b シャフト挿通孔 4 ボールピン 5 ボールリテーナ 6 リンクコンロッド 9 ピボットアーム 9a 上面 10 ジョイントシール部 11 突条(突部) 21 突片(突部)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体内装パネルに固定されるピボットホ
    ルダと、上記ピペットホルダに回動自在に支持され車体
    外装パネルに開設した開口から先端部が外方に突出する
    ピボットシャフトと、上記ピボットホルダと上記ピボッ
    トシャフト間をシールするシャフトシール体と、上記ピ
    ボットシャフトに一端部が固定されるピボットアーム
    と、上記ピボットアームの他端部にリンクジョイント部
    を介して連結されるリンクコンロッドとを備えたワイパ
    ピボット装置において、 上記ピボットホルダの上端面から外方に突出する上記ピ
    ボットシャフトの中間部分に、上記ピボットアームの一
    端部を固定し、上記シャフトシール体を上記ピボットア
    ームの一端部上面に冠着するとともに、該シャフトシー
    ル体の一端部に上記ピボットシャフトを挿通させるシャ
    フト挿通孔を開設し、更に上記シャフトシール体の他端
    部上面には、上記車体外装パネルの開口から流入し上記
    リンクジョイント部側へと流れる水を堰き止める突部を
    形成したことを特徴とするワイパピボット装置の防水構
    造。
  2. 【請求項2】 上記突部は、前記シャフトシール体の他
    端部上面に突設した1条の突条からなることを特徴とす
    る請求項1に記載のワイパピボット装置の防水構造。
  3. 【請求項3】 上記突部は、上記シャフトシール体の他
    端部上面に突設した複数条の突条からなり、この複数条
    の突条は、該シャフトシール体の他端部外縁に向って所
    要間隔毎に設けられていることを特徴とする請求項1に
    記載のワイパピボット装置の防水構造。
  4. 【請求項4】 上記突条は、平面形状が円弧状であるこ
    とを特徴とする請求項2または請求項3に記載のワイパ
    ピボット装置の防水構造。
  5. 【請求項5】 上記突条は、平面形状が略へ字状である
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のワイ
    パピボット装置の防水構造。
  6. 【請求項6】 上記突部は、側面形状が略逆L字状に形
    成され、蒸気シャフトシール体の他端部から立上がり上
    記リンクジョイント部の上方を覆う突片からなることを
    特徴とする請求項1に記載のワイパピボット装置の防水
    構造。
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