JP2003168251A - 光記録媒体の製造方法 - Google Patents

光記録媒体の製造方法

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JP2003168251A JP2001366193A JP2001366193A JP2003168251A JP 2003168251 A JP2003168251 A JP 2003168251A JP 2001366193 A JP2001366193 A JP 2001366193A JP 2001366193 A JP2001366193 A JP 2001366193A JP 2003168251 A JP2003168251 A JP 2003168251A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 グルーブ部が深い場合でも高反射率を有し、
かつ高い変調度をも有する光記録媒体の製造方法を提供
する。 【解決手段】 スパイラル状のプリグルーブが形成され
た側の基板表面に、少なくとも、記録層と、反射層とを
順次形成して光記録媒体を製造する方法であって、前記
記録層が、溶剤に対する飽和溶解度の1/10〜1/2
の濃度である色素を含有する塗布液を相対湿度40%以
上の条件下でスピンコート法により塗布して、形成され
ることを特徴とする光記録媒体の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、光記録媒体の製造
方法であって、特に追記型の光記録媒体の製造方法に関
する。 【0002】 【従来の技術】従来から、レーザ光により一回限りの情
報の記録が可能な光記録媒体(ライトワンス型の光ディ
スク、所謂CD−R型の光ディスク)が知られている。
このタイプの光ディスクの代表的な構造は、透明な円盤
状基板上に有機色素からなる記録層、金や銀等の金属か
らなる反射層、さらに樹脂製の保護層をこの順に積層し
たものである。そしてこの光ディスクへの情報の記録
は、近赤外域のレーザ光(通常は780nm付近の波長
のレーザ光)を照射して記録層を局所的に発熱変形させ
て、ピットを形成させることにより行われる。一方情報
の読み取り(再生)は通常、記録用のレーザ光と同じ波
長のレーザ光を照射して、記録層が発熱変形された部位
(記録部分)と変形されない部位(未記録部分)との反
射率の違いを検出することにより行われている。 【0003】近年、パーソナルコンピュータ等の普及に
伴って記録密度のより高い光記録媒体が求められてい
る。記録密度を高めるには、照射されるレーザ光の光径
を小さく絞ることが有効であり、また波長が短いレーザ
光ほど光径を小さく絞ることができるため、高密度化に
有利であることが理論的に知られている。従って、従来
から一般的に用いられている780nmより短波長のレ
ーザ光を用いて記録再生を行うための光ディスクの開発
が進められており、例えば、追記型デジタル・ヴァーサ
タイル・ディスク(所謂DVD−R)と称される光ディ
スクが提案されている。この光ディスクは、直径が12
0mmあるいは直径が80mmの透明な円盤状基板上
に、色素を含有する記録層、そして通常は記録層の上に
さらに反射層および保護層を設けてなるディスクを二
枚、あるいは該ディスクと略同じ寸法の円盤状保護基板
とをそれぞれ記録層を内側にして接着剤で貼り合わせた
構造となるように製造されている。前記DVD−Rは、
可視レーザ光(通常は600nm〜700nmの範囲の
波長のレーザ光)を照射することにより、記録および再
生が行われ、CD−R型の光ディスクより高密度の記録
が可能であるとされている。 【0004】従来から、CD−R型の光ディスクにおい
ては、その記録層に含有する色素としてシアニン色素等
を使用する追記型の光記録媒体が知られている。このよ
うな色素の例としては、特開昭64−40382号公
報、あるいは「機能性色素の最新応用技術」(シー・エ
ム・シー、1996年4月発行、第3章の6)に記載さ
れているものがある。 【0005】追記型の光記録媒体では、情報の記録を案
内溝部へのピットの生成という形で行っており、そのピ
ット部分における基板の形状の変形は、色素の分解によ
る光学特性の変化とともに再生特性に大きな影響を与え
る。 【0006】ところで、色素を含む記録層は、一般にプ
リグルーブが形成された基板上に色素を含む溶液を塗布
し乾燥することによって形成されるが、この場合、グル
ーブ部の記録層の膜厚はランド部の記録層よりも厚くな
る。そのため、基板のプリグルーブ溝の形状を反映して
形成された記録層表面の溝深さは、基板のプリグルーブ
溝の深さよりも浅くなり、記録層に情報を記録してプリ
グルーブに記録ピットを形成させたとき、記録層表面の
溝上部(基板のランド部を反映した部分)と溝底部との
位相差が小さくなるために、記録ピットの変調度が小さ
くなるという問題がある。そのため、基板プリグルーブ
の深さを大きくして記録層表面に形成される溝の深さを
相対的に深くすることにより記録ピットの変調度を大き
くすることが考えられるが、その場会は、一般に反射率
が低下する傾向にある。 【0007】そこで、本出願人は先に、特開平4−13
2026号公報において、記録層を形成する際の色素溶
液の濃縮限界を99〜20%とし、これをスピンコート
して記録層を形成し、グルーブ部の記録層の厚さとラン
ド部の記録層の厚さとの差をλ/8(λ=再生用レーザ
の波長)以下として光記録媒体を製造する方法を開示し
た。 【0008】しかし、上記製造方法では、グルーブ部が
深い場合(本願で好ましいとされるグルーブの深さ(5
〜80nm)以上の深さの場合)、グルーブ部の記録層
の厚さとランド部の記録層の厚さとの差がλ/8以下に
なりにくい。また。グルーブ部の記録層の厚さが薄いた
め、変調度が小さいという問題点があった。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】以上から、本発明は、
グルーブ部が深い場合でも高反射率を有し、かつ高い変
調度をも有する光記録媒体の製造方法を提供することを
目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記目的は、以下に示す
本発明により達成することができる。すなわち、本発明
は、 <1> スパイラル状のプリグルーブが形成された側の
基板表面に、少なくとも、記録層と、反射層とを順次形
成して光記録媒体を製造する方法であって、前記記録層
が、溶剤に対する飽和溶解度の1/10〜1/2の濃度
である色素を含有する塗布液を相対湿度40%以上の条
件下でスピンコート法により塗布して、形成されること
を特徴とする光記録媒体の製造方法である。 <2> 前記スピンコート法により塗布する際の温度が
25℃以上であることを特徴とする<1>に記載の光記
録媒体の製造方法である。 <3> 前記スパイラル状のプリグルーブの深さが、1
00〜160nmであり、その半値幅が200〜400
nmであることを特徴とする<1>または<2>に記載
の光記録媒体の製造方法である。 <4> 前記スパイラル状のプリグルーブのトラックピ
ッチが400〜900nmであることを特徴とする<1
>〜<3>のいずれかに記載の光記録媒体の製造方法で
ある。 <5> 前記<1>〜<4>のいずれかに記載の光記録
媒体の製造方法により製造されることを特徴とする光記
録媒体である。 <6> 情報の記録および再生に使用されるレーザの波
長が、600〜700nmであることを<5>に記載の
光記録媒体である。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明の光記録媒体の製造方法
は、スパイラル状のプリグルーブが形成された側の基板
表面に、少なくとも、記録層と、反射層とを順次形成し
て光記録媒体を製造する方法であり、前記記録層が、溶
剤に対する飽和溶解度の1/10〜1/6の濃度である
色素を含有する塗布液を相対湿度40%以上の条件下で
スピンコート法により塗布して、形成される。なお、そ
の他の層として、下塗り層や保護層等その他の公知の層
を適宜有していてもよい。以下、本発明の光記録媒体の
製造方法について詳細に説明する。 【0012】前記基板としては、従来の光記録媒体の基
板材料として用いられている各種の材料を任意に選択し
て使用することができる。具体的には、ガラス;ポリカ
ーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹
脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニ
ル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィ
ン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等を挙げる
ことができ、所望によりこれらを併用してもよい。上記
材料の中では、耐湿性、寸法安定性および低価格等の点
から、アモルファスポリオレフィン、ポリカーボネート
が好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。また、
基板の厚さは、0.5〜1.2mmとすることが好まし
く、0.6〜1.1mmとすることがより好ましい。 【0013】基板には、トラッキング用の案内溝または
アドレス信号等の情報を表わす凹凸(プリグルーブ)が
形成されている。プリグルーブのトラックピッチは、3
00〜900nmの範囲とすること好ましく、350〜
850nmとすることがより好ましく、400〜800
nmとすることがさらに好ましい。300nm未満で
は、プログルーブを正確に形成することが困難になる
上、クロストークの問題が発生することがあり、900
nmを超えると、記録密度が低下する問題が生ずること
がある。また、プリグルーブの深さ(溝深さ)は、10
0〜160nmの範囲とすることが好ましく、120〜
150nmとすることがより好ましく、130〜140
nmとすることがさらに好ましい。100nm未満で
は、十分な記録変調度が得られないことがあり、160
nmを超えると、反射率が大幅に低下することがある。
さらに、プリグルーブの半値幅は、200〜400nm
の範囲とすることが好ましく、230〜380nmとす
ることがより好ましく、250〜350nmとすること
がさらに好ましい。200nm未満では、成形時に溝が
十分に転写されなかったり、記録のエラーレートが高く
なったりすることがあり、400nmを超えると、記録
時に形成されるピットが広がってしまい、クロストーク
の原因となったり、十分な変調度が得られないことがあ
る。 【0014】なお、後述する記録層が設けられる側の基
板の表面には、平面性の改善、接着力の向上の目的で、
下塗層を形成することが好ましい。該下塗層の材料とし
ては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸
・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共
重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリ
ルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロル
スルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化
ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイ
ミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢
酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リカーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤
等の表面改質剤;を挙げることができる。下塗り層を形
成する場合は、既述の下塗り層の材料を適当な溶剤に溶
解または分散して塗布液を調製した後、この塗布液をス
ピンコート、ディップコート、エクストルージョンコー
ト等の塗布法により基板表面(プリグルーブ等が形成さ
れた面)に塗布することにより、下塗り層を形成するこ
とができる。下塗層の層厚は、一般に0.005〜20
μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範
囲である。 【0015】記録層は、記録物質である色素を、結合剤
等と共に適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いで
この塗布液をスピンコート法により基板のプリグルーブ
が形成された面(必要に応じて下塗り層が形成された場
合は、該下塗り層上)に塗布して塗膜を形成した後、乾
燥することにより形成される。スピンコート法を適用す
る際の相対湿度は、40%以上とすることを必須としす
る。相対湿度を40%未満とすると、プリグルーブの色
素膜(記録層)が薄く形成されてしまい変調度が低下し
てしまう。溶剤が蒸発すると、気化熱のためその部分の
温度が低下する。このとき相対湿度が高いと、結露して
塗布ムラが発生しやすくなる。従って、相対湿度の上限
は、50%とすることが好ましい。また、スピンコート
法を適用する際の温度は、23℃以上とすることが好ま
しく、25℃以上とすることがより好ましい。温度の上
限は特にないが、溶剤の引火点より低い温度とする必要
があり、好ましくは35℃とする。23℃未満とする
と、溶剤の乾燥が遅くなり、目的とする色素膜厚(記録
層の厚み)が得られない場合や塗布乾燥時間が長くな
り、生産性が低下することがある。 【0016】塗布液中の色素の濃度は、塗布液に使用す
る溶剤に対する飽和溶解度の1/10〜1/2の濃度
(好ましくは、1/8〜1/3、より好ましくは、1/
6〜1/4)とする。飽和溶解度の1/10未満では、
目的とする色素膜厚が得られなくなったり、トラッキン
グエラー信号が小さくなり、トラッキングがかからなく
なってしまう。1/2を超えると、十分な変調度が得ら
れなくなってしてしまう。なお、色素を2種以上を含有
する場合は、一番割合の多い色素が上記範囲に入るよう
にする。 【0017】当該色素としては、シアニン色素、オキソ
ノール色素、金属錯体系色素、アゾ色素、フタロシアニ
ン色素等が挙げられ、なかでも、フタロシアニン色素が
好ましい。また、特開平4−74690号公報、特開平
8−127174号公報、同11−53758号公報、
同11−334204号公報、同11−334205号
公報、同11−334206号公報、同11−3342
07号公報、特開2000−43423号公報、同20
00−108513号公報、および同2000−158
818号公報等に記載されている色素も好適に用いられ
る。 【0018】塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸
エチル、2−メトキシエチルアセテート等のエステル;
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブ
チルケトン等のケトン;ジクロルメタン、1,2−ジク
ロルエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素;ジメチ
ルホルムアミド等のアミド;メチルシクロヘキサン等の
炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオ
キサン等のエーテル;エタノール、n−プロパノール、
イソプロパノール、n−ブタノールジアセトンアルコー
ル等のアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロプ
ロパノール等のフッ素系溶剤;エチレングリコールモノ
メチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリ
コールエーテル類;等を挙げることができる。上記溶剤
は使用する記録物質の溶解性を考慮して単独で、あるい
は二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布
液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑
剤等各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。 【0019】結合剤を使用する場合に、該結合剤の例と
しては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、
ロジン、ゴム等の天然有機高分子物質;ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の
炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニ
ル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メ
チル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化
ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘
導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性
樹脂の初期縮合物等の合成有機高分子;を挙げることが
できる。記録層の材料として結合剤を併用する場合に、
結合剤の使用量は、一般に記録物質に対して0.01倍
量〜50倍量(質量比)の範囲にあり、好ましくは0.
1倍量〜5倍量(質量比)の範囲にある。このようにし
て調製される塗布液中の記録物質の濃度は、一般に0.
01〜10質量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜5
質量%の範囲にある。 【0020】塗布方法としては、既述のようにスピンコ
ート法を適用するが、その際に使用する装置等について
は、従来公知のものを使用することができる。また、記
録層は単層でも重層でもよく、その層厚は、一般に20
〜500nmの範囲にあり、好ましくは30〜300n
mの範囲にあり、より好ましくは50〜100nmの範
囲にある。 【0021】記録層には、該記録層の耐光性を向上させ
るために、種々の褪色防止剤を含有させることができ
る。褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチ
ャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、
既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用す
ることができる。その具体例としては、特開昭58−1
75693号公報、同59−81194号公報、同60
−18387号公報、同60−19586号公報、同6
0−19587号公報、同60−35054号公報、同
60−36190号公報、同60−36191号公報、
同60−44554号公報、同60−44555号公
報、同60−44389号公報、同60−44390号
公報、同60−54892号公報、同60−47069
号公報、同63−209995号公報、特開平4−25
492号公報、特公平1−38680号公報、および同
6−26028号公報等の各公報、ドイツ特許3503
99号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号
第1141頁等に記載のものを挙げることができる。 【0022】前記一重項酸素クエンチャー等の褪色防止
剤の使用量は、色素の量に対して、通常0.1〜50質
量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の
範囲、更に好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好
ましくは5〜25質量%の範囲である。 【0023】記録層形成後、該記録層上に光反射性物質
を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングし
て反射層を形成する。反射層の形成に際しては、通常マ
スクが使用され、これによって反射層の形成領域を調節
することができる。 【0024】反射層には、レーザ光に対する反射率が高
い光反射性物質が用いられる。当該反射率は、70%以
上であることが好ましい。反射率が高い光反射性物質と
しては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、N
b、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、
Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、A
u、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、T
e、Pb、Po、Sn、Bi等の金属および半金属ある
いはステンレス鋼を挙げることができる。これらの光反
射性物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の
組合せで、または合金として用いてもよい。これらのう
ちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、
Au、Alおよびステンレス鋼である。特に好ましく
は、Au、Ag、Alあるいはこれらの合金であり、最
も好ましくは、Au、Agあるいはこれらの合金であ
る。反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範
囲とし、50〜200nmの範囲とすることが好まし
い。 【0025】反射層を形成した後は、該反射層上に必要
に応じて保護層が形成される。保護層は、スピンコート
法により形成される。スピンコート法を適用すること
で、記録層にダメージ(色素の溶解、色素と保護層材料
との化学反応等)を与えることなく保護層を形成するこ
とができる。スピンコートする際の回転数は、均一な層
形成および記録層へのダメージの防止の観点から、50
〜8000rpmとすることが好ましく、100〜50
00rpmとすることがより好ましい。なお、保護層に
紫外線硬化樹脂を使用した場合は、スピンコート法によ
り保護層を形成した後、該保護層上から紫外線照射ラン
プ(メタルハライドランプ)により紫外線を照射して、
紫外線硬化樹脂を硬化させる。また、形成する保護層の
厚みムラを無くすため、樹脂を硬化させる前に一定時間
放置する等の処理を適宜行ってもよい。 【0026】保護層は、水分の侵入やキズの発生を防止
する。保護層を構成する材料としては、紫外線硬化樹
脂、可視光硬化樹脂、熱硬化性樹脂、二酸化ケイ素等で
あることが好ましく、なかでも紫外線硬化樹脂であるこ
とが好ましい。該紫外線硬化樹脂としては、例えば、大
日本インキ化学工業社製の「SD−640」等の紫外線
硬化樹脂を挙げることができる。また、SD−347
(大日本インキ化学工業社製)、SD−694(大日本
インキ化学工業製)、SKCD1051(SKC社製)
等を使用することができる。保護層の厚さは、1〜20
0μmの範囲が好ましく、50〜150μmの範囲がよ
り好ましい。また、保護層が、レーザー光路として使用
される層構成においては、透明性を有することが必要と
される。ここで、「透明性」とは、記録光および再生光
に対して、該光を透過する(透過率:90以上)ほどに
透明であることを意味する。 【0027】以上のようにして、基板上に記録層、およ
び反射層、そして所望により保護層等を設けた積層体を
作製することができる。そして、かかる積層体を2枚用
意し、各々の記録層が内側となるように接着剤等で貼り
合わせることにより、二つの記録層を持つDVD−R型
の光記録媒体を製造することができる。また得られた一
枚の積層体と、該積層体の基板と略同じ寸法の円盤状の
保護基板もしくは該保護基板に記録層を除く既述の反射
層や保護層が形成された積層体とを、その記録層が内側
となるように(反射層や保護層が形成されている場合は
前記記録層とこれらの層が内側になるように)接着剤等
で貼り合わせることにより、片側のみに記録層を持つD
VD−R型の光記録媒体を製造することができる。 【0028】なお、前記接着剤として、前記保護層の形
成に用いたUV硬化性樹脂を用いてもよいし、合成接着
剤を用いもよい。合成接着剤としては、カチオン硬化型
エポキシ樹脂のような遅効型接着剤や紫外線硬化型アク
リレート樹脂のようなスピン硬化型接着剤を挙げること
ができ、遅効型接着剤がより好ましい。この接着剤の層
(接着層)に保護層の機能を兼用させることもできる。
接着層の厚さは、反りを防止するため、5〜55μmの
範囲が好ましく、より好ましくは10〜47μm、さら
に好ましくは13〜40μmである。また、二枚の積層
体の貼り合わせは、その他に両面テープ等を用いて行っ
てもよい。いずれの態様のDVD−R型の光記録媒体に
おいてもその全体の厚みは、1.2±0.2mmとなる
ように調整することが好ましい。 【0029】保護層と接着層との間には、保存性や接着
性を向上させるために、バッファー層を設けてもよい。
バッファー層に用いられる材料としては、例えば、Si
O、SiO2、MgF2、SnO2、Si34等の無機物
質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の
有機物質を挙げることができる。このバッファー層は、
真空成膜やスピンコート等を利用して形成することがで
きる。 【0030】本発明の製造方法により製造された光記録
媒体への情報の記録は、例えば、次のようにして行われ
る。まず、光記録媒体を所定の定線速度または所定の定
角速度にて回転させながら、基板側から半導体レーザ光
等の記録用のレーザ光を光学系を通して集光し、照射す
る。レーザ光の照射により、記録層の照射部分がその光
を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的
な変化(いわゆるピットの生成)が生じてその光学特性
を変えることにより、情報が記録される。 【0031】記録光としては、可視域のレーザ光、通常
600nm〜700nm(好ましくは620〜680n
m、さらに好ましくは、630〜670nm)の範囲の
発振波長を有する半導体レーザービームが用いられる。
また記録光は、NAが0.55〜0.7の光学系を通し
て集光されることが好ましい。 【0032】上記のように記録された情報の再生は、光
記録媒体を所定の定線速度で回転させながら記録時と同
じ波長を持つ半導体レーザ光を基板側から照射して、そ
の反射光を検出することにより行うことができる。 【0033】 【実施例】本発明を以下に示す実施例により具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 【0034】(実施例1)射出成形機(住友重機械工業
(株)製)を用いて、ポリカーボネート樹脂を、スパイ
ラル状のグルーブ(深さ140nm、幅800nm、ト
ラックピッチ0.74μm)を有する厚さ0.6mm、
直径120mmの基板に成形した。 【0035】下記化学式で表わされる色素Aを2,2,
3,3−テトラフルオロ−1−ペンタノール溶液に溶解
して塗布液(色素Aの濃度:0.68質量%)を調製し
た。温度30℃相対湿度45%RHにてこの塗布液を、
スピンコート法により上記基板のグルーブが形成されて
いる面に塗布し、厚さ120nmの記録層を形成した。
なお、色素Aの2,2,3,3−テトラフルオロ1−ぺ
ンタノールに対する飽和溶解度は1.4質量%であっ
た。 【0036】 【化1】 【0037】次に、前記記録層上に銀をスパッ夕リング
して厚さ150nmの反射層を形成した。該反射層上
に、紫外線硬化樹脂(大日本インキ化学工業(株)社製
ダイキュアクリアSD−318)をスピンコート法で塗
布し、メタルハライドランプで紫外線照射することで厚
さ7μmの保護層を形成し、全体の厚さが0.6mmの
ディスクAを作製した。 【0038】また、ディスクAと同じ基板で、グルーブ
が形成された面に銀をスパッタリングして反射層(厚
さ:150nm)を形成した。ディスクAと同様にして
保護層(厚さ:7μm)を形成し、記録層を有しない
0.6mm厚のディスクBを作製した。 【0039】作製したディスクAおよびディスクBのそ
れぞれの保護層面に、遅効性カチオン重合型接着剤(ソ
ニーケミカル(株)社製、SK7000)をスクリーン
印刷によって塗布し、それぞれの厚さが20μmの接着
層を形成した。次に、メタルハライドランプにて紫外線
照射した直後、ディスクAの接着層とディスクBの接着
層と貼合せ、両面から圧縮した。約5分間放置後、接着
剤は完全に硬化し、厚さ1.2mmの1枚のディスク
(光記録媒体)を作製した。 【0040】(実施例2)色素Aの代わりに、下記化学
式で表わされる色素Bを2,2,3,3−テトラフルオ
ロ−1−ペンタノール溶液に溶解して塗布液(色素Bの
濃度:1.25質量%)を調製し、これを使用した以外
は、実施例1と同様にして光記録媒体を作製した。な
お、色素Bの2,2,3,3−テトラフルオロ1−ぺン
タノールに対する飽和溶解度は6質量%であった。 【0041】 【化2】 【0042】(比較例1)塗布液中の色素Aの濃度を
1.1質量%とした以外は、実施例1と同様にして光記
録媒体を作製した。 【0043】(比較例2)塗布液を塗布する際の温度お
よび相対湿度を、それぞれ30℃および25%RHとし
た以外は、実施例1と同様にして光記録媒体を作製し
た。 【0044】実施例1および比較例1、2で作製した光
記録媒体について、エキスパートマグネティクス社製D
VDT−R(DVD−R Authoring用)を用
い、それぞれの最適記録パワー、ジッター、反射率およ
び14T変調度の評価を行った。なお、最適記録パワー
はジッターが最小となる記録パワーである。結果を下記
表1に示す。 【0045】 【表1】【0046】実施例1および実施例2の光記録媒体は、
比較例1および比較例2の光記録媒体と比較して、高い
反射率が得られた。また、最適記録パワー、ジッターお
よび14T変調度もほぼ同じ値が得られ、良好な結果で
あった。これは、実施例1および実施例2の光記録媒体
が、比較例1および比較例2の光記録媒体より、グルー
ブ部の記録層膜厚/ランド部の記録層膜厚が大きい、す
なわち、グループ部の膜厚がより厚いためであると推定
される。 【0047】 【発明の効果】本発明によれば、グルーブ部が深い場合
でも高反射率を有し、かつ高い変調度をも有する光記録
媒体の製造方法を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片山 和俊 神奈川県小田原市扇町2丁目12番1号 富 士写真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 5D121 AA01 EE22

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 スパイラル状のプリグルーブが形成され
    た側の基板表面に、少なくとも、記録層と、反射層とを
    順次形成して光記録媒体を製造する方法であって、 前記記録層が、溶剤に対する飽和溶解度の1/10〜1
    /2の濃度である色素を含有する塗布液を相対湿度40
    %以上の条件下でスピンコート法により塗布して、形成
    されることを特徴とする光記録媒体の製造方法。
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