JP2003164406A - 清掃用シート - Google Patents

清掃用シート

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JP2003164406A
JP2003164406A JP2001367965A JP2001367965A JP2003164406A JP 2003164406 A JP2003164406 A JP 2003164406A JP 2001367965 A JP2001367965 A JP 2001367965A JP 2001367965 A JP2001367965 A JP 2001367965A JP 2003164406 A JP2003164406 A JP 2003164406A
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cleaning
cleaning sheet
weight
aqueous
nonwoven fabric
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JP2001367965A
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Mikio Suzuki
幹雄 鈴木
Kenji Aida
健二 會田
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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  • Cleaning Implements For Floors, Carpets, Furniture, Walls, And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 キーボードのキーの狭い隙間や家具に付着し
ている皮脂汚れや水性汚れを容易に除去し得る清掃用シ
ートを提供すること。 【解決手段】 不織布を貼り合わせて貼り合わせ部21
を設け、その内側に挿入空間を有する扁平な袋状に形成
されており、水性洗浄剤が含浸された本発明の清掃用シ
ート1は、先端部に該清掃用シート1の装着用ヘッド2
2を備えた柄23を有する清掃具24におけるヘッド部
22が前記挿入空間に挿入されることによりヘッド部2
2に装着されて用いられる。清掃用シート1は、400
g/100cm2加重下での水性洗浄剤の放出量が0.
002〜0.04g/100cm2で且つ前記不織布の
重量当たり70〜500重量%の水性洗浄剤を含浸して
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、湿式の清掃用シー
トに関する。本発明の清掃用シートは、いわゆるハンデ
ィタイプの清掃具に装着され、床以外のリビング用品や
電化製品などの狭い隙間に付着した皮脂汚れや水性汚れ
の捕集・除去に好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】本出願
人は先に特開平9−154791号公報において、ハン
ディタイプの清掃具を提案した。この清掃具によれば、
キーボードなどのキーの隙間や、各種OA機器の操作ボ
タンの狭い隙間や、家具等に付着している綿埃などを効
率的に捕集・除去することができる。しかし、この清掃
具に装着される清掃布はドライタイプのものであること
から、狭い隙間や家具等の皮脂汚れや水性汚れを除去す
るには不向きであった。
【0003】従って、本発明は、キーボードのキーの隙
間、各種OA機器の操作ボタンの狭い隙間、及び家具等
に付着している皮脂汚れや水性汚れを容易に除去し得る
清掃用シートを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、不織布を貼り
合わせて貼り合わせ部を設け、その内側に挿入空間を有
する扁平な袋状に形成されており、水性洗浄剤が含浸さ
れた清掃用シートであって、前記清掃用シートは、先端
部に該清掃用シートの装着用ヘッドを備えた柄を有する
清掃具における該ヘッド部が前記挿入空間に挿入される
ことにより該ヘッド部に装着されて用いられ、前記清掃
用シートは、400g/100cm2加重下での前記水
性洗浄剤の放出量が0.002〜0.04g/100c
2で且つ前記不織布の重量当たり70〜500重量%
の前記水性洗浄剤を含浸している清掃用シートを提供す
ることにより前記目的を達成したものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下本発明を、その好ましい実施
形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1に示す
ように、本発明の清掃用シート1は、不織布を貼り合わ
せて貼り合わせ部21を設け、その内側に挿入空間を有
する扁平な袋状に形成したものである。貼り合わせ部2
1の外側には、非貼り合わせ部が設けられている。清掃
用シート1は、内部に挿入空間を有する扁平な袋状に形
成するように、例えば、二枚の不織布を重ね合わせ、所
定の幅でシールして貼り合わせ部21を設けることが好
ましい。しかしこれに代えて、一枚の不織布を折曲し、
折曲箇所以外の部分を所定の幅でシールして貼り合わせ
部を設け、後述する清掃具のヘッド部の形態に対応した
挿入空間を有する扁平な袋状に形成することもできる。
【0006】貼り合わせ部21の形態は、平面視でU字
状またはV字状の形態であり、U字状の形態としては、
先端部に角部を有する形態等も挙げられる。貼り合わせ
部21は、種々のシール法による他、縫合によっても設
けることができる。シール法によって貼り合わせ部21
を設ける場合には、その幅を好ましくは0.1mm〜2
0mm、更に好ましくは1mm〜10mmとすること
で、所望の強度を得ることができる。縫合によって貼り
合わせ部21を設ける場合には、ミシン縫い等で用いら
れる通常の縫合法を採用することが好ましい。
【0007】貼り合わせ部21の外側に設ける非貼り合
わせ部の幅は、貼り合わせ部21をシール法によって設
ける場合には、不織布の周縁部から好ましくは1mm〜
50mm、更に好ましくは5mm〜30mmとすること
が、清掃対象物を傷つけることを防止する点、非貼り合
わせ部での吸塵効果を高める点、及び操作性の点から好
ましい。貼り合わせ部21を縫合により設ける場合に
も、同様の理由により、不織布の周縁部から好ましくは
1mm〜50mm、更に好ましくは5mm〜30mmと
する。
【0008】非貼り合わせ部は、貼り合わせ部21に対
応してその外側に設けることが好ましい。二枚の不織布
から清掃用シート1を形成した場合には、非貼り合わせ
部は、開口部を除く清掃用シート1の全周に設け、ま
た、一枚の不織布から袋状に形成した場合には、清掃用
シート1の周縁部の一部に設けることが好ましい。非貼
り合わせ部は、貼り合わせ部21に対応して設けること
が好ましいが、貼り合わせ部21の外側の一部に設けて
も良い。非貼り合わせ部の外縁部の形態は、連続的な山
型形状(鋸歯状)にカットした形態であり、そのため、
埃等を効果的に付着させる上で効果的である。
【0009】本発明の清掃用シートにおいては、不織布
(以下、含浸用不織布という)の重量当たり70〜50
0重量%の水性洗浄剤が含浸されている。含浸率が70
重量%に満たないと、皮脂汚れや水性汚れに対する十分
な清掃性能が得られなくなる。500重量%を超えると
清掃対象面への水性洗浄剤の放出量が多くなり過ぎて清
掃対象面に汚れが残留してしまう。特に含浸率が70〜
230重量%、とりわけ100〜200重量%と低めに
設定すること、即ちハーフウエット状態とすることで、
リビング用品、電化製品、家具などを過度に濡らすこと
及びそれに起因する傷みの発生が更に防止され、しかも
ドライタイプの清掃用シートでは除去できない皮脂汚れ
や水性汚れを効果的に除去できるので好ましい。水性洗
浄剤の含浸用不織布への含浸率は、水性洗浄剤を含浸用
不織布に含浸させてそのままの状態またはマングル処理
等で過剰の水性洗浄剤を除去した後、含浸用不織布の重
量に対して無荷重下で測定される。
【0010】清掃用シートは、400g/100cm2
荷重下での水性洗浄剤の放出量(以下、洗浄剤放出量と
いう)が0.002〜0.04g/100cm2となっ
ている。洗浄剤放出量が0.002g/100cm2
満であると、皮脂汚れや水性汚れの除去性に劣り、0.
04g/100cm2超であると、清掃時の操作性が悪
くなる。特に洗浄剤放出量が0.002〜0.01g/
100cm2、とりわけ0.002〜0.005g/1
00cm2であると、皮脂汚れや水性汚れを除去できる
のと同時に、清掃対象面を過度に濡らすことが防止さ
れ、清掃対象面を傷めることも防止されるので好まし
い。また0.002〜0.01g/100cm2という
低い放出量を持続させることで、含浸率が低い状態、例
えば前述のハーフウエット状態であっても、清掃用シー
トが清掃作業中に乾燥してしまうことも防止される。従
来の湿式の清掃用シートにも含浸率の低いものはあった
が、そのような清掃用シートは洗浄剤の放出量が大き
く、放出の持続性がない。清掃用シートの洗浄剤放出量
を前記範囲内とするためには、例えば後述するように含
浸用不織布にエンボス加工を施して凹凸部を形成し、該
凸部の面積率や凸部と凹部との高低差をコントロールし
たり、水性洗浄剤の含浸率、含浸用不織布の親水性の度
合いや嵩高さ等をコントロールすればよい。
【0011】洗浄剤放出量は、図2に示す方法で測定さ
れる。即ち、水性洗浄剤が所定量含浸されてなる清掃用
シート1を、圧縮すること無く100×100mmの大
きさに裁断する。110×110mmの大きさのアクリ
ル板2の上に、この清掃用シート1を載置する。底面が
100×100mmの大きさの重り3(400g)を清
掃用シート1の上に載せて1分間放置した後、重り3及
び清掃用シート1を取り去って、アクリル板2の上に放
出された洗浄剤の量を天秤で速やかに測定する。
【0012】本発明の清掃用シートにおいては、髪の毛
や綿埃を効果的に絡み取る観点から、清掃面の繊維1本
1本の自由度を上げること、即ち、清掃面を低い繊維交
絡状態にすることが好適である。本発明の清掃用シート
における清掃面の繊維交絡状態の指標として、静摩擦抵
抗値を採用することができる。静摩擦抵抗値は、図3に
示す方法で測定される。即ち、サンドペーパー(3M社
製耐水ペーパー Techno sander 粒度1200番)4を
張り付けた、底面が10cm×10cmの重り(サンド
ペーパーを含む全重量400g)5を、水平な台6上に
しっかりと固定された、水性洗浄剤の含浸された清掃用
シート1(200mm×280mm)表面に、サンドペ
ーパーのサンド面が清掃用シートに対面するように載置
する。重りの側面に糸7を取り付け、この糸7の他端を
滑車8を介して引張試験機(オリエンティック社製、R
TM−25)のロードセル9に取り付ける。引張試験機
を作動させ、重り5を500mm/minの速度で 水
平に30mm移動させ、その際の初期の最大静摩擦抵抗
値を測定し、これを清掃面の繊維交絡度の指標とする。
測定は、清掃用シートの製造工程におけるシートの流れ
方向(MD)と幅方向(CD)について実施する。サン
ドペーパーは1回の測定ごとに新しいものに交換する。
水性洗浄剤の含浸された清掃用シートの清掃面において
は、繊維が低交絡状態、即ち、繊維1本1本の自由度が
高い状態である程、繊維がサンドペーパーに引っかかる
ために、静摩擦抵抗値は高い値を示す傾向が認められ
る。
【0013】清掃用シートにおける繊維交絡状態の指標
となる清掃面の静摩擦抵抗値は、900〜2500cN
であることが好ましい。900cN未満であると、髪の
毛や綿埃の良好な絡み取り性が得られにくくなる。25
00cNを超えるとシートの表面強度が弱くなって繊維
が床板のバリ等に引っかかることがあり、また操作性が
悪くなることもある。髪の毛・綿埃の絡み取り性と清掃
用シートの表面強度等とを両立する観点からは、静摩擦
抵抗値は1100〜2200cN、特に1200〜20
00cNの範囲が好ましい。清掃用シートのMD及びC
Dの何れの方向においても静摩擦抵抗値が前記範囲内で
あることが最も好ましいが、少なくとも何れか一方の方
向における静摩擦抵抗値が前記範囲内であれば十分であ
る。
【0014】次に清掃用シートを構成する含浸用不織布
について説明する。含浸用不織布は、少なくとも清掃面
が、繊維長20mm以上、特に30〜100mm、とり
わけ35〜65mmの繊維から構成される不織布で構成
されることが、清掃用シートの表面強度が十分に発現す
る点で好ましい。繊維長20mm以上の繊維から構成さ
れる不織布は、そのすべての構成繊維の繊維長が20m
m以上であることを要せず、該不織布の原料中に及び/
又は製造工程にて不可避的に混入及び/又は発生する繊
維長20mm未満の繊維が含まれることは許容される。
特に、含浸用不織布は、その清掃面がスパンレース不織
布から構成されていることが好ましい。スパンレース不
織布は低い繊維交絡状態を発現できるので、風合いが良
く、また髪の毛や綿埃の絡み取り性が良好となる。清掃
面がスパンレース不織布から構成される含浸用不織布と
しては、スパンレース不織布単体や、芯材となるシート
材の上下面の少なくとも一方にスパンレース不織布が積
層一体化された複合スパンレース不織布などが挙げられ
る。特に、芯材となるシート材(以下、内層という)の
上下面にスパンレース不織布(以下、外層という)が積
層一体化された三層構造の複合スパンレース不織布を用
いることが、水性洗浄剤の保持性及び放出性の点から好
ましい。
【0015】三層構造の複合スパンレース不織布におけ
る外層を構成する繊維は、親水性セルロース繊維及び低
融点の熱可塑性繊維を含むことが、清掃性、操作性及び
不織布の強度を維持する点から好ましい。親水性セルロ
ース繊維としては、レーヨン、コットン繊維等が挙げら
れる。親水性セルロース繊維は、外層の重量当たり30
〜98重量%、特に50〜90重量%含まれていること
が、皮脂汚れや水性汚れを効率良く除去し得る点から好
ましい。これは親水性セルロース繊維が、皮脂汚れや水
性汚れが溶解・分散した汚液を再吸収する特性に優れて
いることに起因している。一方、低融点の熱可塑性繊維
は、後述するように、複合スパンレース不織布を熱エン
ボス加工してその強度を高める目的で用いられる。低融
点の熱可塑性繊維としては、融点200℃以下のものが
好ましく、特に170℃以下のものが好ましい。具体的
には、ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維、低
融点タイプのポリエチレンテレフタレート系繊維、ポリ
ビニルアルコール繊維及びこれらの繊維の低融点繊維を
鞘成分、高融点繊維を芯成分とした芯鞘状繊維や、低融
点繊維と高融点繊維とのサイドバイサイド繊維が挙げら
れる。低融点の熱可塑性繊維は、外層の重量当たり2〜
70重量%、特に10〜50重量%含まれていること
が、熱エンボス加工された後の複合スパンレース不織布
の強度が向上し、また清掃時の操作性が良好になる点か
ら好ましい。
【0016】外層の坪量は、複合スパンレース不織布の
トータルの坪量との関係で、8〜70g/m2、特に1
5〜30g/m2であることが好ましい。また、その厚
み(各外層の厚み)は、0.05〜5mmが好ましく、
髪の毛・綿埃の捕集性及びコストの点から0.1〜2m
m、特に0.2〜1mmであることがより好ましい。
【0017】一方、三層構造の複合スパンレース不織布
における内層としては、紙、不織布、織物、樹脂製ネッ
ト等の種々のシート材を用いることができる。これらシ
ート材は、清掃用シートの強度を維持する点から高強
度、例えば破断強度が200cN/25mm以上である
ことが好ましい。複合スパンレース不織布の坪量を10
0g/m2以下にする場合には、水性洗浄剤を保持し、
且つ複合スパンレース不織布の強度、厚み感及びクッシ
ョン性を発現させる点から、内層は低密度で嵩高である
ことが好ましい。そのような特性を有する内層の構成材
料としては、例えばサーマルボンド(エアスルー)不織
布、スパンレース不織布、エアーレイド不織布等の不織
布が好ましい。前記破断強度は高い程好ましいが、現実
的には100N/25mm程度が上限値となる。
【0018】内層が繊維から構成されている場合、該繊
維としては、レーヨン、コットン、パルプ、ポリビニル
アルコール繊維等の親水性繊維を用いることができる。
また、内層の厚みを増し且つクッション性を高める観点
から、疎水性繊維を主に用いることも好ましい。例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン
系繊維、ポリエステル繊維、ナイロン等のポリアミド系
繊維、ポリアクリロニトリル系繊維及びこれらの繊維の
芯鞘型繊維やサイドバイサイド型繊維等の複合繊維が挙
げられる。これらの繊維には立体クリンプがかかってい
ることが、内層の厚みが増し、またクッション性が良好
になる点から好ましい。また、熱エンボス加工によって
複合スパンレース不織布の表面に凹凸部を形成する場合
には、熱収縮性繊維や熱捲縮性繊維が用いられる。
【0019】内層の坪量は、複合スパンレース不織布の
トータルの坪量との関係で、20〜150g/m2、特
に25〜80g/m2であることが好ましい。また、そ
の厚みは、0.2〜4.8mmであることが好ましく、
厚みやクッション性を高める点及び使い捨てに抵抗感の
ないコストを満足する点から0.4〜3mm、特に0.
6〜2mmであることがより好ましい。
【0020】前述の内層及び外層から構成される複合ス
パンレース不織布は、例えば以下の方法により好ましく
製造される。先ず内層となるシート材、例えばサーマル
ボンド不織布の両面に、カード法等によって作製した繊
維ウエブを重ね合わせた状態とする。次いで、高圧水流
を用いた絡合処理(ウォーターニードリング処理)を施
して該繊維ウエブの繊維間を絡合させて外層を構成する
スパンレース不織布を形成すると共に該繊維ウエブがサ
ーマルボンド不織布からなる内層に対しても絡合状態で
一体化した低交絡複合スパンレース不織布を製造する。
このようにして得られた不織布は、シート材であるサー
マルボンド不織布の両面に、繊維ウエブの繊維絡合で形
成された不織布状の繊維集合体(スパンレース不織布)
が、その構成繊維の絡合と共に前記シート材料に対して
も絡合状態で一体化している。次いで、必要に応じ、こ
れに熱エンボス加工を施す。
【0021】別の好ましい製造法としては、先ず、外層
となる低交絡で繊維自由度の高いスパンレース不織布を
製造する。これとは別に内層となるシート材を製造す
る。内層の両面に外層を配して熱エンボス加工を施し三
者を一体化させて積層シートを形成する。
【0022】複合スパンレース不織布を始めとする含浸
用不織布は、その坪量が40〜200g/m2、好まし
くは50〜150g/m2、更に好ましくは55〜10
0g/m2となっている。含浸用不織布の坪量が40g
/m2未満であると、広い面積の清掃対象面を拭くのに
必要な量の水性洗浄剤を含浸しづらくなる。200g/
2を超えると重量増加で操作性が劣る場合があり、ま
たコストアップにもなる。また、その厚みは、3g/c
2の荷重下で、0.4〜5mm、特に0.6〜2mm
であることが、水性洗浄剤の保持性並びに清掃用シート
の操作性及びシート強度の点から好ましい。
【0023】含浸用不織布は、使用時に清掃対象面に接
触する面に、多数の凸部及び熱及び圧力の適用によって
圧密化した多数の凹部を有していることが好ましい。こ
れによって、清掃時における清掃用シートと清掃対象面
との摩擦抵抗値が低減し、また水性洗浄剤の放出量を容
易にコントロールできる。凸部の面積は、含浸用不織布
の清掃面の見掛けの面積に対して30〜95%、特に4
0〜85%、とりわけ50〜80%であることが、洗浄
剤放出量のコントロール、清掃時における髪の毛・綿埃
の捕集性などの点から好ましい。含浸用不織布の清掃面
の見掛けの面積とは、含浸用不織布の清掃面を平面視し
たときの面積をいう。
【0024】含浸用不織布の表面に凹凸部を形成する方
法としては、(1)熱エンボス加工、(2)熱捲縮性繊
維ウェブ又は熱収縮性繊維ウェブに非熱捲縮性繊維ウェ
ブ又は非熱収縮性繊維ウェブを積層一体化した後、熱処
理して起伏を発現させる加工法、(3)熱収縮性のフィ
ルムと繊維ウェブとを所定の部分で一体化した後、熱処
理して凹凸を発現させる加工法、(4)ウォータージェ
ット等により熱収縮性の網状ネットと繊維ウェブとを一
体化した後、熱処理して凹凸を発現させる加工法、
(5)スパンレース不織布の製造時に、搬送ワイヤーの
パターンを該不織布に刻印して凹凸を発現させる加工
法、(6)繊維ウェブをパターンネット上に保持した状
態で吸引し、該パターンネットのパターンを該繊維ウェ
ブに刻印して凹凸を発現させる加工法等が挙げられる。
【0025】凸部の面積は以下のようにして測定され
る。即ち、水性洗浄剤が所定量含浸された清掃用シート
(10cm×10cm)を1枚に広げて、水に濡れた部
分が黒く濃色化されるお習字練習用半紙〔(株)呉竹精
昇堂社製、KN37−10〕の上に置く。清掃用シート
の上に10cm×10cmのアクリル板(25g)を載
せ、さらにその上に2000gの重りを載せて60秒間
荷重をかけた。その後、すばやく重り及びアクリル板を
取り除き、半紙の黒く濃色化された部分の面積を画像解
析装置〔(株)ネクサス社製、New Qube〕を用
いて求め、この値を凸部の面積とした。さらに凸部の面
積を100cm2(清掃用シートの清掃面の見掛けの面
積)で除した値を凸部の面積率とした。
【0026】凹部のパターンとしては、連続した直線
状、曲線状あるいはその両方を一部に有するパターンな
どが挙げられる。また、連続した直線状あるいは曲線状
のパターンと、非連続の点状パターンとを組み合わせた
パターンも好適に使用される。特に連続した線状の凹部
が相互に交わり、該凹部によって閉鎖された凸部が形成
されるパターン、例えば菱形格子状のパターンが、含浸
用不織布の表面強度を維持する点から好ましい。凹部が
直線状又は曲線状である場合は、その線幅は0.5〜3
mmが好ましい。また、凹部間の距離は清掃用シートに
要求される特性等に応じて適宜調整される。
【0027】含浸用不織布における凸部と凹部との高低
差は、洗浄剤放出量が前述した範囲内となるようにコン
トロールされることが好ましく、具体的には0.02〜
1mm、特に0.04〜0.7mmであることが好まし
い。この高低差は、含浸用不織布の断面をマイクロスコ
ープ等を用いて観察することにより測定できる。
【0028】含浸用不織布は、その破断強度が200c
N/25mm以上、特に300〜8000cN/25m
mであることが、清掃時に要求されるシート強度が十分
となることと髪の毛・綿埃の絡み取り性とを両立させる
点から好ましい。前記破断強度は、含浸用不織布の流れ
方向(MD)及び幅方向(CD)の少なくとも何れか一
方が前記の値を満たしていれば十分である。
【0029】次に、含浸用不織布に含浸される水性洗浄
剤について説明する。水性洗浄剤は、25℃での粘度が
好ましくは20〜30000mPa・s、更に好ましく
は100〜1000mPa・s、一層好ましくは300
〜800mPa・sである。この範囲の粘度の水性洗浄
剤を用いることにより、(1)清掃初期に清掃対象面に
放出される水性洗浄剤の量が低減されて、清掃の最初か
ら最後までの水性洗浄剤の放出量が均一になり、(2)
広い面積の清掃対象面に対する清掃持続性が向上し、
(3)清掃初期でも水性洗浄剤の放出量が低いので、清
掃用シートの清掃対象面に対する摩擦抵抗値が低下し、
(4)清掃初期でも水性洗浄剤の放出量が低いので、清
掃用シート表面の繊維自由度が大きく、髪の毛や綿埃を
繊維によって絡み取って保持するという利点がある。詳
細には、水性洗浄剤の粘度が20mPa・s未満である
と、清掃初期に清掃対象面に放出される水性洗浄剤の量
を低減させにくいことがある。30000mPa・sを
超えると、水性洗浄剤を含浸用不織布に含浸させること
が困難になる場合がある。粘度はブルックフィールド型
粘度計を用いて測定される。使用ローター及び回転数
は、水性洗浄剤の粘度に応じて適宜変更する。
【0030】水性洗浄剤は帯電防止剤を含んでいる。ま
た水性洗浄剤は増粘剤も含んでいる。水性洗浄剤で用い
られる帯電防止剤の代表的なものとして界面活性剤があ
る。その中でも基材に対する吸着性が高いことから、陽
イオン界面活性剤及び両性界面活性剤が帯電防止剤とし
て広く用いられている。しかし、水性洗浄剤に配合され
るその他の成分、例えば増粘剤等は、その多くが陰イオ
ン性であることから、陽イオン界面活性剤及び両性界面
活性剤はそれらの成分と凝集・沈降等を発生させ易い。
その結果、良好な保存安定性が得られにくいため配合処
方に大きな制約が生ずる。本発明者らは、陽イオン界面
活性剤や両性界面活性剤に代えて、陰イオン界面活性剤
や非イオン界面活性剤を帯電防止剤として用いると、一
般的に用いられている陰イオン性の成分が配合された系
でも良好な清掃性及び帯電防止性と水性洗浄剤の保存安
定性とが両立可能になることを知見した。
【0031】帯電防止剤として用いられる陰イオン界面
活性剤としては、少なくともアルキル基、及びスルホン
酸塩基又はリン酸塩基を有するものが用いられる。アル
キル基としては、炭素数6〜24、特に10〜18の直
鎖又は分岐鎖のものが、帯電防止性能の点から好適に用
いられる。陰イオン界面活性剤の具体例としては、アル
キルスルホン酸塩やポリオキシエチレン(エチレンオキ
サイド付加モル数1〜30、特に2〜20)アルキルエ
ーテルリン酸塩が好適なものとして挙げられる。これら
の陰イオン界面活性剤を構成する塩としては、ナトリウ
ム塩やカリウム塩が挙げられる。これらの陰イオン界面
活性剤は一種又は二種以上を用いることができる。
【0032】帯電防止剤として用いられる非イオン界面
活性剤としては、ポリオキシエチレンソルビタンモノア
ルキレートが挙げられる。この非イオン界面活性剤にお
いて、エチレンオキサイド付加モル数は1〜30、特に
2〜20であることが、帯電防止性能の点から好まし
い。同様の理由により、アルキル基としては炭素数6〜
24、特に10〜18の直鎖又は分岐鎖のものが好まし
い。この非イオン界面活性剤は一種又は二種以上を用い
ることができる。
【0033】本発明においては、帯電防止剤としての界
面活性剤に代えて、水不溶性の帯電防止剤を用いること
もできる。界面活性剤の多くは水溶性であり耐水性が低
いので、帯電防止効果に持続性がない場合があるが、水
不溶性の帯電防止剤を用いることで、清掃対象面の帯電
防止効果が長時間持続する。水不溶性の帯電防止剤のな
かでもシリコーン類を用いると、帯電防止効果に加え
て、撥水・撥油効果による防汚効果等を付与することが
可能となる。各種シリコーン類のうち、水不溶性のアミ
ノ変成シリコーンを帯電防止剤として用いることが好ま
しい。アミノ変性シリコーンは、帯電防止効果及び防汚
効果などが高く、また基材に対する吸着性が高いことか
ら、これらの効果の持続性が向上する。従ってアミノ変
成シリコーンは、清掃用シートに含浸される洗浄剤の成
分として極めて適切である。アミノ変成シリコーンは、
水性洗浄剤の配合安定性の点から、乳化状態にあるもの
を用いることが好ましい。
【0034】水性洗浄剤における帯電防止剤の配合量
は、十分な帯電防止能の発現の点及び後述する増粘剤の
配合量との関係で、0.005〜2重量%、特に0.0
1〜1重量%であることが好ましい。
【0035】増粘剤は、水性洗浄剤の粘度、ひいては清
掃用シートからの水性洗浄剤の放出量を調整する目的で
配合される。増粘剤としては、前述した帯電防止剤の種
類との関係で、陰イオン界面活性剤又は非イオン界面活
性剤が用いられる場合には、陰イオン増粘剤又は非イオ
ン増粘剤が用いられる。一方、水不溶性のアミノ変成シ
リコーンが帯電防止剤として用いられる場合には、陽イ
オン増粘剤又は非イオン増粘剤が用いられる。帯電防止
剤の種類との関係で増粘剤の種類を適切に選択すること
によって、帯電防止剤との間での凝集及びこれに起因す
る沈降が効果的に防止され、水性洗浄剤の保存安定性が
向上する。
【0036】陰イオン増粘剤としては、アクリル酸・メ
タクリル酸アルキル共重合体系増粘剤、ポリアクリル酸
系増粘剤などを用いることが好ましい。非イオン増粘剤
としては、天然多糖類、セルロース系高分子やデンプン
系高分子などの半合成高分子、ビニル系高分子及びポリ
エチレンオキサイドなどの合成高分子が挙げられる。こ
れらの増粘剤は一種又は二種以上を用いることができ
る。特に、ベタツキ感、ヌルツキ感が低いことから、ポ
リアクリル酸増粘剤若しくはアクリル酸・メタクリル酸
アルキル共重合体系増粘剤又はこれらの混合物を用いる
ことが好ましい。陽イオン増粘剤としては、キトサン、
ポリアクリル酸エステル系増粘剤、ポリメタクリル酸エ
ステル系増粘剤、カチオン化グアー(カチオン化された
ガラクトマンナンを主成分とする天然高分子多糖類)な
どを用いることが好ましい。
【0037】水性洗浄剤における増粘剤の配合量は、水
性洗浄剤の粘度の調整の点及び前述した帯電防止剤の配
合量との関係で、0.01〜2重量%、特に0.02〜
1重量%であることが好ましい。
【0038】水性洗浄剤は、前述した帯電防止剤及び増
粘剤を含み、水を媒体とするものである。水は、水性洗
浄剤中に、50〜99.9重量%、特に80〜99重量
%配合されることが、被清掃面の仕上がり性の点から好
ましい。
【0039】帯電防止剤として水不溶性のアミノ変成シ
リコーンを用いる場合には、水性洗浄剤には、洗浄剤と
しての界面活性剤が配合される。一方、帯電防止剤とし
て陰イオン界面活性剤又は非イオン界面活性剤を用いる
場合には、該界面活性剤を配合すれば水性洗浄剤に帯電
防止性能が付与されることに加えて洗浄性能が付与され
ることになるが、必要に応じ、帯電防止剤として用いら
れる界面活性剤とは別に、洗浄剤としての界面活性剤を
付加的に配合してもよい。洗浄剤として用いられる界面
活性剤には帯電防止能は必要とされない。洗浄剤として
用いられる界面活性剤も、帯電防止剤の種類に応じ適切
なものが選択される。具体的には、帯電防止剤として陰
イオン界面活性剤又は非イオン界面活性剤が用いられる
場合には、洗浄剤として陰イオン性界面活性剤又は非イ
オン界面活性剤が用いられる。一方、帯電防止剤として
水不溶性のアミノ変成シリコーンが用いられる場合に
は、陽イオン界面活性剤又は非イオン界面活性剤が用い
られる。何れの帯電防止剤を用いる場合にも、洗浄剤と
してアルキルグルコシドなどの非イオン界面活性剤を用
いることが好ましい。
【0040】更に、水性洗浄剤には、必要に応じて前述
の成分の他にアルカリ剤や水溶性溶剤を配合させること
もできる。水性洗浄剤に配合されるこれらの成分はすべ
て水溶性であることが、清掃後の仕上がり性の点から好
ましい。アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム等の水
酸化物、炭酸ナトリウム等の炭酸塩、硫酸水素ナトリウ
ム等のアルカリ性の硫酸塩、第1リン酸ナトリウム等の
リン酸塩、酢酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム等の有
機アルカリ金属塩、アンモニア、モノ、ジ又はトリエタ
ノールアミン等のアルカノールアミン、2−アミノ−2
−メチル−1−プロパノール等のβ−アミノアルカノー
ル並びにモルホリン等が挙げられる。水溶性溶剤として
は、エタノール、イソプロピルアルコール及びプロパノ
ールなどの1価アルコール、エチレングリコール及びプ
ロピレングリコールなどの多価アルコール、並びにその
誘導体であるエチレングリコールモノメチルエーテル及
びプロピレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げ
られる。アルカリ剤は、水性洗浄剤中に0.01〜1重
量%、特に0.05〜0.5重量%配合されることが、
洗浄性及び感触の面で好ましい。水溶性溶剤は、水性洗
浄剤中に1〜50重量%、特に1〜20重量%配合され
ることが、臭い及び皮膚刺激性の低減の点から好まし
い。
【0041】更に、水性洗浄剤には必要に応じ、除菌
剤、香料、防黴剤、色素(染料、顔料)、キレート剤、
ワックス剤等を含有させることもできる。
【0042】次に本発明の清掃用シートが装着される清
掃具について説明する。図1に示すように、清掃具24
は、柄23の先端部に柔軟性素材からなるヘッド部22
を備えており、該ヘッド部22に清掃用シート1が装着
されるようになっているハンディタイプのものである。
ヘッド部22の形状は、縦長で且つ厚さが横巾より小で
ある扁平形状で且つ断面が台形状である。ヘッド部22
の前方部は、少なくともその上面がヘッド部22の先端
部に向けて傾斜面となしてあり、且つ該先端部における
該傾斜面とヘッド部22の底面とのなす角度が鋭角にな
っている。ヘッド部22の前方部の横巾は、該ヘッド部
22の先端部に向けて漸減している。ヘッド部2の両側
面は傾斜面となしてある。ヘッド部22の底面23は平
面になしてある。ヘッド部22の先端部の横巾は、ヘッ
ド部22の後端部の横巾より小となしてある。ヘッド部
22は、その後端部において、柄23の先端部に、該柄
23の延長方向にヘッド部22の先端部を向けて結合し
てある。柄23は、その握り手部がヘッド部22の上面
よりも上方に位置する形状となしてある。
【0043】〔実施例1〜7及び比較例1〕芯がポリプ
ロピレンからなり鞘がポリエチレンからなる芯鞘構造
で、立体クリンプ形状をもつ低融点繊維(2.8dte
x×51mm、鞘成分の融点130℃)を用いて坪量2
7g/m2のエアースルー不織布を作製した。繊維同士
を温度140℃で熱接着させた。このエアスルー不織布
の破断強度は流れ方向(MD)が1790cN/25m
m、幅方向(CD)が240cN/25mmであった。
【0044】一方、レーヨン繊維(1.7dtex×4
0mm)と、アクリル繊維(0.9dtex×51m
m)と、芯がポリプロピレンからなり鞘がポリエチレン
からなる芯鞘繊維(1.0dtex×38mm)とを、
重量比50/25/25の比率で混合し、常法のカード
機で作製した坪量19g/m2の繊維ウエブを、前記エ
アースルー不織布の上下に積層した。次いで、低エネル
ギー条件でウォーターニードリング処理を施し、エアー
スルー不織布と繊維ウエブとを交絡させて繊維自由度の
高い表面層を有する坪量65g/m2の複合スパンレー
ス不織布を作製した。超音波エンボス機を用い、作製し
た不織布の全面に菱形格子状の凹凸模様からなるエンボ
ス加工を施した。凸部の面積率は表1に示す通りであっ
た。
【0045】表1に示す配合組成の水性洗浄剤を、同表
に示す含浸率で複合スパンレース不織布に含浸させて清
掃用シートを作製した。得られた清掃用シートについ
て、前述の方法で洗浄剤放出量を測定すると共に以下に
述べる方法で帯電圧を測定した。また図1に示す袋状の
形態に形成された清掃用シートについて、以下に述べる
方法で髪の毛の捕集率、ダストの捕集率及び6畳目の醤
油乾燥汚れの除去性を測定した。結果を表1に示す。
【0046】〔髪の毛の捕集率〕クイックルハンドワイ
パー〔花王(株)製〕のヘッド部に、清掃用シートを装
着した。30cm×60cmの木片(松下電工製 ウッ
ディタイルMT613T)上に約10cmの髪の毛を5
本散布し、その上に清掃用シートを乗せて一定のストロ
ーク(60cm)で2往復清掃して清掃用シートに捕集
された髪の毛の本数を測定した。この操作を連続6回実
施して、30本中何本の髪の毛が捕集されたかを測定し
た。捕集された髪の毛の数を30で除し、これに100
を乗じて、その値を髪の毛の捕集率(%)とした。
【0047】〔ダストの捕集率〕クイックルハンドワイ
パー〔花王(株)製〕に、清掃用シートを装着した。1
00cm×100cmの木片(松下電工製 ウッディタ
イルMT613T)上にJIS試験用ダスト7種(関東
ローム層、細粒)を0.1g散布し(ハケを用いて全面
に均一散布)、木片を1往復で4列清掃した。この操作
を連続6回した後、汚れた清掃用シートを乾燥させて重
量(シート+洗浄剤不揮発成分+ダスト)を測定し、含
浸前に測定したシート重量と理論上残留する洗浄剤不揮
発成分重量を差し引いてダストの捕集量を算出した。捕
集されたダストの重量を、散布した全ダスト重量(0.
6g=0.1g×6回)で除し、これに100を乗じ
て、その値をダストの捕集率(%)とした。
【0048】〔6畳目の醤油乾燥汚れの除去性〕清掃性
及び持続性を評価するためのフローリング板(面積:1
畳)上に、市販の醤油を1滴(0.02g)垂らして、
ドライヤーで乾燥させた。クイックルハンドワイパー
〔花王(株)製〕に、清掃用シートを装着して別のきれ
いなフローリングを5畳分連続して清掃した後に、乾燥
した醤油汚れが付着したフローリング1畳を清掃して以
下の基準で評価を行った。尚、先に清掃する5畳分のフ
ローリングは約90cmの距離を1往復拭くのを1スト
ロークとし、それを1畳の長手方向(180cm)に2
列、短手方向(90cm)に4列拭いて1畳分の清掃と
した。醤油汚れの付着したフローリングは汚れの上のみ
を拭いて、その清掃回数と汚れ落ちの関係を評価した。 ○:10往復以下の清掃で完全に汚れが除去できた。 ○〜△:15往復の清掃で完全に汚れが除去できた。 △:20往復の清掃で完全に汚れが除去できた。 △〜×:30往復の清掃で完全に汚れが除去できた。 ×:30往復を超えても完全に汚れは除去できなかっ
た。
【0049】〔帯電圧〕温度20℃湿度65%RHの環
境下で測定を行った。片面に剥離処理を施した厚さ30
μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム
を200×200mmの大きさにカットし、その両面を
清掃用シートで1往復清拭し、自然乾燥させた。このP
ETフィルムの剥離処理面側を、木製机上で10往復手
で素早く擦り付けた。PETフィルムを木製机から静か
に剥がし、剥離処理面の静電気量を静電測定器(ヒュー
グルエレクトロニクス製、MODEL-203)を用いて速やか
に測定した。
【0050】
【表1】
【0051】表1に示す結果から明らかなように、各実
施例の清掃用シート(本発明品)は、髪の毛の捕集率、
ダストの捕集率及び6畳目の醤油乾燥汚れの除去性の何
れにも優れていることが判る。特に、陰イオン帯電防止
剤が配合された洗浄剤が含浸されている実施例1〜6の
清掃用シートは、帯電圧が低く帯電防止効果に優れてい
ることが判る。これに対して比較例1の清掃用シート
は、洗浄剤放出量が低すぎて6畳目の醤油乾燥汚れの除
去性が劣り、また帯電防止効果を付与できないことが判
る。
【0052】
【発明の効果】本発明の清掃用シートによれば、キーボ
ードのキーの隙間、各種OA機器の操作ボタンの狭い隙
間、及び家具等に付着している皮脂汚れや水性汚れを容
易に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の清掃用シートが装着された清掃具を示
す斜視図である。
【図2】洗浄剤放出量の測定方法を示す模式図である。
【図3】摩擦抵抗値の測定方法を示す模式図である。
【符号の説明】
1 清掃用シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B074 AA01 AA02 AA08 AB01 BB01 CC03 4H003 AB14 AC05 BA19 BA22 DA05 DC01 EB04 EB14 EB30 ED02 FA21 FA30

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不織布を貼り合わせて貼り合わせ部を設
    け、その内側に挿入空間を有する扁平な袋状に形成され
    ており、水性洗浄剤が含浸された清掃用シートであっ
    て、 前記清掃用シートは、先端部に該清掃用シートの装着用
    ヘッドを備えた柄を有する清掃具における該ヘッド部が
    前記挿入空間に挿入されることにより該ヘッド部に装着
    されて用いられ、 前記清掃用シートは、400g/100cm2加重下で
    の前記水性洗浄剤の放出量が0.002〜0.04g/
    100cm2で且つ前記不織布の重量当たり70〜50
    0重量%の前記水性洗浄剤を含浸している清掃用シー
    ト。
  2. 【請求項2】 前記不織布は、内層と、その上下面に積
    層された外層とが一体化された三層構造からなり、その
    坪量が40〜200g/m2であり、前記外層は、繊維
    長20mm以上の繊維から構成されており且つ該外層の
    重量(乾燥基準)当たり親水性セルロース繊維30〜9
    8重量%及び低融点の熱可塑性繊維2〜70重量%を含
    んでいる請求項1記載の清掃用シート。
  3. 【請求項3】 前記水性洗浄剤の25℃での粘度が20
    〜30000mPa・sである請求項1又は2記載の清
    掃用シート。
  4. 【請求項4】 前記不織布に熱エンボス加工が施されて
    表面に多数の凹凸が形成されており、該凸部の面積が該
    不織布の見掛けの面積に対して30〜95%である請求
    項1〜3記載の清掃用シート。
  5. 【請求項5】 前記水性洗浄剤が帯電防止剤を含んでい
    る請求項1〜4の何れかに記載の清掃用シート。
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