JP7284669B2 - 清拭用組成物 - Google Patents
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Description
特許文献2には、(A)アンモニア、モノエタノールアミン等の揮発性或いは液状アミン化合物、(B)ドデシルトリグリコシド等のアルキルグリコシド及び(C)プロピレングリコールモノメチルエーテル等の水溶性溶剤の1種又は2種以上を、A成分0.1~30重量%、B成分0.01~30重量%、C成分0.1~80重量%含有し、すすぎ性が良好で、すすいだ後も拭き残りがなく、且つ硬質表面の汚れを簡単に除去することができる硬質表面用洗浄剤組成物が開示されている。
特許文献3には、(A)特定の非イオン界面活性剤0.1~30質量%、(B)特定の高分子重合体0.01~15質量%、(C)特定の有機カルボン酸類0.1~20質量%、(D)水溶性溶剤0.1~30質量、(E)水を含有し、原液のpHが6~8であり、被洗浄物の材質を損傷することなく、洗浄性、起泡性、すすぎ性、組成物の貯蔵安定性の全てに優れた中性の硬表面用洗浄剤組成物が開示されている。
特許文献4には、a.少なくとも2つのスケール制御成分;b.ヒドロトロープ;c.アルカリ性供給源;d.水;を含む高濃縮アルカリ清浄組成物であって、低い使用希釈でスケール制御性を有し、維持する組成物が開示されている。
特許文献3に記載の発明はバス用の洗浄剤であり、高い界面活性剤濃度を有する洗浄剤でこすり洗いして水で濯ぐ方法に供される技術であり、ふき取りした後濯がずに乾燥させる技術を開示するものではない。また特許文献4に記載の発明も医療機器などの洗浄においてスケールを制御する洗浄剤であり、ふき取りした後濯がずに乾燥させる技術を開示するものではない。
<(A)成分>
(A)成分は、炭素数8以上16以下の炭化水素基を有するグリコシド型界面活性剤である。(A)成分は、洗浄力と仕上がり性の観点、とりわけ仕上がり性の観点から、炭素数が、8以上、好ましくは10以上、そして、16以下、好ましくは14以下の炭化水素基、好ましくはアルキル基又はアルケニル基、より好ましくはアルキル基を有し、糖の平均縮合度が好ましくは1以上、そして、好ましくは3以下、より好ましくは2以下、更に好ましくは1.5以下のアルキルグリコシドである。
R1a(OR2a)xGy (A1)
〔式中、R1aは炭素数8以上16以下の炭化水素基を示し、R2aは炭素数2以上4以下のアルキレン基を示し、Gは炭素数5又は6の糖に由来する残基を示し、xはその平均値が0以上5以下となる数を示し、yはその平均値が1以上3以下となる数を示す。〕
(B)成分は、カルボン酸系重合体である。カルボン酸系重合体は、炭素数3以上6以下、好ましくは炭素数3以上5以下の反応性不飽和基を有するカルボン酸又はその塩〔以下、(B1)成分という〕由来の構成単位を含む重合体である。なお(B1)成分の前記炭素数は、カルボン酸の全炭素数である。
カラム:東ソー(株)製G4000PWXL+G2500PWXL(2本連結)
検出器:示差屈折率計
溶離液:0.2Mリン酸緩衝液(KH2PO4、Na2HPO4、pH=7)/アセトニトリル=9/1(容量比)
標品:ポリエチレングリコール
条件:カラム温度:40℃、流速:0.5mL/min、濃度:0.05mg/mL
一般に住居内硬質表面の汚れは手垢や足裏の汗などの皮脂汚れ、調理中に飛び散る油汚れと、埃や土埃などの粒子汚れなどの複合汚れが存在する。このようなハードな汚れは強力な洗浄力を有する界面活性剤を用いることで除去することができると考えられるが、そのような界面活性剤は起泡性を有したり、対象物への吸着性が高いため、拭き取るだけでは泡が残ったり、洗浄後にヌルつくため、二度拭きなどのすすぎ洗いが必要になる。
本発明では、洗浄力は高いが起泡性のあるグリコシド型界面活性剤に対して特定質量比のカルボン酸系重合体を併用することで、ハードな汚れに対して高い洗浄力を有するが、泡残りやヌルつきが少なく、その結果二度拭きなどのすすぎ工程を必要としない洗浄剤組成物を得ることが可能となる。
このようなpHとするためには、適宜pH調整剤を用いることができる。pH調整剤としては、
(1)塩酸や硫酸などの無機酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、マロン酸、マレイン酸などの有機酸(但し(B)成分は除く)などの酸剤、及び
(2)水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、アンモニアやその誘導体、モノエタノールアミンやジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン塩など、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ剤
から選ばれる化合物が挙げられる。pH調整剤のうち、酸剤は、塩酸、硫酸及びクエン酸から選ばれる酸剤が好ましい。また、pH調整剤のうち、アルカリ剤は、モノエタノールアミン、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムから選ばれるアルカリ剤が好ましい。これらは、単独もしくは組み合わせて用いることができる。本発明では洗浄力の観点からモノエタノールアミンを用いることが好ましい。本発明の清拭用組成物がモノエタノールアミンを含有する場合、その含有量は、洗浄力の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上、そして、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下である。尚、pHは上記の範囲であるように調整する。
硬質表面は、セラミックス、プラスチック、ガラス、木、石、及び金属から選ばれる1種以上の材料から構成される硬質表面が挙げられる。
本発明は、(A)炭素数8以上16以下の炭化水素基を有するグリコシド型界面活性剤[以下、(A)成分という]を4ppm以上1000ppm以下、(B)カルボン酸系重合体[以下、(B)成分という]を50ppm以上5000ppm以下、及び水を含有し、pHが8以上11以下であり、(A)成分の含有量と(B)成分の含有量との質量比(A)/(B)が1/15以上1/3以下であり、全ノニオン界面活性剤中の(A)成分の含有量が50質量%以上である処理液(以下、本発明の処理液ともいう)を、洗浄対象物に接触させて清拭した後、濯がずに乾燥させる清拭方法を提供する。
本発明の清拭方法は、本発明の清拭用組成物で記載した事項を適宜適用することができる。
本発明の処理液が含有する(A)成分、(B)成分は、本発明の清拭用組成物で記載した(A)成分、(B)成分と同じであり、好ましい態様も同様である。
本発明の処理液は、(C)成分として、アニオン界面活性剤を含有することが好ましい。(C)成分は、本発明の清拭用組成物で記載した(C)成分と同じであり、好ましい態様も同様である。
本発明の処理液は、防腐剤を含有することが好ましい。防腐剤は、本発明の清拭用組成物で記載した成分と同じであり、好ましい態様も同様である。
本発明の処理液において、全ノニオン界面活性剤中の(A)成分の含有量は、仕上がり性の観点から、50質量%以上、好ましくは75質量%以上、より好ましくは90質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下であり、また100質量%であってもよい。
ここで本発明でいう濯ぎとは、本発明の処理液を用いて洗浄対象物に接触させて清拭した後に、対象表面に残存した水以外の成分を除去する工程であり、水で洗い流す工程や本発明の処理液を含有しない(水を含んでいてもよい)布巾、雑巾、不織布、モップ、紙等で2度拭きする工程を含むものである。
本発明の処理液を含浸させた清掃用物品に用いられる基体としては、可撓性を有し、本発明の処理液が含浸可能なものであり、使用時に十分な強度を有し、くず等の発生の無いものが用いられる。
そのような基体としては、繊維状材料から構成される繊維構造体、例えば、各種紙、不織布、織布若しくは編布が挙げられる。これらの繊維構造体を構成する繊維状材料としては、例えば、セルロース系繊維、変性セルロース系繊維、合成繊維及びこれらの二種以上の混合物等が挙げられる。
また、樹脂中に気泡を分散させて得られる多孔質構造体(例えば、スポンジ状構造体)も上記基体として使用できる。
表1、2の清拭用組成物は、常法により調製した。即ち、適量のイオン交換水に(A)成分、(B)成分、(C)成分、及びその他成分を添加し、室温(25℃)で溶解させた後、水酸化カリウム又は/及びクエン酸一水和物を添加してpH(25℃、ガラス電極法)を表1、2に示す値に調整した。なお、表1、2中の配合成分の質量%は、全て有効分に基づく数値である。
・アルキルグルコシド:一般式(A1)中、R1aが炭素数8~16のアルキル基、Gがグルコースに由来する残基、xが0、yが1~2の化合物、プランタケア2000UP、BASF SE製
<(B)成分>
・ポリアクリル酸カリウム:重量平均分子量4500、花王(株)製
<(C)成分>
・ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム:オキシエチレン基の平均付加モル数が4であり、炭素数12のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、花王(株)製
・アルケニルコハク酸ジカリウム:炭素数16のアルケニル基を有するアルケニルコハク酸ジカリウム、花王(株)製
<その他成分>
・アルコールエトキシレート:オキシエチレン基の平均付加モル数が12であり、炭素数12のアルキル基を有するアルコールエトキシレート、花王(株)製
・2-フェノキシエタノール:四日市合成(株)製
・モノエタノールアミン:三井化学(株)製
・香料(リモネン):和光一級試薬(R)-(+)-Limonene
菜種油と粒子(JIS試験用粉末1)を重量比5対1の割合で混合したものを複合汚れとした。この複合汚れを、ステンレス基板(2.5cm×7cm)上に刷毛で均一に塗布したものを複合汚れ基板とした。
表1、2に記載の調製した各清拭用組成物を3.5°DHの硬水で40倍に希釈して処理液を調製した。各処理液を複合汚れ基板上に滴下し、キムワイプで拭き取った際の基板表面の洗浄性を、熟練したパネラー1名が下記の判定基準に基づいて2回評価を行い、結果を平均したものを評価結果として表1、2に示す。
4:十分に除去できた
3:僅かに残留が見られるがほぼ大部分が除去できた
2:除去できる部分は多いが不十分
1:除去不十分
表1、2に記載の調製した各清拭用組成物を3.5°dHの硬水で40倍に希釈して処理液を調製した。汚れのない木製基板(10cm×10cm)上に滴下し、キムワイプで拭き取る際の仕上がり性を、熟練したパネラー1名が下記の判定基準に基づいて2回評価を行い、結果を平均したものを評価結果として表1、2に示す。
4:泡残りはなく仕上がる
3:やや泡が発生するがすぐ消失する
2:泡残りが発生
1:泡残りが多数発生
表2に記載の調製した各清拭用組成物を、広口PP容器(アズワン(株)製グッドボーイ100mL)に注ぎ、密封したものを、低温(-5℃)の恒温室に10日間貯蔵後、目視で外観を観察し、下記の評価基準で判定した。結果を表2に示す。
4:完全に透明
3:透明であるが若干濁りが発生
2:濁りが発生
1:沈殿が発生
Claims (6)
- (A)炭素数8以上16以下の炭化水素基を有するグリコシド型界面活性剤[以下、(A)成分という]、(B)重量平均分子量が3,000以上25,000以下のカルボン酸系重合体[以下、(B)成分という]、及び水を含有し、25℃におけるpHが8以上12以下であり、(A)成分の含有量と(B)成分の含有量との質量比(A)/(B)が1/15以上1/3以下であり、全ノニオン界面活性剤中の(A)成分の含有量が50質量%以上である、清拭用組成物。
- 更に、(C)アニオン界面活性剤を含有する、請求項1に記載の清拭用組成物。
- 全界面活性剤中の(A)成分の含有量が50質量%以上100質量%以下である、請求項1又は2に記載の清拭用組成物。
- (A)炭素数8以上16以下の炭化水素基を有するグリコシド型界面活性剤[以下、(A)成分という]を4ppm以上1000ppm以下、(B)重量平均分子量が3,000以上25,000以下のカルボン酸系重合体[以下、(B)成分という]を50ppm以上5000ppm以下、及び水を含有し、pHが8以上11以下であり、(A)成分の含有量と(B)成分の含有量との質量比(A)/(B)が1/15以上1/3以下であり、全ノニオン界面活性剤中の(A)成分の含有量が50質量%以上である処理液を、洗浄対象物に接触させて清拭した後、濯がずに乾燥させる清拭方法。
- 前記処理液が、更に(C)アニオン界面活性剤を含有する、請求項4に記載の清拭方法。
- 前記処理液において、全界面活性剤中の(A)成分の含有量が50質量%以上100質量%以下である、請求項4又は5に記載の清拭方法。
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