JPH1150377A - 清掃用シート - Google Patents

清掃用シート

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JPH1150377A
JPH1150377A JP20933997A JP20933997A JPH1150377A JP H1150377 A JPH1150377 A JP H1150377A JP 20933997 A JP20933997 A JP 20933997A JP 20933997 A JP20933997 A JP 20933997A JP H1150377 A JPH1150377 A JP H1150377A
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cleaning sheet
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  • Cleaning Implements For Floors, Carpets, Furniture, Walls, And The Like (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 家庭用又は業務用の木質系床(フローリン
グ)の清掃に好適で、土埃等細かいゴミも、髪の毛,ペ
ットの毛も性能良く拭き取り、繊維脱落が少なく、柔軟
で手で使用する場合も対象物の形態に沿いやすく、安価
に製造できる使い捨て可能な清掃用シートの提供。 【解決手段】 連続長繊維不織布と油状物質から成る清
掃用シートであって、不織布を構成する繊維が捲縮して
いる清掃用シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は清掃用シートに関す
るものであり、さらに詳しくは、家庭用又は業務用とし
て、床、壁、天井、家具、機械器具等の清掃用シートに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、清掃用シートとしては、織
布、紙、不織布等を基材とし、界面活性剤等を付着させ
たウェットクロス、又は、鉱物油等の油状成分を付着さ
せた化学雑巾、更には粘着剤等を利用した粘着シート等
が知られており、それぞれに適した清掃用途において広
く使用されてきた。
【0003】特に、近年、家庭用又は業務用として木質
系床の利用が増大してきているが、木質系床において
は、各種塵埃や毛髪等ゴミが目立ちやすく、頻繁な清掃
が必要となり、手軽に清掃が出来る清掃用シートが求め
られるようになってきた。一般に、木質系床の清掃にお
いては、土埃、スス等の細かいゴミから、綿埃等中間程
度の大きさのゴミ、また毛髪、獣毛等大きいゴミまで、
幅広いサイズのゴミを捕集除去することが必要である。
この為、例えばウェットクロスや化学雑巾では細かいゴ
ミは捕集できるが毛髪等の大きいゴミの捕集性能は劣っ
ており、又、粘着シートは幅広いサイズのゴミ捕集が可
能であるが、粘着剤が塗布された表面部分へゴミが付着
するとゴミ捕集効果が著しく低下し頻繁にシートを交換
しなければならない等、いずれの清掃用シートも木質系
床の清掃においては、満足する効果が得られていなかっ
た。
【0004】そこで、従来より、これらの問題を解決す
るために、毛髪、獣毛等の大きいゴミをシートの構造で
からめ取り、土埃、スス等細かいゴミは、鉱物油等の油
状成分をシートに付着させ、シート中の繊維表面にゴミ
を吸着させる様な清掃用シートが知られている。例えば
特開平5−192285号公報では、網状シートと、網
状シートの片面もしくは両面に繊維の絡合で形成された
不織布が、絡合状態で一体化されており、かつ網状シー
トを熱収縮させて該繊維集合体全体に多数の凹凸を形成
させた清掃用シートに、薬剤を0.1〜500%坦持さ
せた清掃用シートが知られている。
【0005】しかしながら、上述した清掃用シートに用
いられる繊維集合体は、網状シートと絡合させる必要が
あるため、短繊維を用いた不織布シートが一般に用いら
れている。従って、この様な清掃用シートは、短繊維の
みから成る不織布と比較すれば網状シートと絡合されて
いる分、改善はされているものの、繰り返しの摩耗によ
り繊維が脱落しやすく、清掃用具であるシート自らがゴ
ミの発生源になってしまうという欠点を持っている。ま
た、実際にこれらのシートを使用する場合は、床の清掃
のみに用いることは少なく、従来の雑巾のように、手で
用いて清掃することも多い。この様な場合、中心に硬い
網状シートが入っている場合は、窓の溝や桟などの凹凸
にシートが沿いにくく、扱いづらいという欠点を持って
いた。
【0006】一方、従来、連続フィラメントからなる部
分接合された長繊維不織布は、耐摩耗性に優れており、
構成繊維の脱落が起こりにくいが、嵩高性及び柔軟性に
乏しく、毛髪、獣毛等大きいゴミの捕集除去が困難で、
清掃用シートとしては、適さなかった。この問題を解決
するために、特開平2−191422号公報で提案され
ている、捲縮を有する連続フィラメントからなる部分接
合された長繊維不織布からなる清掃用シートは、毛髪、
獣毛等大きいゴミの捕集除去能力は改善されているが、
帯電に斑があったり、清掃用シートとゴミとが時々正負
同じ帯電をし、ゴミと反発し合うことがあるので、清掃
性が低下することがあり、土埃、スス等の細かいゴミの
捕集の改善が充分でなく、捕集除去能力に劣るという問
題があった。
【0007】以上のように、従来用いられてきた清掃用
資材は、土埃等細かいゴミの清掃性、髪の毛,ペットの
毛の清掃性、繊維脱落が少ない事、柔軟性の点でまだ満
足できるものではなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、家庭
用又は業務用として、床、壁、天井、家具、機械器具等
の清掃用シートを提供することである。特に、最近各種
居室の床として増加の著しい木質系床(フローリング)
の清掃に適した、土埃等細かいゴミ、髪の毛,ペットの
毛を性能良く拭き取ることができ、繊維脱落が少なく、
柔軟で、手で使用する場合も対象物の形態に沿い易く、
安価に製造できる使い捨て可能な清掃用シートを提供す
ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため、鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、連続長繊維不織布と油状物質
とから成る清掃用シートであって、連続長繊維不織布を
構成する糸条が捲縮していることを特徴とする清掃用シ
ート、である。
【0010】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
用いる連続長繊維不織布は、構成繊維自体が脱落を起こ
さないとの観点から、連続長繊維不織布であることが必
要である。本発明における連続長繊維不織布は、構成す
る繊維が、捲縮していることが必要である。捲縮してい
ると、嵩高性及び柔軟性に富み、毛髪、獣毛等大きいゴ
ミの捕集除去能力が高く、また繊維の自由度が高く、土
埃、スス等細かいゴミの有効な吸着面積が大きい。
【0011】本発明における連続長繊維不織布は、構成
する繊維の捲縮が紡糸後の加熱、延伸、溶剤処理等によ
り発現するいわゆる潜在捲縮であっても、紡糸されてウ
ェブコンベア等の捕集面上に堆積された状態で発現して
いる、いわゆる顕在捲縮であってもよい。しかしなが
ら、加工工程中に寸法変化が起こり難い、また清掃用シ
ートの目付斑発生が少なく、均質な清掃用シートが得ら
れ易い点から、顕在捲縮であることが好ましい。
【0012】本発明に用いる連続長繊維不織布は、公知
の製造方法で作られたいずれの捲縮長繊維からなるもの
でも使用可能である。しかしながら、捲縮の形成し易さ
の点から、熱可塑性樹脂を溶融紡糸し、紡糸直後に繊維
を非対称冷却して捲縮を発現させた連続長繊維をウェブ
コンベア等の捕集面上に積層し、ウェブ状にした後部分
接合した、いわゆる溶融紡糸スパンボンドの製造方法で
製造された不織布が好ましい。
【0013】上記の熱可塑性樹脂としては、エチレン、
プロピレン、ブテン等のモノオレフィン重合体及びこれ
らの共重合体を主成分とするポリオレフィン樹脂、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66、
ナイロン12等のポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂等
を挙げることができる。また、これらの連続長繊維不織
布を構成する繊維は単一成分でも混合成分でもよい。即
ち、上記に記載した樹脂単独でもよく、例えばポリエチ
レン/ポリプロピレン、ポリエチレンまたはポリプロピ
レン/ポリエステル等を混合した複合繊維であってもよ
い。連続長繊維不織布を構成する繊維が複合繊維の場
合、2種類以上の熱可塑性樹脂を複合紡糸した後に熱処
理により捲縮を発現させて、捲縮長繊維からなる連続長
繊維不織布としてもよい。しかしながら、捲縮の形成し
易さ、柔軟である点から、ポリプロピレンから成る捲縮
長繊維からなる連続長繊維不織布がより好ましい。
【0014】本発明に用いる連続長繊維不織布を構成す
る捲縮長繊維は、捲縮数が10個/インチ以上が好まし
く、さらに好ましくは20個/インチ以上である。捲縮
数が10個/インチ未満の場合は、連続長繊維不織布の
部分接合間における各フィラメントの自由伸長距離が短
くなり、不織布としての嵩高性が損なわれてしまう結
果、毛髪等の大きなゴミを立体的に絡み取る性能が低下
すると共に、有効に働く繊維比表面積も小さくなり、細
かいゴミの吸着捕集性能まで低下してしまう。また、捲
縮数の上限についての制約は特に無いが、一般的には捲
縮数を50個/インチ以上発現させることは困難であ
る。
【0015】本発明に用いる連続長繊維不織布は、不織
布を構成する繊維の交差点の一部が、部分的に接合され
ていることが好ましい。接合方法としては、接着剤によ
る接合、超音波ウェルダー接合、部分熱風接合、ニード
ルパンチ接合等の方法での製造条件で左右される割合で
接合する方法を用いることができるが、清掃性、柔軟
性、摩耗強度を高める点から、エンボスロールとフラッ
トロールの間で部分熱圧着する方法が好ましい。
【0016】本発明に用いる連続長繊維不織布は、構成
する繊維の繊度が、0.1〜5デニールであることが好
ましい。5デニールを越える場合は、細かいゴミの捕集
性能を満足する為の繊維の有効比表面積を得ることが出
来なくなり、また、捲縮数を発現させることが困難とな
る為、連続長繊維不織布の部分接合間における各フィラ
メントの自由伸長距離が短くなり、不織布としての嵩高
性が損なわれてしまう結果、毛髪等の大きなゴミを立体
的に絡み取る性能も低下してしまう。繊度が0.1デニ
ール未満の場合は、繊維の強度が不足し、清掃時の摩擦
でシートが破れたり、繊維が切れて脱落したりしてしま
う。
【0017】本発明に用いる連続長繊維不織布は、目付
が20〜100g/m2であることが好ましく、さらに
好ましくは40〜80g/m2である。目付が20g/
2未満の場合は実用上必要な清掃用シートの強力を得
ることが出来なくなる。一方100g/m2を越える場
合は、厚すぎて、清掃用シートとして用いる場合の取扱
性が悪くなってしまう。
【0018】本発明に用いる連続長繊維不織布は、構成
する繊維の断面形状が円形であっても異形であってもよ
いが、異形度が1.2以上2.2以下であることが好ま
しく、更にはY型やV型であることがより好ましい。異
形度が1.2以上であると、円断面よりも不織布の製造
段階で捲縮が形成し易い、また清掃に用いる際には繊維
の有効比表面積が大きく土埃等の細かいゴミの清掃性能
が良い、また毛髪等大きなゴミが繊維に絡みやすい効果
が得られる。また、異形度が2.2以下であると、紡糸
性等不織布の製造安定性に優れる。異形度は、異形繊維
の断面と周長(周囲の長さ)を算出し、次に同じ断面積
を持つ真円の半径を求め、そこからその真円の周長を算
出し、次式により求める。
【0019】異形度=異形繊維の周長/異形繊維と同じ
断面積の真円の周長 本発明の清掃シートに付与する油状物質は、一般に着塵
剤と呼ばれる鉱物油、流動パラフィン等公知の油状物質
のいずれの種類のものを用いてもかまわない。すなわ
ち、パラフィン系炭化水素、ナフテン系炭化水素、芳香
族系炭化水素等の鉱物油、アルキルベンゼン油、ポリオ
レフィン油、ポリグリコール油等の合成油、鎖状ジメチ
ルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、メチ
ルハイドロジエンポリシロキサン、各種変成シリコーン
等のシリコーン油を、単体で用いても、混合して用いて
もよい。しかし、安全性が高く、安価である事から、食
品添加物試験をクリアする流動パラフィンが好ましい。
【0020】本発明の清掃シートに付与する油状物質
は、分子量50以上250以下の成分が該油状物質に対
して15重量%以下であることが好ましく、さらに好ま
しくは8重量%以下である。15重量%以下であると、
連続長繊維不織布が収縮しなくなり、加工性、形態安定
性が良くなる。すなわち、分子量50以上250以下の
物質が15重量%を越える油状物質は、繊維の中への浸
透が速く、捲縮繊維の断面に対して一様でない。油状物
質が繊維中に浸透するとき、油状物質が捲縮繊維の断面
に対して一様でなく片側にのみ浸透すると、浸透した断
面の片側部分のみが膨潤し、膨潤した側を外側にしてカ
ールして捲縮が顕著に発現し、連続長繊維不織布全体と
して見ると、収縮してしまう。このため、製造中に、規
格寸法幅より小さくなってしまうことがあり、繊維密度
にバラツキがでたり、規格外れの不良品が多くなるとい
う問題がある。
【0021】本発明の清掃シートは、例えば、ロール状
の連続長繊維不織布に油状物質を付与したロール状のも
のから雑巾のような大きさの清掃シートにカットして製
造されるので、油状物質が分子量50以上250以下の
成分が15重量%以下のものからなることによつて、規
格寸法にゆとり幅を少なくすることができ、規格外れが
なく、ロス率を低くすることができ、安価に製造するこ
とができる。
【0022】油状物質中の分子量250以下の物質に
は、例えば一般に用いられる潤滑油の様な純度の低い鉱
物油に混入している芳香族炭化水素、酸化物、窒素化合
物等が挙げられる。また、油状物質の類は分子量が50
未満では一般に常温で気体になってしまい、油状物質の
形態をとらない。また、本発明の清掃シートに付与する
油状物質に、界面活性剤を任意の割合で混入すること
は、清掃性の向上、床面の少量の液体に対する吸液性、
制電性を持たせる効果があるので、より好ましい態様で
ある。この場合も、界面活性剤を添加した後の油状物質
全体について、分子量50以上250以下の成分が該油
状物質に対して0以上15重量%以下であることが好ま
しい。
【0023】制電性には、特に、毛髪、獣毛等大きいゴ
ミの補集除去能力のバラツキを小さくする効果ある。す
なわち、ゴミの清掃機構は、清掃シート表面への吸着効
果と、ある程度自由にに動く繊維による絡め取り効果と
から成り立っている。ところが制電性のない清掃シート
は、帯電によりゴミを吸着、もしくは反発する。清掃シ
ートは、ゴミと正負が逆の帯電をして、吸着効果を発揮
する場合もあるが、正負が同じ帯電をすることもあり、
しかも、この帯電をコントロールすることはできないた
め、全体としてみると清掃シートとしての性能のバラツ
キが大きくなってしまう。
【0024】上記界面活性剤は、公知の界面活性剤のい
ずれを用いてもかまわない。すなわち、陽イオン系、非
イオン系、陰イオン系、両性系の活性剤のいずれを用い
てもかまわない。しかし、相溶性の点から、陽イオン
系、非イオン系界面活性剤が好ましい。陽イオン系とし
ては、アルキル基、アルケニル基を有するモノ長鎖アル
キルトリメチルアンモニウム塩、ジ長鎖アルキルジメチ
ルアンモニウム塩、モノ長鎖アルキルジメチルベンジル
アンモニウム塩等が、非イオン系としては、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル等のポリエチエレン
グリコールエーテル型、ポリオキシエチレンポリオキシ
プロピレンブロックコポリマー、あるいはグリセリン脂
肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルグ
リコシド等の多価アルコール型が、挙げられる。これら
の活性剤の中で、安全性の点から多価アルコール型がよ
り好ましい。
【0025】本発明の清掃シートは、連続長繊維不織布
に対する油状物質の付着量が、0.5〜40重量%であ
るのが好ましく、1〜20重量%であるのがより好まし
い。付着量が1%重量未満だと、油状物質の添加による
清掃性の向上効果が十分発揮されず、40重量%を越え
るとシートを触った時、手にべとついたり、被清掃面に
油状物質が著しく移行したりして、取り扱い性が低下す
るためである。
【0026】本発明の清掃シートに付与する油状物質
は、粘度が25℃で5〜1000cpsが好ましく、5
〜200cpsがより好ましい。粘度が5cpsより小
さいと、土埃、スス等細かいゴミが繊維表面へ吸着し難
く、1000cpsを越えると油状物質が繊維表面に均
等に広がり難く、加工性が悪くなる。本発明の連続長繊
維不織布と油状物質とから成る清掃用シートは、例え
ば、ロール状の連続長繊維不織布に油状物質を付与した
ロール状のものをカットして製造されるが、油状物質の
付与加工方法は、公知のシート状物に対する液体の付与
加工のいずれであっても構わない。すなわち、グラビア
ロール又はキスロール等を用いてロールに油状物質を塗
布し、シートに転写するロール方式、油状物質をシート
上にスプレーする方式、シートを油状物質に浸し、ニッ
プロールで絞る方式等のいずれを用いても構わない。ま
た、加工スピードを上げる、付着量を一定にする為に、
油状物質を適温に加熱する等の手段を用いることも出来
る。
【0027】また、本発明の清掃シートは、起毛加工さ
れていると、特に毛髪、獣毛等大きいゴミをの清掃性を
向上させる効果が得られるので、より好ましい。本発明
の清掃シートは、起毛方法として、公知の起毛加工のい
ずれを用いても構わない。すなわちシート表面に起毛さ
せる器具を接触させ、動かすことで、シートを構成する
繊維がループとして引き出されたり、引き出された繊維
ループが切れて繊維端を作る加工であれば、いずれでも
構わない。表面に起毛させる器具としては、表面にシー
トと引っかかりのある凹凸が有れば何でもよく、例えば
サンドペーパー、凹凸のある金属ロール、ブラシ、針、
刃、あざみを付けた平板またはロールが使用できる。
【0028】ただし、起毛をかけすぎると、耐摩耗性に
優れて構成繊維の脱落が起こりにくい、という連続長繊
維不織布の長所が無くなってしまうので、起毛をかけす
ぎないように注意が必要である。このことから上述の器
具の中で、起毛を軽くかけられる装置であること、かつ
装置、加工共に安価であることから、凹凸のある金属ロ
ールがより好ましい。
【0029】本発明の清掃シートは、着塵剤としての油
状物質を付着させた連続長繊維不織布の繊維表面で土
埃、スス等の細かいゴミを効果的に付着させて清掃する
ことができる。全く着塵剤を使用していない連続長繊維
不織布のシートでは、繊維表面への付着効果が十分発揮
されない。本発明の清掃シートは、着塵剤を付着させて
あるので、砂埃、スス等細かいゴミは清掃シート表面に
保持し、さらに保持されたゴミを油状物質で覆うことに
よって、ゴミ表面の光の乱反射を防ぎ、ゴミの色を濃く
見せる効果が得られ、ゴミによる清掃シートの汚れを目
立ち易くすることができる。
【0030】なお、モニターテストの結果によると、清
掃シートを使う消費者は、清掃の具合を、清掃された床
の状態ではなく、清掃に使用した道具が汚れて見えるこ
とによって判断するという傾向が見られ、土埃、スス等
の細かいゴミが、清掃シートの奥に巻き込まれ、清掃シ
ート表面にはあまり存在しないと、実験の測定値として
はある程度ゴミが付着しているにもかかわらず、清掃で
きたという実感を得ていなかった。
【0031】通常、清掃シートには、平均的には、ゴミ
と正負が逆の帯電をして吸着効果を発揮するが、清掃シ
ート上の帯電に斑があると、帯電の弱い場所では、汚れ
を効率的に清掃できない。また、一般に、清掃シート
は、嵩高な構造の中の、ある程度自由に動く繊維による
絡め取り効果と、清掃シートとゴミとの間に帯電する正
負逆の帯電による吸着効果とによりゴミを清掃するが、
本発明の清掃シートは、帯電量に斑がなく、ゴミと正負
同じに帯電することが少ないので、清掃シートとゴミの
間に反発力が働いて清掃性が極端に低下するようなこと
がなく、絡め取り効果との相乗効果で、均一、効率的に
清掃することができる。
【0032】本発明の清掃用シートは、土埃等細かいゴ
ミも、髪の毛,ペットの毛も性能良く拭き取り、繊維脱
落が少なく、柔軟で手で使用する場合も対象物の形態に
沿いやすく、安価に製造できることから、家庭用又は業
務用として、床、壁、天井、家具、機械器具等の清掃、
特に最近各種居室の床として増加の著しい木質系床(フ
ローリング)の清掃に適した使い捨て可能な清掃用シー
トとして好適である。着塵剤を用いない場合は、毛髪等
の捕集除去能力は平均的には高い値を示すが、時々極端
に低下することがあった。これは、シート自身の帯電に
よる影響であると判明した。捲縮糸を有する連続フィラ
メントからなるシートでも、清掃性が低下することがあ
った。帯電によるシートとゴミの間の反発は、土埃等、
細かいゴミでも観察された。着塵剤を使用していないシ
ートがゴミと正負が同じ帯電をした場合、清掃後に部分
的に汚れの少ない場所が観察された。シート上の帯電に
は斑があったことから、強く帯電した場所が、汚れの少
ない部分であったと判断できる。通常は、シートはゴミ
と正負が逆の帯電をするが、時々正負が同じ帯電をし
て、しかも時々発生するこの帯電を防止することが出来
なかった。
【0033】以上のように従来用いられてきた清掃用資
材は、土埃等細かいゴミの清掃性、髪の毛,ペットの毛
の清掃性、繊維脱落が少ない事、柔軟性の点でまだ満足
できるものではなかった。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により更に
詳細に説明する。なお、評価方法、項目は以下の通り。 (1)清掃性(砂ゴミ)(g) JIS にある試験用ダスト7種1gを一辺30cmの
フローリング板上に撒き、清掃用シートを経7cm、横
11cmのスポンジに取り付け、10往復させた後、清
掃用シートに付着したダストの重量をn=5で測定し
た。
【0035】 (2)清掃性(髪)(本) (1)と同じ大きさの板と清掃用シートを用い、10c
mの長さの人毛10本を用い、3往復させた後、シート
に付着した髪の本数をn=10で測定した。
【0036】 (3)柔軟性(曲げ剛性)(gf.cm2 /cm) KES法を用い、曲げ剛性をn=3で測定した。
【0037】評価判定(単位:gf.cm2/cm): 0.050未満:○ 0.050以上:△ (4)モニターテスト(%) 15名のモニターに、清掃性(砂ゴミ)、清掃性
(髪)、柔軟性について、良い、 普通、 悪い、で評価してもらい、全員が、良い、と回答した場
合を100点、全員が、悪い、と回答した場合を−10
0%として計算した。良い、と答えた人数をx人、悪
い、と答えた人数をy人とすると、点数Pは、 P=(x−y)×100/15 (5)繊維脱落 (個/CF) 清掃用シート5枚を、JISのタンブラー法と光散乱法
を用いて発塵させ、1CF(立方フィート)内の3μm
以上のリント数を測定した。
【0038】 評価判定:100個/CF未満 :◎ 100個/CF以上200個/CF未満 :○ 200個/CF以上500個/CF未満 :△ 500個/CF以上 :× (6)寸法変化(%) 一辺20cmの油剤加工した清掃用シートを30分間1
00度で保ち、長さの収縮率を測定した。加工後の寸法
をZcmとすると、収縮率Rは、 R=(20−Z)×100/20 (%)
【0039】
【実施例1】ポリプロピレンをV型断面ノズルを有する
紡口から溶融紡糸し、紡口直下で冷却装置により糸条を
側方から冷却し、エアーサッカーで牽引して異形度1.
6で、2.5デニールの捲縮を有する連続長繊維を得
て、該繊維を開繊分散してウェブコンベア上に堆積しウ
ェブを製造し、該ウェブを圧着面積率8%でエンボス模
様間隔4.5mmのエンボスロールとフラットロールの
間で熱圧着し、目付45g/m2の捲縮長繊維の連続長
繊維不織布を得た。
【0040】この連続長繊維不織布に流動パラフィンと
アルコール系非イオン界面活性剤とから成る、分子量2
50以下の物質が8重量%である油状物質を5g/m2
となる様に塗布した。得られた清掃用シートは、砂、髪
の清掃性が良く、柔軟で繊維脱落が少なく、寸法変化も
少なく好適なものであると判断できた。これらの結果
は、表1にまとめて示した。
【0041】
【実施例2】実施例1で得られた清掃用シートに、梨地
の凹凸を持つ金属ロールを接触摩擦させ、表面を起毛し
た。得られた清掃用シートは、砂、特に髪の清掃性が良
く、柔軟で繊維脱落が少なく、寸法変化も少なく好適な
ものであると判断できた。これらの結果は、表1にまと
めて示した。
【0042】
【実施例3】実施例1で得られた連続長繊維不織布に鉱
物油と非イオン界面活性剤から成る、分子量250以下
の物質が20重量%である油状物質を5g/m2となる
様に塗布した。得られた清掃用シートは、砂、髪の清掃
性が良く、柔軟で繊維脱落も少なかった。これらの結果
は、表1にまとめて示した。
【0043】
【比較例1】繊維長5cm、1.5デニールのポリエス
テル繊維を水流交絡させて60g/m2の不織布を得、
実施例1と同様の油状物質を5g/m2となる様に塗布
した。得られたシートは、砂、髪の清掃性は良いが、柔
軟性にやや劣り、繊維脱落が多いシートであった。これ
らの結果は、表1にまとめて示した。
【0044】
【比較例2】丸形断面ノズルを用いた捲縮が無い連続長
繊維を用いた以外は実施例1と同様の加工を行った。得
られたシートは、繊維脱落は少なく、寸法変化も見られ
なかったが、砂、髪の清掃性、柔軟性にやや劣るシート
であった。これらの結果は、表1にまとめて示した。
【0045】
【比較例3】油状物質を塗布しない以外は実施例1と同
様のシートを得た。髪の清掃性は良好で、繊維脱落も少
ないが、砂ゴミ清掃性と柔軟性にやや劣った。特にモニ
ターテストでの砂ゴミの清掃性が低かったが、これは、
シート表面が清掃後も白っぽく見えるため、モニター
が、清掃できていない、と評価した為と考えられる。こ
れらの結果は、表1にまとめて示した。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明の清掃用シートは、家庭用又は業
務用として、床、壁、天井、家具、機械器具等の清掃、
特に最近各種居室の床として増加の著しい木質系床(フ
ローリング)の清掃に適したものである。特に、土埃等
細かいゴミ、髪の毛,ペットの毛を性能良く拭き取り、
繊維脱落が少なく、柔軟で手で使用する場合も対象物の
形態に沿いやすく、安価に製造できる、使い捨て可能な
ものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続長繊維不織布と油状物質とから成る
    清掃用シートであって、上記連続長繊維不織布を構成す
    る繊維が捲縮していることを特徴とする清掃用シート。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の油状物質が、鉱物油、合
    成油、シロキサン、シリコーンの少なくとも1種以上含
    むことを特徴とする清掃用シート。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の油状物質が、分子量50
    以上250以下の成分を15重量%以下含有するもので
    あることを特徴とする清掃用シート。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の連続長繊維不織布が、異
    形度1.2以上2.2以下の繊維で構成されていること
    を特徴とする清掃用シート。
  5. 【請求項5】請求項1記載の清掃用シートが、表面が起
    毛されたものであることを特徴とする清掃用シート。
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