JP2003161830A - 光合分波器用薄膜フィルターおよびその製造方法 - Google Patents

光合分波器用薄膜フィルターおよびその製造方法

Info

Publication number
JP2003161830A
JP2003161830A JP2001363372A JP2001363372A JP2003161830A JP 2003161830 A JP2003161830 A JP 2003161830A JP 2001363372 A JP2001363372 A JP 2001363372A JP 2001363372 A JP2001363372 A JP 2001363372A JP 2003161830 A JP2003161830 A JP 2003161830A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
optical
demultiplexer
optical thin
optical multiplexer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001363372A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3687848B2 (ja
Inventor
Hideji Takahashi
秀治 高橋
Takashi Sato
孝 佐藤
Toshio Kobayashi
俊雄 小林
Shin Noguchi
伸 野口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP2001363372A priority Critical patent/JP3687848B2/ja
Priority to TW091125262A priority patent/TW561283B/zh
Priority to US10/293,269 priority patent/US20030099038A1/en
Priority to KR10-2002-0074243A priority patent/KR100483217B1/ko
Priority to CNB021527539A priority patent/CN1228657C/zh
Publication of JP2003161830A publication Critical patent/JP2003161830A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3687848B2 publication Critical patent/JP3687848B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H3/00Apparatus or processes specially adapted for the manufacture of impedance networks, resonating circuits, resonators
    • H03H3/007Apparatus or processes specially adapted for the manufacture of impedance networks, resonating circuits, resonators for the manufacture of electromechanical resonators or networks
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/20Filters
    • G02B5/28Interference filters
    • G02B5/285Interference filters comprising deposited thin solid films
    • G02B5/288Interference filters comprising deposited thin solid films comprising at least one thin film resonant cavity, e.g. in bandpass filters

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学薄膜が設けられた基板を切断し光合分波
器用薄膜フィルターを得る際、光学薄膜の欠けとクラッ
ク等の欠陥を防止し、信頼性の高い光合分波器用薄膜フ
ィルターを提供すること。 【解決手段】 高屈折率と低屈折率の材料とを交互に積
層したミラー層と、スペーサー層を挟んで対称となる様
にミラー層を設けたキャビティーを複数有する光学薄膜
と基台からなる光合分波器用薄膜フィルターの光学薄膜
を、多角錐台の形状にドライエッチングで加工し、光学
薄膜を除去した基板の切断しろ部を砥石で切断加工す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、DWDM(高密度
多重伝送システム)に用いられる光合分波器用薄膜フィ
ルターおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光合分波器用薄膜フィルターは特定波長
の光のみを透過し、透過帯域の前後の波長の光を反射す
るように設計されている。特に高密度多重伝送の場合、
透過帯域に近接する次の透過帯域の波長が近くなるので
不透過領域から透過領域への遷移は可能な限り急峻にす
る必要がある。このような光学特性を達成するために、
薄膜フィルターは基台上に高い屈折率と低い屈折率の材
質の層を交互に1/4波長の光学膜厚で積層したミラー
層と、1/2波長の整数倍の光学膜厚を持つ空孔(スペ
ーサー層)を挟んで対称となる様に再度ミラー層を設け
キャビティーを形成し、このように設計されたキャビテ
ィーをさらに4ないし5層組み合わせて繰り返し積層す
る。光学膜厚とは、物理的測定される膜厚にその材質の
屈折率を掛け合わせたものである。一般的には低い屈折
率の材質として二酸化珪素(SiO)を用い、高い屈
折率の材質としては、五酸化タンタル(Ta)等
が用いられている。
【0003】高密度多重伝送用で、透過帯域が0.8
(nm)の200GHz用の光合分波器用薄膜フィルタ
ーにおいては、ミラー層とスペーサー層の総数は約90
の光学薄膜多層構成であったが、透過帯域が更に狭い1
00GHz用では百数十層の光学薄膜多層構成となって
いる。積層した膜の総厚みは30μm以上になるため膜
の残留応力は大きなものとなってしまう。基板を切断し
て素子にするには、基板と基板上に設けられた多層の光
学薄膜を同時に切断する必要がある。基板と光学薄膜を
同時に切断すると、光学薄膜の陵部の欠けが発生するだ
けでなく、微細なクラックが発生してしまう。また、基
板と光学薄膜の境界面にも微細なクラックが発生した。
この様な欠けやクラックの発生は、光合分波器用薄膜フ
ィルターの光学特性を損なうものである。また、光合分
波器用光学薄膜フィルターの使用環境は、氷点下から高
温域に及ぶため、温度変化によって基台と光学薄膜の境
界面のクラックが進行し、最悪、基台と光学薄膜が剥が
れてしまうと言うような問題になることがある。
【0004】図6に、従来の光合分波器用薄膜フィルタ
ーの斜視図を示す。基台2と光学薄膜1は砥石で同時に
切断されているため、欠け4やクラック5が発生してい
る。欠け4は数μmから数100μm、クラック5も数
10μmから数100μm以上光学薄膜に欠陥を与えて
いた。光は入射する径d内に欠けやクラックが生じると
光合分波器用薄膜フィルターとしての性能が得られない
ため、基台2の外寸wは光径dとクラック長さや欠け長
さを加えた寸法とする必要があった。このため、一枚の
基板から取れる基台の数が減少すると言う問題があっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光学
薄膜が設けられた基板を切断し光合分波器用薄膜フィル
ター素子を得る際、光学薄膜の残留応力に起因する膜の
剥がれやチッピング等の欠陥を防止し、使用環境温度変
化時、基台と光学薄膜間の熱膨張差による応力が生じて
も、基台と光学薄膜の界面にクラック等の欠陥が生じ難
い信頼性の高い光合分波器用薄膜フィルターを提供する
ことと、基板からの光合分波器用薄膜フィルターの取れ
数を増加することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の光合分波器用薄
膜フィルターは、高屈折率と低屈折率の材料とを交互に
積層したミラー層をスペーサー層を挟んで対称となる様
にミラー層を設けたキャビティーを複数有する、光合分
波器に用いられる薄膜フィルターであって、基台上に形
成された光学薄膜が多角錐台の形状を有することを特徴
とするものである。
【0007】多角錐台とは、三角錐台からn角錐台で円
錐台を含むものである。また、n角錐台の角部を円弧に
したような、つまり角部をr付けした形状も含むもので
ある。多角錐台の形状とは多角を持つ上面と同数の角数
を有する下面および斜面よりなる形状で、上面より下面
の面積が大きいものである。本発明では、基台と接する
光学薄膜面を下面、反対面を上面としている。上面の対
角線寸法は、入射光径より大きいことが重要である。こ
のことから最も上面が最小面積となるのは円形である。
【0008】本発明の光合分波器用薄膜フィルターの、
基台形状は下面形状の相似形に限定されるものではな
い。基台形状が四角で光学薄膜が円錐台や三角錐台、n
角錐台でも良いものである。基台形状は、基板を砥石等
で切断するので、三角形か四角形が好ましいものであ
る。基台は、透過領域波長近傍で光の吸収を起さないこ
とが重要であり、一般にソーダ系ガラス等の材料を用い
ることができる。
【0009】多角錐台の斜面は、一つ以上の平面また
は、曲面から構成されており、平面と曲面の組合せでも
構わないものである。曲面も凹面、凸面の形状でも良い
が、基台と光学薄膜が接する部位近傍は、平面もしくは
凹面の方が基台と光学薄膜が剥がれ難い点で有利であ
る。
【0010】本発明の光合分波器用薄膜フィルターは、
多角錐台の形状を有する光学薄膜の基台と接した下面か
ら光学薄膜の厚みの1/10までの部分の斜面角度は6
度以上60度以下であることを特徴とするものである。
【0011】光学薄膜の斜面は、材質の異なる高い屈折
率と低い屈折率の層を交互に積層した構造となってお
り、ドライエッチングでエッチング加工した場合、材質
によるエッチング速度の違いからミクロ的には階段状に
なっている。斜面角度はこの階段状の頂点を繋いで斜面
とし、基台と斜面のなす角度で規定している。前記光学
薄膜の厚みの1/10までと規定するのは、下面の面積
を最小限にするためである。厚み全域を対象とした場
合、低角度では下面が大きくなり過ぎるためである。下
面の1/10より上面方向領域の斜面角度θ’は90度
以下であれば良いものである。
【0012】斜面角度を小さくするほど、光学薄膜端部
近傍の膜厚は薄くなり膜自体の剛性が低下するため変形
し易くなり基台との応力が緩和され、温度変化に対し基
台と光学薄膜が剥がれ難くなる。このため斜面角度θの
上限は60度とした。斜面角度が6度以下となると下面
が大きくなるため、基板から取れる素子の数が減ってし
まうためである。
【0013】本発明の光合分波器用薄膜フィルターの多
角錐台の形状を有する光学薄膜の斜面は、ドライエッチ
ングで形成された面であることを特徴とするものであ
る。ドライエッチングとは、砥石等による機械的な加工
や、エッチング液による化学エッチング法ではなく、エ
ッチングガスや原子によって加工することを言う。具体
的には、反応性イオンエッチング(RIE)、イオンミ
リング等を用いることが出来る。反応性イオンエッチン
グは、特定のガスと光学薄膜を構成している材質が化学
反応を起こして蒸発し易い化合物になり、気化すること
で膜をエッチングすることである。このような加工は原
子あるいは分子単位の加工であるので、砥石切断の場合
のように物理的衝撃破壊による欠けやクラックが起こら
ない。イオンミリングの場合は加速されたアルゴン原子
等を光学薄膜に衝突させ、その衝撃で、光学薄膜を分子
単位で破壊し、飛散させることによりエッチングするも
のである。
【0014】本発明の光合分波器用薄膜フィルターは、
基板上に全面光学薄膜を形成する工程、光学薄膜にドラ
イエッチング用マスクを設ける工程、ドライエッチング
用マスク非覆部をドライエッチング行ない光学薄膜を多
角錐台の形状に形成する工程、砥石等で切断する基板の
切断しろを露出させる工程、ドライエッチング用マスク
を除去する工程、基板が露出した切断しろ部を砥石等で
切断し素子を形成する工程を有することを特徴とするも
のである。
【0015】基板を真空成膜装置内に設置し、その一方
の面に、高い屈折率を持つ二酸化珪素と低い屈折率を持
つ五酸化タンタル等の層を交互に1/4波長の光学膜厚
で製膜し積層したミラー層と、1/2波長の整数倍の光
学膜厚を持つ空孔(スペーサー層)として二酸化珪素や
五酸化タンタル等を挟んで対称となる様に再度ミラー層
を設けキャビティーを形成する。さらにキャビティーを
4ないし5層繰り返し積層を行ない、光学薄膜を基板上
に形成する。
【0016】次に、ドライエッチング用マスクを設け
る。マスクとしては、フォトリソグラフィー技術を用い
作製することが好ましい。フォトレジストを光学薄膜全
面に塗布し、露光、現像を行ない、フォトレジストマス
クを作製する。金属を製膜して同様にマスクを作ること
も出来るが、ドライエッチング後のマスク除去等の容易
さからフォトレジストを用いることが良いものである。
【0017】次にフォトレジスト非覆部をドライエッチ
ングし、光学薄膜を所定の形状に切断する。反応性イオ
ンエッチングを用いた場合は、光学薄膜のみをエッチン
グすることが出来るので、基板までエッチングされるこ
とはない。イオンミリングを用いると、光学薄膜だけで
なく基板も削られてしまうので、イオンミリングの作業
時間を制御する必要がある。基板も僅か削ることはなん
ら問題の無いものである。イオンミリングを行なうとき
は、原子入射方向に対し基板を一定角度傾け、更に基板
を回転させることで光学薄膜の多角錐台の斜面角度を制
御することができる。基板を切断して基台にする切断し
ろ部分は、光学薄膜が全て除去された状態にすること
が、砥石等で切断するとき欠けやクラックの発生を防ぐ
上で重要である。
【0018】基板上の光学薄膜を多角錐台の形状に加工
した後、マスクを除去すると多角錐台の形状をした光学
薄膜が基板上に多数配された状態となる。光学薄膜が除
去された切断しろに沿って砥石切断することで、基台に
多角錐台の形状をした光学薄膜を有する光合分波器用薄
膜フィルターが得られる。従来は、光学薄膜と基板を同
時に切断するため、各々の材料に適した切断条件を適用
できず、総合的に欠けやクラックの発生が少ない砥石や
加工条件を適用せざるを得なかった。本発明では、砥石
で切断するのは基板のみであるので、基板に最適な砥石
の砥粒材や粒径、切断速度を選択できる。その結果、基
板を砥石で切断した場合の基板の欠け、クラック幅は数
μm以下になり、基板の欠けやクラックが光学薄膜に与
える光学的な影響もない。
【0019】
【発明の実施の形態】以下図面を参照しながら本発明の
実施形態に付いて詳細に説明する。図1は、本発明の光
合分波器用薄膜フィルターの一実施態様の斜視図であ
る。図2は、本発明の光合分波器用薄膜フィルターの断
面図である。符号は、判り易いように同一部位には同符
号を用いている。図1に示すように光合分波器用薄膜フ
ィルター3は、四角錐台の形状をした光学薄膜1とガラ
スよりなる基台2により構成されている。四角錐台の光
学薄膜の下面陵部は、基台の陵部とは同一部位には構成
されていない。つまり、基台面積より光学薄膜下面の面
積が小さいものである。図2に図1のx−x断面を示
す。図2a)に断面全体を、図2b)に端部拡大を示し
ている。光学薄膜1の厚みをTとして、基台よりT/1
0の位置での光学薄膜斜面の角度をθとしている。θは
6度以上60度以下である。θ’は45度以上90度以
下とした。図中に記載した光学薄膜1は多層膜であるが
本説明では各層を図示せず一体の膜として説明する。
【0020】図3は、本発明の光合分波器用薄膜フィル
ターの他の実施態様例の斜視図である。図3a)は、円
錐台の光学薄膜1と四角の基台2、図3b)は、六角錐
台の光学薄膜1と四角の基台2、図3c)は、四角錐台
の角部を円弧にした光学薄膜1と四角形の基台2、図3
d)は、六角錐台の光学薄膜1と三角形の基台2で構成
された光合分波器用薄膜フィルターである。基台2は砥
石で基板を切断して形成するため、並行四辺形を含む四
角形か三角形とし、光学薄膜1は多角錐台の組合せとす
ることが出来る。
【0021】次に本実施例で用いた製造方法に付いて図
4を用いて説明する。まず、ガラス基板2’を準備する
〔図4a)〕。基板2’を真空蒸着装置内にセットし、
真空度1.2x10−2Paで光学膜厚がλ/4となる
ように、低屈折率の膜は二酸化珪素を物理膜厚265n
m、高屈折率の膜は五酸化タンタルを物理膜厚180n
mで交互に15層製膜しミラー層を形成した。λ/2の
3倍の光学膜厚となるように二酸化珪素を物理膜厚15
90nm製膜し空孔(スペーサー層)を形成した。空孔
を挟んで対称となる様に再度ミラー層を設けキャビティ
ーを形成した。さらにキャビティーを4層繰り返し、積
層総数124層の光学薄膜1’を作製した[図4
b)]。光学薄膜1’の面上にフォトレジストを12μ
mの厚さに塗布し、90℃で硬化させたのち、コンタク
トアライナーを用いてフォトレジストを露光、現像して
ドライエッチング用のマスクを形成した[図4c]]。
光学薄膜を反応性イオンエッチングにより選択的にエッ
チングし除去した[図4d)]。反応性イオンエッチン
グ装置は誘導結合プラズマ励起方式で、反応性ガスはテ
トラフロロメタン(CF)とトリフロロメタン(CH
)、酸素(O)の混合ガスを用い、約240分反
応性イオンエッチングをおこなった。反応性ガスの圧力
を変更することで、エッチングを等方性もしくは異方性
とすることが出来る。反応性イオンエッチング作業の初
期から中期は、ガス圧を5.3Paとして異方性エッチ
ングとし、反応性イオンエッチング作業の終期はガス圧
を13〜20Paで行ない等方性エッチングをおこない
基板2’の表面が出るまでエッチングをおこなった。こ
の様にガス圧を変更することで、図2に示した斜面角度
θ’を85度、θを35度に制御した。
【0022】光学薄膜1’を四角錐台形状に切断したの
ち、ドライエッチング用マスクのフォトレジストをアセ
トンを用いて除去した〔図4e)〕。四角錐台の形状を
した光学薄膜1が碁盤目状に配された基板2’を切断砥
石7を用い切り離し[図4f)]、基台2上に四角錐台の
形状の光学薄膜1を持つ光合分波器用薄膜フィルター3
を得た〔図4g)〕。切断はダイヤモンド砥石を用い、
250mm/分の速度でおこなった。
【0023】本発明の光合分波器用薄膜フィルターの、
斜面角度θと欠け、クラック発生の関係を図5に示す。
基台、光学薄膜とも四角錐台の形状とし、斜面角度θを
5.2度から84.2度まで変化させた。図5で示し
た、θ’は85度から88度とした。光学薄膜端陵部と
基台陵部の間隔は3から5μmとした。光学薄膜に5μ
m以上の欠け、クラックが一つでも発生した光合分波器
用薄膜フィルター数を、検査した光合分波器用薄膜フィ
ルター数で除して百分率で表し、欠け、クラック発生率
とした。検査した光合分波器用薄膜フィルター数は29
65個である。θが60度以下では光学薄膜には欠け、
クラックいずれも発生していない。θが70度で発生率
は5.1%,85度では14.5%と欠け、クラックの
発生率が著しく高くなった。θが85度となるとθ’と
ほぼ同じ角度になっている。θとθ’が同じ角度でも基
台と光学薄膜が接する角度θを規定することで、欠け、
クラックの発生率を下げられると言うことが明らかにな
った。
【0024】欠け、クラックのなかったθが5度から8
5度の合計500個光合分波器用薄膜フィルターを、加
熱冷却試験を行なった。−30度で30分保持したの
ち、5度/分の速度で80度まで加熱し、30分保持し
た後同様の温度勾配で−30度まで冷却した。このサイ
クルを30回行なったのち、欠け、クラックを検査し
た。傾斜角度θが70度以下の光合分波器用薄膜フィル
ターには、加熱冷却試験で新たに欠け、クラックの発生
はなかった。傾斜角度θが85度の光合分波器用薄膜フ
ィルターでは、45個中3個に基台と光学薄膜間に剥が
れた様なクラックが発生していた。このことからも、θ
を規定した本発明の光合分波器用薄膜フィルターは、過
酷な温度環境下でも高い信頼性を示した。
【0025】上述したように、光学薄膜に従来片側より
数百μm入っていた欠けやクラックをなくすことができ
た。本発明の光合分波器用薄膜フィルター基台2の外寸
wは、光径dに光学薄膜の斜面の長さと基台の欠け幅数
μmを加えた程度まで小型化することが出来た。これに
より基板から取れる光合分波器用薄膜フィルターの数
は、約5%上げることができた。
【0026】
【発明の効果】以上で説明したように、光学薄膜をドラ
イエッチングで多角錐台の形状に加工した後、基板のみ
を砥石で切断することで、光学薄膜の欠け、クラックの
発生を防ぐことが出来、温度変化による新たな欠け、ク
ラックの発生がない信頼性の高い光合分波器用薄膜フィ
ルターを得ることが出来た。また、基板から光合分波器
用薄膜フィルターの取れ数を多くすることができ、安価
な光合分波器用薄膜フィルターを提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光合分波器用薄膜フィルターの一実施
態様の斜視図である。
【図2】図1のX−X断面を示す図である。
【図3】本発明の光合分波器用薄膜フィルターの他の実
施態様例の斜視図である。
【図4】本発明の光合分波器用薄膜フィルターの製造工
程を示す説明図である。
【図5】本発明の光合分波器用薄膜フィルターの傾斜角
θと欠け、クラックの発生率の関係を示す図である。
【図6】従来の薄膜フィルターの斜視図である。
【符号の説明】
1 光学薄膜、1’ 光学薄膜、2 基台、2’ 基
板、3 光合分波器用薄膜フィルター、4 欠け、5
クラック、6 ドライエッチング用のフォトレジストマ
スク、7 基板の切断用砥石。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野口 伸 埼玉県熊谷市三ヶ尻5200 日立金属株式会 社先端エレクトロニクス研究所内 Fターム(参考) 2H048 GA04 GA09 GA13 GA27 GA30 GA35 GA60 GA62 2H097 JA03 LA17 4K029 AA09 BA43 BA46 BB02 BC08 BD00 CA01 GA00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高屈折率と低屈折率の材料とを交互に積
    層したミラー層と、スペーサー層を挟んで対称となる様
    にミラー層を設けたキャビティーを複数有する、光合分
    波器に用いられる薄膜フィルターであって、基台上に形
    成された光学薄膜が多角錐台の形状を有することを特徴
    とする光合分波器用薄膜フィルター。
  2. 【請求項2】 多角錐台の形状を有する光学薄膜の基台
    と接した下面から光学薄膜の厚みの1/10までの部分
    の斜面角度は6度以上60度以下であることを特徴とす
    る請求項1に記載の光合分波器用薄膜フィルター。
  3. 【請求項3】 多角錐台の形状を有する光学薄膜の斜面
    は、ドライエッチングで形成された面であることを特徴
    とする請求項1及び2に記載の光合分波器用薄膜フィル
    ター。
  4. 【請求項4】 基板上に全面光学薄膜を形成する工程、
    光学薄膜にドライエッチング用マスクを設ける工程、ド
    ライエッチング用マスク非覆部をドライエッチング行な
    い光学薄膜を多角錐台の形状に形成する工程、砥石等で
    切断する基板の切断しろを露出させる工程、ドライエッ
    チング用マスクを除去する工程、基板が露出した切断し
    ろ部を砥石等で切断し素子を形成する工程を有すること
    を特徴とする光合分波器用薄膜フィルターの製造方法。
JP2001363372A 2001-11-28 2001-11-28 光合分波器用薄膜フィルターおよびその製造方法 Expired - Fee Related JP3687848B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001363372A JP3687848B2 (ja) 2001-11-28 2001-11-28 光合分波器用薄膜フィルターおよびその製造方法
TW091125262A TW561283B (en) 2001-11-28 2002-10-25 Thin film filter for optical multiplying device/demultiplying device
US10/293,269 US20030099038A1 (en) 2001-11-28 2002-11-14 Thin film filter for optical multiplexer/demultiplexer
KR10-2002-0074243A KR100483217B1 (ko) 2001-11-28 2002-11-27 광 합분파기용 박막 필터
CNB021527539A CN1228657C (zh) 2001-11-28 2002-11-27 用于光学复用器/解复用器的薄膜滤波器及其制造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001363372A JP3687848B2 (ja) 2001-11-28 2001-11-28 光合分波器用薄膜フィルターおよびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003161830A true JP2003161830A (ja) 2003-06-06
JP3687848B2 JP3687848B2 (ja) 2005-08-24

Family

ID=19173727

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001363372A Expired - Fee Related JP3687848B2 (ja) 2001-11-28 2001-11-28 光合分波器用薄膜フィルターおよびその製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20030099038A1 (ja)
JP (1) JP3687848B2 (ja)
KR (1) KR100483217B1 (ja)
CN (1) CN1228657C (ja)
TW (1) TW561283B (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW200714936A (en) * 2005-10-06 2007-04-16 Asia Optical Co Inc The cutting method for DWDM optical filter
TW200714937A (en) * 2005-10-06 2007-04-16 Asia Optical Co Inc The cutting method for DWDM optical filter
WO2007049478A1 (ja) * 2005-10-26 2007-05-03 Central Glass Company, Limited 近赤外線反射基板およびその基板を用いた近赤外線反射合わせガラス、近赤外線反射複層ガラス
CN101047463B (zh) * 2006-10-25 2012-05-23 浙江大学 基于两端厚度递减结构的多通道波长空间解复用薄膜器件
CN103777281A (zh) * 2012-10-25 2014-05-07 捷迅光电有限公司 用于密集波分复用的可堆叠窄带滤波器
CN109445010B (zh) * 2019-01-15 2024-03-29 北极光电(深圳)有限公司 一种改善应力型滤波片结构及波分复用器
US11320597B1 (en) 2021-01-29 2022-05-03 Browave Corporation Optical device
CN113184800B (zh) * 2021-04-14 2023-11-14 北京北方华创微电子装备有限公司 微机电系统器件的制造方法及微机电系统器件
CN114236716B (zh) * 2022-02-28 2022-05-17 耀芯电子(浙江)有限公司 一种单纤双向多模波分复用光电转换装置及制作方法

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5583683A (en) * 1995-06-15 1996-12-10 Optical Corporation Of America Optical multiplexing device
US6018421A (en) * 1995-06-28 2000-01-25 Cushing; David Henry Multilayer thin film bandpass filter
US5907436A (en) * 1995-09-29 1999-05-25 The Regents Of The University Of California Multilayer dielectric diffraction gratings
JPH09281326A (ja) * 1996-04-12 1997-10-31 Hitachi Cable Ltd 導波路埋め込み用フィルタ及びその製造方法
DE69917819T2 (de) * 1998-02-04 2005-06-23 Canon K.K. SOI Substrat
US6212312B1 (en) * 1999-09-17 2001-04-03 U.T. Battelle, Llc Optical multiplexer/demultiplexer using resonant grating filters
JP3670193B2 (ja) * 1999-12-21 2005-07-13 スタンレー電気株式会社 多層膜フィルタ及び多層膜フィルタ付ハロゲンランプ
JP2001264561A (ja) * 2000-03-15 2001-09-26 Fuji Xerox Co Ltd 光導波路素子、光導波路素子の製造方法、光偏向素子、及び光スイッチ素子
JP2002090518A (ja) * 2000-09-20 2002-03-27 Olympus Optical Co Ltd 回折光学素子及び回折光学素子の成形用金型
JP2002196182A (ja) * 2000-12-27 2002-07-10 Nippon Sheet Glass Co Ltd 傾斜面を有する光学素子

Also Published As

Publication number Publication date
CN1228657C (zh) 2005-11-23
US20030099038A1 (en) 2003-05-29
KR100483217B1 (ko) 2005-04-15
KR20030043751A (ko) 2003-06-02
TW561283B (en) 2003-11-11
CN1438506A (zh) 2003-08-27
JP3687848B2 (ja) 2005-08-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2065736B1 (en) Anti-reflection structure body, method of producing the same and method of producing optical member
JP2021096484A (ja) 合成ダイヤモンド光学素子
US6419803B1 (en) System and method for making thin-film structures using a stepped profile mask
JP5100146B2 (ja) 光学素子及び光学素子の製造方法
WO2007061895A1 (en) Arrays of light emitting articles and method of manufacturing same
JP2003161830A (ja) 光合分波器用薄膜フィルターおよびその製造方法
JP2007219303A (ja) マイクロレンズ用型の製造方法
JP2008052108A (ja) スラブ型2次元フォトニック結晶構造の製造方法
EP1038315A1 (en) Method for thinning semiconductor wafers with circuits and wafers made by the same
JP4061640B2 (ja) 傾斜したコア端面を有するポリマー光導波路デバイスの製造方法
US20110062111A1 (en) Method of fabricating microscale optical structures
TW517401B (en) Separation of optical components formed on a substrate
JPH0741388A (ja) ダイヤモンドの平坦化法および研磨法
JP2003294965A (ja) 光導波路デバイス、その製造方法及び基板
JP2004029422A (ja) 平滑なコア端面を有するポリマー光導波路及びその製造方法
JP3566331B2 (ja) 光学デバイス・光学デバイス製造方法
JP3748330B2 (ja) 光導波路基板およびその製造方法
JPH10275759A (ja) X線マスクブランクの製造方法及びx線マスク用x線透過膜の製造方法
TW202247249A (zh) 用於製備已進行過層移轉之供體底材剩餘部之方法
JP4151073B2 (ja) 光学素子およびその製造方法
JP2004109429A (ja) 光導波路デバイスの斜め溝形成方法及び治具
JP3018557B2 (ja) 反射鏡
JP2004274008A (ja) 厚さが薄いウエハからチップを製造する方法
JP2006185970A (ja) マスキングスペーサおよびその製造方法
JP2003294919A (ja) プリズムおよび光学装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040416

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040528

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040714

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050520

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050602

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees