JP2003294965A - 光導波路デバイス、その製造方法及び基板 - Google Patents

光導波路デバイス、その製造方法及び基板

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JP2003294965A
JP2003294965A JP2002102278A JP2002102278A JP2003294965A JP 2003294965 A JP2003294965 A JP 2003294965A JP 2002102278 A JP2002102278 A JP 2002102278A JP 2002102278 A JP2002102278 A JP 2002102278A JP 2003294965 A JP2003294965 A JP 2003294965A
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optical waveguide
substrate
notch
waveguide device
core
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Toshihiro Kuroda
敏裕 黒田
Shigeyuki Yagi
成行 八木
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光導波路積層体上に搭載される光学素子との
間で光の入出射を可能とする切り込みが形成された光導
波路デバイスであって、基板とクラッドとの境界面で界
面剥離が発生しにくい光導波路デバイス、その製法、そ
れに用いる基板を提供する。 【解決手段】 基板上に、クラッドとコアを含む光導波
路積層体を備え、コアを横切り、且つ基板の法線方向に
対して傾斜して切り込みが形成され、コアと切り込みの
境界面を反射面としてコアと基板外部との間で光の入出
射を可能とする光導波路デバイスにおいて、切り込みの
先端部が基板内に侵入し、その周囲領域がクラッドと同
一の材料で構成されている光導波路デバイス;基板の、
切り込みが形成される位置に凹部を設け、これをクラッ
ドと同一の材料で充填し、次に光導波路積層体を形成
し、これに切り込みを形成する工程を含む光導波路デバ
イスの製法;及び切り込みが形成されるべき位置に凹部
を有する基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光導波路デバイ
ス、その製造方法及びそれに用いる基板に関し、特に、
光導波路積層体上に搭載される光学素子との間で光の入
出射を可能とする切り込みが形成された光導波路デバイ
ス、その製造方法及びそれに用いる基板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のパソコンやインターネットの普及
に伴い、情報伝送需要が急激に増大している。このた
め、伝送速度の速い光伝送を、パソコン等の末端の情報
処理装置まで普及させることが望まれている。これを実
現するには、光インターコネクション用に、高性能な光
導波路を、安価かつ大量に製造する必要がある。
【0003】光導波路の材料としては、ガラスや半導体
材料等の無機材料や、樹脂が知られている。無機材料に
より光導波路を製造する場合には、真空蒸着装置やスパ
ッタ装置等の成膜装置により無機材料膜を成膜し、これ
を所望の導波路形状にエッチングすることにより製造す
る方法が用いられる。しかしながら、真空蒸着装置やス
パッタ装置は、真空排気設備が必要であるため、装置が
大型で高価である。また、真空排気工程が必要であるた
め工程が複雑になる。これに対し、樹脂によって光導波
路を製造する場合には、成膜工程を、塗布と加熱により
大気圧中で行うことができるため、装置及び工程が簡単
であるという利点がある。また、光導波路ならびにクラ
ッド層を構成する樹脂としては、種々のものが知られて
いるが、ガラス転移温度(Tg)が高く、耐熱性に優れ
るポリイミドが特に期待されている。ポリイミドにより
光導波路及びクラッド層を形成した場合、長期信頼性が
期待でき、半田付けにも耐えることができる。
【0004】樹脂製の光導波路デバイスは、一般的に
は、基板上に、光ファイバ搭載用のV溝を設け、さらに
樹脂製の下部クラッド、コア(光導波路)及び上部クラ
ッドを含む光導波路積層体を積層することにより製造さ
れる。さらに、図3に示すように、光導波路積層体上に
搭載される光学素子との間で光の入出射を可能とするた
め、基板表面に対してある一定の角度を持ち、コアを切
断する切り込みがダイシング技術等を用いて形成され
る。この切り込みとコアとの2つの境界面のうち、基板
表面と鋭角をなす境界面が反射面とされ、この反射面が
光を反射することによってコアと光導波路積層体上に搭
載される光学素子との間で光の入出射が可能とされる。
【0005】このような構成の光導波路デバイスでは、
一般に基板と光導波路積層体とが異質の材料で形成され
ているため、上記切り込みをダイシング等により形成す
る際に、基板と光導波路積層体、具体的には基板と下部
クラッドとの境界面で界面剥離が発生し易く、結果的
に、図4に示すように、光反射面の角度が変化し、コア
と光導波路積層体上に搭載される光学素子の受発光位置
から光軸がずれて光の入出射効率が低下するという問題
がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、これ
らの従来の問題点を解決することにあり、光導波路積層
体上に搭載される光学素子との間で光の入出射を可能と
する切り込みが形成された光導波路デバイスであって、
基板と下部クラッドとの境界面で界面剥離が発生しにく
い光導波路デバイス、その製造方法及びそれに用いる基
板を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の光導波
路デバイス、その製造方法及びそれに用いる基板を提供
するものである。 (1) 基板上に、下部クラッド、コア及び上部クラッ
ドを含む光導波路積層体を設けた光導波路デバイスであ
って、該コアを横切るように且つ基板の法線方向に対し
て傾斜して切り込みが形成され、該コアと該切り込みの
境界面を反射面として該コアと該基板外部との間で光の
入出射を可能とする光導波路デバイスにおいて、該切り
込みの先端部が該基板内に侵入し、該基板内に侵入した
切り込みの周囲領域が下部クラッドと同一又は類似の材
料で構成されていることを特徴とする光導波路デバイ
ス。 (2) 光導波路積層体がポリマーで形成されている
(1)記載の光導波路デバイス。 (3) ポリマーがポリイミド樹脂である(2)記載の
光導波路デバイス。 (4) 基板が、無機材料又は高分子材料である(1)
〜(3)のいずれか1項記載の光導波路デバイス。 (5) 下部クラッドと同一又は類似の材料で構成され
ている、基板内に侵入した切り込みの周囲領域の厚みが
少なくとも20μmである(1)〜(4)のいずれか1
項記載の光導波路デバイス。 (6) 基板がポリマー製である(1)〜(5)のいず
れか1項記載の光導波路デバイス。 (7) 下記の工程を含む、請求項1〜6のいずれか1
項記載の光導波路デバイスの製造方法。基板の、切り込
みが形成されるべき位置に凹部を設ける工程、該凹部を
下部クラッドと同一又は類似の材料で充填する工程、下
部クラッド、コア及び上部クラッドを含む光導波路積層
体を形成する工程、及び切り込みを形成する工程。 (8) 凹部及び切り込みの形成がダイシングにより行
われる(7)記載の製造方法。 (9) 凹部の深さが150〜200μm、幅が100
〜200μmである(8)記載の製造方法。 (10) (1)〜(6)のいずれか1項記載の光導波
路デバイスの製造に使用する基板であって、切り込みが
形成されるべき位置に凹部を有することを特徴とする基
板。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の光導波路デバイスの一実
施形態である光導波路デバイス100の構成を図1及び
図2を用いて説明する。光導波路デバイス100は、シ
リコン単結晶の基板1上に、光導波路積層体10が搭載
された領域と、V溝21が配置された領域20と、発光
素子または受光素子を搭載するための電極7が配置され
た領域30とを有している。光導波路積層体10は、コ
ア4を含み、本実施の形態では、コア4をポリイミド樹
脂により構成している。基板1の、切り込み27が形成
されるべき部位には凹部6が形成され、この凹部6に
は、下部クラッドと同一又は類似の材料が充填されてい
る。ここで「類似の材料」とは、ダイシング時の加工負
荷がほぼ等しくなるような物性を有する材料を意味す
る。例えば、引張強度、切削抵抗、表面硬度等の物性が
同一又は近似している材料を意味する。凹部の深さ及び
幅は、凹部内に侵入した切り込みの周囲領域の厚みが少
なくとも20μmとなるような大きさとすることが望ま
しい。切り込みの間隙の幅tが20μm程度であり、基
板内に侵入した切り込みの深さが100μm程度の場
合、凹部の深さは150〜200μm、幅は100〜2
00μm程度が適当である。
【0009】光導波路積層体10の構造についてさらに
説明する。基板1の上面には、基板1を保護し、屈折率
を調整するための二酸化珪素層2が備えられ、光導波路
積層体10は、二酸化珪素層2の上に形成されている。
光導波路積層体10は、二酸化珪素層2の上に、順に積
層された、有機ジルコニウム化合物層(図示されていな
い)と、フッ素を含まない樹脂層(図示されていない)
と、下部クラッド3と、コア4と、コア4を埋め込む上
部クラッド5と、保護層(図示されていない)とを含ん
でいる。下部クラッド3、コア4及び上部クラッド5
は、いずれもフッ素を含むポリイミド樹脂により形成さ
れている。なお、有機ジルコニウム化合物層及びフッ素
を含まない樹脂層は、基板1と下部クラッド3との接着
性を高めるために配置されている。
【0010】下部クラッド3及び上部クラッド5は、い
ずれも、第1のポリイミド樹脂膜からなる。下部クラッ
ド3の膜厚は、約6μm、上部クラッド5の膜厚は、コ
ア4の直上で約10μm、他の部分で約15μmであ
る。コア4は、第2のポリイミド樹脂膜からなり、その
膜厚は約6.5μmである。保護層は、第3のポリイミ
ド樹脂膜であり、その膜厚は、コア4から離れた端部で
約5μmである。
【0011】光導波路積層体10には、図1及び2に示
すようにコア4を横切って切り込み27が形成されてい
る。切り込み27の先端部は凹部6内に侵入し、凹部内
に充填された少なくとも20μmの厚みを有する下部ク
ラッドと同一又は類似の材料により囲まれている。この
切り込み27は、基板1の法線方向に対して、好ましく
は5°〜50°の範囲の所望の角度αで傾斜している。
この実施態様ではαは30°としてある。切り込み27
がコア4を横切る面、すなわち切り込み27の切断面は
コア4の伝搬光が散乱するのを防ぐために光学的に滑ら
かな面に形成されている。
【0012】この切り込み27には、コア4を伝搬する
光の一部を上向きに反射させる反射フィルム等所望の光
学素子を挿入することができる。例えば、反射フィルム
として、波長を選択して一部波長の光を反射し、残りを
透過するダイクロイックミラーフィルムや、特定の偏光
を反射し、残りを透過する偏光ミラーフィルム等のフィ
ルム状光学素子を挿入することができる。なお、切り込
み27の間隙の幅tは、挿入する光学素子の厚さに対し
て広過ぎると光のロスが生じるため、挿入する光学素子
の厚さに合わせた大きさにすることが望ましい。一般に
に切り込みの幅tは15〜50μmにすることが望まし
い。光導波路積層体10の上面には電極107が配置さ
れている。電極107は、例えば、切り込み27とコア
4との境界面又は切り込み27に挿入された反射部材に
より、上方に向けて反射された光を受光する受光素子を
搭載するために使用できる。
【0013】基板1上の領域20に配置されたV溝21
は、光ファイバを搭載するためのものである。V溝21
は、予め定められた径の光ファイバを搭載した場合、コ
ア4とアライメン卜した状態となるよう、その深さ及び
幅が設計されている。従って、例えば、電極7上に発光
素子を搭載した場合には、発光素子から発せられた光
は、コア4に入射して、これを伝搬し、コア4から出射
され、V溝21に搭載された光ファイバに高効率で入射
する。また、電極107上に受光素子を搭載した場合に
は、光ファイバを伝搬してきた光が、光ファイバから出
射されると高効率でコア4に入射して、これを伝搬し、
切り込み27とコア4との境界面又は切り込み27に挿
入された反射部材により、上方に向けて反射され、受光
素子で受光される。
【0014】V溝21は、シリコン単結晶の基板1を異
方性エッチングすることにより形成された深さ約100
μmの溝であり、断面はV字型である。V溝21が配置
された領域20と光導波路積層体10との境界には、図
1及び図2に示すように光導波路積層体10の端面を切
断する際に形成された切り込み25が存在している。同
様に、電極7の領域30と光導波路積層体10との境界
にも切り込み26が存在している。
【0015】次に、本発明の光導波路デバイスの製造方
法について、図1及び2を用いて説明する。 基板上に光ファイバ搭載用のV溝及び凹部6を形成する
工程 ここでは、基板1として直径約12.7cmのシリコン
ウエハを用意し、この基板1の上に図1の構造を縦横に
多数配列して形成し、後の工程でダイシングにより切り
離して、個々の光導波路デバイス100に分離する。こ
れにより、多数の図1の光導波路デバイス100を量産
することができる。よって、成膜やパターニング等は、
ウエハ状の基板1全体で一度に行う。まず、ウエハ状の
基板1の上面全体に、二酸化珪素層を熱酸化法や気相堆
積法等により形成した後、フォトリソグラフィとシリコ
ン単結晶の異方性を利用したウエットエッチングによ
り、V溝21を配列して形成する。
【0016】このウエハ状の基板1の上に金属膜を成膜
してパターニングすることにより、図1の電極7を形成
する。これにより、ウエハ状の基板1には、V溝21と
電極7とが多数配列されて形成される。次に、基板1の
切り込み27が形成されるべき位置に凹部6をダイシン
グ等により形成する。この凹部6の深さは、150〜2
00μm、幅は100〜200μm程度が適当である。
次に、ウエハ状の基板1の全体に有機ジルコニウム化合
物層を形成する。まず、有機ジルコニウム化合物溶液を
基板1全体に、5〜15分子層である50〜150Å厚
となるようにスピンコートした後、得られた塗膜を16
0°Cで5分程度加熱して乾燥させ、有機ジルコニウム
化合物層を形成する。有機ジルコニウム化合物溶液とし
ては、例えば、トリブトキシアセチルアセトネートジル
コニウムをブタノールに溶解して、1重量%溶液に調製
したものを用いる。
【0017】次に、有機ジルコニウム化合物層の上に、
フッ素を含まない樹脂層形成用組成物をスピンコートで
塗布し、得られた塗膜を加熱して溶媒を蒸発させ、さら
に加熱して硬化させることにより、フッ素を含まない樹
脂層を形成する。フッ素を含まない樹脂層の厚さは、
0.23μmとなるようにスピンコートの条件を制御す
る。次に、ウエハ状の基板1の上面のうち、完成後の光
導波路デバイスで光導波路積層体10が配置されていな
い領域20,30となる部分について、フッ素を含まな
い樹脂層と、有機ジルコニウム化合物層を除去する。ウ
エハ状の基板1には光導波路デバイスを縦横に配列して
製造しているため、ウエハ状の基板1の上面のうち、領
域20及び領域30は、光導波路積層体10の両脇の帯
状の部分である。この帯状の部分からフッ素を含まない
樹脂層と有機ジルコニウム化合物層とを除去しておくこ
とにより、下部クラッド3がこの帯状部分では基板1か
ら剥がれやすくなるため、後述の工程で、基板1の領域
20,30の部分から光導波路積層体10を帯状に剥が
して除去することが可能になる。
【0018】基板1上の領域20,30からフッ素を含
まない樹脂層と有機ジルコニウム化合物層とを除去する
方法について、具体的に説明する。まず、ウエハ状の基
板1の全面にレジスト液をスピンコートし、100℃で
乾燥することによりレジスト膜を形成する。この後、水
銀ランプでフォトマスクの像を露光する。フォトマスク
は、光導波路積層体10を形成すべき部分にのみレジス
ト膜が残るように形成されている。その後、レジスト膜
を現像する。これによりレジスト膜のみならず、フッ素
を含まない樹脂層もウエットエッチングされ、両者をほ
ぼ除去することができる。
【0019】この方法は、レジスト膜の露光及び現像を
繰り返すという簡単な工程で、フッ素を含まない樹脂層
をV溝21から完全に除去できるという利点がある。こ
の後、フッ酸を用いたウエットエッチングまたは反応性
イオンエッチングにより、有機ジルコニウム化合物層を
除去する。有機ジルコニウム化合物層は、膜厚が非常に
薄いため、V溝21の内部の層もウエットエッチングま
たは反応性イオンエッチングにより除去することができ
る。 最後に、 レジスト膜を除去する。
【0020】基板上に下部クラッド3を形成する工程 次に、ウエハ状の基板1の上面全体に前述の第1のポリ
イミド樹脂膜形成用組成物(すなわち、下部クラッド3
形成用組成物)をスピンコートして材料溶液膜を形成す
る。この際、材料溶液が凹部6を充填する。その後、乾
燥器で100℃で30分、次いで、200℃で30分カロ
熱することにより溶媒を蒸発させ、続けて370℃で6
0分加熱することにより硬化させ、厚さ6μmの下部ク
ラッド3を形成するとともに、凹部6を同一の材料で充
填する。
【0021】下部クラッド3上にコア4を形成する工程 この下部クラッド3の上に、コア用の前述の第2のポリ
イミド樹脂膜形成用組成物をスピンコートして材料溶液
膜を形成する。その後、乾燥器で100℃で30分間、
次いで、200℃で30分間加熱することにより溶媒を
蒸発させ、続いて350℃で60分間加熱することによ
り硬化を行い、コア4となる厚さ6.5μmの第2のポ
リイミド樹脂膜を形成する。
【0022】次に、第2のポリイミド樹脂膜(即ち、コ
ア4となる層)上に、シリコン含有レジスト層(通常は
膜厚約1μm程度)を設け、該レジスト層を所望のコア
4のパターンを有するフォトマスクを介して露光、現像
してレジストパターンを形成する。露光は紫外線を用い
て通常は30秒〜120秒程度行えばよい。現像は、ア
ルカリ性現像液をスプレーし、室温(約23℃)で約9
0秒程度で充分に行われる。該レジストパターンをエッ
チングマスクとして、コア4となる樹脂層をエッチング
して、所望のコア4を形成する。エッチングは、レジス
トパターンをエッチングマスクとして、酸素イオンを用
いた反応性イオンエッチング(O2−RIE)により行
う。これにより、基板1上に多数の光導波路デバイスを
配列して一度に形成することができる。
【0023】上部クラッド5及び保護層を形成する工程 次に、コア4及び下部クラッド3を覆うように、第1の
ポリイミド樹脂膜形成用組成物をスピンコートする。得
られた材料溶液膜を、乾燥器で100℃で30分間、次
いで、200℃で30分間加熱して材料溶液膜中の溶媒
を蒸発させ、350℃で60分間加熱することにより第
1のポリイミド樹脂膜の上部クラツド5を形成する。さ
らに、上部クラッド5の上面に、フッ素を含まないポリ
イミド樹脂膜形成用組成物をスピンコートし、乾燥器で
100℃で30分間、200℃で30分間加熱して溶媒
を蒸発させ、次いで、350℃で60分間加熱して、上
面がほぼ平坦でコア4から離れた端部の部分の厚さが約
5μmのフッ素を含まないポリイミド樹脂膜の保護層を
得る。
【0024】次に、下部クラッド3から保護層までの各
層は、これらが不要な領域20及び30にも配置されて
いるため、これを剥がして除去する。すなわち、領域2
0と光導波路積層体10との境界、及び、光導波路積層
体10と領域30との境界にそれぞれダイシングにより
切り込み25,26を入れ、下部クラッド3から保護層
9までの各層を切断する。このとき、ダイシングによる
切り込みの深さは、光導波路積層体10は切断される
が、基板1は切り離されない深さにする。先の工程で、
領域20及び領域30の基板1の上面からは、有機ジル
コニウム化合物層とフッ素を含まない樹脂層が除去され
ているため、領域20及び領域30では下部クラッド3
と基板1との密着力は小さい。したがって、領域20及
び領域30の上に搭載されている下部クラッド3から保
護層間での各層は、切り込み25,26を入れたことに
より、ウエハ状の基板1から帯状に容易に剥がすことが
できる。これにより、ウエハ状の基板1において、領域
20及び領域30では基板上面(二酸化珪素層)が露出
される。
【0025】切り込み27を形成する工程 次に、ウエハ状の基板1のまま、光導波路積層体10に
ダイシングブレード(砥粒を表面に付着させたディスク
形状の研削工具)を斜め方向(基板1の法線方向に対し
て30°)に切り込み、切り込み27を形成する。使用
するダイシングブレードの粗さは、JIS規格相当品で
3000番以上7000番以下、好ましくは3000番
以上4500番以下が望ましい。粗さが3000番未満
のブレードでは粗過ぎて切り込み27の研削面が粗い面
となり、コア4の伝搬光を散乱する。一方、ブレードの
粗さが7000番を超えると、細か過ぎて、ダイシング
ブレードが目詰まりし易く、光導波路積層体10が基板
1から剥がれるおそれがある。この実施態様では粗さ4
500番、厚さ20μmのダイシングブレードを用い
た。ダイシングブレードの送り速度は1.0mm/s〜
5.0mm/sが望ましい。この範囲の送り速度は、半導
体素子製造時のダイシングブレードの送り速度の約1/
10である。このようにゆっくりした送り速度でダイシ
ングブレードを、ポリイミド樹脂製の光導波路積層体1
0に切り込むことにより、切削面を研磨面と同程度に光
学的に滑らかな面に形成することができる。また形成さ
れた切り込み27の形状は、先端部(底部)から開口部
まで間隙の幅tが23μmで一定であり、高精度に形成
されていた。また、切削面が光学的に滑らかであるた
め、仕上げのための研磨等は不要である。
【0026】光導波路デバイス100を形成する工程 次に、ウエハ状の基板1をダイシングにより切断するこ
とにより、短冊状に切り出し、この短冊状の基板1をダ
イシングにより、個々の光導波路デバイス100に切り
出し、光導波路デバイス100を完成させる。なお、基
板1を切断するダイシング工程の手順は、この手順に限
られるものではなく、縦横にメッシュ状にダイシングし
て光導波路デバイス100を形成することも可能であ
る。この実施態様の光導波路積層体のコア4は直線形状
であるが、光導波路積層体10のコア4の形状は、光導
波路デバイスとして必要とされる機能に合わせて直線形
状に限らずy分岐やx型等の所望の形状にすることがで
きる。また、コアの形状に合わせて、V溝21や、電極
7、電極107を複数個備える構成にすることも可能で
ある。
【0027】また、こうして製造される光導波路デバイ
ス100は、下部クラッド3から上部クラッド5まで全
ての層をポリイミド樹脂で形成しているため、Tgが高
く、耐熱性に優れている。よって、本実施の形態の光導
波路デバイス100は、高温になっても伝搬特性を維持
できる。また、ポリイミド樹脂は、半田付け等の高温工
程にも耐えることができるため、光導波路デバイスの上
にさらに別の光導波路デバイスや電気回路素子や発光素
子を半田付けすることも可能である。
【0028】なお、上記実施態様では、基板1に凹部6
を設け、この凹部に下部クラッド3と同一又は類似の材
料を充填しておくことにより、基板1と下部クラッド3
との境界面が切り込み27と接するのを回避している。
しかし、基板1と下部クラッド3との境界面が切り込み
27と接するのを回避して、本発明の目的を達成するた
めの手段は上記方法に限られない。例えば、基板1を、
下部クラッド3と同一又は類似の材料で、例えば、下部
クラッド3をポリイミド樹脂で構成する場合には、基板
1を、下部クラッド3を構成するフッ素化ポリイミド樹
脂と同一又は類似の樹脂(例えば、フッ素化ポリイミド
樹脂、ポリイミド樹脂等)で構成することもできる。
【0029】本発明の光導波路デバイス100を用い
て、光通信装置を製造することにより、光ファイバとコ
ア4とのアライメントが容易で、結合効率の高い高性能
な光通信装置を安価に製造することができる。なお、本
発明において光導波路デバイスとは、基板として、ガラ
ス、石英等の無機材料、シリコン、ガリウムヒ素、アル
ミニウム、チタン等の半導体や、金属材料、ポリイミ
ド、ポリアミド等の高分子材料、またはこれらの材料を
複合化した材料を用いて、これら基板の上に、光導波路
を設けたもの、及びさらに、光合波器、光分波路、光減
衰器、光回折器、光増幅器、光干渉器、光フィルタ、光
スイッチ、波長変換器、発光素子、受光素子あるいはこ
れらが複合化されたものなどを形成したものを指す。上
記の基板上には、発光ダイオード、フォトダイオード等
の半導体装置や金属膜を形成することもあり、更に基板
の保護や屈折率調整などのために、基板上に、上述のと
おり二酸化珪素被膜を形成したり、あるいは、窒化シリ
コン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化タン
タルなどの被膜を形成してもよい。
【0030】
【発明の効果】本発明の光導波路デバイスの製造方法で
は、基板1内の、切り込み27が形成される部位に予め
凹部が設けられ、この凹部に下部クラッド3と同一又は
類似の材料が充填されているため、形成された切り込み
27に、基板1と下部クラッド3との境界面が接するこ
とはない。このため、基板1と下部クラッド3との境界
面で界面剥離が発生することはなく、光反射面の角度が
変化したり、コアの光軸がずれて光の入出射効率が低下
するという問題が解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の模式化した光導波路デ
バイス100を示す斜視図である。
【図2】図1の光導波路デバイスのA−A´断面図であ
る。
【図3】従来の、切り込みを有する光導波路デバイスの
断面図である。
【図4】従来の、切り込みを有する光導波路デバイスに
おける境界面の剥離状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1:シリコン基板、2:二酸化珪素層、3:下部クラッ
ド、4:コア、5:上部クラッド、6:凹部、7及び1
07:電極、10:光導波路積層体、20:光ファイバ
搭載領域、21:V溝、25〜27:切り込み、30:
電極搭載領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H037 AA01 BA01 BA11 BA21 BA31 CA36 CA38 DA02 DA06 2H047 KA02 PA02 PA21 PA24 PA28 QA05 TA31

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、下部クラッド、コア及び上部
    クラッドを含む光導波路積層体を設けた光導波路デバイ
    スであって、該コアを横切るように且つ基板の法線方向
    に対して傾斜して切り込みが形成され、該コアと該切り
    込みの境界面を反射面として該コアと該基板外部との間
    で光の入出射を可能とする光導波路デバイスにおいて、
    該切り込みの先端部が該基板内に侵入し、該基板内に侵
    入した切り込みの周囲領域が下部クラッドと同一又は類
    似の材料で構成されていることを特徴とする光導波路デ
    バイス。
  2. 【請求項2】 光導波路積層体がポリマーで形成されて
    いる請求項1記載の光導波路デバイス。
  3. 【請求項3】 ポリマーがポリイミド樹脂である請求項
    2記載の光導波路デバイス。
  4. 【請求項4】 基板が、無機材料又は高分子材料である
    請求項1〜3のいずれか1項記載の光導波路デバイス。
  5. 【請求項5】 下部クラッドと同一又は類似の材料で構
    成されている、基板内に侵入した切り込みの周囲領域の
    厚みが少なくとも20μmである請求項1〜4のいずれ
    か1項記載の光導波路デバイス。
  6. 【請求項6】 基板がポリマー製である請求項1〜5の
    いずれか1項記載の光導波路デバイス。
  7. 【請求項7】 下記の工程を含む、請求項1〜6のいず
    れか1項記載の光導波路デバイスの製造方法。基板の、
    切り込みが形成されるべき位置に凹部を設ける工程、 該凹部を下部クラッドと同一又は類似の材料で充填する
    工程、 下部クラッド、コア及び上部クラッドを含む光導波路積
    層体を形成する工程、及び切り込みを形成する工程。
  8. 【請求項8】 凹部及び切り込みの形成がダイシングに
    より行われる請求項7記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 凹部の深さが150〜200μm、幅が
    100〜200μmである請求項8記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜6のいずれか1項記載の光
    導波路デバイスの製造に使用する基板であって、切り込
    みが形成されるべき位置に凹部を有することを特徴とす
    る基板。
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