JP2003161044A - 既存柱における免震装置の設置方法 - Google Patents
既存柱における免震装置の設置方法Info
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- JP2003161044A JP2003161044A JP2001359597A JP2001359597A JP2003161044A JP 2003161044 A JP2003161044 A JP 2003161044A JP 2001359597 A JP2001359597 A JP 2001359597A JP 2001359597 A JP2001359597 A JP 2001359597A JP 2003161044 A JP2003161044 A JP 2003161044A
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Abstract
存建物を免震構造化する場合に、上部構造の鉛直荷重を
一時的に負担する仮設のブラケットの設置数を削減し、
仮設作業を単純化する。 【解決手段】 既存柱1の一部の区間の除去から免震装
置5の設置までの間、既存柱1の周囲で上部構造3の鉛
直荷重を負担するジャッキ13を受けるためのブラケット
8を既存柱1に固定するために、既存柱1の、免震装置
5の設置区間を挟んだ上下の各位置に補強コンクリート
6,6を付加する。
Description
造化する方法として、既存柱の一部の区間に免震装置を
設置する既存柱における免震装置の設置方法に関するも
のである。
物を耐震補強する方法は既存建物の外周にブレース等の
耐震要素を付加し、建物の耐力と剛性を高める方法と、
既存建物を免震構造化し、建物が負担する地震力を低減
する方法に大別されるが、前者の方法によれば、建物の
外周での補強で済む場合に、建物を使用状態に置いたま
ま施工することができる利点があるものの、耐震要素が
建物の開口を遮る形になるため、建物内での採光や建物
の外観を犠牲にする不利益を伴う。
の躯体断面を増すことが必要になるため、既存建物が敷
地境界線付近に位置する場合等、耐震要素の付加が敷地
上の制約を受ける場合には対応することができない。
合や、敷地上の制約がある場合には後者の方法に依らざ
るを得ないが、既存建物を免震構造化する場合、免震装
置はそれより上の上部構造の鉛直荷重を負担することか
ら、特開平4-231550号、特開平9-273163号、特開平11-2
2208号等のように既存の柱の一部の区間に免震装置を介
在させることが多い。
で上下に区分される既存柱の上部構造側と下部構造側の
それぞれに反力台(ブラケット)を固定し、上下の反力
台間にジャッキを設置し、ジャッキに上部構造の鉛直荷
重を負担させた状態で柱を切断し、除去することになる
が、反力台は鉛直荷重をジャッキに伝達させる役目を持
つため、特開平4-231550号や特開平9-273163号のように
既存柱の除去部分以外の部分の断面を欠損させずに、例
えば貫通孔を形成することなく反力台を固定しようとす
る場合には鉛直荷重に対し、反力台全体で既存柱の表面
との間の摩擦力のみによって固定状態を維持する必要が
ある。
の断面を維持したまま反力台を固定しようとする場合、
既存柱の表面の周長が限られているため、必要な摩擦力
を得る上では反力台を構成するブラケットを既存柱を包
囲する形で、二方向に組み合わせ、多段に配置する必要
があり、反力台の設置数が多い。
するためのPC鋼材等の引張材も二方向に配置する必要
があるため、設置作業と解体作業を含め、仮設作業が大
掛かりになる。
号ではブラケットを二方向に組み合わせることから、上
部構造の荷重を均等に下部構造に伝達するために、ジャ
ッキを反力台の四隅位置に配置することになるが、隣接
するジャッキ間には免震装置を差し込めるだけの距離を
確保する必要があるため、ジャッキを既存柱に接近して
配置することができない。
達する既存柱の表面とジャッキの中心との間の距離を縮
めることができないため、ブラケットは捩じりモーメン
トを負担することになり、高い捩じり剛性を持つ必要が
ある。
く、高い捩じり剛性を必要としないブラケットを用いた
既存柱への免震装置の設置方法を提案するものである。
置のために除去する既存柱の一部の区間を挟んだ上下の
各位置において既存柱の周囲に補強コンクリートを付加
し、ジャッキを受けるブラケットの接合面における摩擦
力を大きくすることにより、ブラケットの設置数を削減
すると共に、ジャッキを既存柱に接近して配置すること
を可能にし、各ブラケットの負担を軽減する。
に既存柱の周囲にコンクリートを増打ちし、増打ちコン
クリートを構築することにより付加される場合と、請求
項3に記載のように既存柱の周囲にプレキャストコンク
リートを接合することにより付加される場合かある。後
者の場合、補強コンクリートは主にPC鋼材等の引張材
を用いてプレキャストコンクリートを互いに、または既
存柱に圧着接合することにより既存柱に付加される。
対向する側面間に穿設等により形成される貫通孔を挿通
する引張材の緊張により補強コンクリートの表面に直
接、もしくは間接的に圧着接合され、ジャッキを設置
し、既存柱の除去部分を除去したときには補強コンクリ
ートとの間の摩擦力によって除去部分を挟んだ上側の上
部構造の鉛直荷重を負担する。
する側面間に補強コンクリートを貫通して、または補強
コンクリートと既存柱を貫通して形成される。ブラケッ
トは貫通孔が形成された側面に対面する鉛直プレート
と、鉛直プレートの除去部分側に一体化する水平プレー
トからなり、貫通孔が形成された補強コンクリートの側
面に配置される。
鉛直プレート間に貫通孔を貫通して挿通し、緊張される
ことによりブラケットを補強コンクリートに圧着させ、
ブラケットの鉛直プレートと補強コンクリートの側面と
の間で、既存柱の除去部分より上の上部構造の鉛直荷重
を下部構造に伝達するのに十分な摩擦力を確保する。
るブラケットの水平プレート間に設置され、既存柱の除
去部分を除去したときに上側のブラケットを通じて伝達
される上部構造の鉛直荷重を負担しながら、下側のブラ
ケットを介して除去部分より下の下部構造に伝達する。
この状態で既存柱の除去部分が除去され、除去部分に免
震装置が設置される。
去部分を挟んだ上側のブラケットの鉛直プレートと補強
コンクリートとの間における摩擦力によってその上側の
ブラケットに支持される。
と、その下に配置されるジャッキから下側のブラケット
の水平プレートを通じ、そのブラケットの鉛直プレート
と補強コンクリートとの間の摩擦力によって下部構造側
の補強コンクリートに伝達される。
ままの場合との対比で、ブラケットの鉛直プレートが対
面する部分の表面積が拡大し、ブラケットとの間で得ら
れる摩擦力が増大するため、上部構造から下部構造への
鉛直荷重の伝達を図る上では各補強コンクリートに付
き、一方向にのみ対向させてブラケットを設置すればよ
く、特開平4-231550号等のよう二方向に対向させて配置
する必要はない。
部分を挟んだ上下に補強コンクリートを付加した上で、
上下の各補強コンクリートに対して一方向にのみ対向す
るブラケットを設置し、一方向にのみ引張材を挿通すれ
ばよいため、ブラケットと引張材、及びジャッキを含め
た仮設部材数が削減され、併せて設置と解体の仮設作業
が単純化される。
リートを付加することと、ブラケットを一方向のみに対
向させて設置することで、水平方向に対向するブラケッ
ト間に免震装置を設置するための十分な距離を確保する
ことができることから、ジャッキの設置位置が免震装置
の設置作業の面から制約されることがなく、上下のブラ
ケットとジャッキが免震装置の設置の障害になることが
ない。
を補強コンクリートの側面から外周側へ隔てた位置に配
置する必要がなく、摩擦力の作用面である補強コンクリ
ートの側面に寄せて配置することができるため、上部構
造の鉛直荷重を下部構造に伝達する上で、ブラケットの
水平プレートが受ける捩じりモーメントとジャッキが受
ける偏心荷重を低減でき、水平プレートとブラケット全
体に高い捩じり剛性を与える必要がない。
鉛直プレートを補強コンクリートから除去部分側へ張り
出させ、ブラケットの水平プレートを鉛直プレートの表
面側と背面側に跨って接合したときには、水平プレート
に作用させる捩じりモーメントを低減すると共に、ジャ
ッキへの偏心荷重の作用を低減する上でジャッキを合理
的な位置に配置することができる。
すれば、水平プレートが受ける捩じりモーメントとジャ
ッキへが受ける偏心荷重は最小になり、理論上はジャッ
キの中心が鉛直プレートの中心線の延長線上に位置した
ときに捩じりモーメントと偏心荷重が0になる。
コンクリートの硬化後に穿設されるか、補強コンクリー
トの構築時に形成され、プレキャストコンクリートの場
合はその製作時に予め形成されることから、ブラケット
の設置時には鉛直プレートと硬化している補強コンクリ
ートの側面との間の摩擦力が低下する可能性があるが、
請求項5に記載のようにブラケットの鉛直プレートと補
強コンクリートの側面との間に無収縮モルタル等の充填
材を充填することにより摩擦力を高めることができる。
強コンクリートの側面との間に充填材を充填するための
クリアランスを確保した状態で設置されることになる
が、請求項6に記載のようにブラケットの鉛直プレート
が対面する補強コンクリートの側面に凹部を形成してお
き、凹部に充填材を充填することで、充填材の充填作業
とそれによる摩擦力の確保が確実になる。充填材はブラ
ケットを補強コンクリートに仮止めした状態で凹部に充
填され、その硬化後にブラケットが引張材により補強コ
ンクリートに圧着される。
りそれに直交する面をなすリブプレートが接合され、鉛
直プレートの立面がリブプレートで複数の領域に区分さ
れた場合、各区分された領域毎に引張材の端部を鉛直プ
レートに定着することになるが、請求項7に記載のよう
に領域毎に、二本の引張材を領域の対角線上に配置すれ
ば、同一水平線上に配置する場合より引張材の周囲に定
着のための空間を稼ぐことができるため、例えばナット
定着の場合にはナットの緊結に要する空間を各領域内に
確保することができる。
きることで、ブラケットの補強コンクリートへの圧着力
が増し、摩擦力が増大する利点もある。
面にコンクリートの増打ちにより補強梁を構築し、PC
鋼棒によって両者を一体化させているが、補強梁はその
下の、地中梁と補強梁を合わせた平面積を持つ、スタッ
ドボルトが埋め込まれたコンクリート板と共に支持梁を
形成するためにあり、ジャッキは支持梁の底面とその下
の耐圧版との間に設置されることから、上部構造の荷重
はコンクリート板によって地中梁と補強梁に分散し、両
者が分担することになる。
上、補強梁の下に配置するとしても、補強梁が単独で上
部構造の荷重を負担することがないことから、地中梁と
補強梁の一体化による両者間の摩擦力が上部構造の荷重
を耐圧版に伝達する上で抵抗力として働かないため、補
強梁は上部構造の荷重を負担するための反力台としては
機能しない。反力台の機能はコンクリート板が果たすこ
とになる。
号においてブラケットの既存柱への接合面の摩擦力を稼
ぎ、またはブラケットの負担を軽減することを目的とし
ても、その反力台(ブラケット)及びジャッキに、特開
2000−179161号における補強梁及びPC鋼棒を組み合わ
せることは考えられない。
板が既存の地中梁と補強梁に跨る以上、既存柱の除去前
にはコンクリート板を設置することができないため、既
存柱の一部に免震装置を設置する特開平4-231550号,特
開平9-273163号や本発明には特開2000−179161号を適用
する余地がない。
うに既存柱1の一部の区間を除去し、その除去部分2に
免震装置5を設置する方法である。
ト造の他、鉄骨鉄筋コンクリート造、または鉄骨造、あ
るいは鋼管コンクリート造等の場合があり、構造種別は
問われない。
すように除去部分2を挟んだ上下の各位置において、既
存柱1の周囲に後述のブラケット8を接合するために補
強コンクリート6,6が付加される。
トの増打ちにより構築した場合を示しているが、既存柱
1を挟んでプレキャストコンクリートを対向させて配置
し、対向するプレキャストコンクリートを、両者を貫通
するPC鋼材等の引張材を用いて互いに、もしくは既存
柱1に圧着接合することにより補強コンクリート6を付
加することもある。
19が接続している場合には既存壁19の少なくとも一部
の、補強コンクリート6との干渉部分はその構築の障害
にならない程度に解体、撤去される。図7は既存柱1に
接続する既存壁19の全体を解体し、撤去した場合を示し
ている。
上下に区分される上側の上部構造3側の既存柱1と下側
の下部構造4側の既存柱1の断面積を増した状態で、上
部構造3の鉛直荷重を負担するジャッキ13を設置するた
めのブラケット8を接合し、そのブラケット8の接合面
における摩擦力を稼ぐと共に、ブラケット8の設置位置
にジャッキ13を設置するためと、ブラケット8を圧着接
合するための引張材9を挿通するために構築、もしくは
接合される。
階であるかを問わず、また免震装置5は既存柱1の1層
の区間のいずれの部分であるかを問わずに設置される。
図面では免震装置5を地上階、または地下階の1階の既
存柱1の中間部に設置していることから、既存柱1の補
強を兼ねて除去部分2を除く既存柱1の全区間に補強コ
ンクリート6を付加しているが、ブラケット8を設置す
る上では少なくともその設置区間にのみ補強コンクリー
ト6を付加すれば足りる。
1,図8に示すようにその補強コンクリート6の周囲
の、一方向に対向する側面間に貫通孔7を形成し、その
貫通孔7が形成された側面にブラケット8,8を配置
し、水平方向に対向するブラケット8,8間に引張材9
を挿通し、緊張してブラケット8を補強コンクリート6
に圧着接合する。
使用される引張材9の本数と貫通孔7の穿設数は対向す
るブラケット8,8の補強コンクリート6への圧着接合
により、上部構造3の鉛直荷重を補強コンクリート6と
ブラケット8との間の摩擦力によって下部構造4に伝達
するのに十分なように決められるが、その数に応じ、貫
通孔7は図示するように補強コンクリート6と既存柱1
を貫通する場合と、補強コンクリート6のみを貫通する
場合がある。
強コンクリート6の硬化後に穿設される他、構築の際に
形成される。プレキャストコンクリートの場合は予め形
成される。プレキャストコンクリートの場合はそれを既
存柱1に接合している引張材との干渉がないように貫通
孔7の位置が決められる。
ば補強コンクリート6のみを貫通する場合にはそのコン
クリートの打設時に貫通孔7の位置にシース等の中空管
を埋設しておくことにより形成され、補強コンクリート
6と既存柱1を貫通する場合は補強コンクリート6の部
分にのみ中空管を埋設してコンクリートを打設し、補強
コンクリート6の硬化後に既存柱1の部分を穿設するこ
とにより形成される。
強コンクリート6の貫通孔7が形成された側面に、その
側面に対面する鉛直プレート81と、鉛直プレート81の除
去部分2側に一体化する水平プレート82からなり、鉛直
プレート81には補強コンクリート6の貫通孔7に対応し
た貫通孔8aが形成される。
長線上に配置できるよう、水平プレート82を鉛直プレー
ト81の表面側と背面側に跨って接合し、鉛直プレート81
と水平プレート82からブラケット8をT形断面を形成し
ているが、必ずしもその必要はなく、鉛直プレート81の
中心とジャッキ13の中心との偏心距離の大きさがブラケ
ット8とジャッキ13の機能に影響しない程度に、水平プ
レート82を鉛直プレート81の表面側にのみ接合し、ブラ
ケット8をL形断面に形成する場合もある。
プレートを溶接することにより製作される他、H形鋼や
T形鋼等の形鋼を利用し、そのまま、または一部を切断
等することにより製作される。
の大きさによって決まり、鉛直プレート81の立面はそれ
に直交する面をなすリブプレート83で区分され、各区分
された領域毎に貫通孔8aが形成され、引張材9の定着が
行われる。
材の他、繊維強化材料が使用され、図面では端部の定着
をナット9bによって行うために、引張材9の端部にねじ
を切ったスリーブ9a,9aを圧着により一体化させ、ナッ
ト9bによってスリーブ9aをアンカープレート9cを介して
鉛直プレート81に定着している。
に配置し、二方向のリブプレート83,83に囲まれた一領
域に付き、一本、もしくは二本の引張材9を配置し、計
四本の引張材9を配置した場合、図4,図5は各領域に
二本の引張材9,9を配置し、計六本の引張材9を配置
した場合を示すが、一領域に二本の引張材9,9を配置
する場合は端部の定着に要する空間を確保するために、
図5に示すように領域の対角線上に配置される。
直プレート81が補強コンクリート6から除去部分2側へ
張り出し、水平プレート82が除去部分2の区間に位置し
た状態で補強コンクリート6の側面に設置される。
強コンクリート6の表面に直接密着した状態で、または
両者間にクリアランスを確保した状態で設置される。図
1,図4では鉛直プレート81と補強コンクリート6との
間の摩擦力を大きくするために両者間にクリアランスを
確保し、そのクリアランスに無収縮モルタル等のモルタ
ルやセメントミルク、接着剤その他の充填材10を充填す
ると共に、図3−(b),(c) に示すように鉛直プレート8
1の背面に、鉛直方向に間隔をおいて鉄筋を水平に溶接
する等によりシアコネクタ11を突設している。
部分2の中心側へ寄せて配置できるよう、補強コンクリ
ート6の、鉛直プレート81に対向する面に凹部6aを形成
することによりクリアランスを確保している。凹部6aは
補強コンクリート6の打設時に型枠の形状により自由に
形成できるため、図示するような平板状である必要はな
く、凹凸状に形成することもある。
る場合は、充填材10の硬化後、図1,図2等に示すよう
に貫通孔7,8aに引張材9を挿通させ、水平方向に対向
するブラケット8,8の鉛直プレート81,81間に配置
し、一方の端部をナット9b等により鉛直プレート81に定
着した後、他方の端部を緊張装置12により緊張してブラ
ケット8,8を補強コンクリート6に圧着接合する。
と補強コンクリート6との間の摩擦力を確保する目的で
使用されるため、上部構造3の鉛直荷重をジャッキ13が
負担したときに引張材9自身がせん断力を負担しないよ
う、引張材9と貫通孔7,8aとは縁が切られる。
ート81との間でせん断力を負担させ、両者間の摩擦力を
低減することも可能であるが、ブラケット8と共に繰り
返して使用することを考慮し、引張材9の損傷を防止す
ると共に、回収を容易に行うために、引張材9と貫通孔
7,8aが絶縁され、引張材9がせん断力を負担しないよ
うにされる。
ように上下に対向するブラケット8,8の水平プレート
82,82間にジャッキ13を設置し、ジャッキ13を揚重させ
てジャッキ13に鉛直荷重を負担させ、上部構造3の鉛直
荷重を上下のブラケット8,8とジャッキ13を介して下
部構造4に伝達する。
りモーメントとジャッキ13自身に対する偏心荷重が許容
される範囲内に納まるよう、鉛直プレート81の中心線の
延長線を挟んだ一定の範囲内に中心が位置するように設
置される。図9では特にジャッキ13の中心が鉛直プレー
ト81の中心線の延長線上に位置するように配置し、捩じ
りモーメントと偏心荷重が0になるようにしている。
ブラケット8の鉛直プレート81と補強コンクリート6と
の間の摩擦力によってその水平プレート82からジャッキ
13に伝達され、ジャッキ13から下側のブラケット8の水
平プレート82を通じて鉛直プレート81に伝達され、その
鉛直プレート81からそれと補強コンクリート6との間の
摩擦力によって下部構造4に伝達される。
で、既存柱1の、免震装置5の設置区間を切断し、除去
する。
3側の既存柱1と補強コンクリート6の下端面、及び下
部構造4側の既存柱1と補強コンクリート6の上端面に
免震装置5の上端と下端を定着するための架台14,14を
無収縮モルタル等のモルタルやコンクリートにより構築
し、架台14の免震装置5側に免震装置5の上端と下端を
受けるベースプレート15,15を定着させる。
である場合、図12に示すように免震装置5は上下のフラ
ンジ51,51においてベースプレート15,15に接合され
る。下部のベースプレート15には免震装置5のレベル調
整のためのレベル調整ボルト16が付属しており、レベル
調整ボルト16は下部構造4の既存柱1、または補強コン
クリート6中に埋設された袋ナット17に螺合し、袋ナッ
ト17への螺合長さが調整されることにより免震装置5の
レベルが調整される。
承や転がり支承の場合にも除去部分2では同様の作業が
行われる。
解除し、上部構造3の鉛直荷重を免震装置5に負担させ
る。このとき、鉛直荷重の負担による免震装置5の沈下
量を含めたレベル調整が行われる。
13とブラケット8、及び引張材9を回収し、免震装置5
の据付け作業が完了する。補強コンクリート6に形成さ
れている貫通孔7は必要によりモルタルやコンクリート
等によって埋められる。
ト6の側面に連続する面には免震装置5の耐火被覆と除
去部分2の外観の整備のために、図14に示すようにカバ
ー材18が取り付けられる。
震装置5を地下階の1階の既存柱1の中間部に設置した
場合には、下部構造4側となる下側の補強コンクリート
6に連続する地中梁21部分にも必要により補強コンクリ
ート20が構築される。
の一部の区間を挟んだ上下の各位置において既存柱の周
囲に補強コンクリートを付加し、ジャッキを受けるブラ
ケットの接合面における摩擦力を大きくするため、上部
構造から下部構造への鉛直荷重の伝達を図る上で一方向
にのみ対向させてブラケットを設置すればよく、二方向
に対向させて配置する必要がない。併せて一方向にのみ
引張材を挿通すればよいため、仮設部材数が削減され、
仮設作業が単純化される。
リートを付加することと、ブラケットを一方向のみに対
向させて設置することで、水平方向に対向するブラケッ
ト間に免震装置を設置するための十分な距離を確保する
ことができるため、ジャッキの設置位置が免震装置の設
置の面から制約されることがなく、上下のブラケットと
ジャッキが免震装置の設置の障害になることがない。
を除去部分において補強コンクリートの側面に寄せて配
置することができるため、上部構造の鉛直荷重を下部構
造に伝達する上で、ブラケットの水平プレートが受ける
捩じりモーメントとジャッキが受ける偏心荷重を低減で
き、水平プレート、またはブラケット全体には高い捩じ
り剛性を要しない。
トを補強コンクリートから除去部分側へ張り出させ、ブ
ラケットの水平プレートを鉛直プレートの表面側と背面
側に跨って接合するため、捩じりモーメントと偏心荷重
を低減する上でジャッキを合理的な位置に配置すること
ができる。
補強コンクリートの側面との間に充填材を充填するた
め、両者間の摩擦力を高めることができる。
対面する補強コンクリートの側面に凹部を形成してお
き、凹部に充填材を充填するため、充填材の充填とそれ
による摩擦力の確保が確実になる。
レートで区分された各領域毎に引張材の端部を鉛直プレ
ートに定着する上で、領域毎に、二本の引張材を領域の
対角線上に配置することで、引張材の周囲に定着のため
の空間を稼ぐことができるため、例えばナット定着の場
合にはナットの緊結に要する空間を各領域内に確保する
ことができる。
置されることで、ブラケットの補強コンクリートへの圧
着力が増し、摩擦力が増大する。
リートに圧着接合した場合の既存柱の除去前の様子を示
した立面図、(b) は(a) のx−x線断面図である。
した立面図、(b) は(a) の側面図、(c) は(a) の背面図
である。
リートに圧着接合した場合の既存柱の除去前の様子を示
した立面図、(b) は(a) のy−y線断面図である。
した立面図、(b) は(a) の横断面図である。
た立面図、(b) は(a) の横断面図である。
図、(b) は(a) の横断面図である。
の様子を示した立面図、(b) は(a) の横断面図である。
立面図、(b) は(a) の横断面図である。
去した後の様子を示した立面図、(b) は(a) の横断面図
である。
である。
した斜視図である。
…下部構造、5……免震装置、6……補強コンクリー
ト、6a……凹部、7……貫通孔、8……ブラケット、81
……鉛直プレート、82……水平プレート、83……リブプ
レート、8a……貫通孔、9……引張材、9a……スリー
ブ、9b……ナット、9c……アンカープレート、10……充
填材、11……シアコネクタ、12……緊張装置、13……ジ
ャッキ、14……架台、15……ベースプレート、16……レ
ベル調整ボルト、17……袋ナット、18……カバー材、19
……既存壁、20……補強コンクリート、21……地中梁。
Claims (7)
- 【請求項1】 既存柱の一部の区間を除去し、その除去
部分に免震装置を設置する方法であり、前記除去部分を
挟んだ上下の各位置において、既存柱の周囲に補強コン
クリートを付加し、その補強コンクリートの一方向に対
向する側面間に貫通孔を形成し、その側面に、その側面
に対面する鉛直プレートと、鉛直プレートの前記除去部
分側に一体化する水平プレートからなるブラケットを配
置し、水平方向に対向するブラケットの鉛直プレート間
に前記貫通孔を貫通させて引張材を挿通させ、緊張して
ブラケットを前記補強コンクリートに圧着接合すると共
に、上下に対向するブラケットの水平プレート間にジャ
ッキを設置し、前記除去部分より上の上部構造の荷重を
ブラケットとジャッキを介して除去部分より下の下部構
造に負担させた状態で、除去部分を除去し、除去部分に
免震装置を設置する既存柱における免震装置の設置方
法。 - 【請求項2】 既存柱の周囲にコンクリートを増打ちし
て補強コンクリートを付加する請求項1記載の既存柱に
おける免震装置の設置方法。 - 【請求項3】 既存柱の周囲にプレキャストコンクリー
トを接合して補強コンクリートを付加する請求項1記載
の既存柱における免震装置の設置方法。 - 【請求項4】 ブラケットの鉛直プレートは補強コンク
リートから除去部分側へ張り出し、ブラケットの水平プ
レートは鉛直プレートの表面側と背面側に跨って接合さ
れている請求項2、もしくは請求項3記載の既存柱にお
ける免震装置の設置方法。 - 【請求項5】 ブラケットの鉛直プレートと、補強コン
クリートの側面との間に充填材を充填する請求項2乃至
請求項4のいずれかに記載の既存柱における免震装置の
設置方法。 - 【請求項6】 ブラケットの鉛直プレートが対面する補
強コンクリートの側面に凹部が形成され、凹部に充填材
を充填する請求項5記載の既存柱における免震装置の設
置方法。 - 【請求項7】 鉛直プレートの立面はそれに直交する面
をなすリブプレートで区分され、各区分された領域毎に
二本の引張材を領域の対角線上に配置する請求項2乃至
請求項6のいずれかに記載の既存柱における免震装置の
設置方法。
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