JP2017014853A - 免震装置の交換方法 - Google Patents

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Toshio Maehara
俊夫 前原
輝雄 櫻井
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輝雄 櫻井
弥樹 浦本
Hisaki Uramoto
弥樹 浦本
吉田 実
Minoru Yoshida
実 吉田
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Abstract

【課題】躯体の突出部の下方にジャッキ装置を設置するスペースが確保できない場合であっても、突出部をジャッキアップして免震装置の交換を可能とする免震装置の交換方法を提供する。
【解決手段】建築物の躯体4のうち柱4aの下方に位置するとともに下方に向かって突出する突出部6と、この突出部6の下方に位置する支持部2と、の間に設けられた既存免震装置10xを新規免震装置に交換するに際し、突出部6に対して水平方向に複数の貫通孔22を形成し、複数の貫通孔22のそれぞれに、軸材23を、その両端部が突出部6の側面から突出するようにして挿入し、軸材23の端部に、ブラケット24を連結し、ブラケット24の下方にジャッキ装置20を設置して突出部6をジャッキアップしてから、既存免震装置10xを新規免震装置に交換する。
【選択図】図3

Description

本発明は、免震装置の交換方法に関する。
従来、建築物の基礎には、大きな地震動のエネルギーが建築物の躯体に伝達されることを抑える免震装置が設けられている。また、このような免震装置は、躯体の鉛直荷重を確実に支持する必要があるため、躯体を構成する柱の真下に設けられている。
そして、免震装置は、その耐用年数に達したり、設置条件の変化によって劣化したり、さらには地震や火災等で損傷が加わった場合に交換作業が行われる(例えば、特許文献1参照)。
特許第3685842号公報
ところで、建築物の躯体は、柱の下端部と一体形成されるとともに下方の基礎に向かって突出する構造体基部を備えており、この構造体基部の下面に免震装置が取り付けられた状態となっている。そして、免震装置を交換する際は、鉛直荷重がかかる柱の真下部分、すなわち構造体基部をジャッキ装置によってジャッキアップすることが一般的である。
しかしながら、例えば、構造体基部の下面における面積が狭い場合や、既存の免震装置よりも交換後の新規免震装置の方が横に大きい場合には、構造体基部(以下、突出部)の下方にジャッキ装置を設置するためのスペースを確保できないという問題があった。
本発明は上記のような事情に鑑みてなされものであり、その目的は、躯体の突出部の下方にジャッキ装置を設置するスペースが確保できない場合であっても、突出部をジャッキアップして免震装置の交換を可能とする免震装置の交換方法を提供することである。
請求項1に記載の発明は、
建築物の躯体のうち柱の下方に位置するとともに下方に向かって突出する突出部と、この突出部の下方に位置する支持部と、の間に設けられた既存免震装置を新規免震装置に交換する方法であって、
前記突出部に対して水平方向に複数の貫通孔を形成し、
前記複数の貫通孔のそれぞれに、軸材を、その両端部が前記突出部の側面から突出するようにして挿入し、
前記軸材の端部に、ブラケットを連結し、
前記ブラケットの下方にジャッキ装置を設置して前記突出部をジャッキアップし、前記既存免震装置を前記新規免震装置に交換することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の免震装置の交換方法であって、
前記ジャッキ装置は前記既存免震装置の四方に設置され、
四方に設置された前記ジャッキ装置のうち、隣り合ういずれか二つの前記ジャッキ装置の間隔が前記既存免震装置および前記新規免震装置の幅よりも広く設定されており、
前記既存免震装置を前記新規免震装置に交換する際に、前記二つのジャッキ装置の間から前記既存免震装置を取り出し、前記新規免震装置を入れることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、
請求項1または2に記載の免震装置の交換方法であって、
前記複数の貫通孔内にグラウトを充填して、前記軸材を前記貫通孔に定着させることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の免震装置の交換方法であって、
前記既存免震装置を前記新規免震装置に交換した後、前記ジャッキ装置および前記ブラケットを撤去し、前記軸材を残置することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の免震装置の交換方法であって、
前記支持部と前記ジャッキ装置との間、または、前記ブラケットと前記ジャッキ装置との間に滑動部材を介在させることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の免震装置の交換方法であって、
前記躯体は複数の前記柱を備え、当該複数の柱の下方に前記突出部と前記既存免震装置が設けられており、
前記複数の柱の下方に設けられた前記既存免震装置のうち、いずれかの箇所に設けられた前記既存免震装置を前記新規免震装置に交換する場合に、
交換箇所の位置を含む第一領域のジャッキアップ高さを高くし、
前記第一領域に隣り合う第二領域のジャッキアップ高さを低くし、
前記第二領域に隣り合う第三領域をジャッキアップしないことにより、前記躯体の下端部を傾斜させることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の免震装置の交換方法であって、
前記躯体を補強してから前記ジャッキ装置によって前記突出部をジャッキアップすることを特徴とする。
本発明によれば、躯体の突出部の下方にジャッキ装置を設置するスペースが確保できない場合であっても、突出部をジャッキアップして免震装置の交換を行うことができる。
基礎と躯体からなる建築物の概略を示す側断面図である。 免震装置とジャッキ装置が配置された基礎の概略を示す平面図である。 ジャッキ装置の設置状態を示す側面図である。 ジャッキ装置の設置状態を示す平面図である。 突出部に形成される貫通孔の配置を説明する平面図である。 ブラケットの一例を示す正面図である。 躯体を構成する柱の補強例を示す断面図である。 免震装置の交換の一工程を示した側面図である。 免震装置の交換の一工程を示した側面図である。 免震装置の交換の一工程を示した側面図である。 免震装置の交換の一工程を示した側面図である。 免震装置の交換の一工程を示した側面図である。 免震装置の交換の一工程を示した側面図である。 擁壁近傍に配置された免震装置の交換に用いられるジャッキ装置の設置状態を示す側面図である。 ジャッキ装置によるジャッキアップ高さを説明する平面図である。 ジャッキ装置によるジャッキアップ高さを説明する側面図である。
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されている。そのため、本発明の技術的範囲を以下の実施形態および図示例に限定するものではない。
図1において符号1は、建築物を示す。この建築物1は鉄筋コンクリート製(RC:reinforced concrete)の6階建てビルディングであり、支持部である基礎2と、この基礎2によって支持される躯体4と、を備える。
なお、本実施形態における建築物1は鉄筋コンクリート製(RC)としたが、これに限られるものではなく、鉄骨鉄筋コンクリート製(SRC:steel reinforced concrete)でもよく、特に限定されるものではない。また、その用途も、例えばマンション・オフィスビル・商業ビル等、様々なものが挙げられ、いずれであってもよい。
さらに、本実施形態における建築物1は、基礎2の工事が完了し、躯体4を施工中の建築物である。ただし、これに限られるものではなく、竣工済みの既設建築物であってもよい。
基礎2は、上方にある躯体4を支持する支持部であり、かつ複数の既存免震装置10xが設置された、いわゆる免震基礎である。このような基礎2によれば、大きな地震動のエネルギーが躯体4に伝達されることを抑えることができる。
このような支持部である基礎2は、図1〜図3,図8〜図15に示すように、基礎杭2aと、地中梁2cと、基礎スラブ2dと、固定部2eと、擁壁2fと、台座2gと、を有する。
基礎杭2aは地中深くに打設された円柱状体であり、杭頭部2bを備える。この杭頭部2bは、基礎杭2aの本体よりも大径に設定されている。
地中梁2cは杭頭部2bに連結され、建築地盤に対して縦横に張り巡らされている。換言すれば、縦横の地中梁2c同士が交差する位置に基礎杭2aが設けられ、杭頭部2bは基礎杭2aと地中梁2cとの交差部として機能している。
基礎スラブ2dは、地中梁2cの上端部間に亘って設けられるとともに杭頭部2bおよび地中梁2cと一体化しており、地盤表面を被覆している。
固定部2eは、基礎スラブ2dの上面から上方に突出するように形成され、その上面に既存免震装置10xが設置固定されるものである。そして、この固定部2eは、基礎スラブ2dのうち基礎杭2aの上方に対応する位置に配置されて、基礎スラブ2dと一体化している。
擁壁2fは、基礎2を取り囲むようにして当該基礎2の周縁部に沿って配置され、基礎杭2aと地中梁2cと基礎スラブ2dと一体形成されている。この擁壁2fは、基礎2側への土砂の流入を防ぐ土留め壁として機能している。
台座2gは、その上面にジャッキ装置20が設置され、ジャッキ装置20を支持するものである。なお、この台座2gは、固定部2eの脇に設けられている。
躯体4は、図1に示すように、複数の柱4aと、隣り合う柱4a間に架け渡された複数の梁4bと、を主たる要素として複数層に構成されたものである。
柱4aは、基礎杭2aの上方に位置し、梁4bは柱4a同士を繋ぐようにして縦横に配置されている。
また、床スラブ4cが、梁4bの上端部間に亘って設けられるとともに、後述する交差部5および梁4bと一体化しており、躯体4に階層を形成している。
また、躯体4は、この躯体4の下端部において柱4aと梁4bとが交差する位置に設けられて、柱4aよりも大径に設定された交差部5を有する。
この交差部5の下端部は、躯体4の下端部に設けられた梁4bの下面よりも下方(すなわち、基礎2側)に突出する突出部6とされている。換言すれば、突出部6は、躯体4の下端部において、柱4aの下方に位置するとともに下方に向かって突出している。
突出部6の下面は、基礎2における固定部2eの上面と対向しており、当該下面に、既存免震装置10xの上面が取り付け固定されている。すなわち、既存免震装置10xは、突出部6と固定部2eとの間に設けられている。
なお、本実施の形態においては、突出部6の下面形状および固定部2eの上面形状は四角形であり、これら突出部6の下面と固定部2eの上面のそれぞれの面積は略等しく設定されている。
既存免震装置10xは、図3,図4に示すように積層ゴム11と、フランジ部12と、を備える。
積層ゴム11は、高減衰ゴムや天然ゴム等の免震機能を発揮する免震用ゴムと鉄板が交互に重ねられて構成されている。
フランジ部12は、積層ゴム11を上下から挟み込むようにして設けられており、上下のフランジ部12は互いに平行に設けられている。これら上下のフランジ部12の径は、積層ゴム11の径よりも大きく設定されている。フランジ部12のうち積層ゴム11よりも水平方向に突出する部位には、フランジ部12を厚さ方向に貫通する複数のボルト孔が、フランジ部12の周方向に等間隔に設けられている。
また、既存免震装置10xと突出部6との間、既存免震装置10xと固定部2eとの間のそれぞれには、取付プレート13が介在している。取付プレート13はフランジ部12が取り付けられるものであり、上側の取付プレート13は突出部6に埋設固定され、下側の取付プレート13は固定部2eに埋設固定されている。上下の取付プレート13は、突出部6と固定部2eに埋設されているため、一面側(既存免震装置10xを向く面)が露出した状態となっている。
取付プレート13の他面側には、複数のスタッド13aおよび複数の袋ナット13bが突出して設けられている。上側の取付プレート13におけるスタッド13aおよび袋ナット13bは、突出部6に対して埋設されて外側からは見えない状態となっており、下側の取付プレート13におけるスタッド13aおよび袋ナット13bは、固定部2eに対して埋設されて外側からは見えない状態となっている。
このような構成であるため、取付プレート13は、突出部6および固定部2eに対して定着固定されている。
既存免震装置10xのフランジ部12に形成された複数のボルト孔は、取付プレート13の複数の袋ナット13bに対応しており、フランジ部12のボルト孔から袋ナット13b側にボルトがねじ込まれる。これによって、フランジ部12を取付プレート13に連結固定することができる。
以上のように突出部6と固定部2eとの間に設けられた既存免震装置10xは、突出部6の下面に対する専有面積が広い。そのため、突出部6の下方にジャッキ装置20を設置するスペースを確保できない状態となっている。
本実施形態では、固定部2eの上面が突出部6の下面と略等しい面積であるため、固定部2eの上面にもジャッキ装置20を設置するスペースを確保できない状態となっている。
なお、既存免震装置10xとして、積層ゴム11を備えた所謂ゴム支承タイプの免震装置を採用したが、これに限られるものではない。すなわち、基礎2と突出部6との間に設けられ、ジャッキ装置20の設置を阻害しないものであれば、例えば転がり支承タイプや滑り支承タイプ等、その他のタイプの免震装置に適宜変更可能である。
既存免震装置10xと交換される新規免震装置10nとしては、既存免震装置10xと比較して性能が良いか新品であるか等、建築物1を免震するに当たって既存免震装置10xに対する優位性を持ったものが採用される。すなわち、新規免震装置10nに交換した後は、建築物1における免震性能を回復または向上させることが可能となる。
なお、新規免震装置10nのタイプは、既存免震装置10xのタイプと同様であることが好ましいが、特に限定されるものではない。既存免震装置10xと同様に、基礎2と突出部6との間に設けられ、ジャッキ装置20の設置を阻害しないものであれば適宜変更可能である。
また、新規免震装置10nのサイズについては、ジャッキアップ高さよりも低いもので、かつ突出部6下面の範囲を逸脱しない程度に設定されている。新規免震装置10nの高さが既存免震装置10xよりも低い場合は、フィラープレート14を使用して高さを調整する。
一方、新規免震装置10nの高さが既存免震装置10xよりも高い場合には、突出部6の下面側または固定部2eの上面側を掘るようにして削り取り、新規免震装置10nの高さに合わせる。または、新規免震装置10xの高さに合わせて建築物1自体の高さレベルを上げることを検討してもよい。ただし、この場合は、基礎2に設けられた複数の既存免震装置10xがある全ての箇所で、建築物1の高さを引き上げるための作業を行うものとする。その際は、複数の既存免震装置10xに対して上述のフィラープレート14を適用してもよい。
本実施形態における新規免震装置10nは、既存免震装置10xと同様に積層ゴム11と、フランジ部12と、を備える(説明の便宜上、積層ゴムおよびフランジ部の符号は、既存免震装置10xのものと同一とする)。また、取付プレート13は、突出部6および固定部2eに埋設されているため、共通して使用される。
ジャッキ装置20としては、大型建築物のジャッキアップが可能なものが用いられている。本実施形態では、油圧式のジャッキ装置20が採用されているが、その他の液体作動式のものや空圧式のもの、機械式のものを採用してもよい。
また、油圧ジャッキであるジャッキ装置20は、ジャッキアップ・ジャッキダウンのための圧力を調整する油圧ポンプ25と接続されている。油圧ポンプ25は、無線または有線で接続された情報端末によって制御可能とされており、ジャッキ装置20のジャッキアップ・ジャッキダウン動作を遠隔操作できる。
このようなジャッキ装置20を設置する場合は、図2,図3に示すように、固定部2eの脇の基礎スラブ2d上に、前述の台座2gが設置される。台座2gは、基礎2の周縁部に設置されるものを除き、基礎杭2aの杭頭部2bおよび地中梁2cの位置に対応して設置される。
なお、この台座2gは、ある程度の厚みに設定されており、これにより基礎2(基礎スラブ2d)を保護する機能を持つ。つまり、台座2gは、基礎2の一部として備わり、基礎2を保護しつつ、ジャッキ装置20を基礎2上に確実に支持するために機能するものである。また、ジャッキ装置20の高さ調整としても利用される。
なお、この台座2gはコンクリート製であり、かつ基礎2の一部として備わったものであるため、基礎スラブ2dや固定部2eに対して一体化されてもよい。また、このように本実施形態における台座2gはコンクリート製であるが、これに限られるものではなく、例えば鉄骨製の台座を採用してもよい。鉄骨製の台座を採用したとしても、その機能に変わりはない。
また、台座2gの上面には滑動部材21が設けられ、この滑動部材21の上面にジャッキ装置20が設置される。換言すれば、滑動部材21は、基礎2を構成する台座2gとジャッキ装置20との間に介在している。
この滑動部材21は、ジャッキ装置20によって突出部6をジャッキアップさせた時、すなわち、既存免震装置10xまたは新規免震装置10nが免震機能を発揮できない時に、その代わりに免震機能を発揮するものである。例えばジャッキアップ時に地震が起きた場合には、ジャッキ装置20によって突出部6をジャッキアップしたまま、ジャッキ装置20が滑動部材21上を滑動し、免震作用を得ることができる。
なお、滑動部材21は板状体であり、例えば表面(ジャッキ装置20との接触面)が平滑に形成されたステンレス板等の金属板が用いられている。また、そのサイズは台座2gの上面と略等しく設定されており、台座2g上面の略全面を滑動面とすることができる。
上述のように突出部6の下方にジャッキ装置20設置用スペースを確保できないため、突出部6には、当該突出部6をジャッキ装置20によってジャッキアップするために必要な構造が適用されている。
すなわち、このようなジャッキアップのための構造は、図2〜図6に示すように、複数の貫通孔22と、複数の軸材23と、複数のブラケット24と、を備える。
複数の貫通孔22は、図3に示すように突出部6に対して水平方向に、かつ、図5に示すように平面視において縦横に交差して形成されている。
平面視において縦横に交差する貫通孔22同士は、互いの干渉を避けるために、縦方向の貫通孔22と横方向の貫通孔22のうち一方が上側に位置し、他方が下側に位置する。
また、縦横に交差する複数の貫通孔22は、図3に示すように、さらに上下2段に配置形成されている。なお、本実施形態では、突出部6に対して、1段につき、縦横それぞれ6本ずつの貫通孔22が形成可能となっている。すなわち、突出部6に対して最大で24本の貫通孔22を形成することができる。ただし、貫通孔22は現場施工されるため、必要な本数だけ形成すればよい。
また、これら複数の貫通孔22は、図5に示すように、突出部6に埋設された複数のスタッド13aおよび複数の袋ナット13bを避けて形成されている。そのため、複数の貫通孔22を突出部6に形成しても、取付プレート13の取付状態に影響を与えることがない。
複数の軸材23は、複数の貫通孔22のそれぞれに、その両端部が突出部6の側面から突出するようにして挿入される。
軸材23は、超高強度の金属製棒状部材であり、両端部にはナットを取り付けできるように、ねじ溝が形成されている。すなわち、両端部がボルト状に形成されている(雄ねじ)。
また、複数の軸材23は、複数の貫通孔22に挿入された後、これら複数の貫通孔22に充填されるグラウトによって、複数の貫通孔22に定着させられる。
なお、本実施形態では、上述のように複数の貫通孔22が、現場施工で必要な本数だけ形成されるため、軸材23の本数も貫通孔22の本数に応じたものとなる。
ブラケット24は金属製の箱型部材であり、図6に示すように、天板24aと、底板24bと、複数の補強板24cと、背板24dと、を有する。
天板24aおよび底板24bは上下に離間して互いに平行し、天板24aはブラケット24の上面を構成し、底板24bはブラケット24の下面を構成する。
複数の補強板24cは、天板24aと底板24bとの間に、互いに間隔を空けて設けられている。そして、天板24aと底板24bに対して接合されている。これら補強板24cは、ブラケット24の両側面を構成するとともに内部空間を複数の区画に仕切っている。
背板24dは、天板24aと底板24bの一側縁部間に設けられており、ブラケット24における突出部6への当接面を構成する。この背板24dは、天板24aと底板24bに対して接合されている。複数の補強板24cは、この背板24dに対しても接合されている。
すなわち、天板24aと、底板24bと、複数の補強板24cと、背板24dは一体的に接合された状態となっており、突出部6に当接する側とは反対側が開放された箱型部材となっている。
背板24dには、複数の軸材23を通すための複数の孔24eが形成されている。これら複数の孔24eは、背板24dをその厚さ方向に貫通して形成されており、複数の軸材23の位置に対応して配置されている。
なお、本実施形態では、7枚の補強板24cが使用され、ブラケット24の内部空間が6つに区画されている。そして、背板24dのうち、これら6つの区画に対応する部分のそれぞれに、上下2段の孔24eが形成されている(合計12箇所)。
また、上下2段において縦横に交差する複数の貫通孔22は、上述のように上側と下側に分かれて配置されているので、背板24dに形成される複数の孔24eの位置は、ブラケット24を、突出部6のいずれの面に当接させて設けるかによって異なる。
結果的には、複数のブラケット24を、突出部6の複数の側面のそれぞれに当接させて設置した場合に、基礎2からブラケット24下面までの高さが均一となればよい。
ブラケット24は、複数の孔24eに軸材23を通しながら突出部6の側面に背板24dを当接させ、複数の孔24eから突出する軸材23の端部のねじ部分にナットを設けて締め付けることにより、軸材23の端部に連結させることができる。換言すれば、ブラケット24を、突出部6の側面に取り付けることができる。
なお、ブラケット24を、突出部6の側面に取り付けた場合に、ブラケット24の天板24aは梁4bの下面に当接していてもよいし、当接していなくてもよい。本実施形態においては、ブラケット24の天板24aは梁4bの下面に当接しており、ジャッキ装置20によるジャッキアップの力を梁4bにも分散して伝達できるようになっている。つまり、軸材23に伝達される剪断力を軽減できる。
ジャッキ装置20は、このように突出部6の側面に取り付けられたブラケット24における底板24bの下面と、台座2g上面に設けられた滑動部材21との間に設けられる。
なお、本実施形態では、ブラケット24一つに対して複数の孔24eが合計12箇所に形成されるものとし、これら12箇所の孔24eに対応する12本の貫通孔22に挿入された12本の軸材23に対して、突出部6の側面の正反対の位置に2つのブラケット24を連結できるものとした。
ただし、ブラケット24の形状はこれに限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、サイズ変更や補強板24cの枚数変更、複数の孔24eの数量変更等を適宜行ってもよいものとする。すなわち、ブラケット24の形状は、複数の孔24eの位置が突出部6に設けられた軸材23と対応するかどうかが最も重要な事項となる。また、ジャッキ装置20を設置できる十分な下面の広さも必須事項である。
以上のように、突出部6に、当該突出部6をジャッキ装置20によってジャッキアップするために必要な構造が適用された場合には、突出部6を、軸材23によって持ち上げることができる。
すなわち、ブラケット24から突出部6への剪断力の伝達を軸材23によって行うことができ、剪断に対する強度の高い軸材23を介して突出部6を持ち上げることができる。
また、建築物1の基礎2と躯体4との間には、長周期地震動の対策として複数のオイルダンパーDが設置される。換言すれば、基礎2と躯体4との間に、既存免震装置10x(新規免震装置10n)と、オイルダンパーDの双方を介在させた状態となっている。
本実施形態においては、図2に示すように、建築物1の荷重が最も大きく伝わる中央部分の周囲に、それぞれ取付向きの異なる4つのオイルダンパーDが設置されている。
このようなオイルダンパーDが導入されることで、通常の免震装置である既存免震装置10x(新規免震装置10n)ではカバーしきれない長周期地震動を効果的に抑えることができる。
続いて、建築物1に設けられた既存免震装置10xを新規免震装置10nに交換する方法について説明する。
ジャッキ装置20によって突出部6をジャッキアップする前に、ジャッキアップを可能にするための種々の事前準備を行う。
まず、建築物1に採用された複数の既存免震装置10xのうち、新規免震装置10nに交換すべき既存免震装置10xを特定する。本実施形態では、図2において一点鎖線の円Cで囲まれた位置の既存免震装置10xを新規免震装置10nに交換する。
続いて、交換すべき既存免震装置10xの位置に応じて躯体4の補強を行う。特に本実施形態では、後述するように、交換すべき既存免震装置10xの周囲に設けられた複数の既存免震装置10xもジャッキアップするので、その位置も含めて、ジャッキアップした場合の構造計算が行われ、その結果に基づいて必要な補強が行われる。
本実施形態では、図1に示すように複数の箇所の柱4aや梁4b、床スラブ4cの補強が行われている(補強対象箇所R)。
その補強方法は、特に限定されるものではない。
例えば図7は、躯体を構成する柱4aの補強例を示している。左側は補強前の柱4aであり、右側が補強後の柱4aである。柱4aは複数の既存鉄筋7xを備えるものであり、これを補強する場合は、柱4aの四隅に追加鉄筋7sを新たに設けるようにする。これによって、柱4aを補強することができる。
また特に、躯体4が竣工した後であれば、複数の箇所の柱4aや梁4b、床スラブ4cに対して炭素繊維シートを巻き付けて補強を行うような方法を適宜採用してもよい。また、炭素繊維シートを巻き付ける補強方法に限られるものではなく、その他、鉄板を全体的または部分的に構造体に添わせて固定する補強方法や、鉄筋コンクリートの増し打ちによる補強方法、特殊な樹脂製のベルト状補強材を巻き付けることによる補強方法、鉄骨ブレースの増設による補強方法など、種々の補強方法を適宜選択して採用してもよい。
なお、このような躯体4の補強を行うタイミングは、ジャッキ装置20によって突出部6をジャッキアップする工程よりも前の工程であれば、いつでもよい。
続いて、ジャッキ装置20を設置する。
まず、ジャッキ装置20をどのように配置するか、という配置計画を練る必要がある。交換箇所(図2の円C)は、既存免震装置10xを取り出して、新規免震装置10nと交換するため、ジャッキアップする際には十分な高さが必要となる。ところが、交換箇所の突出部6のみをジャッキアップしてしまうと、躯体4全体に与える影響が大きい。
そのため、図2,図15,図16に示すように、交換箇所の周囲の突出部6も併せてジャッキアップし、躯体4の下端部を交換箇所から遠ざかるにつれて徐々に下がるように傾斜させて、躯体4全体への影響を小さくする必要がある。
上述の点について鑑みると、まず、既存免震装置10xを取り出す方向(図2等における矢印Yが指す方向)にある突出部6を、交換箇所の突出部6と同様の高さにジャッキアップすることが必要となる。
すなわち、既存免震装置10xを取り出す方向(矢印Y)にある突出部6が、交換箇所の突出部6よりも低いと、躯体4の下端部(梁4b・床スラブ4c)が交換箇所から遠ざかるにつれて徐々に下がり、既存免震装置10xの取り出し作業の妨げとなる虞がある。そのため、既存免震装置10xを取り出す方向に設けられた突出部6についても、交換箇所の突出部6と同様の高さにジャッキアップする。
このような交換箇所を含む、最もジャッキアップ高さを高くしなければならない複数の突出部6がある領域を、以下、第一領域A1と称する(図2,図15,図16参照)。
また、第一領域A1に隣り合う領域にある複数の突出部6は、躯体4の下端部に傾斜をつけるために、第一領域A1にある突出部6よりも、ジャッキアップ高さを低くする必要がある。
このような第一領域A1に隣り合うジャッキアップ高さを低く設定した領域を、以下、第二領域A2と称する(図2,図15,図16参照)。
そして、第二領域A2に隣り合う領域にある複数の突出部6は、躯体4の下端部に傾斜をつけるために、ジャッキアップしないようにする。
このような第二領域A2に隣り合うジャッキアップしない設定の領域を、以下、第三領域A3と称する(図2,図15,図16参照)。
すなわち、ジャッキ装置20の配置計画を立てる場合は、第一領域A1のジャッキアップ高さを高くし、第二領域A2のジャッキアップ高さを低くし、第三領域A3をジャッキアップしないことを念頭に入れる必要がある。さらに換言すれば、第一領域A1と第二領域A2における突出部6の箇所にはジャッキ装置20を設置し、第三領域A3にはジャッキ装置20を設置しないことになる。
なお、第一領域A1のジャッキ装置20による突出部6のジャッキアップ高さは、本実施形態において7.0mm程度に設定されている。
また、第二領域A2のジャッキ装置20による突出部6のジャッキアップ高さは、本実施形態において3.5mm程度に設定されている。
ただし、これに限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。すなわち、躯体4への影響を抑えつつ、既存免震装置10xから新規免震装置10nに交換可能なジャッキアップ高さであればよい。
図15はジャッキアップ高さを表現するための概念図であり、この図15においてドットによって塗り潰された箇所は、その太さがジャッキアップ高さを表現している。第一領域A1におけるジャッキアップ高さと、第二領域A2におけるジャッキアップ高さは、ドットによって塗り潰された箇所の太さが異なり、図15では、これら第一領域A1と第二領域A2における当該箇所を直線で繋ぐことで、躯体4の下端部に傾斜ができることを表現している。
また、建築物1には、中央に大きな荷重がかかっていることを考慮し、突出部6の位置に応じて、使用するジャッキ装置20の性能や使用数量を適宜変更・調整し、躯体4を安全かつ確実にジャッキアップできるようにする必要がある。
例えば図2に示す交換箇所(円C)の南側および南西側に位置する突出部6の箇所は、最も大きな荷重がかかる場所であり、他の箇所に比して使用するジャッキ装置20の数量が多い(合計8個)。
また、ジャッキ装置20は、突出部6を安全かつ安定的にジャッキアップするために、突出部6および既存免震装置10xの四方に設置する。
さらに、躯体4下端部の変形等を考慮すれば、ジャッキ装置20は、突出部6および既存免震装置10xにより近い位置に設置されることが望ましい。ところが、ジャッキ装置20を突出部6に近づけて過ぎてしまうと、隣り合うジャッキ装置20間に、既存免震装置10xを取り出すためのスペースを確保できない場合がある。
そこで、交換箇所におけるジャッキ装置20は、図4に示すような配置で設置される。すなわち、四方に設置されたジャッキ装置20のうち、隣り合ういずれか二つのジャッキ装置20,20の間隔を既存免震装置10xおよび新規免震装置10nの幅よりも広く設定する。
より具体的に説明すると、既存免震装置10xの取り出し方向にある二つのジャッキ装置20を、地中梁2cの中心線からずらして配置する。また、これに合わせて、台座2gや滑動部材21、ブラケット24等の位置もずらして設置する。
なお、ずらして配置された隣り合うジャッキ装置20間の間隔、すなわち、既存免震装置10xの取り出し開口の寸法は、既存免震装置10xおよび新規免震装置10nの幅寸法に対応し、この幅寸法よりも若干長くなるように設定されている。つまり、取り出し開口の寸法は、安全かつ確実なジャッキアップを可能としつつ、既存免震装置10xを取り出し可能で、かつ、新規免震装置10nを入れることが可能な長さに設定されている。
また、本実施形態では、既存免震装置10xの取り出し方向にある二つのジャッキ装置20を、地中梁2cの中心線からずらして配置するのに伴って、他の二つのジャッキ装置20も地中梁2cの中心線からずらして配置している。これにより、既存免震装置10xを挟む位置関係にあるジャッキ装置20同士が地中梁2cの中心線からずれることになるが、互いの中心線が揃う状態となるので、バランス良く突出部6をジャッキアップすることができる。
以上のようにしてジャッキ装置20の配置計画を立てる。そして、この配置計画に沿ってジャッキ装置20の設置を行う。
ジャッキ装置20の設置について、まずは、図4,図8に示すように、台座2gをジャッキ装置20の設置箇所に応じて、基礎2(基礎スラブ2d)と一体となるように構築する。
続いて、台座2gの上面に、滑動部材21を設置固定する。
なお、交換箇所におけるジャッキ装置20は、上述のように、取り出し方向にある隣り合う二つのジャッキ装置20を、地中梁2cの中心線からずらして設置する必要がある。そのため、台座2gおよび滑動部材21も、地中梁2cの中心線からずらした位置に設けるようにする。
続いて、第一領域A1および第二領域A2にある突出部6に対して、穿孔機により、水平方向に複数の貫通孔22を形成する。
この際、上述したように、複数のスタッド13aおよび複数の袋ナット13bを避けるようにする(図5参照)。
また、複数の貫通孔22は、必要な分だけ形成する。ブラケット24一つにつき、上下3つずつ(合計6箇所)の孔24eが形成されているため、突出部6の四方にジャッキ装置20を設置する場合は、ブラケット24の複数の孔24eに対応する6箇所の貫通孔22を形成する。
上述した最も荷重のかかる位置は、突出部6および既存免震装置10xの四方に合計8個のジャッキ装置20が設置されるため、複数の貫通孔22は最大の24個分形成する。
さらに、交換箇所におけるジャッキ装置20は、上述のように、地中梁2cの中心線からずらして設置する必要がある。そのため、地中梁2cの中心線からずらして配置される二つのブラケット24の分の貫通孔22と、地中梁2cの中心線からずれないように配置された二つのブラケット24の分の貫通孔22と、を形成する(例えば上下4つずつの合計8箇所、もしくは上下5つずつの合計10箇所)。
この場合、突出部6を挟んで正反対に位置するブラケット24同士が、図4に示すように、互いにずれて配置された状態となる。このような場合には、正反対に位置するブラケット24同士で共通して使用される軸材23と、共通して使用されない軸材23とがある。
正反対に位置するブラケット24同士で共通して使用される軸材23の場合には、その両端部のそれぞれに、これら正反対に位置するブラケット24が連結される。
一方、正反対に位置するブラケット24同士で共通して使用されない軸材23の場合には、一端部に一方のブラケット24が連結され、他端部に他方のブラケット24が連結されない状況が生じることになる。このような場合には、軸材23の他端部にはナットを設けて締め付けるようにする。もしくは、ずらして配置されるジャッキ装置20を許容できる大きさのブラケットを用いるようにしてもよい。
続いて、形成された貫通孔22のそれぞれに、軸材23を、その両端部が突出部6の側面から突出するように挿入する。
軸材23を貫通孔22に挿入したら、貫通孔22内にグラウトを充填して、軸材23を貫通孔22に定着させる。
続いて、突出部6の側面から突出する軸材23の端部に、ブラケット24を、その背板24dの複数の孔24eに軸材23を挿入しながら装着させる。そして、軸材23の端部にナットを設けて締め付け、ブラケット24を軸材23の端部に連結する。
このように台座2gおよび滑動部材21の構築・設置と、ブラケット24の連結が完了した後に、ジャッキ装置20を、滑動部材21とブラケット24との間に設置する。
ジャッキ装置20の設置位置が確定したら、ジャッキ装置20の上端面をブラケット24の底板24b下面に当接させる。
また、ジャッキ装置20を、このジャッキ装置20を動作させるための油圧ポンプ25と接続する。
続いて、ジャッキ装置20によるジャッキアップ高さを計測する計測器26を、図2,図9に示すように、第一領域A1にあるジャッキ装置20と、第二領域A2にあるジャッキ装置20の脇に設置する。また、第三領域A3にあるジャッキ装置20のうち、第二領域A2に近い位置に設けられたジャッキ装置20の脇にも計測器26を設置する。
なお、この計測器26は、躯体4の下端面(梁4bの下面)の高さを計測している。
続いて、既存免震装置10xの上側のフランジ部12を、上側の取付プレート13から取り外す。すなわち、フランジ部12と取付プレート13とを連結していたボルトを緩めて、フランジ部12を取付プレート13から切り離した状態とする。
第一領域A1および第二領域A2にある全ての既存免震装置10xを、フランジ部12を取付プレート13から切り離した状態とした後、図9に示すように、ジャッキ装置20によるジャッキアップを開始する。ジャッキアップ作業中は、計測器26による計測を行う。
なお、第一領域A1と第二領域A2に設置された複数のジャッキ装置20は、油圧ポンプ25の制御により全て同時に、または別々に動作させることができる。
本実施形態においては、第一領域A1と第二領域A2に設置された複数のジャッキ装置20を全て同時に動作させて、突出部6をジャッキアップさせる。
ここで、「第一領域A1と第二領域A2に設置された複数のジャッキ装置20を全て同時に動作させる」とは動作開始が同時であることを意味し、ジャッキアップ完了のタイミングは同時であってもよいし、別々であってもよい。
結果的に、第一領域A1のジャッキアップ高さが高く、第二領域A2のジャッキアップ高さが、第一領域A1のジャッキアップ高さよりも低くなるようにジャッキ装置20の制御を行う。
上述のように、第一領域A1におけるジャッキアップ高さは、7.0mm程度(6.5mm〜7.5mm)であり、第二領域A2におけるジャッキアップ高さは3.5mm程度(3.0mm〜4.0mm)である。
一方、第一領域A1に設置された複数のジャッキ装置20と、第二領域A2に設置された複数のジャッキ装置20とを別々に動作させる方法を採用した場合には、まず、第一領域A1にあるジャッキ装置20によって、第一領域A1にある突出部6を、3.0mm〜4.0mmの高さまでジャッキアップする。
次に、第二領域A2にあるジャッキ装置20によって、第二領域A2にある突出部6を、3.0mm〜4.0mmの高さまでジャッキアップする。
そして、第一領域A1にあるジャッキ装置20によって、第一領域A1にある突出部6を、3.0mm〜4.0mmの高さから6.5mm〜7.5mmの高さまでジャッキアップする。
つまり、第一領域A1にある突出部6を一気に7.0mm程度の高さまでジャッキアップしてしまうと、躯体4に影響が出る場合があり、それを防ぐために段階的にジャッキアップしている。
複数のジャッキ装置20を全て同時に動作させる場合であっても、もしくは別々に動作させる場合であっても、短時間でジャッキアップしてしまうと、躯体4に影響が出てしまう場合があるため、徐々に、時間をかけてジャッキアップすることが望ましい。
そして、以上の作業で、第一領域A1のジャッキアップ高さが高く、第二領域のジャッキアップ高さが、第一領域A1のジャッキアップ高さよりも低くしたら、第三領域A3はジャッキアップしないので、図16に示すように躯体4の下端部が傾斜した状態となる。
続いて、既存免震装置10xの下側のフランジ部12を、下側の取付プレート13から取り外す。すなわち、フランジ部12と取付プレート13とを連結していたボルトを緩めて、フランジ部12を取付プレート13から切り離した状態とする。
そして、突出部6および固定部2eから完全に切り離された状態となった既存免震装置10xを撤去する。既存免震装置10xは、図4に示すように、地中梁2cの中心線からずらして設置された隣り合う二つのジャッキ装置20間から取り出す。
撤去する際は、既存免震装置10xを台車27に載せて搬出するが、既存免震装置10xは重量が大きいため、固定部2eの高さに合わせた高さ調整材27aの上に既存免震装置10xを載せて台車27で搬出する。つまり、既存免震装置10xを上下に昇降させずに台車27に載せることができるので、搬出作業を比較的簡易に行うことができる。
続いて、図11に示すように、新規免震装置10nを、既存免震装置10xの撤去時と同様に台車27に載せて搬入する。そして、新規免震装置10nを、地中梁2cの中心線からずらして設置された隣り合う二つのジャッキ装置20間から入れて、固定部2e上に設置する。
また、新規免震装置10nは、既存免震装置10xよりも高さが低いため、フランジ部12の上面に、高さを調整できるフィラープレート14を取り付ける。
そして、新規免震装置10nの下側のフランジ部12を、下側の取付プレート13に取り付ける。すなわち、下側のフランジ部12と下側の取付プレート13とをボルトによって連結して、新規免震装置10nを固定部2eに固定した状態とする。
なお、取付プレート13の袋ナット13bの位置と、新規免震装置10nのフランジ部12に形成されるボルト孔が、万が一対応していない場合は、固定部2eの上面のうち、スタッド13aや袋ナット13bが無い位置を狙ってボルトを挿入して固定できる穴(雌ねじ)を形成する。
続いて、図12に示すように、ジャッキ装置20によるジャッキダウンを開始する。ジャッキダウン作業中は、計測器26による計測を行う。
なお、このジャッキダウンについても、ジャッキアップ時と同様に、第一領域A1と第二領域A2に設置された複数のジャッキ装置20を全て同時に動作させて、突出部6をジャッキダウンさせる。また、第一領域A1と第二領域A2におけるジャッキダウン完了のタイミングは同時であってもよいし、別々であってもよい。
つまり、結果的に、第一領域A1と第二領域A2における突出部6の高さが、第三領域A3における突出部6の高さに揃うようにジャッキ装置20の制御を行う。
一方、第一領域A1に設置された複数のジャッキ装置20と、第二領域A2に設置された複数のジャッキ装置20とを別々に動作させる方法を採用した場合には、まず、第一領域A1にあるジャッキ装置20によって、第一領域A1にある突出部6を、3.0mm〜4.0mmの高さまでジャッキダウンする。
次に、第二領域A2にあるジャッキ装置20によって、第二領域A2にある突出部6を完全にジャッキダウンする。
そして、第一領域A1にあるジャッキ装置20によって、第一領域A1にある突出部6を完全にジャッキダウンする。
つまり、第一領域A1にある突出部6をジャッキダウンする前に、第二領域A2にある突出部6をジャッキダウンしてしまうと、躯体4に影響が出る場合があり、それを防ぐために段階的にジャッキダウンしている。
複数のジャッキ装置20を全て同時に動作させる場合であっても、もしくは別々に動作させる場合であっても、短時間でジャッキダウンしてしまうと、躯体4に影響が出てしまう場合があるため、徐々に、時間をかけてジャッキダウンすることが望ましい。
そして、以上の作業で、第一領域A1にある突出部6と、第二領域にある突出部6と、第三領域A3にある突出部6の高さが等しい状態となる。
続いて、新規免震装置10nの上側のフランジ部12を、上側の取付プレート13に取り付ける。すなわち、上側のフランジ部12と上側の取付プレート13とをボルトによって連結して、新規免震装置10nを突出部6に固定した状態とする。
以上のような方法によって、既存免震装置10xを新規免震装置10nに交換することができる。
既存免震装置10xを新規免震装置10nに交換した後は、ジャッキ装置20およびブラケット24を撤去する。また、油圧ポンプ25および計測器26も撤去する。特に、図14に示すように、擁壁2fの間際にジャッキ装置20を設置した場合には、ブラケット24と擁壁2fとの間隔が狭くなるため、ブラケット24は確実に撤去することが望ましい。
また、軸材23は、グラウト充填によって貫通孔22に定着させたため、貫通孔22内に残置する。さらに、台座2gと滑動部材21も残置してもよい。
本実施の形態によれば、突出部6に対して水平方向に複数の貫通孔22を形成し、複数の貫通孔22のそれぞれに、軸材23を、その両端部が突出部6の側面から突出するようにして挿入し、軸材23の端部に、ブラケット24を連結し、ブラケット24の下方にジャッキ装置20を設置して突出部6をジャッキアップするので、ブラケット24から突出部6への剪断力の伝達を軸材23によって行うことができ、軸材23を介して突出部6を持ち上げることができる。
これによって、突出部6の下方にジャッキ装置20を設置するスペースが確保できない場合であっても、突出部6をジャッキアップして既存免震装置10xを新規免震装置10nに確実に交換できる。
また、既存免震装置10xを新規免震装置10nに交換する際に、四方に配置されたジャッキ装置20のうち二つのジャッキ装置20,20の間から既存免震装置10xを取り出し、新規免震装置10nを入れるので、ジャッキ装置20によって突出部6をジャッキアップしたまま、安全かつ確実に免震装置の交換を行うことができる。
また、複数の貫通孔22内にグラウトを充填して、軸材23を貫通孔22に定着させるので、軸材23を突出部6に対して一体化させることができる。これによって、ブラケット24から突出部6への剪断力をより効果的に伝達させることができるので、軸材23を介して突出部6をより持ち上げやすくなる。
さらに、このように貫通孔22に定着していれば、軸材23が軸方向に動くことを抑えることができるので、ブラケット24を連結しやすくなる。
また、基礎2とジャッキ装置20との間に滑動部材21を介在させるので、この滑動部材21の免震作用により、免震状態を維持したまま突出部6を持ち上げ、既存免震装置10xと突出部6との間に隙間を形成することができる。したがって、既存免震装置10xを新規免震装置10nに交換する作業を行っている間に地震が起きた場合であっても、建築物1を免震することができる。
また、交換箇所の位置を含む第一領域A1のジャッキアップ高さを高くし、第一領域A1に隣り合う第二領域A2のジャッキアップ高さを低くし、第二領域A2に隣り合う第三領域A3をジャッキアップしないことにより、躯体4の下端部を傾斜させるので、例えば交換箇所の突出部6のみをジャッキアップする場合に比して、ジャッキ装置20によるジャッキアップが躯体4に与える影響を極力少なくすることができる。
また、躯体4を補強してからジャッキ装置20によって突出部6をジャッキアップするので、補強した箇所の損傷の発生を抑えることができ、ジャッキ装置20によるジャッキアップが躯体4に与える影響をより一層少なくすることができる。
また、既存免震装置10xを新規免震装置10nに交換した後、ジャッキ装置20およびブラケット24を撤去し、軸材23を残置するので、免震装置を交換する機会が再度訪れた場合に、軸材23を再利用することができる。さらに、ジャッキ装置20およびブラケット24は、撤去した後に他の建築物における免震装置の交換作業で再利用することができる。したがって、免震装置の交換に係るコストを低減させることができる。
〔変形例〕
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、変形例について説明する。以下に挙げる変形例は可能な限り組み合わせてもよい。
〔変形例1〕
上述の実施形態では、既存免震装置10xを新規免震装置10nに交換する箇所は一箇所だけとしたが、交換箇所は複数であってもよいし、全箇所の既存免震装置10xを交換してもよい。
交換箇所が複数であって近接している場合は、これら複数の交換箇所における突出部6および既存免震装置10xがある位置を含む領域が、第一領域A1となる。
交換箇所が複数であって離間している場合は、上述した実施形態を、離間する複数の交換箇所それぞれに適用する。
全箇所の既存免震装置10xを交換する場合は、全箇所の突出部6をジャッキ装置20によってジャッキアップする。
全箇所の突出部6をジャッキアップする方法について説明する。
全箇所の突出部6をジャッキアップする際は、ジャッキ装置20による突出部6のジャッキアップ後に、全箇所の既存免震装置10xの上面と突出部6の下面との間に、仮フィラープレート(図示せず)を差し入れる。続いて、ジャッキ装置20によるジャッキアップを解除して、突出部6を仮フィラープレート上に一旦載せる。
その後、全箇所の突出部6を順番に一箇所ずつジャッキアップして、一箇所ずつ既存免震装置10xから新規免震装置10nに交換する。なお、交換済みの箇所における新規免震装置10nの上面と突出部6の下面との間には再度、仮フィラープレートを介在させて、他の箇所との高さレベルを合わせるようにする。
全箇所の交換が終了した後は、全箇所の突出部6をジャッキアップし、仮フィラープレートを全て取り除いてからジャッキダウンする。
以上のような方法を採用することができる。
ただし、これに限られるものではなく、全箇所の突出部6をジャッキアップし、全箇所で既存免震装置10xから新規免震装置10nに交換し、その後、ジャッキダウンして突出部6の位置を下げる方法を採用してもよい。
〔変形例2〕
既存免震装置10xは、支持部である基礎2における基礎スラブ2dの上面のうち、基礎杭2aの杭頭部2bの上方に設置されている。すなわち、上述した実施形態における固定部2eが無い状態で、既存免震装置10xが設置されている。
このような場合には、新規免震装置10nも、基礎スラブ2dの上面のうち、基礎杭2aの杭頭部2bの上方に設置される。
すなわち、基礎2が固定部2eを備えていない場合であっても、ジャッキ装置20によって突出部6をジャッキアップすることができる。
〔変形例3〕
ジャッキ装置20は、基礎スラブ2dの上面のうち、ブラケット24下方の位置に設置されている。すなわち、上述した実施形態における台座2gが無い状態で、ジャッキ装置20が設置されている。
また、台座2gの代わりに、基礎2の基礎スラブ2d上に鉄板等を敷き込んで、その上にジャッキ装置20を設置してもよい。
このように台座2gが無い状態であっても、ジャッキ装置20によって突出部6をジャッキアップすることができる。
〔変形例4〕
滑動部材21は、ブラケット24とジャッキ装置20との間に介在させる。
この場合、ジャッキ装置20の下端部は基礎2の基礎スラブ2dもしくは台座2gに対して設置固定された状態となっている。
このようにブラケット24とジャッキ装置20との間に滑動部材21を介在させれば、滑動部材21の免震作用により、免震状態を維持したまま突出部6を持ち上げ、既存免震装置10xと突出部6との間に隙間を形成することができる。
〔変形例5〕
上述した実施形態では、建築物1の基礎2に対して免震構造が組み込まれているものとしたが、本変形例では、基礎2よりも上方の躯体4に対して免震構造が組み込まれている。すなわち、いわゆる中間階免震と呼ばれる免震構造であり、躯体4の中間階に免震構造が組み込まれている。
より詳細に説明すると、躯体4が下部躯体と上部躯体とを備えており、下部躯体の上端面と上部躯体の下端面との間に、複数の既存免震装置10xが設けられた状態となっている。つまり、この場合は、下部躯体の上端部が本発明における支持部として機能し、上述した実施形態における基礎2と同等の機能を発揮する。
そして、このような場合にも、ジャッキ装置20によって、上部躯体の下端面から突出する突出部6を、軸材23を介して持ち上げることができる。
〔変形例6〕
本変形例は、本願発明の参考例として挙げるものである。
すなわち、上述した実施形態および変形例では、突出部6に対して水平方向に複数の貫通孔22を形成し、複数の貫通孔22のそれぞれに、軸材23を、その両端部が突出部6の側面から突出するようにして挿入し、軸材23の端部に、ブラケット24を連結し、ブラケット24の下方にジャッキ装置20を設置して突出部6をジャッキアップし、既存免震装置10xを新規免震装置10nに交換する免震装置の交換方法であり、突出部6の下方にジャッキ装置20を設置するスペースが確保できない場合であっても、突出部6をジャッキアップして免震装置の交換を可能とするものである。換言すれば、突出部6の周囲に、突出部6よりも横方向に張り出す張出部を設けて、その張出部を、ジャッキ装置20によってジャッキアップするものである。上述の実施形態および変形例におけるブラケット24は、この張出部に相当する。
この点を踏まえ、本変形例における免震装置の交換方法は、図示はしないが、建築物1の躯体4のうち柱4aの下方に位置するとともに下方に向かって突出する突出部6と、この突出部6の下方に位置する支持部(例えば基礎2)と、の間に設けられた既存免震装置10xを新規免震装置10nに交換するものであって、突出部6の周囲に、突出部6よりも横方向に張り出す張出部を設け、この張出部の下方にジャッキ装置20を設置して突出部6をジャッキアップし、既存免震装置10xを新規免震装置に交換することを特徴とするものである。
張出部は、突出部6に対して直接的に設けられるものでもよいし、間接的に設けられるものでもよい。
また、張出部は、躯体4下端部の梁4bに接合されていてもよい。
また、張出部は、ブラケット24のような金属製の部材であってもよいし、突出部6や梁4b(または突出部6と梁4bの双方)に対して定着して硬化する現場打ちの鉄筋コンクリートであってもよいし、プレキャストコンクリートでもよい。
また、張出部を、突出部6に対して設ける手段は特に限定されない。上述のような貫通孔22および軸材23に係る構造を採用してもよいし、突出部6や梁4b(または突出部6と梁4bの双方)に対して設けられるアンカー部材でもよい。
本変形例の免震装置の交換方法によれば、突出部6の下方にジャッキ装置20を設置するスペースが確保できない場合であっても、張出部を介して突出部6をジャッキアップして免震装置を交換できる。
〔変形例7〕
本変形例は、本願発明の参考例として挙げるものである。
すなわち、上述した実施形態および変形例における免震装置の交換方法は、建築物1の躯体4のうち柱4aの下方に位置するとともに下方に向かって突出する突出部6と、この突出部6の下方に位置する支持部(例えば基礎2)と、の間に設けられた既存免震装置10xを新規免震装置10nに交換するものであって、突出部6の周囲に、突出部6よりも横方向に張り出す張出部を設け、この張出部の下方にジャッキ装置20を設置して突出部6をジャッキアップし、既存免震装置10xを新規免震装置に交換することを特徴とするものである。
これに対し、本変形例における免震装置の交換方法は、躯体4の下端部の梁4bが張出部に相当するものとして捉え、この梁4bをジャッキ装置20によってジャッキアップするものである。すなわち、本変形例における免震装置の交換方法は、図示はしないが、建築物1の躯体4のうち柱4aと梁4bとが交差する部位であるとともに下方に向かって突出する交差部5の下端部(突出部6)と、この交差部5の下端部の下方に位置する支持部(例えば基礎2)と、の間に設けられた既存免震装置10xを新規免震装置10nに交換するものであって、交差部5の近傍に位置するとともに梁4bの下方にジャッキ装置20を設置してジャッキアップし、既存免震装置10xを新規免震装置に交換することを特徴とするものである。なお、梁4bを補強せずにジャッキアップすると、梁4b自体や、梁4bと交差部5との接合箇所に大きな力が加わるため、このような免震装置の交換方法を採用するに当たっては、上述の躯体4の補強に係る説明で挙げた各種の補強方法を適宜採用して、梁4b自体や交差部5との接合箇所を補強する。
上述の補強方法を採用するに当たっては、梁4bに作用する曲げモーメントおよび剪断力に対して有効な補強方法を選択する。例えば、炭素繊維シートを梁4bから交差部5にかけて巻き付けてもよいし、梁4bのうち曲げモーメントのかかる位置に鉄板を添わせて固定してもよいし、必要な箇所に鉄筋コンクリートを増し打ちしてもよい。
本変形例の免震装置の交換方法によれば、突出部6の下方にジャッキ装置20を設置するスペースが確保できない場合であっても、梁4bを介して突出部6をジャッキアップして免震装置を交換できる。
1 建築物
2 基礎(支持部)
2a 基礎杭
2b 杭頭部
2c 地中梁
2d 基礎スラブ
2e 固定部
2f 擁壁
2g 台座
4 躯体
4a 柱
4b 梁
4c 床スラブ
5 交差部
6 突出部
7x 既存鉄筋
7s 追加鉄筋
10x 既存免震装置
10n 新規免震装置
11 積層ゴム
12 フランジ部
13 取付プレート
13a スタッド
13b 袋ナット
14 フィラープレート
20 ジャッキ装置
21 滑動部材
22 貫通孔
23 軸材
24 ブラケット
24a 天板
24b 底板
24c 補強板
24d 背板
24e 孔
25 油圧ポンプ
26 計測器
27 台車
27a 高さ調整材
D オイルダンパー
R 補強対象箇所
C 交換箇所を示す円
Y 取り出し方向を示す矢印
A1 第一領域
A2 第二領域
A3 第三領域

Claims (7)

  1. 建築物の躯体のうち柱の下方に位置するとともに下方に向かって突出する突出部と、この突出部の下方に位置する支持部と、の間に設けられた既存免震装置を新規免震装置に交換する方法であって、
    前記突出部に対して水平方向に複数の貫通孔を形成し、
    前記複数の貫通孔のそれぞれに、軸材を、その両端部が前記突出部の側面から突出するようにして挿入し、
    前記軸材の端部に、ブラケットを連結し、
    前記ブラケットの下方にジャッキ装置を設置して前記突出部をジャッキアップし、前記既存免震装置を前記新規免震装置に交換することを特徴とする免震装置の交換方法。
  2. 前記ジャッキ装置は前記既存免震装置の四方に設置され、
    四方に設置された前記ジャッキ装置のうち、隣り合ういずれか二つの前記ジャッキ装置の間隔が前記既存免震装置および前記新規免震装置の幅よりも広く設定されており、
    前記既存免震装置を前記新規免震装置に交換する際に、前記二つのジャッキ装置の間から前記既存免震装置を取り出し、前記新規免震装置を入れることを特徴とする請求項1に記載の免震装置の交換方法。
  3. 前記複数の貫通孔内にグラウトを充填して、前記軸材を前記貫通孔に定着させることを特徴とする請求項1または2に記載の免震装置の交換方法。
  4. 前記既存免震装置を前記新規免震装置に交換した後、前記ジャッキ装置および前記ブラケットを撤去し、前記軸材を残置することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の免震装置の交換方法。
  5. 前記支持部と前記ジャッキ装置との間、または、前記ブラケットと前記ジャッキ装置との間に滑動部材を介在させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の免震装置の交換方法。
  6. 前記躯体は複数の前記柱を備え、当該複数の柱の下方に前記突出部と前記既存免震装置が設けられており、
    前記複数の柱の下方に設けられた前記既存免震装置のうち、いずれかの箇所に設けられた前記既存免震装置を前記新規免震装置に交換する場合に、
    交換箇所の位置を含む第一領域のジャッキアップ高さを高くし、
    前記第一領域に隣り合う第二領域のジャッキアップ高さを低くし、
    前記第二領域に隣り合う第三領域をジャッキアップしないことにより、前記躯体の下端部を傾斜させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の免震装置の交換方法。
  7. 前記躯体を補強してから前記ジャッキ装置によって前記突出部をジャッキアップすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の免震装置の交換方法。
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