JP2011012464A - 免震構造の構築方法および免震装置の仮受け構造 - Google Patents

免震構造の構築方法および免震装置の仮受け構造 Download PDF

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弘志 井瀬
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尚之 須田
Kiminao Kitamura
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Abstract

【課題】上部躯体および免震装置の水平度を確保するとともに、工期短縮を図る。
【解決手段】床版3上に、上面のレベル調整を行うレベル調整機構14を備えた柱受け架台10を設置する柱受け架台設置工程と、免震装置2を取り付けた柱脚部50を、柱受け架台10の上面に設置する柱脚部設置工程と、柱受け架台10のレベル調整機構14を用いて柱受け架台10の上面のレベル調整を行うことで柱脚部50の水平度を調整する柱脚部水平度調整工程と、免震装置2の下方にコンクリートを打設して、免震基礎30を構築する免震基礎構築工程と、免震装置2を免震基礎30に固定する免震装置固定工程と、を備えた免震構造の構築方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、免震構造の構築方法および免震装置の仮受け構造に関する。
近年、各種の構造物において、当該構造物の基礎部分などに免震装置を介装することにより、地震などによって地盤から構造物に伝播しようとする振動を減衰させて、構造物の躯体に生じる応力や変形を少なくする免震構造が開発されている。
一般的な免震構造は、下記のように構築される。まず、免震装置の下部基礎(免震基礎)の配筋および型枠設置前に、下部プレート取付け用アンカーフレームを取り付け、このフレームに下部プレートを設置して、下部基礎コンクリートを打設する。そして、型枠を脱型し、下部プレートに免震装置をボルトにて緊結する。そして、免震装置に上部プレートをボルトにて緊結した後に、免震装置の上部基礎の配筋と型枠設置を行い、上部基礎コンクリートを打設する(非特許文献1参照)。その後は、従来通り、上部構造を構築する。
このような免震構造の構築方法は、基礎免震工事の一般工法であり、各部を順次組み上げていく工法である。そのため、各工程の時間が累積されるので、多くの時間がかかり、工期短縮が望めない。また、下部基礎と上部基礎の構築時に、同じ躯体専門工事業者が作業する必要があり、工事費の削減が図れない。さらには、免震装置を設置するためのアンカーフレームの製作手間と取付手間が大きくかかる。
以上の問題を解決するために、例えば、特許文献1に示すような免震構造物が開発されている。この免震構造物は、免震装置上に位置するフーチング(上部基礎の一部および柱脚部)を一体的にユニット化したものである。このような構成によれば、免震装置を設置した後に、その上にフーチングを設置することにより、上部基礎の施工を待つことなく、フーチングを介して柱などの立上り部分を連続して施工することができ、免震関連工事の工期短縮を図ることができる。
特開平11−270182号公報
社団法人日本免震構造協会著 「JSSI免震構造施工標準」 財団法人経済調査会出版 2005年7月15日出版
しかしながら、前記した特許文献1の構成では、以下のような問題があった。つまり、上部躯体が連結されるフーチングを、免震装置上に直接設置するので、上部躯体の水平度を確保するためには、フーチングが設置される免震装置に高い水平度が要求される。しかし、免震装置の水平度を調整する対策は為されていなかった。
そこで、本発明は前記の問題を解決すべく案出されたものであって、上部躯体および免震装置の水平度を確保できるとともに、工期短縮を図ることができる免震構造の構築方法および免震装置の仮受け構造を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、床版上に、上面のレベル調整を行うレベル調整機構を備えた柱受け架台を設置する柱受け架台設置工程と、免震装置を取り付けた柱脚部を、前記柱受け架台の上面に設置する柱脚部設置工程と、前記柱受け架台の前記レベル調整機構を用いて前記柱受け架台の上面のレベル調整を行うことで前記柱脚部の水平度を調整する柱脚部水平度調整工程と、前記免震装置の下方にコンクリートを打設して、免震基礎を構築する免震基礎構築工程と、前記免震装置を前記免震基礎に固定する免震装置固定工程と、を備えたことを特徴とする免震構造の構築方法である。
このような方法によれば、柱受け架台のレベル調整機構によって、その上面の水平度を調整できるので、柱受け架台の上部に設置された柱脚部および免震装置の水平度を確保することができる。したがって、精度の高い上部躯体を構築できる。また、免震基礎構築工程および免震装置固定工程と並行あるいは先行して、柱脚部に上部躯体を連結してその構築を進行することができる。つまり、免震基礎構築工程および免震装置固定工程の完了を待つことなく、上部躯体構築工程を行うことができるので、施工時間を短縮できる。
また、前記免震装置固定工程の後に、前記柱受け架台を解体して回収する柱受け架台回収工程をさらに備えた免震構造の構築方法が好ましい。
このような方法によれば、柱受け架台を複数回再利用できるので、施工コストを低減させることができる。
さらに、前記柱受け架台は、下枠と上枠とを連結柱で連結して構成されており、前記連結柱は、前記レベル調整機構となる伸縮ジャッキを備え、前記柱脚部水平度調整工程において、前記伸縮ジャッキを伸縮させて前記連結柱の長さをそれぞれ調整することで、前記柱受け架台の上面のレベル調整を行う免震構造の構築方法が好ましい。
このような方法によれば、簡単な作業で、柱受け架台の上面および柱脚部の水平度を確保することができるので、施工時間のさらなる短縮を達成できる。
また、本発明は、床版上に免震構造を構築する際に、免震装置を一時的に支持する免震装置の仮受け構造であって、上面のレベル調整機構を備えた柱受け架台を、免震基礎の構築位置を囲うように床版上に設置し、免震装置を取り付けた柱脚部を、前記柱受け架台の上面に設置して、免震装置を前記免震基礎の構築位置の上方に配置してなることを特徴とする。
このような構成によれば、柱受け架台のレベル調整機構によって、その上面の水平度を調整できるので、柱受け架台の上部に設置された柱脚部および免震装置の水平度を確保することができる。したがって、精度の高い上部躯体を構築できる。また、免震基礎の構築および免震装置の免震基礎への固定を行いつつ、またはこれに先行して、柱脚部に上部躯体を連結してその構築を進行することができるので、施工時間を短縮できる。
さらに、前記柱受け架台は、下枠と上枠とを連結柱で連結して構成されており、前記連結柱は、前記レベル調整機構となる伸縮ジャッキを備えた免震装置の仮受け構造が好ましい。
このような構成によれば、単純な構成で柱受け架台を形成できるので、製作手間および製作コストを低減することができる。さらに、簡単な作業で、柱受け架台の上面および柱脚部の水平度を確保することができるので、施工時間のさらなる短縮を達成できる。
本発明によれば、上部躯体の水平度を確保できるとともに、免震構造の工期短縮を図ることができる。
本発明の実施形態に係る免震装置の仮受け構造を示した斜視図である。 本発明の実施形態に係る免震構造の構築方法のうち、免震基礎の配筋を行う工程を説明するための図であって、(a)は配筋施工前の状態を示した平面図、(b)は配筋完了後の状態を示した平面図である。 本発明の実施形態に係る免震構造の構築方法の柱受け架台設置工程を説明するための一部断面側面図である。 本発明の実施形態に係る免震構造の構築方法の柱脚部設置工程を説明するための一部断面側面図である。 本発明の実施形態に係る免震構造の構築方法の柱脚部水平度調整工程を説明するための一部断面側面図である。 本発明の実施形態に係る免震構造の構築方法の免震基礎構築工程を説明するための一部断面側面図である。 本発明の実施形態に係る免震構造の構築方法の免震装置固定工程を説明するための一部断面側面図である。 本発明の実施形態に係る免震構造の構築方法によって構築された免震構造を示した斜視図である。
本発明に係る免震構造の構築方法および免震装置の仮受け構造を実施するための形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。まず、免震装置の仮受け構造(以下、単に「仮受け構造」という場合がある)について説明する。
図1および図4に示すように、仮受け構造5は、床版3上に免震構造1(図8参照)を構築する際に、免震装置2を一時的に支持する構造である。免震装置2の仮受け構造5は、上面のレベル調整を行うレベル調整機構15を備えた柱受け架台10を、免震基礎30(図8参照)の構築位置P30(図3参照)を囲うように床版3上に設置し、免震装置2を取り付けた柱脚部50を、柱受け架台10の上面に設置して、免震装置2を免震基礎30の構築位置P30の上方に配置してなることを特徴とする。
免震装置2は、例えば、上下一対のフランジプレート7a,7bと、これらフランジプレート7a,7b間に一体に取り付けられた積層ゴム7とを備えて構成された高減衰積層ゴム支承が採用されている。このゴム支承の上下には一対のベースプレート6a,6bが設けられており、ボルト7c等を介して、ベースプレート6a,6bにそれぞれ固定されている。上側のベースプレート6aは上部建築物の構造躯体8に溶接等によって一体固定される。下側のベースプレート6bは基礎の床版3上に形成される免震基礎30に固定される。下側のベースプレート6bの下側には、ボルト7cを螺合させる埋込み型インサート9aが設けられると共に、免震基礎30内に挿入されるスタッドアンカー9bが設けられている。埋込み型インサート9aは、内部にメネジを有する袋状ナットにて構成されており、先端に鍔部が形成されている。スタッドアンカー9bは、溶接によって下側のベースプレート6bの表面に固定されている。スタッドアンカー9bも先端に鍔部が形成されている。なお、上側のベースプレート6aが固定される上部躯体が鉄筋コンクリート造の場合や、フーチングを介して固定される場合には、上側のベースプレート6aの上側にもスタッドアンカーが設けられる。この免震装置2は、地震等が発生した際には、上部建築物の構造躯体8と基礎の床版3との水平方向への相対移動に伴って、積層ゴム7がせん断方向に弾性変形することにより、その弾性変形エネルギーと減衰力によって地震時における水平地震力を吸収するようになっている。なお、本実施形態では、上下のフランジプレート7a,7bは、正方形の板状であるが、その形状は正方形に限定されるものではなく、円形や多角形等の他の形状であってもよい。また、本実施形態では、免震装置2として、高減衰積層ゴム支承が採用されているが、これに限定する趣旨ではなく、例えば、弾性すべり支承や、低減衰積層ゴム支承とダンパとの組合せ等を採用してもよいのは勿論である。
免震装置2は、現場で設置される前に、予め柱脚部50の下部に一体的に取り付けられている。本実施形態では、柱脚部50には、上下一対のダイヤフラム51が接続され、さらに、基礎梁52a(図8参照)とのジョイント部52が、四方向に延出して一体的に取り付けられており、平面視十字状に形成されている。なお、本実施形態では、柱53はプレキャストコンクリート製で、ジョイント部52は基礎梁52aと同形状の鉄骨製である。免震装置2は、下側のダイヤフラム51にボルト(図示せず)等の締結手段を用いて固定されている。つまり、ジョイント部52が取り付けられた柱脚部50の下部に免震装置2が一体的に固定されている。なお、以下、これら一体化されたユニットを「免震装置付柱ユニット55」という場合がある。
柱受け架台10は、矩形下枠(下枠)11と、矩形上枠(上枠)12とを連結柱13で連結して構成されている。連結柱13は、矩形下枠11と矩形上枠12の四隅同士を連結している。
矩形下枠11と矩形上枠12は、ともに山留材に用いられるH型鋼を正方形状に組み付けて形成されている。矩形下枠11と矩形上枠12は同形状に形成されている。矩形上枠12は、内側に免震装置2が挿通可能な大きさに形成されている。また、矩形上枠12は、一辺の長さが、柱脚部50に取り付けられたジョイント部52のうち、直線状に配置された一対のジョイント部52,52の先端部間の長さよりも短くなるように形成されている。
連結柱13は、柱本体14と、柱本体14の一端(本実施形態では下端)に取り付けられたレベル調整機構15とを備えて構成されている。柱本体14は、矩形下枠11および矩形上枠12と同じサイズのH型鋼が採用されている。レベル調整機構15は、伸縮ジャッキが採用されている。伸縮ジャッキは、例えば油圧ジャッキが用いられている。伸縮ジャッキは、H型鋼の長手方向に伸縮可能に固定されており、伸縮ジャッキの伸縮によって連結柱13の長さを調整するように構成されている。連結柱13は、上下方向に延在して設けられている。連結柱13は、伸縮ジャッキが下側になるように、矩形下枠11と矩形上枠12間に取り付けられる。つまり、矩形上枠12の四隅の下面にはH型鋼(柱本体14)の上端が固定され、矩形下枠11の四隅の上面には伸縮ジャッキ(レベル調整機構15)の下端が固定されている。
免震装置2を仮受け支持するに際しては、柱受け架台10を床版3上の所定位置に設置し、免震装置付柱ユニット55を、免震装置2が下側になるように吊り下げて、柱受け架台10の上方から下降させる。すると、免震装置2は、矩形上枠12の内側を通過して柱受け架台10の内部に挿通される。このとき、免震装置2は、吊り下げられた状態となっている。そして、ジョイント部52の下端面が矩形上枠12の上端面に当接して、免震装置付柱ユニット55が支持される。前記構成の柱受け架台10によれば、各連結柱13の伸縮ジャッキを適宜伸縮させることで、矩形上枠12上に載置された柱脚部50およびジョイント部52の水平度を確保することができる。
次に、前記構成の免震装置2の仮受け構造5を用いた免震構造1の構築方法を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
(施工計画)
本実施形態に係る免震構造1を構築する前に、施工計画を検討する。まず、免震層とその上部の荷重を検討する。具体的には、免震装置2より上部の上部躯体および仮設材を含めた上部構造体全体の荷重を算出する。なお、施工範囲が広範囲の場合は、工区分けを行い、そのブロック毎の検討でもよい。その後、柱受け架台10の設計を行う。具体的には、算出した前記荷重のうち、柱受け架台10を用いて上部構造体の仮受けを行う荷重、すなわち、柱受け架台10を解体する時点で支持する荷重に、衝撃荷重や安全率を考慮して、柱受け架台10の部材設計を行うとともに、使用する伸縮ジャッキを決定する。そして、柱受け架台10を転用することを考慮しながら各免震構造1の施工順序を決定する。
(柱受け架台および免震装置付柱ユニットの形成)
柱受け架台10は、工場または施工現場にて免震構造1の施工前に組み立てて形成しておく。また、工場等で、柱脚部50にジョイント部52を取り付け、さらに免震装置2を固定して免震装置付柱ユニット55を形成しておく。このとき、柱脚部50に対して免震装置2の取付角度を調整できるように、構造強度を確保した上で免震装置2の上側のベースプレート6aにボルト穴をルーズホール(図示せず)にて形成するようにしてもよい。なお、免震装置2は施工現場にて組み立てるようにしてもよい。
(床版構築工程)
床版3の配筋上に、免震基礎30の位置と免震装置2の下側のベースプレート6bを固定するためのアンカー位置とを出してマーキングする。そして、アンカー位置に干渉しないように、免震基礎30の差筋を行う。その後、差筋がずれないようにして、所定の高さで床版3のコンクリート打設を行う。
(免震基礎配筋工程)
床版3のコンクリート養生が終了した後、図2の(a)に示すように、床版3上に免震基礎30の躯体の外周面の位置を墨出しして(図中、墨出し線L1参照)マーキングする。さらに、免震装置2の下側のベースプレート6bを固定するためのアンカー位置Pを墨出しして(図中、墨出し線L2参照)マーキングする。また、四隅に位置する差筋S1に、免震基礎30の躯体の天端のレベルを墨出しして(図示せず)マーキングする。
その後、図2の(b)に示すように、墨出し線L1に対して所定のかぶり厚を確保しつつ、墨出し線L2を見ながら免震装置2の下側のベースプレート6bを固定するためのアンカー位置Pに干渉しないように鉄筋S2を組み立てて、免震基礎30の配筋を行う。
(柱受け架台設置工程)
次に、図3に示すように、免震基礎30の配筋の周囲に柱受け架台10を設置する。まず、床版3上に柱受け架台10の設置位置を墨出しして(図示せず)マーキングする。その後、クレーン等の揚重機で柱受け架台10を吊り上げて所定の位置に設置する。なお、揚重機が利用できない場合には、設置位置にH型鋼や伸縮ジャッキ等の個々の部材を運搬して、その位置で組み立てるようにする。
柱受け架台10の設置後、適宜伸縮ジャッキを伸縮させて矩形上枠12の水平度調整を行うとともにレベル調整を行う。なお、矩形上枠12上に載置される免震装置付柱ユニット55のジョイント部52の下端面のレベルが統一されていない場合は、一番低い高さに矩形上枠12の上端面レベルを合わせ、高さが足りない部分には、プレート等の調整材を設置しておく。その後、矩形上枠12上に、通り芯またはジョイント部52の設置位置を墨出しして(図示せず)マーキングする。
(柱脚部設置工程)
続いて、図4に示すように、免震装置付柱ユニット55を揚重機にて吊り上げ、柱受け架台10に出した墨を確認しながら、ジョイント部52が矩形上枠12上の所定の位置になるように設置する。このようにジョイント部52を矩形上枠12上に載置すると、免震装置2が免震基礎2の構築位置P30の上方に配置されることとなる。
その後、図5に示すように、柱脚部50のジョイント部52に、高力ボルト57で取付プレート56を仮止めし、ジョイント部52の下側のフランジを、緊結治具(図示せず)を用いて、柱受け架台10の矩形上枠12に固定する。また、ジョイント部52の先端部分に取付プレート56を配置して、高力ボルト57を用いてジョイント部52と基礎梁52aとを仮止めする。
(柱脚部水平度調整工程)
この状態で、図6に示すように、柱受け架台10の連結柱13の伸縮ジャッキを適宜伸縮させて、柱53とジョイント部52の水平度を確保するとともに、所定の高さに調整する。このとき、免震装置2は、ジョイント部52の下部に一体で取り付けられているので、免震装置2の水平度も1/500以内になるように調整される。ここで、万一、ジョイント部52の水平度と、免震装置2の水平度が、合ってない場合は、柱脚部50と免震装置2との間で、両方の水平度が同等になるように微調整を行う。
柱53、ジョイント部52および免震装置2の水平度およびレベルの調整が完了したら、ジョイント部52と基礎梁52aの本接合を行う。
(免震基礎構築工程および上部躯体構築工程)
前記本接合が完了したら、柱53の上部の上部柱53a等の上部躯体の構築工程と、免震基礎30の構築工程とを同時に進めて行く。なお、上部躯体構築工程は、通常の構築工程と同様であるので、説明を省略する。
免震基礎30を構築するに際しては、まず、図6に示すように、免震基礎30の構築位置P30に形成された配筋(鉄筋S2)を取り囲むように、型枠31を設置する。型枠31には、コンクリート32およびグラウト材35を充填するための充填孔(図示せず)とエア抜き孔が形成されている。なお、型枠31は、柱受け架台10の設置前に設置しておいてもよい。その後、充填孔を介して、免震装置2の下側のベースプレート6bより数センチ下のレベルまで、コンクリート32を打設する。
(免震装置固定工程)
そして、コンクリート32の養生が完了した後に、図7に示すように、型枠31の充填孔からグラウト材35を充填する。グラウト材35は、モルタルポンプ(図示せず)にて充填孔より圧入して充填される。このとき、エア抜き孔は、充填確認用の目視孔の役目も兼用しており、グラウト材35が所定の位置まで充填されたことを確認して充填を終了する。その後、グラウト材35が硬化した後に、型枠31を解体して撤去する。
(柱受け架台回収工程)
免震基礎30の設計強度が発現した状態となった後に、図8に示すように、柱受け架台10を解体して回収する。この回収工程は、免震装置より上部の上部躯体および仮設材を含めた上部構造体の荷重が、予め算出しておいた柱受け架台10の支持荷重を超える前に行う。
柱受け架台10の解体は、伸縮ジャッキを縮退させて緩めて、上部構造体の荷重を免震基礎30に移行させた後に、順次行う。伸縮ジャッキを緩めるに際しては、全ての柱受け架台10の伸縮ジャッキを同時に縮退させるか、あるいは一つずつ順次縮退させる。伸縮ジャッキを一つずつ縮退させる場合は、隣接する柱53のスパンの1/3000の数値範囲内で縮退させていくようにする。回収した柱受け架台10は他の柱脚部あるいは施工現場で再利用する。
以上のような免震構造1の構築方法および免震装置2の仮受け構造5によれば、免震基礎構築工程および免震装置固定工程と並行あるいは先行して、柱脚部50に上部躯体を連結してその構築を進行することができる。つまり、免震基礎構築工程および免震装置固定工程の完了を待つことなく、上部躯体構築工程を行うことができるので、建物全体としての施工時間を短縮できる。特に、本実施形態によれば、柱受け架台10のレベル調整機構15によって、矩形上枠12の上面の水平度を調整できるので、柱受け架台10の上部に設置された柱脚部50の水平度を確保することができる。したがって、精度の高い上部躯体を構築できる。
また、本実施形態では、免震装置固定工程の後に、柱受け架台回収工程をさらに備えているので、柱受け架台10を複数回再利用できる。したがって、施工コストを低減させることができるとともに、産業廃棄物を低減することができ、環境に好ましい。
さらに、柱受け架台10は、矩形下枠11と矩形上枠12の四隅同士をレベル調整機構15となる伸縮ジャッキを備えた連結柱13でそれぞれ連結して構成されているので、簡単な作業で、柱受け架台10の上面および柱脚部50の水平度を確保することができるので、施工時間のさらなる短縮を達成できる。さらに、柱受け架台10の解体および組立てを容易に行うことができる。また、本実施形態では伸縮ジャッキに油圧ジャッキを用いているので、上部躯体の大きい荷重に対応できるとともに、細かい制御ができ精度の高い水平度調整およびレベル調整を行うことができる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。たとえば、前記実施形態では、柱受け架台10の上枠と下枠が矩形形状に形成されているが、これに限定されるものではなく、免震装置付柱ユニット55のジョイント部52を支持可能であれば、多角形状、円形状等の他の形状であってもよい。
また、前記実施形態では、柱受け架台10を、山留材用のH型鋼を用いて形成しているが、これに限定されるものではなく、他の鋼材でもよいし、所定の強度を有する鋼材以外のものであってもよい。また、本実施形態では、連結柱13のH型鋼の下部に伸縮ジャッキを取り付けているが、その上下位置は逆であってもよい。
1 免震構造
2 免震装置
3 床版
5 仮受け構造
10 柱受け架台
11 矩形下枠(下枠)
12 矩形上枠(上枠)
13 連結柱
15 レベル調整機構
30 免震基礎
50 柱脚部
P30 (免震基礎の)構築位置

Claims (5)

  1. 床版上に、上面のレベル調整を行うレベル調整機構を備えた柱受け架台を設置する柱受け架台設置工程と、
    免震装置を取り付けた柱脚部を、前記柱受け架台の上面に設置する柱脚部設置工程と、
    前記柱受け架台の前記レベル調整機構を用いて前記柱受け架台の上面のレベル調整を行うことで前記柱脚部の水平度を調整する柱脚部水平度調整工程と、
    前記免震装置の下方にコンクリートを打設して、免震基礎を構築する免震基礎構築工程と、
    前記免震装置を前記免震基礎に固定する免震装置固定工程と、を備えた
    ことを特徴とする免震構造の構築方法。
  2. 前記免震装置固定工程の後に、前記柱受け架台を解体して回収する柱受け架台回収工程をさらに備えた
    ことを特徴とする請求項1に記載の免震構造の構築方法。
  3. 前記柱受け架台は、下枠と上枠とを連結柱で連結して構成されており、
    前記連結柱は、前記レベル調整機構となる伸縮ジャッキを備え、
    前記柱脚部水平度調整工程において、前記伸縮ジャッキを伸縮させて前記連結柱の長さをそれぞれ調整することで、前記柱受け架台の上面のレベル調整を行う
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の免震構造の構築方法。
  4. 床版上に免震構造を構築する際に、免震装置を一時的に支持する免震装置の仮受け構造であって、
    上面のレベル調整機構を備えた柱受け架台を、免震基礎の構築位置を囲うように床版上に設置し、
    免震装置を取り付けた柱脚部を、前記柱受け架台の上面に設置して、免震装置を前記免震基礎の構築位置の上方に配置してなる
    ことを特徴とする免震装置の仮受け構造。
  5. 前記柱受け架台は、下枠と上枠とを連結柱で連結して構成されており、
    前記連結柱は、前記レベル調整機構となる伸縮ジャッキを備えた
    ことを特徴とする請求項4に記載の免震装置の仮受け構造。
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JP2013204364A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Fujita Corp 免震装置を鉄筋コンクリート造構造物に接合するための接合構造
JP2018178603A (ja) * 2017-04-18 2018-11-15 鹿島建設株式会社 免震基礎形成装置
CN113404079A (zh) * 2021-06-02 2021-09-17 中交(昆明)建设有限公司 灯杆基础安装调节装置及施工方法
CN113684929A (zh) * 2021-09-01 2021-11-23 中国建筑一局(集团)有限公司 隔震支座上支墩节点型钢劲性柱架空固定结构及施工方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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