JP2003156866A - 電子写真用転写シート - Google Patents
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Abstract
し、トナー転写性に優れるとともに、水による用紙の破
れや変形、並びにトナー層の剥がれのない電子写真用転
写シートを提供する。 【解決手段】 ポリプロピレンを主成分とする合成紙か
らなる支持体と、その少なくとも一面上に形成された受
像層とを有し、前記受像層の、水に対する接触角Θおよ
びその変化率αが下記式(1)および(2)を満足する
ことを特徴とするものである。 Θ1 ≧ 20° (1) α =(Θ1−Θ60)/59(°/秒)において α ≦ 0.2(°/秒) (2) なおΘ1:水を滴下1秒後の接触角 Θ60:水を滴下60秒後の接触角 である。また前記受
像層中に、合成ヘクトライト粘土鉱物と、架橋されたバ
インダーとを含有することを特徴とするものである。
Description
子写真方式を用いた印字装置に使用する電子写真転写用
シートに関するものである。さらに詳しくは、低湿度か
ら高湿度まで幅広い湿度範囲で安定したトナー画像を有
し、水分による破れや変形及びトナーの剥がれのない電
子写真転写用シートに関するものである。
を帯電させ、露光により静電画像の潜像を形成させ、こ
の潜像にトナーを付着させて現像し、転写シートにトナ
ー像を転写し、このトナー像を熱で固定、定着すること
により得られる。このように転写シートを用いる方法は
電子写真方式の間接法と言われるもので、一般の普通紙
用の電子写真複写機やレーザービームプリンターなどに
採用されている。転写シート自体が感光体の役目を担う
方法、すなわち感光層を有する転写シート上に、直接潜
像を形成させ、トナー現像、定着を行う方法もあり、電
子写真の直接法と言われている。
れる転写シートとしての記録体は、普通紙の他に、OH
P用を含む各種フィルムシートが挙げられる。一般的に
このフィルムシートの表面にはトナーの転写性や密着性
を上げるための受像層を設けたり、裏面にはより安定し
た走行性を得るために帯電防止層を設けるなどの工夫が
なされている。
従来から主に紙基材が使用され、また特定の用途にはポ
リエステルフィルムなどのプラスチックフィルム基材が
使用されている。しかし、紙基材を用いた場合、高湿時
に変形が多く、耐水性が十分でないなどの問題があっ
た。またポリエステルフィルムの場合は耐水性と高画質
を得ることができる反面、筆記性に劣り、風合いに欠け
るため高級感を得難いなどの問題があった。このような
問題を解決する方法として、合成紙を使用する方法が挙
げられる。合成紙は、主にポリプロピレン単独で、ある
いは積層して使用される。合成紙は水分による変形や破
れがなく、耐水性に優れ、高画質を得られるなどの点で
実用的にも品質的にも優れている上に、マット調の風合
いで筆記性に優れるなど、いわゆる紙としての良さを兼
ね備えている点でも、優れた基材である。しかしなが
ら、記録体として合成紙を用いた場合に、電子写真印刷
装置により画像形成しようとすると、合成紙表面の表面
電気抵抗値が高すぎてトナーの転写不良が起り、濃度の
低い画像しか得られない問題があった。
画像を得る場合のトナーの転写性を向上させるために、
表面電気抵抗値を制御する受像層の形成が行われてい
る。特公昭51−34734号公報には、プラスチック
フィルム上に有機溶剤可溶な樹脂層が形成され、表面電
気抵抗値が1×109〜1×1015Ωの電子写真用転写
フィルムが開示されている。この樹脂層はマット化剤を
含有しており、通常の湿度ではトナー転写性はある程度
良好であるが、低湿度では表面電気抵抗値が高くなって
トナー転写性が低下する。
フィルム上にアニオン系あるいはカチオン系の導電性樹
脂の下塗り層、アクリル樹脂の受像層を順に積層した2
層からなる電子写真用フィルムが提案され、さらに特開
昭62−238526号公報には、フィルム上に導電性
付与層として有機物の塩を含有する下塗り層、ポリメタ
クリル酸メチルの受像層が設けられた電子写真用転写フ
ィルムが提案されている。このように下塗り層にイオン
導電性物質を使用すると、フィルム表面の表面電気抵抗
値は低下するが、この表面電気抵抗値は下塗り層の吸水
量の影響を受け易いため、環境湿度の変化により大きく
変動し、特に高湿下で表面電気抵抗値が低くなり、トナ
ーの転写性が低下する問題がある。また、上記導電層
は、水に対して容易に溶解するため、定着したトナー層
が合成紙上から剥がれ、合成紙の特徴である耐水性を活
かすことができないという問題もある。
境湿度が変化しても表面電気抵抗値が安定し、トナー転
写性に優れているとともに、水による用紙の破れや変
形、並びにトナー層の剥がれのない実用性に優れた電子
写真用転写シートを提供することにある。
課題について鋭意検討した結果、高耐水性の導電層を合
成紙上に設けることで、合成紙の表面電気抵抗値を特定
の範囲に制御し、環境湿度が変化してもトナー転写性の
変動が少なく、且つ水に浸漬してもトナー層が剥離しな
い、電子写真用転写シートが得られることを見出し、本
発明を完成するに至った。
は、ポリプロピレンを主成分とする合成紙からなる支持
体と、その少なくとも一面上に形成された受像層とを有
し、前記受像層の、水に対する接触角Θおよびその変化
率αが下記式(1)および(2)を満足することを特徴
とするものである。 Θ1 ≧ 20° (1) α =(Θ1−Θ60)/59(°/秒)において α ≦ 0.2(°/秒) (2) なおΘ1:水を滴下1秒後の接触角 Θ60:水を滴下60秒後の接触角 である。
は、ポリプロピレンを主成分とする合成紙からなる支持
体と、その少なくとも一面上に形成された受像層とを有
し、前記受像層中に、合成ヘクトライト粘土鉱物と、架
橋されたバインダーとを含有することを特徴とするもの
である。
ウレタンアイオノマー樹脂を含有することが好ましく、
また前記架橋されたバインダーが、オキサゾリン系架橋
剤で架橋されたものであることが好ましい。さらに前記
受像層表面の、温度10℃から30℃、相対湿度30%
RHから85%RHの範囲における表面電気抵抗値が、
1×106〜1×109Ωの範囲であることが好ましい。
トにおいて、Θ1が20°未満の場合、またはαが0.
2を超える場合では、耐水性が著しく劣るため、印字部
分に水を滴下すると、容易にトナーが剥がれてしまうこ
とがある。
Θおよびその変化率αが前記式(1)および(2)を満
足する手段としては、バインダーと架橋剤を併用するこ
とが好ましく、架橋剤としてオキサゾリン系架橋剤がよ
り好ましく、特にオキサゾリン基含有水溶性ポリマーを
架橋剤として用いることが好ましい。オキサゾリン基を
水溶性ポリマーに導入するには、水溶性ポリマーのカル
ボキシル基とオキサゾリン基含有化合物の付加反応の生
成物であり、副生成物の発生が無く好ましい。
るバインダーは、優れた耐熱性や耐水性を得る目的か
ら、特にポリウレタンアイオノマー樹脂を用いることが
好ましい。このポリウレタンアイオノマー樹脂は、本発
明の支持体であるポリプロピレンを主成分とする合成紙
との密着性にも優れている。
アイオノマー樹脂の配合比は、ポリウレタンアイオノマ
ー樹脂100質量部に対し、オキサゾリン系架橋剤が1
〜100質量部の範囲が好ましく、より好ましくは2〜
50質量部の範囲である。オキサゾリン系架橋剤の配合
量が、1質量部未満では、耐水性が劣ることがある。一
方、100質量部を超えると、トナーと受像層の密着性
が低下するすることがある。
外、他のポリマーを併用することができる。例えば、カ
チオン性澱粉、両性澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、熱
化学変性澱粉、エステル化澱粉、エ−テル化澱粉などの
澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース及びこれらの誘導体などのセルロ
ース誘導体類、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白、天然ゴ
ムなどの天然あるいは半合成高分子化合物、酢酸ビニル
系共重合体、アクリル系共重合体、エポキシ系共重合
体、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアク
リルアミド、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリ
ビニルピロリドン、水溶性ポリエステル、水溶性ポリウ
レタン、水溶性ナイロン、水溶性エポキシ樹脂、アクリ
ル樹脂、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、イソプレン、
ネオプレン、ポリブタジエンなどのポリジエン類、ポリ
ブテン、ポリイソブチレン、ポリプロピレン、ポリエチ
レンなどのポリアルケン類、ビニルハライド、酢酸ビニ
ル、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル
酸エステル、(メタ)アクリルアミド、メチルビニルエ
ーテルなどのビニル系重合体や共重合体類、スチレン−
ブタジエン系、メチルメタクリレート−ブタジエン系な
どの合成ゴムラテックス、ポリウレタンアイオノマー樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、オレフィン−
無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂などの合成高分子化
合物などが例示できる。そしてこれらの中から、電子写
真用転写シートの品質を損なわない範囲に応じて、1種
あるいは2種以上が適宜選択して使用してもよい。
は、JIS K 6911に基づく温度10℃から30
℃、相対湿度30%RHから85%RHの範囲における
表面電気抵抗値が、1×106〜1×109Ωの範囲であ
ることが好ましい。因みに、電気抵抗値が、1×106
Ω未満では、用紙の帯電量が低く、感光体上のトナーを
受像層表面に引っ張る力が弱く、転移が劣りことがあ
り、トナーの抜けた部分や画像濃度の低下が発生するこ
とがある。一方、表面電気抵抗値が、1×109Ωを超
える場合、トナー引張る力が強く、不要な部分へのトナ
ーの転移や放電によるトナーの飛散などが発生し、トナ
ー被りのような画像欠陥や画質低下となることがある。
しては、合成ヘクトライト粘土鉱物を含有する受像層を
設けることが好ましい。本発明で用いる合成ヘクトライ
ト粘土鉱物としては、天然ヘクトライト粘土と同じ構造
式、すなわち、下記式、 [(Si8(Mg5.34Li0.66)O20(OH,F)4)]N
a0.66 で表示されるLaporte Industries社製のラポナイトB、
Sなど、または(OH,F)4の部分が全て水酸基とな
った構造式、すなわち、下記式、 [(Si8(Mg5.34Li0.66)O20(OH)4)]Na
0.66 で表示されるLaporte Industries社製のラポナイトR
D、RDS、XLG、XLSなどがある。
する受像層を設けたことを特徴とするものであるが、本
発明で用いる合成ヘクトライト粘土鉱物の粒径は、10
μm以下、好ましくは0.2〜5μmであり、その配合
比率は、受像層用塗料の固型分質量の5〜90質量%、
好ましくは20〜70質量%である。配合比率が5質量
%未満であると、表面電気抵抗値の制御が難しく、特に
湿度変化による表面電気抵抗値の変化が大きいため、記
録時の転写不良を発生することがある。またそれが90
質量%より多いと、受像層中の接着剤として使用するバ
インダーの比率が下がり、支持体と受像層との接着強度
が不足することがある。
し、結晶構造の各層の厚さは約1nmで二次元に延長し
た小板を形成している。この小板ユニットに存在するマ
グネシウム原子が、より低原子価イオンのリチウム原子
と同形置換しており、小板ユニットは負に帯電している
が、乾燥状態でこの負電荷はプレート面の格子構造外側
にある置換可能ナトリウム陽イオンと釣り合っている。
このラポナイトを脱イオン水中に1.5〜2.0質量%
の濃度で分散させると、格子構造外側にある置換可能ナ
トリウム陽イオンがイオン化し、小板面から拡散し、小
板面は負の電荷を得て相互に反発して小板ユニットがバ
ラバラに分散したコロイド状分散液、すなわちゾルを形
成する。分散された小板には全体に固有の負電荷が存在
し、小板の端部には周囲媒体からのイオン吸着により、
わずかな局部電荷を帯びる。これは溶液中のイオンの種
類と濃度および媒体のpHに依存するが、通常は陽イオ
ンのみが吸着され、端部は正電荷を帯びることになる。
結果として、端−面結合が生じて代表的な「カードハウ
ス」構造が形成され、ゲルが形成される。このゲル強度
はラポナイトの濃度に依存し、低濃度の場合、比較的緩
やかな粒子連鎖の網目が形成され、ゲル強度は低いが、
濃度が増加すれば、粒子連鎖の網目が充填されるため、
ゲル強度が急速に増す。
S、XLSは、濃度が10質量%に達すると、安定した
流動分散液の調製を可能にするため、ピロリン酸ナトリ
ウムのような解膠剤を含んでいる。この解膠剤は正に帯
電した小板の端部に吸着され、多量の負電荷イオンとな
り、粒子間結合により生ずるゲル構造の直接の形成を防
止する。
皮膜の均一性、接合性および塗工適性などを改良する目
的でポリマー、顔料、滑剤、架橋剤、界面活性剤などを
添加してもよい。また本発明の所望の効果を損なわない
範囲で、通常の導電性物質を添加することも可能であ
る。
他の顔料には特に制限はない。例えば、カオリン、構造
性カオリン、デラミカオリンクレー、タルク、重質炭酸
カルシウム、軽質炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫
酸バリウム、焼成クレー、酸化チタン、珪藻土、酸価亜
鉛、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、
シリカ、微粒子状無水シリカ、活性白土、コロイダルシ
リカ、アルミノ珪酸マグネシウム、微粒子状珪酸カルシ
ウム、微粒子状炭酸マグネシウム、微粒子状軽質炭酸カ
ルシウム、ホワイトカーボン、ベントナイト、ゼオライ
ト、セリサイト、スメクタイトなどの無機顔料、および
ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリスチレン樹脂、スチレン−
アクリル共重合樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アクリ
ル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂な
どの、密実型、微小中空粒子型、貫通孔型の有機顔料な
どが挙げられ、これらの中から1種あるいは2種以上を
適宜用いることができる。
には必要に応じて各種助剤を添加することができる。例
えば、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫
酸エステルナトリウム塩、脂肪酸金属塩などの分散剤、
界面活性剤、その他消泡剤、紫外線吸収剤、蛍光染料、
着色染料、pH調節剤、粘度調節剤、柔軟剤、光沢付与
剤、ワックス類、流動変性剤、導電防止剤、安定化剤、
帯電防止剤、架橋剤、サイズ剤、蛍光増白剤、着色剤、
紫外線吸収剤、耐水化剤、可塑剤、滑剤、防腐剤、香料
などが必要に応じて適宜使用することも可能である。
を主成分とする合成紙が用いられるが、この合成紙の製
造方法としては、下記の方法が一般的に知られている
が、本発明の支持体はこれらに限定されるものではな
い。 (1)内部紙化法:合成樹脂に充填剤及び添加剤を加え
て混合し、押し出し機で溶融混練後、ダイスリットから
押し出して成膜化する方式であり、成膜の方法は無延伸
フィルム形成法と二軸延伸フィルム形成法がある。 (2)表面塗工法:プラスチックフィルムの表面に白色
ピグメント塗工層を設ける方法。 (3)表面処理法:合成樹脂フィルムの表面を化学的あ
るいは物理的に処理する方法。
モービル社製260LLG−202、東洋紡社製P42
55、Arjobex社製PEPPART、POLYART、
日清紡社製ピーチコートなどが挙げられる。
延伸フィルム形成法によって得られた合成紙を支持体と
して用いることが好ましい。具体的には、主原料のポリ
プロピレン樹脂に無機充填剤と添加剤を加えて混合し、
押し出し機で溶融混練後、ダイスリットから溶融樹脂膜
を押し出し、一旦冷却後、再び軟化温度前後まで加熱し
て、縦および横方向に同時または逐次に延伸して成膜す
る方法で得られた合成紙が好ましく、さらにこの方法で
の延伸時に、内部に微細な空孔であるミクロボイドを生
成させながら成膜させて得られた合成紙も、本発明にお
いて好ましく用いることができる。
ーポレーション社製の商品名「ユポ」であり、グレード
名:FPG、SGS、KPK、KAG、KPU、KP
E、QJJ、WFPなどが挙げられる。「ユポ」は、ポ
リプロピレン樹脂に炭酸カルシウムなどの無機充填剤と
添加剤を加えたものを原料として二軸延伸フィルム形成
法により必要に応じてミクロボイドを発生させながら成
膜されたものである。「ユポ」は、さらに基層とその両
表面に積層された紙状層とで構成され多層構造になって
いる。基層は縦および横方向に延伸配向され、主に強度
や剛性を保つのに対し、表面層は横方向にのみ延伸配向
され、多数のミクロボイドによって光が乱反射し、高い
白色度と、耐水性、耐久性、防湿性、平滑性などに優
れ、不透明性を維持し、筆記性や印刷性を付与し、比重
が低く軽量となる点で好ましい。前記合成紙の厚さとし
ては、20〜500μmの範囲のものが好ましく、35
〜300μmの範囲のものがより好ましい。
て、受像層の形成方法については特に限定されるもので
はなく、例えばエアナイフコーティング、ワイヤーバー
コーティング、ブレードコーティング、ロールコーティ
ング、グラビヤコーティング、リバースロールコーティ
ング、カーテンコーティング、ダイスロットコーティン
グ、チャンプレックスコーティング、ブラシコーティン
グ、ツーロールあるいはメータリングブレード式のサイ
ズプレスコーティング、ビルブレードコーティング、ゲ
ートロールコーティングなどにより塗布液を塗布、乾燥
する方法などによって形成される。また塗布液の塗布量
についても特に限定されるものではなく、片面につき通
常乾燥質量で0.1〜10g/m2程度、好ましくは、
0.1〜5g/m2の範囲で調節される。塗工量が0.
1g/m2g未満では、表面電気抵抗値が高く、トナー
の転写性が劣ることがある。一方10g/m2を超える
場合は、コストが高くなる。なお塗布、乾燥後、スーパ
ーカレンダ、マシンカレンダ、ソフトカレンダ等で平滑
化処理をしても良い。
され、1層あるいは必要に応じて2層以上の中間層を設
け、多層構造にすることも可能である。なお両面塗工や
多層構造とする場合、各々の塗布液が同一または同一塗
工量である必要はなく、所望の品質レベルに応じて適宜
調整すればよく、特に限定されるものではない。また支
持体の片面に受像層を設けた場合、裏面に合成樹脂層、
顔料と接着剤などからなる塗布層や帯電防止層などを設
けてカール防止、印刷適性付与、給排紙適性、ブロッキ
ング防止性などを付与することも可能である。さらに支
持体の裏面に種々の加工、例えば粘着、磁性、難燃、耐
熱、耐水、耐油、防滑、または感熱記録、熱転写記録や
インクジェット記録などの各種記録適性などを後加工に
より、各種の用途適性を付与して使用することも勿論可
能である。
に基づくベック平滑度が50秒以上、好ましくは200
〜4000秒である。ベック平滑度が50秒未満の場
合、トナーの転写不良が生じ、画質低下が生じることが
ある。また転写シートの、JIS P 8143に基づ
くクラーク剛度は、マシン方向およびクロス方向ともに
5cm以上、好ましくは10〜500cmである。クラ
ーク剛度が5cm未満の場合、記録装置内での走行不良
が生じることがある。さらに150℃、1分間の熱処理
による熱収縮率は、マシン方向およびクロス方向ともに
5%以下、好ましくは3.5%以下である。熱収縮率が
5%より大きい場合、記録装置内の加熱定着工程の前後
で、カールの発生や走行不良が生じることがある。
的に説明するが,勿論、それらの範囲に限定されるもの
でない。なお実施例中の「部」及び「%」は特に断わら
ない限り、「質量部」及び「質量%」を示す。
布液を合成紙(商品名:ユポKAS200、ユポ・コー
ポレーション社製)の片面に、乾燥後の塗布量が1g/
m2となるように塗布、乾燥し、水による破れや変形並
びにトナーの剥がれのない電子写真用転写シートを得
た。
測定〕得られた電子写真用転写シートを、常湿条件で1
0時間保存した後、ダイナミックアブソープションテス
タDAT1100、FIBRO System ab Sweden社製を用い
て測定した。滴下液量は、40μlであった。結果は表
1に示す。
の測定〕得られた電子写真用転写シートを、以下の低湿
条件、常湿条件、高湿条件でそれぞれ10時間保存した
後、表面電気抵抗値を電気抵抗計R12704(Advant
est社製)を用いて測定した。なお、低湿条件、常湿条
件、高湿条件とは次の通りである。結果は表2に示す。
なお、低湿条件、常湿条件、高湿条件とは次の通りであ
る。 低湿条件 温度10℃、相対湿度30%RH 常湿条件 温度20℃、相対湿度65%RH 高湿条件 温度30℃、相対湿度85%RH
価〕得られた電子写真用転写シートを、低湿条件、常湿
条件、高湿条件でそれぞれ10時間保存した後、各環境
下でカラー複写機LBP2040N(キャノン社製)を
用いて画像記録を行い、目視により画像品位程度を下記
の評価基準で目視評価した。結果は表3に示す。なお、
低湿条件、常湿条件、高湿条件は、前記の表面電気抵抗
値の測定と同じである。 ○:トナー転写性が良好で画像濃度が充分高い。実用上
問題なく、品質も優れている。 △:トナー転写性にややムラがあり、画像濃度が劣る。
実用上問題あり。 ×:トナー転写性にかなりムラがあり、画像濃度が著し
く劣る。実用上問題あり。
得られた電子写真用転写シートを、常湿条件で10時間
保存した後、常温環境下でカラー複写機LBP2040
N(キャノン社製)を用いて画像記録を行った。さら
に、印字サンプルを水に1分間浸漬した後、取り出し、
印字部分を指で擦る。トナーの剥がれ程度を下記の評価
基準で目視評価した。結果は表4に示す。 ○:トナー剥がれが無い。 △:トナー剥がれがややあり、実用上問題あり。 ×:トナー剥がれが著しくあり、実用上問題あり。
量を2質量部(実施例2)、7質量部(実施例3)とし
た以外は、実施例1と同様にして、電子写真用転写シー
トを作成し、評価した。
布液を、合成紙(商品名:ユポKAS120、ユポ・コ
ーポレーション社製)の片面に、乾燥後の塗布量が3g
/m2となるように塗布、乾燥して電子写真用転写シー
トを作成し、実施例1と同様にして評価した。 合成ヘクトライト粘土鉱物 12部 (商品名:ラポナイトS、Laporte Industries社製) ポリウレタンアイオノマー 8部 (商品名:LA−440A1、ヘキスト社製) オキサゾリン基含有水溶性ポリマー 7部 (商品名:エポクロスWS−500、日本触媒社製)
布液を、合成紙(商品名:ユポKAS120、ユポ・コ
ーポレーション社製)の片面に、乾燥後の塗布量が1g
/m2となるように塗布、乾燥して電子写真用転写シー
トを作成し、実施例1と同様にして評価した。 合成ヘクトライト粘土 10部 (商品名:ラポナイトS、Laporte Industries社製) カオリナイトクレー(商品名:HG−90、ヒューバー社製) 5部 ポリウレタンアイオノマー 5部 (商品名:ハイドランAP−40、大日本インキ化学工業社製) オキサゾリン基含有水溶性ポリマー 3部 (商品名:エポクロスWS−500、日本触媒社製)
を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして電子写
真用転写シートを作成し、評価した。
ション社製)を電子写真用転写シートとして用いた。
発明に係る電子写真用転写シートは、低温低湿から高温
高湿まで幅広い環境下で表面電気抵抗値が安定してお
り、トナー転写性に優れ、画像濃度も高く、高品位な画
質が得られ、しかも水による用紙の破れや変形並びにト
ナーの剥がれのない電子写真用転写シートであり、実用
上極めて有用なものである。
Claims (5)
- 【請求項1】 ポリプロピレンを主成分とする合成紙か
らなる支持体と、その少なくとも一面上に形成された受
像層とを有する電子写真用転写シートにおいて、前記受
像層の、水に対する接触角Θおよびその変化率αが下記
式(1)および(2)を満足することを特徴とする電子
写真用転写シート。 Θ1 ≧ 20° (1) α =(Θ1−Θ60)/59(°/秒)において α ≦ 0.2(°/秒) (2) なおΘ1:水を滴下1秒後の接触角 Θ60:水を滴下60秒後の接触角 である。 - 【請求項2】 ポリプロピレンを主成分とする合成紙か
らなる支持体と、その少なくとも一面上に形成された受
像層とを有する電子写真用転写シートにおいて、前記受
像層中に、合成ヘクトライト粘土鉱物と、架橋されたバ
インダーとを含有することを特徴とする電子写真用転写
シート。 - 【請求項3】 前記受像層中に、バインダーとして、ポ
リウレタンアイオノマー樹脂を含有する請求項1または
2記載の電子写真転写用シート。 - 【請求項4】 前記架橋されたバインダーが、オキサゾ
リン系架橋剤で架橋されたものである請求項2または3
記載の電子写真用転写シート。 - 【請求項5】 前記受像層表面の、温度10℃から30
℃、相対湿度30%RHから85%RHの範囲における
表面電気抵抗値が、1×106〜1×109Ωの範囲であ
る請求項1または2記載の電子写真用転写シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001353772A JP3788326B2 (ja) | 2001-11-19 | 2001-11-19 | 電子写真用転写シート |
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