JP2003155267A - 1,5−ジアミノナフタレン類の製造方法 - Google Patents

1,5−ジアミノナフタレン類の製造方法

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JP2003155267A
JP2003155267A JP2002128253A JP2002128253A JP2003155267A JP 2003155267 A JP2003155267 A JP 2003155267A JP 2002128253 A JP2002128253 A JP 2002128253A JP 2002128253 A JP2002128253 A JP 2002128253A JP 2003155267 A JP2003155267 A JP 2003155267A
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nitro
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tetralone
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JP2002128253A
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Satoru Inoki
哲 猪木
Yoshio Motoyama
吉夫 元山
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】異性体の生成を伴わず選択的に1,5-ジアミノナ
フタレンを製造することができる新ル−トを開発し、経
済性に優れた1,5-ジアミノナフタレン類の製造方法を提
供すること。 【解決手段】オルトアルキルニトロベンゼン化合物とビ
ニル化合物を塩基の存在下に反応させて芳香族ニトロ化
合物を得、該芳香族ニトロ化合物を強酸の存在下に閉環
して5−ニトロ−1−テトラロン化合物を得、該5−ニ
トロ−1−テトラロン化合物をアミン化合物と反応させ
た後に還元及び芳香化することにより1,5−ジアミノ
ナフタレン類を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は1,5-ジアミノナフタ
レン類の製造法、詳しくは、5-ニトロ-1-テトラロン類
を経由して1,5-ジアミノナフタレン類を製造する方法に
関する。本発明の方法で得られる1,5-ジアミノナフタレ
ン類は、種々の合成樹脂の原料となる化合物として有用
である。例えば、1,5-ジアミノナフタレンは、ホスゲン
等と反応させてジイソシナネートを経由してポリウレタ
ン樹脂、ジカルボン酸またはその誘導体と反応させポリ
アミド樹脂になる。
【0002】
【従来の技術】従来から、1,5-ジアミノナフタレンはナ
フタレンをニトロ化してジニトロナフタレンとし、その
後ニトロ基をアミノ基に還元して製造している。しか
し、ナフタレンのジニトロ化反応では、目的の1,5-ジニ
トロ体以外に、1,8-ジニトロ体が多量に生成する。例え
ば、特開昭51-070757号公報では、1-ニトロナフタレン
を含塩素有機溶媒中でニトロ化しているが、1,5-ジニト
ロナフタレンの収率が30%であるのに対し、1,8-ジニト
ロナフタレンの収率は65%となる。即ち、1,5-ジニトロ
体の2倍量以上の1,8-ジニトロ体が生成する。1,8-ジニ
トロナフタレンは還元すると容易に1,8-ジアミノナフタ
レンに変換でき、この化合物は、染料等の原料としての
用途がある。しかし、1,8-ジアミノナフタレンの需要が
少ない場合には、1,5-ジニトロナフタレンの生産量は低
下し、1,5-ジアミノナフタレンの入手が困難となる。
【0003】このような状況から、ナフタレンのジニト
ロ化反応において1,5-体の生成量を増やそうという試み
がなされている。例えば、WO9912887では、ナフィオン
を酸として用いて、硝酸による1-ニトロナフタレンのニ
トロ化を行っており、1,5-ジニトロナフタレンの収率が
34.1%、1,8-ジニトロナフタレンの収率が38.0%となり、
1,5-ジニトロ体の割合を高めることに成功しているが、
1,8-体の生成量が多いことには変わりない。
【0004】このように、現在採用されている製造ルー
トでは、1,5-ジニトロナフタレン以外に1,8-ジニトロ体
が多量に生成するために、異性体の生成を伴わない選択
的な1,5-ジアミノナフタレン製造方法の出現が望まれて
いた。
【0005】ナフタレンのジニトロ化・ニトロ基還元法
以外にも、1,5-ジヒドロキシナフタレンを原料にアミノ
化する方法(US5113025、特公昭59-29061号公報)、5-
ハロゲノ-1-アミノナフタレンや1,5-ジハロゲノナフタ
レンをアミノ化する方法(特開平7-278066号公報、US37
87496)、1,5-ナフタレンジスルホン酸ナトリウムをア
ミノ化する方法(日本化学会誌522(1974))等が提案さ
れている。しかし、1,5-ジヒドロキシナフタレンをクメ
ン法で製造しようとすると、その原料である1,5-ジイソ
プロピルナフタレンはその立体障害によりβ位にイソプ
ロピル基が転移しやすく、ジニトロ化・ニトロ基還元法
と同様に異性体の生成する方法であり、選択的方法とは
言い難い。ナフタレンのハロゲン化及びスルホン化も同
様に、選択性に欠ける方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の問題点
に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、異性体の生
成を伴わず選択的に1,5-ジアミノナフタレンを製造する
ことができる新ル−トを開発することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、異性体の
生成を伴わず選択的に1,5-ジアミノナフタレン類を製造
する方法を鋭意検討した結果、出発原料としてオルトア
ルキルニトロベンゼン化合物とビニル化合物を用い、中
間体として芳香族ニトロ化合物、5-ニトロ-1-テトラロ
ン化合物を経由する新規な1,5-ジアミノナフタレン類の
製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は以下の[1]〜[1
6]に記載した事項により特定される。
【0009】[1]式(1):
【0010】
【化9】
【0011】(式中、R1〜R4は、それぞれ同一または
相異なっていて水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、
炭素数6〜12の芳香族炭化水素基またはハロゲン原子
を表し、R5は水素原子を表す。)で表されるオルトア
ルキルニトロベンゼン化合物と、式(2):
【0012】
【化10】
【0013】(式中、R6、R7は、それぞれ同一または
相異なっていて水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、
またはハロゲン原子を表し、Xは電子吸引性基を表す。
また、R6とR7は、互いにシスまたはトランスに位置す
る。)で表されるビニル化合物を塩基の存在下に反応さ
せる工程を含む、式(3):
【0014】
【化11】
【0015】(式中、R1〜R7は式(1)及び式(2)
におけると同じ意味を表し、Xは電子吸引性基を表し、
式(2)におけるXと同一でも異なっていてもよい)で
表される芳香族ニトロ化合物の製造方法、[2]前記式
(2)において、Xで示される基が、CN、CO2
8(ここでR 8は、炭素数1〜7のアルキル基、シクロア
ルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、または
アラルキル基を表す)から選ばれる1つの基である、上
記[1]に記載の方法、[3]前記式(3)において、
Xで示される基が、CONH2、CN、CO2H、CO2
8(ここでR8は、炭素数1〜7のアルキル基、シクロ
アルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、また
はアラルキル基を表す)から選ばれる1つの基である、
上記[1]に記載の方法、[4]前記式(1)のオルト
アルキルニトロベンゼン化合物と式(2)のビニル化合
物とを、塩基の少なくとも一部を溶解する溶媒及び塩基
を溶解させる触媒から選ばれる少なくとも一つの存在下
に反応させる、上記[1]に記載の方法、[5]塩基の
少なくとも一部を溶解する溶媒が、環状ウレア化合物で
ある、上記[4]に記載の方法、[6]前記式(3)の
芳香族ニトロ化合物を閉環する、式(4):
【0016】
【化12】
【0017】(式中、R1〜R4およびR6〜R7は、式
(1)および式(2)におけると同じ意味を表す)で表
される5−ニトロ−1−テトラロン化合物の製造方法、
[7]前記式(4)の5−ニトロ−1−テトラロン化合
物をアミン化合物と反応させた後に還元及び芳香族化す
る工程を含む、式(5):
【0018】
【化13】
【0019】(式中、R1〜R4およびR6〜R7は、式
(1)および式(2)におけると同じ意味を表す)で表
される1,5−ジアミノナフタレン類の製造方法、
[8]前記式(4)の5−ニトロ−1−テトラロン化合
物を、前記アミン化合物としてヒドロキシルアミン化合
物と反応させ、または過酸化水素の存在下に前記アミン
化合物としてアンモニア化合物と反応させ、式(6):
【0020】
【化14】
【0021】(式中、R1〜R4およびR6〜R7は、式
(1)および式(2)におけると同じ意味を表す)で表
されるオキシム化合物を製造し、該オキシム化合物を芳
香族化して式(7):
【0022】
【化15】
【0023】(式中、R1〜R4およびR6〜R7は、式
(1)および式(2)におけると同じ意味を表す)で表
される5−ニトロ−1−アミノナフタレン類に変換し、
さらに該5−ニトロ−1−アミノナフタレン類を還元し
て前記式(5)の1,5−ジアミノナフタレン類を製造
する、上記[7]に記載の方法、[9]前記式(4)の
5−ニトロ−1−テトラロン化合物を、前記アミン化合
物としてアンモニア化合物と反応させて、式(8):
【0024】
【化16】
【0025】(式中、R1〜R4およびR6〜R7は、式
(1)および式(2)におけると同じ意味を表す)で表
されるイミン化合物を製造し、該イミン化合物を還元及
び芳香族化して前記式(5)の1,5−ジアミノナフタ
レン類を製造する、上記[7]に記載の方法、[10]
下記3工程: (i):前記式(1)のオルトアルキルニトロベンゼン
化合物と式(2)のビニル化合物を反応させる工程を含
む、式(3)の芳香族ニトロ化合物を製造する工程
(I)、(ii):該式(3)の芳香族ニトロ化合物を閉
環して前記式(4)の5−ニトロ−1−テトラロン化合
物を製造する工程(II)、(iii):該式(4)の5
−ニトロ−1−テトラロン化合物をアミン化合物と反応
させ、さらに還元及び芳香族化する工程を含む工程(I
II)、からなる前記式(5)の1,5−ジアミノナフ
タレン類の製造方法、[11]前記式(2)において、
Xで示される基が、CN、CO28(ここでR8は、炭
素数1〜7のアルキル基、シクロアルキル基、炭素数6
〜12の芳香族炭化水素基、またはアラルキル基を表
す)から選ばれる少なくとも1つの基である、上記[1
0]に記載の方法、[12]前記式(3)において、X
で示される基が、CONH2、CN、CO2H、CO28
(ここでR8は、炭素数1〜7のアルキル基、シクロア
ルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、または
アラルキル基を表す)から選ばれる1つの基である、上
記[10]に記載の方法、[13]前記式(1)のオル
トアルキルニトロベンゼン化合物と式(2)のビニル化
合物とを、塩基の少なくとも一部を溶解する溶媒及び塩
基を溶解させる触媒から選ばれる少なくとも一つの存在
下に反応させる、上記[10]または[11]に記載の
方法、[14]塩基の少なくとも一部を溶解する溶媒
が、環状ウレア化合物である、上記[13]に記載の方
法、[15]前記式(4)の5−ニトロ−1−テトラロ
ン化合物を、前記アミン化合物としてヒドロキシルアミ
ン化合物と反応させ、または過酸化水素の存在下に前記
アミン化合物としてアンモニア化合物と反応させ、式
(6)で表されるオキシム化合物を製造し、該オキシム
化合物を芳香族化して式(7)で表される5−ニトロ−
1−アミノナフタレン類に変換し、さらに該5−ニトロ
−1−アミノナフタレン類を還元して前記式(5)の
1,5−ジアミノナフタレン類を製造する、上記[1
0]乃至[14]のいずれか1項に記載の方法、[1
6]前記式(4)の5−ニトロ−1−テトラロン化合物
を、前記アミン化合物としてアンモニア化合物と反応さ
せて、式(8)で表されるイミン化合物を製造し、該イ
ミン化合物を還元及び芳香族化して前記式(5)の1,
5−ジアミノナフタレン類を製造する、上記[10]乃
至[14]のいずれか1項に記載の方法。
【0026】上述のオルトアルキルニトロベンゼン化合
物とビニル化合物を原料として、中間体として芳香族ニ
トロ化合物、5-ニトロ-1-テトラロン化合物を経由して
対応する1,5ジアミノナフタレン化合物を製造する方法
によって、本発明では異性体の生成を伴わずに選択的に
1,5-ジアミノナフタレン類を製造することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】まず、オルトアルキルニトロベン
ゼン化合物とビニル化合物を反応させて芳香族ニトロ化
合物を製造する反応について述べる。
【0028】本発明に於いて、式(1)中、R1〜R4
それぞれ同一または相異なっていて水素原子、炭素数1
〜4のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基
またはハロゲン原子を表し、R5は水素原子を表す。
【0029】本発明に於いて、式(2)中、R6、R7
それぞれ同一または相異なっていて水素原子、炭素数1
〜4のアルキル基またはハロゲン原子を表し、Xは電子
吸引性基を表す。また、R6とR7は互いにシスまたはト
ランスに位置する。
【0030】R1〜R4およびR6、R7のアルキル基とし
ては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピ
ル基、n-ブチル基、i-ブチル基、あるいは、t-ブチル基
等が挙げられる。
【0031】R1〜R4の芳香族炭化水素基としては、フ
ェニル基、トリル基、キシリル基等が挙げられる。
【0032】R1〜R4およびR6、R7のハロゲン原子と
しては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、あるいはヨ
ウ素原子等が挙げられる。
【0033】式(2)に於いてXがCO28である場合
のR8は、炭素数1〜7のアルキル基、シクロアルキル
基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基またはアラルキ
ル基を意味する。炭素数1〜7のアルキル基としては、
メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、
n-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル
基、n-ヘキシル基等が挙げられる。シクロアルキル基
としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙
げられる。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ト
リル基、キシリル基等が挙げられる。アラルキル基とし
ては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
【0034】本発明に於いて、式(1)で表されるオル
トアルキルニトロベンゼン化合物を例示すると、2-メチ
ルニトロベンゼン、2-メチル-6-イソプロピルニトロベ
ンゼン、2-メチル-5-t-ブチルニトロベンゼン、2,4
-ジメチルニトロベンゼン、2-メチル-4-クロロニトロ
ベンゼン、2-エチルニトロベンゼン、2-ベンジルニトロ
ベンゼン等である。
【0035】本発明に於いて、式(2)で表されるビニ
ル化合物の電子吸引性基Xは、好ましくはCN、CO2
8(ここでR8は炭素数1〜7のアルキル基、シクロア
ルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基またはア
ラルキル基を表す)から選ばれる一つの基である。Xが
CNであるアクリロニトリル化合物を例示すると、アク
リロニトリル、メタクリロニトリル、クロトノニトリ
ル、2-クロロアクリロニトリル、3-クロロアクリロニ
トリル、3-エチルアクリロニトリル等である。XがC
28であるアクリル酸エステル化合物を例示すると、
アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステ
ル、アクリル酸イソプロピルエステル、アクリル酸t-
ブチルエステル、メタクリル酸メチルエステル、クロト
ン酸メチルエステル、2-クロロアクリル酸メチルエス
テル、3-クロロアクリル酸メチルエステル、3-クロロ
アクリル酸イソプロピルエステル等である。
【0036】式(3)で示される化合物のXがニトリル
基であるニトロベンゼンニトリル化合物を例示すると、
4-(2-ニトロベンゼン)ブタノニトリル、4-(2-ニトロベ
ンゼン)-2-メチルブタノニトリル、4-(2-ニトロベンゼ
ン)-3-メチルブタノニトリル、4-(2-ニトロベンゼン)-3
-エチルブタノニトリル、4-(2-ニトロベンゼン)-3-クロ
ロブタノニトリル、4-(2-ニトロベンゼン)-n-ヘプタノ
ニトリル、4-(2-ニトロ-3-イソプロピルベンゼン) ブタ
ノニトリル、4-(2-ニトロ-3-ブチルベンゼン)ブタノニ
トリル、4-(2-ニトロ-4-t-ブチルベンゼン) ブタノニト
リル、4-(2-ニトロ-5-メチルベンゼン) ブタノニトリ
ル、4-(2-ニトロ-3-メチルベンゼン)-2-メチルブタノニ
トリル等である。特に、4-(2-ニトロベンゼン)ブタノニ
トリルは用途の多い5-ニトロ-1-テトラロンに変換でき
ることから好ましい。
【0037】式(3)で示される化合物のXがカルボキ
シル基であるニトロベンゼンカルボン酸化合物を例示す
ると、4-(2-ニトロベンゼン)酪酸、4-(2-ニトロベンゼ
ン)-2-メチル酪酸、4-(2-ニトロベンゼン)-3-メチル酪
酸、4-(2-ニトロベンゼン)-3-エチル酪酸、4-(2-ニトロ
ベンゼン)-3-クロロ酪酸、4-(2-ニトロ-3-イソプロピル
ベンゼン) 酪酸、4-(2-ニトロ-3-ブチルベンゼン) 酪
酸、4-(2-ニトロ-4-t-ブチルベンゼン) 酪酸、4-(2-ニ
トロ-5-メチルベンゼン) 酪酸、4-(2-ニトロ-5-メチル
ベンゼン) 酪酸、4-(2-ニトロ-3-メチルベンゼン)-2-メ
チル酪酸等である。特に、4-(2-ニトロベンゼン)酪酸は
用途の多い5-ニトロ-1-テトラロンに変換できることか
ら好ましい。
【0038】式(3)で示される化合物のXがCO28
であるニトロベンゼンカルボン酸エステル化合物を例示
すると、4-(2-ニトロベンゼン)酪酸メチルエステル、4-
(2-ニトロベンゼン)-2-メチル酪酸メチルエステル、4-
(2-ニトロベンゼン)-3-メチル酪酸メチルエステル、4-
(2-ニトロベンゼン)-3-エチル酪酸メチルエステル、4-
(2-ニトロベンゼン)-3-クロロ酪酸メチルエステル、4-
(2-ニトロ-3-イソプロピルベンゼン) 酪酸メチルエステ
ル、4-(2-ニトロ-3-ブチルベンゼン) 酪酸メチルエステ
ル、4-(2-ニトロ-4-t-ブチルベンゼン) 酪酸メチルエス
テル、4-(2-ニトロ-5-メチルベンゼン) 酪酸メチルエス
テル、4-(2-ニトロ-3-メチルベンゼン)-2-メチル酪酸メ
チルエステル、4-(2-ニトロベンゼン)酪酸エチルエステ
ル、4-(2-ニトロベンゼン)-2-メチル酪酸エチルエステ
ル、4-(2-ニトロベンゼン)-3-メチル酪酸エチルエステ
ル、4-(2-ニトロベンゼン)-3-エチル酪酸エチルエステ
ル、4-(2-ニトロベンゼン)-3-クロロ酪酸エチルエステ
ル、4-(2-ニトロ-3-イソプロピルベンゼン) 酪酸エチル
エステル、4-(2-ニトロ-3-ブチルベンゼン) 酪酸エチル
エステル、4-(2-ニトロ-4-t-ブチルベンゼン) 酪酸エチ
ルエステル、4-(2-ニトロ-5-メチルベンゼン) 酪酸エチ
ルエステル、4-(2-ニトロ-3-メチルベンゼン)-2-メチル
酪酸エチルエステル、4-(2-ニトロベンゼン)酪酸シクロ
ヘキシルエステル、4-(2-ニトロベンゼン)酪酸フェニル
エステル、4-(2-ニトロベンゼン)酪酸ベンジルエステル
等である。特に、4-(2-ニトロベンゼン)酪酸メチルエス
テルやエチルエステルは用途の多い5-ニトロ-1-テトラ
ロンに容易に変換できることから好ましい。
【0039】式(3)で示される化合物のXがCONH
2であるニトロベンゼンカルボン酸アミド化合物を例示
すると、4-(2-ニトロベンゼン)酪酸アミド、4-(2-ニト
ロベンゼン)-2-メチル酪酸アミド、4-(2-ニトロベンゼ
ン)-3-メチル酪酸アミド、4-(2-ニトロベンゼン)-3-エ
チル酪酸アミド、4-(2-ニトロベンゼン)-3-クロロ酪酸
アミド、4-(2-ニトロベンゼン)-ヘプタン酸アミド、4-
(2-ニトロ-3-イソプロピルベンゼン) 酪酸アミド、4-(2
-ニトロ-3-ブチルベンゼン) 酪酸アミド、4-(2-ニトロ-
4-t-ブチルベンゼン) 酪酸アミド、4-(2-ニトロ-5-メチ
ルベンゼン) 酪酸アミド、4-(2-ニトロ-5-メチルベンゼ
ン)酪酸アミド、4-(2-ニトロ-3-メチルベンゼン)-2-メ
チル酪酸アミド、4-(2-ニトロ-5-メチルベンゼン)-吉草
酸アミド等である。特に、4-(2-ニトロベンゼン)酪酸ア
ミドは、用途の多い5-ニトロ-1-テトラロンに変換でき
ることから好ましい。尚、式(1)〜(3)で示される
化合物は上述の例示化合物に限定されるものではない。
【0040】尚、式(3)で示される化合物のXがCO
NH2であるニトロベンゼンカルボン酸アミド化合物
は、式(3)で示される化合物のXがニトリル基である
ニトロベンゼンニトリル化合物を酸性条件下で水と反応
させて得ることができる。ニトロベンゼンニトリル化合
物を酸性条件下で水と反応させる場合に用いる酸化合物
としては、ニトリル基にプロトンが付加する酸で有れ
ば、どのような酸を使用してもかまわない。硫酸、p-ト
ルエンスルホン酸、クロロスルホン酸、トリフルオロメ
タンスルホン酸等のスルホン酸化合物が例示されるが、
硫酸が安価であり、入手も容易なので好ましい。使用す
る酸の量はニトロベンゼンニトリル化合物に対して、1
当量以上必要である。前記反応は、まずニトロベンゼン
ニトリル化合物を無水条件下で酸と接触させることによ
り行う。接触温度及び接触時間は、酸の種類及び量によ
って異なるが、例えば、硫酸を20当量使用する場合に
は、100℃、4時間の処理でほぼ終了する。この際溶
媒を使用してもかまわないが、反応に不活性なものを使
用する。反応圧力は反応温度を保持できれば、常圧、加
圧、減圧のいずれでもかまわない。
【0041】この後、酸とニトロベンゼンニトリル化合
物の混合物に水を反応させると、ニトロベンゼンカルボ
ン酸アミドを得ることが出来る。使用する水の量は、ニ
トロベンゼンニトリル化合物に対して、1当量以上必要
である。反応温度は酸の種類により異なるが、低温の方
が有利である。ここで、温度が高いと、ニトロベンゼン
カルボン酸アミド化合物が更に、ニトロベンゼンカルボ
ン酸化合物にまで加水分解される。反応温度は、50〜
200℃、好ましくは50〜150℃の範囲である。ま
た、反応時間は極めて短く、5分以下で充分である。反
応時間が長いと、反応温度が高いときと同様に、ニトロ
ベンゼンカルボン酸化合物まで加水分解される。このよ
うに、反応温度と反応時間については充分に注意が必要
である。また、水に塩基性化合物を添加してもよい。塩
基性化合物を含んだ水を加えても良いし、水を加えた後
塩基性化合物または、塩基性化合物を含んだ水を加えて
も良い。塩基性化合物を添加しているときには、反応温
度を高めたり、反応時間を長くしてもニトロベンゼンカ
ルボン酸化合物への加水分解を抑えることができる。
【0042】ニトロベンゼンカルボン酸アミド化合物
は、その融点が高い場合、あるいは結晶性がよい場合に
は、水と反応させた時点で結晶が得られる。結晶は、水
で洗浄して酸、塩、及び/または、塩基性化合物を洗い
流す。必要に応じ、再結晶等の精製処理を行う。融点が
低く、水と反応させても、結晶で得られない場合には、
抽出操作を行い、その後、定法に従い濃縮した後、蒸
留、再結晶などにより、単離することが出来る。これら
処理、反応は、液相で実施することが好ましく、また、
回分式で行っても良く、連続的に行っても良い。
【0043】尚又、このニトロベンゼンカルボン酸アミ
ド化合物は、式(3)で示される化合物のXがカルボキ
シル基であるニトロベンゼンカルボン酸化合物および/
またはその誘導体化合物(エステルまたは酸ハロゲン化
物)をアンモニアと反応させることにより得ることがで
きる。
【0044】ニトロベンゼンカルボン酸化合物をそのま
まアンモニアと反応させる際には、脱水剤として作用す
る化合物を添加しても良いし、DCCなどの縮合剤を利
用してもかまわない。縮合剤を添加しない反応では、加
熱する必要がある。反応は液相で行っても気相で行って
もかまわないが、液相で行う方が容積効率の点から好ま
しい。溶媒は使用しなくても良いが、オートクレーブを
用いて、アンモニアを液化して溶媒としても良いし、反
応に不活性な溶媒を添加してもかまわない。反応温度、
反応時間は添加する脱水剤、縮合剤の種類により異な
る。反応圧力は常圧以上であることが好ましい。
【0045】ニトロベンゼンカルボン酸化合物のエステ
ル化合物をアンモニアと反応させる場合には、触媒を添
加しても良い。触媒を添加しない場合には、加熱する必
要がある。反応は液相で行っても気相で行ってもかまわ
ないが、液相で行う方が容積効率の点から好ましい。溶
媒は使用しなくても良いが、オートクレーブを用いて、
アンモニアを液化させて溶媒としても良いし、反応に不
活性な溶媒を添加してもかまわない。反応温度、反応時
間は添加する触媒の種類により異なる。反応圧力は常圧
以上であることが好ましい。
【0046】ニトロベンゼンカルボン酸化合物の酸ハロ
ゲン化物をアンモニアと反応させる際には、触媒を添加
しても良いし、脱塩剤を添加しても良いし、過剰のアン
モニアを使用してアンモニア自体を脱塩剤として使用し
ても良い。反応は液相で行っても気相で行ってもかまわ
ないが、液相で行う方が容積効率の点から好ましい。溶
媒は使用しなくても良いが、オートクレーブを用いて、
アンモニアを液化して溶媒としても良いし、反応に不活
性な溶媒を添加してもかまわない。反応温度、反応時間
は添加する触媒、脱塩剤の種類により異なる。反応圧力
は常圧以上であることが好ましい。
【0047】これらの反応は回分式で行っても良く、連
続的に行っても良い。
【0048】本発明の式(1)のオルトアルキルニトロ
ベンゼン化合物と式(2)のビニル化合物との反応は塩
基の存在下で行われ、好ましくは強塩基を用いて行われ
る。強塩基としては、NaOH、KOH、LiOH、Na2CO3、K2C
O3、CH3ONa、t-BuOK、NaH、C6H 5ONa、(CH3)4N+OH-、(B
u)4N+OH-、DBU、塩基性イオン交換樹脂等の固体塩基等
が用いられ、特に好ましい塩基としてNaOHやKOHが例示
される。
【0049】用いる塩基を少なくとも一部溶解させる溶
媒としては、1、3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、1、3-
ジエチル-2-イミダゾリジノン、1、3-ジプロピル-2-イミ
ダゾリジノン、1、3-ジブチル-2-イミダゾリジノン等の
環状ウレア化合物;ホルムアミド、N-メチルホルムア
ミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルアセト
アミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ヘキサメチル
ホスホルアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド;
スルホラン;ピリジン;モルホリン;テトラヒドロフラ
ン、1,4-ジオキサン等のエーテル類;アセトニトリ
ル、プロピオニトリル等のニトリル類;メタノール、エ
タノール、イソプロパノール等の低級アルコール類等が
用いられる。これらの溶媒は塩基の溶解度を高めるため
に、水と混合したり、数種類の溶媒を混合して用いても
良い。また、塩基を溶解させることが出来る触媒を用い
る際には反応に不活性な溶媒であれば、どの様なものも
使用することが出来る。好ましい溶媒として1,3-ジ
メチル-2-イミダゾリジノンと水の混合物が例示され
る。塩基を溶解させる触媒としては、相間移動触媒が例
示される。相間移動触媒としては、セチルトリメチルア
ンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムクロラ
イド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチ
ルアンモニウムヒドロキシドなどが例示される。
【0050】本発明の式(1)のオルトアルキルニトロ
ベンゼン化合物と式(2)のビニル化合物を反応させる
場合、使用する原料のモル比は、(2)のXがニトリル
基であるニトロベンゼンニトリル化合物の合成では、塩
基/オルトアルキルニトロベンゼン化合物/アクリロニ
トリル化合物=0.01〜1.0/1/0.1〜5であ
り、(2)のXがCO28であるニトロベンゼンカルボ
ン酸エステル化合物の合成では、塩基/オルトアルキル
ニトロベンゼン化合物/アクリル酸エステル化合物=
0.01〜1.0/1/0.1〜10が好ましい。
【0051】本発明の式(1)のオルトアルキルニトロ
ベンゼン化合物と式(2)のビニル化合物を反応させる
場合の塩基の少なくとも一部を溶解する溶媒の使用量は
オルトアルキルニトロベンゼン化合物に対し、0.1〜
20質量倍、好ましくは0.5〜20質量倍であり、塩
基を溶解させる触媒の量は、オルトアルキルニトロベン
ゼン化合物に対し、0.1〜10モル%使用すればよ
い。
【0052】本発明の式(1)のオルトアルキルニトロ
ベンゼン化合物と式(2)のビニル化合物を反応させる
場合の反応温度は、用いる塩基や溶媒によって異なる
が、オルトアルキルニトロベンゼン化合物が分解する温
度以下で実施する必要があり、150℃以下が好まし
い。反応時間は、通常、1分〜6時間の範囲で行うこと
ができる。
【0053】本発明の式(1)のオルトアルキルニトロ
ベンゼン化合物と式(2)のビニル化合物を反応させる
場合の反応圧力は、原料及び溶媒が系外に除去されない
条件であれば常圧、加圧、減圧のいずれでもかまわない
が、通常、常圧で行うことができる。
【0054】反応は窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気
下、または酸素が存在しない条件で実施することが好ま
しい。
【0055】式(2)においてXがCO28であるアク
リル酸エステル化合物を原料に用い、溶媒に水が混合し
ている場合には、反応生成物中にはニトロベンゼンカル
ボン酸化合物が含まれる。
【0056】また、反応は回分でも連続でも実施でき
る。反応で得られた反応混合物は、氷水中に注いで反応
を停止させ、酸でpHが6〜7になるまで中和し、有機
溶媒で油水分離した後、有機溶媒を除去すると、目的と
する4-(2-ニトロベンゼン)カルボン酸エステル化合物を
含有する粘調な液体が得られる。
【0057】ここで使用する抽出溶媒としてはイソプロ
ピルエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル、二硫化炭素、
四塩化炭素、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテ
ル、トルエン、キシレン、クロロホルム,ジクロロメタ
ン、1,2-ジクロロエタン、トリクロロエチレン、1,2-ジ
クロロベンゼン、クロロベンゼン、ベンゾニトリル、ニ
トロメタン、ニトロベンゼン、アニソール、ジエチレン
グリコールジメチルエーテルなどが例示され、目的とす
る化合物を溶解し、水と分離し、油水分離条件下で安定
であって、沸点等の物性値が好ましい範囲内のものであ
れば上述のもの以外でも使用することができる。得られ
た粘調な液体をカラムクロマト又は減圧蒸留することに
より、高純度なニトロベンゼンニトリル化合物あるいは
ニトロベンゼンカルボン酸化合物あるいはニトロベンゼ
ンカルボン酸エステル化合物が得られる。ニトロベンゼ
ンカルボン酸化合物とニトロベンゼンカルボン酸エステ
ル化合物が混合物である場合はカラムクロマトや蒸留に
よってそれぞれを分別回収しても良いし、両者の混合物
をエステル化あるいは加水分解してカルボン酸をエステ
ルに、また、エステルをカルボン酸に変換して回収して
も良い。これらの化合物はその融点が高いあるいは結晶
性が良い場合には再結晶又はカラムクロマトで、融点が
低いあるいは結晶性が悪く、熱安定性が良い場合には減
圧蒸留又はカラムクロマトによって回収、精製すること
ができる。
【0058】式(3)で示される芳香族ニトロ化合物を
例示すると、4-(2-ニトロベンゼン)ブタノニトリル、4-
(2-ニトロベンゼン)-2-メチルブタノニトリル、4-(2-ニ
トロベンゼン)-3-メチルブタノニトリル、4-(2-ニトロ
ベンゼン)-3-エチルブタノニトリル、4-(2-ニトロベン
ゼン)-3-クロロブタノニトリル、4-(2-ニトロ-3-イソプ
ロピルベンゼン) ブタノニトリル、4-(2-ニトロ-3-ブチ
ルベンゼン) ブタノニトリル、4-(2-ニトロ-4-t-ブチル
ベンゼン) ブタノニトリル、4-(2-ニトロ-5-メチルベン
ゼン) ブタノニトリル、4-(2-ニトロ-3-メチルベンゼ
ン)-2-メチルブタノニトリル、4-(2-ニトロ-5-イソプロ
ピルベンゼン)ブタノニトリル、4-(2-ニトロ-5-クロロ
ベンゼン)ブタノニトリル、4-(2-ニトロベンゼン)酪
酸、4-(2-ニトロベンゼン)-2-メチル酪酸、4-(2-ニトロ
ベンゼン)-3-メチル酪酸、4-(2-ニトロベンゼン)-3-エ
チル酪酸、4-(2-ニトロ-5-イソプロピルベンゼン)酪
酸、4-(2-ニトロ-5-クロロベンゼン)酪酸、4-(2-ニトロ
ベンゼン)-3-クロロ酪酸、4-(2-ニトロ-3-イソプロピル
ベンゼン) 酪酸、4-(2-ニトロ-3-ブチルベンゼン) 酪
酸、4-(2-ニトロ-4-t-ブチルベンゼン) 酪酸、4-(2-ニ
トロ-5-メチルベンゼン) 酪酸、4-(2-ニトロ-3-メチル
ベンゼン)-2-メチル酪酸、4-(2-ニトロベンゼン)酪酸メ
チルエステル、4-(2-ニトロベンゼン)-2-メチル酪酸メ
チルエステル、4-(2-ニトロベンゼン)-3-メチル酪酸メ
チルエステル、4-(2-ニトロベンゼン)-3-エチル酪酸メ
チルエステル、4-(2-ニトロベンゼン)-3-クロロ酪酸メ
チルエステル、4-(2-ニトロ-3-イソプロピルベンゼン)
酪酸メチルエステル、4-(2-ニトロ-3-ブチルベンゼン)
酪酸メチルエステル、4-(2-ニトロ-4-t-ブチルベンゼ
ン) 酪酸メチルエステル、4-(2-ニトロ-5-メチルベンゼ
ン) 酪酸メチルエステル、4-(2-ニトロ-3-メチルベンゼ
ン)-2-メチル酪酸メチルエステル、4-(2-ニトロ-5-イソ
プロピルベンゼン)酪酸メチルエステル、4-(2-ニトロ-5
-クロロベンゼン)酪酸メチルエステル、4-(2-ニトロベ
ンゼン)酪酸エチルエステル、4-(2-ニトロベンゼン)-2-
メチル酪酸エチルエステル、4-(2-ニトロベンゼン)-3-
メチル酪酸エチルエステル、4-(2-ニトロベンゼン)-3-
エチル酪酸エチルエステル、4-(2-ニトロベンゼン)-3-
クロロ酪酸エチルエステル、4-(2-ニトロベンゼン)酪酸
エチルエステル、4-(2-ニトロ-3-イソプロピルベンゼ
ン) 酪酸エチルエステル、4-(2-ニトロ-3-ブチルベンゼ
ン) 酪酸エチルエステル、4-(2-ニトロ-4-t-ブチルベン
ゼン) 酪酸エチルエステル、4-(2-ニトロ-5-メチルベン
ゼン) 酪酸エチルエステル、4-(2-ニトロ-3-メチルベン
ゼン)-2-メチル酪酸エチルエステル、4-(2-ニトロ-5-イ
ソプロピルベンゼン)酪酸エチルエステル、4-(2-ニトロ
-5-クロロベンゼン)酪酸エチルエステル、4-(2-ニトロ
ベンゼン)酪酸シクロヘキシルエステル、4-(2-ニトロベ
ンゼン)酪酸フェニルエステル、4-(2-ニトロベンゼン)
酪酸ベンジルエステル、4-(2-ニトロベンゼン)酪酸アミ
ド、4-(2-ニトロベンゼン)-2-メチル酪酸アミド、4-(2-
ニトロベンゼン)-3-メチル酪酸アミド、4-(2-ニトロベ
ンゼン)-3-エチル酪酸アミド、4-(2-ニトロ-5-イソプロ
ピルベンゼン)酪酸アミド、4-(2-ニトロ-5-クロロベン
ゼン)酪酸アミド、4-(2-ニトロベンゼン)-3-クロロ酪酸
アミド、4-(2-ニトロ-3-イソプロピルベンゼン) 酪酸ア
ミド、4-(2-ニトロ-3-ブチルベンゼン)酪酸アミド、4-
(2-ニトロ-4-t-ブチルベンゼン) 酪酸アミド、4-(2-ニ
トロ-5-メチルベンゼン) 酪酸アミド、4-(2-ニトロ-3-
メチルベンゼン)-2-メチル酪酸アミド等である。特に、
4-(2-ニトロベンゼン)ブタノニトリル、4-(2-ニトロベ
ンゼン)酪酸および4-(2-ニトロベンゼン)酪酸メチルエ
ステルや4-(2-ニトロベンゼン)酪酸エチルエステル、4-
(2-ニトロベンゼン)酪酸アミドは用途の多い5-ニトロ-1
-テトラロンに容易に変換できることから好ましい。
【0059】次に本発明の閉環反応について述べる。
【0060】式(3)で示される芳香族ニトロ化合物
の、式(4)で示される5-ニトロ-1-テトラロン化合物
への閉環反応は通常酸触媒を用いて行なわれる。かかる
酸としては硫酸、ポリリン酸等の強酸、発煙硫酸、クロ
ルスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、フルオ
ロスルホン酸等の超強酸、フルオロスルホン酸やクロル
スルホン酸に少量のSO3やSbF5等のルイス酸を添加した
超強酸等が用いられる。また、硫酸化ジルコニアあるい
は硫酸化錫オキサイドのような固体超強酸なども例示さ
れる。酸の使用量は、式(3)に示す基質に対し、一当
量以上が使用される。環化反応はこのような酸中で行っ
ても良いし、酸に不活性な溶媒を使用してもよい。
【0061】反応温度は20℃〜200℃、好ましくは
50〜150℃がよい。反応時間は5分〜15時間、好
ましくは20分〜10時間がよい。
【0062】反応圧力は常圧下、加圧下あるいは反応温
度が維持できれば減圧下でも実施することが出来る。
【0063】反応は回分でも連続的に実施してもよい。
【0064】反応で得られた反応混合物に水を加え、有
機溶媒で油水分離した後、有機層を水で洗浄した後、有
機溶媒を除去すると、粗5-ニトロ-1-テトラロン化合物
が得られる。水を加える前に酸を蒸留で回収してもよ
い。蒸留で回収した酸は繰り返し環化反応に用いること
が出来る。超強酸を過剰に用いた場合は、反応混合物か
ら蒸留等で超強酸を除いた後、水を加えることが好まし
い。また、強酸に水を加える際には発熱するため、冷却
しながら加えることが好ましい。 また、ここで使用し
た酸は環化反応によりテトラロンと共に生成する水やメ
タノ−ルによって希釈又は分解される(ここで得られる
酸を、以下、廃酸という)。例えば、反応でフルオロス
ルホン酸を用いた場合には、水やメタノールにより分解
されて、HFと硫酸などになる。このようにして生成し
た廃酸は、式(1)のオルトアルキルニトロベンゼン化
合物と式(2)のビニル化合物の反応の際に使用した塩
基を中和処理するために使用することができる。
【0065】ここで使用する有機溶媒はイソプロピルエ
ーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル、二硫化炭素、四塩化
炭素、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル、トル
エン、キシレン、クロロホルム,ジクロロメタン、1,2-
ジクロロエタン、トリクロロエチレン、o-ジクロロベン
ゼン、クロロベンゼン、ベンゾニトリル、ニトロメタ
ン、ニトロベンゼン、アニソール、ジエチレングリコー
ルジメチルエーテルが挙げられ、イソプロピルエーテ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチルが特に好ましい。目的とす
る化合物を溶解し、水と分離し、油水分離条件下で安定
であって、沸点等の物性値が好ましい範囲内のものであ
れば上述のもの以外でも使用することができる。
【0066】尚、式(3)で示される芳香族ニトロ化合
物がニトロベンゼンカルボン酸アミドである場合、式
(4)で示される5-ニトロ-1-テトラロン化合物への閉
環反応は、脱水剤と接触させることによっても行うこと
ができる。脱水剤としては、酸性の脱水剤が好ましく使
用することが出来、例えば、ポリリン酸、酸化リンが例
示される。脱水剤は単独で使用することも出来るが、前
記強酸化合物と組み合わせて使用しても良い。反応温
度、反応時間は酸や脱水剤の種類により異なるが、温度
が高すぎると、反応生成物が分解するために好ましくな
いので、200℃以下で行う必要がある。反応圧力は反
応温度を保持できれば、常圧、加圧、減圧を問わない。
反応溶媒は使用しても良いが、反応に不活性であり、水
含量の少ないものが好ましい。反応は液相で行うことが
好ましく、回分式で行っても良く、連続的に行っても良
い。
【0067】粗5-ニトロ-1-テトラロン化合物はその融
点が高いか、あるいは結晶性が良い場合には再結晶で、
また、その融点が低いか、あるいは結晶性が劣る場合に
は蒸留により精製できる。
【0068】式(4)で示される5-ニトロ-1-テトラロ
ン化合物を例示すると、5-ニトロ-1-テトラロン、5-ニ
トロ-2-メチル-1-テトラロン、5-ニトロ-3-メチル-1-テ
トラロン、5-ニトロ-3-エチル-1-テトラロン、5-ニトロ
-3-クロロ-1-テトラロン、5-ニトロ-4-n-プロピル-1-テ
トラロン、5-ニトロ-6-イソプロピル-1-テトラロン、5-
ニトロ-6-n-ブチル-1-テトラロン、5-ニトロ-7-t-ブチ
ル-1-テトラロン、5-ニトロ-8-メチル-1-テトラロン、5
-ニトロ-8-クロロ-1-テトラロン、5-ニトロ-2,6-ジメチ
ル-1-テトラロン、5-ニトロ-4,8-ジメチル-1-テトラロ
ン、5-ニトロ-8-イソプロピル-1-テトラロン等である。
特に、5-ニトロ-1-テトラロンは、1,5-ジアミノナフタ
レンに変換できることから好ましい。
【0069】次に本発明の1,5−ジアミノナフタレン
への転換反応について述べる。
【0070】式(4)で示される5-ニトロ-1-テトラロ
ン化合物は、次に、1)オキシム化反応と、それに引き
続く5-ニトロ-1-アミノナフタレンへの変換反応および
ニトロ基の還元反応によるルート、2)イミン化反応
と、それに引き続く芳香族化・ニトロ基の還元反応によ
るルートのいずれかによる製造ルートで、目的物である
1,5-ジアミノナフタレン類に変換される。
【0071】5-ニトロ-1-テトラロン類のオキシム化反
応は通常のオキシム化反応で行うことが出来る。オキシ
ム化剤としては、ヒドロキシルアミン、あるいは、ヒド
ロキシルアミンの塩を用いることが出来る。ヒドロキシ
ルアミンの塩としては、塩酸ヒドロキシルアミン、硫酸
ヒドロキシルアミンを例示することが出来る。ヒドロキ
シルアミンは、これらの塩を塩基性化合物で中和しても
良いし、アンモニアと過酸化水素などの過酸化物を反応
させて得ても良い。また、ヒドロキシルアミンは、蒸留
等により単離しても良いし、抽出して用いても良いし、
そのまま使用しても良い。
【0072】オキシム化の反応溶媒は、反応に不活性な
溶媒で有れば、どのような溶媒でも使用することが出来
る。アルコール系溶媒や酢酸等の酸性化合物を含んだア
ルコール系溶媒が例示される。
【0073】反応温度は、20℃からヒドロキシルアミ
ンあるいはその塩が分解する温度以下の範囲で良い。通
常、20〜150℃、好ましくは、50〜120℃の範
囲である。
【0074】圧力は、常圧で行うことが出来るが、加
圧、あるいは減圧でも反応温度が保持できればかまわな
い。
【0075】反応時間は、1分以上である。生成物は、
蒸留、再結晶、再沈殿、カラムクロマトグラム等により
単離してもかまわないし、反応溶媒を一部留去しても良
いし、反応溶媒が次工程で不活性で有ればそのまま濃縮
・単離しなくても良い。
【0076】オキシム体の5-ニトロ-1-アミノナフタレ
ンへの変換では、オキシム基(=NOH)のN−O結合を
脱水型反応で切断できるような試剤を使用することが出
来る。例えば、オキシム体を酢酸溶媒中で、塩化水素酸
を共存させて加熱することにより、目的の5-ニトロ-1-
アミノナフタレンを塩酸塩で得ることが出来る。反応温
度、反応時間は、用いる反応試剤により異なるが、前述
したように、オキシム基のN−O結合を脱水型反応で切
断できる条件で有ればよい。反応温度は、通常、50〜
250℃、好ましくは、50〜200℃の範囲である。
OH基の脱離を容易にするために、オキシム基のOHを無水
酢酸等でOCOCH3基にする等、脱離が容易な官能基に変換
しても良い。反応圧力は、常圧でも良いし、加圧でもか
まわない。脱水型試剤がガス状物質である場合には、常
圧で流通することもできるが、加圧して封じ込める方が
有利である。
【0077】オキシム化に引き続き、5-ニトロ-1-アミ
ノナフタレンへの変換を行うが、この反応を1段で行っ
ても良い。
【0078】ニトロ基のアミノ基への還元には、ニトロ
ベンゼン類をアニリン類に変換する方法をそのまま使用
することが出来るが、水添触媒を用いて、水素で還元す
る方法が最も経済的な方法である。水添触媒としては、
ラネーNi、ラネーCoなどのラネー金属やPd/C、
Pt/アルミナなどの白金属の触媒を用いることが出来
る。反応は気相、液相のどちらで行ってもかまわない。
液相反応で用いる溶媒は、反応に不活性な溶媒であれ
ば、どのようなものでも使用することが出来る。好まし
い溶媒として、アルコール類やアミド類の溶媒をあげる
ことが出来る。反応温度は、常温ないし150℃、好ま
しくは50ないし100℃の範囲である。反応圧は常圧
以上であれば良いが、水素圧が高すぎるとナフタレン環
の水添が生じることがある。
【0079】また、オキシム化、アミノナフタレン化、
ニトロ基の還元の全ての反応は、回分式で行っても良
く、連続的に反応を行っても良い。
【0080】一方、5-ニトロ-1-テトラロンからオキシ
ムを経由しないで、イミンを経由する方法でも1,5-ジア
ミノナフタレンに変換することもできる。
【0081】5-ニトロ-1-テトラロンのイミン化は、過
剰量のアンモニア、および/またはアンモニアの塩化合
物と反応させることにより行うことが出来る。この際、
脱水剤を添加して行っても良い。反応は常圧、加圧のど
ちらでも実施すること出来るが、アンモニアを使用する
場合は、反応は加圧条件下に行うことが好ましい。
【0082】イミン化後に行うテトラリン環の芳香族化
とニトロ基の還元は、水添触媒、例えば、ラネーNi、
ラネーCoなどのラネー金属やPd/C、Pt/アルミ
ナなどの白金属の触媒を用いて、水素移動を伴って進行
させることが出来る。更に、一部残ったニトロ基やニト
ロソ基を還元するために、水素を共存させて水添する事
が出来る。テトラリン環の芳香族化とニトロ基の還元を
一段で行ってもかまわない。すなわち、水素の共存下
に、水添触媒を用いて、イミン化合物を1,5-ジアミノナ
フタレン類に転換することも出来る。
【0083】また、アンモニアおよび/またはアンモニ
アの塩化合物の存在下、水素を共存させ、水添触媒を用
いて、5-ニトロ-1-テトラロン類を1,5-ジアミノナフタ
レン類に転換することも出来る。
【0084】これらイミン化、芳香族化、ニトロ基還元
の全ての反応は、気相、液相のどちらで実施しても良い
し、また、回分式で行っても良く、連続的に反応を行っ
ても良い。
【0085】本発明での生成物である1,5-ジアミノナフ
タレン類とは、一般式(5)で示される化合物を意味す
る。ここで、R1〜R4およびR6〜R7は、式(1)および式
(2)で定義したとおりである。
【0086】本発明で用いる1,5-ジアミノナフタレン類
を例示すると、1,5-ジアミノナフタレン、2-メチル-1,5
-ジアミノナフタレン、3-メチル-1,5-ジアミノナフタレ
ン、3-エチル-1,5-ジアミノナフタレン、3-クロロ-1,5-
ジアミノナフタレン、4-n-プロピル-1,5-ジアミノナフ
タレン、6-イソプロピル-1,5-ジアミノナフタレン、6-n
-ブチル-1,5-ジアミノナフタレン、7-t-ブチル-1,5-ジ
アミノナフタレン、8-メチル-1,5-ジアミノナフタレ
ン、6-クロロ-1,5-ジアミノナフタレン、2,6-ジメチル-
1,5-ジアミノナフタレン、4,8-ジメチル-1,5-ジアミノ
ナフタレン等である。
【0087】
【実施例】以下に実施例によってさらに本発明を説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (実施例1)4-(2-ニトロベンゼン)プロパン化合物の合
成 冷却器、温度計、滴下ロート、及び攪拌機を備えた内容
積2Lの4つ口フラスコを氷水浴中にセットし、96%NaO
H50g(1.2mol)と水64gを入れて溶解する。これに
1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(以下、DMIと略
称)1.2Lを入れて攪拌する。これに2-ニトロトルエ
ン164.6g(1.2mol)をDMI360mlに溶解して
滴下ロートから約1時間かけて滴下する。次いで、アク
リル酸メチルエステル106.5g(1.2mol)をDM
I360mlに溶解して滴下ロートから約3時間かけて
滴下する。この間の反応温度は0〜4℃を維持する。反
応液を約5Lの氷水中に注ぎ、実施例2に記載した次工
程の反応で使用する超強酸の分解物である硫酸を、塩基
を中和するために以下のように有効利用する。即ち、4-
(2-ニトロベンゼン)プロパン化合物の環化反応に使用し
たFSO3Hを反応終了後に蒸留回収して残った硫酸でpH
が5〜7になるまで中和する。次に、酢酸エチル300
mlで抽出し、Na2SO4で脱水した後、減圧下(4×10
-4MPa)で蒸留して黄色の粘調な液体160.6gを得
た。4-(2-ニトロベンゼン)酪酸メチルエステルとしての
純度は99%であり、アクリル酸メチルエステル基準の
収率は60%であった。
【0088】次に、4-(2-ニトロベンゼン)酪酸は上述し
たメチルエステル化合物を以下のように処理して得るこ
とができる。即ち、4-(2-ニトロベンゼン)酪酸メチルエ
ステル55g(0.247mol)を酢酸200mlに溶解し、水
44g(2.47mol)と3NのHCl水溶液5gを添加し
て還流下で5時間加水分解反応を行なった。反応混合物
から酢酸と水を留去した後酢酸エチル300mlに溶解
して水で3回洗浄した。Na2SO4で脱水した後、酢酸エチ
ルの一部を留去し、冷却すると淡黄色の結晶が析出し
た。ろ過して乾燥すると淡黄色結晶45gを得た。4-
(2-ニトロベンゼン)酪酸としての純度は99.5%で
あり、エステル基準の収率は87%であった。 (実施例2)5-ニトロ-1-テトラロン化合物の合成 冷却器、温度計、滴下ロート、及びマグネチックスタラ
ーチップを備えた内容積300mlの3つ口フラスコに
FSO3H75gを仕込み、100℃に加熱した油浴中で攪
拌しながら滴下ロートから4-(2-ニトロベンゼン)酪酸1
0.45gを60分かけて滴下して環化反応を行い、5-
ニトロ-1-テトラロンを生成させた。
【0089】反応終了後、フラスコに小型蒸留塔を取り
付け、減圧下、(0.027MPa)で蒸留してFSO3H65gを回
収した。回収したFSO3Hは環化反応に繰り返し使用して
も、環化反応の活性が低下することはなかった。5-ニト
ロ-1-テトラロンと超強酸の一部が分解して生成した硫
酸を含有する混合物を氷水500ml中に注ぎ、酢酸ブ
チル150mlで2回抽出した。抽出液を100mlの
水で3回洗浄後、硫酸ナトリウムで脱水したのち、酢酸
ブチルを留去すると、茶色味を帯びた5-ニトロ-1-テト
ラロンを含有する結晶9.0gが得られた。結晶の一部
を取りGCで定量した結果、4-(2-ニトロベンゼン)酪酸
の転化率は100%であり、目的とする5-ニトロ-1-テ
トラロンが収率68%で得られ、ニトロ基、カルボニル
基の置換位置の異なる異性体は検出されなかった。
【0090】また、上記反応混合物の酢酸ブチルによる
油水分離後の硫酸を含有する水溶液は前記実施例1で使
用した塩基を含有する水溶液の中和処理のために有効に
利用できる。 (実施例3)1,5ジアミノナフタレン化合物の合成 (1)オキシム化 還流管を付した100mlフラスコに5-ニトロ-1-テト
ラロン2.26gとエタノール60mlを入れ、ここに、塩
酸ヒドロキシルアミン1.82gを水4.5mlに溶解した
溶液を添加する。このフラスコを8時間スターラーチッ
プにより還流攪拌した後、溶媒を留去し、カラムクロマ
トグラフィー(留出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=5/
1)で5-ニトロ-1-テトラロンオキシム2.2gを得た。 (2)アミノナフタレン化 還流管、塩化水素ガス供給管、温度計を付した100m
lフラスコに、5-ニトロ-1-テトラロンオキシム2.1g、
酢酸40mlを入れ、塩化水素ガスを流通させながら、1
00℃で4時間スターラーチップにより攪拌しながら加
熱した。室温まで冷却した後、析出した5-ニトロ-1-ア
ミノナフタレン塩酸塩を濾取し、少量の酢酸で沈殿を洗
浄した。減圧乾燥後、5-ニトロ-1-アミノナフタレン塩
酸塩1.0gを得た。この際に、アミノ基あるいはニトロ基
が異性化したナフタレン化合物は検出できなかった。 (3)ニトロ基の還元 5-ニトロ-1-アミノナフタレン塩酸塩に水と酢酸エチル
を加え、更に、ここに水相のpHが8以上となるまで、10
%水酸化ナトリウム水溶液を加えた後、油相を分離し、
更に、2回、酢酸エチルで抽出を行った。油相を集め、
同量の水で3回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで抽
出液を乾燥し、溶媒を留去し、赤色の固体である5-ニト
ロ-1-アミノナフタレンを得た。
【0091】ガス供給管および温度計を付した50ml
フラスコに、5-ニトロ-1-アミノナフタレン12.5mg、5%P
d/C(50%含水品)12mg、及びDMF5mlを入れ、窒素ガスを供
給しながら145℃に昇温した。145℃になった時点で
水素ガスに切り替え、水素をバブリングしながら、3時
間スターラーチップで攪拌を続けた。室温まで冷却後、
触媒を濾別し、液相に酢酸エチル30mlを加え、同量
の水で5回洗浄を行った。無水硫酸マグネシウムで酢酸
エチル溶液を乾燥し、溶媒を留去したのち、分取TLC
(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で白色結
晶の1,5-ジアミノナフタレン10mgを得た。アミノ基
が異性化したものは検出されなかった。
【0092】(実施例4)5-ニトロ-1-テトラロン化合
物の合成 冷却器、温度計、滴下ロート、及びマグネチックスタラ
ーチップを備えた内容積100mlの3つ口フラスコに
FSO3H 15gを仕込み、100℃に加熱した油浴
中で攪拌しながら滴下ロートから4−(2−ニトロベン
ゼン)ブタノニトリル1.902gを60分かけて滴下
した。反応混合物を氷水100ml中に注ぎ、酢酸エチ
ル50mlで2回抽出した。抽出液を50mlの水で3
回洗浄後、硫酸ナトリウムで脱水したのち、酢酸エチル
を留去すると、茶色味を帯びた5−ニトロ−1−テトラ
ロンを含有する結晶1.8gが得られた。結晶の一部を
取りGCで定量した結果、4−(2−ニトロベンゼン)
ブタノニトリルの転化率は100%であり、目的とする
5−ニトロ−1−テトラロンが収率68%で得られ、ニ
トロ基、カルボニル基の置換位置の異なる異性体は検出
されなかった。
【0093】(実施例5)5-ニトロ-1-テトラロン化合
物の合成 原料として4−(2−ニトロベンゼン)酪酸を2.09
g使用した以外は実施例4と同様に反応を行った。その
結果、4−(2−ニトロベンゼン)酪酸の転化率は10
0%であり、目的とする5−ニトロ−1−テトラロンが
収率71%で得られ、ニトロ基、カルボニル基の置換位
置の異なる異性体は検出されなかった。
【0094】(実施例6)5-ニトロ-1-テトラロン化合
物の合成 原料として4−(2−ニトロベンゼン)酪酸メチルエス
テルを2.23g使用した以外は実施例4と同様に反応
を行った。その結果、4−(2−ニトロベンゼン)酪酸
メチルエステルの転化率は100%であり、目的とする
5−ニトロ−1−テトラロンが収率71%で得られ、ニ
トロ基、カルボニル基の置換位置の異なる異性体は検出
されなかった。
【0095】(実施例7)5-ニトロ-1-テトラロン化合
物の合成 原料として4−(2−ニトロベンゼン)酪酸を2.09
g使用し、超強酸としてFSO3H15gとSbF5
0.325g使用した以外は実施例4と同様に反応を行
った。その結果、4−(2−ニトロベンゼン)酪酸の転
化率は100%であり、目的とする5−ニトロ−1−テ
トラロンが収率81%で得られ、ニトロ基、カルボニル
基の置換位置の異なる異性体は検出されなかった。
【0096】(実施例8)5-ニトロ-1-テトラロン化合
物の合成 冷却器、温度計、滴下ロート、及び攪拌機を備えた内容
積100mlの3つ口フラスコに95%硫酸50gを仕
込み、100℃に加熱した油浴中で撹拌しながら4−
(2−ニトロベンゼン)酪酸メチルエステル2.23g
を装入し、そのまま8時間反応を行なった。その結果、
4−(2−ニトロベンゼン)酪酸メチルエステルの転化
率は100%であり、目的とする5−ニトロ−1−テト
ラロンが収率58%で得られ、ニトロ基、カルボニル基
の置換位置の異なる異性体は検出されなかった。
【0097】(実施例9)5-ニトロ-1-テトラロン化合
物の合成 酸としてポリリン酸50gを使用し、6時間反応を行っ
た以外は、実施例8と同様にして反応を行った。その結
果、4−(2−ニトロベンゼン)酪酸メチルエステルの
転化率は100%であり、目的とする5−ニトロ−1−
テトラロンが収率56%で得られ、ニトロ基、カルボニ
ル基の置換位置の異なる異性体は検出されなかった。
【0098】(実施例10)4−(2-ニトロベンゼ
ン)ブタノニトリルの合成 冷却器、温度計、滴下ロート、及び攪拌機を備えた内容
積2Lの4つ口フラスコを氷水浴中に設置し、96質量%N
aOH50g(1.2mol)と水64gを入れて溶解する。これ
に1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(以下DM
Iと略称)1.2Lを入れて攪拌する。これにオルトニ
トロトルエン164.6g(1.2mol)をDMI360ml
に溶解して滴下ロートから約1時間かけて滴下する。次
いで、アクリロニトリル31.8g(0.6mol)をDMI3
60mlに溶解して滴下ロートから約3時間かけて滴下
する。この間の反応温度は0〜4℃を維持する。反応液
を約5Lの氷水中に注ぎ、3NのHCl水溶液でpHが5〜
6になるまで中和する。次に、酢酸エチル300mlで
抽出し、Na2SO4で脱水した後、減圧下(4×10-4MP
a)で蒸留して黄色の粘調な液体63.4gを得た。4−
(2-ニトロベンゼン)ブタノニトリルとしての純度は99
%であり、アクリロニトリル基準の収率は55%であっ
た。
【0099】(実施例11)4−(2-ニトロベンゼ
ン)酪酸メチルエステル及び4−(2-ニトロベンゼ
ン)酪酸の合成 アクリロニトリルの代わりにアクリル酸メチルエステル
106.5g(1.2mol)を使用した以外は実施例8と同様に反
応と後処理を行い、黄色粘調な液体161.5gを得
た。この粘調な液体には4-(2-ニトロベンゼン)酪酸と4-
(2-ニトロベンゼン)酪酸メチルエステルの混合物が含ま
れており、これをそのままカラムクロマトで分別した
り、蒸留でエステルのみを取り出しても良いが、回収ロ
スを少なくするために、混合物をエチルエーテルに溶解
してジアゾメタンでエステル化してカルボン酸をメチル
エステルに変換した後、蒸留して高純度のメチルエステ
ルを単離した。4-(2-ニトロベンゼン)酪酸メチルエステ
ルとしての純度は99.5%であり、アクリル酸メチル
エステル基準の収率は60%であった。
【0100】カルボン酸化合物は上述したメチルエステ
ル化合物を以下のように処理して得ることができる。即
ち、4-(2-ニトロベンゼン)酪酸メチルエステル55g
(0.247mol)を酢酸200mlに溶解し、水44g(2.47
mol)と3NのHCl水溶液5gを添加して還流下で5
時間、加水分解反応を行なった。反応混合物から酢酸と
水を留去した後、残留物を酢酸エチル300mlに溶解
して水で3回洗浄した。Na2SO4で脱水した後、酢酸エチ
ルの一部を留去し、冷却すると淡黄色の結晶が析出し
た。ろ過して乾燥すると淡黄色結晶45gを得た。4-
(2-ニトロベンゼン)酪酸としての純度は99.5%で
あり、エステル基準の収率は87%であった。
【0101】(実施例12)4-(2-ニトロベンゼン)酪酸
メチルエステルの合成 DMI1.2L中に85質量%のパウダ−状KOH3
1.6g(0.48mol)を装入し、撹拌しながらオ
ルトニトロトルエン164.6g(1.2mol)を滴
下する。次いでアクリル酸メチルエステル106.5g
(1.2mol)を約3時間かけて滴下する。この間の
反応温度は0〜4℃を維持する。実施例1と同様に後処
理を行ない、黄色粘調の液体115.2gを得た。4-(2
-ニトロベンゼン)酪酸メチルエステルとしての純度は9
9.5%であり、アクリル酸メチルエステル基準の収率
は43%であった。
【0102】(実施例13)4-(2-ニトロベンゼン)酪酸
メチルエステルの合成 85質量%のパウダ−状KOHの量を7.9g(0.1
2mol)とした以外は実施例12と同様に反応と後処
理を行ない、黄色粘調の液体174.1gを得た。4-(2
-ニトロベンゼン)酪酸メチルエステルとしての純度は9
9.5%であり、アクリル酸メチルエステル基準の収率
は65%であった。
【0103】(比較例1)4-(2-ニトロベンゼン)酪酸メ
チルエステルの合成 アクリロニトリルの代わりにアクリル酸メチルエステル
106.5g(1.2mol)を使用し、DMIの代り
にDMSO1.2Lを用いた以外は実施例12と同様に
反応と後処理を行った。単離後の4-(2-ニトロベンゼン)
酪酸メチルエステルとしての純度は99.5%であり、
アクリル酸メチルエステル基準の収率は3%であった。
【0104】(実施例14)4-(2-ニトロベンゼン)酪酸
アミドの4-(2-ニトロベンゼン)ブチロニトリルからの合
成 冷却器、温度計を付した50mlの3つ口フラスコに4-
(2-ニトロベンゼン)ブチロニトリル0.19gと濃硫酸1.96g
を加え、スターラーチップで攪拌しながら100℃で3
時間加熱した。加熱終了後、氷水50mlに加熱攪拌物
を加え、酢酸エチル20mlで3回抽出した。有機相を
同量の水で水洗し、同量のNaHCO3飽和水溶液で洗浄した
後、更に、同量の水で2回洗浄した。無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥後、抽出溶媒を留去し、分取用TLCで4-(2
-ニトロベンゼン)酪酸アミド0.14gを分取した(展開溶
媒:酢酸エチル)。
【0105】分析結果は以下の通りである。1 H-NMR(CDCl3):7.90ppm(1H,d-d,J=1.1Hz,8.1Hz,Ar-
H)、7.53ppm(1H,m,Ar-H)、7.37ppm(2H,m,Ar-H)、5.40(2
H,b-s,NH2)、2.94ppm(2H,d-d,J=7.6Hz,10Hz,CH2)、2.33
ppm(2H,t,J=7.4Hz,CH2)、2.03ppm(2H,m,CH2) IR(KBr):3402、3210、1650、1522、1336(cm-1) FD−MS: M/Z=209 (実施例15)5-ニトロ-1-テトラロン化合物の合成 冷却管を付した10mlフラスコに4-(2-ニトロベンゼン)酪
酸アミド0.11gとフッ化スルホン酸1.5gを加え、スター
ラーピースで攪拌しながら100℃で1時間加熱した。
反応混合物を氷水20mlにあけ、NaHCO3を固体のままpH8
になるまで添加し、酢酸エチル10mlで3回抽出した。3
0mlの水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで
乾燥し、溶媒を留去した後、分取用TLCで5-ニトロ-1
-テトラロン0.02gを分取した(展開溶媒:ヘキサン/酢
酸エチル=2/1)。ニトロ基の置換位置が異なる様な異性
体は生成していなかった。
【0106】
【発明の効果】オルトアルキルニトロベンゼン化合物
と、アクリロニトリル化合物、アクリル酸エステル化合
物などの電子吸引性基を有するビニル化合物を強塩基の
存在下で反応させる工程を経ることにより、ニトロベン
ゼンニトリル化合物、ニトロベンゼンカルボン酸エステ
ル化合物、ニトロベンゼンカルボン酸化合物、ニトロベ
ンゼンカルボン酸アミド化合物などの芳香族ニトロ化合
物を安全かつ経済的な方法で合成できる。また、4−
(2−ニトロベンゼン)ブタノニトリル化合物、4−
(2−ニトロベンゼン)酪酸化合物、4−(2−ニトロ
ベンゼン)酪酸エステル化合物、4−(2−ニトロベン
ゼン)酪酸アミド化合物等を原料として、閉環反応させ
ることにより高い収率で5−ニトロ−1−テトラロン化
合物を製造できる。更にまた、5-ニトロ-1-テトラロン
類を原料とすることにより対応する1,5ジアミノナフタ
レン類を異性体の生成を伴わずに得ることが可能とな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 253/30 C07C 253/30 255/35 255/35 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 Fターム(参考) 4H006 AA02 AB46 AC21 AC28 AC52 AC59 BA29 BA34 BA37 BA92 BB14 BB20 BB21 BB22 BB24 BB26 BD70 BE10 BE12 BE15 BE20 BE32 BE90 4H039 CA10 CF10

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1): 【化1】 (式中、R1〜R4は、それぞれ同一または相異なってい
    て水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜1
    2の芳香族炭化水素基またはハロゲン原子を表し、R5
    は水素原子を表す。)で表されるオルトアルキルニトロ
    ベンゼン化合物と、式(2): 【化2】 (式中、R6、R7は、それぞれ同一または相異なってい
    て水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、またはハロゲ
    ン原子を表し、Xは電子吸引性基を表す。また、R6
    7は、互いにシスまたはトランスに位置する。)で表
    されるビニル化合物を塩基の存在下に反応させる工程を
    含む、式(3): 【化3】 (式中、R1〜R7は式(1)及び式(2)におけると同
    じ意味を表し、Xは電子吸引性基を表し、式(2)にお
    けるXと同一でも異なっていてもよい)で表される芳香
    族ニトロ化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記式(2)において、Xで示される基
    が、CN、CO28(ここでR8は、炭素数1〜7のア
    ルキル基、シクロアルキル基、炭素数6〜12の芳香族
    炭化水素基、またはアラルキル基を表す)から選ばれる
    1つの基である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記式(3)において、Xで示される基
    が、CONH2、CN、CO2H、CO28(ここでR8
    は、炭素数1〜7のアルキル基、シクロアルキル基、炭
    素数6〜12の芳香族炭化水素基、またはアラルキル基
    を表す)から選ばれる1つの基である請求項1記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 前記式(1)のオルトアルキルニトロベ
    ンゼン化合物と式(2)のビニル化合物とを、塩基の少
    なくとも一部を溶解する溶媒及び塩基を溶解させる触媒
    から選ばれる少なくとも一つの存在下に反応させる請求
    項1又は2記載の方法。
  5. 【請求項5】 塩基の少なくとも一部を溶解する溶媒
    が、環状ウレア化合物である請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記式(3)の芳香族ニトロ化合物を閉
    環する、式(4): 【化4】 (式中、R1〜R4およびR6〜R7は、式(1)および式
    (2)におけると同じ意味を表す)で表される5−ニト
    ロ−1−テトラロン化合物の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記式(4)の5−ニトロ−1−テトラ
    ロン化合物をアミン化合物と反応させた後に還元及び芳
    香族化する工程を含む、式(5): 【化5】 (式中、R1〜R4およびR6〜R7は、式(1)および式
    (2)におけると同じ意味を表す)で表される1,5−
    ジアミノナフタレン類の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記式(4)の5−ニトロ−1−テトラ
    ロン化合物を、前記アミン化合物としてヒドロキシルア
    ミン化合物と反応させ、または過酸化水素の存在下に前
    記アミン化合物としてアンモニア化合物と反応させ、式
    (6): 【化6】 (式中、R1〜R4およびR6〜R7は、式(1)および式
    (2)におけると同じ意味を表す)で表されるオキシム
    化合物を製造し、該オキシム化合物を芳香族化して式
    (7): 【化7】 (式中、R1〜R4およびR6〜R7は、式(1)および式
    (2)におけると同じ意味を表す)で表される5−ニト
    ロ−1−アミノナフタレン類に変換し、さらに該5−ニ
    トロ−1−アミノナフタレン類を還元して前記式(5)
    の1,5−ジアミノナフタレン類を製造する請求項7記
    載の方法。
  9. 【請求項9】 前記式(4)の5−ニトロ−1−テトラ
    ロン化合物を、前記アミン化合物としてアンモニア化合
    物と反応させて、式(8): 【化8】 (式中、R1〜R4およびR6〜R7は、式(1)および式
    (2)におけると同じ意味を表す)で表されるイミン化
    合物を製造し、該イミン化合物を還元及び芳香族化して
    前記式(5)の1,5−ジアミノナフタレン類を製造す
    る請求項7記載の方法。
  10. 【請求項10】 下記3工程: (i):前記式(1)のオルトアルキルニトロベンゼン
    化合物と式(2)のビニル化合物を反応させる工程を含
    む、式(3)の芳香族ニトロ化合物を製造する工程
    (I)、(ii):該式(3)の芳香族ニトロ化合物を閉
    環して前記式(4)の5−ニトロ−1−テトラロン化合
    物を製造する工程(II)、(iii):該式(4)の5
    −ニトロ−1−テトラロン化合物をアミン化合物と反応
    させ、さらに還元及び芳香族化する工程を含む工程(I
    II)、からなる前記式(5)の1,5−ジアミノナフ
    タレン類の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記式(2)において、Xで示される
    基が、CN、CO2 8(ここでR8は、炭素数1〜7の
    アルキル基、シクロアルキル基、炭素数6〜12の芳香
    族炭化水素基、またはアラルキル基を表す)から選ばれ
    る少なくとも1つの基である請求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記式(3)において、Xで示される
    基が、CONH2、CN、CO2H、CO28(ここでR
    8は、炭素数1〜7のアルキル基、シクロアルキル基、
    炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、またはアラルキル
    基を表す)から選ばれる1つの基である請求項10記載
    の方法。
  13. 【請求項13】 前記式(1)のオルトアルキルニトロ
    ベンゼン化合物と式(2)のビニル化合物とを、塩基の
    少なくとも一部を溶解する溶媒及び塩基を溶解させる触
    媒から選ばれる少なくとも一つの存在下に反応させる請
    求項10または11に記載の方法。
  14. 【請求項14】 塩基の少なくとも一部を溶解する溶媒
    が、環状ウレア化合物である請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記式(4)の5−ニトロ−1−テト
    ラロン化合物を、前記アミン化合物としてヒドロキシル
    アミン化合物と反応させ、または過酸化水素の存在下に
    前記アミン化合物としてアンモニア化合物と反応させ、
    式(6)で表されるオキシム化合物を製造し、該オキシ
    ム化合物を芳香族化して式(7)で表される5−ニトロ
    −1−アミノナフタレン類に変換し、さらに該5−ニト
    ロ−1−アミノナフタレン類を還元して前記式(5)の
    1,5−ジアミノナフタレン類を製造する請求項10乃
    至14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記式(4)の5−ニトロ−1−テト
    ラロン化合物を、前記アミン化合物としてアンモニア化
    合物と反応させて、式(8)で表されるイミン化合物を
    製造し、該イミン化合物を還元及び芳香族化して前記式
    (5)の1,5−ジアミノナフタレン類を製造する請求
    項10乃至14のいずれか1項に記載の方法。
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