JP4412449B2 - ジアミノレゾルシノール化合物の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、式[4]
【0002】
【化17】
【0003】
(式中、R1は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又はハロゲン原子を表し、R2は炭素数1〜10のアルキル基又はハロゲン化アルキル基を表す。)で表される1,3−ジアルコキシ(ビスハロアルコキシ)−4,6−ジアミノベンゼン化合物の製造法に関し、式[5]
【0004】
【化18】
【0005】
(式中、R1は前記と同じ意味を表す。)で表される4,6−ジアミノレゾルシノール化合物の製造法に関する。
【0011】
本発明で製造される4,6−ジアミノレゾルシノール化合物は、超スーパー繊維として強度、弾性率、耐熱性、耐薬品性に優れた性能を有するポリベンゾビスオキサゾール化合物や液晶配向膜及び半導体フォトレジストに代表される電子材料分野等のポリイミド化合物及びポリアミド化合物に用いられるモノマーに関する。
【0012】
【従来の技術】
1,3−ジアルコキシ−4,6−ジアミノベンゼン化合物の製法としては、下記のスキームで示される様に、4,6−ジメトキシ−1,3−ジニトロベンゼン(DMDNBと略記する。)を接触還元して、1,3−ジアミノ−4,6−ジメトキシベンゼン(DADMBと略記する。)を得る方法が知られている。[テトラヘドロン(Tetrahedoron),20,(12),2977(1964)、DADMB塩酸塩:ジャーナル・オブ・ザ・ケミカルソサイエテイ・パーキン・トランスアクションズ(J.Chem.Soc.,Perkin Trans.) II,999 (1972)]
【0013】
【化21】
【0014】
しかし、いずれも具体的な反応条件(原料、触媒、溶媒の仕込み量や水素圧力、反応時間)、更に得られるDADMBの重量及び収率の記載がない。
【0015】
一方、その原料であるDMDNBの製法としては、下記スキームで示される様に1,3−ジメトキシベンゼン(DMB)を硫酸溶媒中、硝酸でニトロ化する方法が知られている。[ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサイエテイー(J.Chem.Soc.)(B),1206(1967)]
【0016】
【化22】
【0017】
しかし、得られるDMDNBの重量及び収率の記載がない。本反応では、DMDNBの異性体である1,3−ジメトキシ−2,4−ジニトロベンゼンや爆発の危険性の高い1,3−ジメトキシ−2,4,6−トリニトロベンゼンが副生し、目的のDMDNBの選択性が低い。更に原料DMB1.4gに対して92%硫酸100mlの大過剰を使用して不経済な製法となっている。
【0018】
DMDNBの別製法としては、下記スキームで示されるように1,3−フルオロ−4,6−ジニトロベンゼン(DFDNB)をメタノール中、トリエチルアミン(TEA)存在下でジメトキシ化する方法が知られている。[ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサイエテイー(J.Am.Chem.Soc.)119,(44),10587(1997)]
しかし、原料のDFDNBは、弗素化合物で高価でありDMDNB製造のための工業原料としては、好ましくない。
【0019】
【化23】
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
工業的に経済性上有利な原料から、超スーパー繊維として強度、弾性率、耐熱性、耐薬品性に優れた性能を有するポリベンゾビスオキサゾール化合物や液晶配向膜及び半導体フォトレジストに代表される電子材料分野等のポリイミド化合物及びポリアミド化合物に用いられるモノマーである4,6−ジアミノレゾルシノール化合物の提供を課題とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究を行った。
即ち、本発明は、式[1]
【0022】
【化24】
【0023】
(式中、R1及びXは前記と同じ意味を表す。)
で表される1,3−ジハロゲノ−4,6−ジニトロベンゼン化合物と式[2]
【0024】
【化25】
【0025】
(式中、R2及びMは前記と同じ意味を表す。)
で表されるアルコラート化合物を反応させて、式[3]
【0026】
【化26】
【0027】
(式中、R1及びR2は前記と同じ意味を表す。)
で表される1,3−ジアルコキシ(ビスハロアルコキシ)−4,6−ジニトロベンゼン化合物を得た後、還元することを特徴とする式[4]
【0028】
【化27】
【0029】
(式中、R1及びR2は前記と同じ意味を表す。)
で表される1,3−ジアルコキシ(ビスハロアルコキシ)−4,6−ジアミノベンゼン化合物の製造法に関する。
【0030】
又、式[4]で表される1,3−ジアルコキシ(ビスハロアルコキシ)−4,6−ジアミノベンゼン化合物を得た後、強酸で脱アルキル化することを特徴とする式[5]
【0031】
【化28】
【0032】
(式中、R1は前記と同じ意味を表す。)
で表される4,6−ジアミノレゾルシノール化合物の製造法に関する。
【0033】
又、式[2]で表されるアルコラート化合物が、メトキシナトリウム、メトキシカリウム、エトキシナトリウム又はエトキシカリウムである前記の式[4]の4,6−ジアミノベンゼン化合物の製造法に関する。
【0034】
又、強酸が、塩酸、臭化水素酸、硫酸である前記の式[5]の4,6−ジアミノレゾルシノール化合物の製造法に関する。
【0046】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0047】
【発明の実施の形態】
本発明化合物の製造法は、次の4つの反応スキームで表される。
【0048】
【化33】
【0049】
(式中、R1、R2、X及びMは前記と同じ意味を表す。)
即ち、(1)1,3−ジハロゲノベンゼン化合物を硫酸溶媒中硝酸でニトロ化して1,3−ジハロゲノ−4,6−ジニトロベンゼン化合物を得て、続いて(2)1,3−ジハロゲノ−4,6−ジニトロベンゼン化合物とアルコラート化合物を反応させ、1,3−ジアルコキシ−4,6−ジニトロベンゼン化合物を得た後、(3)これを還元することにより1,3−ジアルコキシ−4,6−ジアミノベンゼン化合物とし、更に(4)強酸によって脱アルキル化することにより最終目的物を製造することができる。以下、スキーム(1)から順に述べる。
【0050】
原料である1,3−ジハロゲノベンゼン化合物としては、1,3−ジフルオロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,3−ジブロモベンゼン、1,3−ジヨウドベンゼン、1,3−ジフルオロ−2−メチルベンゼン、1,3−ジクロロ−2−メチルベンゼン、1,3−ジブロモ−2−メチルベンゼン、1,3−ジヨウド−2−メチルベンゼン、1,3−ジフルオロ−2−エチルベンゼン、1,3−ジクロロ−2−エチルベンゼン、1,3−ジブロモ−2−エチルベンゼン、1,3−ジヨウド−2−エチルベンゼン、1,3−ジフルオロ−2−n−オクチルベンゼン、1,3−ジクロロ−2−n−オクチルベンゼン、1,3−ジブロモ−2−n−オクチルベンゼン、1,3−ジヨウド−2−n−オクチルベンゼン、1,3−ジフルオロ−2−n−デシルベンゼン、1,3−ジクロロ−2−n−デシルベンゼン、1,3−ジブロモ−2−n−デシルベンゼン、1,3−ジヨウド−2−n−デシルベンゼン、1,2,3−トリフルオロベンゼン、1,2,3−トリクロロベンゼン、1,2,3−トリブロモベンゼン、1,2,3−トリヨウドベンゼン等が挙げられ同様に使用できる。
【0051】
1,3−ジハロゲノベンゼン及び1,2,3−トリハロゲノベンゼンの4,6位への選択性を上げるジニトロ化法としては、三酸化硫黄存在下での硝酸又は、混酸(硝酸と硫酸の混合液)法によって可能である。通常は、発煙硫酸を用いることにより、簡便に実施することが出来る(ジニトロジクロロベンゼン製造法[特開平7−48321号公報])。又、2−アルキル−1,3−ジハロゲノベンゼンの場合は硫酸溶媒中で硝酸を用いることにより、4,6位へニトロ化を選択的に行うことができる。
【0052】
硝酸量は、基質に対し2〜3モル当量用いるのが好ましい。硫酸は、少量で反応促進効果があるが、生成物が析出するので、ある程度の量を存在させることが好ましく、その使用量は基質に対し2〜10質量倍が好ましい。
【0053】
反応温度は、0〜100℃で行うことが出来る。中でも、2−アルキル−1,3−ジハロゲノベンゼンの場合は、0〜30℃間で反応が進行する。
【0054】
反応終了後は、氷水で希釈することにより生成物を析出させ、水洗することにより目的物が得られる。更に、再結晶法等で精製することもできる。
【0055】
次にスキーム(2)について述べる。使用できるアルコラート化合物としては、具体的には、アルコキシ(ハロアルコキシ)金属の代表例としては、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、マグネシウムメトキシド、カルシウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、マグネシウムメエキシド、カルシウムエトキシド、ナトリウム−t−ブトキシド、カリウム−t−ブトキシド、マグネシウム−t−ブトキシド、カルシウム−t−ブトキシド、ナトリウムオクチルアルコラート、カリウムオクチルアルコラート、マグネシウムオクチルアルコラート、カルシウムオクチルアルコラート、ナトリウムデシルアルコラート、カリウムデシルアルコラート、マグネシウムデシルアルコラート、カルシウムデシルアルコラート、ナトリウムトリフルオロメトキシド、カリウムトリフルオロメトキシド、マグネシウムトリフルオロメトキシド、カルシウムトリフルオロメトキシド、ナトリウム−2,2,2−トリフルオロエトキシド、カリウム−2,2,2−トリフルオロエトキシド、マグネシウム−2,2,2−トリフルオロエトキシド、カルシウム−2,2,2−トリフルオロエトキシド、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロポキシナトリウム、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロポキシカリウム、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロポキシマグネウム、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロポキシマグネシウム等が挙げられる。その使用量は、基質に対し2〜3モル倍、より好ましくは2〜2.5モル倍である。
【0056】
本反応は、溶媒を使用するのが好ましく、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンやジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類等が挙げられる。溶媒の使用量は、基質に対し1〜20質量倍、より好ましくは1〜6質量倍である。
【0057】
反応温度は、−20〜150℃、より好ましくは0〜100℃である。反応後は、酸を加えて過剰アルコラートを中和し、反応溶媒を濃縮により除去した後、残渣を1,2−ジクロロエタン(EDC)と水で抽出し、有機層を濃縮すると生成物が得られ、目的物は、蒸留法又は、再結晶法等で精製することができる。
【0058】
次に、反応スキーム(3)の還元法について述べる。ニトロ基をアミノ基に変換する種々の一般的還元法が適用できる。
【0059】
例えば、(1)金属および金属塩による還元(2)金属水素化物による還元(3)金属水素化錯体による還元(4)ジボランおよび置換ボランによる還元(5)ヒドラジンによる還元(6)ジイミド還元(7)リン化合物による還元(8)電解還元(9)接触還元等を挙げることができる。
【0060】
これらの中で、アルコキシ(ハロアルコキシ)基を残余しつつニトロ基をアミノ基に変換する選択的接触還元法が簡便である。又、場合により1,3−ジアルコキシ(ジハロアルコキシ)−4,6−ジニトロ−2−ハロゲノベンゼン化合物からニトロ基の還元と同時に3位のハロゲン原子の水素化分解を行い、1,3−ジアルコキシ(ジハロアルコキシ)−4,6−ジアミノベンゼン化合物を得る場合は、接触還元法に於いて触媒の種類を選択することにより可能である。
【0061】
触媒金属としては、周期律表第8族のパラジウム、ルテニウム、ロジウム、白金、ニッケル、コバルト及び鉄、又は第1族の銅等が使用できる。これらの金属は単独で、又は、他の元素と複合させた多元系で使用される。それらの使用形態は、各金属単身、ラネー型触媒、ケイソウ土、アルミナ、ゼオライト、炭素及びその他の担体に担持させた触媒及び錯体触媒等が挙げられる。
【0062】
具体的には、パラジウム−炭素、ルテニウム−炭素、ロジウム−炭素、白金−炭素、パラジウム−アルミナ、ルテニウム−アルミナ、ロジウム−アルミナ、白金−アルミナ、還元ニッケル、還元コバルト、ラネーニッケル、ラネーコバルト、ラネー銅、酸化銅、銅クロマト、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、クロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム及びヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)イリジウム等が挙げられる。これらの中で特に好ましいものはパラジウム−炭素及びルテニウム−炭素等である。
【0063】
触媒の使用量は、5%金属担持触媒として基質に対し0.1〜30質量%が、特には、0.5〜20質量%が好ましい。溶媒は、メタノール、エタノール及びプロパノール等に代表されるアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)及びジメトキシエタン等に代表されるエーテル類及び酢酸エチル及び酢酸プロピル等に代表されるエステル類等が使用できる。
【0064】
その使用量は、原料に対し1〜50質量倍の範囲が、特には、3〜10質量倍の範囲が好ましい。水素圧は常圧から10MPa(100kg/cm2)の範囲が、特には、常圧から3MPa(30kg/cm2)の範囲が好ましい。反応温度は、0〜250℃の範囲が、特には、10〜200℃の範囲が好ましい。
【0065】
ここで、式[9]
【0066】
【化34】
【0067】
(式中、R2及びXは前記と同じ意味を表す。)
で表される1,3−ジアルコキシ(ビスハロアルコキシ)−2−ハロゲノ−4,6−ジニトロベンゼン化合物のニトロ基の還元とハロゲン原子の接触分解還元を同時に行い式[10]
【0068】
【化35】
【0069】
(式中、R2は前記と同じ意味を表す。)
で表される1,3−ジアルコキシ(ビスハロアルコキシ)−4,6−ジアミノベンゼン化合物を得る場合は、前述の触媒量、水素圧、温度、時間等の還元条件を厳しくする必要がある。特に反応温度は、100〜200℃が好ましい。
【0070】
反応の進行は、水素吸収量を追跡することで可能で有り、理論水素量の吸収後サンプリングしガスクロマトグラフィーで分析し確認することができる。本反応は、回分式でも連続反応でも可能である。反応後は、濾過により触媒を除去し、ろ液を濃縮後、再結晶法、昇華法又は、カラムクロマトグラフィー法で精製することができる。
【0071】
更に、(4)1,3−ジアルコキシ(ビスハロアルコキシ)−4,6−ジアミノベンゼン化合物の強酸による脱アルキル化反応について述べる。
【0072】
強酸としては、例えば、塩酸、硫酸、臭化水素酸、沃化水素酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等が挙げられる。特には、塩酸、硫酸、臭化水素酸が好ましく、これらの混合物も使用できる。その使用量は、基質に対して、2〜50モル当量が好ましく、多い方が反応が速いが、経済的には5〜10当量が相応しい。
【0073】
反応温度は、50〜250℃が好ましく、特には、100〜200℃が好ましい。従って、常圧よりは加圧で行うのが好ましい。反応時間は、液体クロマトグラフィー法の分析により反応を追跡し、決定することが出来、通常5〜20時間である。
【0074】
反応終了後、冷却し結晶が析出する場合は、濾過により4,6−ジアミノレゾルシノール化合物の強酸塩を単離することができる。又、均一溶液の場合は、反応液を濃縮することにより目的物の結晶が得られる。
【0075】
【実施例】
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
【0076】
【化36】
【0077】
1000ml四つ口反応フラスコに1,3−ジクロロ−4,6−ジニトロベンゼン(DCDNB)71.1g(0.2mol)とメタノール500gを仕込み、氷冷下(10℃)で28%ナトリウムメトキサイド・メタノール溶液150g(0.78mol)(2.6モル倍)を1時間かけて滴下した。しだいに室温に(25℃)戻してから加温し62℃で15時間還流攪拌した。その後、濃縮によりメタノールを留去し、残渣に1,2−ジクロロエタン500gと水100gを加えてスラリー化させた後、氷冷下35%塩酸水溶液22g(0.21mol)を滴下し酸性化すると二層の溶液になった。有機層を分液・水洗した後濃縮すると粗結晶74.0gが得られた。更に、メタノール80gを加え、50℃に加温後熱濾過・乾燥すると1,3−ジメトキシ−4,6−ジニトロベンゼン(DMDNB)63.8g(0.28mol)(収率93.2%)が得られた。
【0078】
この物質の構造は、下記の分析結果から決定した。
MASS(FAB+, m/e(%)) : 229([M+1]+,38), 212(14), 107(27),73(24).
1H-NMR(CDCl3,δppm) : 4.0868(s, 6H), 7.0051(s, 1H), 8.6176(d, J=1.8329Hz, 1H) .
13C-NMR(CDCl3,δppm) : 57.9190(2), 99.5337, 124.7132,130.3137(2), 157.9882(2). (2)は2本分を表す。
Mp(℃):154〜155.
実施例2
【0079】
【化37】
【0080】
500ml四つ口反応フラスコに1,2,3−トリクロロ−4,6−ジニトロベンゼン(TCDNB)13.5g(50mmol)とメタノール110gを仕込み、氷冷下(10℃)で28%ナトリウムメトキサイド・メタノール溶液23.3g(110mmol)(2.2モル倍)を30分かけて滴下した。しだいに室温に(25℃)戻してから加温し62℃で3時間還流攪拌した。その後、濃縮によりメタノールを留去し、残渣に1,2−ジクロロエタン300gと水30gを加えてスラリー化させた後、氷冷下35%塩酸水溶液5g(5mmol)を滴下し酸性化すると二層の溶液になった。有機層を分液・水洗した後濃縮すると粗結晶12.0gが得られた。更に、酢酸エチルを加え溶解後、結晶が析出し始めるまで濃縮してから氷冷した後、析出した結晶を濾過乾燥すると2−クロロ−1,3−ジメトキシ−4,6−ジニトロベンゼン(CDMDNB)8.4g(32mmol)(収率64.1%)が得られた。尚、濾液濃縮結晶3.8g(CDMDNB純度52.3%)(収率15.1%)が得られた。
【0081】
この物質の構造は、下記の分析結果から決定した。
MASS(FAB+, m/e(%)) : 263([M+1]+,31), 136(85).
1H-NMR(CDCl3,δppm) : 4.0807(s, 6H), 8.3513(s, 1H).
13C-NMR(CDCl3,δppm) : 63.0525(2), 120.5608, 127.8552, 139.5293(2), 154.9804(2). (2)は2本分を表す。
Mp(℃):93〜94.
実施例3
(酢酸エチル溶媒反応)
【0082】
【化38】
【0083】
200mlSUSオートクレーブに1,3−ジメトキシ−4,6−ジニトロベンゼン(DMDNB)22.8g(0.1mol)、酢酸エチル91.2g(4wt倍)及び5%Pd/C(N.E.ケム キャット社製 KER−Type;水分54.85%)2.52g(dry5wt%)を仕込み、窒素置換後初水素圧5MPaを封じ込め、80℃で攪拌開始した。1MPaになったところで再び5MPaに水素圧を上げ80℃で攪拌継続した。この操作を4回繰り返した。トータル水素圧15MPaを8時間かけて吸収した。吸収が停止したところで、室温に戻してから残圧を放出し内容物を取り出しガスクロマトグラフィー(GC)で分析の結果、原料が消失し、新たな単一ピークが出現した。そこでこの内容物を濾過により溶媒を除去し、ケーキの結晶と触媒の混合物にアセトニトリル100gを加えて65℃に加温し結晶を溶解した後、熱濾過し、更にアセトニトリル50gで触媒を洗浄後、濾液を氷冷し晶析させた後、濾過し更に酢酸エチルで洗浄・乾燥するとわずかに淡桃色の白色結晶10.3g(収率61.3%)が得られた。
【0084】
この物質の構造は、下記の分析結果から4,6−ジアミノ−1,3−ジメトキシベンゼン(DADMB)と決定した。
MASS(FAB+, m/e(%)) : 169([M+1]+,100), 151(89).
1H-NMR(d6-DMSO,δppm) : 3.6529(s, 6H), 4.1000(s, 4H), 6.0661(s, 1H), 6.4589(s, 1H).
13C-NMR(d6-DMSO,δppm) : 56.5615(2), 100.3508, 102.4949, 131.6267(2), 137.7537(2). (2)は2本分を表す。
Mp(℃):152〜153.
【0085】
実施例4
(酢酸エチル溶媒反応、1,4−ジオキサン溶媒晶析)
200mlSUSオートクレーブにDMDNB13.7g(60mmol)、酢酸エチル68.4g(5wt倍)及び5%Pd/C(N.E.ケム キャット社製 KER−Type;水分54.85%)1.51g(dry5wt%)を仕込み、窒素置換後初水素圧4MPaを封じ込め、80℃で攪拌開始した。1MPaになったところで再び4MPaに水素圧を上げ80℃で攪拌継続をした。この操作を3回繰り返した。トータル水素圧6.2MPaを3時間かけて吸収した。吸収が停止したところで、室温に戻してから残圧を放出し内容物を取り出しガスクロマトグラフィー(GC)で分析の結果、原料が消失し、DADMBの単一ピークが出現した。そこでこの内容物を濾過により溶媒を除去し、ケーキの結晶と触媒の混合物に1,4−ジオキサン100gを加えて65℃に加温し結晶を溶解した後、熱濾過し、更に1,4−ジオキサン40gと20gで触媒を洗浄後、濾液を38gまで濃縮したところに酢酸エチル40gを加えて氷冷し晶析させた後、濾過し更にn−ヘプタン15gで2回洗浄した後、乾燥するとあずき色のDADMB結晶9.0g(収率89.3%)が得られた。
【0086】
実施例5
(酢酸エチル溶媒反応、昇華精製)
200mlSUSオートクレーブにDMDNB13.7g(60mmol)、酢酸エチル68.4g(5wt倍)及び5%Pd/C(N.E.ケム キャット社製 KER−Type;水分54.85%)1.51g(dry5wt%)を仕込み、窒素置換後初水素圧4MPaを封じ込め、80℃で攪拌開始した。1MPaになったところで再び4MPaに水素圧を上げ80℃で攪拌継続をした。この操作を3回繰り返した。トータル水素圧6.2MPaを3時間かけて吸収した。吸収が停止したところで、室温に戻してから残圧を放出し内容物を取り出しガスクロマトグラフィー(GC)で分析の結果、原料が消失し、DADMBの単一ピークが出現した。そこでこの内容物を濾過により溶媒を除去し、ケーキの結晶と触媒の混合物に1,4−ジオキサン100gを加えて65℃に加温し結晶を溶解した後、熱濾過し、更に1,4−ジオキサン40gと20で触媒を洗浄後、濾液を38gまで濃縮したところに酢酸エチル40gを加えて氷冷し晶析させた後、濾過し更にn−ヘプタン15gで2回洗浄した後、乾燥するとあずき色の結晶9.0g(収率89.3%)が得られた。
【0087】
このDADMB結晶7gを昇華管に採り、マグネティック・スターラーで攪拌しながら100Paの減圧下で油浴で昇温させて行くと、170℃付近から白色結晶が中央部の冷却管と管内壁に付着し始めた。油温を200℃まで昇温し停止した。付着した純白色結晶を捕集すると4.3g(回収率61%)であった。尚、昇華管の底には、未昇華のDADMB結晶と黒色固形物が混在していた。
【0088】
実施例6(1,4−ジオキサン溶媒反応)
200mlオートクレーブにDMDNB22.8g(0.1mol)、1,4−ジオキサン114g(5wt倍)及び5%Pd/C(N.E.ケム キャット社製 KER−Type;水分54.85%)2.52g(dry5wt%)を仕込み、窒素置換後初水素圧5MPaを封じ込め、80℃で攪拌開始した。1MPaになったところで再び5MPaに水素圧を上げ80℃で攪拌継続をした。この操作を4回繰り返した。トータル水素圧11.5MPaを8時間かけて吸収した。室温に戻してから残圧を放出し内容物の一部をサンプリングしガスクロマトグラフィー(GC)で分析の結果、DMDNBとDADMBの比は、41.5面積%対58.5面積%であった。
【0089】
そこで5%Pd/C(N.E.ケム キャット社製 KER−Type;水分54.85%)2.52g(dry5wt%)を追加し初水素圧5MPaを封じ込め、100℃で7時間攪拌再反応した。水素圧3.5MPa吸収したところで停止した。室温に戻してから残圧を放出し内容物の一部をサンプリングしガスクロマトグラフィー(GC)で分析の結果、原料が消失し、DADMBの単一ピークが出現した。そこでこの内容物を取り出し65℃浴で加温しながら濾過により触媒を分離、1,4−ジオキサン洗浄し、濾液を濃縮し70gになったところで酢酸エチル45gを加えて晶析させた。これを濾過し、更に酢酸エチルで洗浄・乾燥すると淡桃色のDADMB結晶14.2g(収率84.5%)が得られた。尚、濾液を濃縮するとDADMB結晶2.0gが得られた。
【0090】
実施例7(常圧反応)
50ml四つ口フラスコにDMDNB1.5g(6.5mmol)、1,4−ジオキサン15g(10wt倍)及び5%Pd/C(N.E.ケム キャット社製 KER−Type;水分54.85%)0.17g(dry5wt%)を仕込み、常圧水素雰囲気(風船)下55℃で13時間攪拌した。反応物の一部をサンプリングしガスクロマトグラフィー(GC)で分析の結果、原料が消失しDADMBの単一ピークが出現した。室温で放置すると針状結晶が析出した。濾過後ケーキの結晶と触媒の混合物に1,4−ジオキサンを加えて65℃に加温し結晶を溶解した後、熱濾過し、更に1,4−ジオキサンで触媒を洗浄後、濾液を濃縮し溶媒を少し残したところにn−ヘプタンを加えて一夜放置した。その後濾過・乾燥すると淡灰色のDADMB結晶0.47g(収率42.6%)が得られた。
【0091】
一方、熱濾過した濾液を濃縮するとDADMB粗結晶0.56gが得られた。これに1,4−ジオキサンを加えて加温溶解後、n−ヘプタンを加えて晶析し、後濾過・乾燥すると灰色のDADMB結晶0.43g(収率38.9%)が得られた。
実施例8
【0092】
【化39】
【0093】
100mlSUSオートクレーブに2−クロロ−1,3−ジメトキシ−4,6−ジニトロベンゼン(CDMDNB)2.62g(10mmol)、酢酸エチル26.2g(10wt倍)及び5%Pd/C(N.E.ケム キャット社製 KER−Type;水分54.85%)0.29g(dry5wt%)を仕込み、窒素置換後初水素圧3MPaを封じ込め、30℃で攪拌開始した。水素吸収が始まり、しだいに60℃で攪拌継続し水素圧1.9MPaを2時間で吸収し停止した。室温に戻してから残圧を放出し内容物を取り出しガスクロマトグラフィー(GC)で分析の結果、原料が消失し、新たな単一ピークが出現した。そこでこの内容物を濾過により触媒を除去し、濾液を濃縮すると赤色結晶1.74g(収率86.1%)が得られた。
【0094】
この物質の構造は、下記の分析結果から2−クロロ−4,6−ジアミノ−1,3−ジメトキシベンゼン(CDADMB)8.4g(32mmol)(収率64.1%)と決定した。
MASS(FAB+, m/e(%)) : 202(M+,100), 187(90), 168(22),153(15).
1H-NMR(CDCl3,δppm) : 3.6095(s, 4H), 3.6919(s, 6H), 5.9678(s, 1H).
13C-NMR(CDCl3,δppm) : 59.9356(2), 100.6271, 121.8923, 135.6494(2), 137.1983(2). (2)は2本分を表す。
Mp(℃): 94.0〜95.0.
実施例9
【0095】
【化40】
【0096】
100mlSUSオートクレーブにCDMDNB2.09g(8mmol)、酢酸エチル20.9g(10wt倍)及び5%Pd/C(N.E.ケム キャット社製 STD−Type;水分54.4%)0.92g(dry20wt%)を仕込み、窒素置換後初水素圧5MPaを封じ込め、30℃で攪拌開始した。水素吸収が始まり、しだいに100℃で1時間攪拌吸収させた後、130℃に昇温し5時間攪拌継続し水素圧2MPa吸収し停止しさせた。室温に戻してから残圧を放出し内容物を取り出しガスクロマトグラフィー(GC)で分析の結果、DADMB/CDADMB=22.0面積%/43.8面積%であった。
比較例1
【0097】
【化41】
【0098】
50ml四つ口反応フラスコに1,3−ジクロロ−4,6−ジニトロベンゼン(DCDNB)1.19g(5mmol)、メタノール11.9g及びトリエチルアミン1.16g(11.5mmol)を仕込み、室温から加温し62℃で4時間還流攪拌した。反応液をサンプリングし、ガスクロマトグラフィー(GC)で分析の結果、1−ヒドロキシ−3−メトキシ−4,6−ジニトロベンゼン(HMDNB)63.1面積%、1,3−ジメトキシ−4,6−ジニトロベンゼン(DMDNB)2.2面積%及び未反応DCDNB32.6面積%であった。
比較例2
【0099】
【化42】
【0100】
50ml四つ口反応フラスコに1,3−ジクロロ−4,6−ジニトロベンゼン(DCDNB)1.19g(5mmol)、メタノール11.9g及び炭酸カリウム0.76g(5.5mmol)を仕込み、室温(18℃)で2時間攪拌した。反応液をサンプリングし、ガスクロマトグラフィー(GC)で分析の結果、1−ヒドロキシ−3−メトキシ−4,6−ジニトロベンゼン(HMDNB)89.7面積%、1,3−ジメトキシ−4,6−ジニトロベンゼン(DMDNB)4.5面積%及び未反応DCDNB5.7面積%であった。
実施例10
【0101】
【化43】
【0102】
500ml四つ口反応フラスコに95%硫酸150gを仕込み、氷冷攪拌下に、1,3−ジクロロ−2−メチルベンゼン(CMB)25.0g(155mmol)を滴下し、続いて、氷冷下(5〜10℃)で97%硝酸26.2g(403mmol)を30分かけて滴下した。しだいに室温に(25℃)戻し1時間攪拌してから、45℃に加温して3時間攪拌した。その後、室温に戻してから反応物を氷中に投入した。析出した結晶を濾過後水洗を4回繰り返した後乾燥すると黄色結晶40.0%が得られた。この結晶をガスクロマトグラフィーで分析するとニトロ化中間体2.1%、主生成物96.5%(収率97.1%)及び副生成物1.2%であった。この結晶は下記の分析結果から、1,3−ジクロロ−2−メチル−4,6−ジニトロベンゼン(CMNB)であることを確認した。
【0103】
MASS(FAB-, m/e(%)) : 249([M-1]+,93), 96(100).
1H-NMR(CDCl3,δppm) : 2.6845(s, 3H), 8.1058(s, 1H) .
13C-NMR(CDCl3,δppm) : 18.9657, 118.7678, 131.0981(2), 141.2766, 146.5567(2).
(2)は2本分を表す。
Mp(℃): 118.0〜119.0.
実施例11
【0104】
【化44】
【0105】
500ml四つ口反応フラスコに1,3−ジクロロ−2−メチル−4,6−ジニトロベンゼン(CMNB)25.0g(100mmol)とメタノール200gを仕込み、氷冷下(5℃)で28%ナトリウムメトキサイド・メタノール溶液50.1g(260mmol)(2.6モル倍)を30分かけて滴下した。しだいに室温に(25℃)戻してから3時間攪拌した。その後、濃縮によりメタノールを留去し、残渣に1,2−ジクロロエタン300gと水30gを加えてスラリー化させた後、氷冷下35%塩酸水溶液7g(70mmol)を滴下し酸性化すると二層の溶液になった。有機層を分液・水洗を繰り返した後濃縮するとガスクロマトグラフィーで分析すると主生成物96.1%の粗結晶23.4g(収率93.0%)が得られた。
【0106】
この結晶をトルエン/n−ヘプタンから再結晶させることにより黄色結晶19.8gが得られた。この結晶は下記の分析結果から、1,3−ジメトキシ−2−メチル−4,6−ジニトロベンゼン(MMNB)であることを確認した。この物質の構造は、下記の分析結果から決定した。
【0107】
MASS(FAB+, m/e(%)) : 243([M+H]+,100), 227(34), 154 (52), 136(75).
1H-NMR(CDCl3,δppm) : 2.2752(s, 3H), 3.8968(s, 3H), 3.8980(s, 3H), 8.2505(s, 1H).
13C-NMR(CDCl3,δppm) : 10.1827, 62.4186(2), 120.5907, 131.1890, 138.7276(2), 156.5134(2). (2)は2本分を表す。
Mp(℃):71〜72.
実施例12
【0108】
【化45】
【0109】
100mlSUSオートクレーブに1,3−ジメトキシ−2−メチル−4,6−ジニトロベンゼン(MMNB)4.84g(20mmol)、酢酸エチル30g及び5%Pd/C(N.E.ケム キャット社製 E−Type;水分51.1%)0.495g(dry5wt%)を仕込み、窒素置換後初水素圧2MPaを封じ込め、攪拌しながら昇温した。50℃付近から水素吸収が見られ、80℃で30分後0.5MPaになったところで再び2MPaに水素圧を上げ80℃で1時間攪拌継続した。トータル水素圧4.5MPa吸収したところで吸収が停止した。室温に戻してから残圧を放出し内容物を取り出しガスクロマトグラフィー(GC)で分析の結果、原料が消失し、新たな単一ピークが出現した。
【0110】
そこでこの内容物を濾過により触媒を除去し、濾液を濃縮・乾燥するとあずき色結晶3.56g(収率97.9%)が得られた。この結晶は下記の分析結果から、4,6−ジアミノ−1,3−ジメトキシ−2−メチルベンゼン(AMMB)であることを確認した。尚、還元反応終了液は、無色透明であったが、濾過の終盤に空気との接触で着色化した。この物質の構造は、下記の分析結果から決定した。
【0111】
MASS(FAB+, m/e(%)) : 182(M+,100), 167(83).
1H-NMR(CDCl3,δppm) : 2.0871(s, 3H), 3.5622(s, 10H), 5.8630(s, 1H).
13C-NMR(CDCl3,δppm) : 9.0606, 59.2669(2), 100.3475, 124.0772, 135.9879(2), 137.7809(2). (2)は2本分を表す。
Mp(℃):68〜69℃.
実施例13
【0112】
【化46】
【0113】
200mlSUSオートクレーブに1,3−ジメトキシ−2−メチル−4,6−ジニトロベンゼン(MMNB)16.94g(70mmol)、酢酸エチル102g及び5%Pd/C(N.E.ケム キャット社製 E−Type;水分51.1%)0.693g(dry2wt%)を仕込み、窒素置換後初水素圧5MPaを封じ込め、攪拌しながら室温から昇温した。50℃付近から水素吸収が見られ、60℃で1時間後1MPaになったところで、再び5MPaに水素圧を上げ60℃で1時間攪拌し1MPaになったところで、再び5MPaに水素圧を上げ30分攪拌継続しトータル水素圧8.5MPa吸収したところで吸収が停止した。
【0114】
室温に戻してから残圧を放出し内容物を取り出しガスクロマトグラフィー(GC)で分析の結果、原料が消失し、AMMBの単一ピークが出現した。そこでこの内容物を濾過により触媒を除去し、濾液を濃縮・乾燥するとAMMBのあずき色結晶12.6g(収率98.9%)が得られた。
実施例14
【0115】
【化47】
【0116】
50ml耐圧ガラス製封管に4,6−ジアミノ−1,3−ジメトキシベンゼン(DADMB)1.68g(10mmol)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)8.4g及び35%塩酸水10gを仕込み、120℃油浴でマグネチック・スターラーにより24時間攪拌した。反応停止後反応液を濃縮すると濃赤色結晶2.21gが得られた。この結晶は、液体クロマトグラフィー(LC)で分析の結果、原料と異なる単一ピークが出現した。又、MASS、1H−NMR及び13C−NMRから4,6−ジアミノレゾルシノール(DAR)2塩酸塩であることを確認した。
実施例15
【0117】
【化48】
【0118】
50ml耐圧ガラス製封管に4,6−ジアミノ−2−クロロ−1,3−ジメトキシベンゼン(CDAMB)2.02g(10mmol)及び48%臭化水素酸水13.5gを仕込み、130℃油浴でマグネチック・スターラーにより10時間攪拌した。反応停止後反応液を冷却してから氷に注ぎ、不溶分を濾過除去し、濾液を濃縮すると濃赤色結晶1.55g(収率46.1%)が得られた。この結晶は、液体クロマトグラフィー(LC)で分析の結果、原料と異なる単一ピークが出現した。又、MASS、1H−NMR及び13C−NMRから2−クロロ−4,6−ジアミノレゾルシノール(CDAR)2臭化水素酸塩であることを確認した。
実施例16
【0119】
【化49】
【0120】
50ml耐圧ガラス製封管に4,6−ジアミノ−1,3−ジメトキシベンゼン(AMMB)1.82g(10mmol)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)9.1g及び48%臭化水素酸水13.5gを仕込み、120℃油浴でマグネチック・スターラーにより24時間攪拌した。反応停止後反応液を濃縮すると濃赤色結晶3.32gが得られた。この結晶は、液体クロマトグラフィー(LC)で分析の結果、原料と異なる単一ピークが出現した。又、MASS、1H−NMR及び13C−NMRから4,6−ジアミノ−2−メチルレゾルシノール(DAMR)2臭化水素酸塩であることを確認した。
Claims (5)
- 式[1]
- 式[1]
- 強酸が、塩酸、臭化水素酸、硫酸であることを特徴とする請求項2記載の4,6−ジアミノレゾルシノール化合物の製造法。
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