JP2003154565A - 光ディスク基板の製造方法 - Google Patents

光ディスク基板の製造方法

Info

Publication number
JP2003154565A
JP2003154565A JP2001354319A JP2001354319A JP2003154565A JP 2003154565 A JP2003154565 A JP 2003154565A JP 2001354319 A JP2001354319 A JP 2001354319A JP 2001354319 A JP2001354319 A JP 2001354319A JP 2003154565 A JP2003154565 A JP 2003154565A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
substrate
stamper
air
optical disk
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001354319A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3929294B2 (ja
Inventor
Kazuo Inoue
和夫 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2001354319A priority Critical patent/JP3929294B2/ja
Publication of JP2003154565A publication Critical patent/JP2003154565A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3929294B2 publication Critical patent/JP3929294B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スタンパに形成された凹凸が成形基板に転写
された後、成形基板がスタンパから剥離される際に生じ
る変形が抑制される光ディスク基板の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 少なくとも一方に凹凸を記録したスタン
パ3を装着した、相互に嵌合する一対の金型1、2を用
い、一対の金型を閉じた状態で金型間に形成されるキャ
ビティに溶融樹脂を流入し、その樹脂が冷却固化した後
に、成形された基板17を金型の外に取り出す。基板を
金型の外に取り出す際に、金型を開く初期の速度を3m
m/s以下とするとともに、スタンパ側から基板に向け
て吹き出すエアの圧力を0.3MPa以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スタンパに形成し
た凹凸を転写させる光ディスク基板の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光ディスクの基板は、熱可塑性樹脂を射
出成形して作られている。射出成形用の金型は大きく捉
えれば一対の嵌合する部材からなり、嵌合した部材間に
形成されるキャビティに溶融樹脂を充填し、冷却固化
後、金型から取り出す。図10に示す射出成形機の断面
図を参照して、光ディスク基板の成形方法を説明する。
図10において、101は射出成形機の台座であり、射
出系102と型締系103とが載置されている。射出系
102には、乾燥した樹脂を一旦貯めるミニホッパ10
4が含まれ、ここからスクリュ105にペレット状の樹
脂が供給される。スクリュ105の周囲にはヒータ10
6が配置され、その熱で樹脂は溶融し、スクリュ105
が回転することで樹脂を混練しながら、スクリュ105
が後退して計量が行われる。スクリュ105の根元には
射出ピストン107が設けられ、計量した溶融樹脂を射
出する。従来の光ディスク基板に用いられるスクリュ1
05はインラインスクリュで、計量と射出を同一スクリ
ュで行っている。これは、樹脂のヤケ等を防止するため
である。
【0003】型締系103は、2枚の大プレート108
を含み、一対の嵌合する金型がボルトで取り付けられ
る。一方が固定金型109であり、他方が可動金型11
0である。この固定金型109と可動金型110とが閉
じた状態で、両者の間にできるキャビティ111に溶融
樹脂が充填される。この型締系103にはタイバー11
2が用いられ、大プレート108が平行に対向したまま
可動側が移動できるように支持している。直圧方式では
可動側の大プレート108を、型締ピストン113で押
圧する。溶融樹脂は、金型内で型締圧をかけられたまま
冷却固化した後、取り出し機(図示せず)で金型の外に
取り出される。
【0004】図1に金型の断面図を示す。金型は上記の
ように固定金型1と可動金型2の1対から構成される。
ここでは、情報の凹凸を形成したスタンパ3を固定金型
1に装着する場合を示す。
【0005】固定金型1は、溶融樹脂が流入するスプル
部をもつスプルブッシュ4を有する。スプルブッシュ4
の周りにはスタンパホルダー5が配置され、スタンパ3
の内側を保持して、固定側鏡面盤6上に固定する。固定
側鏡面盤6は、固定側基盤7に取り付けられている。固
定金型1の最外周には固定側突き当てリング8が配置さ
れ、可動側突き当てリング9と嵌合し当接することによ
り、位置決めを行う。
【0006】可動金型2には、内側から、エジェクタピ
ン10、カットパンチ11、エジェクタスリーブ12、
可動側固定ブッシュ13、可動側鏡面盤14が配置され
ている。さらに可動側鏡面盤14の外周側には、ディス
クの外周を規定する外周リング15が配置されている。
この外周リング15は可動金型2側に装着され、可動金
型2と固定金型1とが閉じた際に、バネ力で固定金型1
側に押し当てられる構造になっている。可動側鏡面盤1
4と可動側突き当てリング9とは、可動側基盤16に取
り付けられている。また、固定金型1では、エア通路A
がスプルブッシュ4とスタンパホルダー5との間に通
じ、可動金型2では、エア通路Bが可動側固定ブッシュ
13と可動鏡面盤14との間に通じている。
【0007】カットパンチ11は、樹脂が固化する前に
突き出して成形基板に内孔を形成する。エジェクタピン
10とエジェクタスリーブ12は固化後、成形基板を金
型から取り出す際に、それぞれ、コールドスラグ部と成
形基板部を突き出す。また、成形基板を取り出す際は、
固定金型1ではエア通路Aから、可動金型2ではエア通
路Bから、それぞれエアを吹き出す。
【0008】以上のような構成において、従来は、金型
の開き速度は、取り出しが安定に行える最大速度に設定
されていた。これは基板の取り出しに要する時間を短縮
して成形サイクルを短縮するためである。
【0009】特開平10−154359号公報には、成
形基板の折れ曲がりを抑制するために、固定金型からエ
アを吹きながら金型を低速で開く技術が開示されてい
る。これは、固定金型から成形基板が剥離しないうちに
強制的に金型が開くことを防止するものであり、スタン
パが固定金型側に装着されているか可動金型側に装着さ
れているかとは無関係である。
【0010】エア圧は、供給元の圧力が0.5MPa程
度であるので、0.5MPa以下で、離型時にクラウド
等の光学的な不良が生じないように、できるだけに高く
設定されていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】光ディスクの高密度化
が進むと、ピットや溝の幅や長さなどの間隔を狭くする
必要がある。この状態で平面部を広くする方が信号とし
てのコントラストが大きくなるため、端面の傾斜角度を
より垂直に立てる必要がある。しかし、ピットや溝の端
面の傾斜角度が垂直に近い程、図11(a)に示すよう
に、剥離角度θをもってスタンパ114から成形基板1
15を剥離する際に、転写した成形基板側のピットや溝
の端面をスタンパ側のピットや溝の端面により擦ること
になる。それにより、図11(b)に示すようにピット
や溝の片側の傾きが寝ると共に、周辺で盛り上がりの変
形Dが発生する。
【0012】従って、高密度の成形基板を得ようとする
と、エアによって成形基板をスタンパから剥離した状態
でも、ピットや溝の片側の傾きが寝たり、ピットや溝の
周辺で盛り上がるという微細な変形が起こり、信号品質
の良い成形基板が得られないという課題がある。
【0013】本発明は、かかる課題に鑑み、スタンパに
形成されたピットまたは溝が成形基板に転写された後、
成形基板がスタンパから剥離される際に生じる変形が抑
制される光ディスク基板の製造方法を提供することを目
的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の光ディスク基板
の製造方法は、少なくとも一方に凹凸を記録したスタン
パを装着した、相互に嵌合する一対の金型を用い、前記
一対の金型を閉じた状態で前記金型間に形成されるキャ
ビティに溶融樹脂を流入し、その樹脂が冷却固化した後
に、成形された基板を前記金型の外に取り出す製造方法
を前提とする。
【0015】上記課題を解決するために、第1の基本構
成の光ディスク基板の製造方法は、前記基板を前記金型
の外に取り出す際に、前記金型を開く初期の速度を3m
m/s以下とするとともに、前記スタンパ側から前記基
板に向けて吹き出すエアの圧力を0.3MPa以下とす
る。
【0016】第2の基本構成の光ディスク基板の製造方
法は、前記基板を前記金型の外に取り出す際に、前記金
型を開く初期の速度を3mm/s以下とするとともに、
前記スタンパ側から前記基板に向けて吹き出すエアの圧
力を前記スタンパから前記基板が剥離し始める前後で高
圧から低圧に切り替えて、前記スタンパから前記基板が
剥離し始めてからのエアの圧力を0.3MPa以下とす
る。
【0017】この方法において、エア吹き出しの圧力を
切り換える際に、0.1秒以上1秒以下の時間、圧力を
実質的にゼロの状態にしてもよい。
【0018】第3の基本構成の光ディスク基板の製造方
法は、前記基板を前記金型の外に取り出す際に、金型を
開く初期の速度を3mm/s以下とするとともに、前記
スタンパ側から前記基板に向けて吹き出すエアの圧力を
一定とし、前記スタンパから基板が剥離し始めるまでは
連続したエア吹き出しを行い、剥離し始めてからはパル
ス状のエア吹き出しを行う。
【0019】この製造方法において、相互に嵌合した環
状部材と円柱部材とを含む開閉手段を用い、前記円柱部
材および前記環状部材には、相互の回動位置を合わせる
と連通する径方向の貫通孔を各々設け、前記開閉手段を
エア通路中に介在させて、前記円柱部材を回転させて前
記貫通孔に連なったエア通路の開閉を行うことにより、
パルス状のエア吹き出しを行うことができる。
【0020】また上記の製造方法において好ましくは、
パルス状のエア吹き出しの周期を0.5秒以下とする。
【0021】また上記の製造方法において、パルス状の
エア吹き出しの吹き出し時間と吹き出し休止時間との比
を調整することにより、金型内で吹き出すエアの平均圧
力を調整することができる。パルス状のエア吹き出し時
におけるエア吹き出しの平均圧力を0.3MPa以下と
することが好ましい。
【0022】また上記の製造方法において、エアの吹き
出しが連続からパルス状に変わる際の休止間隔を、0.
5秒以上1秒以下とすることが好ましい。
【0023】上記いずれかの基本構成の製造方法におい
て、金型内のキャビティに樹脂を充填後、金型を少なく
とも2mm開いた後に金型を開く速度を上昇させること
が好ましい。
【0024】また、スタンパを装着していない側の金型
面でエア吹き出しを行う場合のエア圧を、スタンパ側の
金型面でのエア圧以下とすることが好ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、以
下に図面を参照して詳細に説明する。
【0026】(実施の形態1)実施の形態1における光
ディスク基板の製造方法に用いる光ディスク用金型の構
成は、図1に示した従来の金型と同様である。図2に、
金型を開き始めた直後の様子の模式図を示す。カットパ
ンチ11は、樹脂が溶融している間に突き出して内孔を
形成している。金型を開いても、外周リング15はバネ
で固定金型1側に押しつけられているため移動しない。
また、可動側鏡面盤14表面とスタンパ3表面とを比べ
ると、スタンパ3表面には凹凸が存在し、樹脂が入り込
んでいるため、図2の状態で基板17をスタンパ3表面
から剥離するにはより大きな力が必要であり、容易には
剥離されない。従って、エア通路Aとエア通路Bにエア
を供給して、基板17を、スタンパ3に貼り付いた状態
から剥離する力を付与する。一方、基板17の内孔部は
カットパンチ11と嵌合した状態のため、摩擦により可
動金型1側に引っ張られた状態になる。ここで、エア通
路Aよりエアを供給すると、金型内に流入したエアがス
タンパ3と基板17との間に導かれてスタンパ3と基板
17とを剥離するように働く。図2では、基板17の変
形の様子が誇張して描かれている。
【0027】スタンパ3側の内周からのエア吹き出し
を、金型を開く前または直後から行い、かつ、金型を低
速で開くと、スタンパ3と基板17との剥離角が抑制さ
れた状態で、剥離していく境界の位置が内周から外周に
向かって徐々に移動するものと考えられる。また、この
際のエア圧が低い方が、剥離の速度は緩やかになり、基
板17のピットや溝の端面を擦る力が小さくなるものと
考えられる。従って、基板17に転写されたスタンパ3
上の凹凸の変形が抑制されるものと推定される。
【0028】金型を開く速度、およびエア吹き出しの条
件について調べるための実験を以下のとおりに行った。
すなわち、トラックピッチは283nm、ピットの幅は
140nm、ピットの長さは231nm、ピットの間隔
は546nm、ピット深さは63nmの単一ピットが形
成された、壁面角度が78度のスタンパを用いて成形を
行った。基板形状は内径が15mm、外径が120m
m、厚みが0.6mmであった。基板材料には、ポリカ
ーボネート樹脂(帝人化成製のAD5503)を用い
た。金型温度は120℃、最大型締め力は20トン、充
填時間は0.1秒で行った。
【0029】スタンパ3を装着した固定金型1からのエ
ア吹き出しは、金型が開く前から、スタンパ3を装着し
ない可動金型2からのエア吹き出しは、スタンパ3と基
板17との剥離が終了してからに設定した。これは、可
動金型2からのエア吹き出しをスタンパ3と基板17と
が剥離する前に行うと、基板17における一旦スタンパ
3から剥離した部分が再度スタンパ3側に押し付けられ
て、基板上に形成されたピットが変形を生じる恐れがあ
るためである。
【0030】金型に樹脂を充填し、樹脂が基板の形に冷
却固化して、金型から取り出す際の、金型を開く速度を
変えた場合の図11(b)に示したピット周辺の盛り上
がり変形による高さを原子間力顕微鏡で測定した結果
を、図3に示す。図3から判るように、ピット周辺の盛
り上がり変形高さは、高速で金型を開いた場合は約6n
mで変わらなかったが、金型を3mm/s以下の速度で
開いた場合は減少することが明らかになった。また、金
型を最初は低速で開き、次に装置の最大速度で開くよう
にして、上記の効果を得るために金型を低速で開くこと
が必要な距離について調べた。するとその距離は1mm
以上、好ましくは2mm以上であった。
【0031】次に金型の型開き速度を1mm/sとし、
スタンパ3を装着した固定金型1側のエア通路Aからの
エア圧を変化させた場合に、基板17上に形成されたピ
ットの径方向外側における壁面角度が、スタンパ3上の
ピットの壁面角度から変化した様子についてAFMで測
定した結果を図4に示す。ここで、ピットの壁面角度
を、各ピットの半値深さの位置での径方向における壁面
の角度の最大値と定義し、複数ピットに対してその中の
最小値、最大値、平均値を求めた。同様に、金型の型開
き速度が3mm/sの場合の、ピットの径方向外側にお
ける壁面角度の変化を図5に示す。この図4と図5に示
した結果から、スタンパを装着した側のエア圧は0.3
MPa以下であれば、基板上のピットの壁面角度がスタ
ンパのピットの壁面角度に近い基板が得られることが分
かる。
【0032】この結果、金型の最初の開き速度が3mm
/s以下で、スタンパ装着側のエア圧が0.3MPa以
下の場合に、ピットの外周側壁面の角度とピット周辺の
盛り上がり変形が抑制され、信号品質の良い基板が得ら
れることが判った。
【0033】本実施の形態ではスタンパ3を固定金型1
に装着する場合について示したが、スタンパ3を可動金
型2に装着する場合でも、スタンパ3と基板17との剥
離は、同様の関係になる。従って、スタンパ3を可動金
型2に装着する場合にも、同様の条件を適用することに
より、同様の結果が得られる。
【0034】また、本実施の形態ではスタンパ3にピッ
トが形成された場合について記述したが、スタンパ3に
溝が形成された場合、あるいは、スタンパ3にピットと
溝が混在している場合であっても、上記の製造方法を適
用できる。
【0035】更に、本実施の形態では外周リング15を
可動金型2側に取り付けた場合について示したが、外周
リング15を固定金型1側に取り付けた場合でも同様の
効果が得られる。
【0036】(実施の形態2)実施の形態2における光
ディスク基板の製造方法に用いられる金型の構造は、図
1に示した実施の形態1のものと同様である。実施の形
態1との相違は、スタンパ3を装着している固定金型1
側からのエアの圧力を変化させることである。図6
(a)に、エア圧の時間変化のパターンを示す。図6
(a)に示した変化パターンは、金型を開く直前まで高
圧に保ち、金型を開くと同時に急激に低圧に切り換える
ものである。高圧エアの圧力は0.5MPa以上とす
る。基板とスタンパとの剥離は、金型を開くのと略同時
に開始する。
【0037】図7(a)および図7(b)に、本実施の
形態に用いられるエア圧を切り換える方法を示す。図7
(a)の場合には、エアの流路に切換器18を設け、そ
れぞれ高圧エアと低圧エアの2つの入口を接続する。切
換器18からの出口は1つで、常に入口の一方と出口と
が繋がる構成である。図7(b)の場合には、高圧エア
と低圧エアの2つの入口が、それぞれ開閉器19を介し
て出口と繋がった2つの系統を設ける。出口で2つの系
統が繋がっていて、開閉器19の一方を開から閉に、他
方を閉から開に同時に切り換える。出口は図1のエア通
路Aに繋がっている。
【0038】金型を3mm/s以下の速度で開いてから
の、固定金型1側のエア圧は0.3MPa以下とする。
金型を低速で開く距離は1mm以上、好ましくは2mm
以上である。基板17をスタンパ3から剥離させるため
のエア圧を最初に大きくすることで、基板17から剥離
しにくいスタンパ3でも容易に剥離するようになる。し
かも、内周から剥離が進行している状態ではエア圧が低
くいので、ピット周辺の盛り上がり変形が抑制されるだ
けでなく、ピットの外周側の壁面角度もスタンパ3の壁
面角度に近づく。
【0039】なお、図1に示したようにスタンパ3を固
定金型1に装着する場合に限らず、スタンパ3を可動金
型2に装着する場合でも、スタンパ3と基板17との剥
離は、同様の関係になる。従って、スタンパ3を可動金
型2に装着する場合にも、本実施の形態と同様の条件を
適用することにより、同様の結果が得られる。
【0040】また、外周リング15を可動金型2側に取
り付けた場合に限らず、外周リング15を固定金型1側
に取り付けた場合でも同様の効果が得られる。
【0041】(実施の形態3)実施の形態3における光
ディスク基板の製造方法は、実施の形態2とは、スタン
パ3を装着している固定金型1側からのエアの圧力変化
のパターンが相違する。図6(b)にエア圧の時間変化
のパターンを示す。図6(b)に示した変化パターン
は、金型を開く直前まで高圧に保ち、金型を開くと同時
に急激に一時的にエア圧をゼロ近傍まで下げ 、次に低
圧に切り換えるものである。高圧エアの圧力は0.5M
Pa以上とする。基板とスタンパとの剥離は、金型を開
くのと略同時に開始する。
【0042】エア圧を切り換える方法は、例えば図7
(b)に示したように、高圧エアと低圧エアの2つの入
口が、それぞれ開閉器19を介して出口と繋がった2つ
の系統を設け、出口で2つの系統を繋げた構成を用い
る。開閉器19の一方を開から閉に、他方を閉から開に
同時に切り換える際、一旦両方の開閉器19を同時に閉
じた状態を設ける。出口は図1のエア通路Aに繋がって
いる。
【0043】エア圧をゼロ近傍にする時間は、0.1秒
以上1秒以下で、好ましくは0.2秒から0.5秒とす
ることにより、良好な結果が得られた。金型を3mm/
s以下の速度で開き始めてからの固定金型1側のエア圧
は、0.3MPa以下とする。金型を低速で開く距離は
1mm以上、好ましくは2mm以上である。
【0044】基板17をスタンパ3から剥離する最初の
エア圧を大きくすることで、基板17から剥離しにくい
スタンパ3でも容易に剥離するようになる。しかも、内
周から剥離が進行している状態ではエア圧が低くいの
で、ピット周辺の盛り上がり変形が抑制されるだけでな
く、ピットの外周側の壁面角度もスタンパ3の壁面角度
に近づく。
【0045】エア圧の切り換え時にエア圧を一旦ゼロ近
傍に下げるのは、エア開閉器19とエアが吹き出す金型
表面とは距離があることと、エアが圧縮性流体であるこ
とから、初期の高圧のエアを逃がして急速に次のエア圧
まで下げるためである。
【0046】なお、図1に示したようにスタンパ3を固
定金型1に装着する場合に限らず、スタンパ3を可動金
型2に装着する場合でも、スタンパ3と基板17との剥
離は、同様の関係になる。従って、スタンパ3を可動金
型2に装着する場合にも、本実施の形態と同様の条件を
適用することにより、同様の結果が得られる。
【0047】また、外周リング15を可動金型2側に取
り付けた場合に限らず、外周リング15を固定金型1側
に取り付けた場合でも同様の効果が得られる。
【0048】(実施の形態4)実施の形態4における光
ディスク基板の製造方法に用いられる金型の構造は、図
1に示した実施の形態1のものと同じである。実施の形
態1との相違は、スタンパ3を装着している固定金型1
側からのエア供給の仕方である。
【0049】図8に、エア圧の時間変化パターンを示
す。金型を開く直前まで連続した一様の圧力で、金型を
開くのと略同時に、連続したパルス圧となる。この結
果、基板17をスタンパ3から剥離する力は、金型が開
くまでは大きく、金型が開き始めて基板17がスタンパ
3から剥離し始めると、パルス圧に変化するため、小さ
くなる。エアは圧縮性流体のため、エアの供給がパルス
状でも金型から吹き出す際は連続圧になりえる。そこ
で、エアの1パルスの周期は、0.5秒以下が好まし
い。パルス状のエア供給を行う場合は、吹き出し時間と
吹き出し休止時間との比を適当に設定することにより、
金型内で吹き出すエアの平均圧力を調整することができ
る。連続エアの圧力は0.5MPa以上とする。
【0050】基板17をスタンパ3から剥離する際にお
ける初期の金型の開き速度は、3mm/s以下が良い。
基板17がスタンパ3から剥離し始めてからのパルス状
のエア圧の平均は、0.3MPa以下となるように設定
するのが良い。金型を開く速度を途中から速くする場
合、初期における3mm/s以下の低速で開く距離は、
1mm以上好ましくは2mm以上であった。この場合に
は、基板17上に形成されたピットや溝は周辺の盛り上
がり変形が抑制され、壁面角度もスタンパ3の壁面角度
と略同一の値を示した。
【0051】上記のようにエアを供給するためには、図
7(c)に示すように、エアの高圧供給源を、エア供給
の開閉を行う開閉器20を介して金型のエア供給回路に
導く構成とすれば良い。パルス状のエアの供給のために
は、図7(c)の開閉器20を、電磁石によって往復運
動で開閉する構成とすれば良い。あるいは、図9に示す
ように、エア供給の有無を選択する開閉器21と、エア
通路を断続的に開閉する回転シャッター22とを直列に
接続した構成としても良い。
【0052】回転シャッター22は、図9に示すよう
に、嵌合する円柱部材23と環状部材24からなる。円
柱部材23と環状部材24には、位置を合わせると貫通
する穴が設けられており、この円柱部材23を回転させ
て、穴に連なったエア通路の開閉を行うことで、パルス
状のエア吹き出しを行う。図8に示したエア圧の時間変
化は、開閉器20または開閉器21の出口におけるもの
である。
【0053】また、エア供給を連続からパルス状に切り
換える際には、エアの開閉器20または21により、パ
ルス状エア供給時より長くエア供給を休止させても良
い。この休止時間は、0.5秒以上1秒以下とすると良
好であった。これにより、基板17からスタンパ3を剥
離する力を、急激に低下させることができる。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、基板上に形成された凹
凸がスタンパから剥離される際に変形することが抑制さ
れるため、良好で安定な信号の再生が可能な光ディスク
基板を成形することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1および従来例における光
ディスク基板の製造方法に用いられる金型の構成を示す
断面図
【図2】実施の形態1におけるスタンパと基板とが剥離
する様子を示す断面図
【図3】実施の形態1における、基板に形成されたピッ
ト周辺の盛り上がり変形量と型開き速度との関係を示す
【図4】実施の形態1における型開き速度が1mm/s
の場合の、基板外周側のピット壁面角度と固定金型側の
エア圧との関係を示す図
【図5】実施の形態1における型開き速度が3mm/s
の場合の、基板外周側のピット壁面角度と固定金型側の
エア圧との関係を示す図
【図6】実施の形態2の光ディスク基板の製造方法にお
けるエア圧の時間変化のパターンを示す図
【図7】(a)実施の形態2における固定金型側のエア
供給回路の構成を示す図 (b)実施の形態3における固定金型側のエア供給回路
の構成を示す図 (c)実施の形態4における固定金型側のエア供給回路
の構成を示す図
【図8】実施の形態4の光ディスク基板の製造方法にお
けるエア圧の時間変化のパターンを示す図
【図9】実施の形態4におけるエア供給回路の構成例を
示す図
【図10】従来の光ディスク基板の製造方法における成
形機構造を示す断面図
【図11】スタンパと基板とが剥離する際の基板表面の
変形の様子を示す断面模式図
【符号の説明】
1 固定金型 2 可動金型 3 スタンパ 4 スプルブッシュ 5 スタンパホルダー 6 固定側鏡面盤 7 固定側基盤 8 固定側突き当てリング 9 可動側突き当てリング 10 エジェクタピン 11 カットパンチ 12 エジェクタスリーブ 13 可動側固定ブッシュ 14 可動側鏡面盤 15 外周リング 16 可動側基盤 17 基板 18 切換器 19、20、21 開閉器 22 回転シャッター 23 円柱部材 24 環状部材 101 台座 102 射出系 103 型締系 104 ミニホッパ 105 スクリュ 106 ヒータ 107 射出ピストン 108 大プレート 109 固定金型 110 可動金型 111 キャビティ 112 タイバー 113 型締ピストン 114 スタンパ 115 成形基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F202 AG19 AH79 AR02 AR08 AR11 CA11 CB01 CK43 CL00 CL50 CM04 4F206 AG19 AH79 AR027 AR084 AR11 JA07 JL02 JM06 JN35 JN41 5D121 AA02 DD05 DD18

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方に凹凸を記録したスタン
    パを装着した、相互に嵌合する一対の金型を用い、前記
    一対の金型を閉じた状態で前記金型間に形成されるキャ
    ビティに溶融樹脂を流入し、その樹脂が冷却固化した後
    に、成形された基板を前記金型の外に取り出す光ディス
    ク基板の製造方法において、 前記基板を前記金型の外に取り出す際に、前記金型を開
    く初期の速度を3mm/s以下とするとともに、前記ス
    タンパ側から前記基板に向けて吹き出すエアの圧力を
    0.3MPa以下とする光ディスク基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも一方に凹凸を記録したスタン
    パを装着した、相互に嵌合する一対の金型を用い、前記
    一対の金型を閉じた状態で前記金型間に形成されるキャ
    ビティに溶融樹脂を流入し、その樹脂が冷却固化した後
    に、成形された基板を前記金型の外に取り出す光ディス
    ク基板の製造方法において、 前記基板を前記金型の外に取り出す際に、前記金型を開
    く初期の速度を3mm/s以下とするとともに、前記ス
    タンパ側から前記基板に向けて吹き出すエアの圧力を前
    記スタンパから前記基板が剥離し始める前後で高圧から
    低圧に切り替えて、前記スタンパから前記基板が剥離し
    始めてからのエアの圧力を0.3MPa以下とする光デ
    ィスク基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 エア吹き出しの圧力を切り換える際に、
    0.1秒以上1秒以下の時間、圧力を実質的にゼロの状
    態にする請求項2記載の光ディスク基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも一方に凹凸を記録したスタン
    パを装着した、相互に嵌合する一対の金型を用い、前記
    一対の金型を閉じた状態で前記金型間に形成されるキャ
    ビティに溶融樹脂を流入し、その樹脂が冷却固化した後
    に、成形された基板を金型の外に取り出す光ディスク基
    板の製造方法において、 前記基板を前記金型の外に取り出す際に、金型を開く初
    期の速度を3mm/s以下とするとともに、前記スタン
    パ側から前記基板に向けて吹き出すエアの圧力を一定と
    し、前記スタンパから基板が剥離し始めるまでは連続し
    たエア吹き出しを行い、剥離し始めてからはパルス状の
    エア吹き出しを行う光ディスク基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 相互に嵌合した環状部材と円柱部材とを
    含む開閉手段を用い、前記円柱部材および前記環状部材
    には、相互の回動位置を合わせると連通する径方向の貫
    通孔を各々設け、前記開閉手段をエア通路中に介在させ
    て、前記円柱部材を回転させて前記貫通孔に連なったエ
    ア通路の開閉を行うことにより、パルス状のエア吹き出
    しを行う請求項4記載の光ディスク基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 パルス状のエア吹き出しの周期を0.5
    秒以下とする請求項4記載の光ディスク基板の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 パルス状のエア吹き出しの吹き出し時間
    と吹き出し休止時間との比を調整することにより、金型
    内で吹き出すエアの平均圧力を調整する請求項4記載の
    光ディスク基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 パルス状のエア吹き出し時におけるエア
    吹き出しの平均圧力を0.3MPa以下とする請求項7
    記載の光ディスク基板の製造方法。
  9. 【請求項9】 エアの吹き出しが連続からパルス状に変
    わる際の休止間隔を、0.5秒以上1秒以下とする請求
    項4記載の光ディスク基板の製造方法。
  10. 【請求項10】 金型内のキャビティに樹脂を充填後、
    金型を少なくとも2mm開いた後に金型を開く速度を上
    昇させる請求項1、2または4に記載の光ディスク基板
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 スタンパを装着していない側の金型面
    でエア吹き出しを行う場合のエア圧を、スタンパ側の金
    型面でのエア圧以下とする請求項1、2、または4に記
    載の光ディスク基板の製造方法。
JP2001354319A 2001-11-20 2001-11-20 光ディスク基板の製造方法 Expired - Fee Related JP3929294B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001354319A JP3929294B2 (ja) 2001-11-20 2001-11-20 光ディスク基板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001354319A JP3929294B2 (ja) 2001-11-20 2001-11-20 光ディスク基板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003154565A true JP2003154565A (ja) 2003-05-27
JP3929294B2 JP3929294B2 (ja) 2007-06-13

Family

ID=19166197

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001354319A Expired - Fee Related JP3929294B2 (ja) 2001-11-20 2001-11-20 光ディスク基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3929294B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010125626A (ja) * 2008-11-25 2010-06-10 Wakisaka Engineering:Kk 樹脂シートの熱成形装置における離型機構

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010125626A (ja) * 2008-11-25 2010-06-10 Wakisaka Engineering:Kk 樹脂シートの熱成形装置における離型機構

Also Published As

Publication number Publication date
JP3929294B2 (ja) 2007-06-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4593572B2 (ja) 射出成形装置、射出成形方法及び射出成形金型
JP4184091B2 (ja) 射出成形方法
JPH01264818A (ja) 情報記録ディスク基板の射出成形装置
US20060275576A1 (en) Molding die apparatus, method for disc substrate, and disc-shaped recording medium
JP2003154565A (ja) 光ディスク基板の製造方法
JP3224347B2 (ja) ディスク基板成形用型
US20090232930A1 (en) Disk Molding Mold, Mirror Surface Disk, and Method of Manufacturing Mirror Surface Disk
US20020185760A1 (en) Disk molding apparatus and disk substrate manufacturing method
WO2006123703A1 (ja) ディスク成形用金型、その製造方法及び金型部品
JP2003053786A (ja) 樹脂基板成型用射出成形装置
EP2085206A1 (en) Disk-molding mold and mirror surface disk
JP2004174714A (ja) 樹脂成形方法、樹脂成形用金型、樹脂成形品及び樹脂成形機
JPH10235682A (ja) 射出成形装置
JPH0687142A (ja) 光ディスク基板とその射出成形装置および射出成形方法
JP2003291178A (ja) 成形用金型装置
JP3486809B2 (ja) ディスク基板成形型
JP2980432B2 (ja) 表面に微細なパターンを有し、且つ中心に開口を有する成形品の射出成形方法及びその射出成形装置
JP3524604B2 (ja) ディスク成形金型
US20090041881A1 (en) Mold Device and Mirror Plate
JPH11291307A (ja) 薄肉円盤成形品の製造装置および製造方法
JPH10264213A (ja) 射出成形型および射出成形方法
JPH09174617A (ja) 光記録媒体の基板成形用金型及び成形機
JP2977239B2 (ja) 光ディスク基板の成形方法及びその製造装置
JP2000108169A (ja) 金型の開き方法および一時開き停止金型
JPH10247319A (ja) 円盤状記録媒体基板の製造方法及び製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040915

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070227

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070306

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3929294

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100316

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110316

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110316

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120316

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130316

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130316

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140316

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees